JP2003081682A - シリコン含浸炭化ケイ素セラミックスの製造方法 - Google Patents

シリコン含浸炭化ケイ素セラミックスの製造方法

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JP2003081682A JP2001273225A JP2001273225A JP2003081682A JP 2003081682 A JP2003081682 A JP 2003081682A JP 2001273225 A JP2001273225 A JP 2001273225A JP 2001273225 A JP2001273225 A JP 2001273225A JP 2003081682 A JP2003081682 A JP 2003081682A
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龍也 露木
Shunichi Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉で複雑な形状であっても、反りや歪等の
変形を生じることなく、組織の均質性に優れた製品を容
易に得ることができ、しかも、緻密性および強度特性に
も優れたシリコン含浸炭化ケイ素セラミックスの製造方
法を提供する。 【解決手段】 炭化ケイ素粉と、ゲル化能を有する有機
物と、揮散性液体とを含む原料を混合してスラリーを調
製する工程と、前記工程により得られたスラリーを型に
鋳込み、ゲル化または硬化させて成形する工程と、前記
工程により得られた成形体を焼成する工程と、前記工程
により得られた焼成体にシリコンを含浸させる工程とを
含むシリコン含浸炭化ケイ素セラミックスの製造方法に
おいて、前記スラリー中に、セルロース繊維を、前記炭
化ケイ素粉に対して0.05重量%以上1重量%以下添
加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン含浸炭化
ケイ素セラミックスの製造方法に関し、特に、半導体製
造においてウエハ等の熱処理装置や減圧CVD装置等に
おける構造材や部品として好適に用いられるシリコン含
浸炭化ケイ素セラミックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素(SiC)セラミックスは、
シリコン(Si)とカーボン(C)とから構成される非
酸化物系セラミックスであり、耐熱性、熱伝導性、耐食
性、強度、耐摩耗性等において優れた特性を有すること
から、保温筒等の高温構造材、発熱体、抵抗体の他に、
耐食材、耐摩耗材、砥石等、種々の用途に広く使用され
ている。特に、シリコンと反応焼結させて、気孔を消滅
させた緻密質のシリコン含浸炭化ケイ素(Si−Si
C)セラミックスは、耐汚染性にも優れた特性を有す
る。
【0003】このため、Si−SiCセラミックスは、
半導体製造において、例えば、ウエハ等の酸化、拡散、
アニール工程等において、石英ガラス部材を使用するこ
とができない場合、すなわち、石英ガラス使用可能温度
である1200℃を超える高温処理に使用される炉心
管、ウエハボート等の部材に多用されている。また、エ
ピタキシャル工程等においても、ウエハを載置するサセ
プタとして、上記SiCセラミックスが用いられる。
【0004】従来、上記のようなSi−SiCセラミッ
クスの製造方法としては、 SiC粉、カーボン粉、バインダーを混合して造粒
し、この造粒粉をCIP(冷間静水圧成形)により成形
する(CIP法)。そして、脱脂、焼成した後、Siを
含浸させて、緻密なSi−SiCセラミックスを得る方
法、 SiC粉、カーボン粉、解こう剤、水を混合してスラ
リーを調製し、このスラリーを石こう型に鋳込み、乾
燥、脱型する(スリップキャスト法)。そして、脱脂、
焼成した後、Siを含浸させて緻密なSi−SiCセラ
ミックスを得る方法等が一般的な方法として知られてい
る。
【0005】また、焼結助剤および硬化剤を用いたSi
Cセラミックスの緻密化方法を改良した方法として、 SiC粉、カーボン粉、カーボン源となる化合物(フ
ラン系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族アルコールのう
ち1種以上)、架橋重合性樹脂(イミン系樹脂)、水を
混合してスラリーを調製し、このスラリーに硬化剤(ポ
リエチレンイミン)を混合して型に鋳込み、硬化、乾
燥、脱型する(ゲルキャスト法)。そして、脱脂、焼成
した後、Siを含浸させて緻密なSi−SiCセラミッ
クスを得る方法が、特開2000−290074号公報
に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、肉薄で複雑な形状の成形は困難であり、成
形体および焼成体の加工精度が劣るものであった。ま
た、上記の方法では、鋳込みや乾燥の過程において、
スラリー中の原料粒子のうち、粗粒は鋳型下部に沈降
し、細粒は鋳型上部に浮上する等、粒径分布に局所的な
偏りが生じ、成形体の組織の均質性が損われ、反りや歪
等の変形、Siの未含浸箇所が生じる等の不都合が生じ
ていた。さらに、部分的に肉厚が異なる成形体の場合、
石こう型の水分吸収速度に差が生じるため、均質な焼成
体を得ることが困難であった。
【0007】また、上記の方法では、例えば、平均粒
径30μmのSiC粉を原料中10重量%以上配合した
場合、硬化過程において、粗粒が沈降し、成形体の組織
の均質性が損われ、反りや歪等の変形が生じてしまう。
一方、平均粒径3μmのSiC粉を原料中10重量%以
上配合した場合は、Siの含浸時に含浸速度が遅く、均
一に含浸させることが困難であった。すなわち、の方
法では、原料として使用するSiC粉の粒径は、狭い範
囲のものに制限され、原料粉の精細な篩別が必要であっ
た。また、肉薄で複雑な形状の成形品の場合には、加工
に耐え得る成形体強度および焼成体強度等を得ることが
できなかった。
【0008】本発明は、上記技術的課題を解決するため
になされたものであり、薄肉で複雑な形状であっても、
反りや歪等の変形を生じることなく、組織の均質性に優
れた製品を容易に得ることができ、しかも、緻密性およ
び強度特性にも優れたシリコン含浸炭化ケイ素セラミッ
クスの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシリコン含
浸炭化ケイ素セラミックスの製造方法は、炭化ケイ素粉
と、ゲル化能を有する有機物と、揮散性液体とを含む原
料を混合してスラリーを調製する工程と、前記工程によ
り得られたスラリーを型に鋳込み、ゲル化または硬化さ
せて成形する工程と、前記工程により得られた成形体を
焼成する工程と、前記工程により得られた焼成体にシリ
コンを含浸させる工程とを含むシリコン含浸炭化ケイ素
セラミックスの製造方法において、前記スラリー中に、
セルロース繊維が、前記炭化ケイ素粉に対して0.05
重量%以上1重量%以下添加されることを特徴とする。
主原料であるSiC粉に、上記セルロース繊維を添加す
ることにより、成形体の組織の均質性の保持および強度
の向上を図ることができるため、加工容易となる。ま
た、セルロース繊維は、焼成工程において、炭化してカ
ーボンとなり、Si含浸を促進することができるため、
Siが均質に含浸され、緻密かつ高強度のSi−SiC
セラミックスが得られる。
【0010】前記セルロース繊維は、幅5μm以上20
μm以下、長さ0.1mm以上4mm以下の繊維状であ
ることが好ましい。スラリー中の原料粒子の沈降分離を
防止し、また、鋳込み成形が容易であるスラリー粘度を
担保する観点から、原料中には、上記形状のセルロース
繊維が添加されることが好ましい。
【0011】また、前記炭化ケイ素粉の平均粒径は1μ
m以上50μm以下であることが好ましい。スラリー粘
度を適度に保持し、かつ、成形体および焼成体の均質性
および加工性を担保する観点から、上記範囲内の粒径の
SiC粉を主原料として用いることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、より詳細
に説明する。本発明に係るSi−SiCセラミックスの
製造方法は、原料を混合するスラリー調製工程と、鋳込
み成形工程と、焼成工程と、Si含浸工程とを主な工程
とし、前記スラリー調製工程において、原料として、S
iC粉と、ゲル化能を有する有機物と、揮散性液体に、
セルロース繊維を添加することを特徴とする。本発明に
おいては、原料中にセルロース繊維を添加することによ
り、成形体の組織の均質性の保持および強度の向上を図
ることができるため、成形体および焼成体の加工が容易
となる。また、セルロース繊維は、焼成工程において、
炭化してカーボンとなり、Si含浸を促進することがで
きるため、Siが焼成体の内部まで均質に含浸され、緻
密かつ高強度のSi−SiCセラミックスが得られる。
【0013】本発明において用いられるセルロース繊維
は、特に限定されるものではなく、植物の種子やじん
皮、木材等の繊維を用いることができる。このセルロー
ス繊維は、スラリー調製工程において、原料を混合する
際にも破砕し難く、スラリー中でSiC粒子と絡まり、
粒子の沈降を防止し、成形体の組織の均質性を保持する
ことができる。また、前記セルロース繊維は、毛細管現
象により、スラリー中の液分を吸収し、強固に硬化する
ため、補強材として作用し、成形体の強度および加工性
を向上させる効果も奏する。さらに、前記セルロース繊
維は、焼成によりカーボンとなり、このカーボンの糸状
の構造ゆえに、これ自身がSi含浸工程におけるSiの
浸入経路となり、Siを均質に含浸させる役割も果た
す。すなわち、セルロース繊維が炭化して生成したカー
ボンは、Si融液とのぬれ性がよいため、Si融液はこ
の繊維炭化痕のカーボンに沿って内部に浸入し、このカ
ーボンと容易に反応してSiCとなる。したがって、生
成したSiCは繊維炭化痕に連続した形で存在するた
め、得られるSi−SiCセラミックスの強度が向上す
るとともに、反りや歪等の変形も防止される。
【0014】前記セルロース繊維は、主原料であるSi
C粉に対して、0.05重量%以上1重量%以下の範囲
で添加される。セルロース繊維の添加量が0.05重量
%未満である場合には、セルロース繊維とSiC粒子と
の絡まりが不十分となり、スラリー中のSiC粒子の沈
降分離を十分に防止することができない。一方、添加量
が1重量%を超える場合、セルロース繊維とSiC粒子
との絡まりにより、スラリーの粘度上昇が大きくなり、
スラリーの流動性が低下し、特に、薄肉で複雑な形状の
鋳込み成形が困難となる。
【0015】また、前記セルロース繊維は、幅が5μm
以上20μm以下、長さが0.1mm以上4mm以下で
あることが好ましい。セルロース繊維の幅が5μm未満
または長さが0.1mm未満である場合、すなわち、繊
維が細かい場合は、SiC粒子との絡まりによる粒子の
沈降分離の防止効果が十分でなく、成形体の組織の均質
性が損われる。一方、セルロース繊維の幅が20μmを
超える場合または長さが4mmを超える場合、すなわ
ち、繊維が粗い場合は、添加量が上記範囲内であって
も、スラリーの粘度が上昇するため、薄肉で複雑な形状
の鋳込み成形が困難となる。
【0016】本発明において、主原料として用いられる
SiC粉は、SiCセラミックス製造用に市販されてい
る各種SiC原料粉であれば、特に限定されることなく
用いることができる。特に、半導体製造装置の構造材や
部品として用いられるSi−SiCセラミックスを製造
する場合は、Fe等の不純物金属を含まない高純度品を
用いることが好ましい。
【0017】また、前記SiC粉は、上述した従来のゲ
ルキャスト法を用いた方法のように、精細に篩別する必
要はないが、平均粒径が1μm以上50μm以下の範囲
のものを用いることが好ましい。SiC粉の平均粒径が
1μm未満である場合、スラリーの粘度が上昇し、薄肉
で複雑な形状の鋳込み成形が困難となる。一方、SiC
粉の平均粒径が50μmを超える場合、スラリーの粘度
が低下し、成形体の組織の均質性が損われ、強度が低下
する。また、焼成体の平均気孔径が大きくなるととも
に、その気孔分布の幅も広がるため、強度が低下し、加
工性に劣る。
【0018】また、原料を混合して調製されるスラリー
には、鋳込み成形の際の操作性、成形体の形状保持およ
び加工性等の観点から、ゲル化能を有する有機物が添加
される。このゲル化能を有する有機物としては、例え
ば、ポリエチレンイミン等のイミン系樹脂とその架橋剤
である水溶性エポキシ樹脂等の架橋重合性樹脂とその架
橋剤(硬化剤)の組合せや、でん粉、寒天、ゼラチン等
の天然物のゲル化剤等を挙げることができる。前記ゲル
化能を有する有機物の添加量は、その有機物の種類に応
じて適宜決定されるが、例えば、イミン系樹脂の場合
は、SiC粉に対して、4〜12重量%程度添加される
とともに、その反応相当量の水溶性エポキシ樹脂が添加
される。
【0019】本発明において用いられる揮散性液体とし
ては、一般に、純水が使用されるが、その他、エタノー
ル水溶液等の混合溶液を用いることもできる。
【0020】以下、本発明に係るSi−SiCセラミッ
クスの製造方法における各工程を具体的に説明する。ス
ラリー調製工程においては、例えば、以下のような配合
組成のスラリーを調製する。まず、粉末原料としては、
SiC粉100重量部と、カーボン粉0.5〜5重量部
と、幅5〜20μm、長さ0.1〜4mmのセルロース
繊維0.05〜1重量部を添加する。この粉末原料に、
純水100重量部と、フラン系樹脂、フェノール系樹
脂、芳香族アルコール等のカーボン源となる化合物3〜
50重量部と、イミン系樹脂等の架橋重合性樹脂10〜
30重量部とからなる溶液を、15〜40重量部添加
し、混合してスラリーを調製する。
【0021】次の成形工程においては、前記スラリー
に、架橋重合性樹脂との反応相当量の水性エポキシ樹脂
等の硬化剤を加えて混合し、脱泡後、型に鋳込む。そし
て、所定時間静置し、ゲル化または硬化させた後、脱型
し、乾燥させて、成形体を得る。
【0022】次に、焼成工程では、前記工程により得ら
れた成形体を焼成する。この成形体は、そのまま焼成し
ても差し支えないが、焼成前に、非酸化性雰囲気下に
て、400〜1000℃程度で、脱脂することが好まし
い。そして、1450〜2200℃、好ましくは、16
00〜2000℃で焼成する。前記焼成は、SiCセラ
ミックスが、非酸化物系セラミックスであることから、
アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、また
は、0.01〜0.1Torrの減圧下等、非酸化性雰囲気
下にて行われることがより好ましい。
【0023】そして、Si含浸工程において、不活性ガ
ス雰囲気下または減圧下等にて、1450〜1700℃
で、上記工程により得られた焼成体に溶融Siを含浸さ
せる。上記工程により、Si−SiCセラミックスが得
られる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例により制限される
ものではない。 [実施例1]平均粒径30μmのSiC粉(α型;純度
99.99%以上)100重量部、カーボンブラック3
重量部、幅10μm、長さ0.8mmのセルロース繊維
0.5重量部(SiC粉に対して0.05重量%)とか
らなる原料粉末に、純水100重量部、ベンジルアルコ
ール3重量部、ポリエチレンイミン樹脂20重量部とか
らなる溶液30重量部を添加し、ミキサーで15時間撹
拌混合してスラリーを調製した。このスラリーに、ポリ
エチレンイミン樹脂との反応相当量の水性エポキシ樹脂
4重量部を添加し、5分間混合しながら脱泡処理を行っ
た後、熱処理炉部材の型(厚肉部分厚さ20mm、薄肉
部分厚さ2mm、ポリ塩化ビニル製鋳型)に鋳込み、硬
化させて成形した。そして、脱型し、乾燥させて、成形
体を得た。この成形体をアルゴン雰囲気下にて、180
0℃で焼成した。得られた焼成体に、アルゴン雰囲気下
にて、1600℃でSiを含浸させて、Si含浸体(S
i−SiCセラミックス)を得た。上記における水性エ
ポキシ樹脂(硬化剤)添加後のスラリーの粘度、鋳込み
状態、成形体・焼成体の加工性、成形体・焼成体・Si
含浸体の各強度および組織の均質性の評価結果を表1に
示す。
【0025】[実施例2〜7]原料として、SiC粉の
平均粒径、セルロース繊維の幅および長さが表1の実施
例2〜7に示したものを用いて、それ以外については、
実施例1と同様の工程により、それぞれ、Si含浸体を
得た。これらの硬化剤添加後のスラリーの粘度、鋳込み
状態、成形体・焼成体の加工性、成形体・焼成体・Si
含浸体の各強度および組織の均質性の評価結果を表1に
示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示したように、実施例1〜7の本発
明に係るSi−SiCセラミックス(Si含浸体)は、
いずれも200MPa以上と高強度であり、変形も生じ
なかった。特に、SiC粉に平均粒径が1μm以上50
μm以下の範囲内である場合(実施例1〜3)は、平均
粒径が1μm未満である場合(実施例6)または50μ
mを超える場合(実施例7)と比較して、スラリーの粘
度が適度で、流動性が良好であり、型の末端部や細部へ
の鋳込み成形も容易であり、また、成形体および焼成体
の加工性も良好であった。また、添加するセルロース繊
維の幅が5μm以上20μm以下、長さが0.1mm以
上4mm以下である場合(実施例1〜3)は、繊維がよ
り細かい場合(実施例4)、または、より粗い場合(実
施例5)と比較して、スラリーの粘度も適度であり、鋳
込み成形が容易であり、組織の均質性にも優れ、より高
強度のSi含浸体が得られることが認められた。
【0028】[比較例1〜4]原料として、SiC粉の
平均粒径、セルロース繊維の幅および長さが表1の比較
例1〜4に示したものを用いて、それ以外については、
実施例1と同様の工程により、それぞれ、Si含浸体を
得た。これらの硬化剤添加後のスラリーの粘度、鋳込み
状態、成形体・焼成体の加工性、成形体・焼成体・Si
含浸体の各強度および組織の均質性の評価結果を表2に
示す。
【0029】[従来例]原料中にセルロース繊維を添加
しない以外は、実施例1と同様の原料配合および工程に
より、Si含浸体を得た。これらの硬化剤添加後のスラ
リーの粘度、鋳込み状態、成形体・焼成体の加工性、成
形体・焼成体・Si含浸体の各強度および組織の均質性
の評価結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2に示したように、セルロース繊維の添
加量が、SiC粉に対して0.05重量%未満である場
合(比較例1)は、スラリー中のSiC粒子が沈降分離
してしまい、組織が不均一成形体な成形体が得られた。
また、セルロース繊維が細かい場合(比較例3)も、ス
ラリー中のSiC粒子が沈降分離してしまい、成形体の
組織が不均一であり、しかも、Si未含浸箇所が残存
し、Si含浸体強度も低いものであった。また、セルロ
ース繊維の添加量が、SiC粉に対して1重量%を超え
る場合(比較例2)は、スラリーの流動性が悪く、粘度
の測定が困難であり、型の末端部や細部にまで充填する
ことが困難であった。さらに、セルロース繊維が粗い場
合(比較例4)は、組織も不均一なものであり、焼成体
はハンドリング中に破損してしまった。また、原料中に
セルロース繊維を添加しない場合(従来例)は、スラリ
ーの粘度が低く、原料粒子の沈降速度が速く、成形体の
組織が不均質であることが認められた。
【0032】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係るシリコン含
浸炭化ケイ素セラミックスの製造方法によれば、薄肉で
複雑な形状であっても、反りや歪等の変形を生じること
なく、組織の均質性に優れた製品を容易に得ることがで
きる。また、本発明により得られるシリコン含浸炭化ケ
イ素セラミックスは、緻密性および強度特性にも優れて
いるため、半導体製造においてウエハ等の熱処理装置や
減圧CVD装置等における構造材や部品として好適に用
いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市島 雅彦 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4G001 BA22 BA60 BA62 BA86 BB22 BB62 BC13 BC71 BD38 4G030 PA22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素粉と、ゲル化能を有する有機
    物と、揮散性液体とを含む原料を混合してスラリーを調
    製する工程と、 前記工程により得られたスラリーを型に鋳込み、ゲル化
    または硬化させて成形する工程と、 前記工程により得られた成形体を焼成する工程と、 前記工程により得られた焼成体にシリコンを含浸させる
    工程とを含むシリコン含浸炭化ケイ素セラミックスの製
    造方法において、 前記スラリー中に、セルロース繊維が、前記炭化ケイ素
    粉に対して0.05重量%以上1重量%以下添加される
    ことを特徴とするシリコン含浸炭化ケイ素セラミックス
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記セルロース繊維が、幅5μm以上2
    0μm以下、長さ0.1mm以上4mm以下の繊維状で
    あることを特徴とする請求項1記載のシリコン含浸炭化
    ケイ素セラミックスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記炭化ケイ素粉の平均粒径が1μm以
    上50μm以下であることを特徴とする請求項1または
    2記載のシリコン含浸炭化ケイ素セラミックスの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100478302C (zh) * 2003-09-22 2009-04-15 中国科学院金属研究所 一种高强度致密碳化硅陶瓷球及其制备方法
JP2010265153A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Mitsubishi Electric Corp スリップキャスト成形用組成物及びスリップキャスト成形体の成形方法
JP2018090454A (ja) * 2016-12-05 2018-06-14 第一工業製薬株式会社 無機材料含有組成物、及び、鋳込成形品の製造方法。

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