JP2001163670A - 炭化珪素質焼結体およびその製造方法 - Google Patents
炭化珪素質焼結体およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 泥漿鋳込み成形における着肉性に優れ、成形
体の乾燥収縮による亀裂発生が無く、焼結時の収縮率の
バラツキがきわめて少なく、高密度で高強度を有する炭
化珪素質焼結体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末と粒
子径1μm未満の炭化珪素粉末からなる焼結体で、3.
12g/cm3 以上の密度を有する。上記配合比率の炭
化珪素粉末原料に、焼結助剤の炭素源としてカーボンブ
ラックを適用し、スラリーのpHを8〜11、粘度を1
500〜3500cpsに調整し、鋳込み成形により得
られた成形体を2100〜2400℃の温度、非酸化性
雰囲気中で常圧焼結する。
体の乾燥収縮による亀裂発生が無く、焼結時の収縮率の
バラツキがきわめて少なく、高密度で高強度を有する炭
化珪素質焼結体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末と粒
子径1μm未満の炭化珪素粉末からなる焼結体で、3.
12g/cm3 以上の密度を有する。上記配合比率の炭
化珪素粉末原料に、焼結助剤の炭素源としてカーボンブ
ラックを適用し、スラリーのpHを8〜11、粘度を1
500〜3500cpsに調整し、鋳込み成形により得
られた成形体を2100〜2400℃の温度、非酸化性
雰囲気中で常圧焼結する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素質焼結体
およびその製造方法、詳しくは、泥漿鋳込み成形(スリ
ップキャスト)により生成された成形体を焼結して得ら
れる炭化珪素焼結体およびその製造方法に関する。
およびその製造方法、詳しくは、泥漿鋳込み成形(スリ
ップキャスト)により生成された成形体を焼結して得ら
れる炭化珪素焼結体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素焼結体は、高温における機械的
特性、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐食性、剛性などに優れ
ているところから、高温下に使用される構造用材料、例
えば、半導体製造装置用部材、真空装置用部材などとし
て有用されている。また、熱伝導度が高いことから電子
部品への応用も検討されており、エレクトロニクス分野
での実用化も試みられている。
特性、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐食性、剛性などに優れ
ているところから、高温下に使用される構造用材料、例
えば、半導体製造装置用部材、真空装置用部材などとし
て有用されている。また、熱伝導度が高いことから電子
部品への応用も検討されており、エレクトロニクス分野
での実用化も試みられている。
【0003】炭化珪素質焼結体を焼結する前段階として
の成形法としては乾式プレス成形法や泥漿鋳込み成形法
などがあるが、炭化珪素粉末と焼結助剤とを均一に混合
し、混合粉末を成形型に入れて加圧成形する乾式プレス
成形法では、原料粉末を均一に混合することが難しく、
とくに大型で複雑形状の成形体を得ることが困難であ
る。
の成形法としては乾式プレス成形法や泥漿鋳込み成形法
などがあるが、炭化珪素粉末と焼結助剤とを均一に混合
し、混合粉末を成形型に入れて加圧成形する乾式プレス
成形法では、原料粉末を均一に混合することが難しく、
とくに大型で複雑形状の成形体を得ることが困難であ
る。
【0004】これに対して、泥漿鋳込み成形法は、炭化
珪素粉末に必要に応じて焼結助剤と成形助剤を加えて水
などの溶媒中で懸濁させるとによって泥漿(スラリー)
を調製し、このスラリーを石膏型などの吸水性の材料で
作成した成形型に注入して脱水し成形体を得るもので、
金型やCIPを用いる乾式プレス成形の場合のように、
成形用顆粒を作製する工程がなく、スラリー状態から直
接成形体が得られるから、より均質な成形体を得ること
が期待でき、大型で複雑形状の成形体を容易に得ること
ができるという利点もある。
珪素粉末に必要に応じて焼結助剤と成形助剤を加えて水
などの溶媒中で懸濁させるとによって泥漿(スラリー)
を調製し、このスラリーを石膏型などの吸水性の材料で
作成した成形型に注入して脱水し成形体を得るもので、
金型やCIPを用いる乾式プレス成形の場合のように、
成形用顆粒を作製する工程がなく、スラリー状態から直
接成形体が得られるから、より均質な成形体を得ること
が期待でき、大型で複雑形状の成形体を容易に得ること
ができるという利点もある。
【0005】しかしながら、実際には、水などの溶媒に
炭化珪素粉末を均一に分散させることは容易ではなく、
粉末の種類や粒径に応じた分散剤の選択が重要となる。
粉末が均一に分散していない場合には、製品の乾燥時に
亀裂や割れが生じることもある。着肉面と排泥面の乾燥
収縮率の違い、鋳込体の不均一性、型合わせ面の不適合
なども亀裂や割れの原因となる。
炭化珪素粉末を均一に分散させることは容易ではなく、
粉末の種類や粒径に応じた分散剤の選択が重要となる。
粉末が均一に分散していない場合には、製品の乾燥時に
亀裂や割れが生じることもある。着肉面と排泥面の乾燥
収縮率の違い、鋳込体の不均一性、型合わせ面の不適合
なども亀裂や割れの原因となる。
【0006】泥漿鋳込み成形においては、割れや亀裂を
なくし、寸法制御性が良好であって且つ所望の特性を有
する焼結体を再現性良く製造するためには、まずスラリ
ーの品質を安定させることが重要である。また、炭化珪
素質焼結体は難加工材料であるから、製品の製造コスト
を低減するために、成形体や仮焼体に粗加工を施した
後、本焼成を行い、仕上げ加工を行う工夫がなされてい
る。加工コストを下げるためには、成形体や仮焼体の粗
加工の割合を多くし、本焼成後の加工を少なくすること
が有効であり、そのためには、焼成時の焼成収縮率を厳
密に制御することが必要である。
なくし、寸法制御性が良好であって且つ所望の特性を有
する焼結体を再現性良く製造するためには、まずスラリ
ーの品質を安定させることが重要である。また、炭化珪
素質焼結体は難加工材料であるから、製品の製造コスト
を低減するために、成形体や仮焼体に粗加工を施した
後、本焼成を行い、仕上げ加工を行う工夫がなされてい
る。加工コストを下げるためには、成形体や仮焼体の粗
加工の割合を多くし、本焼成後の加工を少なくすること
が有効であり、そのためには、焼成時の焼成収縮率を厳
密に制御することが必要である。
【0007】発明者は、分散性に優れ、鋳込み成形での
着肉性向上、乾燥収縮による割れや亀裂のない成形体を
得るためのスラリーを作製するとともに、当該スラリー
を鋳込み成形して得られた成形体の焼結において、焼成
収縮率のバラツキがきわめて少ない炭化珪素質焼結体を
製造するために、製造コスト面も含め、原料の粒径、ス
ラリーの作製条件、焼結条件などについて多角的な観点
から見直しを行った。
着肉性向上、乾燥収縮による割れや亀裂のない成形体を
得るためのスラリーを作製するとともに、当該スラリー
を鋳込み成形して得られた成形体の焼結において、焼成
収縮率のバラツキがきわめて少ない炭化珪素質焼結体を
製造するために、製造コスト面も含め、原料の粒径、ス
ラリーの作製条件、焼結条件などについて多角的な観点
から見直しを行った。
【0008】まず、炭化珪素質焼結体を製造するための
炭化珪素粉末原料としては、従来、粒径1μm未満のも
のが使用されていたが、サブミクロン粒径の原料のみの
使用では、鋳込み成形での着肉性がわるく、スラリーの
含水量が多くなるため乾燥収縮率が大きくなり、成形体
に亀裂が生じ易いという難点があることが判った。
炭化珪素粉末原料としては、従来、粒径1μm未満のも
のが使用されていたが、サブミクロン粒径の原料のみの
使用では、鋳込み成形での着肉性がわるく、スラリーの
含水量が多くなるため乾燥収縮率が大きくなり、成形体
に亀裂が生じ易いという難点があることが判った。
【0009】通常、炭化珪素の焼結助剤としては重要な
炭素は、合成樹脂、タール、あるいはカーボンブラック
のような炭素粉末の型で加えるが、スラリーの溶媒とし
て水を使用する場合にはタールや合成樹脂の多くは使用
できず、炭化珪素粉末に均一に混合させる目的に対して
は、水溶性フェノール樹脂が優れているが、この場合に
は樹脂が時間と共に硬化するため、スラリー流動性、成
形性がわるくなり、焼成収縮率が一定しないという問題
がある。カーボンは疎水性であり水に濡れ難く、原料粉
末が高濃度に分散した低粘度のスラリーを調製すること
は難しい。
炭素は、合成樹脂、タール、あるいはカーボンブラック
のような炭素粉末の型で加えるが、スラリーの溶媒とし
て水を使用する場合にはタールや合成樹脂の多くは使用
できず、炭化珪素粉末に均一に混合させる目的に対して
は、水溶性フェノール樹脂が優れているが、この場合に
は樹脂が時間と共に硬化するため、スラリー流動性、成
形性がわるくなり、焼成収縮率が一定しないという問題
がある。カーボンは疎水性であり水に濡れ難く、原料粉
末が高濃度に分散した低粘度のスラリーを調製すること
は難しい。
【0010】分散性に優れた高濃度、低粘度のスラリー
を調製するために、酸化処理して、表面官能基のうちヒ
ドロキシル基とカルボキシル基の総和量を3μeq/m
2 以上に改質したカーボンブラックを使用することが提
案されている(特開平11−157943号)が、酸化
剤による処理、中和、濾過分離、洗浄、乾燥などの工程
が必要となるためコスト高の要因となる。
を調製するために、酸化処理して、表面官能基のうちヒ
ドロキシル基とカルボキシル基の総和量を3μeq/m
2 以上に改質したカーボンブラックを使用することが提
案されている(特開平11−157943号)が、酸化
剤による処理、中和、濾過分離、洗浄、乾燥などの工程
が必要となるためコスト高の要因となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、泥漿鋳込み
成形により生成された成形体を焼結して炭化珪素質焼結
体を製造する場合における上記従来の問題点を解消する
ために、原料の粒径、スラリーの作製条件、焼結条件な
どについて再検討を加えた結果としてなされたものであ
り、その目的は、原料に特殊な処理を施すことなく分散
性に優れたスラリーを調製することができ、鋳込み成形
での着肉性に優れ、且つ乾燥収縮による割れや亀裂がな
い成形体を得ることができ、焼成収縮率のバラツキがき
わめて少さい炭化珪素質焼結体の製造を達成することを
可能とする炭化珪素質焼結体の製造方法およびその結果
として得られる緻密質の高密度炭化珪素質焼結体を提供
することにある。
成形により生成された成形体を焼結して炭化珪素質焼結
体を製造する場合における上記従来の問題点を解消する
ために、原料の粒径、スラリーの作製条件、焼結条件な
どについて再検討を加えた結果としてなされたものであ
り、その目的は、原料に特殊な処理を施すことなく分散
性に優れたスラリーを調製することができ、鋳込み成形
での着肉性に優れ、且つ乾燥収縮による割れや亀裂がな
い成形体を得ることができ、焼成収縮率のバラツキがき
わめて少さい炭化珪素質焼結体の製造を達成することを
可能とする炭化珪素質焼結体の製造方法およびその結果
として得られる緻密質の高密度炭化珪素質焼結体を提供
することにある。
【0012】上記目的を達成するための本発明の請求項
1による炭化珪素質焼結体は、粒子径1〜15μmの炭
化珪素粉末46〜51重量%と、残部が粒子径1μm未
満の炭化珪素粉末からなる炭化珪素焼結体であって、密
度が3.12g/cm3 以上であることを特徴とする。
1による炭化珪素質焼結体は、粒子径1〜15μmの炭
化珪素粉末46〜51重量%と、残部が粒子径1μm未
満の炭化珪素粉末からなる炭化珪素焼結体であって、密
度が3.12g/cm3 以上であることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項2による炭化珪素質焼結体
の製造方法は、粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末を4
6〜51重量%含有し、残部が粒子径1μm未満の炭化
珪素粉末からなる炭化珪素粉末と、ホウ素化合物粉末と
無機系炭素粉末からなる焼結助剤を含む泥漿を鋳込み成
形し、生成された成形体を焼結することを特徴とし、請
求項3による炭化珪素質焼結体の製造方法は、請求項2
記載の方法において、無機系炭素粉末がカーボンブラッ
クであることを特徴とする。
の製造方法は、粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末を4
6〜51重量%含有し、残部が粒子径1μm未満の炭化
珪素粉末からなる炭化珪素粉末と、ホウ素化合物粉末と
無機系炭素粉末からなる焼結助剤を含む泥漿を鋳込み成
形し、生成された成形体を焼結することを特徴とし、請
求項3による炭化珪素質焼結体の製造方法は、請求項2
記載の方法において、無機系炭素粉末がカーボンブラッ
クであることを特徴とする。
【0014】請求項3による炭化珪素質焼結体の製造方
法は、請求項2または3記載の方法において、泥漿のp
Hを8〜11、粘度を1500〜3500cpsに調整
して成形し、生成された成形体を焼結することを特徴と
する。
法は、請求項2または3記載の方法において、泥漿のp
Hを8〜11、粘度を1500〜3500cpsに調整
して成形し、生成された成形体を焼結することを特徴と
する。
【0015】また、請求項4による炭化珪素質焼結体の
製造方法は、請求項2〜4記載の方法において、成形体
を、温度2100℃を越え2400℃以下、非酸化性雰
囲気下で常圧焼結することを特徴とする。
製造方法は、請求項2〜4記載の方法において、成形体
を、温度2100℃を越え2400℃以下、非酸化性雰
囲気下で常圧焼結することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における炭化珪素質焼結体
は、粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末46〜51重量
%と、残部が粒子径1μm未満の炭化珪素粉末からなる
炭化珪素焼結体である。この配合はきわめて重要であ
り、この配合割合の混合粉末を成形、焼結することによ
り、密度が3.12g/cm3 以上の高密度炭化珪素質
焼結体を得ることができる。
は、粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末46〜51重量
%と、残部が粒子径1μm未満の炭化珪素粉末からなる
炭化珪素焼結体である。この配合はきわめて重要であ
り、この配合割合の混合粉末を成形、焼結することによ
り、密度が3.12g/cm3 以上の高密度炭化珪素質
焼結体を得ることができる。
【0017】原料の炭化珪素粉末としては、α型、β
型、非晶質あるいはこれらの混合粉末を使用することが
できるが、α型炭化珪素粉末がとくに好適に使用され
る。炭化珪素粉末の粒径および配合比率は、粒子径1〜
15μmの炭化珪素粉末46〜51重量%と、残部が粒
子径1μm未満の炭化珪素粉末からなるものが好まし
い。
型、非晶質あるいはこれらの混合粉末を使用することが
できるが、α型炭化珪素粉末がとくに好適に使用され
る。炭化珪素粉末の粒径および配合比率は、粒子径1〜
15μmの炭化珪素粉末46〜51重量%と、残部が粒
子径1μm未満の炭化珪素粉末からなるものが好まし
い。
【0018】粒径1〜15μmの粉末が51重量%を越
えると焼結体の密度が低下し、46重量%未満では、濃
厚なスラリーを得ることが難しく、成形体の乾燥収縮率
および焼成収縮率のバラツキが大きくなり割れや亀裂が
生じ易くなる。粒径が15μmを越える炭化珪素粉末を
使用すると、粉末の非表面積が小さく、隣接する粉体と
の接触面積が小さくなって高密度化が困難となる。な
お、粒径は粒度分布により測定する。
えると焼結体の密度が低下し、46重量%未満では、濃
厚なスラリーを得ることが難しく、成形体の乾燥収縮率
および焼成収縮率のバラツキが大きくなり割れや亀裂が
生じ易くなる。粒径が15μmを越える炭化珪素粉末を
使用すると、粉末の非表面積が小さく、隣接する粉体と
の接触面積が小さくなって高密度化が困難となる。な
お、粒径は粒度分布により測定する。
【0019】本発明の焼結助剤としての無機系炭素粉末
は、主として炭素からなる粉末であり、不可避的な量の
フェノール性OH基、カルボキシル基、カルボニル基、
ヒドロキシル基などの有機官能基を含有するものも包含
される。好ましい無機系炭素粉末としては、サーマルブ
ラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チ
ャンネルブラック、ランプブラック、ケッチェンブラッ
クなどのカーボンブラックが例示される。
は、主として炭素からなる粉末であり、不可避的な量の
フェノール性OH基、カルボキシル基、カルボニル基、
ヒドロキシル基などの有機官能基を含有するものも包含
される。好ましい無機系炭素粉末としては、サーマルブ
ラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チ
ャンネルブラック、ランプブラック、ケッチェンブラッ
クなどのカーボンブラックが例示される。
【0020】無機系炭素粉末は、炭化珪素粉末100重
量%に対して1.5〜5重量%、好ましくは2〜2.5
重量%の割合で加えられる。無機系炭素粉末の炭素は、
SiO2 +3C=SiC+2COの反応により炭化珪素
粉末の表面のシリカ(酸化珪素)を還元するもので、こ
の量は、予め炭化珪素粉末の表面のシリカ量をフッ酸を
用いて定量し、化学量論的にその還元に十分な量を計算
することにより決定される。
量%に対して1.5〜5重量%、好ましくは2〜2.5
重量%の割合で加えられる。無機系炭素粉末の炭素は、
SiO2 +3C=SiC+2COの反応により炭化珪素
粉末の表面のシリカ(酸化珪素)を還元するもので、こ
の量は、予め炭化珪素粉末の表面のシリカ量をフッ酸を
用いて定量し、化学量論的にその還元に十分な量を計算
することにより決定される。
【0021】無機系炭素粉末の添加量が、炭化珪素粉末
100重量%に対して1.5重量%未満ではシリカが多
く残存して焼結体の緻密化を阻害するため、高密度の焼
結体が得難い。添加量が5重量%を越えると、シリカは
十分に除去できるが、炭素が焼結体中に残存するため、
高密度の焼結体が得難い。
100重量%に対して1.5重量%未満ではシリカが多
く残存して焼結体の緻密化を阻害するため、高密度の焼
結体が得難い。添加量が5重量%を越えると、シリカは
十分に除去できるが、炭素が焼結体中に残存するため、
高密度の焼結体が得難い。
【0022】本発明において使用するホウ素化合物粉末
としては、室温で水に不溶な全てのホウ素化合物の粉末
が適用でき、非晶質ホウ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、
リン化ホウ素などが例示される。これらのホウ素化合物
の添加量は、炭化珪素粉末100重量%に対して、ホウ
素として0.1〜0.5重量%が好ましく、0.1重量
%未満ではSiCの粒成長を抑制する効果が小さく、
0.5重量%を越えて添加すると、ホウ素化合物がSi
Cの粒成長を促進して焼結性を劣化させ、高密度の焼結
体が得難くなる。さらに好ましいホウ素化合物の添加量
は、炭化珪素粉末100重量%に対して0.15〜0.
3重量%である。
としては、室温で水に不溶な全てのホウ素化合物の粉末
が適用でき、非晶質ホウ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、
リン化ホウ素などが例示される。これらのホウ素化合物
の添加量は、炭化珪素粉末100重量%に対して、ホウ
素として0.1〜0.5重量%が好ましく、0.1重量
%未満ではSiCの粒成長を抑制する効果が小さく、
0.5重量%を越えて添加すると、ホウ素化合物がSi
Cの粒成長を促進して焼結性を劣化させ、高密度の焼結
体が得難くなる。さらに好ましいホウ素化合物の添加量
は、炭化珪素粉末100重量%に対して0.15〜0.
3重量%である。
【0023】本発明においては、泥漿のpHを好ましく
は8.0〜11.0、さらに好ましくは9.0〜10.
0に調整するのが好ましい。pHが8.0未満の場合に
は、炭化珪素粉末や焼結助剤の分散状態が悪化し、スラ
リーが不均一化して、均質組織の成形体が得難く、また
着肉ムラが起き易くなり、焼結した炭化珪素質焼結体の
組織構造、焼成収縮率も不均一となる。pHが11.0
を越えるアルカリ領域では、成形体を生成する際、成形
型となる石膏型に損傷が生じ易く、離型性も良くない。
は8.0〜11.0、さらに好ましくは9.0〜10.
0に調整するのが好ましい。pHが8.0未満の場合に
は、炭化珪素粉末や焼結助剤の分散状態が悪化し、スラ
リーが不均一化して、均質組織の成形体が得難く、また
着肉ムラが起き易くなり、焼結した炭化珪素質焼結体の
組織構造、焼成収縮率も不均一となる。pHが11.0
を越えるアルカリ領域では、成形体を生成する際、成形
型となる石膏型に損傷が生じ易く、離型性も良くない。
【0024】泥漿のpHはpH調整剤を添加することに
より調整される。pH調整剤としては、酸、アルカリ金
属水酸化物、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、アンモニアなどが適用される。
また、塩基性有機化合物、例えば、モノメチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族の
一級、二級、三級アミン、エチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラアミンなどの脂肪族
ポリアミンなどが使用される。
より調整される。pH調整剤としては、酸、アルカリ金
属水酸化物、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、アンモニアなどが適用される。
また、塩基性有機化合物、例えば、モノメチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族の
一級、二級、三級アミン、エチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラアミンなどの脂肪族
ポリアミンなどが使用される。
【0025】泥漿(スラリー)の成形には、成形用バイ
ンダーを加えるのが好ましい。成形用バインダーとして
は、アクリル系エマルション、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリルニトリルなどが挙げら
れる。これらの成形用バインダーは、焼成温度への昇温
中に分解して微細な炭素質に変化するが、この炭素質は
炭化珪素粒子の大きさに比較して非常に小さいため、粒
子表面を被覆する効果がなく粒成長抑制作用を発揮する
ことはない。成形用バインダーの添加量は、成形体とし
て十分な強度を有する程度に添加すればよく、実施の状
況に応じて調整される。また、スラリーの形成のために
加える水は、とくに限定されないが、蒸留水または脱イ
オン水を使用するのが好ましい。
ンダーを加えるのが好ましい。成形用バインダーとして
は、アクリル系エマルション、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリルニトリルなどが挙げら
れる。これらの成形用バインダーは、焼成温度への昇温
中に分解して微細な炭素質に変化するが、この炭素質は
炭化珪素粒子の大きさに比較して非常に小さいため、粒
子表面を被覆する効果がなく粒成長抑制作用を発揮する
ことはない。成形用バインダーの添加量は、成形体とし
て十分な強度を有する程度に添加すればよく、実施の状
況に応じて調整される。また、スラリーの形成のために
加える水は、とくに限定されないが、蒸留水または脱イ
オン水を使用するのが好ましい。
【0026】スラリーの混合において、炭化珪素微粉末
はきわめて凝集性が強く常に強固な凝集状態にあるた
め、混合において強い剪断力を与える必要があることか
ら、スラリーの混合には、振動ミル、アトライター、ボ
ールミル、コロイドミル、高速ミキサーのいずれか1種
の分散装置を使用するのが好ましい。
はきわめて凝集性が強く常に強固な凝集状態にあるた
め、混合において強い剪断力を与える必要があることか
ら、スラリーの混合には、振動ミル、アトライター、ボ
ールミル、コロイドミル、高速ミキサーのいずれか1種
の分散装置を使用するのが好ましい。
【0027】本発明における鋳込み成形に適するスラリ
ーの粘度は、1500〜3500cps(センチポイ
ズ)に調整するのが好ましい。粘度が1500cps未
満では、スラリーの濃度が低くなり、鋳込み成形におけ
る着肉性がわるく、高密度の成形体を得ることが難し
い。3500cpsを越えると、スラリー中の粉末が分
散し難くなり、スラリーの流動性も低下して泡立ちが激
しくなり、鋳込み成形を行うのが困難となる。
ーの粘度は、1500〜3500cps(センチポイ
ズ)に調整するのが好ましい。粘度が1500cps未
満では、スラリーの濃度が低くなり、鋳込み成形におけ
る着肉性がわるく、高密度の成形体を得ることが難し
い。3500cpsを越えると、スラリー中の粉末が分
散し難くなり、スラリーの流動性も低下して泡立ちが激
しくなり、鋳込み成形を行うのが困難となる。
【0028】上記のようにして調製したスラリーを吸水
性を有する型に流し込み、所望の形状をそなえた成形体
とする。得られた成形体は、成形直後、十数%の水分を
含んでいるので、乾燥工程を経て、必要に応じて加工
し、所望の形状の成形体とする。成形体の密度は2.2
0g/cm2 以上であることが好ましく、密度が2.2
0g/cm2 未満では、最終的に得られる焼結体の高密
度化が困難となる。
性を有する型に流し込み、所望の形状をそなえた成形体
とする。得られた成形体は、成形直後、十数%の水分を
含んでいるので、乾燥工程を経て、必要に応じて加工
し、所望の形状の成形体とする。成形体の密度は2.2
0g/cm2 以上であることが好ましく、密度が2.2
0g/cm2 未満では、最終的に得られる焼結体の高密
度化が困難となる。
【0029】ついで、成形体の焼結工程の好ましい態様
について説明すると、まず、生成された成形体について
常圧焼成により焼結を行う。常圧焼成は、アルゴンガス
雰囲気などの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましく、
大気中などの酸化雰囲気では、原料の炭化珪素が酸化す
るとともに炭素が燃焼してしまうため焼結体を緻密化さ
せることができない。また、窒素ガス雰囲気中では、原
料粉末成分の窒化が生じるため好ましくなく、真空中で
も、炭化珪素とシリカの反応、分解が促進されるため、
とくに1800℃以上の温度域における真空中での焼成
は避けるのが好ましい。真空を用いる場合には、180
0℃以下の温度までを真空中で処理し、それ以上の温度
に昇温する際に上記の不活性ガス雰囲気とする。
について説明すると、まず、生成された成形体について
常圧焼成により焼結を行う。常圧焼成は、アルゴンガス
雰囲気などの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましく、
大気中などの酸化雰囲気では、原料の炭化珪素が酸化す
るとともに炭素が燃焼してしまうため焼結体を緻密化さ
せることができない。また、窒素ガス雰囲気中では、原
料粉末成分の窒化が生じるため好ましくなく、真空中で
も、炭化珪素とシリカの反応、分解が促進されるため、
とくに1800℃以上の温度域における真空中での焼成
は避けるのが好ましい。真空を用いる場合には、180
0℃以下の温度までを真空中で処理し、それ以上の温度
に昇温する際に上記の不活性ガス雰囲気とする。
【0030】常圧焼成は、2100〜2400℃の温度
域に昇温し、この最高温度で1〜3時間保持することに
より行うのが好ましい。焼成温度が2100℃未満で
は、炭化珪素の拡散が不十分となって焼結が進行せず、
焼結体の緻密化が困難となる。2400℃を越えると、
炭化珪素の粒成長が顕著となり、粒内にポア(気泡)が
取り込まれて粒内ポアが生じるため緻密性が低下する。
域に昇温し、この最高温度で1〜3時間保持することに
より行うのが好ましい。焼成温度が2100℃未満で
は、炭化珪素の拡散が不十分となって焼結が進行せず、
焼結体の緻密化が困難となる。2400℃を越えると、
炭化珪素の粒成長が顕著となり、粒内にポア(気泡)が
取り込まれて粒内ポアが生じるため緻密性が低下する。
【0031】上記の原料性状、とくに炭化珪素粉末の粒
径配合を特定し、また、原料性状、焼結助剤、泥漿(ス
ラリー)特性、焼成条件を組合わせることにより、成
形、焼結された炭化珪素質焼結体は十分に高密度化さ
れ、3.12g/cm3 以上、さらには3.15g/c
m3 以上の高密度炭化珪素質焼結体を得ることができ
る。このような高密度炭化珪素質焼結体は、曲げ強度、
破壊強度などの力学的特性や電気的物性に優れている。
径配合を特定し、また、原料性状、焼結助剤、泥漿(ス
ラリー)特性、焼成条件を組合わせることにより、成
形、焼結された炭化珪素質焼結体は十分に高密度化さ
れ、3.12g/cm3 以上、さらには3.15g/c
m3 以上の高密度炭化珪素質焼結体を得ることができ
る。このような高密度炭化珪素質焼結体は、曲げ強度、
破壊強度などの力学的特性や電気的物性に優れている。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。これらの実施例は本発明の一実施態様を示すも
のであり、本発明がこれに限定されるものではない。
明する。これらの実施例は本発明の一実施態様を示すも
のであり、本発明がこれに限定されるものではない。
【0033】実施例1 ナイロン製ボールミルポットに、α型の炭化珪素粉末
(屋久島電工(株)製、OY−15、平均粒径0.7μ
m)70重量%とα型の炭化珪素粉末(太平洋ランダム
(株)製、GMF−6S、平均粒径2μm)30重量%
を装入、混合することにより、粒子径1〜15μmの炭
化珪素粉末48重量%と粒子径0.01μm以上1μm
未満の炭化珪素粉末52重量%からなる粒径比率を有す
る混合粉末とし、この混合粉末100重量%に対して、
焼結助剤としてカーボンブラック粉末(東海カーボン
(株)製、平均粒径1μm)を2重量%、B4 C粉末
(H.C.Starck製、平均粒径0.78μ)をB
換算で0.2重量%添加した。
(屋久島電工(株)製、OY−15、平均粒径0.7μ
m)70重量%とα型の炭化珪素粉末(太平洋ランダム
(株)製、GMF−6S、平均粒径2μm)30重量%
を装入、混合することにより、粒子径1〜15μmの炭
化珪素粉末48重量%と粒子径0.01μm以上1μm
未満の炭化珪素粉末52重量%からなる粒径比率を有す
る混合粉末とし、この混合粉末100重量%に対して、
焼結助剤としてカーボンブラック粉末(東海カーボン
(株)製、平均粒径1μm)を2重量%、B4 C粉末
(H.C.Starck製、平均粒径0.78μ)をB
換算で0.2重量%添加した。
【0034】これに、イオン交換水24重量%、pH調
整剤として水酸化ナトリウムを適量添加し、バインダー
としてアクリルエマルション(三井東圧化学(株)製、
WA−310)4重量%を添加し、ナイロン球を投入し
て蓋をした後、約40時間ボールミル混合を行い、鋳込
み用炭化珪素粉末スラリーとした。
整剤として水酸化ナトリウムを適量添加し、バインダー
としてアクリルエマルション(三井東圧化学(株)製、
WA−310)4重量%を添加し、ナイロン球を投入し
て蓋をした後、約40時間ボールミル混合を行い、鋳込
み用炭化珪素粉末スラリーとした。
【0035】得られたスラリーを真空攪拌装置を用いて
脱泡処理して、pHと粘度を測定した後、板状(80m
m×80mm×5mm厚さ)および坩堝形状(直径60
mm×60mm厚さ)の石膏型に流し込み、放置して着
肉させた後、脱型(坩堝形状のものは排泥したのち脱
型)、常温ついで120℃の温度で乾燥して成形体を得
た。
脱泡処理して、pHと粘度を測定した後、板状(80m
m×80mm×5mm厚さ)および坩堝形状(直径60
mm×60mm厚さ)の石膏型に流し込み、放置して着
肉させた後、脱型(坩堝形状のものは排泥したのち脱
型)、常温ついで120℃の温度で乾燥して成形体を得
た。
【0036】得られた成形体の密度、坩堝の肉厚を測定
した後、成形体を、黒鉛ヒータ炉で、アルゴンガス雰囲
気中、2100℃の温度に2時間保持することにより焼
成した。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により
測定し、また、JIS1601に準じて、焼結体を3m
m×4mm×40mm長さの棒状に加工し、1μm粗さ
のダイヤモンド砥石で研磨仕上げを行い、スパン間距離
30mmの三点曲げ試験で、クロスヘッド速度を0.5
mm/分として室温の強度を測定した。なお、強度は、
1試料につきn=5で、その平均値で示した。さらに、
焼成収縮率の標準偏差(n=10)を求めた。スラリー
のpH、粘度を表1に、上記の測定結果を表2に示す。
した後、成形体を、黒鉛ヒータ炉で、アルゴンガス雰囲
気中、2100℃の温度に2時間保持することにより焼
成した。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により
測定し、また、JIS1601に準じて、焼結体を3m
m×4mm×40mm長さの棒状に加工し、1μm粗さ
のダイヤモンド砥石で研磨仕上げを行い、スパン間距離
30mmの三点曲げ試験で、クロスヘッド速度を0.5
mm/分として室温の強度を測定した。なお、強度は、
1試料につきn=5で、その平均値で示した。さらに、
焼成収縮率の標準偏差(n=10)を求めた。スラリー
のpH、粘度を表1に、上記の測定結果を表2に示す。
【0037】実施例2〜3、比較例1〜4 α型の炭化珪素粉末(屋久島電工(株)製、OY−1
5、平均粒径0.7μm)とα型の炭化珪素粉末(太平
洋ランダム(株)製、GMF−6S、平均粒径2μm)
の混合比率を変え、粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末
と粒子径0.01μm以上1μm未満の炭化珪素粉末の
配合比率を表1示すように変化させた以外は、実施例1
と同様にして成形体および焼結体を作製し、実施例1と
同様に特性を評価した。炭化珪素粉末の粒径比率、スラ
リーのpHおよび粘度を表1に、評価結果を表2に示
す。
5、平均粒径0.7μm)とα型の炭化珪素粉末(太平
洋ランダム(株)製、GMF−6S、平均粒径2μm)
の混合比率を変え、粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末
と粒子径0.01μm以上1μm未満の炭化珪素粉末の
配合比率を表1示すように変化させた以外は、実施例1
と同様にして成形体および焼結体を作製し、実施例1と
同様に特性を評価した。炭化珪素粉末の粒径比率、スラ
リーのpHおよび粘度を表1に、評価結果を表2に示
す。
【0038】実施例4 スラリーの粘度を表1に示す値とした以外は、実施例1
と同様にして成形体および焼結体を作製し、実施例1と
同様に特性を評価した。評価結果を表2に示す。
と同様にして成形体および焼結体を作製し、実施例1と
同様に特性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0039】比較例5 焼結助剤の炭素源としてカーボンブラックに代えて水溶
性フェノール樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に
して成形体および焼結体を作製し、実施例1と同様に特
性を評価した。スラリーのpHおよび粘度を表1に、評
価結果を表2に示す。
性フェノール樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に
して成形体および焼結体を作製し、実施例1と同様に特
性を評価した。スラリーのpHおよび粘度を表1に、評
価結果を表2に示す。
【0040】比較例6〜7 スラリーのpHを表1に示す値とした以外は、実施例1
と同様にして成形体および焼結体を作製し、実施例1と
同様に特性を評価した。評価結果を表2に示す。
と同様にして成形体および焼結体を作製し、実施例1と
同様に特性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0041】比較例8〜9 スラリーの粘度を表1に示す値とした以外は、実施例1
と同様にして成形体および焼結体を作製し、実施例1と
同様に特性を評価した。評価結果を表2に示す。
と同様にして成形体および焼結体を作製し、実施例1と
同様に特性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0042】
【表1】 《表注》焼結助剤のC:比較例5は水溶性フェノール樹脂、その他はカーボン ブラック
【0043】
【表2】
【0044】表2に示すように、本発明に従う実施例1
〜4は、成形体の密度が高く、着肉性が良好で、成形体
の亀裂発生が無く、焼成された炭化珪素質焼結体は、焼
成収縮率のバラツキが少ない。
〜4は、成形体の密度が高く、着肉性が良好で、成形体
の亀裂発生が無く、焼成された炭化珪素質焼結体は、焼
成収縮率のバラツキが少ない。
【0045】これに対して、粒子径1〜15μmの炭化
珪素粉末の配合比率の低い比較例1〜2においては、鋳
込み成形での着肉性が悪く、成形体の乾燥収縮率が大き
いため亀裂が生じている。また、焼成時の収縮率の標準
偏差が大きくなっている。粒子径1〜15μmの炭化珪
素粉末の配合比率が高い比較例3〜4においては、焼結
体の密度が低く、(曲げ)強度も不十分である。焼結助
剤の炭素源に水溶性フェノール樹脂を用いた比較例5に
おいては、スラリーの流動性が悪く、着肉性が不十分で
着肉ムラが生じ、乾燥収縮率が大きく亀裂が発生してい
る。また、焼結における収縮率のバラツキが大きく、焼
結体の密度も低い。
珪素粉末の配合比率の低い比較例1〜2においては、鋳
込み成形での着肉性が悪く、成形体の乾燥収縮率が大き
いため亀裂が生じている。また、焼成時の収縮率の標準
偏差が大きくなっている。粒子径1〜15μmの炭化珪
素粉末の配合比率が高い比較例3〜4においては、焼結
体の密度が低く、(曲げ)強度も不十分である。焼結助
剤の炭素源に水溶性フェノール樹脂を用いた比較例5に
おいては、スラリーの流動性が悪く、着肉性が不十分で
着肉ムラが生じ、乾燥収縮率が大きく亀裂が発生してい
る。また、焼結における収縮率のバラツキが大きく、焼
結体の密度も低い。
【0046】スラリーのpH値を8より酸性側にした比
較例6においては、スラリーの流動性が悪く、成形体に
着肉ムラが生じ、乾燥収縮率が大きく亀裂が発生してい
る。また、成形体の密度が低いため焼結体の密度も低く
なっている。スラリーのpH値を8よりアルカリ性側の
12にした比較例7においては、離型性が悪く、満足す
べき成形体を得ることができなかった。スラリーの粘度
の低い比較例8においては、スラリー濃度が低く、鋳込
み成形における着肉性が劣る。また、成形体の密度が低
いため密度の高い焼結体を得ることができない。スラリ
ー粘度が高く、4000cpsを越える比較例9におい
ては、スラリーの泡立ちが激しく、流動性が悪くなり、
鋳込み成形に使用できないものとなった。
較例6においては、スラリーの流動性が悪く、成形体に
着肉ムラが生じ、乾燥収縮率が大きく亀裂が発生してい
る。また、成形体の密度が低いため焼結体の密度も低く
なっている。スラリーのpH値を8よりアルカリ性側の
12にした比較例7においては、離型性が悪く、満足す
べき成形体を得ることができなかった。スラリーの粘度
の低い比較例8においては、スラリー濃度が低く、鋳込
み成形における着肉性が劣る。また、成形体の密度が低
いため密度の高い焼結体を得ることができない。スラリ
ー粘度が高く、4000cpsを越える比較例9におい
ては、スラリーの泡立ちが激しく、流動性が悪くなり、
鋳込み成形に使用できないものとなった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、鋳込み成形における着
肉性に優れたスラリーを得ることができ、成形体の乾燥
収縮による亀裂発生が無く、焼成時の収縮率のバラツキ
がきわめて少なく、高密度で高強度を有する炭化珪素質
焼結体の製造を達成することができる。当該炭化珪素質
焼結体は、半導体工業、電子情報機器産業など多くの分
野において有用な材料として使用することが可能とな
る。
肉性に優れたスラリーを得ることができ、成形体の乾燥
収縮による亀裂発生が無く、焼成時の収縮率のバラツキ
がきわめて少なく、高密度で高強度を有する炭化珪素質
焼結体の製造を達成することができる。当該炭化珪素質
焼結体は、半導体工業、電子情報機器産業など多くの分
野において有用な材料として使用することが可能とな
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末46
〜51重量%と、残部が粒子径1μm未満の炭化珪素粉
末からなる炭化珪素焼結体であって、密度が3.12g
/cm3 以上であることを特徴とする炭化珪素質焼結
体。 - 【請求項2】 粒子径1〜15μmの炭化珪素粉末を4
6〜51重量%含有し、残部が粒子径1μm未満の炭化
珪素粉末からなる炭化珪素粉末と、ホウ素化合物粉末と
無機系炭素粉末からなる焼結助剤を含む泥漿を鋳込み成
形し、生成された成形体を焼結することを特徴とする炭
化珪素質焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 上記焼結助剤の無機系炭素粉末がカーボ
ンブラックであることを特徴とする請求項2記載の炭化
珪素質焼結体の製造方法。 - 【請求項4】 泥漿のpHを8〜11、粘度を1500
〜3500cpsに調整して成形し、生成された成形体
を焼結することを特徴とする請求項2または3記載の炭
化珪素質焼結体の製造方法。 - 【請求項5】 成形体を、温度2100℃を越え240
0℃以下、非酸化性雰囲気下で常圧焼結することを特徴
とする請求項2〜4のいずれかに記載の炭化珪素質焼結
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34582399A JP2001163670A (ja) | 1999-12-06 | 1999-12-06 | 炭化珪素質焼結体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34582399A JP2001163670A (ja) | 1999-12-06 | 1999-12-06 | 炭化珪素質焼結体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001163670A true JP2001163670A (ja) | 2001-06-19 |
Family
ID=18379225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34582399A Pending JP2001163670A (ja) | 1999-12-06 | 1999-12-06 | 炭化珪素質焼結体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001163670A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007037201A1 (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-05 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | 板ガラス成形装置搭載用耐火物成形体の成形方法、耐火物成形体、及び板ガラス成形方法と板ガラス |
KR102448377B1 (ko) * | 2021-12-13 | 2022-09-28 | 주식회사 플러스매니저 | 탄화규소 블랭크 제조방법 및 이에 의해 제조된 탄화규소 블랭크를 이용한 탄화규소 및 탄화규소 복합체 제조방법 |
Citations (5)
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---|---|---|---|---|
JPH01261269A (ja) * | 1988-04-11 | 1989-10-18 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 鋳込み成形用炭化ケイ素質泥しょうの製造方法 |
JPH01282114A (ja) * | 1988-05-10 | 1989-11-14 | Central Glass Co Ltd | 高純度β型SiC粉末およびそれを用いた焼結体の製造方法 |
JPH02141455A (ja) * | 1988-11-22 | 1990-05-30 | Toyota Motor Corp | 鋳込成形方法 |
JPH11157943A (ja) * | 1997-11-19 | 1999-06-15 | Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd | 鋳込み成形用炭化珪素質粉末スラリー及びその調製方法 |
JPH11228231A (ja) * | 1998-02-03 | 1999-08-24 | Nippon Steel Corp | 鋳込み成形用炭化珪素スラリーの調製方法 |
-
1999
- 1999-12-06 JP JP34582399A patent/JP2001163670A/ja active Pending
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KR102448377B1 (ko) * | 2021-12-13 | 2022-09-28 | 주식회사 플러스매니저 | 탄화규소 블랭크 제조방법 및 이에 의해 제조된 탄화규소 블랭크를 이용한 탄화규소 및 탄화규소 복합체 제조방법 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091224 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100427 |