JPH11228231A - 鋳込み成形用炭化珪素スラリーの調製方法 - Google Patents

鋳込み成形用炭化珪素スラリーの調製方法

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JPH11228231A
JPH11228231A JP10022248A JP2224898A JPH11228231A JP H11228231 A JPH11228231 A JP H11228231A JP 10022248 A JP10022248 A JP 10022248A JP 2224898 A JP2224898 A JP 2224898A JP H11228231 A JPH11228231 A JP H11228231A
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powder
sic
slurry
silicon carbide
preparing
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JP10022248A
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Shigeharu Matsubayashi
重治 松林
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラリーの濃度を76重量%以上で成形可能
な肉厚を10mm以上焼結体密度、曲げ強さなどの焼結
体物性を有する鋳込成形用のα-Si C−カーボン−硼素
化合物粉末−アルミニウム化合物粉末スラリーの調製方
法を提供する。 【解決手段】 比表面積7〜22m2 /gを有するα-S
i C粉末、有機質カーボン源および/または無機質カー
ボン粉末、硼素化合物粉末、アルミニウム化合物粉末、
スチレンーマレイン酸共重合体ポリマーまたはオリゴマ
ーの有機分散剤0.05〜0.16g/(100gα-S
i C)、アミン系pH調整剤0.30〜0.60g/
(100gα-Si C)、有機結合剤、可塑剤、消泡剤、
および精製水および/または溶媒、からなり、これらを
添加して混合し、スラリー系のpHが10.5〜12.
0、スラリーの粉末重量濃度が76重量%以上、粉末固
体体積割合が50体積%超とする鋳込み成形用炭化珪素
スラリーの調製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳込み成形用炭化
珪素スラリー( 泥漿) の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素セラミックスは、熱伝導性や導
電性が高く、熱膨張率も比較的小さいことから構造用セ
ラミックスとして広く用いられている。中でも、焼結助
剤としてB−C系およびB−C−Al系非酸化物を主成分
とする粉末または水溶性または有機溶媒可溶性であり、
数百℃の不活性雰囲気中でも熱分解によって各元素源と
なる有機質原料を用いた焼結体は、高温での強度劣化が
少なく揮発成分の蒸気圧も低いことや耐アルカリ性を有
することから多方面の用途がある。
【0003】炭化珪素粉末を出発原料とするセラミック
ス焼結体の代表的な製造方法には、次の2通りの成形方
法がある。一つは、微粉末を原料とし、公知のプレス成
形を行い目的形状に成形するには、水および/または溶
媒中に原料粉末を分散後、公知の噴霧乾燥処理により顆
粒状に造粒し、流動性を付与してラバーまたは金型へ充
填する際の均一充填性を向上させる方法がある。もう一
つは、公知の鋳込み成形法で、水および/または溶媒中
に原料粉末を分散・浮遊させた状態で吸水性を有する鋳
込み型に流し込み、脱液固化させる方法により目的形状
を得る方法である。これらは、いずれも原料粉末を水中
および/または溶媒中で分散・浮遊させるが、炭化珪素
原料を混合容器に投入した後の液中への入り込み易さを
向上させることが課題である。
【0004】上記課題を解決するために種々の提案がな
されている。例えば、岐阜県陶磁器工業協会組合連合会
から昭和61年3月に発行された「美濃焼高精度鋳込成
形技術の開発をめざして」の中で、β-Si C粉末のみに
分散剤としてスチレンーマレイン酸共重合体の35重量
%水溶液を0.17〜1.7g/100gβ-Si C粉
末、エチルアミンを加え0.7g/(100gβ-Si
C)粉末、結合剤として三井東圧化学(株)製のアクリ
ルエマルジョン(42重量%濃度) 「WA−310」を
5.0g/(100gβ-Si C)粉末添加した系で、6
8〜72重量%の鋳込み成形用スラリーを得ている。し
かしながら、この系では焼結助剤を加えていないため、
鋳込み成形後に焼結しても高密度の焼結体とはならな
い。また、スラリー濃度も低いことから厚肉の成形体は
得られないなどの問題点があった。
【0005】一方、塗師教授( 岐阜大) らは、昭和63
年2月の窯業基礎討論会予稿集SiC- B4 C- C( カー
ボンブラック) 系で、ポリアクリル酸アンモニウム塩を
主成分とする有機分散剤を用いて鋳込み成形用スラリー
を調製している。しかしながら、ここで得た焼結体の密
度は2.8g/cm3 程度と相対密度で90%前後の値
に停まっている。この密度では充分に緻密化していると
は言い難く、先の熱伝導性や導電性が本来値から、かけ
離れたものになっている。
【0006】さらに、特許第2503043 号(特開平1-2612
69号)公報には、炭化珪素質粉末、無機系炭素粉末、ホ
ウ素化合物粉末、分散剤、塩基性有機物質、バインダ、
水からなる鋳込み成形用炭化珪素質泥漿の製造方法が開
示されている。ここでは、上記課題を解決するための手
段として、α型および/またはβ型炭化珪素質粉末の使
用を記載しているが、実施例には自社製のβ-Si C粉だ
けに言及しており、かつスチレン−マレイン酸共重合体
は炭化珪素質粉末だけに限定した添加割合として溶液換
算量で0.17〜1.7g/100g( 炭化珪素質粉
末) に加えて、焼結助剤として添加する無機質炭素粉末
に対して、必須条件としてスチレン−アクリル酸共重合
体を15〜120g/100g( 無機質炭素粉末)を更
に加えている。また、塩基性有機物質についてもモノエ
タノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
に加え、脂肪族の一級、二級、三級アミンやエチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン脂肪族ポリアミン等を例
にあげている。しかしながら、それによるpHの範囲は
8.5〜10.5、好ましくは9.0〜10.0に調整
しなければならないと述べている。更に、スラリー濃度
も75重量%以下で、一般的な鋳込み成形法で用いられ
るスラリーの濃度としては、高いと言えない。実施例で
も成形時わずか5mm厚の小片を成形しているに過ぎ
ず、何らスラリー濃度や肉厚品への言及は行っていな
い。したがって、肉厚が10mmを超える成形体は得難
く、75重量%より高濃度の鋳込みスラリー調製方法が
求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した課題
を解決することを目的とし、鋳込成形用のα-Si C−カ
ーボン−硼素化合物粉末−アルミニウム化合物粉末スラ
リーの調製方法に関し、スラリーの濃度を76重量%以
上に上げ、成形可能な肉厚を10mm以上に上げても成
形時間を増大させず、焼結体の密度をはじめとする物性
を保持させる方法を提供し、併せてスラリー調製時の再
現性を高揚させ、効率的な調製方法を確立することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次のとお
りである。 1)粉末の比表面積が7〜22m2 /gの範囲にあるα
-Si C(炭化珪素)粉末、有機質カーボン源および/ま
たは無機質カーボン粉末、硼素化合物粉末、アルミニウ
ム化合物粉末、有機分散剤、アミン系pH調整剤、有機
結合剤、可塑剤、消泡剤、および精製水および/または
溶媒、からなり、これらを添加して混合することによっ
て得られる鋳込み成形用炭化珪素スラリーの調製方法に
おいて、有機分散剤としてスチレンーマレイン酸共重合
体ポリマーまたはオリゴマーを固形分換算重量割合で前
記粉末原料100gに対し、0.05〜0.16g(1
00gα-Si C)、およびアミン系pH調整剤を液体重
量割合で上記粉末原料100gに対し、0.30〜0.
60g/(100gα-Si C)添加することによりスラ
リー系のpHを10.5〜12.0に調製する鋳込み成
形用炭化珪素スラリーの調製方法。
【0009】2)粉末の比表面積が7〜22m2 /gの
範囲にあるα-Si C(炭化珪素)粉末、有機質カーボン
源および/または無機質カーボン粉末、硼素化合物粉
末、アルミニウム化合物粉末、有機分散剤、アミン系p
H調整剤、有機結合剤、可塑剤、消泡剤および精製水/
または溶媒からなり、これらを添加して混合することに
よって得られる鋳込み成形用炭化珪素スラリーの調製方
法において、有機分散剤としてスチレン−マレイン酸共
重合体ポリマーまたはオリゴマーを固形分換算重量割合
で前記粉末原料100gに対し0.05〜0.16g/
(100gα-SiC)、アミン系pH調整剤を液体重量
割合で前記粉末原料100gに対し0.30〜0.60
g/(100gα-Si C)添加することによりスラリー
系のpHを10.5〜12.0、スラリーの粉末重量濃
度が76重量%以上、得られた成形体の肉厚方向の成形
密度差が0.05g/cm3 以下であることを特徴とす
る鋳込み成形用炭化珪素スラリーの調製方法。
【0010】3)鋳込み成形によって得られた成形体の
肉厚が10mm以上であることを特徴とする鋳込み成形
用炭化珪素スラリーの調製方法。 4)粉末の平均粒径が1μm以下で、2μmを超える粒
子が40重量%以下、比表面積が7〜22m2 /gの範
囲にあるα-Si C(炭化珪素)粉末、グラファイトがα
-Si Cに対して1.5〜3.0g/(100gα-Si
C)含有する有機質カーボン源および/または無機質カ
ーボン粉末、硼素が0.2〜0.5g/(100gα-S
i C)含有する硼素化合物粉末、アルミニウムが0.2
〜2.0g/(100gα-Si C)含有するアルミニウ
ム化合物粉末であることを特徴とする請求項1または2
記載の鋳込み成形用炭化珪素スラリーの調製方法。
【0011】5)前記α-Si C(炭化珪素)粉末および
焼結助剤を含めた粉末固体体積割合が50体積%超であ
ることを特徴とする請求項1、2または4記載の鋳込み
成形用炭化珪素スラリーの調製方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、炭化珪素粉末の結晶
相はα型だけに限定している。一般に、α型は安価だが
焼結し難いと言われている。しかしながら、成形条件や
焼結条件次第では、得られる焼結体の特性に大きな差違
は認められず、コストを低減することや入手が容易なこ
とからα-Si C粉末を選択した。
【0013】粉末の粒度分布について、平均粒径は1μ
m以下であることが好ましく、2μmを超える粒子が4
0重量%以下であることがより好ましい。純度として
は、99.7重量%以上であれば構わない。BET比表
面積は7〜15m2 /gの範囲であればスラリー化し易
い。比表面積が7m2 /g未満では焼結後の組織で粒径
差が大きくなるため、焼結密度が上がらない。また、1
5m2 /gを超えると価格が上昇し、表面の酸化物や粉
砕時のコンタミなどの不純物が相対的に増えるため不適
である。表面の酸化物層は、焼結助剤として添加するカ
ーボン、硼素化合物粉末、アルミニウム化合物粉末と高
温で反応し、炉内のAr流通ガスに放出されるため、保存
中に表面の酸化物が経時増加する影響はほとんどない。
【0014】次に、有機質カーボン源としては、不活性
ガス中で熱分解後の残炭割合が高いものが適している。
例えばフェノール樹脂やカルボニル樹脂であり、本発明
ではフェノール樹脂の1種であるレゾールを使用した。
無機質カーボン粉末としては天然および人工のグラファ
イトを用い、中でもオランダのAKZO NOBEL社で開発され
た導電性カーボンブラック、商品名:ケッチェンブラッ
クが分散性、粒径の細かさから有効であった。グラファ
イトの添加量は、α-Si Cに対して1.5〜3.0g/
( 100gα-Si C) 、より好ましくは2.0〜2.5
g/( 100gα-Si C) 添加する。1.5g/( 10
0gα-Si C) 未満では、表面の酸化物層が焼結時に残
存し焼結密度が低下し、3.0g/( 100gα-Si
C) を超えるとカーボン自体が焼結時に残存し、同様に
焼結密度が低下する。
【0015】硼素化合物粉末としては、室温以下で媒体
である水や有機溶媒および分散剤に不溶な無機質粉末を
用いた。例えば、金属硼素、酸化硼素、炭化硼素、窒化
硼素、硼素とアルミニウムの金属間化合物などがある。
硼素としての添加量は、0.2〜0.5g/( 100g
α-Si C) の範囲にする。0.2g/( 100gα-Si
C) 未満では、焼結助剤としての効果が乏しくなり焼結
密度が低下し、0.5g/( 100gα-Si C) を超え
ると過剰になるため焼結密度が低下する。
【0016】アルミニウム化合物粉末は、室温以下で媒
体である水や有機溶媒および分散剤に不溶な無機質粉末
を用いた。例えば、酸化アルミニウム、炭化アルミニウ
ム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、Si-Al-O
- Nの準安定相、硼素とアルミニウムの金属間化合物な
どがある。アルミニウムとしての添加量は、0.2〜
2.0g/( 100gα-Si C) の範囲にする。0.2
g/( 100gα-Si C) 未満では、焼結助剤としての
効果が乏しくなり焼結密度が低下し、2.0g/( 10
0gα-Si C) を超えると過剰になり焼結密度が低下す
る。
【0017】有機分散剤として、スチレンーマレイン酸
共重合体ポリマーまたはオリゴマーを溶液中の固形分換
算重量割合で該α-Si Cおよび焼結助剤を含めた粉末原
料100gに対し、0.05〜0.16g/(100g
α-Si C)添加し、アミン系pH調整剤を重量割合で該
α-Si Cおよび焼結助剤を含めた粉末原料100gに対
し、0.30〜0.60g/(100gα-Si C)添加
した上で、該スラリー系のpHが10.5〜12.0、
該スラリーの該α-Si Cおよび焼結助剤を含めた粉末重
量濃度が76重量%以上、該α-Si Cおよび焼結助剤を
含めた粉末固体体積割合が50体積%を超えることを特
徴としている。有機分散剤として、スチレンーマレイン
酸共重合体ポリマーまたはオリゴマーを溶液中の固形分
換算重量割合で該α-Si Cおよび焼結助剤を含めた粉末
原料100gに対し、0.05g/(100gα-Si
C)原料粉末未満では粒子表面への吸着反応が充分に進
行せず、鋳込みスラリーに必要な分散状態は得られず、
0.16g/(100gα-Si C)原料粉末を超えれ
ば、原料の比表面積に対し過剰な分散剤によって再凝集
状態が支配的になり鋳込みスラリーには不適となる。ア
ミン系pH調整剤を重量割合で該α-Si Cおよび焼結助
剤を含めた粉末原料100gに対し、0.30g〜0.
60g/(100gα-Si C)添加しすることによっ
て、該スラリー系のpHが10.5〜12.0に調整可
能になり、またpHが12.0を超えると混合機の内壁
の溶損や吸水性鋳型にスラリーを流し込む際の鋳型劣化
が著しくなり、好ましくない。
【0018】前記スラリーの該α-Si Cおよび焼結助剤
を含めた粉末重量濃度が76重量%以上、および前記α
-Si Cおよび焼結助剤を含めた粉末固体体積割合が50
体積%を超えなければ、本発明の目的である肉厚成形体
の着肉時間が長くなり成形効率や歩留りも低下し、スラ
リー調製時の分散安定性( 再現性) も低下する。このよ
うに、本発明においては、スラリーのα-Si Cおよび焼
結助剤を含めた粉末重量濃度が76重量%以上、即ち前
記α-Si Cおよび焼結助剤を含めた粉末固体体積割合が
50体積%を超えることにより、吸水鋳型の形状付与内
壁へ着肉させる際の圧密が起き難くなり、肉厚方向の成
形密度分布が抑制されるため、肉厚品も容易に成形・乾
燥・焼結出来ることになる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例の一例を示す。 〈実施例 1〉炭化珪素粉末として、純度99.1重
量%、平均粒径0.69μm、2μm超の重量割合9.
5重量%、BET比表面積15m2 /g、フリーSiO2
が0.36重量%のα-Si Cを用いた。無機質カーボン
粉末として三菱化学(株)製のオイルファーネス法によ
るカーボンブラック750Bを用いた。このカーボンブ
ラックは、これだけを水中に分散させた場合、pH=
8.1でアルカリ側になる処理を施してある。硼素化合
物粉末として炭化硼素( B4 C) を用いた。B:Cの比
が3.74:1で、酸素量は1.30重量%、平均粒子
径は0.88μm、BET比表面積は19.14m2
gであった。アルミニウム化合物粉末は、室温以下で媒
体である水や分散剤に安定なSi-Al-O- Nの準安定相の
一つであるポリタイプ21Rを用いた。それぞれの配合
は、α-Si C:97.1重量%、カーボンブラック:
1.6重量%、炭化硼素:0.5重量%、ポリタイプ2
1R:0.8重量%で行った。以下、この配合で実施例
の粉末原料と記載する。
【0020】有機分散剤として、スチレンーマレイン酸
共重合体ポリマーまたはオリゴマーを溶液中の固形分換
算重量割合で実施例の粉末原料100gに対し、0.1
5g/(100gα-Si C)添加し、アミン系pH調整
剤としてジエチルアミンを重量割合で実施例の粉末原料
100gに対し、0.40g/(100gα-Si C)添
加した。アクリル樹脂を水中でエマルジョン化したバイ
ンダーを固形分割合で1.65g/実施例1の粉末原料
100g混合した。
【0021】分散媒体として水を用いた。イオン交換水
がpHをコントロールし易いことから最も適している
が、ここでは蒸留水を用いた。蒸留水のpH=6.4だ
った。本実施例においては粉末原料100gに対し、蒸
留水の添加割合は25g/100g粉末原料とした。そ
の結果、得られたスラリーは78.6重量%となった。
各スラリーを石膏型へ流し込み、65mm×65mm×
厚さ15mmの鋳込み成形体を得た。乾燥後の成形密度
は、2.08g/cm3 が得られた。Arガス流通雰囲気
中、2050℃×5時間保持の最高温度で焼成した結
果、3.15g/cm3 の緻密な焼結体が得られた。
【0022】この焼結体からJIS-R1601 に基づき、3点
曲げ試験を行った結果、それぞれ330MPaが得ら
れ、構造部材として充分な強度を有しているとが判明し
た。 〈実施例 2〉炭化珪素粉末として、純度98.9重
量%、平均粒径0.74μm、2μm超の重量割合1
2.5重量%、BET比表面積14.1m2 /g、フリ
ーSiO2 が0.54重量%のα-Si Cを用いた。無機質
カーボン粉末として三菱化学(株)製のオイルファーネ
ス法によるカーボンブラック550Bを用いた。このカ
ーボンブラックは、これだけを水中に分散させた場合、
pH=3.5で酸性側になる。硼素化合物粉末として、
炭化硼素( B4 C) を用いた。B:Cの比が3.74:
1で、酸素量は1.30重量%、平均粒子径は0.88
μm、BET比表面積は19.14m2 /gであった。
アルミニウム化合物粉末は、室温以下で媒体である水や
分散剤に安定なAl2 3 を用いた。それぞれの配合は、
α-Si C:96.8重量%、カーボンブラック:2.1
重量%、炭化硼素:0.7重量%、 A23 :0.4重
量%で行った。以下、この配合で本実施例の粉末原料と
記載する。
【0023】有機分散剤として、スチレンーマレイン酸
共重合体ポリマーまたはオリゴマーを溶液中の固形分換
算重量割合で本実施例の粉末原料100gに対し、0.
10g/(100gα-Si C)添加し、アミン系pH調
整剤としてトリエチルアミンを重量割合で粉末原料10
0gに対し、0.50g/(100gα-Si C)添加し
た。
【0024】分散媒体としてイオン交換水を用いた。イ
オン交換水のpH=7.2だった。本実施例においては
粉末原料100gに対し、蒸留水の添加割合は25.2
g/100g粉末原料とした。その結果、得られたスラ
リーは79.5重量%となった。各スラリーを石膏型へ
流し込み、140mm×120mm×厚さ20mmの鋳
込み成形体を得た。乾燥後の成形密度は、2.02g/
cm3 が得られた。Arガス流通雰囲気中、2100℃×
4時間保持の最高温度で焼成した結果、3.13g/c
3 の緻密な焼結体が得られた。
【0025】この焼結体からJIS-R1601 に基づき、3点
曲げ試験を行った結果、300MPaが得られ、構造部
材として充分な強度を有しているとが判明した。また、
スラリー調製容器や調製時間、石膏型の使用回数や乾燥
状態、等をいくつか変更させながら、データの再現性に
ついての確認を行ったが、ワイブル係数:m=10と高
い値を得た。
【0026】上記した実施例1および実施例2より、本
発明におけるα-Si Cスラリーの調製方法では、スラリ
ー濃度を76重量%以上に上げ、鋳込み成形肉厚を10
mm以上に上げても成形時間を増大させず、焼結体の密
度をはじめとする物性を保持させる方法を提供すること
も可能であり、併せてスラリー調製時、鋳込み時の再現
性を高揚させ、効率的な調製が可能になることが確認出
来た。
【0027】
【発明の効果】以上のことより、本発明の製造方法を用
いることによって、成形時の肉厚が10mmを超え、か
つ焼結密度が3.1g/cm3 を超える鋳込み成形体を
得られた。また、本発明の製造方法によるスラリーおよ
び焼結体特性に関し、再現性も確認されたことから、ス
ラリー調製工程のバラツキが低減され、焼結時の収縮
率、収縮挙動が安定になることが期待される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末の比表面積が7〜22m2 /gの範
    囲にあるα-Si C(炭化珪素) 粉末、有機質カーボン源
    および/または無機質カーボン粉末、硼素化合物粉末、
    アルミニウム化合物粉末、有機分散剤、アミン系pH調
    整剤、および、水および/または溶媒からなり、これら
    を添加して混合することによって得られる鋳込み成形用
    炭化珪素スラリーの調製方法において、有機分散剤とし
    てスチレンーマレイン酸共重合体ポリマーまたはオリゴ
    マーを固形分換算重量割合で前記粉末原料100gに対
    し、0.05〜0.16g/(100gα-Si C)、お
    よびアミン系pH調整剤を液体重量割合で前記粉末原料
    100gに対し、0.30〜0.60g/(100gα
    -Si C)添加することにより、スラリー系のpHを1
    0.5〜12.0に調製することを特徴とする鋳込み成
    形用炭化珪素スラリーの調製方法。
  2. 【請求項2】 粉末の比表面積が7〜22m2 /gの範
    囲にあるα-Si C(炭化珪素) 粉末、有機質カーボン源
    および/または無機質カーボン粉末、硼素化合物粉末、
    アルミニウム化合物粉末、有機分散剤、アミン系pH調
    整剤、有機結合剤、可塑剤、消泡剤、および精製水およ
    び/または溶媒、からなり、これらを添加して混合する
    ことによって得られる鋳込み成形用炭化珪素スラリーの
    調製方法において、有機分散剤としてスチレンーマレイ
    ン酸共重合体ポリマーまたはオリゴマーを固形分換算重
    量割合で上記粉末原料100gに対し、0.05〜0.
    16g/(100gα-Si C)、およびアミン系pH調
    整剤を液体重量割合で上記粉末原料100gに対し、
    0.30〜0.60g/(100gα-Si C)添加する
    ことにより、スラリー系のpHを10.5〜12.0、
    スラリーの粉末重量濃度が76重量%以上、粉末固体体
    積割合が50体積%超となるように調製し、得られた成
    形体の肉厚方向の成形密度差が0.05g/cm3 以下
    であることを特徴とする鋳込み成形用炭化珪素スラリー
    の調製方法。
  3. 【請求項3】 鋳込み成形によって得られる成形体の肉
    厚が10mm以上であることを特徴とする請求項1もし
    くは請求項2記載のスラリー調製方法。
  4. 【請求項4】 粉末の平均粒径が1μm以下で、2μm
    を超える粒子が40重量%以下、比表面積が7〜22m
    2 /gの範囲にあるα-Si C(炭化珪素)粉末、グラフ
    ァイトがα-Si Cに対して1.5〜3.0g/(100
    gα-Si C)含有する有機質カーボン源および/または
    無機質カーボン粉末、硼素が0.2〜0.5g/(10
    0gα-Si C)含有する硼素化合物粉末、アルミニウム
    が0.2〜2.0g/(100gα-Si C)含有するア
    ルミニウム化合物粉末であることを特徴とする請求項1
    または2記載の鋳込み成形用炭化珪素スラリーの調製方
    法。
  5. 【請求項5】 前記α-Si C(炭化珪素)粉末および焼
    結助剤を含めた粉末固体体積割合が50体積%超である
    ことを特徴とする請求項1、2または4記載の鋳込み成
    形用炭化珪素スラリーの調製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001163670A (ja) * 1999-12-06 2001-06-19 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd 炭化珪素質焼結体およびその製造方法
CN108892509A (zh) * 2018-08-03 2018-11-27 宁波哈泰雷碳化物有限公司 一种用于陶瓷浇注成型的纳米碳化硅浆料的制备方法

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