JPH09268085A - 炭化珪素質多孔体の製造方法 - Google Patents

炭化珪素質多孔体の製造方法

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JPH09268085A
JPH09268085A JP8103926A JP10392696A JPH09268085A JP H09268085 A JPH09268085 A JP H09268085A JP 8103926 A JP8103926 A JP 8103926A JP 10392696 A JP10392696 A JP 10392696A JP H09268085 A JPH09268085 A JP H09268085A
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silicon carbide
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alumina
silica
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JP8103926A
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Naomichi Miyagawa
直通 宮川
Nobuhiro Shinohara
伸広 篠原
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof

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Abstract

(57)【要約】 【課題】炭化珪素質多孔体の気孔率と平均気孔径を制御
できる、特にμmオーダーの気孔径の制御が可能であ
り、シャ−プな気孔径分布を有しかつ強度の大きい炭化
珪素質多孔体の製造方法を提供する。 【解決手段】炭化珪素粉末60〜98重量%に、アルミ
ナとシリカの重量比が98:2〜10:90のアルミナ
とシリカを主成分とし、アルミナとシリカが緊密に混在
する複合粉末2〜40重量%を混合して混合粉末とし、
この混合粉末からなる成形体を非酸化性雰囲気下で焼結
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化珪素質多孔体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素の焼結体は、高硬度で耐摩耗性
に優れており、化学的に安定で、熱膨張率が小さくて熱
伝導率が大きく、高温強度が大きいなどの優れた特性を
有し、特に高温で使用する構造用材料として有用であ
る。炭化珪素材料のこれらの高温特性を生かして多孔化
した炭化珪素の焼結体をディーゼルエンジンの排気ガス
を浄化するフィルタや、高温燃焼ガス中の灰などを除去
するフィルタに使用することが試みられている。
【0003】炭化珪素質焼結体の原料には、従来、炭素
粉末と珪砂などのシリカ粉末の混合粉末を、混合粉末に
埋めた炭素の発熱体で高温に加熱するアチソン法で製造
されたα−SiC原料を使用するのが一般的である。
【0004】炭化珪素のフィルタの気孔径を制御するに
は、多孔体を構成する炭化珪素原料粒子の粒径を揃えた
粒子を、粒子間に隙間が残るように少量のガラスや粘土
などで結合する製造方法が一般的である。しかし、特定
の粒径の炭化珪素原料を得るには、広い粒径分布を有す
る粉砕された炭化珪素の原料を分級して所望の粒径範囲
にある炭化珪素の粒子を選び出す必要があり、手間とコ
ストがかかった。また、ガラスや粘土によって結合され
た焼結体は高温における強度が小さく、特に気孔率の大
きい焼結体の強度はさらに小さい。
【0005】炭化珪素の焼結体には、炭化珪素粉末の成
形体を2000℃以上の高温で焼成して成形体中の粉末
粒子を再結晶(著しく結晶成長させる)させた再結晶炭
化珪素がある。この再結晶による焼結は、焼結機構が元
素や分子の表面拡散又は蒸発・凝縮のプロセスによって
進行するため粒子間の距離がほとんど縮まないのが特徴
である。再結晶炭化珪素の高温強度は相当大きく、大き
な気孔率を有する焼結体とすることは容易であるが、幅
広い気孔径分布を有するものになり、気孔径を制御する
のが難しいという欠点がある。
【0006】炭化珪素は難焼結性材料であるので、炭化
珪素粉末のみの成形体では容易に焼結できず、2000
℃を超える高温で焼結して再結晶させないと結合強度が
出ない。他方、ホウ素、ホウ素化合物、炭素、アルミナ
などの焼結助剤を炭化珪素粉末に混合して焼結すれば、
結晶粒子内の拡散プロセスによって緻密で強度の大きい
炭化珪素の焼結体が得られる。しかし、この方法では気
孔率の大きい所望の平均気孔径と気孔径分布を有する多
孔質炭化珪素は得られない。
【0007】炭化珪素の原料には他にβ−SiCの粉末
があり、β−SiCの粉末は通常細かい炭素粉末とシリ
カ粉末の混合物を、電気炉中で加熱することによって合
成される細かい粉末である。特開昭60−264365
号公報や特開昭61−91076号公報には、このβ−
SiC粉末を原料とする気孔率と強度の大きい多孔質炭
化珪素焼結体とその製造方法が開示されている。β−S
iC粉末を原料とするこの多孔質炭化珪素焼結体では、
高温での焼結時にβ−SiCの一部をα−SiCに相転
移させることによって、α−SiCの粉末のみの場合よ
り焼結が進みやすく、ある程度強度が大きい多孔質炭化
珪素焼結体とすることができるが、この多孔質炭化珪素
焼結体の平均気孔径が190μmの多孔体では150〜
250μmと、平均気孔径が5μmの多孔質焼結体で3
〜7μmと広い範囲に気孔径が分布しており、例えば精
密ろ過用フィルタ等のシャ−プな気孔径分布を必要とす
る用途には適さないものであった。
【0008】また、特開平2−255581号公報に
は、フェノール樹脂を結合剤とする平均粒径が0.1〜
3μmのα−SiC粉末の成形体を2000〜2200
℃で焼成し、気孔径が1.0〜3μm、気孔率が40〜
46%であって、粒状のα−SiCの結晶粒径が2〜1
0μmの多孔質炭化珪素焼結体が開示されている。しか
し、この多孔質炭化珪素の焼結体は、α−SiCの結晶
を再結晶させて焼結しており、一般的にこの方法で得ら
れる焼結体は強度が小さく、特に気孔率の大きい焼結体
では強度が小さいという欠点がある。
【0009】また、多孔材料ハンドブック(アイピ−シ
−社、昭和63年発行)には、ウレタン等の有機質多孔
材料に原料粉末のスラリーを含侵させたものを焼いて有
機質成分を除き、さらに焼結することにより高気孔率の
焼結体を得る方法が開示されているが、この製造方法で
はμmオーダーの小さな気孔径を有する焼結体は作れな
い。また、気孔率の大きい焼結体とすると強度を大きく
できないという問題がある。
【0010】いずれにしてもこれら従来の方法では原料
とする炭化珪素粉末の粒径を厳密に制御することが難し
く、燒結しても粒径が数μm以下と微細でシャープな気
孔径分布を有する焼結体を得ることは困難であり、粒界
の結合が不十分であるために焼結体の強度が小さいとい
う欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭化珪素質
多孔体の気孔率と平均気孔径を制御できる、特にμmオ
ーダーの気孔径の制御が可能であり、シャ−プな気孔径
分布を有しかつ強度の大きい炭化珪素質多孔体の製造方
法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、本発明の炭化珪素質多
孔体の製造方法は、アルミナとシリカの重量比が98:
2〜10:90の範囲にあるアルミナとシリカを主成分
とし、アルミナとシリカが緊密に混在する複合粉末と炭
化珪素粉末の混合粉末の成形体を非酸化性雰囲気下で焼
結することを特徴とする。
【0013】本発明において「アルミナとシリカが緊密
に混在する複合粉末」とは、アルミナ成分とシリカ成分
の少なくとも一部が化学的に結合している粉末又はアル
ミナ成分とシリカ成分の少なくとも一方の成分をゾルと
しこれに他方の成分を混合し乾燥した粉末をいう。
【0014】炭化珪素はシリカ成分が共存すると、高温
で炭化珪素粉末とシリカが反応し、一酸化炭素(CO)
と一酸化珪素(SiO)ガスを発生する。本発明者らは
シリカ(SiO2 )の添加効果について、その添加量と
粒子径を制御するなど種々の要因について検討した結
果、シリカ成分の添加が炭化珪素の焼結体に気孔を付与
する働きがあることを見いだすと同時に、シリカの添加
量によって気孔率が、またシリカの粒子径によって気孔
径を制御できることを見いだした。
【0015】しかし、シリカを添加しただけでは得られ
る多孔体の強度が小さかったので、さらに強度付与を目
的とした添加剤について種々検討した。その結果、アル
ミナ(Al23 )の同時添加によって炭化珪素粒子間
の結合を強化でき、さらに気孔率、気孔径を制御すると
同時に多孔体の高強度化を実現するには、シリカとアル
ミナを別々に添加するのではなく、シリカとアルミナが
緊密に混在する複合粉末を添加するのが好ましいことを
見いだし本発明をなすに至った。
【0016】アルミナとシリカの重量比は98:2〜1
0:90が好ましく、アルミナの重量比が98超では気
孔を形成するためのシリカが不足し、またアルミナの重
量比が10未満では十分な強度を有する多孔体が得られ
ない。この配合比は、さらに好ましくは7:3〜2:8
である。
【0017】炭化珪素粉末に対するアルミナとシリカを
主成分とする複合粉末(アルミナとシが緊密に混在する
粉末又は複合酸化物粉末)の添加量は、目標とする多孔
体の気孔率、気孔径及び強度に応じて設定されるが、ア
ルミナとシリカを主成分とする複合粉末の量は混合粉末
の2〜40重量%が好ましい。添加量が2重量%未満で
は気孔率が小さく、40重量%超では強度の小さいもの
になり、実用性のある炭化珪素質多孔体が得られない。
【0018】またアルミナとシリカの複合粉末の平均粒
径は目標とする多孔体の気孔径によって変える。使用す
る炭化珪素粉末の平均粒径は1μm以下の粉末であるの
が好ましい。
【0019】本発明の炭化珪素質多孔体の製造方法にお
いて、アルミナは難焼結材料である炭化珪素粉末の焼結
助剤として働き、得られる焼結体に強度を付与する。ま
た、シリカは気孔形成成分として炭化珪素と反応して炭
化珪素を分解し、COガスとSiOガスを発生させて気
孔を形成する働きをする。
【0020】なお、複合粉末は細かい粒子の状態で混合
粉末の成形体中に均等に分散させておくのが好ましく、
このようにすると細かい気孔が均等に分散した炭化珪素
質多孔体が得られる。
【0021】アルミナとシリカを主成分とする複合粉末
は、アルミナ粉末とシリカ粉末を混合して仮焼後粉砕、
分級しても得られるが、アルミナとシリカをより緊密に
混在させるには、1)有機アルミニウム化合物と有機シ
リコン化合物をエタノールなどの有機溶媒に溶かした溶
液を攪拌しながら水を加え、両化合物を加水分解させた
ゾルを乾燥した複合粉末、2)有機シリコン化合物をエ
タノールなどの有機溶媒に溶かした溶液を攪拌しながら
水を加えて加水分解させたゾルに、ベーマイト(AlO
(OH))粉末、γ−アルミナ粉末又はアルミナゾルを
混合したものを乾燥した複合粉末、3)有機アルミニウ
ム化合物をエタノールなどの有機溶媒に溶かした溶液を
攪拌しながら水を加えて加水分解させたゾルに、ヒュー
ムドシリカ粉末又はシリカゾルを混合したものを乾燥し
た複合粉末を使用するのが好ましい。
【0022】また、アルミナとシリカを主成分とする複
合粉末として、ムライト粉末を使用してもよい。ムライ
トはその組成式が3Al23 ・2SiO2 で表される
結晶であるので、本発明ではアルミナ成分とシリカ成分
が緊密に混在している複合粉末として位置付けることが
できる。
【0023】本発明によって炭化珪素質多孔体を製造す
るには、炭化珪素粉末60〜98重量%に、アルミナと
シリカの重量比が98:2〜10:90の範囲にあるア
ルミナとシリカを主成分とする複合粉末を2〜40重量
%添加し、通常のセラミックスの製造に用いられるボー
ルミル等で混合粉砕後、得られた混合粉末をプレス成形
し、非酸化性雰囲気中で焼成する。気孔の付与には真空
中で焼成するのが反応ガスの生成を促進するので効果的
である。焼成温度は、目標とする気孔率や強度によって
適宜に変えるが、十分な強度を持つ多孔体を得るために
は1800℃〜2200℃の範囲内で、より好ましくは
1900℃〜2000℃の範囲で焼成するのが好まし
い。
【0024】本発明の製造方法によれば、炭化珪素質多
孔体の気孔率が40%以上、平均気孔径が3μm以下、
曲げ強度が40MPa以上であり、平均気孔径を100
%とするとき、100%±35%の範囲にある気孔が全
気孔容積の90%以上を占めるという炭化珪素質多孔体
を提供することができる。この炭化珪素質多孔体は従来
の製造方法による炭化珪素質多孔体に比べて平均気孔径
が小さく、気孔径分布がシャ−プである強度が顕著に大
きいという特徴があり、高温でも使用できるガスフィル
タ、気体の分離膜、バクテリアなどの微粒子を除く液体
のフィルタなどとして有用である。
【0025】以下、本発明を実施例によって具体的に説
明するが、実施例は本発明の一例であって、本発明をな
んら限定するものではない。
【0026】
【実施例1】平均粒径0.6μmのα−SiC粉末(昭
和電工(株)製A−1)80重量%に平均粒径2μmの
ムライト粉末を20重量%加え、これをボールミル中で
湿式で混合粉砕した。この混合粉末を乾燥後、200k
g/cm2 で仮成形した後、1.5ton/cm2 の圧
力でラバープレス成形し、寸法が約40mm×70mm
×10mmの成形体とした。この成形体をアルゴン雰囲
気の電気炉に入れ、2000℃で2時間焼成した。得ら
れた多孔質炭化珪素体の気孔率と嵩比重を水浸法で測定
し、曲げ強度をJISに準拠した4点曲げ試験法により
測定した。気孔径分布は約5mm×5mm×5mmの小
片を試料としてポロシメータで水銀圧入法により測定し
た。その結果、気孔率60%、嵩密度1.3g/cm3
曲げ強度50MPa、最大気孔径3μm、平均気孔径2
μmの多孔体が得られ、気孔径分布は1.5〜2.5μ
mに全気孔容積の90%が含まれるシャープな多孔質焼
結体であった。
【0027】
【実施例2】平均粒径が0.6μmのアルミナ粉末と平
均粒径が0.2μmのシリカ粉末を1:1の割合で混合
し、1000℃で仮焼後粉砕、分級して複合粉末を得
た。この複合粉末は大部分がムライトで少量のクリスト
バライトを含むものであった。この複合粉末を上記炭化
珪素粉末に対して10重量%の割合で添加し、ボールミ
ルによって混合粉末を得た。この混合粉末を使用して実
施例1と同様にして40mm×70mm×10mmの成
形体と、次いでアルゴン雰囲気の電気炉中で2000℃
において2時間焼成した。得られた多孔質焼結体は、気
孔率が50%、嵩比重が1.5g/cm3 、曲げ強度が
60MPa、最大気孔径が3μm、平均気孔径が1.7
μmであり、1.2〜2.0μmに全気孔容積の90%
が含まれるシャープな気孔径分布を有する炭化珪素質多
孔体であった。
【0028】
【実施例3】比表面積が250m2 /gのベーマイト粉
末をpH3の酸性条件下で水中に分散させてアルミナゾ
ルとし、これに珪酸エチル(Si(OC254 )の
エタノール溶液(1:1)をアルミナ−シリカの重量比
が90:10となるように混合し、この混合液を70℃
で加熱することによってアルミナとシリカのゲルとし
た。得られた複合ゲルを低温乾燥(凍結乾燥)で乾燥
後、粉砕して若干の水分を含む複合粉末を得た。この複
合粉末の水分を除いた重量で炭化珪素粉末に対して20
重量%秤量した後、ボールミルによって混合粉砕して混
合粉末を得た。以下、実施例1と同様にして成形と焼成
を行った。得られた多孔体の気孔率は55%、嵩密度
1.4g/cm3 、曲げ強度は60MPa、最大気孔径
2μm、平均気孔径1.0μmであり、気孔径分布は
0.7〜1.3μmに全気孔容積の90%が含まれるシ
ャープな多孔質焼結体であった。
【0029】
【実施例4】比表面積が250m2 /gのベーマイト粉
末を実施例3と同様にpH3の酸性条件下で水中に分散
させてアルミナゾルとし、このアルミナゾルにヒューム
ドシリカ粉末をアルミナとシリカの重量比が90:10
となるように混合し、この混合液を70℃で加熱するこ
とによってアルミナシリカ複合ゲルを得た。この複合ゲ
ルを凍結乾燥して平均粒径約50μmの粉末とした。平
均粒径0.6μmのα−SiC粉末80重量%にアルミ
ナとシリカを合わせた配合量が20重量%となるように
この粉末を混合し、湿式のボールミルで混合粉砕して混
合粉末を得た。この混合粉末を試験例1と同様にして成
形、焼成した。得られた炭化珪素質多孔体の気孔率は4
8%、嵩密度1.6g/cm3 、曲げ強度は80MP
a、最大気孔径1.5μm、平均気孔径0.7μmであ
り、気孔径分布は0.5〜0.9μmに全気孔容積の9
0%が含まれるシャープな多孔質焼結体であった。
【0030】
【比較例】比較例として、実施例2で用いたアルミナ粉
末とシリカ粉末を用い、仮焼することなくボールミルに
よって実施例1で使用した炭化珪素粉末と混合し、実施
例1と同様にして成形し、アルゴン中にて2000℃、
2時間焼成した。得られた多孔体の気孔率は50%、嵩
密度1.5g/cm3 、曲げ強度は10MPa、最大気
孔径13μm、平均気孔径4.2μmであり、気孔径分
布は3〜10μmの範囲に全気孔容積の90%が含まれ
るものであった。また本製造方法による多孔体は表面に
亀裂が入っているのが認められ、焼成時の変形が著しか
った。
【0031】
【発明の効果】本発明による炭化珪素質多孔体の製造方
法は、アルミナとシリカをアルミナとシリカが緊密に混
在する複合粉末として添加するもので、シリカ成分が炭
化珪素と反応して気孔が生成するメカニズムを利用して
炭化珪素焼結体中に目的とする気孔率と平均気孔径を有
する気孔を形成するので、このとき複合粉末を使用する
ことによって気孔の形成と同時にアリミナによって炭化
珪素粒子の結合が強化され、その結果、高強度の多孔体
が得られる。これに対してアルミナとシリカが緊密に混
在していない混合粉末を炭化珪素粉末と混合しても低い
強度の多孔体しか得られない。
【0032】また本発明の製造方法によれば、アルミナ
とシリカの混合粉末の粒子径及び添加量を適宜選択する
ことにより、気孔率と平均気孔径を制御可能で、微細で
シャ−プな気孔径分布を有し、所望の気孔率と高い強度
を有する炭化珪素多孔体の製造が可能である。
【0033】さらに本発明方法によれば従来の多孔体の
製造方法とは異なり気孔形成に関わる物質がシリカであ
ることから気孔を付与する有機成分等の除去を必要とし
ない。
【0034】また、アルミナ−シリカ複合粉末としてム
ライト粉末を使用すると、簡易な工程で高強度炭化珪素
質多孔体を得ることができる。
【0035】本発明によって得られる炭化珪素質多孔体
は、小さい平均気孔径を有し、シャ−プな気孔径分布を
有するものにでき、耐熱性が高く強度の大きいものであ
るので、高温で使用できるガスフィルタ、気体の分離
膜、バクテリアなどの微粒子を分離する液体のフィルタ
として有用であり、その産業上の利用価値が大きい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素粉末60〜98重量%に、アルミ
    ナとシリカの重量比が98:2〜10:90のアルミナ
    とシリカを主成分とし、アルミナとシリカが緊密に混在
    する複合粉末2〜40重量%を混合して混合粉末とし、
    この混合粉末からなる成形体を非酸化性雰囲気下で焼結
    することを特徴とする炭化珪素質多孔体の製造方法。
  2. 【請求項2】複合粉末が、有機アルミニウム化合物と有
    機シリコン化合物をエタノールなどの有機溶媒に溶かし
    た溶液を攪拌しながら水を加え、両化合物を加水分解さ
    せたゾルを乾燥した粉末である請求項1に記載の炭化珪
    素質多孔体の製造方法。
  3. 【請求項3】複合粉末が、有機シリコン化合物をエタノ
    ールなどの有機溶媒に溶かした溶液を攪拌しながら水を
    加えて加水分解させたゾルに、ベーマイト粉末、γ−ア
    ルミナ粉末又はアルミナゾルを混合したものを乾燥した
    粉末である請求項1に記載の炭化珪素質多孔体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】複合粉末が、有機アルミニウム化合物をエ
    タノールなどの有機溶媒に溶かした溶液を攪拌しながら
    水を加えて加水分解させたゾルに、ヒュームドシリカ粉
    末又はシリカゾルを混合したものを乾燥した粉末である
    請求項1に記載の炭化珪素質多孔体の製造方法。
  5. 【請求項5】複合粉末がムライト粉末である請求項1に
    記載の炭化珪素質多孔体の製造方法。
  6. 【請求項6】炭化珪素質多孔体の気孔率が40%以上、
    平均気孔径が3μm以下、曲げ強度が40MPa以上で
    あり、平均気孔径を100%とするとき、100%±3
    5%の範囲にある気孔が全気孔容積の90%以上を占め
    る請求項1〜5のいづれかに記載の炭化珪素質多孔体の
    製造方法。
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