JP4068825B2 - 炭化ケイ素焼結体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化ケイ素焼結体の製造方法及び前記製法により製造された炭化ケイ素焼結体に関する。更に詳しくは、本発明は半導体製造装置用部品、電子情報機器用部品、真空装置等の構造用部品として有用な、高密度で、かつ高純度の炭化ケイ素焼結体の製造方法、及び前記方法により得られた炭化ケイ素焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化ケイ素は、共有結合性の強い物質であり、従来より高温強度性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等の優れた特性を生かして多くの用途で用いられてきた。最近では、電子情報機器材料、半導体製造用材料の分野において、ウェハの処理温度の上昇、ウェハ径の増大、処理単位の増大によって、従来の石英部品における如き熱変形やフッ酸などの薬液洗浄による変質のない、さらに耐熱性の良好で、かつ、密度と純度の高い炭化ケイ素焼結体が要望されている。
【0003】
前記課題に対する解決手段として、主に(a)炭化ケイ素の純度を向上する手段と、(b)炭素源の純度を向上する手段が提案され、そして、前記(a)の手段として例えば、本出願人による特許出願、特開平10―67565に開示された発明により前記課題が大きく改善されるに至ったのであるが、前記(b)の手段にあっては以下に説明するように改良の余地が多く残されていた。
【0004】
一般に、炭化ケイ素焼結体の純度や強度を向上させるためには、仮焼後の粒子が細かくしかも粒径が均一な炭素源を用いることが好適であるとされている。そのため、従来、炭素源の高純度化を図る手段の1つとして、カーボンブラックに代表される有機物質を粉砕、分級したものを炭素源として用いていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記粉砕、分級を行う際、炭化ケイ素焼結体の純度や強度の低下の原因となる不純物が入り込むことを防ぐために細心の注意と熟練の技術が必要であり、しかも不純物濃度を低下させるには限界があった。そのため、炭素源の高純度化を図るための有効な解決手段が求められていた。
【0006】
以上より、本発明は炭素源の純度の向上を介して、炭化ケイ素焼結体の純度の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するべく、炭素源として仮焼後の残炭率が高くしかも粒子の極めが細かいフェノール樹脂を使用することに着目し研究を続けた。ところが、スラリー状態の混合粉体を製造する工程において、炭化ケイ素粉末と炭素源としてのフェノール樹脂とを均一に分散混合することが極めて困難であった。そこで、本発明者は、炭素源として、炭化ケイ素粉末にスプレードライ法で炭素源をコーティングした炭化ケイ素粉末を用いることにより前記課題が解決することを知見し、本発明を完成したのである。
【0008】
即ち、請求項1に係る発明によれば、反応焼結法を用いて炭化ケイ素焼結体を製造するに際し、スラリー状の混合溶液を得る工程における炭化ケイ素粉末及び炭素源として、以下の工程を有する製法により得られる炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末:
炭化ケイ素粉末と、炭素源としてのフェノール樹脂とをエタノール溶媒に加え混合することにより混合溶液を得る工程と;前記混合溶液をAr雰囲気の条件でスプレードライすることにより炭化ケイ素粉末の表面にフェノール樹脂をコーティングする工程と;前記フェノール樹脂でコーティングされた炭化ケイ素粉末を900℃〜1200℃の条件で仮焼して炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末を得る工程と;
を用いることを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法が提供される。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、前記炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末を構成する炭化ケイ素粉末は、液状のケイ素化合物と、加熱により炭素を生成する液状の有機化合物と、重合又は架橋触媒と、を均一に混合して得られた混合物を固化することにより固化物を得る固化工程と;得られた固化物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さらに非酸化性雰囲気下で焼結する焼結工程と;を有する製造方法により得られた炭化ケイ素粉末であることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
発明の詳細について説明する。
【0016】
まず、本発明に用いられる炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末について説明する。
【0017】
本発明に用いられる炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末は、(1)炭化ケイ素粉末とフェノール樹脂をエタノール溶媒に加え混合することにより混合溶液を得る工程と;(2)前記混合溶液をAr雰囲気の条件でスプレードライすることにより炭化ケイ素粉末の表面にフェノール樹脂をコーティングする工程と;(3)前記フェノール樹脂でコーティングされた炭化ケイ素粉末を900〜1200℃の条件で仮焼し、炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末を得る工程と;を有する製法により得られうる。続いて前記製法の詳細を各工程毎に説明する。
【0018】
(1)混合溶液を得る工程について
前記炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末を構成する炭化ケイ素粉末としては、従来公知の高純度の炭化ケイ素粉末を使用することができる。
【0019】
具体的には、前記炭化ケイ素粉末として、α型、β型、非晶質或いはこれらの混合物等が挙げられるが、特に、β型炭化ケイ素粉末が好適に使用される。このβ型炭化ケイ素粉末のグレードには特に制限はなく、例えば、一般に市販されているβ型炭化ケイ素粉末を用いることができる。この炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度化の観点からは小さいことが好ましく、0.01〜10μm程度、さらには、0.05〜1μm程度であることが好ましい。粒径が0.01μm未満であると、計量、混合などの処理工程における取扱が困難となり、10μmを超えると比表面積が小さく、即ち、隣接する粉体との接触面積が小さくなり、高密度化が困難となるため、好ましくない。
【0020】
好適な炭化ケイ素粉体の態様としては、粒径が0.05〜1μm、比表面積が5m2 /g以上、遊離炭素1%以下、酸素含有量1%以下のものが好適に用いられる。また、用いられる炭化ケイ素粉末の粒度分布は特に制限されず、炭化ケイ素焼結体の製造時において、粉体の充填密度を向上させること及び炭化ケイ素の反応性の観点から、2つ以上の極大値を有するものも使用しうる。
【0021】
なお、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るためには、原料の炭化ケイ素粉末として、高純度の炭化ケイ素粉体を用いればよい。
【0022】
高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、少なくとも1種以上の液状のケイ素化合物を含むケイ素源と、加熱により炭素を生成する少なくとも1種以上の液状の有機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程とを含む製造方法により得ることができる。液状のケイ素化合物を含むケイ素源、例えば、液状シリコン化合物は固体状のシリコン化合物と併用することもできる。
【0023】
高純度の炭化ケイ素粉末の製造に用いられるケイ素化合物(以下、適宜、ケイ素源と称する)としては、液状のものと固体のものとを併用することができるが、少なくとも一種は液状のものから選ばれなくてはならない。液状のものとしては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)及びテトラアルコキシシランの重合体が用いられる。アルコキシシランの中ではテトラアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの点からはエトキシシランが好ましい。また、テトラアルコキシシランの重合体としては、重合度が2〜15程度の低分子量重合体(オリゴマー)及びさらに重合度が高いケイ酸ポリマーで液状のものが挙げられる。これらと併用可能な固体状のものとしては、酸化ケイ素が挙げられる。本発明において酸化ケイ素とは、SiOの他、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲル、微細シリカ、石英粉体)等を含む。
【0024】
これらケイ素源のなかでも、均質性やハンドリング性が良好な観点から、テトラエトキシシランのオリゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微粉体シリカとの混合物等が好適である。また、これらのケイ素源は高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有量が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましい。
【0025】
高純度の炭化ケイ素粉末としては、本願出願人が先に特願平7−241856号として出願した単結晶の製造方法に記載された原料粉体の製造方法、即ち、高純度のテトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン重合体から選択される1種以上をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度有機化合物を炭素源とし、これらを均質に混合して得られた混合物を非酸化性雰囲気下において加熱焼成して炭化ケイ素粉体を得る炭化ケイ素生成工程と、得られた炭化ケイ素粉体を、1700℃以上2000℃未満の温度に保持し、該温度の保持中に、2000℃〜2100℃の温度において5〜20分間にわたり加熱する処理を少なくとも1回行う後処理工程とを含み、前記2工程を行うことにより、各不純物元素の含有量が0.5ppm以下である炭化ケイ素粉体を得ること、を特徴とする高純度炭化ケイ素粉末の製造方法等により得られる炭化ケイ素粉末を利用することができる。
【0026】
炭化ケイ素粉末の中でも特に、液状のケイ素化合物と、加熱により炭素を生成する液状の有機化合物と、重合又は架橋触媒とを均一に混合して得られた混合物を固化することにより固化物を得る固化工程と;得られた固化物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さらに非酸化性雰囲気下で焼結する焼結工程と;を有する製造方法により得られた炭化ケイ素粉末を用いることが好ましい。
【0027】
前記炭化ケイ素粉末の表面にコーティングされる炭素源として、フェノール樹脂が用いられる。炭素源としてフェノール樹脂を用いた理由は、前記樹脂が加熱により炭素を生成する有機物質であって、仮焼後の残炭率が高くしかも粒子密度が細かいことから、得られる炭化ケイ素焼結体の密度向上に寄与するからである。
【0028】
尚、前記フェノール樹脂と同様の機能を有する有機物質であれば、フェノール樹脂に限定されることなく他の有機物質を炭素源として用いてもよい。例えば、前記フェノール樹脂に替えてフラン樹脂や、キシレン樹脂を用いてもよい。この場合、得られるグリーン体の強度が高く、しかもハンドリングが容易であることより、フェノール樹脂、特にレゾール型フェノール樹脂が好適に用いられる。
【0029】
前記溶媒は、前記フェノール樹脂を溶解するものであって、かつ前記炭化ケイ素粉末をスラリー状に好適に分散しうる溶媒であれば特に限定されないが、好ましくはエタノールが溶媒として用いられる。この場合、炭化ケイ素粉末をスラリー状に好適に分散させる目的で、従来公知の分散剤等の添加剤を前記溶媒に加えてもよいが、不純物濃度を低下させる目的から分散剤等の添加剤は加えないことが好ましい。
【0030】
前記混合溶液を得る工程においては、エタノール溶媒100重量部に対して、前記炭化ケイ素粉末(A)と前記フェノール樹脂(B)の合計が100重量部になるように、かつ前記炭化ケイ素粉末(A)と前記フェノール樹脂(B)とをA:B=95〜80:5〜20の比率(重量比)で混合することが好ましい。
【0031】
炭化ケイ素粉末(A)の比率が95%よりも高くなると、被膜効果がなくなり、炭化ケイ素粉末(A)の比率が80%よりも低くなると、均一なコーティングができなくなるからである。
【0032】
(2)スプレードライによるコーティング工程について
スプレードライ装置としては、炭化ケイ素粉末の表面にフェノール樹脂をコーティングできるものであればとくに限定されることなく、従来公知のスプレードライ装置を使用することができる。具体的には、大川原化工機社製、「CDT−16」を用いることができる。
【0033】
スプレードライをする際、非酸化性雰囲気下において行うことが好ましい。前記混合溶液をAr雰囲気の条件で噴霧することがさらに好ましい。
【0034】
また、スプレードライ装置の入り口温度を150℃前後に設定しておくことが都合がよい。
【0035】
(3)仮焼工程について
仮焼は主に不純物を取り除く目的で行われる。ここで、900〜1200℃の条件で仮焼するのは、900℃未満では炭化が不充分であり、1200℃を超えると粒成長するからである。酸化防止、窒化防止のためAr雰囲気下で仮焼することが好ましい。
【0036】
以上の工程を経ることにより、炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末が得られるのである。
【0037】
尚、かくして得られた炭化ケイ素粉末は、安息角で27〜37度、ゆるめ見かけかさ比重0.7〜0.9といった物性を有する。
【0038】
続いて、前記製法により得られた炭化ケイ素粉末を用いた炭化ケイ素焼結体の製造方法について好ましい1実施態様を挙げて説明する。
【0039】
本発明にかかる炭化ケイ素焼結体の製造方法の好ましい1実施態様は、(1)前記製法により得られた炭化ケイ素粉末を溶媒中に混入、分散し、スラリー状の混合粉体を製造する工程と、(2)得られた混合粉体を成形型に流し込み乾燥させてグリーン体を得る工程と、(3)得られたグリーン体を真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気下1200〜1800℃で仮焼して仮焼体を得る工程と、(4)得られた仮焼体に毛細管現象により溶融した金属シリコンを含浸させ、前記仮焼体中の遊離炭素と毛細管現象により前記仮焼体中に吸い上げられたシリコンとを反応させることにより炭化ケイ素体を得る工程と、を有する。
【0040】
以下、前記炭化ケイ素焼結体の製造方法について各工程毎に詳細に説明する。
【0041】
(1)スラリー状の混合粉体を製造する工程について
スラリー状の混合粉体は、炭化ケイ素粉末と、所望により有機バインダーや消泡剤を溶媒中に溶解又は分散することにより製造される。溶解、分散時に、十分に攪拌混合することにより、グリーン体中に均一に気孔を分散させることができる。
【0042】
前記溶媒としては、水、エチルアルコール等の低級アルコール類やエチルエーテル、アセトン等が挙げられる。溶媒は不純物の含有量が低いものを使用することが好ましい。
【0043】
また、炭化ケイ素粉末からスラリー状の混合粉体を製造する際に、有機バインダーを添加してもよい。有機バインダーとしては、解膠剤、粉体粘着剤等が挙げられ、解膠剤としては、導電性を付与する効果をさらに上げる点で窒素系の化合物が好ましく、例えばアンモニア、ポリアクリル酸アンモニウム塩等が好適に用いられる。粉体粘着剤としては、ポリビニルアルコールウレタン樹脂(例えば水溶性ポリウレタン)等が好適に用いられる。
【0044】
また、その他、消泡剤を添加してもよい。消包剤としては、シリコーン消泡剤等が挙げられる。
【0045】
前記攪拌混合は、公知の攪拌混合手段、例えば、ミキサー、遊星ボールミルなどによって行うことができる。攪拌混合は、24〜96時間、特に、48〜72時間に渡って行うことが好ましい。
【0046】
前記スラリー状の混合溶液を製造する工程において、前記炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末100重量部と、解膠剤1.5重量部と、結合剤3重量部と、水45重量部と、を混合しスラリー状の混合溶液を得ることが好ましい。
【0047】
(2)グリーン体を得る工程について
スラリー状の混合粉体を型に流しこみ成形するには、一般的に鋳込み成形が好適に用いられる。スラリー状の混合粉体を鋳込み成形時の成形型に流し込み、放置、脱型した後、40〜60℃の温度条件下で加熱乾燥又は自然乾燥して溶媒を除去することにより、規定寸法のグリーン体を得ることができる。
【0048】
本発明において、「グリーン体」とは、スラリー状の混合粉体から溶媒を除去して得られる、多くの気孔が内在する反応焼結前の炭化ケイ素成形体を意味する。
【0049】
(3)仮焼体を得る工程について
高い曲げ強度を有する炭化ケイ素焼結体を得るためには、前記焼成前にグリーン体を仮焼することが好ましい。この仮焼き工程により、乾燥だけでは除去しきれなかった微量の水分、及び解膠剤、バインダー等の有機成分を完全に除去することができる。
【0050】
仮焼きの温度は1200〜1800℃、好ましくは1500〜1800℃である。1200℃未満であると、グリーン体中の炭化ケイ素粉体間の接触が十分に促進されず接触強度が不足し取扱いが不便となり、また、1800℃を超えると、グリーン体中の炭化ケイ素粉体の粉体成長が著しくなり、その後の溶融高純度シリコンの浸透が不十分となる。
【0051】
前記仮焼の昇温速度は、800℃まではl〜3℃/minが好ましく、800℃から最高温度までは5〜8℃/minが好ましいが、グリーン体の形状、大きさ等を考慮して適宜決定するのがよい。
【0052】
前記仮焼の最高温度保持時間は、10〜120分が好ましく、20〜60分がより好ましいが、グリーン体の形状、大きさ等を考慮して適宜決定するのがよい。
【0053】
前記仮焼は、酸化防止の観点から真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で行うことが好適である。
【0054】
この仮焼きにより、室温における曲げ強度が300MPa以上の焼結体を得ることができる。また、複雑な形状でもクラック、ひび割れ等の欠陥のない焼結体を得ることが可能となる。
【0055】
本発明において、「仮焼体」とは、前記グリーン体を仮焼することにより得られる気孔や不純物が取り除かれた反応焼結前の炭化ケイ素成形体を意味する。
【0056】
(4)炭化ケイ素体を得る工程について
前記工程を経て製造された焼結体2を、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、高純度金属シリコンの融点以上、具体的には1450〜1700℃迄加熱して溶融した高純度金属シリコン中に浸潰する。焼結体2を溶融金属シリコーン中に浸潰することにより、液状になったシリコンが、毛細管現象によリ焼結体2中の気孔に浸透し、このシリコンと焼結体2中の遊離炭素とが反応する。この反応により炭化ケイ素が生成し、焼結体2中の気孔が生成された炭化ケイ素によって充填される。
【0057】
シリコンと遊離炭素との反応は、炭化ケイ素粉末を製造する工程で示したように1420〜2000℃程度で起こるので、1450〜1700℃迄加熱された溶融高純度金属シリコンが、焼結体2中に浸透した段階で、遊離炭素との反応が進行する。
【0058】
また、焼結体2を溶融金属シリコン中に浸潰する時間は、特に限定されず、大きさや、焼結体2中の遊離炭素の量により適宜決定する。高純度金属シリコンは、1450〜1700℃迄、好ましくは、1550〜1650℃迄加熱して溶融させるが、この溶融温度が1450℃未満では高純度金属シリコンの粘性が上昇するため毛細管現象により焼結体2に浸透しなくなり、また1700℃を超えると蒸発が著しくなり炉体等に損傷を与えてしまう。
【0059】
高純度金属シリコンとしては、粉末、顆粒、塊状の金属シリコンが等が挙げられ、2〜5mmの塊状の金属シリコンが好適に用いられる。本発明において、高純度とは、不純物の含有量が1ppm未満のものを意味する。
【0060】
前記のように焼結体2中に含まれる遊離炭素とシリコンとを反応させて、生成した炭化ケイ素が焼結体2中の気孔を埋めることにより、高密度な、かつ良好な電気的特性を有する炭化ケイ素焼結体が得られる。
【0061】
以上の反応焼結法により高純度、高密度、高靭性でかつ導電性を有し、放電加工が可能な炭化ケイ素焼結体を得ることができる。前記反応焼結法において、本発明の前記加熱条件を満たしうるものであれば、特に製造装置等に制限はなく、公知の加熱炉内や反応装置を使用することができる。
【0062】
かくして得られた炭化ケイ素焼結体は、十分に高密度化されており、密度は2.9g/cm3 以上である。一般に、焼結体の密度が2.9g/cm3 未満であると、曲げ強度、破壊強度などの力学的特性や電気的な物性が低下し、さらに、パーティクルが増大して汚染性が悪化することが報告されていることからすると、本発明の炭化ケイ素焼結体は良好な力学的特性と電気的特性を有するものといえる。好ましい態様における本発明の炭化ケイ素焼結体の密度は、3.0g/cm3 以上である。
【0063】
また、得られた焼結体が多孔質体であると、耐熱性、耐酸化性、耐薬品性や機械強度に劣る、洗浄が困難である、微小割れが生じて微小片が汚染物質となる、ガス透過性を有する等の物性的に劣る点を有することになり、用途が限定されるなどの問題点が生じてくる。本発明の炭化ケイ素焼結体にあっては前記多孔質体であることに起因する問題は生じ難い。
【0064】
本発明で得られる炭化ケイ素焼結体の不純物の総含有量は、5ppm未満、好ましくは3ppm未満、より好ましくは1ppm未満であるが、半導体工業分野への適用の観点からは、これらの化学的な分析による不純物含有量は参考値としての意味を有するに過ぎない。実用的には、不純物が均一に分布しているか、局所的に偏在しているかによっても、評価が異なってくる。従って、当業者は一般的に実用装置を用いて所定の加熱条件のもとで不純物がどの程度ウェハを汚染するかを種々の手段により評価している。なお、液状のケイ素化合物と、非金属系焼結助剤と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さらに、非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程とを含む製造方法によれば、炭化ケイ素焼結体に含まれるケイ素、炭素、酸素以外の不純物の総含有量を1ppm未満にすることができる。
【0065】
その他、本発明で得られる炭化ケイ素焼結体の好ましい物性について検討するに、例えば、室温における曲げ強度は400〜700MPa、ビッカース硬度は1500kgf/mm2 以上、ポアソン比は0.14〜0.21、熱膨張率は3.8×10-6〜4.5×10-6(℃-1)、熱伝導率は150W/m・k以上、比熱は0.60〜0.70J/g・K、比抵抗は0.1Ω・cm以下である。
【0066】
上記の製造方法により得られた焼結体は、使用目的に応じて、加工、研磨、洗浄等の処理が行なわれる。本発明の焼結体は、ホットプレス等により円柱状試料(焼結体)を形成させ、これを径方向にスライス加工することによって製造することができ、その加工方法として、放電加工が好適に用いられる。そして、半導体製造部品、電子情報機器用部品等の使用に供される。
【0067】
ここで、本発明による焼結体製部品が使用される主な半導体製造装置としては、露光装置、レジスト処理装置、ドライエッチング装置、洗浄装置、熱処理装置、イオン注入装置、CVD装置、PVD装置、ダイシング装置等を挙げることができ、部品の一例としては、ドライエッチング装置用のプラズマ電極、防護リング(フォーカスリング)、イオン注入装置用のスリット部品(アパーチャー)、イオン発生部や質量分析部用の防護板、熱処理装置やCVD装置におけるウェハ処理時に用いられるダミーウェハ、また、熱処理装置、CVD装置やPVD装置における発熱ヒーター、特にウェハをその下部において直接加熱するヒーター等が挙げられる。
【0068】
電子情報機器用部品としては、ハードディスク装置用のディスク基盤や薄膜磁気ヘッド基盤等が挙げられ、また、光磁気ディスク表面や各種摺動面に対する薄膜形成のためのスパッタリングターゲットもこの部品に包含される。
【0069】
光学用部品としては、シンクロトロン放射光(SR)、レーザー光等の反射鏡等にも使用できる。
【0070】
本発明の製造方法においては、本発明の前記加熱条件を満たしうるものであれば、特に製造装置等に制限はなく、焼結用の型の耐圧性を考慮すれば、公知の加熱炉内や反応装置を使用することができる。
【0071】
本発明の原料粉体である炭化ケイ素粉体及び原料粉体を製造するためのケイ素源と非金属系焼結助剤、さらに、非酸化性雰囲気とするために用いられる不活性ガス、それぞれの純度は、各不純物元素含有量1ppm以下であることが好ましいが、加熱、焼結工程における純化の許容範囲内であれば必ずしもこれに限定するものではない。また、ここで不純物元素とは、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における1族から16族元素に属し、且つ、原子番号3以上であり、原子番号6〜8及び同14〜16の元素を除く元素をいう。
【0072】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0073】
実施例1
まず、炭化ケイ素粉末として、中心粒径1.1μmの高純度炭化ケイ素粉末(特開平9―48605号に記載の製造方法に準じて製造された不純物含有量5ppm以下の炭化ケイ素/1.5重量%のシリカを含有)84部と、炭素源として焼結後の残炭率が50%であるレゾール型フェノール樹脂16部を溶媒としてのエタノール70部に加えて混合溶液を得た。
そして、大川原化工社製、商品名CDT−16のスプレードライ装置を用いて、Ar雰囲気下においてスプレードライを行って、炭化ケイ素粉末表面にフェノール樹脂がコーティングされた炭化ケイ素粉末を得た。
続いて、前記のようにして得られた炭化ケイ素粉末100部に対して、水45部と、解こう剤1.5部と、結合剤3部とを加え、ボールミルで48時間分散混合することによりスラリー状態の混合粉体を得た。
このスラリー状の混合粉体を長さ60mm、幅10mm、厚み5mmの石膏型に鋳込み、24時間、22℃で自然乾燥させてグリーン体を得た。
次に、得られたグリーン体を、内径200mm、高さ80mmの黒鉛製のるつぼ内で、真空下で1800℃まで10時間かけて昇温し、前記温度で1時間、仮焼した。
その後、Si源として金属シリコンを用いて、1540℃において、Si含浸処理を行うことにより反応焼結体を得た。
【0074】
比較例1
炭化ケイ素粉末として、中心粒径1.1μmの高純度炭化ケイ素粉末(特開平9―48605号に記載の製造方法に準じて製造された不純物含有量5ppm以下の炭化ケイ素/1.5重量%のシリカを含有)100部に、炭素源としてカーボン粉末8部と、水50部と、解こう剤1.2部と、結合剤3部とを加え、ボールミルで24時間分散混合することによりスラリー状態の混合粉体を得た。
このスラリー状の混合粉体を長さ60mm、幅10mm、厚み5mmの石膏型に鋳込み、24時間、22℃で自然乾燥させてグリーン体を得た。
次に、得られたグリーン体を、内径200mm、高さ80mmの黒鉛製のるつぼ内で、真空下で1800℃まで10時間かけて昇温し、前記温度で1時間仮焼した。
その後、Si源として金属シリコンを用いて、1540℃において、Si含浸処理を行うことにより反応焼結体を得た。
【0075】
評価
得られた実施例1及び比較例1の炭化ケイ素焼結体について、以下のようにして、不純物純度、密度、曲げ強度を測定した。得られた試験結果を表1に示す。
【0076】
(不純物純度)
焼結体をフッ硝酸に浸漬し、2時間後、密閉容器中で加圧、加熱した後の液体の純度分析を行った。
【0077】
(アルキメデス法による密度の測定法)
炭化ケイ素焼結体の密度はJIS R1634に従って測定した。
【0078】
(3点曲げ強度)
炭化ケイ素焼結体の3点曲げ試験は、JIS R1601に従って行った。
【0079】
【表1】
表1から明らかなように、本発明にかかる炭素コーティングされた炭化ケイ素を原料として用いた実施例1の焼結体は、不純物含有率が極めて低くまた良好な物性値を有していた。特に、実施例1の不純物の総計(0.18ppm)は、比較例1の不純物の総計(2.88ppm)の1/16であったことより、本発明によれば不純物濃度が極めて低い焼結体が得られることが確認された。
【0080】
以上より、本発明により得られる前記実施例1の焼結体は半導体製造装置、電子情報機器の部品等への適用にも好適な優れた特性を有するものであることがいえた。
【0081】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成を有することより、以下のような作用効果を奏する。
(1)炭化ケイ素焼結体の原料である炭素源の純度の向上を介して、炭化ケイ素焼結体の純度が向上する。
(2)スラリー状の混合粉体を調製することが容易になることから、生産性や、作業性が向上する。
Claims (2)
- 反応焼結法を用いて炭化ケイ素焼結体を製造するに際し、スラリー状の混合溶液を得る工程における炭化ケイ素粉末及び炭素源として、
炭化ケイ素粉末、炭素源としてのフェノール樹脂をエタノール溶媒に加え混合することにより混合溶液を得る工程と、
前記混合溶液をAr雰囲気の条件でスプレードライすることにより炭化ケイ素粉末の表面にフェノール樹脂をコーティングする工程と、
前記フェノール樹脂でコーティングされた炭化ケイ素粉末を900℃〜1200℃の条件で仮焼して炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末を得る工程と、
を有する製法により得られる炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末を用いることを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 前記炭素コーティングされた炭化ケイ素粉末を構成する炭化ケイ素粉末は、
液状のケイ素化合物、加熱により炭素を生成する液状の有機化合物、重合又は架橋触媒を均一に混合して得られた混合物を固化することにより固化物を得る固化工程と、
得られた固化物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さらに非酸化性雰囲気下で焼結する焼結工程と、
を有する製造方法により得られた炭化ケイ素粉末であることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の製造方法。
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