JP3543529B2 - 炭化珪素セラミックスの製造方法 - Google Patents

炭化珪素セラミックスの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は炭化珪素セラミックスの製造方法に関し、詳しくは、カーボン材を珪化処理して炭化珪素に変換する方法において、カーボン原料を所定とすることにより残存カーボンの無いカーボンフリーの炭化珪素セラミックスを得ることができる炭化珪素セラミックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素セラミックスの製造法は、従来から各種の方法が知られている。それらのうち、原料にカーボン及び珪素を用いる珪化法は、焼結収縮率が小さく焼結温度も比較的低いことから大型部品や長尺品の製造法として適用されている。この珪化法による炭化珪素セラミックスの製造方法としては、▲1▼原料に炭化珪素(SiC)を用いる反応焼結法と、▲2▼出発原料としてSiCを用いずに行うカーボン材の珪化処理法とが知られている。▲1▼反応焼結法は、例えば特開昭58−64284号公報に記載されるように、SiC粉末とフェノール樹脂等のカーボン源を混合、成形後、不活性雰囲気で焼成し、その後、溶融珪素(Si)を含浸して緻密質なSiC−Siの炭化珪素セラミックスを得る方法である。一方、▲2▼カーボン材の珪化処理法は、例えば特開昭63−242969号公報で提案されているように、SiC粉末を混合することなく黒鉛等のカーボン材に溶融Siを含浸させ珪化する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼反応焼結法では、低温焼結が可能であるが基本的に原料基材の殆どがSiCであり、珪化処理に先立って焼成体を機械的に微細加工する場合、SiCは難加工材であり形状付与が難しい。また、現時点では高純度なSiC粉末が得られ難く、また、たとえSiC粉末を純化処理して用いるとしてもSiC粉末の内部まで純化することは困難である。このため、主たる原料基材が高純度でないことから、得られる炭化珪素焼結体も高純度なものが得られないという欠点がある。従って、半導体製造装置に用いた場合は半導体を汚染するおそれがある。一方、▲2▼カーボン基材の珪化処理法は、カーボン基材内部まで珪化を進行させることが難しく、表面はSiC化されるが焼結体全体は珪化されず、内部はカーボン材が残存する場合が多く、また、カーボン基材に層状結晶構造を有する黒鉛材料が用いられると珪化の際にも異方性が生じてしまう。そのため、得られるSiC焼結体が十分な機械的強度を有しないため、構造部材としての適用箇所が制限されるという問題点と、ダスト発生の原因となる場合がある。また、上記カーボン材の珪化処理で得られたSiCセラミックス材表面にCVD処理によりSiC皮膜を形成したり、またはカーボン材自体の表面をCVD処理してSiC皮膜を被覆する方法が採られている。この場合、表面に高純度で緻密なSiC被膜を有するSiC焼結体を得ることができるが、機械的強度は十分なものといえない。
【0004】
本発明は、上記のように高純度で、且つ、高強度を有するSiC焼結体が得られてないという現状を鑑み、各種部材、特に、半導体製造装置の半導体支持部材及び構造部材としても好適に用いることができる高純度で高強度のSiC焼結体の製造を目的とする。具体的には、反応管、均熱管、ライナー管等の管状部材もしくはトレー、サセプタ等のウエハ支持部材である。発明者らは、この目的のため、上記の▲2▼カーボン材の珪化処理によるSiCセラミックス製造を再検討し、内部まで珪化されて焼結体全体がSiCとなるように炭素素材や炭化物について鋭意検討した。その結果、従来のカーボン材にフミン酸塩を添加して用いることにより、その鋳込成形体の焼成体を珪化処理して残存カーボンが実質的に存在しないSiC−Siからなる炭化珪素焼結体を得ることができることを見出し本発明を完成した。尚、上記実質的に存在しないとは、前記の従来技術の課題で説明した問題が生じない程度、即ち、1重量%を超えない程度を言う。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(1)主成分としてカーボンブラック及びセルロース繊維を配合比率9:1〜1:9で含有するマトリックスにフミン酸塩を添加し水性溶媒に分散させて、固体濃度の10〜50重量%の水性溶媒スラリーを調製する第1工程、(2)前記第1工程で得られた水性溶媒スラリーを用いて所定形状に鋳込成形する第2工程、(3)前記第2工程で形成された成形体を不活性雰囲気下または真空下で加熱焼成し炭化処理して一次焼成体を得る第3工程、及び(4)前記第3工程で得られた一次焼成体を不活性雰囲気下で珪化処理する第4工程を有することを特徴とする炭化珪素セラミックスの製造方法が提供される。
【0006】
上記本発明の炭化珪素セラミックスの製造方法においては、フミン酸塩が、前記マトリックスに対し外配で0.2〜10重量%添加されることが好ましい。また、第1工程のマトリックスにフェノール樹脂を添加することが好ましく、添加するフェノール樹脂が、前記マトリックスに対し外配で1〜5重量%添加されることが好ましい。更に、第3工程の加熱焼成は1000〜1600℃で行い、約0.15〜0.70g/cm3のかさ密度を有する一次焼成体を得ることが好ましい。また、得られた一次焼結体に対して、第4工程の珪化処理前に塩素等のハロゲンガスまたはハロゲン含有ガス雰囲気中2000〜2500℃で純化処理することが好ましい。更に、第4工程の珪化処理が前記一次焼成体を溶融珪素に浸漬して行うことが好ましい。
【0007】
本発明は上記のように構成され、カーボンブラックとセルロース繊維からなるマトリックスに、更に、分散材であるフミン酸塩を所定に添加混合して水性溶媒に分散させスラリーを形成することから、マトリックスが水性溶媒に均一に分散したスラリーが得られる。このためそのスラリーを用いて鋳込成形して得られる成形体は、全体に均質なものとなると同時に分散材であるフミン酸塩がマトリックス間に均等に分散配合されることから、マトリックス粒子を強固に結合し成形体の強度を高め形態保持性を向上でき取扱が簡便となる。フェノール樹脂を添加混合した場合は、より一層成形体の保持性を高めることができる。また、一次焼成体はマトリックス粒子間をフミン酸塩が炭化されて三次元的に保持されることから、かさ密度を所定とすることができ、珪化処理時の含浸珪素の内部への進入が容易であり、それによりSiC化が容易に進行し、カーボンを残存することなく焼成体全体を珪化することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のマトリックスを構成するカーボン材は、カーボンブラック及びセルロース繊維を主成分とする。カーボンブラックとセルロース繊維の配合重量比率は9:1〜1:9であることが好ましい。セルロース繊維は焼成により炭化され易く、配合することにより成形体の強度を高めることができる。ただし、セルロース繊維の焼成後の残炭率は低いため、焼成体の強度を維持するためにはカーボンブラックが必要となる。尚、炭化珪素焼結体の機械的強度が例えば半導体製造用部材として充分確保され、かつ、残在カーボンを皆無とするためには、上記比率を7:3〜3:7とすることがより好ましい。
【0009】
本発明において用いるカーボンブラックは、製造方法や原料によりその性状が異なるが、一般に市販されているものを適宜選択することができる。通常、一次粒子径が100nm以下、比表面積30m /g以上の微粉状のものを用いる。Siを含浸させ珪化を容易にするためには、成形体を焼成炭化した状態で橋かけ結合が多く熱的に強い3次元構造となることが好ましい。本発明で用いるカーボンブラックは、微小の1次粒子が集合し相互に融着や凝集して”ストラクチャー”といわれる集合組織を形成することから、Siの含浸に好適である。 一般に、セルロースは、従来から炭化され三次元構造を形成するカーボン材としてフェノール樹脂と共によく知られているものである。本発明で上記カーボンブラックと共にマトリックスを構成するセルロース繊維は、三次元構造となり珪化され易いと同時に、成形体の強度を増強でき好ましい。特に、セルロース繊維を層状に配向させることにより極めて大きな強度が発現させることができる。セルロース繊維としては、特に制限されるものでなく、植物の種子やじん皮繊維、木材繊維等を用いることができる。繊維表面の油脂等は予め除去するのが好ましい。
【0010】
本発明においては、前記カーボンブラック及びセルロース繊維を主成分とするマトリックスにフミン酸塩を添加混合する。フミン酸塩としては、通常、フミン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩を用いる。フミン酸は炭素50〜60%、水素4〜6%、窒素1〜5%、残余の大部分が酸素からなる多価フェノール芳香族化合物と含窒素化合物の縮合物で、酸に不溶でアルカリに可溶の無定形酸性有機物である。親水性でありコロイド的性質を有することからカーボンブラックの疎水性を改善し、上記マトリックスの水性溶媒への分散性をよくすることができる。同時に、マトリックス粒子、特に、カーボンブラック粒子間に位置してそれら粒子の結合材として作用し、成形体の形態保持性を高めることができるる。また、上記のように主成分が炭素成分であり焼成により炭化されることから、マトリックスのセルロース繊維と共に焼成炭化され、珪化処理によりSiCとすることができ好適である。添加量は、上記マトリックスに対し外配で0.2〜5重量%、好ましくは1〜3重量%である。添加量が0.2重量%未満であると分散が不充分となり均質なスラリーが得られず、5重量%を超えると逆にフミン酸同士の凝集が起こり、スラリーが高粘性化し、却って分散性を阻害するためである。
【0011】
本発明において、上記のように前記マトリックスにフミン酸塩を添加混合して用いるものであるが、必要に応じて、更に、結合剤としてフェノール樹脂を添加配合することができる。フェノール樹脂は、従来から反応焼結法によるSiCセラミックスの製造において結合剤として用いられており、従来公知のフェノール樹脂を適宜選択して用いることができる。フェノール樹脂の添加量は、上記マトリックスに対し外配で1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%である。フェノール樹脂を1重量%以上で添加することによって、より強度の向上を図ることができ、5重量%を超えると一時焼結体において偏析が起きやすく組織が不均一となるためである。
【0012】
本発明の水性溶媒スラリーは、前記マトリックスにフミン酸塩を所定に添加混合し、要すれば、更に、フェノール樹脂を添加混合して、通常、水である水性溶媒に分散させて調製することができる。この場合、マトリックスにフミン酸塩等を添加混合して得た固体配合物と水性溶媒との重量比が1:1〜1:9となるように混合分散することが好ましい。また、添加物スラリーの固体濃度が、10〜50重量%となるように調整することが好ましい。固体濃度が10重量%未満であるとスラリー化は容易であるが、成形体としての保持が困難となる。一方、50重量%を超えると良好なスラリーが得られないためである。
【0013】
本発明は、次いで、上記のように調製された水性溶媒スラリーを用いて鋳込成形(スリップキャスト)する。前記した従来の珪化法によるSiCセラミックスの製造方法における成形が、主に原料粉末を加圧して成形するラバープレス法や押出法が多く行われていたのに対し、本発明では原料としてマトリックスにセルロース繊維を配合するため、加圧による成形では原料セルロース繊維が切断され易いことから、また、セルロース繊維を配向させ成形体強度を高めるため、原料材を水性溶媒中に分散させて調製したスラリーを鋳込成形して所定形状に成形体を製造する。鋳込成形は、前記マトリックス中に配合された原料セルロース繊維を配向させることができ、セルロース繊維の特長を十分に発現させて得られる成形体の強度を高めることができ好ましい。また、上記のように調製されたスラリーを用いることにより、鋳込成形後、乾燥することにより、均質、均等で、且つ、高強度で形態保持性に優れた成形体を得ることができる。このため、その後の取扱が容易で操作が簡便となる利点も有する。
【0014】
本発明において、上記のようにして鋳込成形により形成され、乾燥して得られた成形体を、次いで、不活性ガス雰囲気または真空中で加熱焼成し、原料中のセルロース繊維、フミン酸塩、また必要に応じて添加されたフェノール樹脂を炭化し、全体が炭素質の一次焼成体とする。加熱焼成は、カーボンが酸化されないように酸素が含有されない非酸化ガス雰囲気下であればよい。通常、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気、または真空即ち10torr以下に減圧下で、約1000〜1600℃で行うことが好ましい。加熱温度が1000℃未満であると炭化が十分に進行しないためであり、1600℃を超えて焼成に必要な所定時間加熱されると黒鉛化されるおそれがあり、珪化処理で異方性を生じるため好ましくない。また、得られる炭素質の一次焼成体のかさ密度が、約0.15〜0.70g/cm 、好ましくは0.25〜0.55g/cm となるようにすることが好ましい。この一次焼成体のかさ密度は、スラリー固体濃度や焼成温度を調整することにより所定とすることができる。一次焼成体のかさ密度が0.15g/cm 未満であると強度が弱く焼成後の機械加工を充分に、かつ精度良く施すことが困難であり、0.70g/cm を超えると含浸時に珪化不充分なカーボンが残るため好ましくない。
【0015】
上記の加熱焼成による炭化処理で得られた炭素質の一次焼成体は、特に、高純度が要求される半導体製造用部材とする際には、次いで、塩素ガスや塩素を含有するガス等のハロゲンガスまたはハロゲン含有ガス雰囲気中で2000〜2500℃で純化処理を行うことが好ましい。本発明の上記一次焼成体は、通常の炭素材料と同様に極めて容易に高純度化が達成され、アルカリ金属等の不純物の低減が著しく、更に、特に、一次焼成体が低かさ密度であることから、純化に必要な処理時間が短く所望の高純度炭化珪素セラミックス部材の製造時間を短縮化できるメリットを有する。本発明の珪化処理は、通常、上記一次焼成体を直接、または、上記純化処理した後に、加熱焼成と同様に非酸化ガス雰囲気下、通常、不活性ガス雰囲気または減圧下で溶融珪素を供給して上記一次焼成体に溶融珪素を含浸させながら行われる。好ましくは約1torr以下の減圧下で行うのがよい。珪素の含浸がより進行するためである。珪化処理温度は、珪素の融点1430℃以上で行われる。また、珪化処理は、上記一次焼成体に溶融珪素を供給含浸する代わりに、十分な珪素蒸気圧雰囲気が形成され、一次焼成体へ気相珪素の含浸が進行する場合には、気相状態で珪化処理することもできる。本発明の珪化処理において、上記のようにして得られた一次焼成体が、かさ密度が所定であり、マトリックスの微小カーボンブラック粒子が三次元構造をとると同時に、粒子間をセルロース繊維及びフミン酸塩、更にフェノール樹脂が炭化され形成されたカーボンにより所定方向に配合されて且つ結合されているため、溶融珪素または気相珪素がその内部まで進行し、一次焼成体全体のカーボンを珪化しSiC化し、残存カーボンのない、且つ、純化処理することによりアルカリ金属等の半導体汚染物質が著しく低減されたSiC−Siから構成される炭化珪素セラミックスに転化することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
実施例1
カーボンブラック(三菱化学(株)製、#30、一次粒子径30nm)90重量部に、セルロース繊維(木材パルプを水と共にジューサーミキサーで解したもの)10重量部(固形部分換算)を混合した。得られた混合物にフミン酸アンモニウム(テルナイト(株)製、商品名:CH−07)1重量%を添加混合し、更に水溶性フェノール樹脂(大日本インキ(株)製、商品名:プライオーフェン)2重量%(固形分換算)を混合した。この4成分を混合した混合物を蒸留水150重量%に懸濁させてスラリーを調製した。このスラリーの固体濃度は40.7%であった。得られたスラリーを縦横50mmで厚さ10mmの平板状成形品が得られる石膏型に流し込み平板成形体を成形し室温で乾燥した。このようにして2枚の乾燥平板成形体を製造した。
【0017】
得られた乾燥した平板成形体の1枚から長さ40mm、5mm四方の角棒状サンプルを切り出し、鋳込成形による積層面に垂直方向に、即ち厚さ方向に荷重がかかるように曲げ強度試験を行った。その結果、22MPaの強度が得られた。また、残りの1枚の乾燥平板成形体を1200℃で窒素雰囲気中で1時間加熱焼成し、全体が炭化された一次焼成体を得た。得られた一次焼成体のかさ密度は、水中重量法(通称、アルキメデス法)により測定した結果、0.83g/cm であった。次いで、得られた一次焼成体を1500℃で溶融Si中に1時間浸漬してさせ珪化処理した。処理後、溶融Si中から取出し室内で放置冷却した珪化品を厚さ方向に切断し、その断面を実体顕微鏡により観察し、さらに 湿式分析法によりフリーカーボンを測定したところ、内部にはカーボンが残存しない緻密質なSi−SiCで形成されていることが確認された。これらの結果を表1にまとめて示した。
【0018】
実施例2〜6
スラリーの原料の配合を表1に示したように変えた以外は、実施例1と同様にして成形体、一次焼成体及び珪化品を得た。また、同様にして成形体強度、一次焼成体かさ密度及び珪化品の断面観察を行い、その結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
Figure 0003543529
【0020】
比較例1〜4
スラリーの原料の配合を表2に示したようにした以外は、実施例1と同様にして成形体、一次焼成体及び珪化品を得た。また、同様にして成形体強度、一次焼成体かさ密度及び珪化品の断面観察を行い、その結果を表2に示した。
【0021】
【表2】
Figure 0003543529
【0022】
上記実施例及び比較例より明らかなように、カーボンブラック炭素材とセルロース繊維のマトリックスにフミン酸アンモニウム塩を添加混合してスラリーを調製して鋳込成形して得た成形体の強度が、フミン酸アンモニウム塩は添加されたがセルロース繊維が配合されていない比較例1及び2、また、フミン酸アンモニウム塩を添加混合していない比較例3に比して、高いことが分かる。また、比較例においてはフェノール樹脂が混合されているにも拘らず、フェノール樹脂無添加の実施例3より強度が低く、フミン酸塩とフェノール樹脂との双方が所定に添加された実施例1〜2では、成形体の強度が一層向上することが分かる。一方、その成形体を所定に焼成して得られる焼成体のかさ密度は、実施例のいずれに比べても、比較例1及び2では大きく、フミン酸を添加していない比較例3では著しく小さい。このため、珪化処理により得られる珪化品が、一次焼成体のかさ密度が大きい場合は未反応カーボンが残存し、小さい場合は未反応カーボンは残存しないが緻密でなく気孔が多くなることが分かる。これらのことから、カーボン材のカーボンブラックにセルロース繊維とフミン酸塩とを配合した原料を用いることにより、最終的に得られる珪化品が残存カーボンがなく全体がSiC−Si体で構成され、高純度であり機械的強度も向上することが明らかである。また、実施例5及び6に示したようにカーボンブラックの添加量を減少させ、セルロース繊維の添加量を増加させた場合であってもカーボンブラックの添加量が10重量%までは成形体の強度に何ら問題はない。しかし、比較例4に示すようにカーボンブラックの添加量を5重量%、セルロース繊維の添加量が95重量%とすると成形体の強度が低下した。この結果から、カーボンブラックの添加量が10重量%以上が好ましいことが分かる。また、比較例5に示したように蒸留水の添加量多くした場合には、実施例6に比し成形体の強度著しく低くなり、一次焼成体でクラックが発生するため好ましくないことが分かる。
【0023】
実施例7
実施例4と同様にして得た一次焼成体について、珪化処理に先立ち塩素ガス雰囲気中2000℃で1時間純化処理を行った。純化処理した一次焼成体について純度分析し、その結果を表3に示した。純化処理したSiCの一次焼成体を、その後、実施例1と同様にして珪化処理して珪化品を得た。得られた珪化品を実施例1と同様に、その断面を実体顕微鏡観察及び湿式分析法によるフリーカーボン測定は、実施例4の結果と同様に内部にはカーボンが残存しない緻密質なSi−SiCで形成されていることが確認された。
【0024】
【表3】
Figure 0003543529
【0025】
比較例6
前記従来技術▲1▼で示した反応焼結法によって得られた珪化処理前のSiC焼結体に対し、実施例7と同様にして純化処理し、同様に純度分析を行い、その結果を表3に示した。
【0026】
上記実施例7及び比較例6の結果から明らかなように、本発明の一次焼結体は純化処理することにより、半導体汚染物質であるアルカリ金属等の不純物の低減が顕著であることが分かる。一方、従来の反応焼結法により得られるSiC焼結体については前記した通り純化処理が内部まで十分に行われず、不純物含有量が本発明のSiC一次焼成体に比し多量の不純物が含有されていることが分かる。これらから、本発明のSi−SiCが半導体製造装置部材として好適であることが明らかである。
【0027】
【発明の効果】
本発明の炭化珪素セラミックスの製造方法は、鋳込成形用のスラリーの原料配合成分として、炭素材カーボンブラックにセルロース繊維とフミン酸塩を所定に添加混合して用いることにより、製造工程において得られる鋳込成形体強度を向上させることができ操作取扱が簡便となると共に、最終的炭化珪素セラミックスがカーボンフリーで高純度で高強度のものとして得ることができ、各種装置、特に半導体製造装置用部材として好適に用いることができ、工業上極めて有用である。

Claims (8)

  1. (1)主成分としてカーボンブラック及びセルロース繊維を配合比率9:1〜1:9で含有するマトリックスにフミン酸塩を添加し水性溶媒に分散させて、固体濃度の10〜50重量%の水性溶媒スラリーを調製する第1工程、
    (2)前記第1工程で得られた水性溶媒スラリーを用いて所定形状に鋳込成形する第2工程、
    (3)前記第2工程で形成された成形体を不活性雰囲気下または真空下で加熱焼成し炭化処理して一次焼成体を得る第3工程、及び
    (4)前記第3工程で得られた一次焼成体を不活性雰囲気下で珪化処理する第4工程を有することを特徴とする炭化珪素セラミックスの製造方法。
  2. 前記第1工程でフミン酸塩が、前記マトリックスに対し外配で0.2〜5重量%添加される請求項記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  3. 前記第1工程のマトリックスに、更に、フェノール樹脂を添加する請求項1または2記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  4. 前記フェノール樹脂が、前記マトリックスに対し外配で1〜5重量%添加される請求項記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  5. 前記第3工程において加熱焼成が、1000〜1600℃で行われる請求項1〜のいずれか記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  6. 前記第3工程で得られる一次焼成体のかさ密度が、0.15〜0.70g/cm3である請求項1〜のいずれか記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  7. 前記第3工程で得られた一次焼結体を、前記第4工程を行う前に、ハロゲンガスまたはハロゲン含有ガス雰囲気中2000〜2500℃で純化処理する請求項1〜のいずれか記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  8. 前記第4工程の珪化処理が、前記一次焼成体を溶融珪素に浸漬して行われる請求項1〜のいずれか記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
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