JP2002201071A - 炭化ケイ素材の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素材の製造方法

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JP2002201071A
JP2002201071A JP2000398035A JP2000398035A JP2002201071A JP 2002201071 A JP2002201071 A JP 2002201071A JP 2000398035 A JP2000398035 A JP 2000398035A JP 2000398035 A JP2000398035 A JP 2000398035A JP 2002201071 A JP2002201071 A JP 2002201071A
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porous body
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Yushi Horiuchi
雄史 堀内
Masahiro Yamaguchi
昌宏 山口
Kenki Ri
李  剣輝
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未反応カーボンの残存量が少ない、高純度の
炭化ケイ素材を得ることができる炭化ケイ素材の製造方
法を提供する。 【解決手段】 繊維厚さが150μm以下であるセルロ
ース繊維を、非酸化性雰囲気下にて、500℃以上15
00℃以下で加熱し、カサ密度が0.10g/cm3
上0.80g/cm3 以下であるカーボン多孔質体を得
る第1の工程と、前記カーボン多孔質体を、シリコン元
素を含有する雰囲気下にてケイ化処理する第2の工程と
を含むことを特徴とする炭化ケイ素材の製造方法を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化ケイ素材の製
造方法に関し、より詳細には、セルロース繊維を原料と
した炭化ケイ素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素材は、硬度が高く、耐熱性に
優れ、電気抵抗が大きい等の特性を有するものであるた
め、研磨材、耐火物、発熱体等に利用されている。しか
しながら、炭化ケイ素材は、上記のように、硬度が高い
という特性を有するため、成形加工性が悪く、脆いとい
う欠点を有している。
【0003】従来、前記炭化ケイ素材の製造は、炭化ケ
イ素粉末を出発原料とした反応焼結法、カーボン成形体
を基材としてケイ化処理を行うカーボンケイ化法等によ
り行われていた。反応焼結法は、炭化ケイ素粉末を原料
として、結合剤等を添加して成形した後、非酸化性雰囲
気下にて、700〜900℃で仮焼し、その後、溶融シ
リコンを含浸させ、反応焼結させて、炭化ケイ素材を製
造する方法である。
【0004】一方、カーボンケイ化法は、例えば、特開
平2−56307号公報、特開昭63−242969号
公報等に開示されているような方法が一般的である。す
なわち、黒鉛、ピッチ等のカーボン材による多孔質成形
体に溶融シリコンまたは一酸化ケイ素ガスを浸透させる
等の方法で、 C+Si→SiC または 2C+SiO→SiC+C
O 等の反応により、カーボンをケイ化させる方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記反
応焼結法においては、原料である炭化ケイ素粉末が高価
であり、また、製品である炭化ケイ素材の純度は、前記
原料の純度に依存するものである。よって、高純度の炭
化ケイ素粉末が高価であるため、反応焼結法は、コスト
面からも、高純度の炭化ケイ素材を製造するのは困難で
ある。また、仮焼後の成形加工の際、結合剤の炭化によ
り硬度が増大するため、焼結前における加工性が悪く、
加工コストも高い等の課題を有するものであった。さら
に、高密度化のため、通常、原料の炭化ケイ素粉末とし
て、粒径数μmの微粉と粒径数10〜数100μmの粗
粉とを混合して用いるが、前記粗粉は、成形加工の際、
脱落しやすく、このことも難加工性の一因となってい
た。
【0006】一方、前記カーボンケイ化法は、上記反応
式の反応速度が小さいため、緻密質のカーボンを完全に
ケイ化させることは困難であり、多くの場合は、カーボ
ンの表面のみがケイ化され、炭化ケイ素層が形成され
る。このため、カーボン−炭化ケイ素の複合材料として
しか製品化されていなかった。
【0007】また、カーボンケイ化法においては、寸法
安定性、成形加工容易性等の観点から、カーボン材原料
に樹脂を添加して成形する方法が知られており、例え
ば、樹脂処理された紙等のセルローズシートによる成形
体を炭化させた後、炭化ケイ素材を得る方法が、特公昭
49−39887号公報に開示されている。しかしなが
ら、この方法によれば、得られる炭化体が高密度で、緻
密化されているため、内部まで完全にケイ化することは
困難であり、多層薄肉構造体としての炭化ケイ素材しか
得られない。
【0008】そこで、本発明は、上記のような従来技術
における課題を解決するためになされたものであり、製
紙パルプ等のセルロース繊維を原料として、カーボンケ
イ化方法を利用することにより、未反応カーボンの残存
量が少ない、高純度の炭化ケイ素材を得ることができる
炭化ケイ素材の製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る炭化ケイ素
材の製造方法は、繊維厚さが150μm以下であるセル
ロース繊維を、非酸化性雰囲気下にて、500℃以上1
500℃以下で加熱し、カサ密度が0.10g/cm3
以上0.80g/cm3 以下であるカーボン多孔質体を
得る第1の工程と、前記カーボン多孔質体を、シリコン
元素を含有する雰囲気下にてケイ化処理する第2の工程
とを含むことを特徴とする。前記セルロース繊維を原料
として、上記のようなカーボン多孔質体を経て、ケイ化
させることにより、未反応カーボンの残存量が少ない、
高純度の炭化ケイ素材を得ることができる。
【0010】前記セルロース繊維の繊維厚さは、5μm
以上80μm以下であることが、より好ましい。上記範
囲内の繊維厚さであれば、現実的に繊維としての構造体
として存在し得るものであり、また、製造コスト、未反
応カーボンの残存量の低減の観点から好ましい。
【0011】また、前記セルロース繊維の長さは、1.
5mm以上であることが好ましい。1.5mm以上の長
さのセルロース繊維を用いることにより、カーボン多孔
質体は、その取扱いが容易となる程度に強度が増大し、
また、より強度の高い炭化ケイ素材が得られる。
【0012】さらにまた、前記セルロース繊維は、製紙
用パルプであることが好ましい。炭化して得られるカー
ボン多孔質体のカサ密度が均一となり、また、取り扱い
が容易であること等を考慮したものである。
【0013】また、前記第1の工程により得られたカー
ボン多孔質体のカサ密度は、0.70g/cm3 以下で
あることが、より好ましい。カーボン多孔質体のカサ密
度が上記範囲内であれば、未反応カーボンの残存量が低
減される。
【0014】前記第2の工程におけるケイ化処理は、溶
融シリコンと反応させること、または、一酸化ケイ素ガ
スと反応させることのいずれかであることが好ましい。
これらのケイ化処理方法は、内部においても未反応カー
ボンの残存量の少ない炭化ケイ素材を得るために好適な
方法である。
【0015】前記製造方法においては、前記第1の工程
により得られたカーボン多孔質体は、ハロゲン系ガス雰
囲気下にて、1100℃以上2000℃以下で加熱し、
純化する工程を経た後、第2の工程に至ることが好まし
い。この工程は、より高純度の炭化ケイ素材を製造する
ための純化処理を行うものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る炭化ケイ素材の製造方法は、まず、第1の
工程として、繊維厚さが150μm以下であるセルロー
ス繊維を、非酸化性雰囲気下にて、500℃以上に加熱
し、カサ密度が0.10g/cm3 以上0.80g/c
3 以下であるカーボン多孔質体を得る。そして、第2
の工程として、前記カーボン多孔質体を、シリコン元素
を含有する雰囲気下にてケイ化処理を行う。本発明は、
セルロース繊維を原料として、炭化処理を行い、カサ密
度が0.10g/cm3 以上0.80g/cm3 以下で
あるカーボン多孔質体を作製し、このカーボン多孔質体
をケイ化させることにより、未反応カーボンの残存量が
少ない、高純度の炭化ケイ素材を得るものである。
【0017】本発明において、原料として用いるセルロ
ース繊維は、植物の種子やじん皮、木材等の繊維であ
り、炭化して得られたカーボン多孔質体のカサ密度が均
一となるものを用いることが好ましい。また、取り扱い
が容易であること等を考慮して、製紙用パルプを用いる
ことが好ましい。
【0018】前記セルロース繊維の繊維厚さとは、通
常、繊維の太さ意味するものであるが、例えば、繊維が
中空パイプ状である場合は、そのパイプ部分の肉厚をい
う。そのパイプ部分の内側もケイ化されることから、パ
イプ部分の太さよりも、むしろ、その肉厚を繊維厚さと
して捉える方が好ましいからである。本発明において
は、この繊維厚さは、150μm以下とする。繊維厚さ
が150μmを超えると、炭化ケイ素材中に未反応カー
ボンが1重量%以上残存してしまう。また、セルロース
繊維の繊維厚さは、小さいほどよいが、5μm以上80
μm以下であることがより好ましい。繊維厚さが5μm
未満であると、現実的に繊維としての構造体として存在
することが困難である。一方、繊維厚さが80μmを超
える場合は、製造コストの面から好ましくなく、80μ
m以下とすることにより、炭化ケイ素材中の未反応カー
ボンの残存量をより確実に低減させることができる。
【0019】また、前記セルロース繊維の長さは、1.
5mm以上であることが好ましい。1.5mm以上の長
さのセルロース繊維を用いることにより、カーボン多孔
質体は、その取扱いが容易となる程度に強度が増大し、
また、より強度の高い炭化ケイ素材が得られる。
【0020】前記セルロース繊維の炭化は、非酸化性雰
囲気下にて、500℃以上1500℃以下で加熱するこ
とにより行う。セルロース繊維中のカーボンが酸化され
ないようにするため、非酸化性雰囲気とする必要があ
り、通常、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲
気、真空または10torr以下の減圧とする。また、
炭化温度は500℃以上1500℃以下とする。炭化温
度が500℃未満では、炭化が十分に進行せず、第2の
工程で十分にケイ化されないこととなる。一方、炭化温
度が1500℃を超えると、黒鉛化されるおそれがあ
り、カサ密度が0.10g/cm3 以上0.80g/c
3 以下であるカーボン多孔質体が得られない。
【0021】第1の工程で得られるカーボン多孔質体
は、カサ密度が0.10g/cm3 以上0.80g/c
3 以下である。カサ密度が0.10g/cm3 未満で
あると、カーボン多孔質体が、構造体としての強度を維
持することが困難である。一方、カサ密度が0.80g
/cm3 を超えると、未反応カーボンの残存量が多くな
る。前記カサ密度は、より好ましくは、0.70g/c
3 以下である。
【0022】次に、前記カーボン多孔質体をケイ化させ
る第2の工程は、シリコン元素を含有する雰囲気下にて
行う。このケイ化処理は、ピッチ、カーボンブラック等
の通常の炭素材を原料とした場合のケイ化処理と同様に
行うことができる。その中でも特に、本発明において
は、溶融シリコンと反応させること、または、一酸化ケ
イ素ガスと反応させることのいずれかであることが好ま
しい。これらのケイ化処理方法は、カーボン多孔質体の
内部にまでシリコンを導入することができ、内部におい
ても未反応カーボンの残存量の少ない炭化ケイ素材を得
るために好適な方法である。
【0023】溶融シリコンと反応させる方法としては、
具体的には、減圧雰囲気下、1400℃以上、好ましく
は1600℃程度で、カーボン多孔質体を溶融シリコン
中に浸漬し、カーボン多孔質体中に溶融シリコンを含浸
させた後、フッ硝酸液に浸漬し、未反応のシリコンを除
去することにより、炭化ケイ素材を得る。また、一酸化
ケイ素ガスと反応させる方法としては、具体的には、非
酸化性雰囲気下にて、1900℃程度で、一酸化ケイ素
とカーボン多孔質体中のカーボンとを反応させ、炭化ケ
イ素材を得る。
【0024】前記製造方法において、より高純度の炭化
ケイ素材を製造するためには、前記第1の工程により得
られたカーボン多孔質体を、ハロゲン系ガス雰囲気下に
て、1100℃以上2000℃以下に加熱し、純化する
工程を経た後、第2の工程に至ることが好ましい。この
純化処理は、ピッチ、カーボンブラック等の通常の炭素
材を原料とした場合の純化処理と同様に行うことができ
る。具体的には、塩素ガスまたは塩化水素ガス雰囲気下
にて、1100℃以上2000℃以下に加熱することに
より、第1の工程により得られたカーボン多孔質体中に
含まれるアルカリ金属等の不純物を除去する。純化処理
したカーボン多孔質体は、上記と同様の方法によりケイ
化処理を行うことにより、より高純度の炭化ケイ素材を
得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例により制限される
ものではない。 [実施例1〜6]表1の実施例1〜6に示す繊維厚さで
あり、長さ3mmのセルロース繊維を原料とした成形体
を1000℃で炭化させ、カーボン多孔質体を得た。こ
のカーボン多孔質体のカサ密度を水中重量法(アルキメ
デス法)により測定した。次に、前記カーボン多孔質体
に、1600℃で溶融シリコンを含浸させ、炭化ケイ素
材を得た。この炭化ケイ素材のカサ密度と気孔率を水中
重量法(アルキメデス法)により測定した。また、燃焼
加熱法により未反応カーボン量を測定した。これらの結
果を表1に示す。
【0026】[比較例1〜3]表1の比較例1〜3に示
す繊維厚さであり、長さ3mmのセルロース繊維を原料
として用い、それ以外については、実施例1と同様にし
て炭化ケイ素材を作製し、各種測定を行った。これらの
結果を表1に示す。なお、比較例3において得られた炭
化ケイ素材は、形崩れしてしまった。
【0027】[比較例4]バルク肉厚が200μmのピ
ッチを原料として用い、それ以外については、実施例1
と同様にして炭化ケイ素材を作製し、各種測定を行っ
た。これらの結果を表1に示す。
【0028】[比較例5]バルク肉厚が20μmのカー
ボンブラックを原料として用い、実施例1と同様にして
カーボン多孔質体を作製し、カサ密度を測定した。この
結果を表1に示す。前記カーボン多孔質体に、1600
℃で溶融シリコンを含浸させたところ、ケイ化部分と未
ケイ化部分とが分離し層状剥離を生じ、形状を維持する
ことができなかった。
【0029】[比較例6]バルク肉厚が70μmの等方
性炭素材を原料として用い、実施例1と同様にしてカー
ボン多孔質体を作製し、カサ密度を測定した。この結果
を表1に示す。前記カーボン多孔質体に、1600℃で
溶融シリコンを含浸させたところ、カーボン多孔質体の
表面のみケイ化され、内部はケイ化されなかった。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示したように、繊維厚さが150μ
m以下であるセルロース繊維を原料として用い、かつ、
得られたカーボン多孔質体のカサ密度が0.10g/c
3以上0.80g/cm3 以下である場合(実施例1
〜6)は、未反応カーボン量が0.25重量%以下であ
り、気孔率が0.4%以下の緻密な、より好ましい炭化
ケイ素材が得られた。一方、カーボン多孔質体のカサ密
度が0.80g/cm3 を超える場合(比較例1)、お
よび、繊維厚さが150μmを超えるセルロース繊維を
原料として用いた場合(比較例2)は、得られた炭化ケ
イ素材中の未反応カーボン量が1重量%以上であった。
また、カーボン多孔質体のカサ密度が0.10g/cm
3 未満である場合(比較例3)は、未反応カーボン量が
1重量%未満であり、最も少なかったが、炭化ケイ素材
の強度が小さく、形崩れしてしまった。
【0032】さらに、ピッチを原料としたカーボン多孔
質体を用いた場合(比較例4)は、ピッチの粒子が塊状
になりやすく、バルク厚さが150μm以上となり、こ
のため、得られた炭化ケイ素材中に未反応カーボンが残
存しやすく、3.60重量%と最も多く残存していた。
また、カーボンブラックを原料としたカーボン多孔質体
を用いた場合(比較例5)は、バルク厚さは20μmで
あったが、カーボンブラックはミクロ的な炭素の構造が
層状であるため、溶融シリコンを含浸させる際、層方向
に沿ってケイ化が進行し、層間での膨潤により、層状剥
離が生じ、形状を維持することができなかった。さらに
また、特殊炭素材(等方性炭素材)を原料とした場合
(比較例6)は、カーボン多孔質体のカサ密度が0.8
0g/cm3 を超える緻密な構造となり、このため、上
記のように、溶融シリコンを含浸させたところ、カーボ
ン多孔質体の表面のみケイ化され、内部はケイ化されな
かった。
【0033】上記のことから、セルロース繊維を原料と
し、その繊維厚さが150μm以下であり、かつ、得ら
れたカーボン多孔質体のカサ密度が0.10g/cm3
以上0.80g/cm3 以下である場合に、未反応カー
ボン量が0.25重量%以下であり、気孔率が0.4%
以下の緻密な、より好ましい炭化ケイ素材を得ることが
できることが認められた。なお、上記実施例1〜6およ
び比較例1〜3におけるセルロース繊維を原料とした成
形体は、いずれも、繊維の種類および/または成形体の
密度は異なるものである。
【0034】[実施例7〜9]繊維厚さが50μmであ
り、表2の実施例7〜9に示す長さのセルロース繊維を
原料とした成形体を1000℃で炭化させ、カーボン多
孔質体を作製し、曲げ強度を測定した。次に、得られた
カーボン多孔質体に、1600℃で溶融シリコンを含浸
させ、炭化ケイ素材を作製し、曲げ強度を測定した。こ
れらの結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2に示したように、セルロース繊維の長
さを1.5mm以上とすることにより、カーボン多孔質
体の強度が2MPa以上となり、取扱いも容易であっ
た。また、炭化ケイ素材の強度も、より高くなることが
認められた。
【0037】[実施例10]繊維厚さ50μm、長さ3
mmのセルロース繊維原料として、製紙用パルプを用い
て成形体を作製した。この成形体の任意の箇所で5cm
3 のサンプルを採取し、密度を測定し、その標準偏差を
求めた。前記成形体を1000℃で炭化させ、カーボン
多孔質体を得た。次に、前記カーボン多孔質体に、16
00℃で溶融シリコンを含浸させ、炭化ケイ素材を得
た。前記カーボン多孔質体および炭化ケイ素材につい
て、実施例1と同様にして、カサ密度、気孔率、未反応
カーボン量を求めた。また、炭化ケイ素材の密度および
その標準偏差を、成形体の密度と同様の測定方法により
求めた。これらの結果を表3に示す。
【0038】[実施例11]繊維厚さ50μm、長さ3
mmのセルロース繊維原料として、天然木材セルロース
繊維を用いて、それ以外については、実施例10と同様
にして炭化ケイ素材を作製し、各種測定を行った。これ
らの結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3に示したように、原料として用いるセ
ルロース繊維が、製紙用パルプである場合(実施例1
0)は、天然木材セルロース繊維である場合(実施例1
1)に比べて、成形体の密度の標準偏差が小さい、すな
わち、成形体の密度がより均一であった。さらに、ケイ
化処理により得られた炭化ケイ素材の密度の標準偏差に
おいても同様であることが確認された。すなわち、本発
明で用いるセルロース繊維としては、天然木材セルロー
スよりも製紙用パルプを用いた方が、得られる炭化ケイ
素材の密度およびそれに関連する物理特性(例えば、熱
伝導率、熱膨張係数等)の同一素材内での均質性に優れ
ていることが認められた。
【0041】[比較例7]繊維厚さ20μm、長さ3m
mのセルロース繊維に熱硬化性樹脂を5重量%含浸させ
たものを用いて成形体を作製し、それ以外については、
実施例1と同様にして炭化ケイ素材を作製し、各種測定
を行った。これらの結果を表4に示す。なお、繊維厚さ
は、含浸させた樹脂も含む値である。
【0042】[比較例8]繊維厚さ20μm、長さ3m
mのセルロース繊維に熱硬化性樹脂を30重量%含浸さ
せたものを用いて成形体を作製し、それ以外について
は、実施例1と同様にして炭化ケイ素材を作製し、各種
測定を行った。これらの結果を表4に示す。なお、繊維
厚さは、含浸させた樹脂も含む値である。
【0043】
【表4】
【0044】表4に示したように、熱硬化性樹脂を含浸
させた場合(比較例7、8)、含浸させない場合(実施
例1)よりも、カーボン多孔質体が高密度化し、このた
め、得られた炭化ケイ素材中に残存する未反応カーボン
量は1重量%を超えていた。また、熱硬化性樹脂を含浸
させた場合(比較例7、8)は、その樹脂により繊維厚
さが増大し、このため、ケイ化処理において、カーボン
多孔質体には、溶融シリコンの未含浸部分が残存してい
た。
【0045】このことから、セルロース繊維に熱硬化性
樹脂を含浸させた場合は、繊維厚さが増大するととも
に、カーボン多孔質体が高密度となり緻密化するため、
未反応カーボンの残存量が少ない、高純度の炭化ケイ素
材を得ることは困難であることが認められた。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る炭化ケイ素材の製造方法に
よれば、製紙パルプ等のセルロース繊維を原料として、
カーボンケイ化方法を利用することにより、未反応カー
ボンの残存量が少ない、高純度の炭化ケイ素材を得るこ
とができる。
フロントページの続き (72)発明者 李 剣輝 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内 Fターム(参考) 4G001 BA62 BA75 BB22 BC33 BC47 BC52 BC54

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維厚さが150μm以下であるセルロ
    ース繊維を、非酸素性雰囲気下にて、500℃以上15
    00℃以下で加熱し、カサ密度が0.10g/cm3
    上0.80g/cm3 以下であるカーボン多孔質体を得
    る第1の工程と、 前記カーボン多孔質体を、シリコン元素を含有する雰囲
    気下にてケイ化処理する第2の工程とを含むことを特徴
    とする炭化ケイ素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記セルロース繊維の繊維厚さが5μm
    以上80μm以下であることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の炭化ケイ素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記セルロース繊維の長さは、1.5m
    m以上であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の多孔質炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記セルロース繊維は、製紙用パルプで
    あることを特徴とする請求項1から請求項3までのいず
    れかに記載の炭化ケイ素体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程により得られたカーボン
    多孔質体のカサ密度は、0.70g/cm3 以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか
    に記載の炭化ケイ素体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の工程におけるケイ化処理は、
    溶融シリコンと反応させること、または、一酸化ケイ素
    ガスと反応させることのいずれかであることを特徴とす
    る請求項1から請求項5までのいずれかに記載の炭化ケ
    イ素材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程により得られたカーボン
    多孔質体は、ハロゲン系ガス雰囲気下にて、1100℃
    以上2000℃以下で加熱し、純化する工程を経た後、
    第2の工程に至ることを特徴とする請求項1から請求項
    6までのいずれかに記載の炭化ケイ素材の製造方法。
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