JPH10194837A - 炭化珪素セラミックスの製造方法 - Google Patents

炭化珪素セラミックスの製造方法

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JPH10194837A
JPH10194837A JP9017534A JP1753497A JPH10194837A JP H10194837 A JPH10194837 A JP H10194837A JP 9017534 A JP9017534 A JP 9017534A JP 1753497 A JP1753497 A JP 1753497A JP H10194837 A JPH10194837 A JP H10194837A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料として炭化ケイ素を用いることなく、カ
ーボン材を珪化処理してSiCとする珪化法により、残
存カーボンのない高純度、高強度の炭化珪素セラミック
スを製造する。 【解決手段】 (1)カーボンブラック及びセルロース
繊維を主成分とするマトリックスにフミン酸塩を添加し
水性溶媒に分散させて水性溶媒スラリーを調製する第1
工程、(2)前記第1工程で得られた水性溶媒スラリー
を用いて所定形状に鋳込成形する第2工程、(3)前記
第2工程で形成された成形体を不活性雰囲気下または真
空下で加熱焼成し炭化処理して一次焼成体を得る第3工
程及び(4)前記第3工程で得られた一次焼成体を不活
性雰囲気下で珪化処理する第4工程を有することを特徴
とする炭化珪素セラミックスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化珪素セラミック
スの製造方法に関し、詳しくは、カーボン材を珪化処理
して炭化珪素に変換する方法において、カーボン原料を
所定とすることにより残存カーボンの無いカーボンフリ
ーの炭化珪素セラミックスを得ることができる炭化珪素
セラミックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素セラミックスの製造法は、従来
から各種の方法が知られている。それらのうち、原料に
カーボン及び珪素を用いる珪化法は、焼結収縮率が小さ
く焼結温度も比較的低いことから大型部品や長尺品の製
造法として適用されている。この珪化法による炭化珪素
セラミックスの製造方法としては、原料に炭化珪素
(SiC)を用いる反応焼結法と、出発原料としてS
iCを用いずに行うカーボン材の珪化処理法とが知られ
ている。反応焼結法は、例えば特開昭58−6428
4号公報に記載されるように、SiC粉末とフェノール
樹脂等のカーボン源を混合、成形後、不活性雰囲気で焼
成し、その後、溶融珪素(Si)を含浸して緻密質なS
iC−Siの炭化珪素セラミックスを得る方法である。
一方、カーボン材の珪化処理法は、例えば特開昭63
−242969号公報で提案されているように、SiC
粉末を混合することなく黒鉛等のカーボン材に溶融Si
を含浸させ珪化する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
反応焼結法では、低温焼結が可能であるが基本的に原料
基材の殆どがSiCであり、珪化処理に先立って焼成体
を機械的に微細加工する場合、SiCは難加工材であり
形状付与が難しい。また、現時点では高純度なSiC粉
末が得られ難く、また、たとえSiC粉末を純化処理し
て用いるとしてもSiC粉末の内部まで純化することは
困難である。このため、主たる原料基材が高純度でない
ことから、得られる炭化珪素焼結体も高純度なものが得
られないという欠点がある。従って、半導体製造装置に
用いた場合は半導体を汚染するおそれがある。一方、
カーボン基材の珪化処理法は、カーボン基材内部まで珪
化を進行させることが難しく、表面はSiC化されるが
焼結体全体は珪化されず、内部はカーボン材が残存する
場合が多く、また、カーボン基材に層状結晶構造を有す
る黒鉛材料が用いられると珪化の際にも異方性が生じて
しまう。そのため、得られるSiC焼結体が十分な機械
的強度を有しないため、構造部材としての適用箇所が制
限されるという問題点と、ダスト発生の原因となる場合
がある。また、上記カーボン材の珪化処理で得られたS
iCセラミックス材表面にCVD処理によりSiC皮膜
を形成したり、またはカーボン材自体の表面をCVD処
理してSiC皮膜を被覆する方法が採られている。この
場合、表面に高純度で緻密なSiC被膜を有するSiC
焼結体を得ることができるが、機械的強度は十分なもの
といえない。
【0004】本発明は、上記のように高純度で、且つ、
高強度を有するSiC焼結体が得られてないという現状
を鑑み、各種部材、特に、半導体製造装置の半導体支持
部材及び構造部材としても好適に用いることができる高
純度で高強度のSiC焼結体の製造を目的とする。具体
的には、反応管、均熱管、ライナー管等の管状部材もし
くはトレー、サセプタ等のウエハ支持部材である。発明
者らは、この目的のため、上記のカーボン材の珪化処
理によるSiCセラミックス製造を再検討し、内部まで
珪化されて焼結体全体がSiCとなるように炭素素材や
炭化物について鋭意検討した。その結果、従来のカーボ
ン材にフミン酸塩を添加して用いることにより、その鋳
込成形体の焼成体を珪化処理して残存カーボンが実質的
に存在しないSiC−Siからなる炭化珪素焼結体を得
ることができることを見出し本発明を完成した。尚、上
記実質的に存在しないとは、前記の従来技術の課題で説
明した問題が生じない程度、即ち、1重量%を超えない
程度を言う。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(1)
カーボンブラック及びセルロース繊維を主成分とするマ
トリックスにフミン酸塩を添加し水性溶媒に分散させて
水性溶媒スラリーを調製する第1工程、(2)前記第1
工程で得られた水性溶媒スラリーを用いて所定形状に鋳
込成形する第2工程、(3)前記第2工程で形成された
成形体を不活性雰囲気下または真空下で加熱焼成し炭化
処理して一次焼成体を得る第3工程及び(4)前記第3
工程で得られた一次焼成体を不活性雰囲気下で珪化処理
する第4工程を有することを特徴とする炭化珪素セラミ
ックスの製造方法が提供される。
【0006】上記本発明の炭化珪素セラミックスの製造
方法において、第1工程のマトリックスのカーボンブラ
ックとセルロース繊維の配合比率が9:1〜1:9であ
ることが好ましく、また、フミン酸塩が、前記マトリッ
クスに対し外配で0.2〜10重量%添加されることが
好ましい。更に、第1工程のマトリックスにフェノール
樹脂を添加することが好ましく、添加するフェノール樹
脂が、前記マトリックスに対し外配で1〜5重量%添加
されることが好ましい。本発明の炭化珪素セラミックス
の製造方法の第2工程における水性溶媒スラリーの固体
濃度を10〜50重量%に調整することが好ましい。第
3工程の加熱焼成は1000〜1600℃で行い、約
0.15〜0.70g/cm3 のかさ密度を有する一次
焼成体を得ることが好ましい。また、得られた一次焼結
体に対して、第4項知恵の珪化処理前に塩素等のハロゲ
ンガスまたはハロゲン含有ガス雰囲気中2000〜25
00℃で純化処理することが好ましい。更に、第4工程
の珪化処理が前記一次焼成体を溶融珪素に浸漬して行う
ことが好ましい。
【0007】本発明は上記のように構成され、カーボン
ブラックとセルロース繊維からなるマトリックスに、更
に、分散材であるフミン酸塩を所定に添加混合して水性
溶媒に分散させスラリーを形成することから、マトリッ
クスが水性溶媒に均一に分散したスラリーが得られる。
このためそのスラリーを用いて鋳込成形して得られる成
形体は、全体に均質なものとなると同時にマトリックス
間に均等に分散配合されることから、マトリックス粒子
を強固に結合し成形体の強度を高め形態保持性を向上で
き取扱が簡便となる。フェノール樹脂を添加混合した場
合は、より一層成形体の保持性を高めることができる。
また、一次焼成体はマトリックス粒子間をフミン酸塩が
炭化されて三次元的に保持されることから、かさ密度を
所定とすることができ、珪化処理時の含浸珪素の内部へ
の進入が容易であり、それによりSiC化が容易に進行
し、カーボンを残存することなく焼成体全体を珪化する
ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のマトリックスを構成するカーボン材は、カーボ
ンブラック及びセルロース繊維を主成分とする。カーボ
ンブラックとセルロース繊維の配合重量比率は9:1〜
1:9であることが好ましい。セルロース繊維は焼成に
より炭化され易く、配合することにより成形体の強度を
高めることができる。ただし、セルロース繊維の焼成後
の残炭率は低いため、焼成体の強度を維持するためには
カーボンブラックが必要となる。尚、炭化珪素焼結体の
機械的強度が例えば半導体製造用部材として充分確保さ
れ、かつ、残在カーボンを皆無とするためには、上記比
率を7:3〜3:7とすることがより好ましい。
【0009】本発明において用いるカーボンブラック
は、製造方法や原料によりその性状が異なるが、一般に
市販されているものを適宜選択することができる。通
常、一次粒子径が100nm以下、比表面積30m2
g以上の微粉状のものを用いる。Siを含浸させ珪化を
容易にするためには、成形体を焼成炭化した状態で橋か
け結合が多く熱的に強い3次元構造となることが好まし
い。本発明で用いるカーボンブラックは、微小の1次粒
子が集合し相互に融着や凝集して”ストラクチャー”と
いわれる集合組織を形成することから、Siの含浸に好
適である。 一般に、セルロースは、従来から炭化され
三次元構造を形成するカーボン材としてフェノール樹脂
と共によく知られているものである。本発明で上記カー
ボンブラックと共にマトリックスを構成するセルロース
繊維は、三次元構造となり珪化され易いと同時に、成形
体の強度を増強でき好ましい。特に、セルロース繊維を
層状に配向させることにより極めて大きな強度が発現さ
せることができる。セルロース繊維としては、特に制限
されるものでなく、植物の種子やじん皮繊維、木材繊維
等を用いることができる。繊維表面の油脂等は予め除去
するのが好ましい。
【0010】本発明においては、前記カーボンブラック
及びセルロース繊維を主成分とするマトリックスにフミ
ン酸塩を添加混合する。フミン酸塩としては、通常、フ
ミン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩を
用いる。フミン酸は炭素50〜60%、水素4〜6%、
窒素1〜5%、残余の大部分が酸素からなる多価フェノ
ール芳香族化合物と含窒素化合物の縮合物で、酸に不溶
でアルカリに可溶の無定形酸性有機物である。親水性で
ありコロイド的性質を有することからカーボンブラック
の疎水性を改善し、上記マトリックスの水性溶媒への分
散性をよくすることができる。同時に、マトリックス粒
子、特に、カーボンブラック粒子間に位置してそれら粒
子の結合材として作用し、成形体の形態保持性を高める
ことができるる。また、上記のように主成分が炭素成分
であり焼成により炭化されることから、マトリックスの
セルロース繊維と共に焼成炭化され、珪化処理によりS
iCとすることができ好適である。添加量は、上記マト
リックスに対し外配で0.2〜5重量%、好ましくは1
〜3重量%である。添加量が0.2重量%未満であると
分散が不充分となり均質なスラリーが得られず、5重量
%を超えると逆にフミン酸同士の凝集が起こり、スラリ
ーが高粘性化し、却って分散性を阻害するためである。
【0011】本発明において、上記のように前記マトリ
ックスにフミン酸塩を添加混合して用いるものである
が、必要に応じて、更に、結合剤としてフェノール樹脂
を添加配合することができる。フェノール樹脂は、従来
から反応焼結法によるSiCセラミックスの製造におい
て結合剤として用いられており、従来公知のフェノール
樹脂を適宜選択して用いることができる。フェノール樹
脂の添加量は、上記マトリックスに対し外配で1〜5重
量%、好ましくは2〜4重量%である。フェノール樹脂
を1重量%以上で添加することによって、より強度の向
上を図ることができ、5重量%を超えると一時焼結体に
おいて偏析が起きやすく組織が不均一となるためであ
る。
【0012】本発明の水性溶媒スラリーは、前記マトリ
ックスにフミン酸塩を所定に添加混合し、要すれば、更
に、フェノール樹脂を添加混合して、通常、水である水
性溶媒に分散させて調製することができる。この場合、
マトリックスにフミン酸塩等を添加混合して得た固体配
合物と水性溶媒との重量比が1:1〜1:9となるよう
に混合分散することが好ましい。また、固体形値添加物
スラリーの固体濃度が、10〜50重量%となるように
調整することが好ましい。固体濃度が10重量%未満で
あるとスラリー化は容易であるが、成形体としての保持
が困難となる。一方、50重量%を超えると良好なスラ
リーが得られないためである。
【0013】本発明は、次いで、上記のように調製され
た水性溶媒スラリーを用いて鋳込成形(スリップキャス
ト)する。前記した従来の珪化法によるSiCセラミッ
クスの製造方法における成形が、主に原料粉末を加圧し
て成形するラバープレス法や押出法が多く行われていた
のに対し、本発明では原料としてマトリックスにセルロ
ース繊維を配合するため、加圧による成形では原料セル
ロース繊維が切断され易いことから、また、セルロース
繊維を配向させ成形体強度を高めるため、原料材を水性
溶媒中に分散させて調製したスラリーを鋳込成形して所
定形状に成形体を製造する。鋳込成形は、前記マトリッ
クス中に配合された原料セルロース繊維を配向させるこ
とができ、セルロース繊維の特長を十分に発現させて得
られる成形体の強度を高めることができ好ましい。ま
た、上記のように調製されたスラリーを用いることによ
り、鋳込成形後、乾燥することにより、均質、均等で、
且つ、高強度で形態保持性に優れた成形体を得ることが
できる。このため、その後の取扱が容易で操作が簡便と
なる利点も有する。
【0014】本発明において、上記のようにして鋳込成
形により形成され、乾燥して得られた成形体を、次い
で、不活性ガス雰囲気または真空中で加熱焼成し、原料
中のセルロース繊維、フミン酸塩、また必要に応じて添
加されたフェノール樹脂を炭化し、全体が炭素質の一次
焼成体とする。加熱焼成は、カーボンが酸化されないよ
うに酸素が含有されない非酸化ガス雰囲気下であればよ
い。通常、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲
気、または真空即ち10torr以下に減圧下で、約1
000〜1600℃で行うことが好ましい。加熱温度が
1000℃未満であると炭化が十分に進行しないためで
あり、1600℃を超えて焼成に必要な所定時間加熱さ
れると黒鉛化されるおそれがあり、珪化処理で異方性を
生じるため好ましくない。また、得られる炭素質の一次
焼成体のかさ密度が、約0.15〜0.70g/cm
3 、好ましくは0.25〜0.55g/cm3 となるよ
うにすることが好ましい。この一次焼成体のかさ密度
は、スラリー固体濃度や焼成温度を調整することにより
所定とすることができる。一次焼成体のかさ密度が0.
15g/cm3 未満であると強度が弱く焼成後の機械加
工を充分に、かつ精度良く施すことが困難であり、0.
70g/cm3 を超えると含浸時に珪化不充分なカーボ
ンが残るため好ましくない。
【0015】上記の加熱焼成による炭化処理で得られた
炭素質の一次焼成体は、特に、高純度が要求される半導
体製造用部材とする際には、次いで、塩素ガスや塩素を
含有するガス等のハロゲンガスまたはハロゲン含有ガス
雰囲気中で2000〜2500℃で純化処理を行うこと
が好ましい。本発明の上記一次焼成体は、通常の炭素材
料と同様に極めて容易に高純度化が達成され、アルカリ
金属等の不純物の低減が著しく、更に、特に、一次焼成
体が低かさ密度であることから、純化に必要な処理時間
が短く所望の高純度炭化珪素セラミックス部材の製造時
間を短縮化できるメリットを有する。本発明の珪化処理
は、通常、上記一次焼成体を直接、または、上記純化処
理した後に、加熱焼成と同様に非酸化ガス雰囲気下、通
常、不活性ガス雰囲気または減圧下で溶融珪素を供給し
て上記一次焼成体に溶融珪素を含浸させながら行われ
る。好ましくは約1torr以下の減圧下で行うのがよ
い。珪素の含浸がより進行するためである。珪化処理温
度は、珪素の融点1430℃以上で行われる。また、珪
化処理は、上記一次焼成体に溶融珪素を供給含浸する代
わりに、十分な珪素蒸気圧雰囲気が形成され、一次焼成
体へ気相珪素の含浸が進行する場合には、気相状態で珪
化処理することもできる。本発明の珪化処理において、
上記のようにして得られた一次焼成体が、かさ密度が所
定であり、マトリックスの微小カーボンブラック粒子が
三次元構造をとると同時に、粒子間をセルロース繊維及
びフミン酸塩、更にフェノール樹脂が炭化され形成され
たカーボンにより所定方向に配合されて且つ結合されて
いるため、溶融珪素または気相珪素がその内部まで進行
し、一次焼成体全体のカーボンを珪化しSiC化し、残
存カーボンのない、且つ、純化処理することによりアル
カリ金属等の半導体汚染物質が著しく低減されたSiC
−Siから構成される炭化珪素セラミックスに転化する
ことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるも
のでない。 実施例1 カーボンブラック(三菱化学(株)製、#30、一次粒
子径30nm)90重量部に、セルロース繊維(木材パ
ルプを水と共にジューサーミキサーで解したもの)10
重量部(固形部分換算)を混合した。得られた混合物に
フミン酸アンモニウム(テルナイト(株)製、商品名:
CH−07)1重量%を添加混合し、更に水溶性フェノ
ール樹脂(大日本インキ(株)製、商品名:プライオー
フェン)2重量%(固形分換算)を混合した。この4成
分を混合した混合物を蒸留水150重量%に懸濁させて
スラリーを調製した。このスラリーの固体濃度は40.
7%であった。得られたスラリーを縦横50mmで厚さ
10mmの平板状成形品が得られる石膏型に流し込み平
板成形体を成形し室温で乾燥した。このようにして2枚
の乾燥平板成形体を製造した。
【0017】得られた乾燥した平板成形体の1枚から長
さ40mm、5mm四方の角棒状サンプルを切り出し、
鋳込成形による積層面に垂直方向に、即ち厚さ方向に荷
重がかかるように曲げ強度試験を行った。その結果、2
2MPaの強度が得られた。また、残りの1枚の乾燥平
板成形体を1200℃で窒素雰囲気中で1時間加熱焼成
し、全体が炭化された一次焼成体を得た。得られた一次
焼成体のかさ密度は、水中重量法(通称、アルキメデス
法)により測定した結果、0.83g/cm3であっ
た。次いで、得られた一次焼成体を1500℃で溶融S
i中に1時間浸漬してさせ珪化処理した。処理後、溶融
Si中から取出し室内で放置冷却した珪化品を厚さ方向
に切断し、その断面を実体顕微鏡により観察し、さらに
湿式分析法によりフリーカーボンを測定したところ、
内部にはカーボンが残存しない緻密質なSi−SiCで
形成されていることが確認された。これらの結果を表1
にまとめて示した。
【0018】実施例2〜6 スラリーの原料の配合を表1に示したように変えた以外
は、実施例1と同様にして成形体、一次焼成体及び珪化
品を得た。また、同様にして成形体強度、一次焼成体か
さ密度及び珪化品の断面観察を行い、その結果を表1に
示した。
【0019】
【表1】
【0020】比較例1〜4 スラリーの原料の配合を表2に示したようにした以外
は、実施例1と同様にして成形体、一次焼成体及び珪化
品を得た。また、同様にして成形体強度、一次焼成体か
さ密度及び珪化品の断面観察を行い、その結果を表2に
示した。
【0021】
【表2】
【0022】上記実施例及び比較例より明らかなよう
に、カーボンブラック炭素材とセルロース繊維のマトリ
ックスにフミン酸アンモニウム塩を添加混合してスラリ
ーを調製して鋳込成形して得た成形体の強度が、フミン
酸アンモニウム塩は添加されたがセルロース繊維が配合
されていない比較例1及び2、また、フミン酸アンモニ
ウム塩を添加混合していない比較例3に比して、高いこ
とが分かる。また、比較例においてはフェノール樹脂が
混合されているにも拘らず、フェノール樹脂無添加の実
施例3より強度が低く、フミン酸塩とフェノール樹脂と
の双方が所定に添加された実施例1〜2では、成形体の
強度が一層向上することが分かる。一方、その成形体を
所定に焼成して得られる焼成体のかさ密度は、実施例の
いずれに比べても、比較例1及び2では大きく、フミン
酸を添加していない比較例3では著しく小さい。このた
め、珪化処理により得られる珪化品が、一次焼成体のか
さ密度が大きい場合は未反応カーボンが残存し、小さい
場合は未反応カーボンは残存しないが緻密でなく気孔が
多くなることが分かる。これらのことから、カーボン材
のカーボンブラックにセルロース繊維とフミン酸塩とを
配合した原料を用いることにより、最終的に得られる珪
化品が残存カーボンがなく全体がSiC−Si体で構成
され、高純度であり機械的強度も向上することが明らか
である。また、実施例5及び6に示したようにカーボン
ブラックの添加量を減少させ、セルロース繊維の添加量
を増加させた場合であってもカーボンブラックの添加量
が10重量%までは成形体の強度に何ら問題はない。し
かし、比較例4に示すようにカーボンブラックの添加量
を5重量%、セルロース繊維の添加量が95重量%とす
ると成形体の強度が低下した。この結果から、カーボン
ブラックの添加量が10重量%以上が好ましいことが分
かる。また、比較例5に示したように蒸留水の添加量多
くした場合には、実施例6に比し成形体の強度著しく低
くなり、一次焼成体でクラックが発生するため好ましく
ないことが分かる。
【0023】実施例7 実施例4と同様にして得た一次焼成体について、珪化処
理に先立ち塩素ガス雰囲気中2000℃で1時間純化処
理を行った。純化処理した一次焼成体について純度分析
し、その結果を表3に示した。純化処理したSiCの一
次焼成体を、その後、実施例1と同様にして珪化処理し
て珪化品を得た。得られた珪化品を実施例1と同様に、
その断面を実体顕微鏡観察及び湿式分析法によるフリー
カーボン測定は、実施例4の結果と同様に内部にはカー
ボンが残存しない緻密質なSi−SiCで形成されてい
ることが確認された。
【0024】
【表3】
【0025】比較例6 前記従来技術で示した反応焼結法によって得られた珪
化処理前のSiC焼結体に対し、実施例7と同様にして
純化処理し、同様に純度分析を行い、その結果を表3に
示した。
【0026】上記実施例7及び比較例6の結果から明ら
かなように、本発明の一次焼結体は純化処理することに
より、半導体汚染物質であるアルカリ金属等の不純物の
低減が顕著であることが分かる。一方、従来の反応焼結
法により得られるSiC焼結体については前記した通り
純化処理が内部まで十分に行われず、不純物含有量が本
発明のSiC一次焼成体に比し多量の不純物が含有され
ていることが分かる。これらから、本発明のSi−Si
Cが半導体製造装置部材として好適であることが明らか
である。
【0027】
【発明の効果】本発明の炭化珪素セラミックスの製造方
法は、鋳込成形用のスラリーの原料配合成分として、炭
素材カーボンブラックにセルロース繊維とフミン酸塩を
所定に添加混合して用いることにより、製造工程におい
て得られる鋳込成形体強度を向上させることができ操作
取扱が簡便となると共に、最終的炭化珪素セラミックス
がカーボンフリーで高純度で高強度のものとして得るこ
とができ、各種装置、特に半導体製造装置用部材として
好適に用いることができ、工業上極めて有用である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)カーボンブラック及びセルロース
    繊維を主成分とするマトリックスにフミン酸塩を添加し
    水性溶媒に分散させて水性溶媒スラリーを調製する第1
    工程、(2)前記第1工程で得られた水性溶媒スラリー
    を用いて所定形状に鋳込成形する第2工程、(3)前記
    第2工程で形成された成形体を不活性雰囲気下または真
    空下で加熱焼成し炭化処理して一次焼成体を得る第3工
    程、及び(4)前記第3工程で得られた一次焼成体を不
    活性雰囲気下で珪化処理する第4工程を有することを特
    徴とする炭化珪素セラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程のマトリックスのカーボン
    ブラックとセルロース繊維の配合比率が9:1〜1:9
    である請求項1記載の炭化珪素セラミックスの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程でフミン酸塩が、前記マト
    リックスに対し外配で0.2〜5重量%添加される請求
    項1または2記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1工程のマトリックスに、更に、
    フェノール樹脂を添加する請求項1、2または3記載の
    炭化珪素セラミックスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フェノール樹脂が、前記マトリック
    スに対し外配で1〜5重量%添加される請求項4記載の
    炭化珪素セラミックスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2工程において水性溶媒スラリー
    の固体濃度を10〜50重量%に調整する請求項1〜5
    のいずれか記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第3工程において加熱焼成が、10
    00〜1600℃で行われる請求項1〜6のいずれか記
    載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第3工程で得られる一次焼成体のか
    さ密度が、0.15〜0.70g/cm3 である請求項
    1〜7のいずれか記載の炭化珪素セラミックスの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記第3工程で得られた一次焼結体を、
    前記第4工程を行う前に、ハロゲンガスまたはハロゲン
    含有ガス雰囲気中2000〜2500℃で純化処理する
    請求項1〜8のいずれか記載の炭化珪素セラミックスの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第4工程の珪化処理が、前記一次
    焼成体を溶融珪素に浸漬して行われる請求項1〜9のい
    ずれか記載の炭化珪素セラミックスの製造方法。
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