JP2801821B2 - セラミック複合焼結体およびその製造方法 - Google Patents
セラミック複合焼結体およびその製造方法Info
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- JP2801821B2 JP2801821B2 JP4293167A JP29316792A JP2801821B2 JP 2801821 B2 JP2801821 B2 JP 2801821B2 JP 4293167 A JP4293167 A JP 4293167A JP 29316792 A JP29316792 A JP 29316792A JP 2801821 B2 JP2801821 B2 JP 2801821B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化珪素および窒化珪
素からなるセラミック複合焼結体に関するもので、詳細
には焼結助剤などを含有しない高純度で高強度の半導体
製造用治具などに適したセラミック複合焼結体およびそ
の製造方法に関する。
素からなるセラミック複合焼結体に関するもので、詳細
には焼結助剤などを含有しない高純度で高強度の半導体
製造用治具などに適したセラミック複合焼結体およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】高純度の炭化珪素焼結体は、半導体素子な
どを製造する際に使用する治具用の材料して注目され、
その実用化が進められている。
どを製造する際に使用する治具用の材料して注目され、
その実用化が進められている。
【0003】一般に、高純度炭化珪素焼結体は、炭化珪
素の焼結助剤として知られるホウ素、周期律表第3a族
元素酸化物あるいはAl2 O3 などを全く添加せずに高
密度化したものであり、通常は反応焼結法により作製さ
れる。
素の焼結助剤として知られるホウ素、周期律表第3a族
元素酸化物あるいはAl2 O3 などを全く添加せずに高
密度化したものであり、通常は反応焼結法により作製さ
れる。
【0004】反応焼結法は、高純度の炭化珪素粉末に、
炭素粉末を添加し成形した後、この成形体を1200℃
以下の温度で熱処理して多孔質体を作製し、さらに、こ
の多孔質体を溶融金属珪素と接触させて毛細管現象で多
孔質体内部に金属珪素を浸みこませ、1450〜170
0℃程度で反応焼結して炭素粉末をケイ化処理し多孔質
体の空隙部に炭化珪素を生成させることにより、炭化珪
素のみ、または炭化珪素と遊離珪素からなる焼結体を得
るものである。
炭素粉末を添加し成形した後、この成形体を1200℃
以下の温度で熱処理して多孔質体を作製し、さらに、こ
の多孔質体を溶融金属珪素と接触させて毛細管現象で多
孔質体内部に金属珪素を浸みこませ、1450〜170
0℃程度で反応焼結して炭素粉末をケイ化処理し多孔質
体の空隙部に炭化珪素を生成させることにより、炭化珪
素のみ、または炭化珪素と遊離珪素からなる焼結体を得
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上述
したような反応焼結法によれば、炭化珪素と炭素からな
る成形体を作製する上で、金属珪素との反応性を高める
ために比表面積の大きな炭素粉末を用いることが必要で
あるため、炭化珪素粉末との均一混合が難しく、そのた
めに炭素のケイ化処理による炭化珪素の生成が不均一と
なり、焼結体中にボイドが生成しやすいという問題があ
った。
したような反応焼結法によれば、炭化珪素と炭素からな
る成形体を作製する上で、金属珪素との反応性を高める
ために比表面積の大きな炭素粉末を用いることが必要で
あるため、炭化珪素粉末との均一混合が難しく、そのた
めに炭素のケイ化処理による炭化珪素の生成が不均一と
なり、焼結体中にボイドが生成しやすいという問題があ
った。
【0006】また、炭化珪素と炭素からなる多孔質体の
強度が非常に弱いために、炭素のケイ化処理の際の発熱
反応による炭化珪素の生成により焼結体にクラックが生
じるという問題があった。
強度が非常に弱いために、炭素のケイ化処理の際の発熱
反応による炭化珪素の生成により焼結体にクラックが生
じるという問題があった。
【0007】さらに、焼結体の表面に金属珪素が強固に
付着するために機械研磨やNaOHなどの薬品処理によ
り除去することが必要であった。
付着するために機械研磨やNaOHなどの薬品処理によ
り除去することが必要であった。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
問題点を解決すべく検討を重ねた結果、炭化珪素を窒化
することにより炭素が生成されることにより格別な処理
を行うことなく、炭素を均一に分散させることができる
とともに、窒化反応による窒化珪素の生成および焼結に
よって多孔質体の強度を高めることができることを知見
し、本発明に至った。
問題点を解決すべく検討を重ねた結果、炭化珪素を窒化
することにより炭素が生成されることにより格別な処理
を行うことなく、炭素を均一に分散させることができる
とともに、窒化反応による窒化珪素の生成および焼結に
よって多孔質体の強度を高めることができることを知見
し、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明は、炭化珪素および窒化珪素
の複合体より形成される3次元網状構造の骨格の空隙部
に少なくともβ型炭化珪素が充填されてなるセラミック
複合焼結体であって、かかる複合焼結体を製造する方法
として、炭化珪素粉末を所定の形状に成形し、該成形体
を窒素雰囲気中で熱処理して炭化珪素を窒化させ、炭化
珪素、窒化珪素および遊離炭素からなる多孔質体を作製
し、該多孔質体に金属珪素を含浸させ、前記金属珪素と
前記遊離炭素とを反応させてβ型炭化珪素を生成させる
ことを特徴とするものである。
の複合体より形成される3次元網状構造の骨格の空隙部
に少なくともβ型炭化珪素が充填されてなるセラミック
複合焼結体であって、かかる複合焼結体を製造する方法
として、炭化珪素粉末を所定の形状に成形し、該成形体
を窒素雰囲気中で熱処理して炭化珪素を窒化させ、炭化
珪素、窒化珪素および遊離炭素からなる多孔質体を作製
し、該多孔質体に金属珪素を含浸させ、前記金属珪素と
前記遊離炭素とを反応させてβ型炭化珪素を生成させる
ことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明のセラミック複合焼結体は、助剤成分な
どを全く含有せず、しかも炭化珪素と窒化珪素との複合
体により3次元の網状構造の骨格を形成しているため
に、従来の反応焼結法による炭化珪素焼結体に比較して
高い強度を有する。しかも、純度の点でも助剤などを全
く添加せずに高密度化が達成されていることから、特に
半導体素子製造用の治具をはじめとして不純物の混入を
避ける必要のある各種の製造用治具や部品などに適用す
ることができる。
どを全く含有せず、しかも炭化珪素と窒化珪素との複合
体により3次元の網状構造の骨格を形成しているため
に、従来の反応焼結法による炭化珪素焼結体に比較して
高い強度を有する。しかも、純度の点でも助剤などを全
く添加せずに高密度化が達成されていることから、特に
半導体素子製造用の治具をはじめとして不純物の混入を
避ける必要のある各種の製造用治具や部品などに適用す
ることができる。
【0011】本発明の製造方法によれば、炭化珪素を窒
化すると、3SiC+2N2 →Si3 N4 +3Cの反応
により遊離炭素が生成する。そのために原料粉末として
炭素粉末を用いる必要がなく、しかも化学反応により炭
素が生成するために窒化後の多孔質体中に遊離炭素を均
一に分散させることができる。
化すると、3SiC+2N2 →Si3 N4 +3Cの反応
により遊離炭素が生成する。そのために原料粉末として
炭素粉末を用いる必要がなく、しかも化学反応により炭
素が生成するために窒化後の多孔質体中に遊離炭素を均
一に分散させることができる。
【0012】また、炭化珪素の窒化後の多孔質体は、炭
化珪素結晶粒子が窒化珪素により結合された骨格により
形成されているために骨格自体の強度が高く、その後の
扱いに対して十分に耐えることができる。
化珪素結晶粒子が窒化珪素により結合された骨格により
形成されているために骨格自体の強度が高く、その後の
扱いに対して十分に耐えることができる。
【0013】さらに、多孔質体の表面には窒化珪素が主
として存在しており、遊離炭素と窒化珪素との濡れが悪
いために、焼結体の表面に金属珪素が付着しても容易に
除去することができる。
として存在しており、遊離炭素と窒化珪素との濡れが悪
いために、焼結体の表面に金属珪素が付着しても容易に
除去することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例をもとに説明する。本
発明において、原料粉末として用いる炭化珪素粉末は、
α型、β型のいずれでも使用することができ、その粒径
は、その後の窒化反応を促進させるために、平均粒径
0.5〜3μmの粒子を50〜90重量部、0.5μm
以下の粉末を10〜50重量部の割合で調合することが
望ましい。
発明において、原料粉末として用いる炭化珪素粉末は、
α型、β型のいずれでも使用することができ、その粒径
は、その後の窒化反応を促進させるために、平均粒径
0.5〜3μmの粒子を50〜90重量部、0.5μm
以下の粉末を10〜50重量部の割合で調合することが
望ましい。
【0015】上記炭化珪素粉末は、プレス形成、押し出
し成形、射出成形、鋳込み成形、冷間静水圧成形などの
周知の成形方法に基づき、所望により有機バインダーや
分散剤などを添加し、所望の形状に成形する。そして、
この成形体を有機バインダーを熱処理により分解除去す
る。この時の成形体の気孔率はおよそ30〜56%程度
である。
し成形、射出成形、鋳込み成形、冷間静水圧成形などの
周知の成形方法に基づき、所望により有機バインダーや
分散剤などを添加し、所望の形状に成形する。そして、
この成形体を有機バインダーを熱処理により分解除去す
る。この時の成形体の気孔率はおよそ30〜56%程度
である。
【0016】次に、この成形体を窒化処理する。窒化処
理は、50〜1000atmの窒素分圧中で1500〜
1900℃の温度で行われる。窒化処理により成形体中
の炭化珪素は窒素との反応により窒化珪素と炭素が生成
され、炭化珪素粒子は窒化珪素により結合され、3次元
網状構造の骨格からなる多孔質体が形成される。
理は、50〜1000atmの窒素分圧中で1500〜
1900℃の温度で行われる。窒化処理により成形体中
の炭化珪素は窒素との反応により窒化珪素と炭素が生成
され、炭化珪素粒子は窒化珪素により結合され、3次元
網状構造の骨格からなる多孔質体が形成される。
【0017】この多孔質体中には、炭化珪素と窒化珪素
および遊離炭素が存在するが、本発明によれば、窒化珪
素は20〜75体積%、遊離炭素7〜18体積%程度の
量になるように窒化時間を制御すればよい。また、この
多孔質体は炭化珪素の窒化反応により体積が膨張するた
めに窒化処理前に比較し相対密度が高く、およそ気孔率
は10〜30%程度となっている。
および遊離炭素が存在するが、本発明によれば、窒化珪
素は20〜75体積%、遊離炭素7〜18体積%程度の
量になるように窒化時間を制御すればよい。また、この
多孔質体は炭化珪素の窒化反応により体積が膨張するた
めに窒化処理前に比較し相対密度が高く、およそ気孔率
は10〜30%程度となっている。
【0018】本発明によれば、上記のようにして得られ
た多孔質体に対して、金属珪素を含浸させるまえに、F
e、CaおよびNaなどの不純物を除去することが望ま
しい。この高純度化処理は、例えば、王水などに多孔質
体を浸漬し多孔質体の表面に存在する不純物成分を溶解
除去し、その後純水で洗浄する。または、多孔質を塩酸
ガスと少量の水蒸気からなる800〜1200℃の高温
雰囲気に曝すことによっても高純度化することができ
る。
た多孔質体に対して、金属珪素を含浸させるまえに、F
e、CaおよびNaなどの不純物を除去することが望ま
しい。この高純度化処理は、例えば、王水などに多孔質
体を浸漬し多孔質体の表面に存在する不純物成分を溶解
除去し、その後純水で洗浄する。または、多孔質を塩酸
ガスと少量の水蒸気からなる800〜1200℃の高温
雰囲気に曝すことによっても高純度化することができ
る。
【0019】次に、この多孔質体中の空隙部に金属珪素
を含浸させるとともに炭素のケイ化処理を行う。金属珪
素を含浸させる方法としては、カーボンルツボ内に溶融
金属珪素を入れ、1600℃の真空雰囲気下でこの溶融
金属珪素中に多孔質体を浸漬することにより、金属珪素
が空隙部に充填されると同時に炭素と反応し、炭化珪素
が生成される。また、他の方法として、SiCl4 ガス
と1000℃の温度下で接触させることにより、空隙部
に金属珪素が浸透すると同時に炭素と反応しβ型の炭化
珪素が形成される。
を含浸させるとともに炭素のケイ化処理を行う。金属珪
素を含浸させる方法としては、カーボンルツボ内に溶融
金属珪素を入れ、1600℃の真空雰囲気下でこの溶融
金属珪素中に多孔質体を浸漬することにより、金属珪素
が空隙部に充填されると同時に炭素と反応し、炭化珪素
が生成される。また、他の方法として、SiCl4 ガス
と1000℃の温度下で接触させることにより、空隙部
に金属珪素が浸透すると同時に炭素と反応しβ型の炭化
珪素が形成される。
【0020】この炭素のケイ化に伴い体積が2倍程度膨
張するために、多孔質体の空隙部には炭素のケイ化によ
り生成した炭化珪素によって充填され、最終的に空隙率
は5%以下の高密度体を形成することができる。また、
この時の炭素のケイ化は、多孔質体中の炭素のほとんど
が炭化珪素に変わるまで行うことが望ましい。
張するために、多孔質体の空隙部には炭素のケイ化によ
り生成した炭化珪素によって充填され、最終的に空隙率
は5%以下の高密度体を形成することができる。また、
この時の炭素のケイ化は、多孔質体中の炭素のほとんど
が炭化珪素に変わるまで行うことが望ましい。
【0021】以上のようにして得られるセラミック複合
焼結体は、その構造を模式的に表した図1に示すよう
に、炭化珪素粒子1の表面には窒化珪素2が形成され、
炭化珪素粒子1同士は窒化珪素2により結合されてお
り、かかる構造により3次元網状構造の骨格が形成され
ている。そして、その骨格の間の空隙部にはβ型の炭化
珪素3が充填された構造からなり、このように炭化珪素
粒子1が窒化珪素2により結合されることにより高純度
で且つ高強度の複合焼結体が形成される。
焼結体は、その構造を模式的に表した図1に示すよう
に、炭化珪素粒子1の表面には窒化珪素2が形成され、
炭化珪素粒子1同士は窒化珪素2により結合されてお
り、かかる構造により3次元網状構造の骨格が形成され
ている。そして、その骨格の間の空隙部にはβ型の炭化
珪素3が充填された構造からなり、このように炭化珪素
粒子1が窒化珪素2により結合されることにより高純度
で且つ高強度の複合焼結体が形成される。
【0022】以下、本発明を具体的な例で説明する。 実施例1 α型炭化珪素粉末(平均粒径1.1μm)70重量部、
α型炭化珪素(平均粒径が0.2μm)30重量部を、
純水を溶媒としてゴムライニングポット及びウレタンボ
ールを用いて十分に混合し、成形用バインダーとしてP
VAを添加し乾燥造粒を行った。
α型炭化珪素(平均粒径が0.2μm)30重量部を、
純水を溶媒としてゴムライニングポット及びウレタンボ
ールを用いて十分に混合し、成形用バインダーとしてP
VAを添加し乾燥造粒を行った。
【0023】得られた造粒粉を1000kg/cm2 の
圧力にて金型プレスし、外径40mm,厚み5mmの成
形体を得、該成形体を真空中で加熱し、バインダーを分
解除去した。この時の気孔率は38%であった。そし
て、該成形体を98MPaの窒素圧力下で1800℃で
1時間加熱した。
圧力にて金型プレスし、外径40mm,厚み5mmの成
形体を得、該成形体を真空中で加熱し、バインダーを分
解除去した。この時の気孔率は38%であった。そし
て、該成形体を98MPaの窒素圧力下で1800℃で
1時間加熱した。
【0024】得られた焼結体は開気孔率20%の多孔質
体であり、その構成は、炭化珪素、窒化珪素および遊離
炭素からなり、組織観察の結果、炭化珪素粒子の回りは
窒化による窒化珪素が生成し、それぞれの炭化珪素粒子
は、窒化珪素により強固に結合され、遊離炭素は均一に
分散していることを確認した。
体であり、その構成は、炭化珪素、窒化珪素および遊離
炭素からなり、組織観察の結果、炭化珪素粒子の回りは
窒化による窒化珪素が生成し、それぞれの炭化珪素粒子
は、窒化珪素により強固に結合され、遊離炭素は均一に
分散していることを確認した。
【0025】この焼結体を真空下で1600℃の溶融金
属珪素に接触させて、多孔質体の空隙部に金属珪素を充
填させ炭素をケイ化処理した。その結果、遊離炭素は消
失しており、新たにβ型炭化珪素の生成が認められた。
冷却後、表面に金属珪素が付着していたが容易に除去す
ることができた。
属珪素に接触させて、多孔質体の空隙部に金属珪素を充
填させ炭素をケイ化処理した。その結果、遊離炭素は消
失しており、新たにβ型炭化珪素の生成が認められた。
冷却後、表面に金属珪素が付着していたが容易に除去す
ることができた。
【0026】なお、この焼結体に対して嵩比重を測定し
たところ、3.08であり、開気孔率が0.1%と高密
度体であることがわかった。LECO法による炭素/窒
素分析及びICP発光分光分析により組成を定量したと
ころ、炭化珪素50体積%、窒化珪素40体積%、遊離
珪素10体積%であり、Fe、Ca、Naなどの陽イオ
ン不純物量は合計100ppm以下の高純度材料であっ
た。さらにJISR1601により4点曲げ抗折強度を
測定したところ、51kg/mm2 と優れた強度を示し
た。
たところ、3.08であり、開気孔率が0.1%と高密
度体であることがわかった。LECO法による炭素/窒
素分析及びICP発光分光分析により組成を定量したと
ころ、炭化珪素50体積%、窒化珪素40体積%、遊離
珪素10体積%であり、Fe、Ca、Naなどの陽イオ
ン不純物量は合計100ppm以下の高純度材料であっ
た。さらにJISR1601により4点曲げ抗折強度を
測定したところ、51kg/mm2 と優れた強度を示し
た。
【0027】実施例2 実施例1の多孔質体に対して、アルゴン雰囲気中で13
00℃に加熱し、SiCl4 ガスと接触させ、空隙部に
Siを析出させると同時に炭素のケイ化処理を行った。
この時のキャリアガスとしてはH2 を用いた。冷却後の
試料の表面には過剰に金属珪素が付着していたが、容易
に除去することができた。また、嵩比重は2.89であ
り、開気孔率は3.0%、抗折強度は43kg/mm2
であった。LECO法による炭素/窒素分析及びICP
発光分光分析により組成を定量したところ、炭化珪素4
0体積%、窒化珪素45体積%、遊離珪素12体積%、
珪素3体積%であり、Fe、Ca、Naなどの陽イオン
不純物量は合計80ppm以下の高純度材料であった。
00℃に加熱し、SiCl4 ガスと接触させ、空隙部に
Siを析出させると同時に炭素のケイ化処理を行った。
この時のキャリアガスとしてはH2 を用いた。冷却後の
試料の表面には過剰に金属珪素が付着していたが、容易
に除去することができた。また、嵩比重は2.89であ
り、開気孔率は3.0%、抗折強度は43kg/mm2
であった。LECO法による炭素/窒素分析及びICP
発光分光分析により組成を定量したところ、炭化珪素4
0体積%、窒化珪素45体積%、遊離珪素12体積%、
珪素3体積%であり、Fe、Ca、Naなどの陽イオン
不純物量は合計80ppm以下の高純度材料であった。
【0028】実施例3 α型炭化珪素粉末(平均粒径1.1μm)60重量部、
β型炭化珪素(平均粒径0.4μm)40重量部を、メ
タノールを溶媒として十分に混合し乾燥後、成形用バイ
ンダーとしてレゾール型フェノール樹脂20%溶液を分
解後の炭素換算で1重量部となるように添加し、さらに
溶媒としてアセトンを適量添加し、混練乾燥後、篩いを
通して成形用顆粒を得た。この顆粒を金型プレスを用い
て成形圧1000kg/cm2 で外径40mm、厚み5
mmの円板上成形体を得た。
β型炭化珪素(平均粒径0.4μm)40重量部を、メ
タノールを溶媒として十分に混合し乾燥後、成形用バイ
ンダーとしてレゾール型フェノール樹脂20%溶液を分
解後の炭素換算で1重量部となるように添加し、さらに
溶媒としてアセトンを適量添加し、混練乾燥後、篩いを
通して成形用顆粒を得た。この顆粒を金型プレスを用い
て成形圧1000kg/cm2 で外径40mm、厚み5
mmの円板上成形体を得た。
【0029】この成形体を1気圧窒素中で600℃まで
昇温し1時間保持した後、1600℃まで更に昇温する
とともに200MPaまで加圧し、1時間保持した後、
炉冷した。得られた焼結体は、開気孔率23%の多孔質
体であった。
昇温し1時間保持した後、1600℃まで更に昇温する
とともに200MPaまで加圧し、1時間保持した後、
炉冷した。得られた焼結体は、開気孔率23%の多孔質
体であった。
【0030】この焼結体を石英炉芯管中に置き、外より
1000℃に加熱するとともに管中に塩酸ガスと少量の
水蒸気とを流し高純度化処理を行った。その後、ガスを
Arガスに切替え、その後、SiCl4 ガスをH2 ガス
をキャリアガスとして流し、Siを含浸させると同時に
炭素のケイ化を行った。
1000℃に加熱するとともに管中に塩酸ガスと少量の
水蒸気とを流し高純度化処理を行った。その後、ガスを
Arガスに切替え、その後、SiCl4 ガスをH2 ガス
をキャリアガスとして流し、Siを含浸させると同時に
炭素のケイ化を行った。
【0031】以上の方法により得られた焼結体は、嵩比
重3.10であり、開気孔率は0.3%の高密度体であ
った。また、LECO法による炭素/窒素分析及びIC
P発光分光分析により組成を定量したところ、炭化珪素
60体積%、窒化珪素30体積%、遊離珪素8体積%、
珪素2体積%であり、陽イオン不純物量は合計20pp
m以下の高純度材料であり、特に半導体素子製造におい
て悪影響を及ぼすFe量が10ppm以下、Ca量3p
pm以下と高純度であった。さらに強度を測定したとこ
ろ、53kg/mm2 と高い強度を示した。
重3.10であり、開気孔率は0.3%の高密度体であ
った。また、LECO法による炭素/窒素分析及びIC
P発光分光分析により組成を定量したところ、炭化珪素
60体積%、窒化珪素30体積%、遊離珪素8体積%、
珪素2体積%であり、陽イオン不純物量は合計20pp
m以下の高純度材料であり、特に半導体素子製造におい
て悪影響を及ぼすFe量が10ppm以下、Ca量3p
pm以下と高純度であった。さらに強度を測定したとこ
ろ、53kg/mm2 と高い強度を示した。
【0032】比較例 α型炭化珪素粉末(平均粒径1.1μm)90重量部
と、炭素粉末(平均粒径2μm)10重量部とをメタノ
ール溶媒を用いて振動ミルにより混合し、成形用バイン
ダーとしてPVAを添加し、乾燥造粒を行った。この顆
粒を金型プレスを用いて成形圧1000kg/cm2 で
外径40mm、厚み5mmの円板上成形体を得た。
と、炭素粉末(平均粒径2μm)10重量部とをメタノ
ール溶媒を用いて振動ミルにより混合し、成形用バイン
ダーとしてPVAを添加し、乾燥造粒を行った。この顆
粒を金型プレスを用いて成形圧1000kg/cm2 で
外径40mm、厚み5mmの円板上成形体を得た。
【0033】この成形体を窒素1気圧中で1800℃で
1時間処理し、気孔率48%の多孔質体を形成した。こ
の多孔質体を真空下で1600℃の溶融金属珪素に接触
させて、多孔質体の空隙部に金属珪素を充填させるとと
もに炭素をケイ化処理した。
1時間処理し、気孔率48%の多孔質体を形成した。こ
の多孔質体を真空下で1600℃の溶融金属珪素に接触
させて、多孔質体の空隙部に金属珪素を充填させるとと
もに炭素をケイ化処理した。
【0034】その結果、炭素は消失しており、新たにβ
型炭化珪素の生成が認められた。
型炭化珪素の生成が認められた。
【0035】この焼結体の嵩比重は2.82g/c
m3 、開気孔率8%、抗折強度は20kg/mm2 であ
り、本発明の実施例1〜3と比較して密度が低く、強度
も低いものであった。さらに、この焼結体の表面には金
属珪素が付着していたが、非常に強固に固着しており、
研磨しないと除去することができなかった。
m3 、開気孔率8%、抗折強度は20kg/mm2 であ
り、本発明の実施例1〜3と比較して密度が低く、強度
も低いものであった。さらに、この焼結体の表面には金
属珪素が付着していたが、非常に強固に固着しており、
研磨しないと除去することができなかった。
【0036】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、炭
化珪素と窒化珪素との複合体により3次元の網状構造の
骨格を形成しているために、従来の反応焼結法による炭
化珪素焼結体に比較して高い強度を有する。しかも、純
度の点でも助剤などを全く添加することなく、高密度化
の焼結体を作製することができる。これにより半導体素
子製造用の治具をはじめとする不純物の混入を避ける必
要のある各種の製造用治具や部品などに適用することが
できる。ケイ化処理前の多孔質体中に遊離炭素を均一に
分散させることができる。
化珪素と窒化珪素との複合体により3次元の網状構造の
骨格を形成しているために、従来の反応焼結法による炭
化珪素焼結体に比較して高い強度を有する。しかも、純
度の点でも助剤などを全く添加することなく、高密度化
の焼結体を作製することができる。これにより半導体素
子製造用の治具をはじめとする不純物の混入を避ける必
要のある各種の製造用治具や部品などに適用することが
できる。ケイ化処理前の多孔質体中に遊離炭素を均一に
分散させることができる。
【図1】本発明のセラミック複合焼結体の構造を説明す
るための模式図である。
るための模式図である。
1 炭化珪素 2 窒化珪素 3 β型炭化珪素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/565 - 35/577 C04B 35/584 - 35/596 C04B 41/85
Claims (2)
- 【請求項1】炭化珪素および窒化珪素の複合体より形成
される3次元網状構造の骨格の空隙部に少なくともβ型
炭化珪素が充填されてなることを特徴とするセラミック
複合焼結体。 - 【請求項2】炭化珪素粉末を所定の形状に成形する工程
と、該成形体をを窒素雰囲気中で熱処理して炭化珪素を
窒化させ、炭化珪素、窒化珪素および遊離炭素からなる
多孔質体を作製する工程と、該多孔質体に金属珪素を含
浸させ、前記金属珪素と前記遊離炭素とを反応させてβ
型炭化珪素を生成させる工程とを具備することを特徴と
するセラミック複合焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4293167A JP2801821B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | セラミック複合焼結体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4293167A JP2801821B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | セラミック複合焼結体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06144930A JPH06144930A (ja) | 1994-05-24 |
JP2801821B2 true JP2801821B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=17791285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4293167A Expired - Fee Related JP2801821B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | セラミック複合焼結体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2801821B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100666426B1 (ko) * | 2003-03-20 | 2007-01-11 | 니뽄 가이시 가부시키가이샤 | 다공질 재료와 그 제조 방법 및 허니컴 구조체 |
JP6678991B2 (ja) * | 2016-03-31 | 2020-04-15 | 日本碍子株式会社 | 蓄熱部材 |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP4293167A patent/JP2801821B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06144930A (ja) | 1994-05-24 |
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