JP3098579B2 - 半導体製造用炭化ケイ素質熱処理部材 - Google Patents

半導体製造用炭化ケイ素質熱処理部材

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JP3098579B2
JP3098579B2 JP03179010A JP17901091A JP3098579B2 JP 3098579 B2 JP3098579 B2 JP 3098579B2 JP 03179010 A JP03179010 A JP 03179010A JP 17901091 A JP17901091 A JP 17901091A JP 3098579 B2 JP3098579 B2 JP 3098579B2
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晃 宮崎
健郎 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体用炭化ケイ素質
熱処理部材に関する。
【0002】
【従来の技術】発熱体等として使用されている炭化ケイ
素は20%前後の気孔を持つ多孔体である。このような
多孔質の炭化ケイ素は酸化が速い、強度が低い、外部雰
囲気中の不純物を容易に透過させるなどの欠点がある。
【0003】半導体製造用のボート、炉芯管、サセプタ
ー等には、高純度及び高強度であることから、炭化ケイ
素焼結体の気孔をSiで充填したシリコン含浸炭化ケイ
素(以下、Si−SiCと略す)が用いられている。
【0004】近年、半導体装置の高集積化が進み、Si
−SiCに要求される純度が厳しくなってきている。従
って、不純物拡散遮蔽の目的で、Si−SiC素材に熱
CVD法により炭化ケイ素膜(以下、SiC膜と記す)
のコーティングが形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】SiC自体は化学的に
も熱的にも安定であるが、含浸させたシリコン(金属ケ
イ素。以下、Siと記す)は、HF−HNO3 混酸やH
Clガスによる高温処理には侵食されやすい。
【0006】基材のSi−SiCは、SiとSiC粒子
の複合物であるから、表面はSiの中にSiC粒子が分
散した構造となっている。この表面に、塩素化ケイ素化
合物と炭化水素の組み合わせ、またはクロロシラン系の
ガス[(CH3 SiCl]を原料として熱CV
D法によりSiC膜をコーティングすると、成膜時に副
生物として生じるHClガス等によって基材表面のSi
のエッチングが同時に起こる。従って、得られた被覆体
は基材のSiとSiC膜との界面に気孔が残留する。こ
の結果、膜と基材の密着性低下、気孔への応力集中によ
る強度低下と言った問題が起こる。
【0007】従って、本発明の目的は、高強度で亀裂が
なく、膜と基材の密着性に優れた高信頼性の半導体製造
用炭化ケイ素質熱処理部材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭化ケイ素と
金属ケイ素の複合材よりなる基材と、前記基材の表面に
設けた炭化ケイ素膜よりなり、前記炭化ケイ素膜を前記
基材の少なくとも被処理物を配置する側の表面に被覆
し、前記基材の炭化ケイ素結晶粒子のうち前記炭化ケイ
素膜近傍の平均粒子径が基材の他の部分の炭化ケイ素結
晶粒子の平均粒子径より小さいことを特徴とする半導体
製造用炭化ケイ素質熱処理部材である。
【0009】
【作用】本発明では、Si−SiC基材のSiC膜近傍
に粒径の小さいSiC粒子が集まっている。そのためS
i−SiC基材とSiC膜の界面ではSiC膜とSiC
粒子の接する割合が多くなる。
【0010】したがってSi−SiC基材とSiC膜の
界面に占めるSiの面積は小さくなり、その結果、コー
ティング時のSiエッチングによって生じる膜−基材界
面の気孔は小さくなる。また気孔が生じても小さな気孔
が均一に分散するため、応力が集中しにくい。
【0011】また、基材にSiを含浸する際、基材全体
が微粉で構成されているのではないので、Siを含浸す
る際十分な含浸速度を得られる空隙がある。
【0012】
【実施例】本発明は炭化ケイ素と金属ケイ素の複合材よ
りなる基材と、前記基材の表面に設けた炭化ケイ素膜よ
りなり、前記炭化ケイ素膜を前記基材の少なくとも被処
理物を配置する側の表面に被覆し、前記基材の炭化ケイ
素結晶粒子のうち前記炭化ケイ素膜近傍の平均粒子径が
基材の他の部分の炭化ケイ素結晶粒子の平均粒子径より
小さいことを特徴とする半導体製造用炭化ケイ素質熱処
理部材であるが、このような熱処理部材は次のような方
法で製造することができる。 1)SiCの粒径の異なる粉末を混合して、粒径分布を
調整しながら成形する方法、または 2)SiCの成形体の少なくともSiC膜を形成する側
に有機ケイ素化合物を含浸させ、熱処理してSiCに転
換し、基材中にSiCの微粒子を生成する方法。
【0013】まず1)の方法は次のように行う。
【0014】基材に粒径の分布を付与する方法として、
湿式分級の原理を応用する。つまり、粒径の異なる数種
のSiC粉末を規定割合で配合し、溶媒、バインダーを
加えて混合し、平板状試料については沈降法、円筒状試
料については遠心分級鋳込によって成形する。得られた
成形体を窒素ガス中で加熱し、硬化、脱脂し、続いてH
Clガス流中で純化後、金属Siを含浸する。そのあと
表面に付着したSiを酸および研削により除去し、Si
−SiC基材を得る。
【0015】このSi−SiC基材をコーティング炉に
セットし、熱処理後、原料ガスを高温の炉内に導入し、
熱CVD法によるSiCコーティングを行って本発明の
半導体製造用炭化ケイ素質熱処理部材を得る。
【0016】Siの含有量は5〜50重量%が好まし
い。5重量%未満では、Siを含浸する工程で、SiC
粒子の空隙が小さいためにSiが浸透しにくく含浸度が
悪くなり、Si−SiC基材中に気孔が多数残留し、強
度の低下を引き起こしがちである。50重量%を超える
と、Siの物理的性質の影響が大きくなり、靱性・強度
・耐磨耗性が低下しやすくなる。
【0017】SiC粒子の粒径は0.1〜1000μm
が好ましい。粒径が0.1μm未満では成形する際に沈
降・着肉しにくくなる。また、このような超微粉は高価
で、経済性の点で問題がある。1000μmをこえる
と、逆に沈降速度が大きすぎるため、スラリーを作る際
にSiC粒子が十分に分散しない。特に、遠心分級鋳込
により円筒状の成形体を作成する場合、長手方向に均一
な粒径分布を持つ成形体を得るにはSiC粒子の粒径が
30μm以下であることが好ましい。30μmを超える
と、大型品を作製する際に長手方向に粗密が生じ、部分
的に低強度となり、信頼性を欠きやすい。
【0018】本発明では、基材のSiC膜近傍(微粒
部)から基材の他の部分(粗粒部)にかけて粒径をほぼ
連続的に変える。粗粒部と微粒部の平均粒径の比は3倍
より大きいことが好ましい。SiC膜近傍の粒径が十分
に細かい場合、密着性が改善しやすい。しかし、粗粒部
と微粒部の平均粒径比が3倍より小さい場合には、粗粒
部のSiC粒子間の空隙が小さくなり、Siの含浸度が
悪くなりやすい。したがって、基材中に気孔が残留しや
すく、強度が低下する原因になり得る。
【0019】一方、微粒部の粒径が大きい場合には、S
iの含浸に問題はなく、含浸度が良好となりやすい。し
かし、微粒部と粗粒部の平均粒径比が3倍より小さい場
合には、Si−SiC基材とSiC膜界面でのSiC粒
子とSiC膜の接触面積が小さくなりやすく、密着性・
強度共に向上しにくい。
【0020】次に前述の2)の方法は次のように行う。
【0021】SiCとCとフェノールレジンを配合した
原料を造粒・成形・硬化・焼成し、焼成体を得る。有機
ケイ素化合物の含浸・塗布は、エチルシリケート、ポリ
カルボシラン等の有機ケイ素化合物をトルエン、石油エ
ーテルなどの溶媒に溶解する。さらに焼成体に対して浸
漬、減圧含浸、加圧含浸、塗布、またはこれらの組み合
わせによって含浸又は塗布を行う。
【0022】次に、有機ケイ素化合物を含浸・塗付した
試料の熱処理を行い、表面近傍に含浸した有機ケイ素化
合物をSiCに転換する。続いて、それをHClガス流
中で純化した後、溶融金属Siを含浸する。そのあと表
面に付着したSiを酸および研削で除去し、Si−Si
C基材を得る。
【0023】このSi−SiC基材をコーティング炉に
セットし、熱処理後、原料ガスを高温の炉内に導入し、
熱CVD法によるSiCコーティングを行って、本発明
の半導体製造用炭化ケイ素質熱処理部材を得る。
【0024】有機ケイ素化合物の含浸深さは、表面から
深さ100μm以内、好ましくは深さ20μm以内に調
整する。含浸深さが大きいと、有機ケイ素化合物が熱処
理によって転換されて生成されるSiC微粒子が、焼結
体の深くまで空隙を埋めてしまう。このため、次のSi
含浸工程において、溶融金属Siの含浸速度が小さくな
り、含浸後に母材内部に気孔を残留させてしまうことが
ある。
【0025】実験例1〜4 平均粒径の異なる3種類のSiC粉末を表1に示す重量
比で配合した。この配合SiC粉末12部に対し水10
部、バインダー0.5部を配合し、樹脂製ポットに入
れ、樹脂ボールを加えて、20rpmで20時間回転混
合し、スラリーを得た。
【0026】スラリーを鋳込用樹脂型(内容積が縦50
mm×横50mm×高さ100mm)に流し込み、静置
乾燥させて、厚さ5mmの板状の成形体を得た。成形体
を炭素製治具で支持しながら300℃で2時間熱処理を
行い、硬化体とした。この硬化体を炭素製治具で支持し
ながらアルゴンで稀釈したHClガス雰囲気(濃度10
0ppm)中で、1500℃、1時間の熱処理を行い、
焼成体とした。
【0027】焼成体の上に粒状Siを配置し、アルゴン
雰囲気中、400Torr、1600℃にて熱処理を行
い、焼成体中にSiを含浸させ、Si−SiC基材を得
た。このSi−SiC基材をフッ化水素と硝酸の混酸中
に浸し、表面のSiを除去した。つづいて表面を研削加
工した。
【0028】次に四塩化ケイ素とメタンと水素ガスを
1:1:30の流量比で混合状態で流しながら20To
rrの減圧下、1300℃で2時間処理し、Si−Si
C基材の表面に厚さ40μmのSiC膜を形成した。半
導体製造時に被処理物を配置しない側(鋳込時下面)に
付着した膜は研削により取り除いた。
【0029】比較例1〜4 実験例1〜4と比較するために、比較例1〜4を作っ
た。すなわち比較例1は平均粒径0.5μmのSiC粉
末を用意した。比較例2〜4は平均粒径の異なる3種類
のSiC粉末を表1に示す重量比で配合した。
【0030】
【表1】 このSiC粉末12部に対し水10部、バインダー0.
5部を配合し、樹脂製ポットに入れ、樹脂ボールを加え
て、20rpmで20時間回転混合し、スラリーを得
た。
【0031】スラリーを鋳込用樹脂型(内容積が縦50
mm×横50mm×高さ100mm)に流し込み、静置
乾燥させて、厚さ5mmの板状の成形体を得た。成形体
を炭素製治具で支持しながら300℃で2時間熱処理を
行い、硬化体とした。この硬化体を炭素製治具で支持し
ながらアルゴンで稀釈したHClガス雰囲気(濃度10
0ppm)中で、1500℃、1時間の熱処理を行い、
焼成体とした。
【0032】焼成体の上に粒状Siを配置し、アルゴン
雰囲気中、400Torr、1600℃にて熱処理を行
い、焼成体中にSiを含浸させ、Si−SiC基材を得
た。このSi−SiC基材をフッ化水素と硝酸の混酸中
に浸し、表面のSiを除去した。つづいて表面を研削加
工した。
【0033】次に四塩化ケイ素とメタンと水素ガスを
1:1:30の流量比で混合状態で流しながら20To
rrの減圧下、1300℃で2時間処理し、Si−Si
C基材の表面に厚さ40μmのSiC膜を形成した。半
導体製造時に被処理物を配置しない側(鋳込時下面)に
付着した膜は研削により取り除いた。
【0034】実験例1〜4と比較例1〜4の半導体製造
用炭化ケイ素質熱処理部材について、断面顕微鏡観察、
曲げ強度(3点曲げ強さ)測定、膜と基材の付着力測定
を行った。
【0035】断面顕微鏡観察は、基材とSiC膜界面の
状態、基材のシリコン含浸状態について行った。
【0036】曲げ強度については、試料から3×4×4
0mmのテストピースを切り出し、SiC被膜のある面
が引っ張り応力側となるように支持して、クロスヘッド
スピード0.5mm/minで3点曲げ強さを測定し
た。
【0037】膜と基材の付着力は、試料を直径10mm
の円形に切断し、半導体製造時に被処理物を配置しない
面の膜を研削により取り除き、上下面にSUS304製
の丸棒(強度測定用剛体棒治具)を活性金属ろう付け法
により接着し、引っ張り試験機によって膜と基材の界面
から破断する時の荷重を調べて求めた。
【0038】これらの結果を表2に示す。この表2から
も明らかなように、実験例1〜4は比較例1〜4に比べ
て、基材とSiC膜界面の気孔が少なく、密着性が良い
こと、基材中の気孔も少なく、Siの含浸状態が良いこ
とが確認された。
【0039】
【表2】 また、実験例1〜4は比較例1〜4に比べて高強度であ
ることも明らかに認められた。
【0040】膜と基材の付着力も特に実験例3、4では
優れている。
【0041】実験例5〜8 平均粒径の異なる3種類のSiCの粉末を表3に示す重
量比で合計が12部になるように配合した。次に、配合
したSiC混合粉末12部に対し水10部、バインダー
0.5部を配合し、樹脂製ポットに入れ、樹脂ボールを
加えて20rpmで20時間回転混合し、スラリーを得
た。
【0042】そのスラリーを回転円筒樹脂型(内容積が
直径150mm×長さ500mm)に鋳込み、400〜
2000rpmで高速回転させながら乾燥し、円筒状成
形体(外径150mm×長さ500mm、厚さ5mm)
を得た。
【0043】その成形体を炭素製治具で支持しながら3
00℃で2時間熱処理を行い、硬化体とした。この硬化
体を炭素製治具で支持しながらアルゴンで稀釈したHC
lガス雰囲気(濃度100ppm)中で、1500℃、
1時間の熱処理を行い、焼成体とした。
【0044】焼成体の内側に粒状Siを配置し、円筒状
焼成体を0.1rpmで回転させながら、アルゴン雰囲
気中、400Torr、1600℃にて熱処理を行い、
焼成体中にSiを含浸させ、Si−SiC基材を得た。
このSi−SiC基材をフッ化水素と硝酸の混酸中に浸
し、表面のSiを除去した後、表面を研削加工した。
【0045】次に四塩化ケイ素とメタンと水素ガスを
1:1:15の流量比で流しながら20Torrの減圧
下、1300℃で2時間反応を行い、円筒状のSi−S
iC基材の内面に厚さ40μmのSiC膜を形成した。
【0046】比較例5〜8 実験例5〜8と比較するために、比較例5〜8を作っ
た。すなわち、比較例5は平均粒径0.5μmのSiC
粉末を用意した。比較例6〜8は平均粒径の異なる種類
のSiC粉末を表3に示す重量比で配合した。
【0047】
【表3】 次に、配合したSiC混合粉末12部に対し水10部、
バインダー0.5部を配合し、樹脂製ポットに入れ、樹
脂ボールを加えて20rpmで20時間回転混合し、ス
ラリーを得た。
【0048】そのスラリーを回転円筒樹脂型(内容積が
直径150mm×長さ500mm)に鋳込み、400〜
2000rpmで高速回転させながら乾燥し、円筒状成
形体(外径150mm×長さ500mm、厚さ5mm)
を得た。
【0049】その成形体を炭素製治具で支持しながら3
00℃で2時間熱処理を行い、硬化体とした。この硬化
体を炭素製治具で支持しながらアルゴンで稀釈したHC
lガス雰囲気(濃度100ppm)中で、1500℃、
1時間の熱処理を行い、焼成体とした。
【0050】焼成体の内側に粒状Siを配置し、円筒状
焼成体を0.1rpmで回転させながら、アルゴン雰囲
気中、400Torr、1600℃にて熱処理を行い、
焼成体中にSiを含浸させ、Si−SiC基材を得た。
このSi−SiC基材をフッ化水素と硝酸の混酸中に浸
し、表面のSiを除去した後、表面を研削加工した。
【0051】次に四塩化ケイ素とメタンと水素ガスを
1:1:15の流量比で流しながら20Torrの減圧
下、1300℃で2時間反応を行い、円筒状のSi−S
iC基材の内面に厚さ40μmのSiC膜を形成した。
【0052】実験例5〜8と比較例5〜8の半導体製造
用炭化ケイ素質熱処理部材について断面顕微鏡観察およ
び圧環強度測定を行った。断面顕微鏡観察は実験例1〜
4と同様に行った。圧環強度測定は、得られた円筒状の
熱処理部材を15mmの幅に切断し、0.5mm/mi
nでヘッドを下げ、破壊に至る荷重から求めた。これら
の結果を表4に示す。この表4からも明らかなように、
実験例5〜8は比較例5〜8に比べて、基材とSiC膜
界面の気孔が少なく、密着性が良いこと、基材中の気孔
も少なく、Siの含浸状態が良いことが確認された。
【0053】
【表4】 また、実験例5〜8は比較例5〜8に比べて高強度であ
ることも明らかに認められた。
【0054】実験例9〜12 平均粒径15μmのSiC粉末10重量部に炭素粉1重
量部、アセトン10重量部、フェノールレジン1重量部
を配合した。これらの配合物を樹脂製ポットに入れ、樹
脂ボールを加えて、20rpmで2時間回転混合し、ス
ラリーを得た。
【0055】得られたスラリーをスプレードライヤーを
用いて噴霧造粒して造粒粉を得た。次に造粒粉を成形し
て板状成形体と円筒状の成形体を得た。
【0056】板状の成形体は、造粒粉を金型プレスによ
り600kgf/cm2 の圧力で縦50mm×横50m
m×厚さ5mmの寸法に成形して得た。円筒状の成形体
は、外径145mm×長さ500mmのマンドレルとそ
れを覆う形のゴム型の隙間に造粒粉を充填し、静水圧プ
レスにより1000kgf/cm2 の圧力で外径150
mm×長さ500mm×厚さ6〜8mmに成形して得
た。
【0057】成形体を300℃で5時間加熱して硬化さ
せ、硬化体を得た。硬化体を炭素製治具で支持しなが
ら、アルゴン雰囲気炉で1600〜2200℃にて2時
間焼成して焼成体を得た。板状の焼成体は2.9mm×
3.9mm×40mmの直方体および直径10mm×厚
さ5mmの円筒体に切り出した。円筒状の焼成体は外周
を研削して、外径150mm×長さ500mm×厚さ5
mmに加工した。
【0058】次に、焼成体に有機ケイ素化合物(ポリカ
ルボシランまたはエチルシリケート)を含浸させ、加熱
してSiCに転換させた。
【0059】ポリカルボシランの含浸および熱処理は次
のように行った。すなわち、ポリカルボシラン(分子量
約1500)を濃度の調節をしながらトルエン中に溶解
し、これに前述の焼成体を浸して、表面近傍に含浸を行
った。その焼成体を還元雰囲気中で徐々に加熱し、最高
温度1500℃に1時間保持し、ポリカルボシランをS
iCに転換した。
【0060】エチルシリケートの含浸および熱処理は次
のように行った。すなわち、エチルシリケートを密閉容
器にいれ、これに前述の焼成体を浸して蓋をし、真空ポ
ンプで容器中の空気を排気し、減圧含浸を行った。この
焼成体を容器から取り出し、還元雰囲気中で徐々に加熱
していって、最高温度1500℃に30分間保持し、エ
チルシリケートをSiCに転換した。
【0061】次に、これらの樹脂含浸させた焼成体を、
純化炉にて1000〜1800℃下で、アルゴンで稀釈
したHClガス(70ppm)を流通させながら30分
間の純化処理を行った。この焼成体を金属Siと共にS
i含浸炉にセットし、アルゴン雰囲気中、300〜50
0Torr、温度1500〜1600℃で加熱しながら
Siを含浸させ、Si−SiC基材を得た。このSi−
SiC基材をフッ化水素と硝酸の混酸中に浸し、表面に
吹き出したSiを除去した後、研削加工した。
【0062】次に、このSi−SiC基材をコーティン
グ炉にいれ、四塩化ケイ素とメタンを1:1の流量比で
流し、それと同様に15倍の稀釈水素ガスをキャリヤー
として炉内に流し、20Torrの減圧下、1300℃
で2時間加熱し、SiC膜をコーティングした。
【0063】これらの工程において、成形体の形状およ
び有機ケイ素化合物の含浸・熱処理方法の組み合わせを
変え、表5に示すとおり実験例9〜12を行った。
【0064】
【表5】 比較例9〜10 実験例9〜12と比較するために、表5に示すように比
較例9〜10を作った。すなわち、平均粒径15μmの
SiC粉末10重量部に炭素粉1重量部、アセトン10
重量部、フェノールレジン1重量部を配合した。これら
の配合物を樹脂製ポットに入れ、樹脂ボールを加えて、
20rpmで2時間回転混合し、スラリーを得た。
【0065】得られたスラリーをスプレードライヤーを
用いて噴霧造粒して造粒粉を得た。次に造粒粉を成形し
て板状成形体と円筒状の成形体を得た。
【0066】板状の成形体は、造粒粉を金型プレスによ
り600kgf/cm2 の圧力で縦50mm×横50m
m×厚さ5mmの寸法に成形して得た。円筒状の成形体
は、外径145mm×長さ500mmのマンドレルとそ
れを覆う形のゴム型の隙間に造粒粉を充填し、静水圧プ
レスにより1000kgf/cm2 の圧力で外径150
mm×長さ500mm×厚さ6〜8mmに成形して得
た。
【0067】成形体を300℃で5時間加熱して硬化さ
せ、硬化体を得た。硬化体を炭素製治具で支持しなが
ら、アルゴン雰囲気炉で1600〜2200℃にて2時
間焼成して焼成体を得た。板状の焼成体は2.9mm×
3.9mm×40mmの直方体および直径10mm×厚
さ5mmの円筒体に切り出した。円筒状の焼成体は外周
を研削して、外径150mm×長さ500mm×厚さ5
mmに加工した。
【0068】次に、これらの焼成体を、有機ケイ素化合
物を含浸させずに、純化炉にて1000〜1800℃下
で、アルゴンで稀釈したHClガス(70ppm)を流
通させながら30分間の純化処理を行った。この焼成体
を金属Siと共にSi含浸炉にセットし、アルゴン雰囲
気中、300〜500Torr、温度1500〜160
0℃で加熱しながらSiを含浸させ、Si−SiC基材
を得た。このSi−SiC基材をフッ化水素と硝酸の混
酸中に浸し、表面に吹き出したSiを除去した後、研削
加工した。
【0069】次に、このSi−SiC基材をコーティン
グ炉にいれ、四塩化ケイ素とメタンを1:1の流量比で
流し、それと同様に15倍の稀釈水素ガスをキャリヤー
として炉内に流し、20Torrの減圧下、1300℃
で2時間加熱し、SiC膜をコーティングした。
【0070】実験例9〜12と比較例9〜10の半導体
製造用炭化ケイ素質熱処理部材について、前述の実験例
1〜8と同様に、断面顕微鏡観察、曲げ強度測定、膜と
基材の付着力測定、圧環強度測定を行った。断面顕微鏡
観察の結果を図1に、測定の結果を表5に示す。
【0071】図2及び図3より明らかなように、実験例
9及び10では界面の気孔はほとんど無くなり、膜と基
材は良く密着していた。
【0072】また表5からも明らかなように、実験例9
〜12は、比較例9および10と比べて高強度を示し
た。実験例10及び12は比較例10に比べて大きな密
着力を示した。
【0073】
【発明の効果】Si−SiC基材とSiC膜の界面にお
いて、SiCの占める面積が大きいため、密着性の良い
SiC粒子とSiC膜の接触面積が増して、基材とSi
C膜との密着性が改善された。
【0074】また、SiCとSiC膜との間の気孔が小
さくなる。また気孔が発生しても均一に分散する。その
ため、気孔への応力集中による亀裂や破損が減り、強度
が向上する。
【0075】さらに、基材にSiを含浸するのに十分な
空隙があるので、バルク内に巣(未含浸部)が残りにく
い。
【0076】本発明では微粉と粗粉の両方を使用してい
るので、原料の製造が経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)実験例1〜4のSiC膜近傍の切断面の
状態を示す図である。 (B)実験例1〜4のSiC膜近傍以外の切断面の状態
を示す図である。
【図2】実験例9のSiC膜近傍の切断面の状態を示す
図である。
【図3】実施例3における実験例10のSiC膜近傍の
状態を示す図である。
【符号の説明】
1 SiC粒子 2 Si 3 SiC膜 4 気孔 ◆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 C01B 31/36 C04B 35/56 - 35/58 H01L 21/20 - 21/288

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素と金属ケイ素の複合材よりな
    る基材と、前記基材の表面に設けた炭化ケイ素膜よりな
    り、前記炭化ケイ素膜を前記基材の少なくとも被処理物
    を配置する側の表面に被覆し、前記基材の炭化ケイ素結
    晶粒子のうち前記炭化ケイ素膜近傍の平均粒子径が基材
    の他の部分の炭化ケイ素結晶粒子の平均粒子径より小さ
    いことを特徴とする半導体製造用炭化ケイ素質熱処理部
    材。
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