JP2000143359A - 炭化ケイ素焼結体の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素焼結体の製造方法

Info

Publication number
JP2000143359A
JP2000143359A JP10317954A JP31795498A JP2000143359A JP 2000143359 A JP2000143359 A JP 2000143359A JP 10317954 A JP10317954 A JP 10317954A JP 31795498 A JP31795498 A JP 31795498A JP 2000143359 A JP2000143359 A JP 2000143359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
silicon carbide
carbon
green body
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10317954A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Odaka
文雄 小高
Keichi Takahashi
佳智 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP10317954A priority Critical patent/JP2000143359A/ja
Publication of JP2000143359A publication Critical patent/JP2000143359A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5093Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials with elements other than metals or carbon
    • C04B41/5096Silicon

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な装置を必要とせず、外観に優れた表
面状態を有し、高純度、高密度、高強度で均一な特性を
有する炭化ケイ素焼結体の製造方法を提供する。 【解決手段】 炭化ケイ素粉末と、炭素源からなる有機
物質又は炭素粉末と、を溶媒中で溶解、分散して、スラ
リー状の混合粉体を製造する工程と、スラリー状の混合
粉体を成形型に流し込み、乾燥して、グリーン体を製造
する工程と、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、炭素
繊維集合体の一端をグリーン体に接触させ、炭素繊維集
合体の他端を、1450〜1700℃に溶融した金属シ
リコン中に浸漬させて、毛細管現象により炭素繊維集合
体を介し金属シリコンをグリーン体中の気孔に浸透させ
る工程と、浸透させたシリコンと、グリーン体中の遊離
炭素と、を反応せしめて炭化ケイ素を生成させてグリー
ン体中の気孔を埋める工程と、を有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置用
部品、電子情報機器用部品、真空装置等の構造用部品と
して有用な高純度、高密度、高強度な炭化ケイ素焼結体
の反応焼結法による製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭化ケイ素は1000℃を超
える高温下においても良好な強度、耐熱性、耐熱衝撃
性、耐摩耗性を有することから高温領域で使用される材
料として注目されおり、近年、半導体の製造冶具として
石英の代替材料として使用されている。上記の炭化ケイ
素からなる焼結体を製造する方法の一つとして、反応焼
結法がある。この反応焼結法は、先ず、炭化ケイ素粉末
と、炭素源からなる有機物質又は炭素粉末とを溶媒中に
溶解、分散し、スラリー状の混合粉体を製造する。次
に、得られた混合粉体を鋳込み成形型、押出し成形型、
プレス成形型等に流し込み乾燥させ、グリーン体を得
る。次に、得られたグリーン体を真空雰囲気又は不活性
ガス雰囲気下、加熱し、溶融した金属シリコン中に浸漬
し、グリーン体中の遊離炭素と毛細現象によりグリーン
体中に浸透したシリコンとを反応させることにより炭化
ケイ素焼結体を得る方法である。この方法は、図2の模
式図に示すように、グリーン体10をクリップ12で把
持し、加熱、溶融した金属シリコン14を満たした容器
16に、少なくともグリーン体10下端部が金属シリコ
ン14に浸漬するように上部から下ろし、所定時間その
状態を保持して金属シリコン14をグリーン体10内の
空隙に浸透させて、グリーン体中の遊離炭素と浸透した
シリコンとの反応により炭化ケイ素焼結体を得る方法で
ある。しかしながら、この方法には、高温雰囲気下で、
グリーン体10を把持して搬送し、金属シリコン容器1
6への浸漬、引き上げを行う耐熱性の装置を必要とする
ため、装置全体が複雑となり、さらに、この方法では、
グリーン体10を溶融した金属シリコン14を満たした
容器16上部に保持するため、蒸発した金属シリコン1
4がグリーン体10表面に付着して析出し、表面に金属
シリコンの被膜が形成されたり、溶融したシリコンがグ
リ−ン体中に均一に浸透しない等の現象が起こりやす
く、結果として、得られた炭化ケイ素焼結体が、均一性
を欠いたり、かさ比重が低いなど、十分な強度を得るこ
とができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複雑
な装置を必要とせず、外観に優れた表面状態を有し、高
純度、高密度、高強度で均一な特性を有する炭化ケイ素
焼結体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の浸透方法を用いることにより、この目
的にかなう炭化ケイ素焼結体を製造しうることを見いだ
し、本発明を完成した。即ち、本発明の炭化ケイ素の製
造方法は以下の構成を有する。 [1]炭化ケイ素粉末と、少なくとも1種の炭素源から
なる有機物質又は炭素粉末と、を溶媒中で溶解、分散し
て、スラリー状の混合粉体を製造する工程と、該スラリ
ー状の混合粉体を成形型に流し込み、乾燥して、グリー
ン体を製造する工程と、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲
気下、炭素繊維集合体の一端を該グリーン体に接触さ
せ、炭素繊維集合体の他端を、1450〜1700℃に
加熱・溶融した金属シリコン中に浸漬させて、毛細管現
象により炭素繊維集合体を介し金属シリコンをグリーン
体中の気孔に浸透させる工程と、該浸透させたシリコン
と、グリーン体中の遊離炭素と、を反応せしめて炭化ケ
イ素を生成させてグリーン体中の気孔を埋める工程と、
を有することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方
法。
【0004】[2]少なくとも1種のケイ素化合物を含
むケイ素源と、少なくとも1種の加熱により炭素を生成
する有機化合物を含む炭素源と、重合触媒又は架橋触媒
と、を溶媒中で溶解し、乾燥した後、得られた粉末を非
酸化性雰囲気下で焼成して炭化ケイ素粉末を製造する工
程と、該炭化ケイ素粉末と、少なくとも1種の炭素源か
らなる有機物質又は炭素粉末と、を溶媒中で溶解、分散
して、スラリー状の混合粉体を製造する工程と、該スラ
リー状の混合粉体を成形型に流し込み、乾燥してグリー
ン体を製造する工程と、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲
気下、炭素繊維集合体の一端を該グリーン体に接触さ
せ、炭素繊維集合体の他端を、1450〜1700℃に
加熱・溶融した金属シリコン中に浸漬させて、毛細管現
象により炭素繊維集合体を介し金属シリコンをグリーン
体中の気孔に浸透させる工程と、該浸透させたシリコン
と、グリーン体中の遊離炭素と、を反応せしめて炭化ケ
イ素を生成させてグリーン体中の気孔を埋める工程と、
を有することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方
法。
【0005】本発明の炭化ケイ素焼結体の製造方法にお
いては、加熱・溶融した金属シリコンをグリーン体に浸
透させる際に、溶融した金属シリコンを、例えば紐状等
の炭素繊維集合体を介して、炭素繊維集合体に形成され
た微細な空隙中を毛細管現象の機能を用いて搬送し、グ
リーン体中の気孔に浸透させるものであり、溶融した金
属シリコン浴に炭素繊維集合体の一端を浸漬し、他端を
グリーン体に接触或いは巻き付ける手段により浸透が実
施できるため、加熱・溶融した金属シリコンにグリーン
体を接触或いは浸漬させる従来の方法に比較して、均一
な浸透が可能となり、また、グリーン体搬送のための引
き上げ装置が不要であり、さらに、溶融した金属シリコ
ン浴とグリーン体との距離をある程度離間させることが
できるため、蒸発した金属シリコンがグリーン体表面に
付着して冷却により金属シリコンが析出し、表面に所望
されない金属シリコン被膜が形成される現象を効果的に
防止しうる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明の炭化ケイ素焼結体の製造方法は、炭化
ケイ素粉末を製造する工程と、炭化ケイ素粉末からスラ
リー状の混合粉体を製造する工程と、スラリー状の混合
粉体からグリーン体を製造する工程と、グリーン体から
炭化ケイ素焼結体を製造する工程とを有し、特に、グリ
ーン体から炭化ケイ素焼結体を製造する工程に特徴があ
る。本発明において、グリーン体とは、スラリー状の混
合粉体から溶媒を除去して得られる、多くの気孔が内在
する反応焼結前の炭化ケイ素成形体のことを指す。
【0007】前記炭化ケイ素粉末を製造する工程は、少
なくとも1種以上のケイ素化合物を含むケイ素源と、少
なくとも1種以上の加熱により炭素を生成する有機化合
物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、を溶媒中で溶
解し、乾燥した後、得られた粉末を非酸化性雰囲気下で
焼成する工程である。
【0008】前記炭化ケイ素粉末からスラリー状の混合
粉体を製造する工程は、炭化ケイ素粉末と、少なくとも
1種以上の炭素源からなる有機物質又は炭素粉末と、を
溶媒中に溶解、分散して、スラリ−状の混合粉体を製造
する工程である。溶媒中に溶解、分散時に、十分に攪拌
混合すること等により、均一で安定なスラリー状の混合
粉体を調製すれば、後に続くグーン体を製造する工程に
より得られるグリーン体は内部に気孔が均一に分散され
たものとなる。均一で安定なスラリー状の混合粉体の調
製には、攪拌混合条件を調整する、分散助剤を添加する
等の手段が挙げられる。
【0009】混合粉体の原料である炭化ケイ素粉末は、
焼結体の純度の観点から、高純度品を用いることが好ま
しいが、高純度の市販品原料の調達は困難であり、これ
らのスラリー状の混合粉体を調製する工程に先立って、
高純度炭化ケイ素粉末を製造する工程を実施することが
好ましい。ここで、高純度炭化ケイ素粉体の製造方法に
ついて、詳細に説明する。本発明において、炭化ケイ素
焼結体の原料として用いられる炭化ケイ素粉末は、α
型、β型、非晶質或いはこれらの混合物等が挙げられ
る。また、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るためには、
原料の炭化ケイ素粉末として、高純度の炭化ケイ素粉末
を用いることが好ましい。
【0010】このβ型炭化ケイ素粉末のグレードには特
に制限はなく、例えば、一般に市販されているβ型炭化
ケイ素粉末を用いることができる。
【0011】炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度化の観点
からは、小さいことが好ましく、具体的には、0.01
〜10μm程度、さらに好ましくは、0.05〜5μm
である。粒径が、0.01μm未満であると、計量、混
合等の処理工程における取扱いが、困難となり易く、1
0μmを超えると、比表面積が小さく、即ち、隣接する
粉末との接触面積が小さくなり、高密度化し難くなるた
め、好ましくない。
【0012】高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、少な
くとも1種以上のケイ素化合物を含むケイ素源と、少な
くとも1種以上の加熱により炭素を生成する有機化合物
を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、を溶媒中で溶解
し、乾燥した後、得られた粉末を非酸化性雰囲気下で焼
成する工程により得ることができる。
【0013】前記ケイ素化合物を含むケイ素源(以下、
適宜、ケイ素源と称する)としては、液状のものと固体
のものとを併用することができるが、少なくとも1種は
液状のものから選ばれなくてはならない。液状のものと
しては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ−、テ
トラ−)及びテトラアルコキシシランの重合体が用いら
れる。アルコキシシランの中ではテトラアルコキシシラ
ンが好適に用いられ、具体的には、メトキシシラン、エ
トキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン等が
挙げられるが、ハンドリングの点からはエトキシシラン
が好ましい。また、テトラアルコキシシランの重合体と
しては、重合度が2〜15程度の低分子量重合体(オリ
ゴマー)及びさらに重合度が高いケイ酸ポリマーで液状
のものが挙げられる。これらと併用可能な固体状のもの
としては、酸化ケイ素が挙げられる。本発明において酸
化ケイ素とは、SiOの他、シリカゾル(コロイド状超
微細シリカ含有液、内部にOH基やアルコキシル基を含
む)、二酸化ケイ素(シリカゲル、微細シリカ、石英粉
末)等を含む。これらケイ素源は、単独で用いてもよい
し、2種以上併用してもよい。
【0014】これらケイ素源の中でも、均質性やハンド
リング性が良好な観点から、テトラエトキシシランのオ
リゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微粉
末シリカとの混合物等が好適である。また、これらのケ
イ素源は高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有量
が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以下
であることがさらに好ましい。
【0015】前記加熱により炭素を生成する有機化合物
を含む炭素源(以下、適宜、炭素源と称する)として
は、液状のものの他、液状のものと固体のものとを併用
することができ、残炭率が高く、且つ触媒若しくは加熱
により重合又は架橋する有機化合物、具体的には例え
ば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウ
レタン、ポリビニルアルコール等の樹脂のモノマーやプ
レポリマーが好ましく、その他、セルロース、蔗糖、ピ
ッチ、タール等の液状物が挙げられ、特にレゾール型フ
ェノール樹脂が好ましい。これら炭素源は、単独で用い
てもよいし、2以上併用してもよい。また、その純度は
目的により適宜制御選択が可能であるが、特に高純度の
炭化ケイ素粉末が必要な場合には、各金属を5ppm以
上含有していない有機化合物を用いることが望ましい。
【0016】高純度の炭化ケイ素粉末の製造に用いられ
る重合及び架橋触媒としては、炭素源に応じて適宜選択
でき、炭素源がフェノール樹脂やフラン樹脂の場合、ト
ルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう
酸、硫酸等の酸類が挙げられる。これらの中でも、トル
エンスルホン酸が好適に用いられる。
【0017】本発明に使用される原料粉末である高純度
炭化ケイ素粉末を製造する工程における、炭素とケイ素
の比(以下、C/Si比と略記)は、混合物を1000
℃にて炭化して得られる炭化物中間体を、元素分析する
ことにより定義される。化学量論的には、C/Si比が
3.0の時に生成炭化ケイ素中の遊離炭素が0%となる
はずであるが、実際には同時に生成するSiOガスの揮
散により低C/Si比において遊離炭素が発生する。こ
の生成炭化ケイ素粉末中の遊離炭素量が焼結体等の製造
用途に適当でない量にならないように予め配合を決定す
ることが重要である。通常、1気圧近傍で1600℃以
上での焼成では、C/Si比を2.0〜2.5にすると
遊離炭素を抑制することができ、この範囲を好適に用い
ることができる。C/Si比を2.5以上にすると遊離
炭素が顕著に増加するが、この遊離炭素は粒成長を抑制
する効果を持つため、粒子形成の目的に応じて適宜選択
しても良い。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧で焼成
する場合は、純粋な炭化ケイ素を得るためのC/Si比
は変動するので、この場合は必ずしも前記C/Si比の
範囲に限定するものではない。
【0018】本発明において、ケイ素源と加熱により炭
素を生成する有機化合物を含む炭素源とを、溶媒中に溶
解し、乾燥して粉末を得るために、ケイ素源と該有機化
合物含む炭素源との混合物を硬化して粉末とすることも
必要に応じて行われる。硬化の方法としては、加熱によ
り架橋する方法、硬化触媒により硬化する方法、電子線
や放射線による方法が挙げられる。硬化触媒としては、
炭素源に応じて適宜選択できるが、フェノール樹脂やフ
ラン樹脂の場合には、トルエンスルホン酸、トルエンカ
ルボン酸、酢酸、しゅう酸、塩酸、硫酸、マレイン酸等
の酸類、ヘキサミン等のアミン類等を用いる。これらの
混合触媒を溶媒に、溶解又は分散させて混合させる。溶
媒としては、低級アルコール(例えばエチルアルコール
等)、エチルエーテル、アセトン等が挙げられる。
【0019】ケイ素源と加熱により炭素を生成する有機
化合物を含む炭素源とを、溶媒中に溶解し、乾燥した粉
末は、加熱炭化される。これは窒素又はアルゴン等の非
酸化性雰囲気中800℃〜1000℃にて30分〜12
0分間、該粉末を加熱することにより行われる。
【0020】さらに、この炭化物をアルゴン等の非酸化
性雰囲気中1350℃〜2000℃で加熱することによ
り炭化ケイ素が生成する。焼成温度と時間は希望する粒
径等の特性に応じて適宜選択できるが、より効率的な生
成のためには1600℃〜1900℃での焼成が望まし
い。
【0021】また、より高純度の炭化ケイ素粉末を必要
とする時には、前述の焼成時に2000〜2100℃に
て5〜20分間加熱処理を施すことにより不純物をさら
に除去できる。
【0022】前記方法よりさらに高純度の炭化ケイ素粉
末を得る方法としては、本願出願人が先に出願した特開
平9−48605号の単結晶の製造方法に記載の原料粉
末の製造方法、即ち、高純度のテトラアルコキシシラ
ン、テトラアルコキシシラン重合体から選択される1種
以上をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度
有機化合物を炭素源とし、これらを均質に混合して得ら
れた混合物を非酸化性雰囲気下において加熱焼成して炭
化ケイ素粉末を得る炭化ケイ素生成工程と、得られた炭
化ケイ素粉末を、1700℃以上2000℃未満の温度
に保持し、該温度の保持中に、2000℃〜2100℃
の温度において5〜20分間にわたり加熱する処理を少
なくとも1回行う後処理工程とを含み、前記2工程を行
うことにより、各不純物元素の含有量が0.5ppm以
下である炭化ケイ素粉末を得ること、を特徴とする高純
度炭化ケイ素粉末の製造方法等を利用することができ
る。この様にして得られた炭化ケイ素粉末は、大きさが
不均一であるため、解粉、分級により前記粒度に適合す
るように処理する。
【0023】次に、炭化ケイ素粉末からスラリー状の混
合粉体を製造する工程についてさらに詳しく説明する。
炭化ケイ素粉末からスラリー状の混合粉体を製造する工
程は、炭化ケイ素粉末と、少なくとも1種以上の炭素源
からなる有機物質又は炭素粉末と、を溶媒中に溶解又は
分散して、スラリ−状の混合粉体を製造するが、溶媒中
に溶解、分散時に、十分に攪拌混合することにより、グ
リーン体中に均一に気孔を分散させることができる。
【0024】炭化ケイ素粉末からスラリー状の混合粉体
を製造する工程において、前記炭化ケイ素粉末と共に用
いられる炭素源からなる有機物質としては、加熱により
炭素を生成する、有機化合物が挙げられる。炭素源から
なる有機物質は、単独で用いてもよく、複数種を併用し
てもよく、さらに、後述する炭素粉末と併用して用いて
もよい。
【0025】加熱により炭素を生成する有機化合物とし
ては、残炭率の高いコールタールピッチ、ピッチター
ル、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノキシ樹脂やグルコース等の単糖類、蔗糖等の少糖類、
セルロース、デンプン等の多糖類などの等の各種糖類が
挙げられる。これらは炭化ケイ素粉末と均質に混合する
という目的から、常温で液状のもの、溶媒に溶解するも
の、熱可塑性或いは熱融解性のように加熱することによ
り軟化するもの或いは液状となるものが好適に用いられ
るが、なかでも、得られる成形体の強度が高いフェノー
ル樹脂、特に、レゾール型フェノール樹脂が好適であ
る。
【0026】炭化ケイ素粉末からスラリー状の混合粉体
を製造する工程において、前記炭化ケイ素粉末と共に用
いられる炭素粉末としては、カーボンブラック、アセチ
レンブラック等の熱分解カーボン、黒鉛、活性炭、及び
水分散性カーボンが挙げられれ、カーボンブラックが特
に好ましい。
【0027】炭化ケイ素粉末からスラリー状の混合粉体
を製造する工程(以下、適宜、スラリー調製工程と称す
る)において、炭化ケイ素粉末と、炭素源からなる有機
物質又は炭素粉末とを溶媒中に溶解、分散して、スラリ
ー状の混合粉体を製造するにあたって用いる溶媒として
は、水でもよいが、例えば加熱により炭素を生成する好
適な有機化合物であるフェノール樹脂に対しては、エチ
ルアルコール等の低級アルコール類やエチルエーテル、
アセトン等が好ましいものとして挙げられる。このスラ
リー調製工程で用いられる炭素源からなる有機物質、炭
素粉末、及び溶媒についても不純物の含有量が低いもの
を使用することが好ましいことはいうまでもない。
【0028】炭化ケイ素粉末等を用いてスラリー調製工
程においは、粉末の分散安定性向上の目的で、有機バイ
ンダーを添加してもよい。有機バインダーとしては、解
膠剤、粉体粘着剤等が挙げられ、解膠剤としては、例え
ばポリアクリル酸アンモニウム塩等が好適に用いられ
る。粉体粘着剤としては、ポリビニルアルコール、ウレ
タン樹脂(例えば水溶性ポリウレタン)等が好適に用い
られる。また、その他、消泡剤を添加してもよい。消包
剤としては、シリコーン消泡剤等が挙げられる。
【0029】炭化ケイ素粉末と混合される炭素源からな
る有機物質の添加量は、炭素量として、10%〜50%
が好ましく、さらに好ましくは15%〜40%である。
10%未満であるとグリーン体から炭化ケイ素焼結体を
製造する工程でシリコンを浸透させSiCに転化させる
際、炭素が不足し、反応に預からないSiが気孔内に5
%以上残ることになるため導電性が得られ難くなる。ま
た、50%を超えるとスラリーのチクソトロッピクが大
きくなり易く、成形性が劣る傾向があり、実用上実施で
きないことがある。
【0030】本発明において、各工程の攪拌混合は、公
知の攪拌混合手段、例えば、ミキサー、遊星ボールミル
などによって行うことができる。攪拌混合は、10〜3
0時間、特に、16〜24時間にわたって行うことが好
ましい。
【0031】スラリー状の混合粉体からグリーン体を製
造する工程について詳しく説明する。スラリー状の混合
粉体を型に流し込み成形するには、一般的に鋳込み成形
が好適に用いられる。スラリー状の混合粉体を鋳込み成
形時の成形型に流し込み、放置、脱型した後、40〜6
0℃の温度条件下で加熱乾燥又は自然乾燥して溶媒を除
去することにより、規定寸法のグリーン体を得ることが
できる。通常、加熱乾燥が好ましく、乾燥は50℃〜8
0℃程度で10〜30時間行う。なお、引き続き金属シ
リコンを浸透させる工程に付す前にこのグリーン体を温
度条件1200〜2400℃、保持時間10〜120分
間程度、仮焼きして、仮焼グリーン体とすることもでき
る。引く続く工程の金属シリコンの浸透性の観点から
は、仮焼きグリーン体とすることが好ましいが、目的と
する焼結体が体積の小さい、機械器具部品などであれ
ば、必ずしも仮焼工程を要しない。大きな体積の焼結体
を製造する場合には仮焼きを行うことが製造効率上好ま
しく、これは、仮焼工程において、グリーン体の空隙内
に残存する溶媒が完全に除去され、金属シリコンの毛細
管現象による浸透性が向上し、大きな面積のグリーン体
内の空隙を短時間で金属シリコンが充填しうるためと考
えられる。
【0032】グリーン体(仮焼グリーン体を含む)から
炭化ケイ素焼結体を製造する工程についてさらに詳しく
説明する。前記のごとくして得られたグリーン体に金属
シリコンを浸透させて、該シリコンとグリーン体中に存
在する遊離炭素とを反応させることにより生成した炭化
ケイ素でグリーン体中の気孔を埋めて高密度の炭化ケイ
素焼結体が得られるが、まず、真空雰囲気又は不活性ガ
ス雰囲気下、1450〜1700℃に加熱・溶融した金
属シリコンをグリーン体中の気孔に浸透させる工程を行
う。図1は、本発明の製造方法において、溶融した金属
シリコンをグリーン体中の気孔に浸透させる工程を実施
した状態の例を示す模式図である。図1に示すように、
金属シリコン14のグリーン体12中への浸透は、炭素
繊維集合体18を介して行う。炭素繊維集合体18の一
端をグリーン体10に接触させ、炭素繊維集合体18の
他端を、1450〜1700℃に加熱・溶融した金属シ
リコン14を満たした容器16中に少なくともグリーン
体10下端部を金属シリコン14に浸漬させると、液状
の金属シリコン14が毛細管現象により炭素繊維集合体
18の空隙中に浸透し、さらに、これを介しグリーン体
10中の気孔に徐々に浸透する。所定時間その状態を保
持して金属シリコン14をグリーン体10内の空隙に浸
透させる。グリーン体10中に浸透したシリコン14
は、グリーン10体中の遊離炭素と反応して炭化ケイ素
が生成し、この炭化ケイ素がグリーン体中の気孔を充填
するため、高密度の炭化ケイ素焼結体が得られる。シリ
コンと遊離炭素との反応は、炭化ケイ素粉末を製造する
工程で示したように1420〜2000℃程度の温度範
囲で起こるので、1450〜1700℃迄加熱された溶
融高純度金属シリコンがグリーン体中に浸透した段階
で、特別の操作を行うことなく、遊離炭素との反応が進
行する。
【0033】また、反応装置を図3に示すように炭素繊
維集合体18が貫通する開口部を設けた遮蔽壁20によ
り二室に分離する態様をとることもできる。遮蔽壁20
を設けることにより、製造する炭化ケイ素焼結体に対す
る蒸発金属シリコンの影響をさらに低下させることがで
きる。
【0034】高純度金属シリコンは、1450〜170
0℃迄、好ましくは、1550〜1650℃迄加熱して
溶融させるが、この溶融温度が1450℃未満では高純
度金属シリコンの粘性が上昇するため毛細管現象により
グリーン体に浸透しなくなり、また1700℃を超える
と蒸発が著しくなり炉体等に損傷を与えてしまう。ここ
で、溶融金属シリコンの浸透を持続させ、炭化ケイ素の
生成反応を速やかに生起させるため、炉内雰囲気温度も
1450〜1700℃の範囲内にあることが好ましい。
炭素繊維集合体を溶融金属シリコン中に浸漬してグリー
ン体へ金属シリコンを供給する時間は、炭素繊維集合体
の長さ、直径、炭素繊維集合体を構成する炭化繊維の長
さ、繊維径、さらに、グリ−ン体の空隙の大きさ、空隙
の総容量により適宜決定するが、一般的には、20分間
〜3時間程度である。
【0035】高純度金属シリコンとしては、粉末、顆
粒、塊状の金属シリコンが等が挙げられるが、溶融しや
すいという観点から、粒径2〜5mmの塊状の金属シリ
コンが好適に用いられる。本発明において、高純度金属
シリコンにおける高純度とは、不純物の含有量が1pp
m未満のものを意味する。
【0036】金属シリコンの浸透に使用される炭素繊維
集合体は、毛細管現象により溶融金属シリコンが浸透し
うる微細な空隙を炭素繊維間に形成しうるものであれば
特に制限はなく、炭素繊維が縒りコードのように束状或
いは紐状に集合したもの、炭素繊維がランダムに塊状に
集合したものを細長く成形したもの、不織布の如く繊維
同士が絡み合ってシート状に集合したもの等を挙げるこ
とができる。集合体を形成する炭素繊維にも特に制限は
なく、原料としてはポリアクリロニトリル(PAN)
系、レーヨン系、ピッチ系のいずれでもよく、サイズも
任意であり、集合体の形成しやすさや、形成される空隙
のサイズを考慮して適宜選択すればよい。好適な炭素繊
維集合体としては、1,500〜12,000デニール
(167〜1,335tex)程度のストランドを2〜
3本、撚数85〜220(回/m)の条件で撚り合わせ
たヤーン、かさ密度0.01〜0.5g/cm3 、見か
け厚さ1.0〜15.0mm程度のフェルト状炭素繊維
集合体を幅2〜8mm程度に切断して形成した紐状体等
が挙げられる。これらは、例えば、クレカスライバー/
ヤーン、クレカフェルト(いずれも呉羽化学社製の商品
名)等として入手可能である。炭素繊維集合体浸透中の
不純物の混入を防止するため、ここで用いる炭素繊維も
不純物を極力含まないものであることが好ましい。
【0037】繊維集合体をグリーン体に接触させる位置
は任意であり、グリーン体の形状により選択することが
でき、例えば、円筒状のグリーン体の場合、接触位置は
円筒の端面であっても側面であつてもよく、また、側面
の端部であっても、中央部であってもよいが、浸透効率
の観点からは、側面に接触させることが好ましい。ま
た。接触方法としては、集合体端部を単にグリーン体の
表面に接触させる方法、接触させた繊維集合体端部を別
の緻密体、例えば、黒鉛ブロック等でグリーン体表面に
押圧する方法、さらに、紐状の炭素繊維集合体を巻き付
けて接触させる方法等が挙げられるが、接触させた繊維
集合体端部をグリーン体表面に押圧する方法や紐状の炭
素繊維集合体を巻き付けて接触させる方法が浸透効率の
観点から好ましい態様である。
【0038】上記のように炭素繊維集合体を介すること
により、蒸発したシリコンの影響をほとんど受けること
なく、金属シリコンがグリ−ン体中に均一速度で浸透す
るため、グリ−ン体に均一に分散する遊離炭素と該シリ
コンとが徐々に反応して、生成した炭化ケイ素がグリー
ン体中の気孔を埋めることにより、高密度で且つ高強度
であり、均一な炭化ケイ素焼結体が得られる。以上の製
造方法により得られた炭化ケイ素焼結体は、十分に高密
度化されており、密度は2.9g/cm3 以上である。
【0039】本発明の製造方法により得られる炭化ケイ
素焼結体の不純物元素の総含有量は、10ppm以下、
好ましくは5ppm以下であるが、半導体工業分野への
適用の観点からは、これらの化学的な分析による不純物
含有量は参考値としての意味を有するに過ぎない。実用
的には、不純物が均一に分布しているか、局所的に偏在
しているかによっても、評価が異なってくる。従って、
当業者は一般的に実用装置を用いて所定の加熱条件のも
とで不純物がどの程度炭化ケイ素焼結体を汚染するかを
種々の手段により評価している。本発明の製造方法によ
れば、炭化ケイ素焼結体に含まれる不純物元素の総含有
量を10ppm以下にすることができる。なお、ここで
不純物元素とは、1989年IUPAC無機化学命名法
改訂版の周期律表における1族から16族元素に属し、
且つ、原子番号3以上であり、原子番号6〜8及び同1
4の元素を除く元素をいう。
【0040】上記の如き本発明の方法により得られた炭
化ケイ素焼結体は、使用目的に応じて、加工、研磨、洗
浄等の処理が行なわれる。本発明の製造方法で得られた
炭化ケイ素焼結体は、高強度で均一な特性を有するた
め、半導体製造部品、電子情報機器用部品等の使用に好
適に供することができる。
【0041】本発明の製造方法において、本発明の前記
加熱条件を満たしうるものであれば、特に製造装置等に
制限はなく、特段の装置を付加することなく、公知の加
熱炉内や反応装置を適宜選択して使用することができ
る。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の主旨を超えない限り本実施例に限定さ
れるものではない。 (実施例1)炭化ケイ素粉末として、中心粒径1.1μ
mの高純度炭化ケイ素粉末(特開平9−48605号に
記載の製造方法に準じて製造された不純物含有量5pp
m以下の炭化珪素:1.5重量%のシリカを含有)85
0g、炭素粉末としてカーボンブラック(HTC−S
L:新日化社製)150gを、解膠剤としてポリアクリ
ル酸アンモニウム9gとを溶解した水500gに入れ1
6時間ボールミルにて分散混合した後、粉体粘着剤とし
て水溶性ポリウレタン(三洋化成製「ユーコート」)3
0gと、シリコーン消泡剤(信越化学(株)製「KM7
2A」)10gを添加し、さらに10分間ボールミルで
分散混合し、粘度1.7ポイズのスラリ−状の混合粉体
を製造した。
【0043】このスラリ−状の混合粉体を長さ150m
m、直径10mmの円筒形石膏モールドに鋳込み、12
時間50℃で乾燥後、真空雰囲気下、1600℃で仮焼
した。昇温速度は800℃までは1℃/min、160
0℃までは5℃/minとし、保持時間は10分間とし
た。
【0044】得られた仮焼体を以下の方法によりアルキ
メデス法によるかさ密度、気孔率、3点曲げ試験による
曲げ強度の測定を行ったところ、かさ密度:1.83、
気孔率:34.3%、曲げ強度:13.3MPaであっ
た。次にグリーン体10を図1に示すように配置し、径
5mmのコード状炭素繊維集合体(蒸着用カーボンコー
ド、日新EM社製)18の一端をグリーン体10表面に
巻き付け、内径200mm、高さ200mmの黒鉛製の
るつぼ16内に配置した。内径60mm、高さ50mm
の黒鉛製のるつぼ17内に高純度金属シリコン粉末(粒
子径2〜5μm、高純度化学研究所製)を入れ、該容器
17中に前記カーボンコード18の他端をシリコン粉末
に触れるように挿入した。次いで、アルゴン雰囲気下で
1580℃まで昇温して30分間保持し、金属シリコン
粉末を溶融させ、毛細管現象により炭素繊維集合体18
を介してグリーン体10中に浸透した溶融金属シリコン
14とグリーン体の遊離炭素とを反応させて反応焼結さ
せ、炭化ケイ素焼結体を得た。
【0045】(実施例2)炭化ケイ素粉末を850gか
ら800g、カーボンブラックを150gから100g
に変えて粘度1ポイズのスラリーを得てそれを用いた以
外は実施例1と同様にして実施例2の炭化ケイ素焼結体
を製造した。
【0046】(実施例3)グリーン体10中央部にコー
ド状炭素繊維集合体18を巻き付けた以外は実施例1と
同様にして実施例3の炭化ケイ素焼結体を製造した。
【0047】(比較例1)コード状炭素繊維集合体18
を用いず、図2に示す装置を用いてグリーン体10をク
リップ12で把持し、加熱、溶融した金属シリコン14
を満たした容器16に、少なくともグリーン体10下端
部が金属シリコン14に浸漬するように上部から下ろ
し、30分間その状態を保持して金属シリコン14をグ
リーン体10中に浸透させた以外は、実施例1と同様に
して比較例1の炭化ケイ素焼結体を製造した。
【0048】<評価>得られた実施例1〜2及び比較例
1の炭化ケイ素焼結体について、それぞれアルキメデス
法によるかさ密度、気孔率の測定、3点曲げ試験による
曲げ強度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0049】(アルキメデス法による密度、気孔率の測
定法)炭化ケイ素焼結体の密度、気孔率の測定は、JI
S R1634に従って行った。
【0050】(3点曲げ試験)炭化ケイ素焼結体の3点
曲げ試験は、JIS R1601に従って行った。但
し、サンプル長さは60mm、スパンは50mmとし
た。
【0051】
【表1】
【0052】表1より、実施例1及び3の炭化ケイ素焼
結体は、比較例1の焼結体との対比において、同じ材料
を用いたにも係わらず、かさ密度、大きな差はないもの
の、気孔率がやや低く、曲げ強度に優れていることがわ
かった。炭化ケイ素の比率が高い実施例2の炭化ケイ素
焼結体も同様に気孔率が低く、曲げ強度に優れていた。
また、比較例1の焼結体には、表面に析出した金属シリ
コンに起因する金属光沢を有する被膜の形成が見られた
が、実施例の焼結体はいずれも均一で外観上優れた表面
状態であった。
【0053】
【発明の効果】以上により、本発明は、複雑な装置を必
要とせず、外観に優れた表面状態を有し、高純度、高密
度、高強度で均一な特性を有する炭化ケイ素焼結体の製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法における金属シリコンを炭
素繊維重合体を介してグリーン体中の気孔に浸透させる
工程の一態様を示す模式図である。
【図2】 従来の反応焼結法における金属シリコンをグ
リーン体中の気孔に浸透させる工程の一態様を示す模式
図である。
【図3】 金属シリコンを炭素繊維重合体を介してグリ
ーン体中の気孔に浸透させる工程を二室の反応炉を用い
て実施する態様を示す模式図である。
【符号の説明】
10 グリーン体 14 溶融した金属シリコン 16 金属シリコン容器(黒鉛るつぼ) 18 炭素繊維集合体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素粉末と、少なくとも1種の炭
    素源からなる有機物質又は炭素粉末と、を溶媒中で溶
    解、分散して、スラリー状の混合粉体を製造する工程
    と、 該スラリー状の混合粉体を成形型に流し込み、乾燥し
    て、グリーン体を製造する工程と、 真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、炭素繊維集合体の
    一端を該グリーン体に接触させ、炭素繊維集合体の他端
    を、1450〜1700℃に加熱・溶融した金属シリコ
    ン中に浸漬させて、毛細管現象により炭素繊維集合体を
    介し金属シリコンをグリーン体中の気孔に浸透させる工
    程と、 該浸透させたシリコンと、グリーン体中の遊離炭素と、
    を反応せしめて炭化ケイ素を生成させてグリーン体中の
    気孔を埋める工程と、 を有することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種のケイ素化合物を含むケ
    イ素源と、少なくとも1種の加熱により炭素を生成する
    有機化合物を含む炭素源と、重合触媒又は架橋触媒と、
    を溶媒中で溶解し、乾燥した後、得られた粉末を非酸化
    性雰囲気下で焼成して炭化ケイ素粉末を製造する工程
    と、 該炭化ケイ素粉末と、少なくとも1種の炭素源からなる
    有機物質又は炭素粉末と、を溶媒中で溶解、分散して、
    スラリー状の混合粉体を製造する工程と、 該スラリー状の混合粉体を成形型に流し込み、乾燥して
    グリーン体を製造する工程と、 真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、炭素繊維集合体の
    一端を該グリーン体に接触させ、炭素繊維集合体の他端
    を、1450〜1700℃に加熱・溶融した金属シリコ
    ン中に浸漬させて、毛細管現象により炭素繊維集合体を
    介し金属シリコンをグリーン体中の気孔に浸透させる工
    程と、 該浸透させたシリコンと、グリーン体中の遊離炭素と、
    を反応せしめて炭化ケイ素を生成させてグリーン体中の
    気孔を埋める工程と、 を有することを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方
    法。
JP10317954A 1998-11-09 1998-11-09 炭化ケイ素焼結体の製造方法 Pending JP2000143359A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10317954A JP2000143359A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 炭化ケイ素焼結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10317954A JP2000143359A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 炭化ケイ素焼結体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000143359A true JP2000143359A (ja) 2000-05-23

Family

ID=18093866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10317954A Pending JP2000143359A (ja) 1998-11-09 1998-11-09 炭化ケイ素焼結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000143359A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348288A (ja) * 2000-06-05 2001-12-18 Toshiba Corp 粒子分散シリコン材料およびその製造方法
JP2007176709A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Hokkaido Univ SiC含有シートの製造方法
JP2011162390A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Nihon Ceratec Co Ltd 複合材料の製造方法
KR101231437B1 (ko) * 2011-01-31 2013-02-07 엘지이노텍 주식회사 탄화 규소 소결체 및 이의 제조 방법
JP2016044118A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 三菱電機株式会社 炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法
US20200399185A1 (en) * 2018-03-13 2020-12-24 Ibiden Co., Ltd. Method for producing honeycomb structure
CN115894038A (zh) * 2022-12-30 2023-04-04 山东中鹏特种陶瓷有限公司 一种大尺寸碳化硅砂磨机内衬的制造工艺

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348288A (ja) * 2000-06-05 2001-12-18 Toshiba Corp 粒子分散シリコン材料およびその製造方法
JP2007176709A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Hokkaido Univ SiC含有シートの製造方法
JP2011162390A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Nihon Ceratec Co Ltd 複合材料の製造方法
KR101231437B1 (ko) * 2011-01-31 2013-02-07 엘지이노텍 주식회사 탄화 규소 소결체 및 이의 제조 방법
JP2016044118A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 三菱電機株式会社 炭素繊維強化炭化珪素成形体の製造方法
US20200399185A1 (en) * 2018-03-13 2020-12-24 Ibiden Co., Ltd. Method for producing honeycomb structure
US11866378B2 (en) * 2018-03-13 2024-01-09 Ibiden Co., Ltd. Method for producing honeycomb structure
CN115894038A (zh) * 2022-12-30 2023-04-04 山东中鹏特种陶瓷有限公司 一种大尺寸碳化硅砂磨机内衬的制造工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4513030A (en) Method of producing silicon carbide articles
US6699411B2 (en) Method for producing high purity silicon carbide sintered body
EP1103532B1 (en) Process for the production of a silicon carbide sintered body
JP4589491B2 (ja) 炭化ケイ素粉末、グリーン体の製造方法、及び炭化ケイ素焼結体の製造方法
US20060046920A1 (en) Silicon carbide sintered product and method for production thereof
JP4260629B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2000143359A (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
EP1691398B1 (en) Ceramic heater unit
JP2008143748A (ja) 反りのない炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
US20060240287A1 (en) Dummy wafer and method for manufacturing thereof
JP4068825B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2000143347A (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
US6387834B1 (en) Sintered silicon carbide body and method for producing the same
JP2001019548A (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP4376479B2 (ja) Si−SiC複合材の製造方法
JPH11171652A (ja) 炭化珪素焼結体の製造方法
JP4361989B2 (ja) セラミックの製造方法、及び炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP2001048651A (ja) 炭化ケイ素質焼結体及びその製造方法
JP2000109376A (ja) セラミック多孔質体の製造方法
JP2000109375A (ja) セラミック多孔質体
JP2001019551A (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP2002128565A (ja) 炭化ケイ素質球状体及びその製造方法
JP2001146473A (ja) 炭化ケイ素多孔質体の製造方法
JP2000169236A (ja) セラミックス焼結体の成形方法
JP2002120214A (ja) 炭化ケイ素質円筒体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081014

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090331