JP2005298304A - 高緻密質炭化ケイ素セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

高緻密質炭化ケイ素セラミックスおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 緻密かつ高剛性の炭化ケイ素セラミックスとその製造方法を提供する。
【解決手段】 酸化アルミニウム1〜10質量%と希土類酸化物1〜10質量%とを含み残部がケイ素および不可避的不純物からなり、かつ前記酸化アルミニウム中のアルミニウムと前記希土類酸化物中の希土類元素との比率がモル比で95:5〜65:35の範囲である原料粉末を成形してなる成形体を、原料粉末と同じ成分範囲からなる混合粉末中に埋め込んで、不活性ガス雰囲気中で1750〜2100℃で常圧焼成を行う製造方法である。この製造方法によって、密度が3.10g/cm以上、ヤング率が405GPa以上であることを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスが得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、精密部材、光学部材、耐熱部材、摺動部材として有用な炭化ケイ素焼結体およびその製造方法に関するものである。
炭化ケイ素(SiC)セラミックスは、化学的に安定な材料であり、耐食性、耐摩耗性、耐熱性等の特性に優れた材料として、実用化が進められている。また、セラミックスの中でも高熱伝導率を有する材料として、注目されている。
しかし、炭化ケイ素は、共有結合性が高く熱的に安定な材料であるため、難焼結性であることが知られている。このため、炭化ケイ素焼結体の製造においては、焼結助剤を使用することが必要である。炭化ケイ素の焼結助剤としては、ホウ素と炭素とを同時添加したものが知られており、非等軸品のα型炭化ケイ素にホウ素および炭素を添加した特許文献1、立方晶であるβ型炭化ケイ素にホウ素および炭素を添加した特許文献2等の方法が開示されている。しかしながら、これら従来の技術では、2100℃を越える温度が焼結の際に必要となり、焼成に用いる炉が高価なものとなると共に、焼結体内部にポアが残存し、鏡面材料として用いるのに十分な程緻密化することが困難であった。
また、焼結助剤として酸化物を用いて、液相焼結により緻密化する方法も開発されている。炭素とアルミニウムとを使用した例として特許文献3、酸化アルミニウムを用いた例として特許文献4等が開示されている。酸化アルミニウムと希土類酸化物とを使用した例として特許文献5等が開示されている。しかしながら、酸化アルミニウムを焼結助剤とした場合、酸化アルミニウムと炭化ケイ素とが反応してガスを発生し、健全な焼結体を得ることが困難である。このため、特許文献5では、室温から1700〜2100℃まで60分以内で昇温し、かつ1700〜2100℃の焼結温度で、保持時間を1〜30分と短くすることにより、ガスの発生を少なくすることを試みているが、昇温速度を速くしたり保持時間を短くしたりした場合、焼結体内部と周辺部に温度差が生じる。このため、大型部材を製造する場合、焼成時に割れが生じたり、内部と周辺部に密度差が生じたりするため、均質な焼結体を得ることが困難であるという問題点がある。
特公昭59−34147号公報 特公昭57−32035号公報 特公昭62−28109号公報 特開昭57−22171号公報 特開平4−367563号公報
以上で述べたように、炭化ケイ素は、難焼結性であるため、緻密化が困難であり、特に大型部材で均質かつ緻密な焼結体を得ることが困難であった。本発明の目的は、その課題を解決し、緻密かつ高剛性の炭化ケイ素セラミックスとその製造方法を提供しようとするものである。
アルミニウムおよび希土類元素を含む複合酸化物を2〜20質量%含む炭化ケイ素セラミックスであって、前記複合酸化物中のアルミニウムと希土類元素との比率がモル比で95:5〜65:35の範囲であり、かつ、前記炭化ケイ素セラミックスの密度が3.10g/cm以上、好ましくは3.20g/cm以上、ヤング率405GPa以上、好ましくは420GPa以上であることを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスである。また、前記炭化ケイ素セラミックスが、平均表面粗度が20nm以下の表面を少なくとも一部に有する高緻密質炭化ケイ素セラミックスである。
また、酸化アルミニウム1〜10質量%と希土類酸化物1〜10質量%とを含み、残部が炭化ケイ素および不可避的不純物からなり、かつ、前記酸化アルミニウム中のアルミニウムと前記希土類酸化物中の希土類元素との比率がモル比で95:5〜65:35の範囲である原料粉末を成形してなる成形体を、酸化アルミニウム粉末1〜20質量%、希土類酸化物粉末1〜20質量%、残部が炭化ケイ素粉末および不可避的不純物からなる混合粉末中に埋め込んで、不活性ガス雰囲気中1750〜2100℃で常圧焼成を行うことを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスの製造方法である。また、前記常圧焼成において、1500℃以上での昇温速度を60℃/hr以下とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスの製造方法である。また、前記の製造方法で得られた炭化ケイ素セラミックスを、1750〜2100℃で、不活性ガスを圧力媒体として40MPa以上のガス圧下でHIP処理することを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスの製造方法である。
また、酸化アルミニウム1〜10質量%と希土類酸化物1〜10質量%とを含み、残部が炭化ケイ素および不可避的不純物からなり、かつ、前記酸化アルミニウム中のアルミニウムと前記希土類酸化物中の希土類元素との比率がモル比で95:5〜65:35の範囲である原料粉末を、不活性ガス雰囲気中、1750〜2100℃、10MPa以上の圧力でホットプレスすることを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスの製造方法である。
本発明によって、緻密かつ高剛性の炭化ケイ素セラミックスが得られることにより、各種の耐熱部材、摺動部材、精密部材、光学部材として有用な材料を提供することが可能となる。
以下に本発明を詳細に説明する。
焼結助剤として、酸化アルミニウムおよび希土類酸化物を使用する。
酸化アルミニウムおよび希土類酸化物は、焼結時に液相を生成し、炭化ケイ素の液相焼結による緻密化を促進すると共に、常圧焼結後HIP処理する際に、粒界の流動性を付与するため、ポアの系外への移動を促進する。このため、酸化アルミニウムおよび希土類酸化物は緻密化をより進めるために必要である。ただし、酸化アルミニウムを単独で添加する方法では、十分に緻密な焼結体(高緻密質炭化ケイ素セラミックス)を得ることができない虞がある。このため、酸化アルミニウムと同時に、希土類酸化物を添加することが必要である。酸化アルミニウムと希土類酸化物を同時に添加することによって、液相の生成する温度が低くなり、より低温で炭化ケイ素を緻密化することが可能となる。酸化アルミニウムと希土類酸化物の量は、それぞれ1〜10質量%の範囲である。酸化アルミニウムおよび希土類酸化物が1質量%より少ない場合は、焼結の際に充分な量の液相を生成しないため、炭化ケイ素が緻密化せず、HIP処理によってもポアをなくすことができず、目的とする鏡面を得ることが困難となる虞がある。また、酸化アルミニウムおよび希土類酸化物が10質量%より多いと、これらの酸化物と炭化ケイ素が反応して発生するCO、COまたはSiO等のガスおよび酸化物の揮発ガスが多量に発生するため、焼結体中に粗大ポアが発生し、緻密な焼結体を得ることが困難となる虞がある。
前記複合酸化物中のアルミニウムと希土類元素との比率は、モル比で95:5〜65:35の範囲である。これは、酸化アルミニウムと希土類酸化物の共融点がほぼ80:20前後にあり、この近傍の組成において焼結時に液相を生成するためである。この範囲を外れた組成では、焼結時に液相が生成し難く、焼成時に液相を介した焼結が起こり難くなる。このため、この比率を外れた混合比で酸化アルミニウムと希土類酸化物を用いた場合、炭化ケイ素が緻密化せず、HIP処理によってもポアをなくすことができず、目的とする鏡面を得ることが困難となる虞がある。
また、希土類酸化物としては、酸化ジスプロシウムが好適である。酸化ジスプロシウムは、酸化アルミニウムと混合して用いた場合、緻密化に好適な焼成温度と液相生成温度が近いため、他の希土類酸化物に比べて焼成時にポアが生成し難い。また粒界相の偏析に伴う組織の不均一が少ないため、比較的容易にポアのない緻密かつ均質な焼結体を得ることが可能である。
原料として用いる酸化アルミニウム粉末および希土類酸化物粉末は、炭化ケイ素粉末中に均一に分散されることが望ましいため、平均粒径が1μm以下の微細な粉末を用いることが望ましい。
主成分である炭化ケイ素原料としては、α型もしくはβ型の結晶よりなる粉末のいずれか、または、両者が混在する粉末を用いることが可能である。ただし、非等軸晶であるα型結晶の粉末を用いた方が、鏡面材料を比較的容易に得ることが可能である。これは、β型結晶よりなる粉末を用いた場合、柱状もしくは板状の結晶が発達し易いことから、焼成後に粒界に比較的大きなポアが残存し易く、等軸晶の結晶粒が成長するα型に比べて、鏡面を得るのに十分に緻密な材料を得ることが難しいためである。
炭化ケイ素の原料粉末の粒径は、平均粒径が1μm以下であることが望ましい。平均粒径が1μmより大きな粉末を用いると、焼結が進まず緻密化が困難であると共に、粗大な粒子が核となって部分的な異常粒成長を起こす可能性があることから、粒内ポアが残存する虞があるため、HIP処理時にポアが無くならずに鏡面を得ることができない場合がある。
原料粉末の混合は、均一な混合粉体を得るために、湿式混合によることが望ましい。溶媒には、有機溶剤、水等を用いるが、分散剤を用いることにより、より均一な混合が可能である。また、必要に応じて、混合粉末の成形性を高めるために、結合剤や可塑剤等の添加物を用いることが望ましい。これらの混合には、回転式ボールミル、アトライター等を用いる。混合後は、乾燥、成形を行うが、特にスプレードライを用いることにより、流動性の良い粉体を一度に大量に乾燥させることが可能である。乾燥した粉末の成形は、一軸成形やCIP成形により、所望の形状に成形する。均一な密度分布を有する焼結体を得るためには、CIP成形法を用いることが望ましい。一軸形成を行った後にCIP形成を行ってもよい。また、スプレードライによる乾燥を行わずに、泥しょう鋳混み成形法や射出成形法により混合したスラリーから直接成形し、乾燥する方法を用いることもできる。
このようにして作製した成形体を、まず常圧焼成により焼結を行う。常圧焼成は、不活性ガス雰囲気中で行う。ただし、窒素雰囲気中では、原料粉末成分の窒化が起こるため、目的とする炭化ケイ素焼結体を得ることができない場合があることを留意することが好ましい。そこで、不活性ガスとしては、アルゴンを用いることが望ましい。大気中等の酸化雰囲気中では、原料の炭化ケイ素が酸化してしまうため、緻密化させることが困難である。
常圧焼成は、好ましくは1750〜2100℃の温度で行う。1750℃より低い温度では、炭化ケイ素の拡散が十分に起こらず、焼結が進行しない可能性があるため、緻密化させることができない場合がある。また、2100℃より高い温度では、酸化アルミニウムおよび希土類酸化物による炭化ケイ素の分解が起こり易くなると共に、これら酸化物の揮発量が多くなり、焼結体中にポアが残存し、緻密な焼結体を得ることが困難である。また、この温度範囲で焼結する際も、酸化物との反応による炭化ケイ素の分解や酸化物の揮発が起こるため、特に焼結体の厚みが15mm以上の肉厚品を焼成する際には、焼結体の表層にポアが残り易くなる。このため、成形体を容器内で焼成することで、これらの反応および揮発を抑えることにより、ポアの発生を抑えることが可能である。更に、ポアの発生を抑えるためには、酸化アルミニウム粉末1〜20質量%、希土類酸化物粉末1〜20質量%、残部が炭化ケイ素粉末および不可避的不純物からなる混合粉末中に埋め込んで、常圧焼成を行うことが必要である。成形体を酸化アルミニウム、希土類酸化物粉末および炭化ケイ素の混合粉末中に埋め込むことによって、混合粉末から発生するガスにより、酸化物との反応および酸化物の揮発が平衡状態に保たれ、酸化物との反応および酸化物の揮発によるポアの発生が抑制され、緻密な炭化ケイ素焼結体を得るのに有効な手段となる。酸化アルミニウムおよび希土類酸化物の含有量が1質量%より少ないと、混合粉末から発生するガスの量が少ないため、成形体からのガスの発生を抑制するのに充分な効果が得られない虞がある。また、20質量%より多い場合、生成する液相の量が多くなるため、常圧焼成後に埋め込みに用いた混合粉末が固く固化し、焼結体にも強固に付着する場合があり、焼結体を混合粉体中から取り出すことが困難となる虞がある。
常圧焼成において1500℃から、焼成温度までの昇温速度を1℃/hr以上60℃/hr以下の速度で昇温することが望ましい。昇温速度が速いと、成形体の内部まで均一に温度が上昇せず、成形体の外周部から焼結が進行し、焼結体全体を均一に緻密化することが困難となる虞があるためである。特に、焼結体の厚みが15mm以上の肉厚品を焼成する際には、内部まで均一に緻密化するために、30℃/hr以下の速度で昇温することが望ましい。ただし、昇温速度を遅くした場合、酸化物との反応による炭化ケイ素の分解や酸化物の揮発が起こり易くなるため、前述したように、成形体を酸化アルミニウム、希土類酸化物粉末および炭化ケイ素の混合粉末中に埋め込むことによって、これらの反応および揮発を抑制する方法を採る必要がある。1℃/hr未満の速度で昇温した場合、常圧焼成に要する時間が著しく長大なものとなり、生産性が悪くなり、実用的ではなくなる虞がある。最も望ましくは、昇温速度は、6℃/hr以上、30℃/hr以下の範囲で行う。これにより、生産性を著しく損なうことなく、内部まで均一な焼結体を得ることが可能となる。
この方法によって得られる焼結体の常圧焼成後の密度は、3.10g/cm以上で、焼結体中の成分組成により決まる理論密度以下となる。また、ヤング率は、405GPa以上480GPa以下のものが得られる。
この常圧焼成した焼結体は、さらにHIP処理によって緻密化させることにより、焼結体の密度3.20g/cm以上、焼結体中の成分組成により決まる理論密度以下、ヤング率420GPa以上480GPa以下のポアのほとんどない高緻密質の焼結体を得ることが可能である。HIP処理は、特に限定されないが、処理温度1750〜2100℃で不活性ガスを用い、圧力は、40MPa以上300MPa以下で行うことが望ましい。処理温度が1750℃より低いと、SiCの拡散が起こらず、緻密化効果が得られない虞がある。また、2100℃以上の温度では、酸化物とSiCとの反応による分解でガスが発生するため、HIP処理による充分な緻密化効果が得られない。また、HIP処理の圧力媒体としては、アルゴン等の不活性ガスを用いることが望ましい。酸素含有雰囲気や窒素ガス雰囲気下では、常圧焼結時と同様に酸化や窒化等が起こる虞があるため、緻密化することが困難となる。40MPaより低い圧力では、HIP処理による緻密化の効果を十分に得ることは難しい。300MPaより高い圧力で行う場合、特殊な設備が必要となり、製品を製造する上では高コストとなる虞がある。
また、常圧焼成およびそれに引き続いて行うHIP処理の替わりに、ホットプレスにより緻密な焼結体を得ることが可能である。ホットプレスにより焼結体を作製することにより、焼結体の密度3.20g/cm以上、ヤング率420GPaのポアのほとんどない高緻密質の焼結体を得ることが可能である。ホットプレスの場合、酸化アルミニウム粉末、希土類酸化物粉末および炭化ケイ素粉末を混合したものを、直接ホットプレス用のダイスに充填し焼成することが可能である。また、前述した方法により成形した成形体をダイスに設置して焼成することも可能である。
ホットプレスは、特に限定されないが、処理温度1750〜2100℃で不活性ガスを用い、圧力は、10MPa以上50MPa以下で行うことが望ましい。1750℃より低い温度では、炭化ケイ素の拡散が十分に起こらない可能性があり、焼結が進行しないため、緻密化させることができない場合がある。また、2100℃より高い温度では、酸化アルミニウムおよび希土類酸化物による炭化ケイ素の分解が起こり易くなると共に、これら酸化物の揮発量が多くなる場合があり、焼結体中にポアが残存し、緻密な焼結体を得ることが困難である。不活性ガスを用いる理由は常圧焼成と同様の理由からである。10MPaより低い圧力では、充分に緻密な焼結体を得ることが困難である。50MPaより高い圧力で行う場合、ダイスにかかる応力が高くなり、ダイスを破損する可能性が高くなる。
以上の方法により作製した炭化ケイ素焼結体は、アルミニウム、希土類元素を含む複合酸化物を2〜20質量%含み、前記複合酸化物中のアルミニウムと希土類元素の比率がモル比で95:5〜65:35の範囲であり、焼結体の密度3.10g/cm以上、ヤング率405GPa以上の高密度、高ヤング率を有する。焼結体の密度が3.10g/cm以上となることで、ポアのほとんどない焼結体が得られ、ポアが破壊起点となって破損を生じることが少なくなり、構造用材料として信頼性の高い材料を得ることが可能である。また、ヤング率が405GPa以上の材料を得ることにより、応力による変形を小さく抑えることができ、特に精密部材として用いる場合に有用となる。
また、焼結体を更にHIP処理した炭化ケイ素セラミックスや、ホットプレスにより得られる炭化ケイ素セラミックスは、高密度、高ヤング率を有する。焼結体の密度が3.20g/cm以上となることで、ポアのほとんどない焼結体が得られる。また、平均表面粗さが20nm以下の鏡面が得ることが可能となり、ミラー材料として有用な材料を得ることできる。具体的には表面粗度が0.1nm以上20nm以下の鏡面を得ることができる。また、ポアがほとんどないため、更に信頼性の高い材料を得ることが可能である。また、ヤング率が420GPa以上の材料を得ることにより、構造用部材として変形の少ない、より有用な材料を得ることが可能となる。
(実施例1)
炭化ケイ素粉末(平均粒径0.7μm)と酸化アルミニウム(平均粒径0.3μm)および各種希土類酸化物(平均粒径1.0μm)に分散剤、結合剤を添加し、水と混合した後、スプレードライにより造粒乾燥したものを、一軸加圧成形した後CIP成形してφ75×35mmの成形体を得た。これらの成形体をカーボン製のルツボ内に成形体と同組成の粉末中に埋込み、アルゴン雰囲気下1850〜2000℃で4〜8時間保持し、常圧焼成した。常圧焼成における1500℃から焼成温度までの昇温速度は、30℃/hrとした。組成、希土類酸化物の種類、焼成方法は、表1に示すとおりであり、本発明の組成のものと、比較例として本発明の範囲外のものについて、試験を行った。
得られた焼結体をアルキメデス法による密度測定を実施した。また、ヤング率および表面粗度についても測定を実施した。平均表面粗度は、JISB0601に準拠して、触針式粗度計により測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2005298304
本発明によるものは、常圧焼結後の密度が3.19〜3.31g/cmで、ヤング率も420〜430GPaのものが得られた。これに対して、本発明の組成範囲外あるいは本発明による埋焼を用いないものは、密度が3.10g/cm未満であるか、ヤング率が405GPa未満であり、また、表面粗度も本発明によるものは、粗度29nm以下であるのに対して、比較例によるものは、粗度35nm以上であった。本発明の組成範囲および焼成方法が有効であることが明らかである。
(実施例2)
実施例1で作製した焼結体を1900℃、アルゴンガス圧196MPaで3時間HIP処理を行った。組成、希土類酸化物の種類、焼成方法および各試験結果を表2に示す。
Figure 2005298304
表2に示すように、HIP処理後の密度およびヤング率は、いずれも常圧焼結後の焼結体よりも向上し、密度3.20g/cm以上、ヤング率420GPa以上となり、HIP処理による緻密化の効果が得られたことを示している。また、HIP処理後の表面粗度も、本発明によるものは、平均粗度20nm以下であるのに対して、比較例によるものは、ポアが残存しており20nm以上の平均粗度であった。
(実施例3)
炭化ケイ素粉末(平均粒径0.7μm)と酸化アルミニウム(平均粒径0.3μm)および各種希土類酸化物(平均粒径1.0μm)にアセトンを溶媒として用い、ボールミルにより湿式混合した。これを乾燥、粉砕後、60×90mmの黒鉛製ダイスを用いて、1900〜1950℃で一軸加圧40MPaの圧力で3時間、ホットプレス焼成を行い、60×90×10mmの焼結体を得た。組成、希土類酸化物の種類、焼成方法および各試験結果を表3に示す。
Figure 2005298304
表3に示すように、ホットプレス後の焼結体は、密度3.20g/cm以上、ヤング率420GPa以上となり、鏡面加工後の表面粗度も平均粗度20nm以下のものが得られた。

Claims (7)

  1. アルミニウムおよび希土類元素を含む複合酸化物を2〜20質量%含む炭化ケイ素セラミックスであって、前記複合酸化物中のアルミニウムと希土類元素との比率がモル比で95:5〜65:35の範囲であり、かつ、前記炭化ケイ素セラミックスの密度が3.10g/cm以上、ヤング率が405GPa以上であることを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックス。
  2. 前記炭化ケイ素セラミックスの密度が3.20g/cm以上、ヤング率が420GPa以上であることを特徴とする請求項1記載の高緻密質炭化ケイ素セラミックス。
  3. 前記炭化ケイ素セラミックスが、平均表面粗度が20nm以下の表面を少なくとも一部に有する請求項1記載の高緻密質炭化ケイ素セラミックス。
  4. 酸化アルミニウム1〜10質量%と希土類酸化物1〜10質量%とを含み、残部が炭化ケイ素および不可避的不純物からなり、かつ、前記酸化アルミニウム中のアルミニウムと前記希土類酸化物中の希土類元素との比率がモル比で95:5〜65:35の範囲である原料粉末を成形してなる成形体を、酸化アルミニウム粉末1〜20質量%、希土類酸化物粉末1〜20質量%、残部が炭化ケイ素粉末および不可避的不純物からなる混合粉末中に埋め込んで、不活性ガス雰囲気中1750〜2100℃で常圧焼成を行うことを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスの製造方法。
  5. 前記常圧焼成において、1500℃以上での昇温速度を60℃/hr以下とする請求項4記載の高緻密質炭化ケイ素セラミックスの製造方法。
  6. 請求項4または5記載の製造方法で得られた炭化ケイ素セラミックスを、1750〜2100℃で、不活性ガスを圧力媒体として40MPa以上のガス圧下でHIP処理することを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスの製造方法。
  7. 酸化アルミニウム1〜10質量%と希土類酸化物1〜10質量%とを含み、残部が炭化ケイ素および不可避的不純物からなり、かつ、前記酸化アルミニウム中のアルミニウムと前記希土類酸化物中の希土類元素との比率がモル比で95:5〜65:35の範囲である原料粉末を、不活性ガス雰囲気中、1750〜2100℃、10MPa以上の圧力でホットプレスすることを特徴とする高緻密質炭化ケイ素セラミックスの製造方法。
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