JP3443561B2 - シリコンウェハー搭載用ガラス状カーボン−グラファイト複合リング及びそれを装着したドライエッチング装置 - Google Patents

シリコンウェハー搭載用ガラス状カーボン−グラファイト複合リング及びそれを装着したドライエッチング装置

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JP3443561B2 JP2000254867A JP2000254867A JP3443561B2 JP 3443561 B2 JP3443561 B2 JP 3443561B2 JP 2000254867 A JP2000254867 A JP 2000254867A JP 2000254867 A JP2000254867 A JP 2000254867A JP 3443561 B2 JP3443561 B2 JP 3443561B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスを
製造する際に用いられるシリコンウェハー搭載用ガラス
状カーボン−グラファイト複合リング及びそれを装着し
たドライエッチング装置に関し、さらに詳しくは、安価
な材料を用いながら、不純物汚染を防止し、冷却効率が
よく、そのため熱歪が生じなく、シリコンウェハーの歩
留まりがよくなるシリコンウェハー搭載用ガラス状カー
ボン−グラファイト複合リング及びそれを装着したドラ
イエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターに代表される情報機器の
発展に伴い、それら機器の主要構成デバイスとなる半導
体集積回路には、集積度の向上が一層強く要求されるよ
うになっている。半導体デバイスの製造時には、性能確
保の面から原料はもとより製造工程段階においても不純
物の混入を極度に嫌うため、クリーンルームのような清
浄環境下で作業が進められる。いうまでもなく製造装置
を構成する各部材についても、不純物の発生がないこと
が必要とされている。イオン注入、ドライエッチング、
スパッタリングに代表されるウェハーの処理は、チャン
バーと呼ばれる高真空に減圧可能な反応室内で行われる
が、半導体集積回路の集積度が向上するにつれ、より高
レベルの純度基準を満たす必要に迫られており、チャン
バーやそれを構成する各部材についても不純物汚染の少
ない材料特性が求められている。
【0003】ドライエッチングの場合を例に挙げ、チャ
ンバー内部の各部材を図3により説明すると、通常、チ
ャンバーには、対向する形で、上部電極と下部電極とか
らなる一対の電極が設置され、その下部電極を高周波電
源に接続することにより対向する電極間にプラズマが発
生する。シリコンウェハーは、下部電極の真上に搭載用
部材を介して取り付けられ、プラズマ雰囲気の下でエッ
チングガスによりエッチング処理される。
【0004】従来、ドライエッチング装置におけるウェ
ハー搭載用部材には、表面にシリコンウェハーを搭載で
きる受容部を有するシリコン製の単一筒状リングが用い
られていたが、近年になって、単一筒状リングでは、あ
まりにも脆弱であるため、実験的ではあるが、シリコン
製の筒状リングとそれを補強するために支持されたアル
ミニウム等の金属又は金属酸化物製の筒状リングとから
なる複合リングが試用されるようになってきた。
【0005】しかし、こうしたシリコンとアルミニウム
等の金属又は金属酸化物との複合リングでは、アルミニ
ウム等の金属又は金属酸化物から発生する不純物汚染の
恐れがあるばかりでなく、複合リング自体が冷却効率に
劣るため、エッチングの処理速度を上げることができ
ず、さらに、シリコンとアルミニウム等の金属又は金属
酸化物との熱膨張の差が大きいため、熱歪が生じて、シ
リコンウェハーの位置安定性を悪くし、エッチングの処
理密度を均一にできず、その結果、ドライエッチングに
おける半導体デバイス、すなわちシリコンウェハーの歩
留まりを悪化させるという問題があった。またさらに、
ウェハー搭載用部材には、シリコンウェハーの大口径化
に対応して、大型(大口径)のものが求められるように
なったが、従来のシリコン製の大型(大口径)の単一筒
状リングでは、シリコンは、キャスト品(多結晶シリコ
ン)となって、非常に材料費が高価になるという問題も
あった。
【0006】こうした従来の、シリコン製の単一筒状リ
ングや、複合リングのもつ問題点を解決するため、本出
願人は、先に出願した特願平2000−156064号
で、シリコンとグラファイトとからなる複合リングを提
案したが、このシリコン−グラファイト複合リングは、
機能的には十分に満足のいくものであったが、高価なシ
リコンを必須部材として使用するため、コスト面での問
題をもっており、これに代わるものとして、先に提案し
たシリコン−グラファイト複合リングと同程度のレベル
の機能をもちながら、より安価な材料を用い、シリコン
ウェハーの大口径化にも対応できる複合リングが求めら
れていた。
【0007】上記のような状況下、半導体製造装置にお
いて、ウェハー処理装置用部材には、従来から種々のも
のが提案されており、例えば、特開平10−25617
7号公報には、特定厚さのガラス状カーボンを、イオン
ビーム等の照射を受ける金属部材又は黒鉛部材の表面に
貼着したウェハー処理装置用部材などが提案されてい
る。
【0008】しかしながら、これらの提案にも拘わら
ず、未だ上記の欠点をなくした、すなわち、シリコンウ
ェハーの大口径化に対応できて、安価な材料を用いなが
ら、不純物汚染を防止し、冷却効率がよく、そのため熱
歪が生じなく、シリコンウェハーの歩留まりがよくなる
というシリコンウェハーを搭載する装置用部材は、見当
らない。そのため、ウェハー搭載装置において、半導体
デバイスの歩留まりを向上させることができるウェハー
搭載用部材の開発が強く望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の単一筒状リングや複合リングなどが持つ問題点を
解消し、シリコンウェハーの大口径化に対応でき、安価
な材料を用いながら、不純物汚染を防止し、冷却効率が
よく、熱歪が生じなく、シリコンウェハーの歩留まりが
向上するという、シリコンウェハー搭載用複合リング及
びそれを装着したドライエッチング装置を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、最適なシリコンウェハー搭載用部材
の開発について鋭意検討を行った結果、複合リング部材
の構造を、表面にシリコンウェハーを搭載できる受容部
を有するガラス状カーボンから形成された第1の筒状リ
ングと、その裏面に接合したグラファイトから形成され
た第2の筒状リングとの複合体にすることにより、シリ
コンウェハーの大口径化に対応でき、シリコン製より安
価で、不純物汚染を防止し、かつウェハーの位置安定性
を良好に維持し、半導体デバイスの歩留まりを向上させ
ることのできるシリコンウェハー搭載用ガラス状カーボ
ン−グラファイト複合リング及びそれを装着したドライ
エッチング装置が得られることを見出した。さらに、第
1の筒状リングのガラス状カーボン部材と、第2の筒状
リングのグラファイト部材との接合では、接合部から、
接着剤がはみ出す場合が多く、その修復作業が煩雑であ
ったのが、接合部に接着剤のはみ出し防止用の液溜まり
部、例えば、溝を有することにより、解決できることを
見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至
ったものである。
【0011】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
表面にシリコンウェハーを搭載できる受容部を有する第
1の筒状リングとその裏面に接合した第2の筒状リング
とから構成されるシリコンウェハー搭載用複合リング部
材であって、(イ)第1の筒状リングは、ガラス状カー
ボンから形成され、一方、第2の筒状リングは、全表面
がガラス状カーボンでコーティングされたグラファイト
から形成され、(ロ)第1の筒状リング又は第2の筒状
リングの少なくとも一方は、その接合面に、接着強度を
維持しながら接着剤が接合面からはみ出すのを防止する
に十分な容積の液溜まり部を有し、さらに(ハ)第1の
筒状リングと第2の筒状リングは、カーボン系接着剤に
より強固に接合されてなるシリコンウェハー搭載用複合
リング部材が提供される。
【0012】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、さらに、(ニ)第1の筒状リングと第
2の筒状リングは、両者の接合面積が増加しかつ相互が
嵌合しあえるように、いずれか一方の接合面に少なくと
も一つの凸様かみ合わせ部、他方の接合面に同数の凹様
かみ合わせ部を設けることを特徴とするシリコンウェハ
ー搭載用複合リング部材が提供される。
【0013】さらに、本発明の第3と第4の発明によれ
ば、カーボン系接着剤は、ポリカルボジイミド樹脂に、
導電性の粉末フィラーを混合した接着剤であることを特
徴とする、或いは、導電性の粉末フィラーは、黒鉛粉末
であることを特徴とする、上記のいずれかに記載のシリ
コンウェハー搭載用複合リング部材が提供される。
【0014】さらにまた、本発明の第5の発明によれ
ば、第2の筒状リングにおいて、ガラス状カーボンコー
ト層の厚さは、少なくとも2〜3μmであることを特徴
とする上記のいずれかに記載のシリコンウェハー搭載用
複合リング部材が提供される。
【0015】さらに、本発明の第6の発明によれば、第
1乃至5の発明のいずれかに係わる上記のシリコンウェ
ハー搭載用複合リング部材を装着したドライエッチング
装置が提供される。
【0016】本発明は、上記した如く、シリコン製より
安価な材料を用いながら、不純物汚染を防止し、冷却効
率がよく、熱歪が生じなく、シリコンウェハーの歩留ま
りを向上させることができるシリコンウェハー搭載用ガ
ラス状カーボン−グラファイト複合リング及びそれを装
着したドライエッチング装置に係わるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 1.第1の筒状リング 本発明のシリコンウェハー搭載用部材には、ガラス状カ
ーボン−グラファイト複合リングが用いられ、シリコン
ウェハーが直接搭載される第1の筒状リング、すなわち
クランプリングとして、ガラス状カーボンから形成され
るリング(ガラス状カーボンリングと称することもあ
る)が用いられる。特に、ガラス状カーボンリングは、
エッチング工程でシリコンウェハーを固定し、ウェハー
の外縁を保護し、特に汚染を防止するために、用いられ
る。
【0018】シリコンウェハーのクランプリングとして
用いられるために、ガラス状カーボンから形成される第
1の筒状リングには、表面にシリコンウェハーを搭載で
きる受容部を有するものであり、その受容部について
は、エッチング工程でシリコンウェハーを安定的に固定
できるものであれば、特に限定されないが、通常は、筒
状の段になっており、段の高さは、シリコンウェハーの
エッチングの範囲を広げるために、シリコンウェハーの
高さに揃えている。
【0019】ガラス状カーボンリングとして、基体をな
すガラス状カーボンは、難黒鉛化性炭素又はハードカー
ボンとも称されるものであり、有機物質の固相炭化によ
り生成したものであれば、どのような原料及び製法のも
のでもよく、特に限定されないが、シリコンウェハーエ
ッチング時の不純物汚染の恐れがないものである。原料
としては、セルロースや、フラン樹脂、フェノール樹脂
などの熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂などが挙げら
れ、また、製法としては、これらの原料をもとに各種の
ものが提案されている。本発明においては、熱伝導性や
熱膨張率などの熱的物性や、エッチングガスなどへの耐
薬品性或いは耐腐食性等が良好な、熱硬化性樹脂から製
造されるものが好ましい。
【0020】2.第2の筒状リング 本発明のシリコンウェハー搭載用部材に用いられる複合
リングには、上記のシリコンウェハーが直接搭載される
第1の筒状リング(すなわちガラス状カーボンリング)
の裏面と接合する第2の筒状リング、すなわち冷却用リ
ング又は保持用リングとして、グラファイトから形成さ
れるリング(グラファイトリングと称することもある)
が用いられる。特に、グラファイトリングは、エッチン
グ工程でシリコンウェハーの不純物汚染の恐れがなく、
シリコンウェハーの位置安定性を良好に維持するため
に、用いられる。
【0021】グラファイトリングは、冷却用リングとし
ても用いられるために、熱伝導性がよく(すなわち熱伝
導率が高く)、クランプリングのガラス状カーボンリン
グと熱膨張率の差が小さいものである必要がある。熱伝
導性が悪く、熱膨張率の差が大きいと、シリコンウェハ
ーの大口径化、処理温度の高温化、急熱・急冷処理の要
求等に対処できず、シリコンウェハーを不均一に加熱し
たり、熱歪や熱応力による割れを生じる恐れがある。ま
た、従来用いられたアルミナやアルマイトなどのアルミ
ニウムの酸化物製は、シリコンやガラス状カーボンとの
熱膨張率の差が大きく、熱歪などが生じる恐れがあるた
め、本発明において、冷却リングとしてグラファイトリ
ングを用いる効果は、大きい。
【0022】グラファイトリングとして、基体をなすグ
ラファイトは、特に限定されないが、シリコンウェハー
エッチング時の不純物汚染の恐れがなく、熱伝導率が高
く、ガラス状カーボンリングと熱膨張率の差が小さいも
のであるために、高純度のものを使用することが望まし
い。そのようなグラファイトとしては、半導体グレード
のものが挙げられ、例えば、市販されているものでは、
ルカーボン社製のCX−2123、CX−2114、C
X−2206や、日本カーボン社製のEGF−262、
EGF−264などがある。また、グラファイトリング
は、グラファイトとガラス状カーボン製との複合体であ
っても良い。
【0023】さらに、グラファイトリングの表面に、ガ
ラス状カーボンがコーティングされていることが望まし
い。コーティングされる箇所は、少なくとも第1の筒状
リングと反対側の表面であり、ドライエッチング時にエ
ッチングガスに曝されるところである。
【0024】コーティングされるガラス状カーボンは、
厚さが通常2〜3μmであり、コーティング方法には、
特に制限はなく、従来用いられてきた方法の中から、適
宜、選択することができ、例えば、光沢処理でも、含浸
処理でもよい。特に、グラファイトに、ある種の樹脂、
例えばポリカルボジイミド、フェノール樹脂等をコーテ
ィングし、これを焼成することでガラス状のカーボン被
覆を形成する方法が好ましい。
【0025】このガラス状カーボンは、グラファイトリ
ングの保護層として働くものであり、グラファイトリン
グのダストの発生を抑え、耐食性などに寄与するもので
ある。特に、ドライエッチング時に、プラズマ雰囲気に
おけるグラファイトリングからのガスの発生を抑え、ま
た、グラファイトリングの表面の酸化層をなす物質が剥
離して、ウェハー上にパーティクルが付着する恐れ等を
防止するものである。
【0026】3.ガラス状カーボン−グラファイト複合
リング 本発明のガラス状カーボン−グラファイト複合リング
は、上記の第1の筒状リングであるガラス状カーボンリ
ングと、その裏面に、第2の筒状リングであるグラファ
イトリングとを接合して用いる。ガラス状カーボンリン
グとグラファイトリングの接合には、炭素材用導電性接
着剤が用いられ、中でも、接着強度の点からカーボン系
接着剤による接着が好ましい。
【0027】カーボン系接着剤としては、例えば、ポリ
カルボジイミド樹脂に、導電性の粉末フィラーを混合し
たものであって、粉末フィラーとしては、黒鉛粉末、カ
ーボンブラック等の炭素粉末、石油コークス等のコーク
ス粉末等が挙げられる。粉末フィラーの混合割合は、ポ
リカルボジイミド樹脂100重量部に対し、粉末フィラ
ー100〜5重量部、好ましくは90〜10重量部であ
る。また、ポリカルボジイミド樹脂には、適宜、接着強
度を上げるために、エポキシ樹脂やポリカルボジイミド
樹脂の硬化剤を配合してもよい。
【0028】カーボン系接着剤の使用及び接着方法は、
通常、接着したい両基材にカーボン系接着剤をはさみ、
接着剤層の厚さが50μm以下になるように、クランプ
等により圧着させ、その後比較的高温、例えば80〜2
00℃で乾燥硬化させる。そして、このカーボン系接着
剤をはさんだ基材を焼成炭化して接着させる。焼成炭化
は、真空中又は窒素ガス等の不活性ガス中で行い、焼成
温度は、必ず接着基材の使用温度より焼成温度を高く
し、通常、350〜3500℃の範囲で、好ましくは約
2000℃程度である。カーボン系接着剤のはさみ込む
量(塗布量)は、接着する基材の両面に適切な道具、例
えば、ヘラで均一に塗布し、20〜30mg/cm
度である。また、接合部の表面粗さは、中心線平均粗さ
Raが0.1〜6.3の範囲が好ましく、必要に応じ
て、適宜、接合部の表面を加工する。
【0029】このようにして、カーボン系接着剤を用い
て、ガラス状カーボンから形成された第1の筒状リング
とグラファイトから形成された第2の筒状リングとを接
合するものであるが、このままでは、焼成後、接着剤が
接合面部からはみ出す場合が多く、その結果、シリコン
ウェハーの不純物汚染を防止するために、はみ出した接
着剤の拭き取り作業や、さらに機械加工等による最終製
品の形状出しや、またさらに、機械加工を行う場合に
は、グラファイトリングにガラス状カーボンをコーティ
ングしたものであれば、再コーティングする等の煩雑な
修復作業を行う必要が生じるという問題がある。
【0030】そのために、本発明においては、接着剤が
接合面部からはみ出すことを防止するために、少なくと
も一方のグラファイトからなる筒状リングの接合面上
に、接着強度を維持しながら接着剤が接合面からはみ出
すのを防止するに十分な容積の液溜まり部、例えば、溝
を有することを必須の要件とし、溝があれば、接着剤が
接合面からはみ出さずに、両者を強固に接着させること
ができる。
【0031】さらに、接合面を強固に接着させるため
に、第1の筒状リングと第2の筒状リングの接合面につ
いて、いずれか一方の接合面に少なくとも一つの凸様か
み合わせ部、他方の接合面に同数の凹様かみ合わせ部を
設けること、すなわち、接合面を凸凹形状にすることな
どにより、両者の接合面積が増加しかつ相互が嵌合しあ
えることが望ましい。
【0032】このように、ガラス状カーボンから形成さ
れた第1の筒状リングとその裏面に接合したグラファイ
トから形成された第2の筒状リングとの複合体にし、そ
の接合に、特定の接着形状等を有することにより、接合
面部から接着剤がはみ出す恐れがなく接着が強固になさ
れ、その結果、不純物汚染を防止し、かつウェハーの位
置安定性を良好に維持し、半導体デバイスの歩留まりを
向上させることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明について、図面を用いた実施例
によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実
施例に特に限定されるものではない。
【0034】[実施例1][ウェハー搭載用複合リング
部材の概要] 本発明のシリコンウェハー搭載用複合リング部材は、シ
リコンウェハーのドライエッチング装置におけるシリコ
ンウェハーの搭載用部材であり、そのドライエッチング
装置の概要は、図3に示され、シリコンウェハーの搭載
用複合リング部材の概要は、図1に、及びその部分断面
図は、図2に示される。
【0035】図1、2において、ガラス状カーボンリン
グ8は、外径が320mm、内径が296mm、厚さが
凸部で、4.8mmであり、シリコンウェハー5搭載用
の段の直径が303mm、深さが1mmの寸法のものを
用いた。また、グラファイトリング9は、外径が330
mm、内径が296mm、厚さが凹部で5mmの寸法の
ものを用いた。ガラス状カーボンリング8として、基体
をなすガラス状カーボンは、ポリカルホジイミド基をベ
ースとしたもので、日清紡製の商品名:AC−140を
用い、また、グラファイトリング9としては、基体をな
すグラファイトの上に、ガラス状カーボンをコーティン
グしたものであり、日清紡製の商品名:ACコートを用
いた。これらのガラス状カーボンリング8と、グラファ
イトリング9とを接合部10を介して、複合リングとし
た。接合部10は、ポリカルボジイミド樹脂に導電性の
黒鉛粉末を混合したカーボン系の接着剤を用い、接着接
合したものである。カーボン系接着剤の接着方法として
は、先ず、両方の接合部の表面を表面粗さRaが1.6
になるように加工し、次に、両接合面に、ヘラでカーボ
ン系接着剤を均一に30mg/cm程度塗布し、ま
た、グラファイトの接合面に有する溝には、カーボン系
接着剤を満たし、接着剤層の厚さが50μm以下になる
ように、8kg重の重りを用いて圧着させ、乾燥機中で
120℃で2時間乾燥させ、接着硬化した。その後、こ
のカーボン系接着剤を塗布し圧着硬化させた複合リング
を約2000℃で焼成炭化して接着させた。
【0036】接合面の形状は、図2に示すように、グラ
ファイトの接合面に幅2mm、深さ2mmの溝を2個有
し、さらに、ガラス状カーボンの接合面には、幅5m
m、高さ1.6mmの凸部と、グラファイトの接合面に
は、凸部に対応した凹部を有し、両者は、相互に嵌合し
あっている。このようにして、複合リングを作製し、引
張り試験を行い接着強度を測定した。
【0037】[比較例1]比較例1は、接合部の形状を
特別なものにせず、通常の平面の形状で用いた以外は、
実施例1と同様に、複合リングを作製し、引張り試験を
行い接着強度を測定した。
【0038】[実施例2]以下、説明図に基づいて、本
発明の他の実施態様である実施例2について述べる。図
4は、図2と同様に、本発明によるウェハー搭載用部材
の他の実施例を示す部分断面図である。図4に示すよう
に、接合面の形状は、グラファイトの接合面に幅2m
m、深さ2mmの溝を、接合面の比較的中心部に凹部に
隣接して2個有し、さらに、ガラス状カーボンの接合面
には、図2と同様に、幅5mm、高さ1.6mmの凸部
と、グラファイトの接合面には、凸部に対応した凹部を
有している。接合面の形状を変えた以外は、実施例1と
同様に、複合リングを作製し、引張り試験を行い接着強
度を測定した。
【0039】その結果、実施例1、2では、接合面か
ら、接着剤のはみ出しがなく、また、接着強度は、実施
例1、2とも、約15kg/cmであった。一方、比
較例1は、接合面から、接着剤のはみ出しがあり、接着
強度は、約10kg/cmであり、実施例1、2の約
67%であった。
【0040】これらの結果から、シリコンウェハー搭載
用部材に、シリコンウェハー搭載用リングとしてガラス
状カーボンリングを、このガラス状カーボンリングと接
合する冷却用リングとしてグラファイトリングを用い
る、ガラス状カーボン−グラファイト複合リングにし、
その接合に、特定の接着形状を有することなどにより、
接合面部から接着剤がはみ出すことがなく、接着が強固
になされ、その結果、不純物汚染を防止し、冷却効率が
よく、熱歪が生じなく、シリコンウェハーの歩留まりを
向上させることができることが判明した。
【0041】
【発明の効果】本発明のシリコンウェハー搭載用複合リ
ング部材は、シリコンウェハーの大口径化に対応でき、
安価な材料を用いながら、不純物汚染を防止し、冷却効
率がよく、熱歪が生じなく、シリコンウェハーの位置安
定性を良好に維持するという効果を有する。そのため、
半導体デバイスの歩留まりを向上させることができ、製
造コストの低減に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ウェハー搭載用部材を示す図であり、
(a)は、その平面図、(b)は、その断面図である。
【図2】図2は、本発明によるウェハー搭載用部材の一
実施例を示す部分断面図である。
【図3】図3は、ドライエッチング装置の模式図であ
る。
【図4】図4は、本発明によるウェハー搭載用部材の他
の実施例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 エッチングガス導入管 2 排気管 3 上部電極 4 下部電極 5 シリコンウェハー 6 プラズマ 7 高周波電源 8 ガラス状カーボンリング 9 グラファイトリング 10 接合面(部) 11 接合面の溝 12 接着剤
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−293539(JP,A) 特開 平9−289197(JP,A) 特開 平6−216225(JP,A) 特開 平11−61451(JP,A) 特開 平8−102461(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 H01L 21/68

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にシリコンウェハーを搭載できる受
    容部を有する第1の筒状リングとその裏面に接合した第
    2の筒状リングとから構成されるシリコンウェハー搭載
    用複合リング部材であって、(イ)第1の筒状リング
    は、ガラス状カーボンから形成され、一方、第2の筒状
    リングは、全表面がガラス状カーボンでコーティングさ
    れたグラファイトから形成され、(ロ)第1の筒状リン
    グ又は第2の筒状リングの少なくとも一方は、その接合
    面に、接着強度を維持しながら接着剤が接合面からはみ
    出すのを防止するに十分な容積の液溜まり部を有し、さ
    らに(ハ)第1の筒状リングと第2の筒状リングは、カ
    ーボン系接着剤により強固に接合されてなるシリコンウ
    ェハー搭載用複合リング部材。
  2. 【請求項2】 さらに、(ニ)第1の筒状リングと第2
    の筒状リングは、両者の接合面積が増加しかつ相互が嵌
    合しあえるように、いずれか一方の接合面に少なくとも
    一つの凸様かみ合わせ部、他方の接合面に同数の凹様か
    み合わせ部を設けることを特徴とする請求項1に記載の
    シリコンウェハー搭載用複合リング部材。
  3. 【請求項3】 カーボン系接着剤は、ポリカルボジイミ
    ド樹脂に、導電性の粉末フィラーを混合した接着剤であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウ
    ェハー搭載用複合リング部材。
  4. 【請求項4】 導電性の粉末フィラーは、黒鉛粉末であ
    ることを特徴とする請求項3に記載のシリコンウェハー
    搭載用複合リング部材。
  5. 【請求項5】 第2の筒状リングにおいて、ガラス状カ
    ーボンコート層の厚さは、少なくとも2〜3μmである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    のシリコンウェハー搭載用複合リング部材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    シリコンウェハー搭載用複合リング部材を装着したドラ
    イエッチング装置。
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