JP3486833B2 - 静電チャック及びその製造方法 - Google Patents

静電チャック及びその製造方法

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JP3486833B2
JP3486833B2 JP24479397A JP24479397A JP3486833B2 JP 3486833 B2 JP3486833 B2 JP 3486833B2 JP 24479397 A JP24479397 A JP 24479397A JP 24479397 A JP24479397 A JP 24479397A JP 3486833 B2 JP3486833 B2 JP 3486833B2
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伸一朗 青沼
一之 大嶋
滋子 村松
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東芝セラミックス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置等
において半導体ウェーハを静電的に吸着保持するセラミ
ックス製の静電チャックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の静電チャックとしては、
Al23(アルミナ),CaTiO3(チタン酸カルシ
ウム),BaTiO3(チタン酸バリウム)等からなる
誘電層をシリコーン樹脂やポリイミド樹脂等の有機樹脂
系接着剤を用いてベースに接合したもの(特開平4−2
87344号公報参照)やAlN(窒化アルミニウム)
質焼結体からなるベースに、Mo(モリブデン)とMn
(マンガン)を主成分とする電極を形成し、この電極を
厚み0.001〜1.0mmの熱CVD(化学気相合成
法)によるAlN膜からなる誘電層で被覆したもの(特
開平7−326655号公報参照)が知られている。前
者のものは、ペースト状の接着剤をベース又は誘電層に
塗布した後、双方を密着させ、その後常温に乾燥して製
造される。又、後者のものは、AlN粉末にY23(イ
ットリア)等の焼結助剤を添加混合したものを成形した
後、非酸化性雰囲気において1600〜1950℃の温
度で焼成してAlN質焼結体からなるベースを得、この
ベースにMo,MnO(酸化マンガン)及びSiO
2(シリカ)からなる合金をメタライズして電極を形成
し、この電極を熱CVDによる0.001〜1.0mmの
厚みのAlN膜からなる誘電層で被覆して製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の製造方
法による静電チャック前者では、その使用温度が接着
剤によって支配される不具合がある。すなわち、半導体
製造装置等に使用される静電チャックは、工程によって
は500℃程度の高温領域での使用を求められるが、接
着剤が有機樹脂系であると、その使用限度が200〜3
00℃程度になる。又、前者では、接着剤がフッ素系の
ガスやプラズマによって容易にエッチングされ、接着部
分から浸蝕されて絶縁破壊を起こす不具合がある。一
方、後者では、前者のような不具合はないものの、誘電
体が熱CVDによって形成されているので、その形成に
多大の時間を要する不具合がある。熱CVDによる誘電
層の厚みは、実質上工業的には最大数十μmが限度であ
る。かように薄い誘電層を有するものを静電チャックと
して使用する場合、誘電層が印加電圧に耐え切れず破壊
するおそれがある。実際に静電チャックとして使用する
ときの印加電圧値は数百Vである。一方、AlNの耐電
圧値(発明者の測定によれば、30kV以上/mm)から計
算すると、0.001mmの厚みの誘電層では30V程度
しか印加できず、実用範囲以下であることがわかる。
又、後者では、ベースと電極との熱膨張係数が異なるの
で、電極の剥離等を生じ、高温における信頼性や安定性
に欠ける不具合がある。更に、後者では、電極の接合強
度を高めるために、Mnの酸化層をベースに拡散させて
いるので、ベース内部に酸素を内蔵させることになり、
ベースの熱伝導率の低下を招来する不具合がある。そこ
で、本発明は、誘電層の厚肉形成が容易であると共に、
電極の剥離を生ぜず、かつ熱伝導率の低下を招くことの
ない静電チャックの製造方法を提供することを主目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
、本発明の第1の静電チャックの製造方法は、粒界成
分がYXAlYZ相の誘電層用AlN板状焼結体に、電
極用Wペーストを塗布すると共に、その周辺にAlN粉
末にYAG(Y3Al512)粉末又はY23とAl23
の混合粉末を加えた第1ペーストを塗布する一方、粒界
成分がYXAlYZ相のベース用AlN板状焼結体に、
YAG粉末若しくはY23とAl23の混合粉末又はこ
れにAlN粉末を加えた第2ペーストを塗布し、その
後、両AlN板状焼結体をそれぞれ不活性ガス雰囲気に
おいて400℃以上の温度で脱脂し、しかる後に両Al
N板状焼結体をそれぞれのペースト塗布面が当接するよ
うに積層して不活性ガス雰囲気において1850℃以上
の温度で加熱処理することを特徴とする。第2の静電チ
ャックの製造方法は、粒界成分がYXAlYZ相の誘電
層用AlN板状焼結体に、電極用Wペーストを塗布する
と共に、その表面及び周辺にYAG粉末若しくはY23
とAl23の混合粉末又はこれにAlN粉末を加えた第
2ペーストを塗布する一方、粒界成分がYXAlYZ
のベース用AlN板状焼結体に上記電極用Wペースト等
と係合可能な凹部を形成し、その後、誘電層用AlN板
状焼結体を不活性ガス雰囲気において400℃以上の温
度で脱脂し、しかる後に両AlN板状焼結体を電極用W
ペースト等の塗布部が凹部と係合するように積層して不
活性ガス雰囲気において1850℃以上の温度で加熱処
理することを特徴とする。第3の静電チャックの製造方
法は、第1又は第2の方法において、前記ベース用Al
N板状焼結体が、予め、粒界成分がYXAlYZ相のA
lN板状焼結体からなる板状の2枚のベースセグメント
の一方に、発熱回路用Wペーストを塗布すると共に、そ
の周辺に前記第1ペーストを塗布する一方、他方のベー
スセグメントに前記第2ペーストを塗布し、その後、両
セグメントをそれぞれ不活性ガス雰囲気において400
℃以上の温度で脱脂し、しかる後に両セグメントをそれ
ぞれのペースト塗布面が当接するように積層して不活性
ガス雰囲気において1850℃以上の温度で加熱処理さ
れていることを特徴とする。又、第4の静電チャックの
製造方法は、第1又は第2の方法において、前記ベース
用AlN板状焼結体が、予め、粒界成分がYXAlYZ
相のAlN焼結体からなる板状の2枚のベースセグメン
トの一方に、発熱回路用Wペーストを塗布すると共に、
その表面及び周辺に前記第2ペーストを塗布する一方、
他方のベースセグメントに上記発熱回路用Wペースト等
と係合可能な凹部を形成し、その後、一方のセグメント
を不活性ガス雰囲気において400℃以上の温度で脱脂
し、しかる後に両セグメントを発熱回路用Wペースト等
の塗布部が凹部と係合するように積層して不活性ガス雰
囲気において1850℃以上の温度で加熱処理されてい
ることを特徴とする。
【0005】YXAlYZ相は、YAG(Y3Al
512)相であることが好ましく、このようにすること
によりベース及び誘電層における酸素の拡散が無く、熱
伝導率の低下が認められない。電極内のYXAlYZ
がベース及び誘電層のYXAlYZ相と一体化し、三者
が強力に接合される。ベース及び誘電層のAlNと電極
のWとは、熱膨張係数が近似(AlN(東芝セラミック
ス製):4.5×10-6/℃,W:4.4×10-6
℃)しており、かつ化学的な反応や拡散を起こさない。
又、電極は、双極型又は単極型のいずれであってもよ
い。
【0006】発熱回路内のYXAlYZ相が両ベースセ
グメントのYXAlYZ相と一体化し、三者が強力に接
合される。又、両ベースセグメントのAlNと発熱回路
のWとは、前述したように熱膨張係数が近似しており、
かつ化学的な反応や拡散を起こさない。
【0007】誘電層の厚みが、0.01mm未満である
と、実用的な電圧を印加することができず、1.0mmを
超えると、静電吸着力が低下する。好ましい誘電層の厚
みは、0.1〜0.8mmである。又、誘電層には、半導
体ウェーハを収容する凹部を設けてもよい。この場合の
誘電層の厚みは、凹部が形成された部分となる。
【0008】電極内に存在するYXAlYZ相の断面に
おける面積比が、5%未満であると、ベース,電極及び
誘電層の三者の接合強度が低下し、40%を超えると、
静電チャック用電極としての機能をなさない。好ましい
XAlYZ相の断面における面積比は、10〜30%
である。
【0009】誘電層及びベース用AlN板状焼結体は、
その接合面であるペースト塗布面をRa=0.2〜1.
0μm,Rmax=2〜8μmとなるように予め加工して
おくことが好ましい。Ra<0.2μm,Rmax<2μ
mの場合には、電極又は発熱回路の剥離が生じる一方、
Ra>1μm,Rmax>8μmの場合には、上記電極又
は発熱回路の形成に不具合が生ずる。誘電層用AlN板
状焼結体に対するWペースト及び第1ペーストの塗布
は、スクリーン印刷によるのが好ましい。第1ペースト
は、粒径1〜10μm(好ましくは1〜2.9μm)の
AlN粉末60〜95wt%(好ましくは75〜85wt
%)に粒径0.1〜50μmのYAG粉末又はY23
Al23の混合粉末5〜40wt%を加えて混合すると共
に、これに溶剤(例えばブチルカルビトール,熱可塑性
セルロースエーテル及びフタル酸ジブチル)を加えて調
製される。なお、第1ペーストは、Wペーストの厚さ方
向の熱収縮率と同等の熱収縮率となるように、YAG粉
末等とAlN粉末が配合され、かつ両粉末が均一に分散
されるように、それぞれの粒径が選定される。
【0010】第2ペーストは、粒径0.1〜50μmの
YAG粉末若しくはY23とAl23の混合粉末70〜
100wt%に粒径1〜10μm(好ましくは1〜2.9
μm)のAlN粉末0〜30wt%を加えて混合すると共
に、これに第1ペーストと同様の溶媒を加えて調製され
る。なお、ベース用AlN板状焼結体に対する第2ペー
ストの塗布は、スクリーン印刷,刷毛塗り又は吹付け等
のいずれであってもよい。
【0011】脱脂温度が400℃未満では上記ペースト
中の有機物の揮散が不十分であり、次工程の加熱処理時
において悪影響を及ぼし、接合強度の低下につながる。
加熱処理温度が1850℃未満、例えば1750℃で
は、YXAlYZ成分が溶解せず、接合が良好に行われ
ない。その上限は、AlNが異常成長したり、昇華した
りする手前の温度である。加熱処理に際しては、積層体
を6.5g/cm2以上で加圧することが好ましい。加
圧力が6.5g/cm2未満であると、高強度の接合が
望めない。
【0012】ベース用AlN板状焼結体又はベースセグ
メントに対する電極用Wペースト等又は発熱回路用Wペ
ースト等と係合可能な凹部の形成は、焼成後であっても
よいが、成形体の成形時であることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明に係る静電チ
ャックの第1の実施の形態を示す要部の概念図である。
図中1は粒界成分がYXAlYZ相のAlN板状焼結体
からなる6インチサイズ用の厚み5mm程度のベースで、
このベース1には、Wからなる厚み20μm程度の多孔
性の発熱回路2が、2枚のベースセグメント1a,1b
間に介在させることによって、埋設されている。発熱回
路2の開気孔(図示せず)には、YXAlYZ相が存在
しており、この発熱回路2内に存在するYXAlYZ
の断面における面積比は、5〜40%とされている。ベ
ース1の片面(図1においては上面)には、ベース1と
同様に粒界成分がYXAlYZ相のAlN板状焼結体か
らなる厚み300μm程度の誘電層3が、Wからなる厚
み20μm程度の多孔性の双極型電極4を介在して接合
されている。双極型電極4の開気孔(図示せず)には、
XAlYZ相が存在しており、この電極4内に存在す
るYXAlYZ相の断面における面積比は、発熱回路2
の場合と同様に5〜40%とされている。図中5は発熱
回路2又は双極型電極4の周辺に隙間が生じるのを防止
する充填接合層で、この充填接合層5は、YAG粉末又
はY23とAl23の混合粉末にAlN粉末をフィラー
として配合したものを焼成してなる。又、6はベース1
を形成するベースセグメント1a,1b同士及びベース
1と誘電層3とを接合する接合層で、この接合層6は、
YAG粉末若しくはY23とAl23の混合粉末又はこ
れにAlN粉末を添加したものを焼成してなる。
【0014】上記構成の静電チャックを製造するため、
まず、AlN焼結体の粒界成分がYAG相となるよう
に、AlN粉末に焼結助剤であるY23,有機バインダ
ー(PVB)及び有機溶媒(メタノール)を適量添加し
ボールミル中で24時間混合し、得られたスラリーをス
プレードライヤーを用いて造粒した。次に、造粒粉を一
軸型金型プレス機で加圧(0.3ton/cm2)後、静水圧
プレスで加圧(1ton/cm2)して6インチサイズの静電
チャック用の2枚のベースセグメント1a,1b及び誘
電層3となる厚み10mm,5mm及び5mmの板状の成形体
を得た。次いで、各成形体を空気雰囲気において400
℃以上(例えば600℃)の温度で脱脂した後、窒素ガ
ス雰囲気において、1850℃以上(例えば1900
℃)の温度で3時間かけて焼成して、2枚のベースセグ
メントと誘電層用AlN板状焼結体を得た。そして、そ
れぞれの接合面に研削加工を施し、Ra=0.2〜1.
0μm(例えばRa=0.65μm),Rmax=2〜8
μm(例えばRmax=5.25μm)の研削面とした。
なお、焼結体を粉砕し、粉末X線回折により粒界の同定
を行ったところ、YAGを検出した。
【0015】次に、一方(図1においては下方)のベー
スセグメントの接合面に、スクリーン印刷により発熱回
路用Wペーストを後述する加熱処理後の厚みが20μm
になるような厚さで塗布すると共に、その周辺にスクリ
ーン印刷により第1ペーストを加熱処理後の厚みが発熱
回路と同等の厚さとなるように塗布した。第1ペースト
は、加熱処理後に充填接合層5となるもので、粒径1〜
10μm(好ましくは1〜2.9μm)のAlN粉末6
0〜95wt%(好ましくは75〜85wt%)に粒径0.
1〜50μmのYAG粉末又はY23とAl23の混合
粉末5〜40wt%を加えて混合すると共に、これにブチ
ルカルビトール,熱可塑性セルロースエーテル及びフタ
ル酸ジブチルからなる溶媒を加えて調製したものであ
る。なお、発熱回路用Wペーストの厚さ方向の熱収縮率
は、図2に示すように、58%であるので、この熱収縮
率と第1ペーストの熱収縮率を同等にするためには、第
1ペーストのAlN粉末とYAG粉末等の配合割合を
8:2になるようにしなければならない。YAG粉末等
の割合が多いと第1ペーストの熱収縮率等がWペースト
のそれより大きくなり、静電チャックとしての密閉性が
得られず、逆にYAG粉末等の割合が少ないと第1ペー
ストの熱収縮率がWペーストのそれより小さくなり、発
熱回路と他方(図1においては上方)のベースセグメン
トとの間に隙間が生じ、その接合強度が低下する。一
方、他方(図1においては上方)のベースセグメントの
接合面に、スクリーン印刷,刷毛塗り又は吹付け等によ
り第2ペーストを塗布した。第2ペーストは、加熱処理
後に接合層6となるもので、粒径0.1〜50μmのY
AG粉末若しくはY23とAl23の混合粉末70〜1
00wt%に粒径1〜10μm(好ましくは1〜2.9μ
m)のAlN粉末0〜30wt%を加えて混合すると共
に、これに第1ペーストと同様の溶媒を加えて調製した
ものである。なお、第2ペーストは、YAG粉末又はY
23とAl23の混合粉末100wt%とすることが好ま
しく、このようにすることにより、AlNとWの界面に
ほとんど隙間がなく、密着性が高まる。YAG粉末等と
AlN粉末の配合割合を第1ペーストのように2:8と
するとAlNとWの界面における気孔の形成が多発する
ので、最大7:3とすることが好ましい。次いで、両ベ
ースセグメントをそれぞれ窒素ガス雰囲気において40
0℃以上(例えば600℃)の温度で脱脂した後、両ベ
ースセグメンをそれぞれのペースト塗布面が当接するよ
うに積層し、積層体を6.5g/cm2以上(例えば
7.0g/cm2)で加圧して窒素ガス雰囲気において
1850℃以上(例えば1900℃)の温度で3時間か
けて加熱処理し、発熱回路が埋設されたベース用AlN
板状焼結体を得た。
【0016】次に、誘電層用AlN焼結体の接合面に、
スクリーン印刷により電極用Wペーストを後述する加熱
処理後の厚みが20μmになるような厚さで塗布すると
共に、その周辺にスクリーン印刷により第1ペーストを
加熱処理後の厚みが双極型電極と同等の厚さとなるよう
に塗布した。一方、ベース用AlN板状焼結体の接合面
に、スクリーン印刷,刷毛塗り又は吹付け等により第2
ペーストを塗布した。なお、電極用Wペースト,第1ペ
ースト及び第2ペーストは、ベースの作製に用いた発熱
回路用Wペースト,第1ペースト及び第2ペーストと同
様のものであるので、その説明を省略する。次いで、両
AlN板状焼結体をそれぞれ窒素ガス雰囲気において4
00℃以上(例えば600℃)の温度で脱脂した後、両
AlN板状焼結体をそれぞれのペースト塗布面が当接す
るように積層し、積層体を6.5g/cm2以上(例え
ば7.0g/cm2)で加圧して窒素ガス雰囲気におい
て1850℃以上(例えば1900℃)の温度で3時間
かけて加熱処理し、しかる後に研削加工を施して誘電層
厚み300μm,Ra=0.1μm,全体の厚み5mmの
静電チャックを得た(一方のベースセグメント3.7m
m、他方のベースセグメント1mm)。
【0017】得られた静電チャックを減圧下、500℃
の温度で加熱し外観状態を観察したところ、第1の実施
の形態のものと同様にして誘電層用とベース用AlN板
状焼結体を作製し、誘電層用AlN板状焼結体の接合面
にスクリーン印刷により電極用Agペーストを塗布し、
乾燥後に焼き付ける一方、ベース用AlN板状焼結体の
接合面にスクリーン印刷によりポリイミド樹脂を塗布し
た後、両AlN板状焼結体を密着させて250℃の温度
で加熱して接着してなる厚み5mmの従来の静電チャック
の場合を併記する表1に示すようになった。本発明に係
る静電チャックは、外観上問題はないが、従来の静電チ
ャックは、ポリイミド樹脂が黒色に色調が変化すると共
に、泡状になっており、使用に耐えない。
【0018】
【表1】
【0019】又、本発明に係る静電チャックの減圧下、
室温での静電吸着力を測定したところ、表2に示すよう
になり、十分な性能を示した。
【0020】
【表2】
【0021】図3は本発明に係る静電チャックの第2の
実施の形態を示す要部の概念図である。この静電チャッ
クは、第1の実施の形態のものが、ベース1の他方のベ
ースセグメント1bに形成した発熱回路2と誘電層3に
形成した双極型電極4の周辺に隙間が生じるのを防止す
るため、発熱回路2と双極型電極4の周辺に充填接合層
5を形成しているのに対し、ベース1の一方のベースセ
グメント1aに発熱回路2等と係合する凹部7を形成
し、又、ベース1の他方のベースセグメント1aに双極
型電極4等と係合する凹部8を形成し、発熱回路2と双
極型電極4とをそれぞれの凹部7,8と係合させると共
に、両ベースセグメント1a,1b及びベース1と誘電
層3をそれぞれの間に介装した接合層6によって接合し
たものである。他の構成は、第1の実施の形態のものと
ほぼ同様であるので、同一の構成部材等には同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0022】上記構成の静電チャックを製造するため、
第1の実施の形態のものと同様にして2枚のベースセグ
メントと誘電層用AlN板状焼結体を得た後、一方のベ
ースセグメントに発熱回路等と係合する凹部を形成する
一方、他方のベースセグメントに双極型電極等と係合す
る凹部を形成した。両凹部の形成は、成形体の成形時に
形成するようにしてもよい。次に、他方のベースセグメ
ントに発熱回路用Wペーストをスクリーン印刷等により
塗布する一方、誘電層用AlN板状焼結体に電極用Wペ
ーストをスクリーン印刷等により塗布し、両ペーストの
乾燥後、発熱回路用Wペーストの表面及び周辺並びに電
極用Wペーストの表面及び周辺に第2ペーストをスクリ
ーン印刷等により塗布した。次いで、他方のベースセグ
メント及び誘電層用AlN板状焼結体をそれぞれ第1の
実施の形態のものと同様に脱脂した後、発熱回路用Wペ
ースト等の塗布部が一方のベースセグメントの凹部と、
又、電極用Wペースト等の塗布部が他方のベースセグメ
ントの凹部と係合するように両ベースセグメントと誘電
層用AlN板状焼結体を積層し、第1の実施の形態のも
のと同様に加熱処理して静電チャックを得た。得られた
静電チャックは、第1の実施の形態のものと同様の性能
を示した。
【0023】なお、上述した各実施の形態においては、
ベースに発熱回路を埋設する場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、発熱回路を有しないも
のであってもよい。又、電極は、双極型とする場合に限
らず、単極型であってもよい。更に、電極と発熱回路の
双方の周辺に第1ペーストによる充填接合層を形成する
場合又は充填接合層を形成することなく凹部に係合させ
る場合に限らず、いずれか一方の周辺に充填接合層を形
成し、他方を凹部に係合させるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1、第
2の静電チャックの製造方法によれば、誘電層がAlN
板状焼結体からなると共に、誘電層,ベース及び電極の
三者がYXAlYZ相によって一体化され、かつベース
等の内部に含まれる酸素が低減されるので、誘電層の厚
肉形成が容易であると共に、電極の剥離が生ぜず、かつ
熱伝導率の低下を招くことがない。又、第3、第4の
電チャックの製造方法によれば、第1、第2の製造方法
の作用効果の他、ベースセグメント及び発熱回路の三者
がYXAlYZ相によって一体化されるので、発熱回路
の剥離が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックの第1の実施の形態
を示す要部の概念図である。
【図2】図1の静電チャックの製造に用いるWペースト
と第1ペーストの厚さ方向の熱収縮率を示す説明図であ
る。
【図3】本発明に係る静電チャックの第2の実施の形態
を示す要部の概念図である。
【符号の説明】
1 ベース 1a ベースセグメント 1b ベースセグメント 2 発熱回路 3 誘電層 4 双極型電極 5 充填接合層 6 接合層 7 凹部 8 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 滋子 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミ ックス株式会社 開発研究所内 (56)参考文献 特開 平9−134951(JP,A) 特開 平5−345690(JP,A) 特開 平4−358074(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒界成分がYX AlYZ 相の誘電層用
    AlN板状焼結体に、電極用Wペーストを塗布すると共
    に、その周辺にAlN粉末にYAG粉末又は 2 3
    Al23 の混合粉末を加えた第1スペースを塗布する
    一方、粒界成分がYX AlYZ 相のベース用AlN板
    状焼結体に、YAG粉末若しくはY23 とAl23
    の混合粉末又はこれにAlN粉末を加えた第2ペースト
    を塗布し、その後、両AlN板状焼結体をそれぞれ不活
    性ガス雰囲気において400℃以上の温度で脱脂し、し
    かる後に両AlN板状焼結体をそれぞれのペースト塗布
    面が当接するように積層して不活性ガス雰囲気において
    1850℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする
    静電チャックの製造方法。
  2. 【請求項2】 粒界成分がYX AlYZ 相の誘電層用
    AlN板状焼結体に、電極用Wペーストを塗布すると共
    に、その表面及び周辺にYAG粉末若しくはY23
    Al23 の混合粉末又はこれにAlN粉末を加えた第
    2ペーストを塗布する一方、粒界成分がYX AlYZ
    相のベース用AlN板状焼結体に上記電極用Wペースト
    等と係合可能な凹部を形成し、その後、誘電層用AlN
    板状焼結体を不活性ガス雰囲気において400℃以上の
    温度で脱脂し、しかる後に両AlN板状焼結体を電極用
    Wペースト等の塗布部が凹部と係合するように積層して
    不活性ガス雰囲気において1850℃以上の温度で加熱
    処理することを特徴とする静電チャックの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ベース用AlN板状焼結体が、予
    め、粒界成分がYX AlYZ 相のAlN板状焼結体か
    らなる板状の2枚のベースセグメントの一方に、発熱回
    路用Wペーストを塗布すると共に、その周辺に前記第1
    ペーストを塗布する一方、他方のベースセグメントに前
    記第2ペーストを塗布し、その後、両セグメントをそれ
    ぞれ不活性ガス雰囲気において400℃以上の温度で脱
    脂し、しかる後に両セグメントをそれぞれのペースト塗
    布面が当接するように積層して不活性ガス雰囲気におい
    て1850℃以上の温度で加熱処理されていることを特
    徴とする請求項1又は2記載の静電チャックの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ベース用AlN板状焼結体が、予
    め、粒界成分がYX AlYZ 相のAlN焼結体からな
    る板状の2枚のベースセグメントの一方に、発熱回路用
    Wペーストを塗布すると共に、その表面及び周辺に前記
    第2ペーストを塗布する一方、他方のベースセグメント
    に上記発熱回路用Wペースト等と係合可能な凹部を形成
    し、その後、一方のセグメントを不活性ガス雰囲気にお
    いて400℃以上の温度で脱脂し、しかる後に両セグメ
    ントを発熱回路用ペースト等の塗布部が凹部と係合する
    ように積層して不活性ガス雰囲気において1850℃以
    上の温度で加熱処理されていることを特徴とする請求項
    1又は2記載の静電チャックの製造方法。
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