JPH11223139A - 車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置 - Google Patents

車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置

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JPH11223139A
JPH11223139A JP10024491A JP2449198A JPH11223139A JP H11223139 A JPH11223139 A JP H11223139A JP 10024491 A JP10024491 A JP 10024491A JP 2449198 A JP2449198 A JP 2449198A JP H11223139 A JPH11223139 A JP H11223139A
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reverse rotation
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signal
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    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L13/00Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストダウンを実現し且つ排気ガスの悪化を
防止した車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置を得
る。 【解決手段】 運転状態に対応した信号を出力する各種
センサと、各信号に基づいて点火信号を出力する点火制
御装置10Aとを備え、各種センサは、エンジン1の回
転信号SGを出力する回転センサ6と、逆転信号RWを
出力する逆転スイッチ23とを含み、点火制御装置は、
逆転信号の入力時に遅角点火制御により第1の所定回転
数まで低下させる手段と、運転状態に基づいて失火継続
用のタイマ時間を演算する手段と、第1の所定回転数か
ら第2の所定回転数までタイマ時間だけ失火させる手段
と、タイマ時間の終了時に過進角させた点火信号を1回
だけ出力する手段とを含み、タイマ時間は失火制御中に
エンジン回転数が第2の所定回転数まで低下するのに要
する時間に相当する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンを逆転
させることにより車両を後進させる2サイクルエンジン
の逆転制御装置に関し、特に排気ガス成分および点火性
能の悪化を招くことなく、安価な構成で逆転制御を実現
した車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、乗用車などに搭載される4サイ
クルエンジンの出力部には、クラッチおよびギヤボック
スが設けられており、クラッチおよびギヤボックスを介
してエンジンの出力を導出している。
【0003】しかし、スノーモービルやATV(All
−Terrain Vehicle)などの特殊な小形
車両においては、安価な2サイクルエンジンが搭載され
ており、エンジンの搭載スペースも限られている。
【0004】したがって、この種の車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置においては、通常、ギヤボックス
が搭載されておらず、Vベルトからなる遠心式自動変速
機のみを介して、エンジンの出力トルクを導出してい
る。
【0005】このため、車両を前進させることしかでき
ないので、車両をガレージから引き出したりトラックか
ら降ろすときなどの移動時においては、人間の力で後進
移動させる必要があり、非常に取り扱いにくいという問
題があった。
【0006】そこで、従来より、2サイクルエンジンを
搭載した車両においても、車両の進行方向(前進および
後進)を切り換えるために、4サイクルエンジンの場合
と同様に、エンジンの搭載スペースを十分に確保してク
ラッチおよびギヤボックスを設け、チェンジレバーを介
してギヤを切り換えることが提案されている。
【0007】図4は一般的なギヤボックスを用いた従来
の車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置を概略的に
示すブロック構成図である。図4において、2サイクル
で駆動されるエンジン1は、車両(図示せず)に搭載さ
れている。エンジン1は、一方向(矢印参照)に回転す
る出力軸2を有しており、クラッチ3およびギヤボック
ス4を介して駆動トルクを発生する。なお、ギヤボック
ス4には、車両を後進させるためのバックギヤが設けら
れている。
【0008】チェンジレバー5は、ギヤボックス4に設
けられており、手動操作によりギヤを切り換える。回転
センサ6は、電磁ピックアップなどからなり、エンジン
1の回転軸に関連して設けられている。回転センサ6か
ら出力される回転信号SGは、マイクロコンピュータか
らなる点火制御装置10に入力される。
【0009】点火制御装置10は、回転信号SGのみな
らず、他の各種センサ(図示せず)からの運転状態情報
に基づいてエンジン1の制御タイミングを演算し、点火
信号Pを出力する。
【0010】点火コイル11は、一次巻線および二次巻
線を含むトランスにより構成されており、点火信号Pに
応答して一次電流を通電遮断して昇圧された二次電圧を
発生し、エンジン1の点火プラグ12に点火用の高電圧
を印加する。このとき、エンジン1は、回転信号SGに
基づく所定の点火タイミングにより一定方向に回転制御
される。
【0011】図4のように、従来の車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置においては、ギヤボックス4によ
りエンジン1の回転出力が任意に減速されるとともに、
バックギヤにより車両の前進または後進が任意に切り換
えられる。
【0012】しかしながら、図4の構成では、ギヤボッ
クス4を搭載するためにエンジン1の周辺スペースを確
保する必要がある。特に、前述のスノーモービルやAT
Vなどにおいては、エンジンルームの大きさを確保する
ことが困難であり、ギヤボックス4のような付加価値を
つけることは車両のコストアップを招くことになる。
【0013】ところで、2サイクルエンジンは、4サイ
クルエンジンとは異なり、点火時期を選択することによ
ってクランクシャフトがいずれの方向にも回転し得るの
で、正逆いずれの方向にも回転できるという特徴を有し
ている。
【0014】そこで、従来より、たとえば1991年発
行の米国特許第5,036,802号明細書に参照され
るように、ギヤボックス4を設けずに遠心式自動変速機
(図示せず)を用い、エンジン1を逆転制御することに
よって車両の前進および後進を可能にした車両用2サイ
クルエンジンの逆転制御装置が提案されている。
【0015】この場合、エンジン1の通常正転時に運転
者が逆転レバーを操作すると、点火制御装置10は、エ
ンジン1を失火させて回転数を低下させ、逆転制御に適
した第2の所定回転数(たとえば、500rpm)まで
低下した時点で、点火信号Pの点火時期を通常の進角
(アドバンス)制御位置(上死点TDCの手前のBTD
C5°〜30°程度)よりも過進角させる。たとえば、
過進角制御時において、点火時期をBTDC40°程度
に設定し、エンジン1を正転状態から逆転状態に移行さ
せる。
【0016】その後、点火制御装置10は、逆転方向を
正転方向と見なして、通常の点火時期で点火信号Pを生
成し、エンジン1の逆転状態を持続させて車両を後進さ
せる。なお、エンジン1を逆転状態から正転状態に復帰
させる場合には、逆転方向を正転方向と見なして上記と
同様の制御が行われる。
【0017】しかしながら、このような逆転制御装置に
おいては、実際にエンジン回転数が逆転可能な第2の所
定回転数まで低下したことを判定するために、エンジン
1の回転数を常にモニタして第2の所定回転数と比較す
る必要があり、コストアップを招くうえ点火制御装置1
0の負担が増えることになる。
【0018】また、ギヤボックス4が不要となることか
らコストダウンが実現するものの、エンジン1を失火制
御することによりエンジン回転数を逆転可能な第2の所
定回転数まで低下させているので、失火制御中に未燃ガ
スが排出されるうえ、失火制御中に点火プラグ12の放
電電極に燃料が付着して、次回の点火時に点火性能が悪
化することになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両用2サイク
ルエンジンの逆転制御装置は以上のように、図4に示し
たようにギヤボックス4を用いた場合は、エンジン1の
周辺スペースを確保する必要があるうえ、コストアップ
を招くという問題点があった。
【0020】また、米国特許第5,036,802号明
細書に参照されるように、エンジン回転数を低下させた
後に点火時期を過進角させて、エンジン1を逆転制御す
る装置の場合には、エンジン回転数が逆転制御可能な第
2の所定回転数まで低下したことを判定するために、点
火時期の過進角制御の開始直前までエンジン回転数をモ
ニタする必要があるので、結局、点火制御装置10の負
担が増えてコストアップを招くうえ、失火制御中に排気
ガス成分および点火性能の悪化を招くという問題点があ
った。
【0021】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、逆転時に排気ガス成分および点
火性能を良好に保ちながらエンジン回転数を低下させる
とともに、ギヤボックスを不要とし且つエンジン回転数
のモニタ期間を低減させて、コストダウンを実現した車
両用2サイクルエンジンの逆転制御装置を得ることを目
的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係る車両用2
サイクルエンジンの逆転制御装置は、車両に搭載されて
2サイクルで駆動されるエンジンと、エンジンの運転状
態に対応した各種情報信号を出力する各種センサと、各
種情報信号に基づいてエンジンに対する点火信号を出力
する点火制御装置とを備え、各種センサは、エンジンの
回転に対応した回転信号を出力する回転センサと、逆転
切り換え操作時に逆転信号を出力する逆転スイッチとを
含み、点火制御装置は、逆転信号の入力時に、エンジン
の点火時期を上死点よりも遅角させる遅角制御手段と、
エンジンの回転数が第1の所定回転数まで低下したか否
かを判定する回転数判定手段と、エンジンの回転数が第
1の所定回転数まで低下したときに、運転状態に基づい
て失火継続期間を演算する失火期間演算手段と、失火期
間にわたってエンジンを失火させる失火手段と、失火期
間の終了時に、通常の進角点火時期よりも過進角させた
点火信号を1回だけ出力する過進角点火手段とを含み、
失火期間は、エンジンの回転数が第1の所定回転数から
第2の所定回転数まで低下するのに要する時間に相当
し、第1の所定回転数は、エンジンのアイドル回転数よ
りも低い回転数に設定され、第2の所定回転数は、第1
の所定回転数よりも低く、且つ逆転制御に適した回転数
に設定されたものである。
【0023】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置による遅角制御手段は、上死点か
ら0°〜30°のクランク角だけ点火時期を遅角させる
ものである。
【0024】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置による失火期間演算手段は、失火
期間として、失火継続用のタイマ時間を演算し、失火手
段は、タイマ時間にわたってエンジンを失火させるもの
である。
【0025】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置による失火期間演算手段は、失火
期間として、失火回数を演算し、失火手段は、失火回数
だけエンジンを失火させるものである。
【0026】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置による点火制御装置は、逆転信号
の入力時に運転状態が逆転条件を満たしているか否かを
判定する逆転条件判定手段を含み、逆転条件が満たされ
た場合のみに、遅角制御手段を有効にするものである。
【0027】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置による各種センサは、ブレーキ操
作時にブレーキ信号を出力するブレーキスイッチと、ア
クセル開放時にアイドル信号を出力するアイドルスイッ
チとを含み、逆転条件判定手段は、エンジンがアイドル
回転数に対応した回転数を示し、且つ、ブレーキ信号お
よびアイドル信号がともに入力されている場合に、逆転
条件が満たされたことを判定するものである。
【0028】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置による各種センサは、エンジンの
温度に対応した温度情報を出力する温度センサを含み、
失火期間演算手段は、回転信号および温度情報に基づい
て失火期間を演算するものである。
【0029】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置による点火制御装置は、過進角点
火手段による過進角された点火信号に続いて、通常の点
火信号を出力する通常点火手段と、通常の点火信号の出
力時に、エンジンが逆転状態か否かを判定する逆転判定
手段と、逆転状態が判定されるまでエンジンの逆転制御
処理を繰り返す再逆転手段とを含むものである。
【0030】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置による再逆転手段は、逆転制御処
理の繰り返し回数を計数するカウント手段を含み、繰り
返し回数が規定回数に達した時点で逆転制御処理を終了
するものである。
【0031】また、この発明に係る車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置は、点火制御装置の制御下で駆動
される正転時表示ランプおよび逆転時表示ランプを備
え、正転時表示ランプは、エンジンの正転時のみに表示
駆動され、逆転時表示ランプは、エンジンの逆転時のみ
に表示駆動されるものである。
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図について説明する。図1はこの発明の
実施の形態1を示すブロック構成図であり、前述と同様
のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
【0033】図2はこの発明の実施の形態1による点火
制御装置10Aの逆転処理動作を示すフローチャートで
あり、正転から逆転への処理動作を示す。なお、逆転か
ら正転への復帰動作は同一である。図3はこの発明の実
施の形態1による逆転処理時のエンジン回転数Reの変
化を示すタイミングチャートである。
【0034】図3において、逆転制御開始時刻t1から
第1の所定回転数ReW1が検出される時刻t2までの
期間にわたって遅角点火制御が行われる。また、時刻t
2からタイマ時間TM(第2の所定回転数ReW2まで
低下するのに要する時間)の終了時刻t3までの期間に
わたって失火制御が行われ、時刻t3において点火時期
が過進角された点火信号Pが印加され、エンジン1が逆
転される。
【0035】図1において、点火制御装置10Aは、前
述(図4参照)の点火制御装置10に対応しており、動
作プログラムの一部が前述とは異なっている。また、遠
心式自動変速機3Aは、前述のクラッチ3に対応してお
り、周知のVベルトにより構成されている。この場合、
エンジン1の出力軸2は、正逆両方向(矢印参照)に回
転する。
【0036】回転方向センサ21は、エンジン1の回転
軸に設けられており、エンジン1の回転方向を示す回転
方向信号SDを出力する。温度センサ22は、エンジン
1の冷却水温度を検出し、水温信号TWをエンジン温度
情報として出力する。なお、温度情報としては、エンジ
ン1の壁温を用いることもできるが、以下、水温信号T
Wを用いた場合について説明する。
【0037】逆転スイッチ23は、押しボタンなどから
なり、運転者による逆転指示操作に応答して逆転信号R
Wを出力する。ブレーキスイッチ24は、運転者による
ブレーキ操作に応答してブレーキ信号Bを出力する。
【0038】アイドルスイッチ25は、運転者によるア
クセル開放操作(エンジン吸気管内のスロットル全閉操
作)に応答して、エンジン1のアイドル運転状態(アク
セル開放状態)を示すアイドル信号Aを出力する。
【0039】各センサ21、22および各スイッチ手段
23〜25は、回転センサ6とともに、エンジン1の運
転状態に対応した各種情報信号を出力する各種センサを
構成している。また、各種センサから出力される回転方
向信号SD、水温信号TW、逆転信号RW、ブレーキ信
号Bおよびアイドル信号Aは、回転信号SGとともに運
転状態情報として点火制御装置10Aに入力される。
【0040】なお、図1には示されていないが、エンジ
ン1を始動するための始動スイッチが設けられており、
始動時に始動信号が点火制御装置10Aに入力されるこ
とは言うまでもない。
【0041】正転時表示ランプ26および逆転時表示ラ
ンプ27は、点火制御装置10Aの制御下で駆動され、
現在のエンジン1の回転方向(正転または逆転)、すな
わち車両の進行方向(前進または後進)を運転者に報知
する。正転時表示ランプ26は、エンジン1の正転時の
みに表示駆動され、逆転時表示ランプ27は、エンジン
1の逆転時のみに表示駆動される。
【0042】点火制御装置10Aは、逆転信号RWの入
力時に、エンジン1の点火時期を上死点よりも遅角させ
る遅角制御手段と、エンジン1の回転数Reが第1の所
定回転数ReW1まで低下したか否かを判定する回転数
判定手段とを備えている。
【0043】また、点火制御装置10Aは、逆転信号R
Wの入力時に運転状態が逆転条件を満たしているか否か
を判定する逆転条件判定手段を備えており、逆転条件が
満たされた場合のみに、遅角制御手段を有効にする。
【0044】また、点火制御装置10Aは、エンジン回
転数Reが第1の所定回転数ReW1まで低下したとき
に、運転状態に基づいて失火継続期間を演算する失火期
間演算手段と、失火期間にわたってエンジン1を失火さ
せる失火手段と、失火期間の終了時に、通常の進角点火
時期よりも過進角させた点火信号Pを1回だけ出力する
過進角点火手段と備えている。
【0045】さらに、点火制御装置10Aは、過進角点
火手段による過進角された点火信号に続いて通常の点火
信号Pを出力する通常点火手段と、通常の点火信号Pの
出力時にエンジン1が逆転状態か否かを判定する逆転判
定手段と、逆転状態が判定されるまでエンジン1の逆転
制御処理を繰り返す再逆転手段とを備えている。
【0046】点火制御装置10A内の逆転条件判定手段
は、たとえば、エンジン回転数Reがアイドル回転数に
対応した回転数(800〜2000rpm)を示し、且
つ、ブレーキ信号Bおよびアイドル信号Aがともに入力
されている場合に、逆転条件が満たされたことを判定
し、逆転条件が満たされた場合のみに遅角制御手段を有
効にする。
【0047】すなわち、点火制御装置10Aにおいて、
回転信号SG、ブレーキ信号B、アイドル信号Aおよび
始動信号は、エンジン1の逆転制御を開始するときの条
件情報として用いられる。
【0048】一般に、車両が定常走行している状態で直
ちに逆転制御することは好ましくないので、点火制御装
置10Aは、逆転スイッチ23がオンされて逆転信号R
Wが入力されても、エンジン1の停止条件が成立するま
では、逆転制御処理を実行しないようにプログラムされ
ている。
【0049】遅角制御手段は、上死点から0°〜30°
のクランク角だけ点火時期を遅角させる。遅角点火制御
の終了時刻t2を決定する第1の所定回転数ReW1
は、エンジン1のアイドル回転数よりも低い回転数(た
とえば、700〜800rpm程度)に設定されてい
る。
【0050】失火制御の継続期間となるタイマ時間TM
は、遅角点火制御期間(t1〜t2)に続く時刻t2〜
t3によって設定されており、エンジン回転数Reが第
1の所定回転数ReW1から第2の所定回転数ReW2
まで低下するのに要する時間に相当している。
【0051】失火期間演算手段は、回転信号SGおよび
水温信号TWに基づいて、失火継続用のタイマ時間TM
(失火期間)を演算し、失火手段は、タイマ時間TMに
わたってエンジン1を失火させる。
【0052】失火制御の終了時刻t3におけるエンジン
回転数Reは、第1の所定回転数ReW1よりも低い第
2の所定回転数ReW2まで低下される。第2の所定回
転数ReW2は、逆転制御に適した回転数(たとえば、
400〜600rpm程度)に設定されている。
【0053】これにより、比較的回転力の弱い第2の所
定回転数ReW2(500rpm程度)までエンジン回
転数Reを低下させておき、エンジン1のピストンが上
死点TDCに向けて上昇中に定常点火時期よりも進角し
たクランク角位置で点火させ、このときの爆発による反
発力で逆転のきっかけをつくるようになっている。
【0054】こうして、一旦逆転させた後は、通常点火
手段により、逆転状態の持続にふさわしい通常の点火時
期制御が行われる。しかし、逆転に失敗した場合には、
再逆転手段により逆転制御処理が繰り返される。また、
再逆転手段は、逆転制御処理の繰り返し回数CNを計数
するカウント手段を含み、繰り返し回数CNが規定回数
Nに達した時点で逆転制御処理を終了する。
【0055】次に、図2および図3を参照しながら、図
1に示したこの発明の実施の形態1の動作について説明
する。前述のように、2サイクルのエンジン1は、点火
時期の制御によって逆転させることができる。
【0056】このとき、点火制御装置10Aの基本的な
動作は、以下の通りである。回転信号SGからエンジン
1のクランク角位置および回転数Reを検出し、回転方
向信号SDからエンジン1の回転方向を検出し、正転時
または逆転時の点火時期を制御する。
【0057】また、点火制御装置10Aの特徴的な逆転
制御動作は、以下の通りである。まず、逆転制御のため
の開始条件を考慮して、逆転条件の成立時のみにおいて
エンジン回転数Reを低下させるための遅角点火制御を
実行する。続いて、エンジン温度(水温信号TW)など
に基づいて失火制御を継続するためのタイマ時間TMを
マップデータから予測演算し、エンジン回転数Reをさ
らに低下させるための失火制御を実行する。
【0058】エンジン1の始動時において、まず、点火
制御装置10Aは、エンジン1を正転させ、その後、運
転状態に応じて通常の点火時期を演算し、通常の点火制
御を継続しているものとする。ここで、運転者が逆転ス
イッチ23を操作すると、逆転信号RWが点火制御装置
10Aに入力される。
【0059】図2において、点火制御装置10Aは、逆
転スイッチ23がオンされたか否かを常に判定している
(ステップS1)。逆転信号RWは、認識範囲RSW内
(図3参照)のエンジン回転数Reにおいて認識され
る。
【0060】点火制御装置10Aに逆転信号RWが入力
されると、ステップS1において、逆転スイッチ23が
オンされた(すなわち、YES)と判定される。続い
て、点火制御装置10Aは、時刻t1における運転状態
が逆転条件を満たしているか否かを判定する(ステップ
S2)。
【0061】逆転条件としては、エンジン回転数Reが
定常走行中よりも低い回転数(たとえば、2000rp
m以下)であること、アイドル信号Aおよびブレーキ信
号Bが入力されていること、エンジン始動時から2秒以
上経過していること、などがあげられる。ステップS2
において、逆転条件が成立していない(すなわち、N
O)と判定されれば、今回の逆転信号RWの入力は無視
されてステップS1に戻る。
【0062】たとえば、点火制御装置10Aは、回転信
号SGに基づくエンジン回転数Reがアイドル回転数の
規定範囲(800rpm〜2000rpm)内にある
か、ブレーキが踏み込まれてブレーキスイッチ24から
ブレーキ信号B(オン信号)が入力されたか、アクセル
が全閉されてアイドルスイッチ25からアイドル信号A
(オン信号)が入力されたかを判定する。
【0063】もし、上記逆転条件のうちの1つでも満足
されないときには、運転の安定性が確保されないので、
逆転制御を開始しない。これにより、車両の運転性の不
具合の発生は防止される。
【0064】一方、ステップS2において、逆転条件が
成立している(すなわち、YES)と判定されれば、点
火制御装置10Aは逆転制御に入る。たとえば、始動か
ら2秒以上経過した正転(前進)時のエンジン回転数R
eが1200rpm(アイドル状態に対応)を示し、ま
た、アイドル信号Aおよびブレーキ信号Bが入力されて
いるときに、逆転信号RWが生成されると、以下の逆転
制御を開始する。
【0065】まず、点火制御装置10Aは、点火時期を
十分に遅角させた点火信号Pを出力して遅角制御を実行
する(ステップS3)。このとき、エンジン1の点火時
期を、現在の進角状態(BTDC5°〜30°程度)か
ら、エンジン回転数Reが十分に低下する程度の遅角側
クランク角位置(上死点TDCよりも遅角側のATDC
0°〜30°程度)に設定する。
【0066】このように、アイドル状態において、点火
時期をATDC0°〜30°程度のクランク角範囲に設
定すると、2サイクルのエンジン1の場合、出力トルク
が低下してエンジン回転数Reが急激に低下する(図3
参照)。
【0067】このとき、点火制御装置10Aは、エンジ
ン回転数Reが第1の所定回転数ReW1まで低下した
か否かを常に判定し(ステップS4)、エンジン回転数
Reが第1の所定回転数ReW1(700〜800rp
m)に低下する時刻t2まで遅角制御(ステップS3)
を継続する。
【0068】遅角点火制御(ステップS3)により、エ
ンジン1のクランク軸の回転力が十分に弱まると、ステ
ップS4において、エンジン回転数Reが第1の所定回
転数ReW1まで低下した(すなわち、YES)と判定
される。
【0069】次に、失火手段は、エンジン回転数Reが
第1の所定回転数ReW1まで低下した時刻t2におけ
る運転状態に応じて、失火制御を継続させるためのタイ
マ時間TMをマップ演算により求め(ステップS5)、
点火信号Pをカット(オフ)して失火制御を開始する
(ステップS6)。
【0070】この失火状態は、時刻t2から、演算され
たタイマ時間TMにわたって維持される。タイマ時間T
Mは、マップデータとして点火制御装置10A内のメモ
リにあらかじめ設定されており、時刻t2におけるエン
ジン温度(水温TW)に対応させて、逆転に最適な第2
の所定回転数ReW2(600rpm〜400rpm)
まで低下するのに要する想定時間として記憶されてい
る。
【0071】タイマ時間TMは、たとえばエンジン回転
数Reが高ければ、回転数の低下に時間がかかるので比
較的長く設定され、同様に、エンジン温度(水温信号T
W)が高ければ、エンジン1が十分な暖機状態を保持し
ているので比較的長く設定される。
【0072】このように、タイマ時間TMは、エンジン
1の冷機または暖機状態(温度センサ22からの温度情
報)によりマップ補正され、エンジン回転数の低下に最
適な時間として設定されており、逆転点火制御時の逆転
開始動作を確実なものにしている。
【0073】失火制御(ステップS6)の継続中におい
て、エンジン回転数Reは、図3のように低下を続け
る。このとき、点火制御装置10Aは、タイマ時間TM
が経過したか否かを常に判定し(ステップS7)、タイ
マ時間TMがタイムアップするまで失火制御(ステップ
S6)を継続する。
【0074】こうして、逆転用の過進角点火を開始する
前に、エンジン回転数Reは、遅角点火制御(時刻t1
〜t2)により第1の所定回転数ReW1まで低下し、
続いて、タイマ時間TMにわたる失火制御(時刻t2〜
t3)により、過進角点火用の第2の所定回転数ReW
2まで低下する。
【0075】このとき、逆転用の過進角点火を行う直前
に失火期間(タイマ時間TM)が設定されているので、
エンジン回転数Reを第2の所定回転数ReW2に高精
度に収束させることができる。
【0076】したがって、失火制御のタイマ時間TMが
終了した時刻t3(図3参照)においては、エンジン1
のクランク軸の回転力は十分に弱まっており、エンジン
回転数Reは、第2の所定回転数ReW2まで低下して
いると見なされる。
【0077】なお、2サイクルエンジン1は、低回転時
においては未燃ガスおよび排気ガスが混合するので、遅
角点火制御のみでエンジン回転数Reを低下させ続ける
と燃焼状態が不安定になる。しかし、上記のように低回
転時に失火期間を設定し、余分な点火を行わずにエンジ
ン回転数Reを低下させることにより、吸気および排気
の繰り返しによって燃焼室内の未燃ガス濃度が高くなる
ので、最終的な過進角点火時に混合気を十分に安定した
状態とすることができる。
【0078】ステップS7において、失火制御(ステッ
プS4)の開始からタイマ時間TMが経過した(すなわ
ち、YES)と判定されれば、点火制御装置10Aは、
点火時期を通常進角(BTDC5°〜30°)よりも過
進角(BTDC30°〜60°程度)させた点火信号P
を1回だけ出力する(ステップS8)。
【0079】したがって、エンジン1のピストンが上死
点TDCに向かうときに、1回だけ過進角させた点火時
期(BTDC30°〜60°)で点火させると、このと
きの爆発がきっかけとなり、エンジン1は逆転を開始す
る。
【0080】一旦逆転し始めると、その後は、逆転を正
転と見なした通常の点火時期で制御を続ける(ステップ
S9)。これにより、エンジン回転数Reは、図3のよ
うに、逆転状態のまま上昇していく。しかしながら、ス
テップS9において、実際にエンジン1が逆転している
とは限らない。
【0081】そこで、点火制御装置10Aは、ステップ
S9に続いて、エンジン1がエンストしたか否かを判定
し(ステップS10)、もし、エンストした(すなわ
ち、YES)と判定されれば、再度エンジン1の始動を
実行し直し(ステップS11)、図2の処理を終了す
る。
【0082】一方、ステップS10において、エンスト
していない(すなわち、NO)と判定されれば、続い
て、回転信号SG(クランク角信号)および回転方向信
号SDを参照して、エンジン1の回転方向が逆転状態か
否かを判定する(ステップS12)。
【0083】ステップS12において、現在逆転してい
る(すなわち、YES)と判定されれば、点火制御装置
10Aは、正転時表示ランプ26を消灯して逆転時表示
ランプ27を点灯させ、運転者に後進可能状態になった
ことを報知して、図2の処理を終了する。
【0084】一方、逆転処理を失敗し、ステップS12
において、現在正転している(すなわち、NO)と判定
されれば、エンジン1は通常の正転(前進)方向に回転
しているので、逆転処理を再度実行する必要がある。
【0085】このとき、点火制御装置10Aは、まず、
逆転制御回数のカウンタ値CNをインクリメントして制
御回数を計数し(ステップS13)、カウンタ値CNが
規定回数N(たとえば、3回)に達したか否かを判定す
る(ステップS14)。
【0086】ステップS14において、逆転制御処理が
規定回数Nだけ繰り返され、CN≧N(すなわち、YE
S)と判定されれば、これ以上の逆転制御の繰り返しは
無駄と見なして、図2の処理を終了する。これにより、
無駄な逆転制御の繰り返しは防止される。
【0087】このように、規定回数N以内に逆転できな
かった場合、無駄な処理を繰り返さずに、通常の前進時
の制御に復帰し、再度、逆転スイッチ23の操作待ち状
態となる。
【0088】また、ステップS14において、CN<N
(すなわち、NO)と判定されれば、逆転条件判定ステ
ップS2に戻り、上記逆転制御処理を繰り返す。逆転制
御処理繰り返しの規定回数Nの値は、たとえば3回程度
に設定される。これにより、点火時期が通常の点火時期
まで遅角され、自動的に逆転制御の再トライが行われ
る。
【0089】なお、上記逆転制御中においても、逆転条
件はチェックされており、ブレーキ解除やアクセル操作
などが行われて逆転条件を満たさなくなった場合には、
逆転制御状態が直ちにキャンセルされ、通常の前進制御
となる。
【0090】この場合、点火制御装置10Aは、逆転制
御解除後に、遠心式自動変速機3Aのベルト連結部の回
転数暴走を防止する制御を行い、逆転から正転へ切り換
え条件を満たしたときに通常制御が行われる。すなわ
ち、逆転(後進)制御状態から正転(前進)制御状態に
再度切り換える場合には、図2の処理動作を同様に実行
すればよい。
【0091】図2のように、過進角点火制御を行う前
に、遅角点火制御によりエンジン回転数Reを第1の所
定回転数ReW1まで低下させ、続いて失火制御により
エンジン回転数Reを第2の所定回転数ReW2まで低
下させることにより、排気ガスおよび燃焼性の悪化やコ
ストアップを招くことなく、過進角点火時にエンジン1
を確実に逆転させることができる。
【0092】すなわち、時刻t1〜t2においては、点
火時期の遅角制御によりエンジン回転数Reを低下させ
ているので、未燃ガスの排出を防止して排気ガスの悪化
を防止するとともに、点火プラグ12への燃料付着を防
止してエンジン1の点火性能の悪化を防止することがで
きる。また、遅角点火制御時に上死点から0°〜30°
のクランク角だけ点火時期を遅角させるようにしたの
で、確実に回転数を低下させることができる。
【0093】また、ギヤボックス4(図4参照)を用い
ることなく、安価な遠心式自動変速機3Aを用いて逆転
させることができるので、エンジン1の周辺スペースを
低減して小形化およびコストダウンを実現するととも
に、軽量化によりエンジン1のパワーをアップすること
ができる。
【0094】また、失火用のタイマ時間TMを設定し
て、エンジン回転数Reを常にモニタすることなく、第
2の所定回転数ReW2まで低下させて過進角点火を行
うことにより、コストアップを招くことなく逆転を実現
することができる。
【0095】また、遅角点火制御によりエンジン回転数
Reがあらかじめ低下しているので、失火用のタイマ時
間TM(時刻t1〜t2)を短く設定することができ、
失火タイマ終了時のエンジン回転数Reを確実に第2の
所定回転数ReW2に収束させることができる。
【0096】また、タイマ時間TMは、失火制御開始時
の運転状態に基づいて予測演算されるので、タイマ終了
時において、高い信頼性で第2の所定回転数ReW2ま
でエンジン回転数Reを低下させることができる。
【0097】また、過進角点火の直前に失火制御を行う
ので、エンジン1の燃焼室内の混合気の状態を安定化さ
せることができる。したがって、時刻t3において、点
火時期を過進角させたパルスからなる点火信号Pを印加
することにより、確実に逆転に切り換えることができ
る。
【0098】また、アイドル回転数に相当したエンジン
回転数など、逆転制御時の失火開始条件を設定し、逆転
条件下のみで逆転制御処理を開始するとともに、逆転失
敗時には逆転制御処理を再度繰り返すようにしたので、
高い信頼性で逆転させることができる。
【0099】さらに、点火制御装置10Aは、逆転切り
換え時において、正転時表示ランプ26を消灯して逆転
時表示ランプ27を点灯させるので、運転者に後進可能
状態になったことを確実に報知することができる。
【0100】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、失火期間としてタイマ時間TMを設定したが、失火
期間として失火回数を設定してもよい。
【0101】この場合、点火制御装置10A内の失火期
間演算手段は、失火期間として、運転状態に応じた失火
回数を予測演算する。また、失火手段は、マップ演算さ
れた失火回数(たとえば、エンジン1が2回転する間)
だけエンジン1を失火させる。
【0102】なお、失火回数は、失火開始時の運転状態
(エンジン温度など)に応じて、2〜4回程度の範囲内
に設定され得る。これにより、タイマ時間TMにより失
火制御する場合と比べて、演算処理が簡略化され、さら
にコストダウンを実現することができる。
【0103】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、車両に搭載されて2サイクルで駆動されるエンジン
と、エンジンの運転状態に対応した各種情報信号を出力
する各種センサと、各種情報信号に基づいてエンジンに
対する点火信号を出力する点火制御装置とを備え、各種
センサは、エンジンの回転に対応した回転信号を出力す
る回転センサと、逆転切り換え操作時に逆転信号を出力
する逆転スイッチとを含み、点火制御装置は、逆転信号
の入力時に、エンジンの点火時期を上死点よりも遅角さ
せる遅角制御手段と、エンジンの回転数が第1の所定回
転数まで低下したか否かを判定する回転数判定手段と、
エンジンの回転数が第1の所定回転数まで低下したとき
に、運転状態に基づいて失火継続期間を演算する失火期
間演算手段と、失火期間にわたってエンジンを失火させ
る失火手段と、失火期間の終了時に、通常の進角点火時
期よりも過進角させた点火信号を1回だけ出力する過進
角点火手段とを含み、失火期間は、エンジンの回転数が
第1の所定回転数から第2の所定回転数まで低下するの
に要する時間に相当し、第1の所定回転数は、エンジン
のアイドル回転数よりも低い回転数に設定され、第2の
所定回転数は、第1の所定回転数よりも低く、且つ逆転
制御に適した回転数に設定されたので、逆転時に排気ガ
ス成分および点火性能を良好に保ちながらエンジン回転
数を低下させるとともに、ギヤボックスを不要とし且つ
エンジン回転数のモニタ期間を低減させて、コストダウ
ンを実現した車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置
が得られる効果がある。
【0104】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、遅角制御手段は、上死点から0°〜30
°のクランク角だけ点火時期を遅角させるので、エンジ
ン回転数を第1の所定回転数まで確実に低下させること
のできる車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置が得
られる効果がある。
【0105】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1において、失火期間演算手段は、失火期間として、
失火継続用のタイマ時間を演算し、失火手段は、タイマ
時間にわたってエンジンを失火させるので、コストアッ
プを招くことなく、エンジン回転数を第2の所定回転数
まで低下させることのできる車両用2サイクルエンジン
の逆転制御装置が得られる効果がある。
【0106】また、この発明の請求項4によれば、請求
項1において、失火期間演算手段は、失火期間として、
失火回数を演算し、失火手段は、失火回数だけエンジン
を失火させるので、コストアップを招くことなく、エン
ジン回転数を第2の所定回転数まで低下させることので
きる車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置が得られ
る効果がある。
【0107】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1において、点火制御装置は、逆転信号の入力時に運
転状態が逆転条件を満たしているか否かを判定する逆転
条件判定手段を含み、逆転条件が満たされた場合のみ
に、遅角制御手段を有効にするので、逆転制御時の不具
合を防止した車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置
が得られる効果がある。
【0108】また、この発明の請求項6によれば、請求
項5において、各種センサは、ブレーキ操作時にブレー
キ信号を出力するブレーキスイッチと、アクセル開放時
にアイドル信号を出力するアイドルスイッチとを含み、
逆転条件判定手段は、エンジンがアイドル回転数に対応
した回転数を示し、且つ、ブレーキ信号およびアイドル
信号がともに入力されている場合に、逆転条件が満たさ
れたことを判定するので、逆転制御時の不具合を防止し
た車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置が得られる
効果がある。
【0109】また、この発明の請求項7によれば、請求
項1において、各種センサは、エンジンの温度に対応し
た温度情報を出力する温度センサを含み、失火期間演算
手段は、回転信号および温度情報に基づいて失火期間を
演算するので、エンジン回転数を高精度に第2の所定回
転数に収束させることのできる車両用2サイクルエンジ
ンの逆転制御装置が得られる効果がある。
【0110】また、この発明の請求項8によれば、請求
項1において、点火制御装置は、過進角点火手段による
過進角された点火信号に続いて、通常の点火信号を出力
する通常点火手段と、通常の点火信号の出力時に、エン
ジンが逆転状態か否かを判定する逆転判定手段と、逆転
状態が判定されるまでエンジンの逆転制御処理を繰り返
す再逆転手段とを含むので、確実に逆転させることので
きる車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置が得られ
る効果がある。
【0111】また、この発明の請求項9によれば、請求
項8において、再逆転手段は、逆転制御処理の繰り返し
回数を計数するカウント手段を含み、繰り返し回数が規
定回数に達した時点で逆転制御処理を終了するので、無
駄な逆転制御の繰り返しを防止した車両用2サイクルエ
ンジンの逆転制御装置が得られる効果がある。
【0112】また、この発明の請求項10によれば、請
求項1において、点火制御装置の制御下で駆動される正
転時表示ランプおよび逆転時表示ランプを備え、正転時
表示ランプは、エンジンの正転時のみに表示駆動され、
逆転時表示ランプは、エンジンの逆転時のみに表示駆動
されるので、逆転可能状態を報知することのできる車両
用2サイクルエンジンの逆転制御装置が得られる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック構成
図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の動作を示すフロー
チャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1の動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図4】 従来の車両用2サイクルエンジンの逆転制御
装置を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン、6 回転センサ、10A 点火制御装
置、11 点火コイル、12 点火プラグ、21 回転
方向センサ、22 温度センサ、23 逆転スイッチ、
24 ブレーキスイッチ、25 アイドルスイッチ、2
6 正転時表示ランプ、27 逆転時表示ランプ、A
アイドル信号、B ブレーキ信号、N 規定回数、P
点火信号、Re エンジン回転数、ReW1 第1の所
定回転数、ReW2 第2の所定回転数、RW 逆転信
号、SD 回転方向信号、SG 回転信号、TM タイ
マ時間、TW 水温信号(温度情報)、S1 逆転スイ
ッチのオンを判定するステップ、S2 逆転条件の成立
を判定するステップ、S3点火時期の遅角制御を行うス
テップ、S4 第2の所定回転数までの回転数低下を判
定するステップ、S5 運転状態に応じたタイマ時間を
演算するステップ、S6 失火制御を行うステップ、S
7 タイマ時間の経過を判定するステップ、S8 点火
時期を過進角するステップ、S9 通常の点火制御を行
うステップ、S12 逆転状態を判定するステップ、S
13 逆転制御の繰り返し回数を計数するステップ、S
14 繰り返し回数を規定回数と比較するステップ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載されて2サイクルで駆動され
    るエンジンと、 前記エンジンの運転状態に対応した各種情報信号を出力
    する各種センサと、 前記各種情報信号に基づいて前記エンジンに対する点火
    信号を出力する点火制御装置とを備え、 前記各種センサは、前記エンジンの回転に対応した回転
    信号を出力する回転センサと、逆転切り換え操作時に逆
    転信号を出力する逆転スイッチとを含み、 前記点火制御装置は、 前記逆転信号の入力時に、前記エンジンの点火時期を上
    死点よりも遅角させる遅角制御手段と、 前記エンジンの回転数が第1の所定回転数まで低下した
    か否かを判定する回転数判定手段と、 前記エンジンの回転数が前記第1の所定回転数まで低下
    したときに、前記運転状態に基づいて失火継続期間を演
    算する失火期間演算手段と、 前記失火期間にわたって前記エンジンを失火させる失火
    手段と、 前記失火期間の終了時に、通常の進角点火時期よりも過
    進角させた点火信号を1回だけ出力する過進角点火手段
    とを含み、 前記失火期間は、前記エンジンの回転数が前記第1の所
    定回転数から第2の所定回転数まで低下するのに要する
    時間に相当し、 前記第1の所定回転数は、前記エンジンのアイドル回転
    数よりも低い回転数に設定され、 前記第2の所定回転数は、前記第1の所定回転数よりも
    低く、且つ逆転制御に適した回転数に設定されたことを
    特徴とする車両用2サイクルエンジンの逆転制御装置。
  2. 【請求項2】 前記遅角制御手段は、上死点から0°〜
    30°のクランク角だけ点火時期を遅角させることを特
    徴とする請求項1に記載の車両用2サイクルエンジンの
    逆転制御装置。
  3. 【請求項3】 前記失火期間演算手段は、前記失火期間
    として、失火継続用のタイマ時間を演算し、 前記失火手段は、前記タイマ時間にわたって前記エンジ
    ンを失火させることを特徴とする請求項1に記載の車両
    用2サイクルエンジンの逆転制御装置。
  4. 【請求項4】 前記失火期間演算手段は、前記失火期間
    として、失火回数を演算し、 前記失火手段は、前記失火回数だけ前記エンジンを失火
    させることを特徴とする請求項1に記載の車両用2サイ
    クルエンジンの逆転制御装置。
  5. 【請求項5】 前記点火制御装置は、 前記逆転信号の入力時に前記運転状態が逆転条件を満た
    しているか否かを判定する逆転条件判定手段を含み、 前記逆転条件が満たされた場合のみに、前記遅角制御手
    段を有効にすることを特徴とする請求項1に記載の車両
    用2サイクルエンジンの逆転制御装置。
  6. 【請求項6】 前記各種センサは、ブレーキ操作時にブ
    レーキ信号を出力するブレーキスイッチと、アクセル開
    放時にアイドル信号を出力するアイドルスイッチとを含
    み、 前記逆転条件判定手段は、前記エンジンがアイドル回転
    数に対応した回転数を示し、且つ、前記ブレーキ信号お
    よび前記アイドル信号がともに入力されている場合に、
    前記逆転条件が満たされたことを判定することを特徴と
    する請求項5に記載の車両用2サイクルエンジンの逆転
    制御装置。
  7. 【請求項7】 前記各種センサは、前記エンジンの温度
    に対応した温度情報を出力する温度センサを含み、 前記失火期間演算手段は、前記回転信号および前記温度
    情報に基づいて前記失火期間を演算することを特徴とす
    る請求項1に記載の車両用2サイクルエンジンの逆転制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記点火制御装置は、 前記過進角点火手段による過進角された点火信号に続い
    て、通常の点火信号を出力する通常点火手段と、 前記通常の点火信号の出力時に、前記エンジンが逆転状
    態か否かを判定する逆転判定手段と、 前記逆転状態が判定されるまで前記エンジンの逆転制御
    処理を繰り返す再逆転手段とを含むことを特徴とする請
    求項1に記載の車両用2サイクルエンジンの逆転制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記再逆転手段は、 前記逆転制御処理の繰り返し回数を計数するカウント手
    段を含み、 前記繰り返し回数が規定回数に達した時点で前記逆転制
    御処理を終了することを特徴とする請求項8に記載の車
    両用2サイクルエンジンの逆転制御装置。
  10. 【請求項10】 前記点火制御装置の制御下で駆動され
    る正転時表示ランプおよび逆転時表示ランプを備え、 前記正転時表示ランプは、前記エンジンの正転時のみに
    表示駆動され、 前記逆転時表示ランプは、前記エンジンの逆転時のみに
    表示駆動されることを特徴とする請求項1に記載の車両
    用2サイクルエンジンの逆転制御装置。
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