JP2004324588A - エンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン停止時にスタータジェネレータの発電負荷を増加させて回転低下中のエンジンに負荷トルクを加え、始動時に最もスタータジェネレータの起動トルクを要する圧縮開始のポイントaより上死点側の領域E内にピストンを停止させ、これにより始動時のスタータジェネレータの起動トルクを軽減する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジン制御装置に係り、詳しくはエンジン始動時にスタータモータ等に要求される起動トルクを軽減するエンジン制御装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
例えば信号待ちや渋滞等による車両の停車中に、燃費節減とエミッション低減を目的としてエンジンを一時的に自動停止させるアイドルストップ機能付き車両に適用されている(例えば、特許文献1参照)。
当該特許文献1に記載されたアイドルストップ機能付き車両では、車速0km/h、手動変速機のシフト位置がN(ニュートラル)、クラッチ接続等のエンジン停止条件が成立して、車両が停車中と推測されるときにエンジンを停止させ、その後にクラッチ遮断等のエンジン始動条件が成立したときに、スタータによりエンジンを始動して発進に備えている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−173480号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
信号待ちや渋滞等でエンジンを停止させるアイドルストップ機能付き車両では、必然的にエンジン始動直後に車両を発進させることになるため、可能な限り迅速にエンジン始動を完了する必要がある。
ところで、エンジンの停止は燃料噴射の中止等により行われるが、このときのエンジンは、軸受等の摩擦抵抗や吸気の圧縮抵抗によりクランク軸等の運動部分の慣性エネルギを次第に消費しながら回転速度を低下させて停止に至る。吸気の圧縮抵抗は各気筒の圧縮行程毎に発生するため、エンジンは何れかの気筒が圧縮行程に達して圧縮抵抗が急増した位置で停止する頻度が高い。図8は直列4気筒エンジンのピストン停止位置の分布を示す図であり、各気筒のピストンは下死点から上昇して、図中のポイントaで吸気弁の閉弁に伴って圧縮を開始するが、圧縮開始直後でピストンが停止する頻度が非常に高いことがわかる。
【0005】
よって、その後にエンジン始動条件の成立を受けてクランキングが開始されると、スタータモータは大きな起動トルクを要求されることになり、クランキングの立上がりが緩慢になる。特に油温上昇によりオイル粘性が低下している状況が重なると、オイル潤滑性能の低下、特にシリンダライナー部の潤滑性能の低下に伴ってクランキングに要するトルクが増加するために、上記傾向がより顕著に生じてエンジン始動性が悪化し、甚だしい場合には始動不能に陥る虞があった。
【0006】
本発明の目的は、エンジン始動時にスタータモータによるクランキングを速やかに立上げ、もって、良好な始動性を実現することができるエンジン制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、所定の停止条件の成立に伴いエンジンを停止させると共に、所定の再始動条件の成立に伴いエンジンを再始動させるエンジン停止再始動手段と、エンジンの出力軸に接続されて、エンジンのトルクを吸収可能なトルク吸収手段と、停止条件の成立に伴うエンジン停止時に、エンジントルクを吸収すべくトルク吸収手段を制御するトルク吸収制御手段とを備え、トルク吸収制御手段は、エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、エンジン回転速度が所定回転速度より小さくなってからエンジンが停止状態となるまでトルク吸収を行うものである。
【0008】
従って、停止条件の成立に伴ってエンジンが停止するときには、エンジン回転速度が所定回転速度より小さくなってからエンジンが停止状態となるまでの間、トルク吸収制御手段に制御されたトルク吸収手段によりエンジントルクが吸収される。
トルク吸収が行われない通常のエンジン停止時には、何れかの気筒が圧縮行程に達して吸気の圧縮抵抗が急増した位置で停止する頻度が高いが、上記トルク吸収により、通常時とは異なる圧縮抵抗が低い位置でピストンが停止されるため、その後、再始動条件の成立に伴ってエンジンを再始動させるときに、スタータモータ等の起動トルクが軽減される。その結果、譬え油温上昇によりオイル潤滑性能が低下しているときでも余裕をもってクランキングが速やかに立上げられ、良好な始動性が実現される。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、トルク吸収制御手段が、回転速度検出手段で検出されたエンジン回転速度の減少に応じてトルク吸収量を減少させるものである。
従って、停止時のエンジンはエンジン回転速度と共に慣性エネルギを次第に減少させ、この慣性エネルギに応じてトルク吸収量が制御されるため、目的とする吸気の圧縮抵抗が低い領域内でピストンが停止する頻度が高まる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、エンジンの運転状態に基づいて吸気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング制御手段を備え、トルク吸収制御手段が、バルブタイミング調整手段により調整される吸気弁の開閉タイミングに応じてトルク吸収量を制御するものである。
従って、バルブタイミング調整手段により吸気弁の開閉タイミングが調整され、吸気弁の閉弁タイミングと共に圧縮行程での圧縮開始の時期が変化するため、それに伴って圧縮抵抗が低い領域も前後する。ここで、吸気弁の開閉タイミングに応じてトルク吸収量が制御されるため、圧縮抵抗が低い領域の変化に応じてピストンの停止位置が調整されることになり、結果として吸気弁の制御状況に関わらず圧縮抵抗が低い領域内でピストンを停止可能となる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3において、トルク吸収手段を、エンジンからの出力によって駆動される発電機としたものである。
従って、既存の発電機を利用してトルク吸収手段を構成するため、新たなトルク吸収手段を設けた場合の車両重量の増加及び製造コストの高騰が未然に防止される。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4において、発電機とバッテリとを接続する第1回路と、発電機と可変抵抗とを接続する第2回路とを有し、トルク吸収制御手段が、トルク吸収手段によってトルク吸収を行う場合に第1回路を遮断して第2回路を接続すると共に、可変抵抗の抵抗値を変更することによりトルク吸収量を変更するものである。
【0013】
従って、発電機は、第1回路によりバッテリと接続されたときには通常通りの発電を行い、第2回路により可変抵抗と接続されたときには発電電流を増加させてエンジントルクを吸収し、このときのトルク吸収量が可変抵抗の抵抗値に応じて変更される。このように第1及び第2回路により発電機の接続状態を切換えるだけで、発電機がトルク吸収手段として機能する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をアイドルストップ機能付き車両に適用されるエンジン制御装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1の全体構成図に示すように、エンジン1は吸気管噴射型の直列4気筒ガソリン機関として構成されている。エンジン1の吸気通路2には各気筒毎に燃料噴射弁3が備えられ、各燃料噴射弁3は図示しない燃料ポンプから燃料を供給される。吸気通路内2内には図示しないエアククリーナから吸気が導入され、導入された吸気はモータ4aで開閉駆動されるスロットル弁4により流量調整された後に、燃料噴射弁3から噴射された燃料と混合され、混合気として吸気弁の開弁に伴って燃焼室5内に導入される。その後、所定のタイミングで点火プラグ6により混合気が点火され、燃焼後の排ガスが燃焼室5から排気通路7内に排出されて、図示しない触媒や消音器を経て外部に排出される。
【0015】
エンジン1の一側にはスタータジェネレータ11(トルク吸収手段、発電機)が配設され、このスタータジェネレータ11のプーリ12は、ウォータポンププーリ13及びアイドラプーリ14と共にエンジン1のクランクプーリ15に対してベルト16により連結されている。スタータジェネレータ11は発電用のオルタネータとして機能すると共に、エンジン始動用のスタータモータとしても機能する。
【0016】
即ち、スタータジェネレータ11は車両に搭載されたバッテリ17に接続される一方、車両の灯火類やエアコンディショナ等の図示しない電気負荷にも接続され、エンジン運転中においては、クランクプーリ15によりベルト16を介してウォータポンププーリ13と共に回転駆動されて、バッテリ17への充電や電気負荷による電力消費を賄う電力を発電する一方、エンジン始動時には、逆にベルト16を介してクランクプーリ15を駆動してエンジン1をクランキングする。
【0017】
図2はスタータジェネレータ11の電気的な接続状態を示す回路図であり、スタータジェネレータ11は第1ソレノイド21(第1回路)を介してバッテリ17に接続される一方、第2ソレノイド22(第2回路)を介して可変式の負荷抵抗23に接続されている。第1及び第2ソレノイド21,22は交互に励磁され、第1ソレノイド21の励磁時には、スタータジェネレータ11がバッテリ17側と接続されて、通常通りバッテリ17が充放電されると共にスタータジェネレータ11の発電が行われる。又、第2ソレノイド22の励磁時には、スタータジェネレータ11が負荷抵抗23側と接続されて、スタータジェネレータ11の発電電力が全て負荷抵抗23で消費される。つまり、スタータジェネレータ11の発電電流が増加するため、それに伴ってスタータジェネレータ11の発電量も増加する。
【0018】
図示はしないが、このように構成されたエンジン1はトルクコンバータを備えた自動変速機と連結されて車両に搭載されており、車両走行時において、車速やエンジン1のスロットル開度に応じて変速段が自動的に切換えられる。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU31(エンジン制御ユニット)が設置されている。ECU31の入力側には、運転者のブレーキ操作を検出するブレーキセンサ32、車速Vを検出する車速センサ33、自動変速機のシフト位置(自動変速で切換えられる変速段ではなく、運転者により選択されたシフトレバーの位置)を検出するシフト位置センサ34、運転者によるアクセル操作量Accを検出するアクセルセンサ35、エンジン1の回転に伴って所定周期毎にSGT信号を出力するクランク角センサ36(回転速度検出手段)、及びその他の各種スイッチやセンサ類が接続されている。又、ECU31の出力側には上記燃料噴射弁3、スロットル弁4を開閉駆動するモータ4a、点火プラグ6、スタータジェネレータ11、第1及び第2ソレノイド21,22、負荷抵抗23、及びその他のデバイス類が接続されている。
【0019】
ECU31は上記した各検出情報に基づき燃料噴射制御や点火時期制御を始めとするエンジン1を運転するための各種制御を実行する。
更に、ECU31は信号待ちや渋滞等による車両の停車中には、燃料消費量の節減やエミッションの低減を目的としてエンジン1を一時的に自動停止させるアイドルストップ制御を実行すると共に(エンジン停止再始動手段)、エンジン停止の際にはスタータジェネレータ11の発電電流を増加させて、エンジン1を所定のピストン停止位置で停止させており、以下、当該制御の詳細を説明する。
【0020】
アイドルストップ制御の実行及び中止は図示しないモード選択スイッチにより運転者が任意に選択でき、モード選択スイッチによりアイドルストップ制御の実行が選択され、且つ、車両のイグニションキーがオンされているときに、ECU31によりアイドルストップ制御が所定のエンジン停止条件及びエンジン始動条件に基づいて実行される。
【0021】
エンジン停止条件としては、ブレーキセンサ32によりブレーキ操作が検出されていること、車速センサ33により検出された車速Vが0km/hであること、及びシフト位置センサ34により検出されたシフト位置がD(ドライブ)等の走行可能な位置、又はN(ニュートラル)であることが設定され、これらの条件が満たされたときに、ECU31はエンジン停止条件が成立したと判断し、燃料噴射制御を中止してエンジン1を停止させる。
【0022】
又、エンジン始動条件としては、ブレーキセンサ32によりブレーキ操作の解除が検出されたこと、シフト位置センサ34により検出されたシフト位置がDであることが設定されており、これらの条件が満たされたときに、ECU31はエンジン始動条件が成立したと判断し、燃料噴射制御を再開すると共に、スタータジェネレータ11によりエンジン1をクランキングして始動させる。
【0023】
一方、このアイドルストップ制御と並行して、ECU31は図3に示す制動制御モード設定ルーチンを所定の制御インターバルで実行しており、まずステップS2でエンジン停止条件が成立したか否かを判定する。判定がNO(否定)のときにはステップS4に移行して制動制御モードをリセットした後、一旦ルーチンを終了する。
【0024】
そして、エンジン停止条件の成立によりステップS2の判定がYESになると、ECU31はステップS6に移行し、クランク角センサ36からのSGT信号に基づいて算出したエンジン回転速度Neが制動開始回転速度Ne0を下回ったか否かを判定する。制動開始回転速度Ne0はエンジン1に制動を加える回転速度であり、本実施形態では、目標アイドル回転速度tgtIDより若干低い回転速度(例えば、500rpm)に設定されているが、これに限ることはなく種々に設定可能である。
【0025】
ステップS6の判定がNOのときには上記ステップS4に移行し、エンジン回転速度Neの低下に伴って判定がステップS6の判定がYESになると、ECU31はステップS8に移行してエンスト判定を行う。当該判定は、クランク角センサ36からのSGT信号に基づいて行われ、SGT信号が所定時間に亘って途絶えたときにエンスト判定を下す。
【0026】
未だエンジン1がエンストせずにステップS8の判定がNOのときには、ECU31はステップS10に移行して制動制御モードをセットし、ステップS8の判定がYESになると、上記ステップS4に移行して制動制御モードをリセットする。よって、制動制御モードは、エンジンの停止処理によりエンジン回転速度Neが制動開始回転速度Ne0を下回ってからエンストするまでの間にセットされることになる。
【0027】
一方、ECU31は上記制動制御モード設定ルーチンと並行して図4に示す制動制御ルーチンを所定の制御インターバルで実行し、まず、ステップS22で制動制御モードがセットされているか否かを判定する。判定がNOのときには、ステップS24で第1ソレノイド21を励磁し、続くステップS26で第2ソレノイド22を消磁した後にルーチンを終了する。従って、スタータジェネレータ11がバッテリ17側と接続されて通常通りの発電が行われる。
【0028】
又、上記ステップS22の判定がYESのときには、ステップS28で第1ソレノイド21を消磁し、続くステップS30で第2ソレノイド22を励磁し、更にステップS32でエンジン回転速度Neに基づいて負荷抵抗23の抵抗値を制御する。抵抗値の制御は、図5に示すマップに基づいて行われ、停止直前の回転速度として設定された200rpmでの抵抗値を0として、エンジン回転速度Neに比例して抵抗値を増加設定する。尚、抵抗値を設定するためのマップ特性はこれに限ることはなく、例えばエンジン回転速度Neに対して抵抗値を指数関数的に増加させたり、或いは、停止直前の回転速度以上の領域で一定の抵抗値を設定したりしてもよい。
【0029】
この処理によりスタータジェネレータ11が負荷抵抗23側と接続され、発電電流の増加によりスタータジェネレータ11を駆動するエンジン1に対する負荷トルクが増大して、エンジン1の出力が吸収される(トルク吸収制御手段)。このとき、低下中のエンジン回転速度Neが未だ高いほど、換言すればエンジン1が未だ大きな慣性エネルギを有しているときほど、負荷抵抗23の抵抗値として大きな値が設定されて負荷トルクの増加により速やかな回転低下が図られる。
【0030】
そして、回転低下中に加えられた負荷トルクにより、エンジン1は負荷トルクを受けない通常時とは異なる位置でピストンを停止させる。図6は本実施形態の制動制御を実施した場合のピストン停止位置の分布を示しているが、吸気の圧縮開始を示すポイントa(例えば、BTDC140°CA)より上死点側でピストンが停止する頻度が高いことがわかる。
【0031】
ここで、ピストンが受ける圧縮抵抗は圧縮開始直後が最も大きくその後は低下するため、圧縮開始のポイントaと上死点との間に圧縮抵抗が低い、換言すればスタータジェネレータ11に要求される起動トルクが低い領域E(例えば、BTDC20〜100°CA)が存在している。図7は通常のエンジン油温時においてスタータジェネレータ11に要求される最小の起動トルクをピストン停止位置毎に測定した試験結果を示しており、この試験結果からも圧縮開始のポイントaと上死点との間に要求起動トルクが低い領域Eが存在することがわかる。
【0032】
上記制動制御の実施により、図6に示すようにピストン停止位置の大半は領域E内で発生する。換言すれば、このようなピストン停止位置が実現されるように、事前の試験に基づいて上記した制動開始回転速度Ne0や図5のマップ特性等が設定されているのである。よって,その後にエンジン始動条件を受けてクランキングを開始したときのスタータジェネレータ11の起動トルクが軽減されて、譬え油温上昇によりオイル潤滑性能が低下しているときでも、余裕をもってクランキングを速やかに立上げて、良好な始動性を実現することができる。
【0033】
しかも、エンジン回転速度Neに比例して負荷抵抗23の抵抗値を増加設定し、エンジン回転速度Neと共に減少するエンジン1の慣性エネルギに見合った負荷トルクを与えているため、目的とする領域E内でピストンが停止する頻度が高まり、その後の始動性を一層向上させることができる。
一方、既存のスタータジェネレータ11を制動制御に利用しているため、トルク吸収手段として専用の装置を設けた場合に比較して、車両重量の増加及び製造コストの高騰を未然に防止できるという利点も得られる。
【0034】
ところで、エンジン1の運転状態に基づき吸気弁の開閉タイミングを調整する可変バルブタイミング機構41(バルブタイミング調整手段)を備えたエンジン(図1に示す)では、吸気弁の閉弁タイミングと共に圧縮開始のポイントaが変化するため、それに伴って圧縮抵抗が低い領域Eも前後する。
そこで、エンジン回転速度Neに基づく図5のマップと同様に、吸気弁の制御状況(例えば、基準位置からのカム軸の進角量)に基づいて所定のマップから負荷抵抗23の抵抗値を設定するようにしてもよい。このように構成すれば、吸気弁の制御に伴う領域Eの変化に応じてピストン停止位置が調整されることになり、結果として吸気弁の制御状況に関わらず圧縮抵抗が低い領域Eにピストンを停止できるため、始動性を一層向上できるという利点が得られる。
【0035】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、アイドルストップ機能付き車両に適用されるエンジン制御装置に具体化したが、その用途はこれに限ることはなく、例えばハイブリッド車両用のエンジン制御装置に具体化してもよい。ハイブリッド車両では走行状態やバッテリのSOC(State Of Charge)等に応じてエンジンを停止始動させているが、上記実施形態と同様にエンジン停止時にスタータジェネレータの発電電流を増加させれば、圧縮抵抗が低い領域E内にピストンを停止させて良好な始動性を実現できる。
【0036】
又、アイドルストップ機能付き車両用のエンジン制御装置として具体化した場合でも、エンジン1や変速機の種類は上記実施形態に限ることはなく、例えばエンジン1の気筒配列を変更したり、筒内噴射型エンジンとして構成したり、或いは自動変速機に代えて手動変速機を適用したりしてもよい。
一方、上記実施形態では、エンジン停止条件として、ブレーキ操作、車速0km/h、シフト位置がD等の走行可能な位置又はNであることを設定し、エンジン始動条件として、ブレーキ操作の中止、シフト位置がD等の走行可能な位置であることを設定したが、停止条件及び始動条件はこれに限定されることはなく、例えばエンジン停止条件として、上記アクセルセンサ35により検出されたアクセル操作量Accが0(アイドル運転中)であることを加えてもよい。
【0037】
更に、上記実施形態では、エンジン回転速度Neに応じて負荷抵抗23の抵抗値を調整したが、必ずしも負荷抵抗23を可変式として構成する必要はなく、代わりに所定の抵抗値を有する固定抵抗を適用してもよい。
一方、上記実施形態では、オルタネータとスタータモータとしての機能を兼ね備えたスタータジェネレータ11を利用してエンジン1に負荷トルクを加えたが、スタータジェネレータ11に代えて通常のオルタネータをエンジン1に備え、このオルタネータの発電電流を増加させることでエンジン1に負荷トルクを加えてもよいし、トルク吸収手段として専用の装置を設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のエンジン制御装置によれば、エンジン始動時にスタータモータ等によるクランキングを速やかに立上げ、もって、良好な始動性を実現することができる。
請求項2の発明のエンジン制御装置によれば、請求項1に加えて、吸気の圧縮抵抗が低い領域内でピストンが停止する頻度を高めて、エンジンの始動性を一層向上させることができる。
【0039】
請求項3の発明のエンジン制御装置によれば、請求項1又は2に加えて、吸気弁の制御状況に関わらず圧縮抵抗が低い領域内でピストンを停止させて、エンジンの始動性を一層向上させることができる。
請求項4及び5の発明のエンジン出力制御装置によれば、請求項1乃至3に加えて、トルク吸収手段として既存の発電機を利用することで、車両重量の増加及び製造コストの高騰を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のアイドルストップ機能付き車両に適用されたエンジン制御装置を示す全体構成図である。
【図2】スタータジェネレータの電気的な接続状態を示す回路図である。
【図3】ECUが実行する制動制御モード設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】ECUが実行する制動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】負荷抵抗の抵抗値を設定するためのマップを示す説明図である。
【図6】実施形態の制動制御を実施した場合のピストン停止位置の分布を示す図である。
【図7】スタータジェネレータに要求される起動トルクをピストン停止位置毎に測定した試験結果を示す図である。
【図8】制動制御を実施しない場合のピストン停止位置の分布を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
11 スタータジェネレータ(トルク吸収手段、発電機)
21 第1ソレノイド(第1回路)
22 第2ソレノイド(第2回路)
23 負荷抵抗(可変抵抗)
31 ECU(エンジン停止再始動手段、トルク吸収制御手段)
36 クランク角センサ(回転速度検出手段)
41 可変バルブタイミング機構(バルブタイミング調整手段)
Claims (5)
- 所定の停止条件の成立に伴いエンジンを停止させると共に、所定の再始動条件の成立に伴い上記エンジンを再始動させるエンジン停止再始動手段と、
上記エンジンの出力軸に接続されて、該エンジンのトルクを吸収可能なトルク吸収手段と、
上記停止条件の成立に伴うエンジン停止時に、上記エンジントルクを吸収すべく上記トルク吸収手段を制御するトルク吸収制御手段とを備え、
上記トルク吸収制御手段は、エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、該エンジン回転速度が所定回転速度より小さくなってから上記エンジンが停止状態となるまでトルク吸収を行うことを特徴とするエンジン制御装置。 - 上記トルク吸収制御手段は、上記回転速度検出手段で検出されたエンジン回転速度の減少に応じてトルク吸収量を減少させることを特徴とする請求項1記載のエンジン制御装置。
- 上記エンジンの運転状態に基づいて吸気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整手段を備え、
上記トルク吸収制御手段は、上記バルブタイミング調整手段により調整される吸気弁の開閉タイミングに応じてトルク吸収量を制御することを特徴とする請求項1又は2記載のエンジン制御装置。 - 上記トルク吸収手段は、上記エンジンからの出力によって駆動される発電機であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジン制御装置。
- 上記発電機とバッテリとを接続する第1回路と、
上記発電機と可変抵抗とを接続する第2回路とを有し、
上記トルク吸収制御手段は、上記トルク吸収手段によってトルク吸収を行う場合に上記第1回路を遮断して上記第2回路を接続すると共に、上記可変抵抗の抵抗値を変更することによりトルク吸収量を変更することを特徴とする請求項4記載のエンジン制御装置。
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