JP2004293327A - エンジンの自動停止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン停止時の騒音や振動を軽減して、これらの騒音や振動による乗員の不快感を抑制でき、ひいては車両のドライバビリティを向上できるエンジンの自動停止装置を提供する。
【解決手段】停止条件が成立したときに(ステップS2がYES)、エンジン停止処理を行うと共に(ステップS6)、スタータジェネレータの発電電流を増加させ(ステップS8)、これによりスタータジェネレータの発電量増加に伴ってエンジン側に大きな回転抵抗を作用させ、エンジン回転速度を急激に低下させる。
【選択図】 図3
【解決手段】停止条件が成立したときに(ステップS2がYES)、エンジン停止処理を行うと共に(ステップS6)、スタータジェネレータの発電電流を増加させ(ステップS8)、これによりスタータジェネレータの発電量増加に伴ってエンジン側に大きな回転抵抗を作用させ、エンジン回転速度を急激に低下させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを自動的に停止させるエンジンの自動停止装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
エンジンの自動停止装置は種々の分野で実施されており、例えば信号待ちや渋滞等による車両の停車中に、燃費節減とエミッション低減を目的としてエンジンを一時的に自動停止させるアイドルストップ車両に適用されている。この種のアイドルストップ車両では、ブレーキ操作、車速0km/h、自動変速機のシフト位置がD(ドライブ)位置である等のエンジン停止条件が成立して、車両の停車中にエンジンを停止させ、その後にブレーキ操作の中止等の運転者の発進意志を表すエンジン始動条件が成立したときに、スタータによりエンジンを始動して発進に備えている。
【0003】
例えば、エンジン停止は燃料供給を中止させることで行われるが、燃料供給の中止直後にエンジン始動条件が成立したときでも、回転中のエンジンのリングギアにスタータモータのピニオンギアが噛合したときの欠損を防止するために、エンジンの完全停止を待ってクランキングを開始している。そのため、完全停止を判定するためには0.5sec程度の時間を要する。
【0004】
従って、始動条件の成立に対してエンジン始動が遅れることになるため、そのための対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に記載されたアイドルストップ車両では、スタータモータをエンジンのクランク軸に対してベルト等で連結して、エンジンの回転中でもクランキングし得るように構成されており、燃料供給の中止直後にエンジン始動条件が成立したときには、エンジンが完全停止する以前にクランキングを開始し、これにより迅速な始動を図っている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−221058号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジン停止時には騒音や振動が生じ、通常の車両も勿論であるが、特にアイドルストップ車両等では渋滞等でエンジン停止・始動を頻繁に繰り返すため、重大な問題となる。しかしながら、上記特許文献1に記載のアイドルストップ車両では、この点について何ら対策を講じていないため、エンジン停止毎に騒音や振動が増大して乗員に不快感を与えてしまう虞があった。
【0007】
本発明の目的は、エンジン停止時の騒音や振動を軽減して、これらの騒音や振動による乗員の不快感を抑制でき、ひいては車両のドライバビリティを向上させることができるエンジンの自動停止装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンのクランク軸に連結されたスタータジェネレータと、スタータジェネレータの発電負荷を増加可能な発電負荷増加手段と、所定の停止条件が成立したときにエンジンを停止させると共に、エンジン停止時に発電負荷増加手段によりスタータジェネレータの発電負荷を増加させる制御手段とを備えたものである。
【0009】
従って、エンジン運転中においてスタータジェネレータはエンジンにより駆動されて発電を行っており、停止条件が成立したときには、制御手段によりエンジンの停止制御と共に、発電負荷増加手段によりスタータジェネレータの発電負荷が増加される。発電負荷の増加に伴ってスタータジェネレータの発電電流が増加するため、スタータジェネレータを駆動するエンジン側に大きな回転抵抗が作用して、エンジン回転速度が急激に低下して速やかにエンジンが停止される。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、制御手段が、所定の始動条件が成立したときに、エンジンの回転に関わらずスタータジェネレータによるクランキングを開始してエンジンを始動させるものである。
従って、エンジンのクランク軸に連結されたスタータジェネレータはエンジン回転中でも任意にクランキング可能であり、始動条件が成立したときにはエンジンの回転に関わらず、換言すればエンジンが完全に停止しているか否かに関わらず、直ちにスタータジェネレータによりクランキングが開始されるため、速やかにエンジンが始動される。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、スタータジェネレータが、エンジンのクランク軸に可撓性伝達要素を介して連結されると共に、クランク軸に対する回転比が大きく設定されたものである。
従って、クランク軸に対するスタータジェネレータの回転比が大きいため、スタータジェネレータに要求されるトルクが軽減され、それに伴ってクランキング時のスタータジェネレータの消費電力を節減可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をアイドルストップ車両に適用されるエンジンの停止始動装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1の全体構成図に示すように、エンジン1は吸気管噴射型の直列4気筒ガソリン機関として構成されている。エンジン1の吸気通路2には各気筒毎に燃料噴射弁3が備えられ、各燃料噴射弁3は図示しない燃料ポンプから燃料を供給される。吸気通路内2内には図示しないエアククリーナから吸気が導入され、導入された吸気はスロットル弁4により流量調整された後に、燃料噴射弁3から噴射された燃料と混合され、混合気として吸気弁の開弁に伴って燃焼室5内に導入される。その後、所定のタイミングで点火プラグ6により混合気が点火され、燃焼後の排ガスが燃焼室5から排気通路7内に排出されて、図示しない触媒や消音器を経て外部に排出される。
【0013】
エンジン1の一側にはスタータジェネレータ11が配設され、このスタータジェネレータ11のプーリ12は、ウォータポンププーリ13及びアイドラプーリ14と共にエンジン1のクランクプーリ15に対してベルト16(可撓性伝達要素)により連結されている。スタータジェネレータ11は発電用のオルタネータとして機能すると共に、エンジン始動用のスタータモータとしても機能する。
【0014】
即ち、スタータジェネレータ11は車両に搭載されたバッテリ17に接続される一方、車両の灯火類やエアコンディショナ(以下、エアコンという)等の電気負荷18にも接続され、エンジン運転中においては、クランクプーリ15によりベルト16を介してウォータポンププーリ13と共に回転駆動されて、バッテリ17への充電や電気負荷18による電力消費を賄う電力を発電する一方、エンジン始動時には、逆にベルト16を介してクランクプーリ15を駆動してエンジン1をクランキングする。
【0015】
スタータジェネレータ11のプーリ12の径はクランクプーリ15の径に比較して十分に大きく(換言すれば、クランク軸に対するスタータジェネレータ11の回転比が大きく)設定されており、スタータジェネレータ11が小さなトルクでエンジン1をクランキング可能なように配慮されている。
図2はスタータジェネレータ11の電気的な接続状態を示す回路図であり、スタータジェネレータ11は第1ソレノイド21を介してバッテリ17に接続される一方、第2ソレノイド22を介して負荷抵抗23に接続されている。第1及び第2ソレノイド21,22は交互に励磁され、第1ソレノイド21の励磁時には、スタータジェネレータ11がバッテリ17側と接続されて、通常通りバッテリ17が充放電されると共にスタータジェネレータ11の発電が行われる。又、第2ソレノイド22の励磁時には、スタータジェネレータ11が負荷抵抗23側と接続されて、スタータジェネレータ11の発電電力が全て負荷抵抗23で消費される。つまり、スタータジェネレータ11の発電電流の増加に伴ってスタータジェネレータ11に作用する発電負荷が最大となるため、このときのスタータジェネレータ11の発電量は最大値に保たれる(発電負荷増加手段)。
【0016】
図示はしないが、このように構成されたエンジン1は自動変速機と連結されて車両に搭載されており、車両走行時において、車速やエンジン1のスロットル開度に応じて変速段が自動的に切換えられる。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU31(エンジン制御ユニット)が設置されている。ECU31の入力側には、運転者によるブレーキ操作を検出するブレーキセンサ32、車速Vを検出する車速センサ33、自動変速機のシフト位置(自動変速で切換えられる変速段ではなく、運転者により選択されたシフトレバーの位置)を検出するシフト位置センサ34、エンジン1の回転に伴って所定周期毎にSGT信号を出力するクランク角センサ35、運転者によるアクセル操作量Accを検出するアクセルセンサ36、及びその他の各種スイッチやセンサ類が接続されている。又、ECU31の出力側には上記燃料噴射弁3、点火プラグ6、スタータジェネレータ11、第1及び第2ソレノイド21,22、及びその他のデバイス類が接続されている。
【0017】
ECU31は上記した各検出情報に基づき燃料噴射制御や点火時期制御を始めとするエンジン1を運転するための各種制御を実行する。
又、ECU31は信号待ちや渋滞等による車両の停車中には、燃料消費量の節減やエミッションの低減を目的としてエンジン1を一時的に自動停止させるアイドルストップ制御を実行すると共に、エンジン停止制御開始の際にはスタータジェネレータ11の発電電流を増加させて、迅速なエンジン停止を図っており、以下、当該アイドルストップ制御の詳細を説明する。
【0018】
車両のイグニションキーがオンされ、且つ、図示しないモード選択スイッチによりアイドルストップの実行が選択されているとき、ECU31は図3に示すアイドルストップ制御ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。尚、通常時のECU31は第1ソレノイド21を励磁し、第2ソレノイド22を消磁しており、これによりスタータジェネレータ11がバッテリ17側と接続されて通常通りの発電を行っているものとする。
【0019】
まず、ECU31は、ステップS2でエンジン停止条件が成立した否かを判定する。本実施形態ではエンジン停止条件として、ブレーキセンサ32によりブレーキ操作が検出されていること、車速センサ33により検出された車速Vが0km/hであること、及びシフト位置センサ34にて検出されたシフト位置がD(ドライブ)等の走行可能な位置、又はN(ニュートラル)であることが設定されており、これらの条件が満たされないときには、ECU31はステップS2でNO(否定)の判定を下してステップS4に移行する。
【0020】
ステップS4ではエンジン始動条件が成立した否かを判定する。本実施形態ではエンジン始動条件として、ブレーキセンサ32によりブレーキ操作の踏込みが解除されたとき、且つ、シフト位置センサ34にて検出されたシフト位置がD等の走行可能な位置であることが設定されており、これらの条件が満たされないときには、ECU31はステップS4でNOの判定を下して一旦ルーチンを終了する。
【0021】
又、エンジン停止条件が成立してステップS2の判定がYES(肯定)になると、ステップS6でエンジン停止処理として燃料噴射制御を中止する。続くステップS8ではスタータジェネレータ11の発電電流を増加させた後、ルーチンを終了する(制御手段)。
ステップS8の処理は以下の手順で行われる。まず、第1ソレノイド21を消磁し、第2ソレノイド22を励磁することで、スタータジェネレータ11を負荷抵抗23側と接続する。結果としてスタータジェネレータ11の発電電流が最大値に保たれるため、スタータジェネレータ11を駆動するエンジン1側に大きな回転抵抗が作用して、停止処理後のエンジン1は回転速度を急激に低下させて速やかに停止される。
【0022】
当該処理は、例えばエンスト判定によりエンジン1の完全停止が確認されるまで継続され、クランクセンサ35からのSGT信号が所定時間に亘って途絶えてエンスト判定を下すと、ECU31は第1ソレノイド21を励磁し、第2ソレノイド22を消磁して通常状態に復帰する。
一方、このようにしてエンジン1を停止した後、エンジン始動条件の成立に伴ってステップS4の判定がYESになると、ECU31はステップS10に移行して車両のエアコンが作動中のときには当該エアコンを停止させる。その後、ステップS12でエンジン始動処理として燃料噴射制御を再開すると共にスタータジェネレータ11を作動させてエンジン1のクランキングを開始する(制御手段)。
【0023】
エアコンの停止によりエアコン用コンプレッサの電磁クラッチが解除されるため、スタータジェネレータ11はコンプレッサに駆動力を奪われることなくクランキングを行う。続くステップS14でエンジン1が完爆(例えば、エンジン回転速度Ne≧所定値N0)になったか否かを判定し、判定がYESになるとステップS16でクランキングを中止し、ステップS18でエアコンの作動を再開した後、ルーチンを終了する。
【0024】
ここで、例えば信号待ちでエンジン停止条件が成立し、その直後に青信号への切換に応じて運転者が発進すべくブレーキ操作を中止した場合には、ステップS6でのエンジン停止処理によりエンジン回転速度Neが低下中、つまりエンジン1が完全に停止する以前にエンジン始動条件が成立することになる。このような場合、本実施形態ではエンジン回転中でもスタータジェネレータ11によりエンジン1を任意にクランキングできるため、エンジン始動条件の成立を受けてステップS12で直ちに燃料噴射制御の再開と共にクランキングが開始され、エンジン1を速やかに始動可能となる。
【0025】
図4はエンジン始動条件の成立で直ちにクランキングを開始する本実施形態の手法と、エンスト判定後にクランキングを開始する従来の手法とのエンジン回転速度Neの回復状況を比較したタイムチャートである。尚、本実施形態の手法では、エンジン始動条件の成立タイミングに応じてエンジン回転速度Neの回復状況も異なるため、エンジン停止処理(図中では燃料カットのF/Cで示す)からエンジン始動条件が成立するまでのエンジン1の行程数に符号「A」を付して表し、例えばF/Cから1行程目でエンジン始動条件が成立した場合はA1と表し、これに対して従来手法をBで表す。
【0026】
図に示すようにF/C後にエンジン回転速度Neは低下し始めるが、従来手法Bでは、エンジン1が完全停止してエンスト判定を下してから(上記のようにSGT信号が途絶えてから所定時間後)エンジン始動処理を開始するため、F/Cからエンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度tgtIDに回復するまでの回転復帰時間Tbが非常に長い。これに対して本実施形態の手法では、エンジン始動条件の成立を受けて直ちにエンジン始動処理が行われるため、エンジン回転速度Neは速やかに目標アイドル回転速度tgtIDに回復し、その回転復帰時間Ta(図ではA1の場合を示す)が非常に短いことがわかる。
【0027】
又、図5は従来手法による回転復帰時間に対する本実施形態の手法による回転復帰時間の短縮効果を示す説明図であり、特にエンジン始動条件が早期に成立するほど大きな短縮効果が得られ、エンジン始動条件の成立が最も遅い5行程後でもエンスト判定時間相当の短縮効果が得られることがわかる。
以上のように本実施形態のアイドルストップ車両用におけるエンジン1の停止始動装置では、エンジン停止条件の成立に伴ってエンジン1を停止させるときに、負荷抵抗23によりスタータジェネレータ11の発電電流を増加させてエンジン1側に大きな回転抵抗を作用させるため、エンジン回転速度Neを急激に低下させて速やかにエンジン1を停止できる。よって、エンジン停止時に生じる騒音や振動を軽減して、譬え渋滞等でエンジン停止・始動を頻繁に繰り返す場合であっても、これらの騒音や振動による乗員の不快感を抑制でき、ひいては車両のドライバビリティを向上させることができる。
【0028】
又、エンジン回転中でも任意にクランキング可能なスタータジェネレータ11の特性を利用して、エンジン始動条件が成立したときには直ちにエンジン始動処理を開始するため、速やかにエンジン1を始動できる。特にアイドルストップ車両では車両発進のために迅速なエンジン始動が要求されるが、このような要望にも十分に応じて運転者に心理的な余裕を与えることができ、ひいてはアイドルストップ車両としてのドライバビリティを向上させることができる。
【0029】
更に、スタータジェネレータ11のプーリ12の径がクランクプーリ15の径に比較して十分に大きく設定されているため、スタータジェネレータ11に要求されるトルクを軽減して消費電力を節減できる。加えて、クランキング時のエアコン停止もスタータジェネレータ11の消費電力の節減に貢献する。アイドルストップ車両では渋滞等でエンジン停止・始動を頻繁に繰り返すため、エンジン始動時にスタータジェネレータ11がかなりの電力を消費し、これを補うために始動後にスタータジェネレータ11の発電量が増加して燃費悪化の要因となるが、クランキング時の消費電力を節減することで、このような不具合を未然に回避することができる。
【0030】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、アイドルストップ車両に適用される停止始動装置に具体化したが、その用途はこれに限ることはなく、例えばハイブリッド車両用の停止始動装置に具体化してもよい。ハイブリッド車両では走行状態やバッテリのSOC(State Of Charge)等に応じてエンジンを停止始動させているが、上記実施形態と同様にスタータジェネレータの発電電流を増加させてエンジンを速やかに停止させれば、振動や騒音の軽減により乗員の不快感を抑制できる。
【0031】
又、アイドルストップ車両用の停止始動装置として具体化した場合でも、エンジン1や変速機の種類は上記実施形態に限ることはなく、例えばエンジン1の気筒配列を変更したり、筒内噴射型エンジンとして構成したり、或いは自動変速機に代えて手動変速機を適用したりしてもよい。
一方、上記実施形態では、エンジン停止条件として、ブレーキ操作、車速0km/h、シフト位置がD等の走行可能な位置又はN位置であることを設定し、エンジン始動条件として、ブレーキ操作の中止、シフト位置がD等の走行可能な位置であることを設定したが、停止条件及び始動条件はこれに限定されることはなく、例えばエンジン停止条件として、上記アクセルセンサ36により検出されたアクセル操作量Accが0(アイドル運転中)であることを加えてもよい。
【0032】
更に、エンジン始動は必ずしも自動的に行う必要はなく、例えばエンジン停止条件に基づいてエンジン1を自動停止させた後は、運転者が自らキー操作によりエンジン1を始動させるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの自動停止装置によれば、スタータジェネレータの発電負荷を増加させることでエンジンに大きな回転抵抗を作用させて速やかに停止させるため、エンジン停止時の騒音や振動を軽減して、これらの騒音や振動による乗員の不快感を抑制でき、ひいては車両のドライバビリティを向上させることができる。
【0034】
請求項2の発明のエンジンの自動停止装置によれば、請求項1に加えて、始動条件が成立したときに直ちにクランキングを開始可能なため、速やかにエンジンを始動することができる。
請求項3の発明のエンジンの自動停止装置によれば、請求項1又は2に加えて、クランク軸に対するスタータジェネレータの回転比を大きくすることで、スタータジェネレータに要求されるトルクを軽減してクランキング時の消費電力を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のアイドルストップ車両に適用されたエンジンの停止始動装置を示す全体構成図である。
【図2】スタータジェネレータの電気的な接続状態を示す回路図である。
【図3】ECUが実行するアイドルストップ制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】エンジンの完全停止以前に始動条件が成立したときのエンジン回転速度の回復状況を実施形態の手法と従来の手法とで比較したタイムチャートである。
【図5】従来の手法に対する実施形態の手法の回転復帰時間の短縮効果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
11 スタータジェネレータ
16 ベルト(可撓性伝達要素)
21 第1ソレノイド(発電負荷増加手段)
22 第2ソレノイド(発電負荷増加手段)
23 負荷抵抗(発電負荷増加手段)
31 ECU(制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを自動的に停止させるエンジンの自動停止装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
エンジンの自動停止装置は種々の分野で実施されており、例えば信号待ちや渋滞等による車両の停車中に、燃費節減とエミッション低減を目的としてエンジンを一時的に自動停止させるアイドルストップ車両に適用されている。この種のアイドルストップ車両では、ブレーキ操作、車速0km/h、自動変速機のシフト位置がD(ドライブ)位置である等のエンジン停止条件が成立して、車両の停車中にエンジンを停止させ、その後にブレーキ操作の中止等の運転者の発進意志を表すエンジン始動条件が成立したときに、スタータによりエンジンを始動して発進に備えている。
【0003】
例えば、エンジン停止は燃料供給を中止させることで行われるが、燃料供給の中止直後にエンジン始動条件が成立したときでも、回転中のエンジンのリングギアにスタータモータのピニオンギアが噛合したときの欠損を防止するために、エンジンの完全停止を待ってクランキングを開始している。そのため、完全停止を判定するためには0.5sec程度の時間を要する。
【0004】
従って、始動条件の成立に対してエンジン始動が遅れることになるため、そのための対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に記載されたアイドルストップ車両では、スタータモータをエンジンのクランク軸に対してベルト等で連結して、エンジンの回転中でもクランキングし得るように構成されており、燃料供給の中止直後にエンジン始動条件が成立したときには、エンジンが完全停止する以前にクランキングを開始し、これにより迅速な始動を図っている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−221058号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジン停止時には騒音や振動が生じ、通常の車両も勿論であるが、特にアイドルストップ車両等では渋滞等でエンジン停止・始動を頻繁に繰り返すため、重大な問題となる。しかしながら、上記特許文献1に記載のアイドルストップ車両では、この点について何ら対策を講じていないため、エンジン停止毎に騒音や振動が増大して乗員に不快感を与えてしまう虞があった。
【0007】
本発明の目的は、エンジン停止時の騒音や振動を軽減して、これらの騒音や振動による乗員の不快感を抑制でき、ひいては車両のドライバビリティを向上させることができるエンジンの自動停止装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンのクランク軸に連結されたスタータジェネレータと、スタータジェネレータの発電負荷を増加可能な発電負荷増加手段と、所定の停止条件が成立したときにエンジンを停止させると共に、エンジン停止時に発電負荷増加手段によりスタータジェネレータの発電負荷を増加させる制御手段とを備えたものである。
【0009】
従って、エンジン運転中においてスタータジェネレータはエンジンにより駆動されて発電を行っており、停止条件が成立したときには、制御手段によりエンジンの停止制御と共に、発電負荷増加手段によりスタータジェネレータの発電負荷が増加される。発電負荷の増加に伴ってスタータジェネレータの発電電流が増加するため、スタータジェネレータを駆動するエンジン側に大きな回転抵抗が作用して、エンジン回転速度が急激に低下して速やかにエンジンが停止される。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、制御手段が、所定の始動条件が成立したときに、エンジンの回転に関わらずスタータジェネレータによるクランキングを開始してエンジンを始動させるものである。
従って、エンジンのクランク軸に連結されたスタータジェネレータはエンジン回転中でも任意にクランキング可能であり、始動条件が成立したときにはエンジンの回転に関わらず、換言すればエンジンが完全に停止しているか否かに関わらず、直ちにスタータジェネレータによりクランキングが開始されるため、速やかにエンジンが始動される。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、スタータジェネレータが、エンジンのクランク軸に可撓性伝達要素を介して連結されると共に、クランク軸に対する回転比が大きく設定されたものである。
従って、クランク軸に対するスタータジェネレータの回転比が大きいため、スタータジェネレータに要求されるトルクが軽減され、それに伴ってクランキング時のスタータジェネレータの消費電力を節減可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をアイドルストップ車両に適用されるエンジンの停止始動装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1の全体構成図に示すように、エンジン1は吸気管噴射型の直列4気筒ガソリン機関として構成されている。エンジン1の吸気通路2には各気筒毎に燃料噴射弁3が備えられ、各燃料噴射弁3は図示しない燃料ポンプから燃料を供給される。吸気通路内2内には図示しないエアククリーナから吸気が導入され、導入された吸気はスロットル弁4により流量調整された後に、燃料噴射弁3から噴射された燃料と混合され、混合気として吸気弁の開弁に伴って燃焼室5内に導入される。その後、所定のタイミングで点火プラグ6により混合気が点火され、燃焼後の排ガスが燃焼室5から排気通路7内に排出されて、図示しない触媒や消音器を経て外部に排出される。
【0013】
エンジン1の一側にはスタータジェネレータ11が配設され、このスタータジェネレータ11のプーリ12は、ウォータポンププーリ13及びアイドラプーリ14と共にエンジン1のクランクプーリ15に対してベルト16(可撓性伝達要素)により連結されている。スタータジェネレータ11は発電用のオルタネータとして機能すると共に、エンジン始動用のスタータモータとしても機能する。
【0014】
即ち、スタータジェネレータ11は車両に搭載されたバッテリ17に接続される一方、車両の灯火類やエアコンディショナ(以下、エアコンという)等の電気負荷18にも接続され、エンジン運転中においては、クランクプーリ15によりベルト16を介してウォータポンププーリ13と共に回転駆動されて、バッテリ17への充電や電気負荷18による電力消費を賄う電力を発電する一方、エンジン始動時には、逆にベルト16を介してクランクプーリ15を駆動してエンジン1をクランキングする。
【0015】
スタータジェネレータ11のプーリ12の径はクランクプーリ15の径に比較して十分に大きく(換言すれば、クランク軸に対するスタータジェネレータ11の回転比が大きく)設定されており、スタータジェネレータ11が小さなトルクでエンジン1をクランキング可能なように配慮されている。
図2はスタータジェネレータ11の電気的な接続状態を示す回路図であり、スタータジェネレータ11は第1ソレノイド21を介してバッテリ17に接続される一方、第2ソレノイド22を介して負荷抵抗23に接続されている。第1及び第2ソレノイド21,22は交互に励磁され、第1ソレノイド21の励磁時には、スタータジェネレータ11がバッテリ17側と接続されて、通常通りバッテリ17が充放電されると共にスタータジェネレータ11の発電が行われる。又、第2ソレノイド22の励磁時には、スタータジェネレータ11が負荷抵抗23側と接続されて、スタータジェネレータ11の発電電力が全て負荷抵抗23で消費される。つまり、スタータジェネレータ11の発電電流の増加に伴ってスタータジェネレータ11に作用する発電負荷が最大となるため、このときのスタータジェネレータ11の発電量は最大値に保たれる(発電負荷増加手段)。
【0016】
図示はしないが、このように構成されたエンジン1は自動変速機と連結されて車両に搭載されており、車両走行時において、車速やエンジン1のスロットル開度に応じて変速段が自動的に切換えられる。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU31(エンジン制御ユニット)が設置されている。ECU31の入力側には、運転者によるブレーキ操作を検出するブレーキセンサ32、車速Vを検出する車速センサ33、自動変速機のシフト位置(自動変速で切換えられる変速段ではなく、運転者により選択されたシフトレバーの位置)を検出するシフト位置センサ34、エンジン1の回転に伴って所定周期毎にSGT信号を出力するクランク角センサ35、運転者によるアクセル操作量Accを検出するアクセルセンサ36、及びその他の各種スイッチやセンサ類が接続されている。又、ECU31の出力側には上記燃料噴射弁3、点火プラグ6、スタータジェネレータ11、第1及び第2ソレノイド21,22、及びその他のデバイス類が接続されている。
【0017】
ECU31は上記した各検出情報に基づき燃料噴射制御や点火時期制御を始めとするエンジン1を運転するための各種制御を実行する。
又、ECU31は信号待ちや渋滞等による車両の停車中には、燃料消費量の節減やエミッションの低減を目的としてエンジン1を一時的に自動停止させるアイドルストップ制御を実行すると共に、エンジン停止制御開始の際にはスタータジェネレータ11の発電電流を増加させて、迅速なエンジン停止を図っており、以下、当該アイドルストップ制御の詳細を説明する。
【0018】
車両のイグニションキーがオンされ、且つ、図示しないモード選択スイッチによりアイドルストップの実行が選択されているとき、ECU31は図3に示すアイドルストップ制御ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。尚、通常時のECU31は第1ソレノイド21を励磁し、第2ソレノイド22を消磁しており、これによりスタータジェネレータ11がバッテリ17側と接続されて通常通りの発電を行っているものとする。
【0019】
まず、ECU31は、ステップS2でエンジン停止条件が成立した否かを判定する。本実施形態ではエンジン停止条件として、ブレーキセンサ32によりブレーキ操作が検出されていること、車速センサ33により検出された車速Vが0km/hであること、及びシフト位置センサ34にて検出されたシフト位置がD(ドライブ)等の走行可能な位置、又はN(ニュートラル)であることが設定されており、これらの条件が満たされないときには、ECU31はステップS2でNO(否定)の判定を下してステップS4に移行する。
【0020】
ステップS4ではエンジン始動条件が成立した否かを判定する。本実施形態ではエンジン始動条件として、ブレーキセンサ32によりブレーキ操作の踏込みが解除されたとき、且つ、シフト位置センサ34にて検出されたシフト位置がD等の走行可能な位置であることが設定されており、これらの条件が満たされないときには、ECU31はステップS4でNOの判定を下して一旦ルーチンを終了する。
【0021】
又、エンジン停止条件が成立してステップS2の判定がYES(肯定)になると、ステップS6でエンジン停止処理として燃料噴射制御を中止する。続くステップS8ではスタータジェネレータ11の発電電流を増加させた後、ルーチンを終了する(制御手段)。
ステップS8の処理は以下の手順で行われる。まず、第1ソレノイド21を消磁し、第2ソレノイド22を励磁することで、スタータジェネレータ11を負荷抵抗23側と接続する。結果としてスタータジェネレータ11の発電電流が最大値に保たれるため、スタータジェネレータ11を駆動するエンジン1側に大きな回転抵抗が作用して、停止処理後のエンジン1は回転速度を急激に低下させて速やかに停止される。
【0022】
当該処理は、例えばエンスト判定によりエンジン1の完全停止が確認されるまで継続され、クランクセンサ35からのSGT信号が所定時間に亘って途絶えてエンスト判定を下すと、ECU31は第1ソレノイド21を励磁し、第2ソレノイド22を消磁して通常状態に復帰する。
一方、このようにしてエンジン1を停止した後、エンジン始動条件の成立に伴ってステップS4の判定がYESになると、ECU31はステップS10に移行して車両のエアコンが作動中のときには当該エアコンを停止させる。その後、ステップS12でエンジン始動処理として燃料噴射制御を再開すると共にスタータジェネレータ11を作動させてエンジン1のクランキングを開始する(制御手段)。
【0023】
エアコンの停止によりエアコン用コンプレッサの電磁クラッチが解除されるため、スタータジェネレータ11はコンプレッサに駆動力を奪われることなくクランキングを行う。続くステップS14でエンジン1が完爆(例えば、エンジン回転速度Ne≧所定値N0)になったか否かを判定し、判定がYESになるとステップS16でクランキングを中止し、ステップS18でエアコンの作動を再開した後、ルーチンを終了する。
【0024】
ここで、例えば信号待ちでエンジン停止条件が成立し、その直後に青信号への切換に応じて運転者が発進すべくブレーキ操作を中止した場合には、ステップS6でのエンジン停止処理によりエンジン回転速度Neが低下中、つまりエンジン1が完全に停止する以前にエンジン始動条件が成立することになる。このような場合、本実施形態ではエンジン回転中でもスタータジェネレータ11によりエンジン1を任意にクランキングできるため、エンジン始動条件の成立を受けてステップS12で直ちに燃料噴射制御の再開と共にクランキングが開始され、エンジン1を速やかに始動可能となる。
【0025】
図4はエンジン始動条件の成立で直ちにクランキングを開始する本実施形態の手法と、エンスト判定後にクランキングを開始する従来の手法とのエンジン回転速度Neの回復状況を比較したタイムチャートである。尚、本実施形態の手法では、エンジン始動条件の成立タイミングに応じてエンジン回転速度Neの回復状況も異なるため、エンジン停止処理(図中では燃料カットのF/Cで示す)からエンジン始動条件が成立するまでのエンジン1の行程数に符号「A」を付して表し、例えばF/Cから1行程目でエンジン始動条件が成立した場合はA1と表し、これに対して従来手法をBで表す。
【0026】
図に示すようにF/C後にエンジン回転速度Neは低下し始めるが、従来手法Bでは、エンジン1が完全停止してエンスト判定を下してから(上記のようにSGT信号が途絶えてから所定時間後)エンジン始動処理を開始するため、F/Cからエンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度tgtIDに回復するまでの回転復帰時間Tbが非常に長い。これに対して本実施形態の手法では、エンジン始動条件の成立を受けて直ちにエンジン始動処理が行われるため、エンジン回転速度Neは速やかに目標アイドル回転速度tgtIDに回復し、その回転復帰時間Ta(図ではA1の場合を示す)が非常に短いことがわかる。
【0027】
又、図5は従来手法による回転復帰時間に対する本実施形態の手法による回転復帰時間の短縮効果を示す説明図であり、特にエンジン始動条件が早期に成立するほど大きな短縮効果が得られ、エンジン始動条件の成立が最も遅い5行程後でもエンスト判定時間相当の短縮効果が得られることがわかる。
以上のように本実施形態のアイドルストップ車両用におけるエンジン1の停止始動装置では、エンジン停止条件の成立に伴ってエンジン1を停止させるときに、負荷抵抗23によりスタータジェネレータ11の発電電流を増加させてエンジン1側に大きな回転抵抗を作用させるため、エンジン回転速度Neを急激に低下させて速やかにエンジン1を停止できる。よって、エンジン停止時に生じる騒音や振動を軽減して、譬え渋滞等でエンジン停止・始動を頻繁に繰り返す場合であっても、これらの騒音や振動による乗員の不快感を抑制でき、ひいては車両のドライバビリティを向上させることができる。
【0028】
又、エンジン回転中でも任意にクランキング可能なスタータジェネレータ11の特性を利用して、エンジン始動条件が成立したときには直ちにエンジン始動処理を開始するため、速やかにエンジン1を始動できる。特にアイドルストップ車両では車両発進のために迅速なエンジン始動が要求されるが、このような要望にも十分に応じて運転者に心理的な余裕を与えることができ、ひいてはアイドルストップ車両としてのドライバビリティを向上させることができる。
【0029】
更に、スタータジェネレータ11のプーリ12の径がクランクプーリ15の径に比較して十分に大きく設定されているため、スタータジェネレータ11に要求されるトルクを軽減して消費電力を節減できる。加えて、クランキング時のエアコン停止もスタータジェネレータ11の消費電力の節減に貢献する。アイドルストップ車両では渋滞等でエンジン停止・始動を頻繁に繰り返すため、エンジン始動時にスタータジェネレータ11がかなりの電力を消費し、これを補うために始動後にスタータジェネレータ11の発電量が増加して燃費悪化の要因となるが、クランキング時の消費電力を節減することで、このような不具合を未然に回避することができる。
【0030】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、アイドルストップ車両に適用される停止始動装置に具体化したが、その用途はこれに限ることはなく、例えばハイブリッド車両用の停止始動装置に具体化してもよい。ハイブリッド車両では走行状態やバッテリのSOC(State Of Charge)等に応じてエンジンを停止始動させているが、上記実施形態と同様にスタータジェネレータの発電電流を増加させてエンジンを速やかに停止させれば、振動や騒音の軽減により乗員の不快感を抑制できる。
【0031】
又、アイドルストップ車両用の停止始動装置として具体化した場合でも、エンジン1や変速機の種類は上記実施形態に限ることはなく、例えばエンジン1の気筒配列を変更したり、筒内噴射型エンジンとして構成したり、或いは自動変速機に代えて手動変速機を適用したりしてもよい。
一方、上記実施形態では、エンジン停止条件として、ブレーキ操作、車速0km/h、シフト位置がD等の走行可能な位置又はN位置であることを設定し、エンジン始動条件として、ブレーキ操作の中止、シフト位置がD等の走行可能な位置であることを設定したが、停止条件及び始動条件はこれに限定されることはなく、例えばエンジン停止条件として、上記アクセルセンサ36により検出されたアクセル操作量Accが0(アイドル運転中)であることを加えてもよい。
【0032】
更に、エンジン始動は必ずしも自動的に行う必要はなく、例えばエンジン停止条件に基づいてエンジン1を自動停止させた後は、運転者が自らキー操作によりエンジン1を始動させるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの自動停止装置によれば、スタータジェネレータの発電負荷を増加させることでエンジンに大きな回転抵抗を作用させて速やかに停止させるため、エンジン停止時の騒音や振動を軽減して、これらの騒音や振動による乗員の不快感を抑制でき、ひいては車両のドライバビリティを向上させることができる。
【0034】
請求項2の発明のエンジンの自動停止装置によれば、請求項1に加えて、始動条件が成立したときに直ちにクランキングを開始可能なため、速やかにエンジンを始動することができる。
請求項3の発明のエンジンの自動停止装置によれば、請求項1又は2に加えて、クランク軸に対するスタータジェネレータの回転比を大きくすることで、スタータジェネレータに要求されるトルクを軽減してクランキング時の消費電力を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のアイドルストップ車両に適用されたエンジンの停止始動装置を示す全体構成図である。
【図2】スタータジェネレータの電気的な接続状態を示す回路図である。
【図3】ECUが実行するアイドルストップ制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】エンジンの完全停止以前に始動条件が成立したときのエンジン回転速度の回復状況を実施形態の手法と従来の手法とで比較したタイムチャートである。
【図5】従来の手法に対する実施形態の手法の回転復帰時間の短縮効果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
11 スタータジェネレータ
16 ベルト(可撓性伝達要素)
21 第1ソレノイド(発電負荷増加手段)
22 第2ソレノイド(発電負荷増加手段)
23 負荷抵抗(発電負荷増加手段)
31 ECU(制御手段)
Claims (3)
- エンジンのクランク軸に連結されたスタータジェネレータと、
上記スタータジェネレータの発電負荷を増加可能な発電負荷増加手段と、
所定の停止条件が成立したときに上記エンジンを停止させると共に、該エンジン停止時に上記発電負荷増加手段により上記スタータジェネレータの発電負荷を増加させる制御手段と
を備えたことを特徴とするエンジンの自動停止装置。 - 上記制御手段は、所定の始動条件が成立したときに、上記エンジンの回転に関わらず上記スタータジェネレータによるクランキングを開始して該エンジンを始動させることを特徴とする請求項1記載のエンジンの自動停止装置。
- 上記スタータジェネレータは、上記エンジンのクランク軸に対して可撓性伝達要素を介して連結されると共に、該クランク軸に対して回転比が大きく設定されたことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンの自動停止装置。
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