JP2001050072A - 2サイクル内燃機関用制御装置 - Google Patents

2サイクル内燃機関用制御装置

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JP2001050072A
JP2001050072A JP11224105A JP22410599A JP2001050072A JP 2001050072 A JP2001050072 A JP 2001050072A JP 11224105 A JP11224105 A JP 11224105A JP 22410599 A JP22410599 A JP 22410599A JP 2001050072 A JP2001050072 A JP 2001050072A
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internal combustion
combustion engine
ignition
cylinder
engine
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JP11224105A
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Yoshinobu Arakawa
祥伸 荒川
Koji Sasaki
孝二 佐々木
Masakazu Tsukada
賢和 塚田
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Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機関の回転方向を反転させるために機関を過進
角した位置で点火した後、機関の回転方向が確認される
までの過渡期間に機関がストースルするのを防止できる
ようにした2サイクル内燃機関用制御装置を提供する。 【解決手段】内燃機関が正回転している場合及び逆回転
している場合のいずれの場合にも、機関の低速時の点火
位置として適した位置で低速時点火位置検出信号を発生
する第1パルサ3Aを備えた信号発生装置と、機関を過
進角位置で点火した後機関の回転方向が確認されるまで
の過渡期間の間、第1パルサ3Aが低速時点火位置検出
信号を発生した時に内燃機関点火装置16に点火動作を
行わせる過渡時点火制御手段15Jとを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2サイクル内燃機
関の回転方向を反転させる制御を行う2サイクル内燃機
関制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクータやスノーモービルのように、操
作が簡便であることを尊ぶ走行装置の原動機としては、
リコイルスタートやキックスタートにより容易に始動す
ることができ、しかも小型、軽量かつ安価である2サイ
クルガソリン機関(以下2サイクル内燃機関という。)
が多く用いられている。
【0003】この種の走行装置では、その変速機がバッ
クギアを備えていないため、狭い場所等で走行装置の向
きを反転させる必要が生じたときに、車体全体を持ち上
げてその向きを変える必要があり、操作性が悪かった。
【0004】そこで、最近、回転方向が正逆いずれの方
向であっても正常な運転ができる2サイクル内燃機関の
特性に着目して、内燃機関の回転方向を正回転から逆回
転に切り替えることにより、走行装置に後退機能を持た
せることが検討されている。2サイクル内燃機関の回転
方向を切り替えることにより、走行装置を前進または後
退させるためには、運転者の指令に応じて内燃機関の回
転方向を任意に切り替え得るようにすることが必要であ
る。
【0005】内燃機関の回転方向を切り替える方法とし
ては、反転指令が与えられた時に内燃機関の回転数を十
分に低下させて、機関の点火を過進角位置(定常運転時
の点火位置の適性な最大進角位置よりも更に進角した位
置)で行わせることにより、ピストンを押し戻して機関
の回転方向を反転させた後、反転した方向への機関の回
転を維持するために適した点火位置で機関を点火するこ
とにより、回転方向が反転した状態での機関の運転を行
わせる方法が提案されている。
【0006】反転指令が与えられた時に機関の回転数を
低下させる方法としては、特開平11−93719号に
示されているように、内燃機関に燃料を供給するインジ
ェクタからの燃料の噴射を停止させる方法や、特開平1
1−82270号に示されているように、点火位置を徐
々に進角させる方法、あるいは、特開平9−25237
8号に示されているように、機関の点火位置を徐々に遅
角させる方法が提案されている。
【0007】2サイクル内燃機関の回転方向を反転させ
る制御を行う内燃機関制御装置は、回転方向を反転させ
ることを指令する反転指令を発生する反転指令発生手段
と、反転指令が発生したときに内燃機関の回転数を低下
させる反転時減速過程と反転時減速過程で内燃機関の回
転数が過進角開始回転数まで低下した時に内燃機関の回
転を反転させるために内燃機関の点火を過進角位置で行
わせる過進角点火過程とを行わせるように内燃機関を制
御する制御ユニットとにより構成される。
【0008】この種の制御装置では、機関のクランク軸
に取り付けたリラクタ付きのロータと該ロータのリラク
タを検出してパルス信号を発生するパルサ(信号発電
子)とを備えた誘導子形の信号発生装置を設けて、該信
号発生装置が発生するパルスから機関の回転数の情報や
クランク軸の回転角度位置の情報を読み取り、これらの
回転数情報や回転角度位置情報を用いて機関の点火位置
や燃料の噴射時間を制御している。
【0009】上記のような方法により機関の回転方向を
反転させる場合には、過進角位置で機関を点火した後、
反転した方向への機関の回転を維持するために適当な位
置で機関の点火と燃料の噴射とをそれぞれ行わせる必要
がある。
【0010】機関の回転方向の反転制御を行う既提案の
制御装置では、機関の回転方向を検出するために特殊な
形状を有するリラクタを備えた信号発生装置を用いて、
過進角位置で機関を点火した後、該信号発生装置から得
られるパルスの位相関係から機関の回転方向を検出し、
回転方向が検出された後に、検出された回転方向に機関
を回転させるために適した点火位置及び噴射タイミング
で機関の点火及び燃料噴射を行わせるようにしていた。
【0011】図7は、2気筒2サイクル内燃機関の反転
制御を行う従来の制御装置で用いられていた信号発生装
置1´の構成を示したもので、同図において2´は内燃
機関のクランク軸4に取り付けられたロータ、3はパル
サである。
【0012】ロータ2´は、クランク軸4に取り付けら
れた鉄製のフライホイール5の外周に極弧角(図示の例
では60°)が等しい2段リラクタ701及び1段リラ
クタ702を180度間隔で形成したものからなってい
る。
【0013】2段リラクタ701は、図8(A)に示す
ように、内燃機関のクランク軸の回転方向に並ぶ第1の
部分701aと第2の部分701bとからなっていて、
第1の部分701aと第2の部分701bとの境界部で
幅寸法が変化するように形成されている。図示の例で
は、2段リラクタ701の第1の部分701aの極弧角
及び第2の部分701bの極弧角がそれぞれ20度及び
40度に設定され、2段リラクタ全体の極弧角が60度
に設定されている。
【0014】また1段リラクタ702は、図8(B)に
示したように、クランク軸の回転方向に沿って均一な幅
寸法及び厚み寸法を有していて、その極弧角が60度に
設定されている。
【0015】ここで2段リラクタ701は図示しない2
気筒2サイクル内燃機関の第1気筒に対応し、1段リラ
クタ702は機関の第2気筒に対応している。
【0016】パルサ3は、リラクタに対向する磁極部3
a1を先端に有する鉄心3aと、該鉄心3aに巻回された
信号コイル3bと、鉄心3aに磁気結合された永久磁石
3cとを備えた周知のもので、その磁極部3a1がロータ
2´の外周のリラクタ701,702に所定のギャップ
を介して対向し得るように配置されて、機関のケースや
カバーなどに設けられたパルサ取付け部に固定されてい
る。
【0017】図7に示した例では、機関が正回転したと
きにロータ2´が図面上反時計方向(図示の矢印方向)
に回転するものとしている。図9及び図10はそれぞれ
機関が正回転したとき及び逆回転したときに図7の信号
発生装置から得られるパルスの波形を、正回転時及び逆
回転時のリラクタの向きとともに示したもので、図9及
び図10の横軸には機関のクランク軸の回転角度θをと
ってある。
【0018】図7に示した信号発生装置では、内燃機関
が正回転するときに図9(A)に示すように、2段リラ
クタ701の第1の部分701aが第2の部分701b
よりも先にパルサ3の磁極部に対向し、機関が逆回転す
るときには、図10(A)に示すように、2段リラクタ
701の第2の部分701bが第1の部分701aより
も先にパルサの磁極部に対向するように、2段リラクタ
701の向きが設定されている。
【0019】またリラクタ701,702がパルサ3の
磁極部3a1との対向を開始する際(信号コイル3bに鎖
交する磁束が増加する際)に信号コイル3bに負極性の
パルスが誘起し、リラクタ701,702がパルサ3の
磁極3a1との対向を終了する際(信号コイルに鎖交する
磁束が減少する際)に信号コイル3bに正極性のパルス
が誘起するように、信号コイル3bの巻回方向が設定さ
れている。
【0020】図9及び図10に示された符号BT(Befo
re Top Dead Centre) は、その後に続けて表示された数
字が、上死点(ピストンが上死点に達したときのクラン
ク軸の回転角度位置)を基準にして進角側に測った角度
であることを意味し、AT(After Top Dead Centre)は
その後に続けて表示された数字が上死点を基準にして遅
角側に測った角度であることを意味している。また#1
及び#2はそれぞれ機関の第1気筒及び第2気筒に関連
する回転角度位置であることを意味している。例えば、
#1BT52は第1気筒の上死点前52度の位置である
ことを意味し、#2AT12は第2気筒の上死点後12
度の位置であることを意味している。
【0021】図示の例では、機関が正回転しているとき
に、図9(B)に示すように、パルサ3が第1気筒の上
死点前72度の位置で2段リラクタ701の第1の部分
701a側の端部701a1を検出して負極性のパルスV
n11 を発生し、第1気筒の上死点前52度の位置でリラ
クタの第1の部分701aと第2の部分701bとの境
界部を検出して負極性のパルスVn12 を発生する。パル
サはまた、内燃機関の正回転時に第1気筒の上死点前1
2度の位置でリラクタ701の第2の部分701b側の
端部701b1を検出して正極性のパルスVp1を発生し、
第2気筒の上死点前72度の位置及び12度の位置でそ
れぞれ1段リラクタ702の一端及び他端をそれぞれ検
出して負極性のパルスVn2及び正極性のパルス信号Vp2
を発生する。
【0022】機関が逆回転している時には、図10
(B)に示すように、パルサ3が、第1気筒の上死点後
12度の位置で負極性のパルスVn1を発生し、第1気筒
の上死点後52度の位置及び上死点後72度の位置でそ
れぞれ正極性の対のパルスVp11,Vp12 を発生する。
パルサ3はまた、機関の逆転時に第2気筒の上死点後1
2度の位置で負極性のパルスVn2を発生し、上死点後7
2度の位置で正極性のパルスVp2を発生する。
【0023】なお信号発生装置のロータに設ける2段リ
ラクタ701は、図8(C)に示したように、厚み寸法
が小さい第1の部分701aと厚み寸法が大きい第2の
部分701bとを有して、第1の部分701aと第2の
部分701bとの境界部で厚みが変化する形状であって
もよい。
【0024】図7に示した例では、リラクタが突起から
なっているが、リラクタは、パルサの磁極部の位置を通
過する際に、パルサの信号コイルに鎖交する磁束が流れ
る磁路のリラクタンスを急峻に変化させる(2段リラク
タの場合にはリラクタンスを2段階に変化させる)形状
を有していればよい。例えばロータの外周に形成された
溝によりリラクタを形成するようにしてもよい。
【0025】内燃機関の始動時には、始動装置により機
関を必ず正回転させるようになっている。したがって、
機関の回転情報を得るために上記のような信号発生装置
を用いた場合、機関の始動時には、パルサ3が2段リラ
クタ701を検出した時に、図9(B)に示すように、
対の負極性パルスVn11 ,Vn12 を発生した後、単一の
正極性パルスVp1を発生し、リラクタ702を検出した
時に、負極性のパルスVn2に続いて正極性のパルスVp2
を発生する。
【0026】内燃機関を制御するため、CPUを備えた
電子式の制御ユニット(ECU)が用いられる。ECU
は、信号発生装置1が発生するパルスから得られる回転
情報(回転数情報及び回転角度情報)と、スロットルバ
ルブの開度を検出するスロットルセンサや機関の冷却水
温度を検出する温度センサなどから得られる各種の制御
条件とに基づいて、機関の点火位置や燃料噴射時間を演
算し、演算した噴射時間の間インジェクタから燃料を噴
射させるようにインジェクタを駆動するとともに、演算
した点火位置で点火装置に点火タイミング信号を与える
ことにより機関の点火動作を行わせる。
【0027】上記の制御装置では、正極性パルスVp1,
Vp2がそれぞれ機関の第1気筒及び第2気筒の低速時の
点火位置として適当な位置(この例では上死点前12度
の位置)で発生するように信号発生装置のロータとパル
サとの位置関係が設定されている。
【0028】正極性パルスVp1,Vp2がいずれの気筒用
の点火位置を与える信号であるかの判定は、正極性パル
スに先行して発生する負極性のパルスが1個であるか2
個であるかによって行う。すなわち、2個の負極性パル
スVn11 ,Vn12 が発生した後に発生した正極性パルス
Vp1を第1気筒の点火位置を定めるパルスと判定し、1
つの負極性パルスVn2の後に発生した正極性パスルVp2
を第2気筒の点火位置を定めるパルスと判定する。これ
らの判定を行う過程により気筒判別手段が実現される。
【0029】CPUはまた、パルサ3が図9(B)に示
すように対の負極性パルスVn11 ,Vn12 を発生した後
に1つの正極性パルスVp1を発生した時に、機関が正回
転していると判定し、図10(B)に示すように、パル
ス3が1つの負極性パルスVn1を発生した後に対の正極
性パルスVp11 ,Vp12 を発生した時に機関が逆回転し
ていると判定する。これらの判定を行う過程により、回
転方向検出手段が実現される。
【0030】CPUはまた、パルサ3が正極性パルスV
P1を発生してから正極性パルスVp2を発生するまでの時
間(クランク軸が一定の角度回転するのに要する時間)
から機関の回転数を演算する。
【0031】内燃機関の始動時には、回転数を的確に演
算することができず、演算により点火位置を決定するこ
とができないため、制御ユニット内のCPUは、パルサ
3が機関の第1気筒及び第2気筒の上死点前12度の位
置(始動時の点火位置として適正な位置)で正極性パル
スVp1及びVp2をそれぞれ発生した時に点火装置に第1
気筒用及び第2気筒用の点火タイミング信号を与えて、
第1気筒及び第2気筒の点火を行わせる。
【0032】機関が始動した後は、CPUにより演算さ
れた点火位置で機関が点火され、CPUにより演算され
た噴射時間の間インジェクタが駆動されて、該インジェ
クタからの燃料の噴射が行われる。点火位置は、各気筒
内のピストンの上死点に相応するクランク軸の回転角度
位置(上死点位置という。)よりも72度だけ進んだ位
置を基準位置として、該基準位置から点火位置まで機関
が回転する間にECU内の点火タイマが計数すべきクロ
ックパルスの数(点火位置検出用計数値)の形で演算さ
れる。CPUは、各気筒の基準位置(上死点前72度の
位置)で負極性パルスVn11 またはVn2が与えられたと
きに点火タイマに点火位置検出用計数値をセットして該
計数値の計数を開始させ、点火タイマが各気筒用の点火
位置検出用計数値を計数した時に各気筒用の点火装置に
点火タイミング信号を与えて点火動作を行わせる。各気
筒用のインジェクタから燃料を噴射する燃料噴射時間に
ついても同様の制御が行われる。
【0033】また従来の制御装置において、走行装置を
後退させるために、反転指令が与えられた時には、燃料
をカットしたり、点火位置を遅角させたりすることによ
り機関の回転数を低下させる反転時減速制御過程を行わ
せ、次いで、内燃機関の回転数が過進角開始回転数まで
低下したとき(機関の慣性が十分に小さくなったとき)
に、十分に過進角した位置で機関を点火する過信角点火
過程を行わせ、この過進角位置での点火によりピストン
を押し戻して機関の回転方向を反転させる。この過進角
点火過程では例えば、1つの気筒を過進角位置で1回だ
け点火する。
【0034】その後、パルサ3が発生するパルスを監視
して、対のパルスVn11 ,Vn12 が発生してから単一パ
ルスVp1が発生するか、または単一パルスVn1が発生し
てから対のパルスVp11 ,Vp12 が発生するかにより
(対のパルスと単一パルスとの位相関係から)機関の回
転方向を検出して、機関が逆転していることが確認され
た後に、機関の逆回転を維持するために適した位置で燃
料の噴射を行わせるとともに、機関の逆回転を維持する
ために適した位置で各気筒用の点火装置に点火タイミン
グ信号を与えて、逆転方向への機関の運転を行わせる。
【0035】過進角位置での点火を行った後、パルサ3
が発生するパルスを監視した結果、機関が依然として正
回転していると判定されたときには、機関を正回転させ
るために適した位置で点火動作と燃料の噴射とを行わせ
て、機関の回転を維持する。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の制御装置に
おいて、機関の反転制御時に過進角位置で点火を行わせ
た際には、点火により生じる爆発力と機関の回転を維持
しようとする慣性力とが拮抗し、爆発力が慣性力に打ち
勝つと回転方向の反転に成功する。また爆発力が慣性力
に負けた場合には、機関の回転に失敗し、爆発力と慣性
力とが等しいときには機関が停止する。
【0037】いずれにしても、過進角位置で点火を行わ
せた後、機関の回転方向が確認されるまでの期間は、爆
発力と慣性力との僅かな差により機関が回転している状
態にあるため、機関はきわめて停止し易い状態にある。
この状態で機関の回転を維持するためには、機関を点火
することが望ましいが、従来の制御装置では、過進角位
置で点火を行わせた後、機関の回転方向が検出されるま
での間は機関を点火することができなかったため、この
間に機関がストールすることがあって好ましくなかっ
た。
【0038】なお、機関の回転方向が検出されるまでの
間、パルサ3が正極性パルスを発生する位置または負極
性パルスを発生する位置で機関を点火することが考えら
れるが、パルサ3がパルスを発生する位置のうち、機関
の回転を維持するために適した点火位置として用いるこ
とができるのは、機関が正回転している状態で正極性パ
ルスVp1及びVp2が発生する位置(上死点前12度の位
置)のみであり、その他のパルスの発生位置は機関の回
転を維持するための点火位置として用いることができな
い。
【0039】反転制御において、過進角位置で点火を行
わせた後、回転方向が確認されるまでの過渡期間に、図
7の信号発生装置のパルサ3が正極性パルスを発生した
時に機関を点火するようにした場合、機関がストールす
るのを防ぐことができるのは機関の逆転に失敗した場合
のみであり、機関の回転方向の反転に成功した場合に機
関がストールするおそれをなくすことはできない。
【0040】本発明の目的は、機関を反転させるために
過進角位置で機関を点火した後機関がストールするおそ
れをなくした2サイクル内燃機関制御装置を提供するこ
とにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、2サイクル内
燃機関の回転方向を反転させることを指令する反転指令
を発生する反転指令発生手段と、反転指令が発生したと
きに内燃機関の回転数を低下させる反転時減速過程と反
転時減速過程で内燃機関の回転数が過進角開始回転数ま
で低下した時に内燃機関の回転を反転させるために内燃
機関の点火を過進角位置で行わせる過進角点火過程とを
行わせるように内燃機関を制御する制御ユニットとを備
えた2サイクル内燃機関制御装置に係わるものである。
【0042】本発明においては、内燃機関が正回転して
いるときには内燃機関が正回転している状態での低速時
の点火位置として適した位置で低速時点火位置検出パル
スを発生し、内燃機関が逆回転しているときには内燃機
関が逆回転している状態での低速時の点火位置として適
した位置で低速時点火位置検出パルスを発生する信号発
生装置が設けられる。また、制御ユニットには、過進角
点火過程が行われた後に信号発生装置が低速時点火位置
検出パルスを発生する位置で内燃機関を点火する過渡時
点火制御手段が設けられる。
【0043】上記のように構成すると、過進角位置で機
関を点火させた後の過渡状態において、機関の回転方向
の反転に成功した場合、及び失敗した場合のいずれの場
合にも、低速時の点火位置として適した位置で機関を点
火することができるため、機関を反転させるために過進
角位置で機関を点火した後に機関がスートルするおそれ
を無くすことができる。
【0044】内燃機関がn個(nは1以上の整数)の気
筒を有している場合には、n個の気筒にそれぞれ対応
し、クランク軸の回転方向に沿って均一な厚み寸法と幅
寸法とを有するn個のリラクタを備えて内燃機関のクラ
ンク軸に取り付けられたロータと、該ロータのリラクタ
を検出し得る位置に配置されて各気筒に対応するリラク
タの回転方向の前端を検出した時に各気筒用の低速時点
火位置検出パルスを発生するパルサとにより信号発生装
置が構成される。
【0045】この場合、機関の各気筒内のピストンが上
死点に達した時に、クランク軸の中心とパルサの磁極の
中心とを結ぶ直線の両側に各気筒に対応するリラクタの
周方向の両端を位置させるように、内燃機関の各気筒に
対応するリラクタを設けて、内燃機関の回転方向がいず
れの方向である場合にもパルサが内燃機関の各気筒の低
速時の点火位置として適した位置で低速時点火位置検出
パルスを発生するように各リラクタの周方向の両端の位
置を設定する。
【0046】また制御ユニットに設ける過渡時点火制御
手段は、過進角点火過程が行われた後、信号発生装置が
各気筒に対応するリラクタの回転方向の前端を検出して
低速時点火位置検出パルスを発生した時に内燃機関の各
気筒を点火するように構成される。
【0047】上記の制御装置を具体化するに当っては、
内燃機関の回転方向を判別するための情報を得るための
手段を設けることが必要であり、機関が2気筒以上の気
筒を有する多気筒内燃機関である場合には、点火すべき
気筒及び燃料を噴射すべき気筒を判別するために必要な
回転角度情報を得るための手段を設けることが必要であ
る。
【0048】機関の回転方向の情報及び気筒を判別する
ための情報を得るために、低速時の点火位置を定めるた
めの信号を得る信号発生装置とは別個の信号発生装置を
設けてもよいが、構成を簡単にするためには、これら機
関の回転に関するすべての情報を1つの信号発生装置か
ら得るようにするのが好ましい。
【0049】そのため、上記信号発生装置は、内燃機関
のクランク軸の軸線方向に位置をずらした状態で設けら
れた第1の誘導子磁極部と第2の誘導子磁極部とを有し
て内燃機関のクランク軸に取り付けられたロータと、第
1の誘導子磁極部及び第2の誘導子磁極部に対してそれ
ぞれ設けられた第1及び第2のパルサとを備えた構成と
するのが好ましい。
【0050】この場合、ロータの第1の誘導子磁極部に
は、クランク軸の回転方向に沿って均一な厚み寸法と幅
寸法とを有するように形成されて内燃機関が有するn個
(nは2以上の整数)の気筒にそれぞれ対応させて等角
度間隔で配置されたn個の第1のリラクタを設け、第2
の誘導子磁極部には、クランク軸の回転方向に並ぶ第1
の部分と第2の部分とからなっていて該第1の部分と第
2の部分との境界部で厚み寸法または幅寸法が変化する
ように形成された1つの2段リラクタと、クランク軸の
回転方向に沿って均一な厚み寸法と幅寸法とを有するよ
うに形成されたn−1個の1段リラクタとを含むn個の
第2のリラクタとを設けておく。ここで、n個の第2の
リラクタは、2段リラクタを内燃機関の1つの気筒に対
応させ、他のn−1個の1段リラクタを内燃機関の他の
n−1個の気筒にそれぞれ対応させた状態で等角度間隔
で配置する。
【0051】第1のパルサは、ロータの第1の誘導子磁
極部の各リラクタを検出し得るように配置して、第1の
誘導子磁極部のリラクタの周方向の両端をそれぞれ検出
した時に極性が異なるパルスを発生するように構成す
る。また第2のパルサは、ロータの第2の誘導子磁極部
の2段リラクタ及び1段リラクタを検出し得るように配
置して2段リラクタの第1の部分側の端部及び前記境界
部をそれぞれ検出した時に同極性の対のパルスを発生す
るとともに、2段リラクタの第2の部分側の端部を検出
した時に対のパルスと極性が異なる単一パルスを発生
し、1段リラクタの両端をそれぞれ検出した時に極性が
異なるパルスを発生するように構成する。
【0052】そして、内燃機関の回転方向がいずれの方
向である場合にも、第1のパルサが各気筒に対応する第
1のリラクタの回転方向の前端を検出した時に発生する
パルスの発生位置が内燃機関の各気筒の低速時の点火位
置として適した位置となるように、各気筒に対応する第
1のリラクタの配設位置を設定する。
【0053】この場合、制御ユニットは、過進角点火過
程が行われた後に第1のパルサが第1のリラクタの回転
方向の前端を検出してパルスを発生した時に内燃機関を
点火する過渡時点火制御手段と、第2のパルサが発生す
る対のパルスと単一パルスとの位相関係から内燃機関の
回転方向を検出する回転方向検出手段と、第1のパルサ
が発生するパルスの発生間隔または第2のパルサが発生
するパルスの発生間隔から内燃機関の回転数を演算する
回転数演算手段と、回転数演算手段により演算された回
転数における内燃機関の点火位置を演算する点火位置演
算手段と、第2のパルサが発生する対のパルスと単一パ
ルスとの位相関係から点火すべき気筒を判別する気筒判
別手段と、回転方向検出手段により検出された回転方向
への回転を維持するべく気筒判別手段により判別された
気筒の点火を点火位置演算手段により演算された点火位
置で行わせる点火位置制御手段とを備えた構成とする。
【0054】上記のように信号発生装置を構成すると、
第2のパルサが2段リラクタを検出した時に発生する同
極性の対のパルスと、該対のパルスとは極性が異なる単
一パルスとの位相関係を判別することにより、機関の回
転方向を判別することができる。また第1のパルサ及び
第2のパルサが発生する正負の極性のパルスの発生順序
を判別することにより、各パルスがいずれの気筒に対応
するリラクタを検出した時に発生したパルスであるかを
判別することができるため、点火すべき気筒を判別する
ための情報と燃料を噴射すべき気筒を判別するための情
報とを容易に得ることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】図1は2サイクル2気筒内燃機関
を制御する場合を例にとって、本発明の制御装置の要部
の構成例を概略的に示したものである。同図において1
0は2サイクル内燃機関、11は走行装置の走行方向を
反転させる際に操作される反転指令スイッチで、この例
では、反転指令スイッチ11により反転指令発生手段が
構成されている。反転指令スイッチ11としては、複数
の固定接点と該複数の固定接点に選択的に接触させられ
る可動接点とを備えた切替スイッチを用いてもよく、押
ボタンスイッチのように、操作力を与えている間だけオ
ン状態またはオフ状態になるモメンタリスイッチを用い
てもよい。反転指令スイッチ11として切替スイッチを
用いる場合には、走行装置を前進させるときと後退させ
るときとで可動接点を異なる固定接点に接触させること
により、反転指令を発生させる。
【0056】また反転指令スイッチ11としてモメンタ
リスイッチを用いる場合には、該スイッチを操作する毎
に走行方向を反転させる反転指令を発生させる。
【0057】図1において1は、第1のパルサ3A及び
第2のパルサ3Bを備えた信号発生装置で、第1及び第
2パルサ3A及び3Bは、機関のクランク軸の回転に同
期して、機関の回転情報を含むパルス信号を発生する。
【0058】15は反転指令スイッチ11により与えら
れる反転指令と、第1パルサ3A及び第2パルサ3Bが
発生するパルスとを入力として、内燃機関点火装置16
及び燃料供給装置17を制御するECU(電子式制御ユ
ニット)である。図示の例では、機関の各気筒に対して
設けられた図示しないインジェクタと、各インジェクタ
に駆動電流を与える駆動回路とにより燃料供給装置17
が構成されている。
【0059】図示してないが、ECU15には、スロッ
トルバルブの開度を検出するスロットルセンサの出力、
機関の冷却水の温度を検出する温度センサの出力、吸気
温度を検出するセンサの出力、大気圧を検出するセンサ
の出力等が更に入力されている。これらのセンサから得
られる検出出力は、機関の点火位置及びインジェクタか
ら燃料を噴射する時間(燃料噴射時間)を演算するため
に用いられる。
【0060】図3は第1のパルサ3A及び第2のパルサ
3Bが設けられる信号発生装置1の構成を概略的に示し
たものである。この例では、機関のクランク軸4の先端
に取り付けられたカップ状のフライホイール5の外周
に、180度間隔で配置された同形状の第1のリラクタ
601,602を有する第1の磁極部6と、同じく18
0度間隔で配置された形状が異なる2つの第2のリラク
タ701,702を有する第2の磁極部7とを、クラン
ク軸4の軸線方向に位置をずらした状態で形成して構成
したロータ2と、第1のリラクタ601,602,及び
第2のリラクタ701,702にそれぞれ対向するよう
に配置されて機関のケースなどに取り付けられた第1の
パルサ3A及び第2のパルサ3Bとにより信号発生装置
1が構成されている。
【0061】第1のリラクタ601,602は図4
(A)に示すように、フライホイールの周方向に沿って
均一な幅寸法を有する1段リラクタからなっており、こ
の例では、リラクタ601,602のそれぞれの極弧角
が24度に設定されている。
【0062】図示の例では、、内燃機関の第1気筒内の
ピストンが上死点に達した時にクランク軸の中心と第1
パルサ3Aの磁極の中心とを結ぶ直線の両側にリラクタ
601の周方向の両端を位置させるように、リラクタ6
01が設けられ、内燃機関の第2気筒内のピストンが上
死点に達した時にクランク軸の中心と第1パルサ3Aの
磁極の中心とを結ぶ直線の両側にリラクタ602の周方
向の両端を位置させるように、リラクタ601が設けら
れている。
【0063】第2のリラクタ701,702は図7に示
した従来の信号発生装置1´のロータ2´に設けられて
いたリラクタ701,702と全く同様に構成され、そ
れぞれの極弧角は60度に設定されている。第2のリラ
クタ701,702のうちの一方701は図5(A)及
び図6(A)に示すように、幅が狭い第1の部分701
aと幅が広い第2の部分701bとがフライホイールの
周方向に並ぶ形状を有する2段リラクタからなり、他方
のリラクタ702は、フライホイールの周方向に沿って
均一な幅寸法を有する1段リラクタからなっている。
【0064】第1パルサ3A及び第2のパルサ3Bは図
7に示したパルサ3と同様の構成を有するもので、第1
のパルサ3Aは、第1のリラクタ601,602のそれ
ぞれの両端を検出した時に極性が異なるパルスを発生す
る。
【0065】また第2のパルサ3Bは、第2のリラクタ
701,702のうちの一方701の第1の部分701
a側の端部701a1を検出したとき及び第1の部分70
1aと第2の部分701bとの境界部を検出したときに
同極性のパルス信号を発生し、第2の部分701b側の
端部701b1を検出したときに異極性のパルス信号を発
生する。第2パルサ3Bはまた、第2のリラクタ70
1,702の他方702の両端をそれぞれ検出したとき
に極性が異なるパルス信号を発生する。
【0066】内燃機関が正回転しているときに第1パル
サ3A及び第2パルサ3Bが発生するパルス信号の波形
をそれぞれ図5(D)及び(B)に示し、内燃機関が逆
回転しているときに第1パルサ3A及び第2パルサ3B
が発生するパルス信号の波形をそれぞれ図6(D)及び
(B)に示した。
【0067】上記の信号発生装置では、図5(D)に示
すように、機関の正回転時に機関のクランク軸の回転角
度位置が第1気筒の上死点位置(第1気筒のピストンの
上死点に相応するクランク軸の回転角度位置)よりも1
2度進角した位置(#1BT12)に一致した時及び第
1気筒の上死点位置よりも12度遅角した位置(#1A
T12)に一致した時にそれぞれ第1パルサ3Aがリラ
クタ601の回転方向の前端部及び後端部を検出して負
極性パルスVna及び正極性パルサVpaを発生し、機関の
正回転時に機関のクランク軸の回転角度位置が第2気筒
の上死点位置よりも12度進角した位置(#2BT1
2)に一致した時及び第2気筒の上死点位置よりも12
度遅角した位置(#2AT12)に一致した時にそれぞ
れ第1パルサ3Aがリラクタ602の回転方向の前端部
及び後端部をそれぞれ検出して負極性パルスVnb及び正
極性パルサVpbを発生するように、リラクタ601,6
02と第1パルサ3Aとの位置関係が設定されている。
【0068】内燃機関の正回転時に第1パルサ3Aが第
1気筒の上死点前12度の位置及び第2気筒の上死点前
12度の位置でそれぞれ発生する負極性パルスVna及び
Vnb(図5D参照)が正回転時の第1気筒及び第2気筒
用の低速時点火位置検出パルスとして用いられ、機関の
逆回転時に第1パルサ3Aが第1気筒の上死点前12度
の位置及び第2気筒の上死点前12度の位置でそれぞれ
発生する負極性パルスVna及びVnb(図6D参照)が逆
回転時の第1気筒及び第2気筒用の低速時点火位置検出
パルスとして用いられる。
【0069】また図5(B)に示すように、機関の正回
転時に機関のクランク軸の回転角度位置が第1気筒の上
死点位置よりも72度進角した位置に一致した時及び上
死点位置よりも52度進角した位置に一致した時にそれ
ぞれ第2パルサ3Bがリラクタ701の第1の部分70
1a側の端部701a1及び第1の部分701aと第2の
部分701Bとの境界部を検出して負極性のパルスVn1
1 及びVn12 を発生し、機関の正回転時にクランク軸の
回転角度位置が第1気筒の上死点位置よりも12度進角
した位置に一致した時に第2パルサ3Bが正極性のパル
スVp1を発生し、かつ機関の正回転時にクランク軸の回
転角度位置が第2気筒の上死点位置よりも72度進角し
た位置及び12度進角した位置にそれぞれ一致した時に
第2パルサ3Bがリラクタ702の回転方向の前端部及
び後端部をそれぞれ検出して負極性パルスVn2及び正極
性パルサVp2を発生するように、リラクタ701,70
2の各部の寸法、及びリラクタ701,702と第2の
パルサ3Bとの位置関係が設定されている。
【0070】図5において、各気筒の上死点位置に対し
て72度進角したクランク軸の回転角度位置は、演算に
より求められた各気筒の点火位置の計測及び噴射タイミ
ングの計測を開始する位置である。また各気筒の上死点
位置に対して52度進角したクランク軸の回転角度位置
は、機関を逆転させる際に回転数が過進角開始回転数ま
で低下したときに各気筒の点火を行わせる過進角位置で
ある。更に、各気筒の上死点位置に対して12度進角し
た位置は、各気筒の低速時の点火位置として適した位置
であり、機関の始動時や低速回転時においては、この低
速時の点火位置で機関の点火を行わせる。
【0071】また図6において、各気筒の上死点位置に
対して52度遅角した位置は、機関の回転方向を反転さ
せる際(機関を正回転させる際)に、回転数が過進角回
転数まで低下したときに各気筒の点火を行わせる過進角
位置である。更に、各気筒の上死点に対して12度進角
した位置は、機関を逆回転させたままで運転する際の点
火位置である。
【0072】上記のように信号発生装置1を構成する
と、内燃機関が正回転しているときにも、逆回転してい
るときにも、第1気筒及び第2気筒の低速時の点火位置
として適した位置(それぞれの気筒の上死点前12度の
位置)で第1パルサ3Aから低速時点火位置検出パルス
Vna及びVnbを得ることができる。従って、機関の回転
方向を反転させるために過進角位置で機関を点火した
後、回転方向が確認されるまでの過渡状態において、第
1のパルサ3AがパルスVna及びVnbを発生した時に点
火を行わせるようにすれば、機関の回転方向の反転に成
功した場合、及び反転に失敗した場合のいずれの場合に
も、機関の回転を維持するために適した位置で機関を点
火して、機関のストールを防止することができる。
【0073】本発明においては、機関の回転方向を反転
させるために過進角位置で機関を点火した後、機関の回
転方向の確認が行われるまでの過渡状態において、上記
信号発生装置1が各気筒用の低速時点火位置検出パルス
を発生した時に内燃機関の各気筒を点火する点火装置に
点火タイミング信号を与えて各気筒の点火動作を行わせ
る過渡時点火制御手段を制御ユニット15に設ける。ま
た上記過渡状態における第1気筒及び第2気筒の燃料噴
射タイミングは、上記点火タイミングと同じとする。
【0074】また走行装置を後退させる際には、走行速
度を高くする必要がないため、機関を逆転する際には点
火位置の制御を行わないものとし、第1のパルサ3Aが
低速時点火位置検出パルスVna及びVnbを発生した時に
それぞれ機関の第1気筒及び第2気筒を点火する。
【0075】図3に示した例では、フライホイール5の
周壁部の内周に永久磁石8が取り付けられて磁石界磁が
構成され、フライホイール5の内側に永久磁石8により
構成された磁石界磁の磁極に対向する磁極部を有する鉄
心に発電コイルを巻回したものからなる固定子9が配置
されている。固定子9は内燃機関のケースなどに設けら
れた固定子取付け部に固定されている。フライホイール
5と磁石8とによりフライホイール磁石回転子が構成さ
れ、この磁石回転子と固定子9とにより磁石発電機が構
成されている。この磁石発電機は、内燃機関用点火装置
やインジェクタに駆動電圧を供給したり、電子制御ユニ
ット15の電源回路に電力を与えたりするために用いら
れる。
【0076】本発明で用いる電子制御ユニット15の構
成例を図2に示した。図2に示した電子制御ユニット
(ECU)15において、回転数演算手段15Aは、第
2パルサ3Bが発生するパルスの発生間隔(機関のクラ
ンク軸が一定の角度回転するのに要する時間)、例えば
正極性パルスVp1,Vp2の発生間隔から機関の回転数を
演算する。
【0077】なお回転数演算手段15Aは第1パルサ3
Aの出力パルスの発生間隔(例えばパルスVpa,Vpbの
発生間隔)から機関の回転数を演算するように構成して
もよい。
【0078】点火位置演算手段15Bは、回転数演算手
段により演算された回転数における内燃機関の点火位置
を演算する手段で、この手段は例えば、機関の回転数と
図示しないスロットルセンサから与えられるスロットル
バルブの開度と点火位置との間の関係を与える点火位置
演算用の3次元マップを用いて各回転数における点火位
置を演算するように構成される。
【0079】各気筒の点火位置は、各気筒に対して設定
した基準位置(この例では、各気筒のピストンが上死点
に達するときのクランク軸の回転角度位置に対して72
度進角した位置)から各気筒の点火位置まで機関が回転
するのに要する時間(クロックパルスの計数値)の形で
演算される。
【0080】気筒判別手段15Cは、第2パルサが発生
する対のパルスと単一パルスとの位相関係から点火すべ
き気筒及び燃料を噴射すべき気筒を判別する。例えば、
図5(B)に示すように、第2パルサ3Bが2つの負極
性パルスVn11 ,Vn12 を続けて発生した後に正極性パ
ルスVp1を発生した時にこのパルサVp1を第1気筒の低
速時の点火位置を示すパルスであると認識し、1つの負
極性パルスVn2に続いて正極性パルスVp2が発生した時
にこの正極性パルスVp2を第2気筒の低速時の点火位置
を示すパルスとして認識する。
【0081】気筒判別手段15Cはまた、第1気筒の低
速時の点火位置を示すパルスVp1が発生した後に発生す
る負極性パルスVn2を第2気筒の点火位置の計測を開始
する基準位置(第2気筒の上死点前72度の位置)を示
すパルスであると認識し、第2気筒の低速時の点火位置
を示すパルスVp2が発生した後に発生する負極性パルス
Vn11 を第1気筒の点火位置の計測を開始する基準位置
(第1気筒の上死点前72度の位置)を示すパルスであ
ると認識する。
【0082】回転方向検出手段15Dは、第2のパルサ
3Bが発生する対のパルスと単一パルスとの位相関係か
ら内燃機関の回転方向を検出する。すなわち、図5
(B)に示すように対のパルスVn11 ,Vn12 が先に発
生した後に単一パルスVn1が発生した時に機関が正回転
していることを検出し、図6(B)に示すように単一パ
ルスVn1が発生した後に対のパルスVp12 ,Vp12 が発
生した時に機関が逆回転していることを検出する。
【0083】点火位置制御手段15Eは、回転方向検出
手段15Dにより検出された回転方向への回転を維持す
るべく気筒判別手段15Cにより判別された気筒で点火
を行わせる手段で、機関が正回転している時には、各気
筒の上死点前72度の位置で基準信号Vn11 またはVn2
が発生した時に点火位置演算手段15Bにより演算され
た点火位置の計測を開始し、各気筒の点火位置が計測さ
れたときに内燃機関点火装置16に各気筒用の点火タイ
ミング信号を与えて各気筒の点火動作を行わせる。点火
位置制御手段15Eはまた、後記する過渡時点火制御手
段15Jから指令が与えられた時に内燃機関点火装置1
6に第1気筒用及び第2気筒用の点火タイミング信号を
与えて第1気筒及び第2気筒の点火動作を行わせる。
【0084】また機関が逆転しているときには、第1パ
ルサ3Aが低速時点火位置検出信号Vnaを発生した時に
第1気筒の点火を行わせ、低速時点火位置検出信号Vnb
を発生した時に第2気筒の点火を行わせる。
【0085】噴射時間演算手段15Fは、回転数演算手
段15Aにより演算された回転数、図示しないスロット
ルセンサにより検出されたスロットルバルブ開度、大気
圧センサにより検出された大気圧、機関温度センサによ
り検出された機関の温度等に対してインジェクタから燃
料を噴射させる時間(燃料噴射時間)を演算する。
【0086】噴射制御手段15Gは、回転方向検出手段
15Dにより検出されている回転方向への回転するため
に適した噴射タイミングで、燃料供給装置17に噴射指
令を与えて、噴射時間演算手段15Fにより演算された
噴射時間の間各気筒用のインジェクタから燃料を噴射さ
せるように燃料供給装置17を制御する。噴射制御手段
15Gはまた、後記する過渡時噴射制御手段15Kから
指令が与えられた時に、燃料供給装置17に第1気筒用
及び第2気筒用の噴射指令を与えて、第1気筒用インジ
ェクタ及び第2気筒用インジェクタから燃料の噴射を行
わせる。
【0087】減速制御手段15Hは、反転指令スイッチ
11が反転指令を発生した時に、機関に供給する燃料を
カットして機関の回転数を低下させる手段で、この減速
制御手段は、反転指令が与えられた時に燃料供給装置1
7を構成するインジェクタからの燃料の噴射を停止さ
せ、機関の回転数が過進角開始回転数に達する時刻より
も僅かに前の時刻においてインジェクタからの燃料の噴
射を再開させるように、燃料供給装置17を制御する。
【0088】インジェクタからの燃料の噴射を再開する
時刻は、過進角位置での点火を行わせる際に機関の気筒
内に供給される混合気の空燃比が燃焼に適した値となる
ように、インジェクタの配設位置に応じて適宜に設定す
る。すなわち、インジェクタが機関の気筒内に直接燃料
を噴射するように設けられている場合には、機関の回転
数が過進角開始回転数に達する時刻(過進角位置での点
火を行わせるタイミング)の直前に燃料の噴射を再開す
ればよいが、インジェクタが機関の吸気管から掃気ポー
トに至る混合気の流路の途中に設けられる場合には、燃
料の噴射を再開させた後、気筒内の混合気の空燃比が着
火に適した値になるまでに時間がかかるため、燃料の噴
射を再開する時刻を早めておく必要がある。
【0089】過進角点火制御手段15Iは、回転数演算
手段15Aにより演算された機関の回転数が過進角開始
回転数まで低下した時に第1気筒の過進角位置(第1気
筒の上死点前52度の位置)で機関を1回だけ点火す
る。これにより機関のピストンを押し戻してその回転方
向を反転させる。
【0090】過渡時点火制御手段15Jは、第1気筒の
過進角位置で機関を点火した後回転方向検出手段15D
により機関の回転方向が確認されるまでの過渡期間の
間、第1のパルサ3Aが第1リラクタ601及び602
のそれぞれの回転方向の前端を検出してパルスVna及び
Vnbを発生した時に内燃機関点火装置16に点火タイミ
ング信号を与えて、第1気筒及び第2気筒の点火を行わ
せる手段で、図示の例では、パルスVna及びVnbがそれ
ぞれ発生したときに点火位置制御手段15Eに指令を与
えて、該点火位置制御手段15Eから内燃機関点火装置
に第1気筒用及び第2気筒用の点火タイミング信号を与
えるようにしている。
【0091】また過渡時噴射制御手段15Kは、第1気
筒の過進角位置で機関を点火した後、機関の回転方向が
確認されるまでの過渡期間の間、低速時点火位置検出パ
ルスVna及びVnbの発生位置で第1気筒用のインジェク
タ及び第2気筒用のインジェクタから燃料の噴射を行わ
せる手段で、図示の例では、パルスVna及びVnbが発生
した時に噴射制御手段15Gに指令を与えて、該噴射制
御手段15Gから燃料供給装置17に噴射指令を与える
ようにしている。
【0092】上記の電子式制御ユニット15を構成する
手段15A〜15Kは、制御ユニット15内に設けられ
たマイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させ
ることにより実現される。
【0093】上記のように、内燃機関の各気筒に対応す
るリラクタ601,602の周方向の両端を、内燃機関
の対応する気筒内のピストンの上死点に相応するクラン
ク軸の回転角度位置の両側に位置させた状態で設けて、
内燃機関の回転方向がいずれの方向である場合にも第1
パルサ3Aが内燃機関の各気筒の低速時の点火位置とし
て適した位置で低速時点火位置検出パルスを発生するよ
うに各リラクタ601,602の周方向の両端の位置を
設定して、信号発生装置が各気筒用の低速時点火位置検
出パルスを発生した時に各気筒の点火を行わせるように
すると、過進角位置で機関を点火した後の過渡状態にお
いて、機関の回転方向の反転に成功した場合、及び失敗
した場合のいずれの場合にも、低速時の点火位置として
適した位置で各気筒を点火することができる。従って、
過進角位置で点火を行わせた後の過渡状態において機関
がスートルするおそれを無くすことができる。
【0094】上記の例では、図4(A)に示すように、
第1リラクタ601,602をそれぞれ機関の第1気筒
の上死点位置及び第2気筒の上死点位置に対して左右対
称な形状に形成したが、第1リラクタ601,602を
各気筒の上死点位置に対して非対称な形状に形成するよ
うにしてもよい。
【0095】例えば、機関の逆回転時には、安全のため
にその速度を低く抑えることが望ましいため、図4
(B)に示したように、機関の正回転時に回転方向の前
端側に位置することになるリラクタ601,602のそ
れぞれの一端を上死点位置に対して12度進んだ位置と
し、他端を上死点位置に対して8度遅れた位置として、
機関の正回転時には、第1パルサが低速時の点火位置と
して最適の位置(この例では上死点前12度の位置)で
低速時点火位置検出信号を発生し、機関の逆回転時に
は、第1パルサが低速時の点火位置として最適の位置よ
りも僅かに遅れた位置(この位置では上死点前8度の位
置)で低速時点火位置検出信号を発生するようにしても
よい。このようにリラクタを形成しておくと、機関を逆
回転させるために、過進角位置で機関を点火した後、機
関の回転方向が確認されるまでの過渡期間における点火
位置を、機関を逆回転させるために最適の点火位置(上
死点前12度の位置)よりも遅らせることができるた
め、機関の逆回転時の回転速度の上昇を抑制することが
できる。
【0096】上記の例では、2気筒2サイクル機関を制
御する場合を例にとったが、単気筒の2サイクル内燃機
関、または3気筒以上の2サイクル内燃機関を制御する
場合にも本発明を適用することができるのはもちろんで
ある。
【0097】上記の例では、反転指令が与えられたとき
に機関への燃料の供給を停止させることにより、機関の
回転数を低下させるようにしたが、反転指令が与えられ
たときに点火位置を遅角させたり、燃料の供給量を減少
させて混合気をリーンにしたり、燃料の供給量を増加さ
せて混合気をリッチにしたりすることにより、機関の回
転数を低下させるようにしてもよい。
【0098】上記の例では、インジェクタを用いて機関
に燃料を供給するとしたが、燃料供給装置として気化器
を用いる場合にも本発明を適用することができる。ただ
し、燃料供給装置として気化器を用いる場合に、燃料を
カットすることにより機関の回転数を低下させる方法を
とる場合には、燃料の流路の途中に電磁バルブを挿入し
て、該電磁バルブを閉じることにより、燃料をカットす
ることができるようにする必要がある。
【0099】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、過進角
位置で機関を点火させた後の過渡状態において、機関の
回転方向の反転に成功した場合、及び失敗した場合のい
ずれの場合にも、低速時の点火位置として適した位置で
機関を点火することができるため、機関を反転させるた
めに過進角位置で機関を点火した後に機関がスートルす
るおそれを無くすことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる制御装置の構成を概略的に示し
たブロック図である。
【図2】図1の制御装置で用いる制御ユニットの構成例
を示したブロック図である。
【図3】図1の制御装置で用いる信号発生装置の構成例
を示した構成図である。
【図4】(A)及び(B)は信号発生装置のロータに設
ける第1リラクタの異なる構成例を示した説明図であ
る。
【図5】機関が正回転しているときに図3の信号発生装
置から得られるパルスを示した波形図である。
【図6】機関が逆回転しているときに図3の信号発生装
置から得られるパルスを示した波形図である。
【図7】従来の制御装置で用いられていた信号発生装置
の構成及び本発明で用いる信号発生装置のロータの第2
リラクタの構成を説明するための説明図である。
【図8】(A)及び(B)はそれぞれ図7の信号発生装
置で用いられていた2段リラクタ及び1段リラクタの形
状を示した平面図、(C)は2段リラクタの変形例を示
した側面図である。
【図9】内燃機関の正回転時に図7の信号発生装置から
得られるパルスを示した波形図である。
【図10】内燃機関の逆回転時に図7の信号発生装置か
ら得られるパルスを示した波形図である。
【符号の説明】
1…信号発生装置、3A…第1パルサ、3B…第2パル
サ、10…2サイクル内燃機関、11…反転指令スイッ
チ、15…電子式制御ユニット(ECU)、15A…回
転数演算手段、15B…点火位置演算手段、15C…気
筒判別手段、15D…回転方向検出手段、15E…点火
位置制御手段、15F…噴射時間演算手段、15G…噴
射制御手段、15H…減速制御手段、15I…過進角点
火制御手段、15J…過渡時点火制御手段、15K…過
渡時噴射制御手段、16…内燃機関点火装置、17…燃
料供給装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 賢和 静岡県沼津市大岡3744番地 国産電機株式 会社内 Fターム(参考) 3G022 AA02 AA03 BA03 CA00 CA05 DA00 DA01 DA07 EA00 EA03 FA08 FB08 FB19 GA00 GA02 GA05 GA08 3G092 AA01 AA03 AA13 BA09 EA03 EA09 EA17 EB08 FA00 FA40 GA11 GA13 HA06Z HE01Z HE04Z HF00Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2サイクル内燃機関の回転方向を反転さ
    せることを指令する反転指令を発生する反転指令発生手
    段と、 前記反転指令が発生したときに前記内燃機関の回転数を
    低下させる反転時減速過程と前記反転時減速過程で前記
    内燃機関の回転数が過進角開始回転数まで低下した時に
    前記内燃機関の回転を反転させるために前記内燃機関の
    点火を過進角位置で行わせる過進角点火過程とを行わせ
    るように前記内燃機関を制御する制御ユニットとを備え
    た2サイクル内燃機関制御装置において、 前記内燃機関が正回転しているときには前記内燃機関が
    正回転している状態での低速時の点火位置として適した
    位置で低速時点火位置検出パルスを発生し、前記内燃機
    関が逆回転しているときには前記内燃機関が逆回転して
    いる状態での低速時の点火位置として適した位置で低速
    時点火位置検出パルスを発生する信号発生装置を備え、 前記制御ユニットは、前記過進角点火過程が行われた後
    に前記信号発生装置が前記低速時点火位置検出パルスを
    発生する位置で前記内燃機関を点火する過渡時点火制御
    手段を備えていることを特徴とする2サイクル内燃機関
    制御装置。
  2. 【請求項2】 2サイクル内燃機関の回転方向を反転さ
    せることを指令する反転指令を発生する反転指令発生手
    段と、 前記反転指令が発生したときに前記内燃機関の回転数を
    低下させる反転時減速過程と前記反転時減速過程で前記
    内燃機関の回転数が過進角開始回転数まで低下した時に
    前記内燃機関の回転を反転させるために前記内燃機関の
    点火を過進角位置で行わせる過進角点火過程とを行わせ
    るように前記内燃機関を制御する制御ユニットとを備え
    た2サイクル内燃機関制御装置において、 前記内燃機関が有するn個(nは1以上の整数)の気筒
    にそれぞれ対応するように設けられて前記クランク軸の
    回転方向に沿って均一な厚み寸法と幅寸法とを有するn
    個のリラクタを備えて前記内燃機関のクランク軸に取り
    付けられたロータと、前記ロータのリラクタを検出し得
    る位置に配置されて各気筒に対応するリラクタの回転方
    向の前端を検出した時に各気筒用の低速時点火位置検出
    パルスを発生するパルサとを有する信号発生装置を備
    え、 前記内燃機関の各気筒内のピストンが上死点に達した時
    に前記クランク軸の中心と前記パルサの磁極の中心とを
    結ぶ直線の両側に各気筒に対応するリラクタの周方向の
    両端が位置するように、各気筒に対応するリラクタが設
    けられていて、前記内燃機関の回転方向がいずれの方向
    である場合にも前記パルサが内燃機関の各気筒の低速時
    の点火位置として適した位置で前記低速時点火位置検出
    パルスを発生するように各リラクタの周方向の両端の位
    置が設定され、 前記制御ユニットは、前記過進角点火過程が行われた
    後、前記信号発生装置が各気筒に対応するリラクタの回
    転方向の前端を検出して前記低速時点火位置検出パルス
    を発生した時に前記内燃機関の各気筒を点火する過渡時
    点火制御手段を備えていることを特徴とする2サイクル
    内燃機関制御装置。
  3. 【請求項3】 2サイクル内燃機関の回転方向を反転さ
    せることを指令する反転指令を発生する反転指令発生手
    段と、 前記反転指令に応答して前記内燃機関の回転数を低下さ
    せる反転時減速過程と前記反転時減速過程で前記内燃機
    関の回転数が過進角開始回転数まで低下した時に前記内
    燃機関の回転を反転させるために前記内燃機関の点火を
    過進角位置で行わせる過進角点火過程とを行わせるよう
    に前記内燃機関を制御する制御ユニットとを備えた2サ
    イクル内燃機関制御装置において、 前記内燃機関のクランク軸の軸線方向に位置をずらした
    状態で設けられた第1の誘導子磁極部と第2の誘導子磁
    極部とを有して前記内燃機関のクランク軸に取り付けら
    れたロータと、前記第1の誘導子磁極部及び第2の誘導
    子磁極部に対してそれぞれ設けられた第1及び第2のパ
    ルサとを備えた信号発生装置を備え、 前記ロータの第1の誘導子磁極部は、前記クランク軸の
    回転方向に沿って均一な厚み寸法と幅寸法とを有するよ
    うに形成されて前記内燃機関が有するn個(nは2以上
    の整数)の気筒にそれぞれ対応させて等角度間隔で配置
    されたn個の第1のリラクタを備え、 前記第2の誘導子磁極部は、前記クランク軸の回転方向
    に並ぶ第1の部分と第2の部分とからなっていて該第1
    の部分と第2の部分との境界部で厚み寸法または幅寸法
    が変化するように形成された1つの2段リラクタと前記
    クランク軸の回転方向に沿って均一な厚み寸法と幅寸法
    とを有するように形成されたn−1個の1段リラクタと
    を含むn個の第2のリラクタを備えていて、前記1つの
    2段リラクタが前記内燃機関の1つの気筒に対応させら
    れるとともに、前記n−1個の1段リラクタが前記内燃
    機関の他のn−1個の気筒にそれぞれ対応させられた状
    態で前記n個の第2のリラクタが等角度間隔で配置さ
    れ、 前記第1のパルサは、前記ロータの第1の誘導子磁極部
    の各リラクタを検出し得るように配置されて前記第1の
    誘導子磁極部のリラクタの周方向の両端をそれぞれ検出
    した時に極性が異なるパルスを発生するように構成さ
    れ、 前記第2のパルサは、前記ロータの第2の誘導子磁極部
    の2段リラクタ及び1段リラクタを検出し得るように配
    置されて前記2段リラクタの第1の部分側の端部及び前
    記境界部をそれぞれ検出した時に同極性の対のパルスを
    発生するとともに、前記2段リラクタの第2の部分側の
    端部を検出した時に前記対のパルスと極性が異なる単一
    パルスを発生し、前記1段リラクタの両端をそれぞれ検
    出した時に極性が異なるパルスを発生するように構成さ
    れ、 前記内燃機関の回転方向がいずれの方向である場合に
    も、前記第1のパルサが前記各気筒に対応する第1のリ
    ラクタの回転方向の前端を検出した時に発生するパルス
    の発生位置が前記内燃機関の各気筒の低速時の点火位置
    として適した位置となるように、各気筒に対応する前記
    第1のリラクタの配設位置が設定され、 前記制御ユニットは、前記過進角点火過程が行われた後
    に前記第1のパルサが前記第1のリラクタの回転方向の
    前端を検出してパルスを発生した時に前記内燃機関を点
    火する過渡時点火制御手段と、前記第2のパルサが発生
    する前記対のパルスと単一パルスとの位相関係から前記
    内燃機関の回転方向を検出する回転方向検出手段と、前
    記第1のパルサが発生するパルスの発生間隔または前記
    第2のパルサが発生するパルスの発生間隔から前記内燃
    機関の回転数を演算する回転数演算手段と、前記回転数
    演算手段により演算された回転数における前記内燃機関
    の点火位置を演算する点火位置演算手段と、前記第2の
    パルサが発生する対のパルスと単一パルスとの位相関係
    から点火すべき気筒を判別する気筒判別手段と、前記回
    転方向検出手段により検出された回転方向への回転を維
    持するべく前記気筒判別手段により判別された気筒の点
    火を前記点火位置演算手段により演算された点火位置で
    行わせる点火位置制御手段とを備えていることを特徴と
    する2サイクル内燃機関制御装置。
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