JP2001140667A - 2サイクル内燃機関の回転方向切替制御方法 - Google Patents

2サイクル内燃機関の回転方向切替制御方法

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JP2001140667A
JP2001140667A JP32725199A JP32725199A JP2001140667A JP 2001140667 A JP2001140667 A JP 2001140667A JP 32725199 A JP32725199 A JP 32725199A JP 32725199 A JP32725199 A JP 32725199A JP 2001140667 A JP2001140667 A JP 2001140667A
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祥伸 荒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走行装置を駆動する2サイクル内燃機関の回転
方向を反転させる回転方向切替制御方法を提供する。 【解決手段】時刻to で反転指令が発生した時に内燃機
関の吸気通路内への空気の流入を遮断して内燃機関の回
転数Nを低下させる。内燃機関の回転数がアイドリング
回転数No よりも低く設定された設定回転数N1 に達し
た時に吸気通路内への空気の流入を再開させるととも
に、機関の点火位置を過進角位置まで進角させる。時刻
t2 においてシリンダ内の新気の空燃比が燃焼に適した
値になった時に過進角位置での点火による燃焼を行なわ
せて機関の回転方向を反転させる。その後回転方向が反
転した状態での内燃機関の回転を維持するために適した
位置で内燃機関を点火して回転方向が反転した状態での
内燃機関の運転を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掃気通路を通して
シリンダ内に混合気が供給される2サイクル内燃機関の
回転方向を反転させる回転方向切替制御方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】スクータ、スノーモービル、バギーカー
等のように、操作が簡便であることを尊ぶ走行装置の原
動機としては、リコイルスタートやキックスタートによ
り容易に始動することができ、しかも小型、軽量かつ安
価である2サイクルガソリン機関(以下2サイクル内燃
機関という。)が多く用いられている。また内燃機関の
回転を走行装置の被駆動部(例えば駆動輪)に伝達する
動力伝達系統に設ける変速機としては、バックギアを持
たない遠心クラッチ式の無断変速機が多く用いられてい
る。
【0003】この種の走行装置では、その変速機がバッ
クギアを備えていないため、狭い場所等で走行装置の向
きを反転させる必要が生じたときに、車体全体を持ち上
げてその向きを変える必要があり、操作性が悪かった。
【0004】そこで、最近、回転方向が正逆いずれの方
向であっても正常な運転ができる2サイクル内燃機関の
特性に着目して、内燃機関の回転方向を正回転から逆回
転に反転させることにより、走行装置に後退機能を持た
せることが検討されている。2サイクル内燃機関の回転
方向を反転させることにより、走行装置を前進または後
退させるためには、運転者の指令に応じて内燃機関の回
転方向を任意に切り替え得るようにすることが必要であ
る。
【0005】内燃機関の回転方向を反転させる方法とし
ては、米国特許第3,036,802号に示されている
ように、機関の回転数[rpm]をアイドリング回転数
よりも低い過進角開始回転数まで低下させて機関の慣性
を低下させた状態で、機関を過進角位置(定常運転時の
点火位置の適性な最大進角位置よりも更に進角した位
置)で点火することによりピストンを押し戻して回転方
向を反転させ、その後反転した方向への機関の回転を維
持するために適した点火位置で機関を点火することによ
り、回転方向が反転した状態での機関の運転を維持する
方法が知られている。
【0006】しかしながら、米国特許第3,036,8
02号に示された方法では、機関の回転数を低下させる
際に、機関を失火させる方法をとっていたため、機関の
回転方向を切り替える際に未燃焼ガスが大気中に排出さ
れるという問題があった。
【0007】そこで、本出願人は、特開平11−937
19号において、反転指令が与えられた際に、機関の点
火動作を停止させることなく、機関への燃料の供給を停
止することにより回転数を過進角開始回転数まで低下さ
せる方法を提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記既提案の回転方向
切替制御方法のように、点火動作を停止させることな
く、燃料の供給を停止することにより機関の回転数を低
下させる方法をとれば、機関の回転方向を切り替える際
に、大気中に未燃焼ガスが排出されるのを防ぐことがで
きる。
【0009】しかしながら、機関の回転数を低下させる
際に、点火動作を維持したままの状態で燃料の供給を停
止する方法をとると、回転数を過進角開始回転数まで低
下させるために相当の時間を必要とするため、反転指令
が与えられた後、機関の回転方向が切り替わるまでの間
に時間がかかるという問題があった。
【0010】例えば、吸気通路内やクランクケース内に
インジェクタから燃料を噴射することにより燃料を供給
するようにした2サイクル内燃機関では、インジェクタ
からの燃料の噴射を止めた後も、吸気通路の内壁や、ク
ランクケースの内壁に付着した燃料が気化して掃気通路
を通してシリンダ内に供給される。したがって、インジ
ェクタからの燃料の噴射を停止した後もある程度の時間
はシリンダ内に混合気が供給され続け、その間は、機関
の回転数を低下させることができない。
【0011】特に、スノーモビルのように、寒冷地で使
用される走行装置に搭載される内燃機関の場合には、吸
気温度が低い時に、アイドリング運転領域で燃料の噴射
量を増加させる制御を行なうことがあるが、このような
制御が行われる機関では、周囲の気温が低い状態でイン
ジェクタからの燃料の噴射を止めた際にクランク室内に
多くの燃料が残留した状態になっているため、燃料の噴
射を止めた後回転数が低下するまでに相当の時間がかか
ることが明かになった。
【0012】例えば、低温時に燃料の噴射量を増加させ
る制御を行うスノーモビル用の2サイクル内燃機関にお
いて、大気温を摂氏−30度として、1800rpmの
アイドリング状態で、インジェクタからの燃料の噴射を
停止させると、機関の回転数は3000rpm程度まで
上昇してその状態を相当の時間の間保持し、その後回転
数が低下していく現象が見られる。この場合、燃料の噴
射を停止させた後、機関の回転数を過進角開始回転数ま
で低下させるのに30秒程の時間がかかる。
【0013】燃料の噴射を停止させた後、機関の回転数
が一旦上昇した後に低下するのは、クランクケース内に
残留した燃料の気化が進むにつれて混合気の空燃比が一
旦理想の値に近付いた後にリーンな状態になっていくこ
とによるものと思われる。
【0014】上記のように、機関の回転方向を切り替え
る際に、機関の回転数を低下させる手段として、インジ
ェクタからの燃料の噴射を停止させる方法をとった場合
には、反転指令が与えられた後、機関の回転数が過進角
開始回転数に達するまでに時間がかかるため、回転方向
を反転させるまでに長い時間がかかり、運転者に違和感
を与えるという問題があった。
【0015】また、機関の回転方向を切り替える際に機
関の回転数を低下させる手段として、燃料の供給を停止
する方法を採用するようにした既提案の発明は、キャブ
レターから吸気通路内に燃料を噴出させることにより混
合気を得る2サイクル内燃機関に対しては適用し難いと
いう問題があった。
【0016】すなわち、キャブレターを用いる2サイク
ル内燃機関において、燃料の供給を停止するためには、
キャブレターからの燃料の噴出及び停止を自在にコント
ロールすることができるようにしておく必要があるが、
その様な機能を有する現用のキャブレターは存在しない
ため、キャブレターを用いる機関に上記既提案の発明を
適用しようとすると、新たにキャブレターを開発しなけ
ればならず、面倒であった。
【0017】本発明の目的は、反転指令が与えられたと
きに速やかに機関の回転数を過進角開始回転数まで低下
させて、機関の回転方向を短時間で切り替えることがで
きるようにした2サイクル内燃機関の回転方向切替制御
方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】本発明は、掃気通路を通
して燃焼室内に混合気が与えられる2サイクル内燃機関
の回転方向を切り替える回転方向切替制御方法に係わる
ものである。
【0018】本発明においては、内燃機関の回転方向を
反転させることを指令する反転指令が与えられた時に、
先ず内燃機関の吸気通路内への空気の流入(吸気)を実
質的に遮断することにより内燃機関の回転数を低下さ
せ、内燃機関の回転数が低下してアイドル回転数よりも
低く設定された設定回転数に達した時に吸気通路内への
空気の流入を再開させる。そして、内燃機関の回転数が
設定回転数以下になっている状態で内燃機関の点火を過
進角位置で行なわせて内燃機関の回転方向を反転させ、
その後回転方向が反転した状態での内燃機関の回転を維
持するために適した位置で前記内燃機関を点火して回転
方向が反転した状態での内燃機関の運転を行わせる。
【0019】本明細書において、「内燃機関の吸気通路
内への空気の流入(吸気)を実質的に遮断する」とは、
吸気通路内への空気の流入を完全に遮断するか、または
少なくともシリンダ内で燃焼が行なわれるのが困難にな
る程度に吸気通路内に流入する空気の量を少なくするこ
とを意味する。
【0020】上記のように、反転指令が与えられたとき
に吸気を実質的に遮断すると、シリンダ内で燃焼が行わ
れなくなるため、吸気を遮断するとほぼ同時に機関の回
転数を低下させることができ、設定回転数で吸気を再開
させた後、過進角位置で点火を行なわせることにより、
機関の回転方向の切替を短時間で行わせることができ
る。
【0021】本発明は、インジェクタを用いる機関だけ
でなく、キャブレターから吸気通路内に燃料を噴出させ
ることにより混合気を生成する内燃機関にも発明を適用
することができる。
【0022】吸気通路内、クランクケース内、または掃
気通路内にインジェクタから燃料を噴射することにより
混合気を生成する内燃機関に本発明を適用する場合、反
転指令に応答して吸気を実質的に遮断している間、イン
ジェクタからの燃料の噴射を継続させたままの状態にし
てもよく、インジェクタからの燃料の噴射を停止させる
ようにしてもよい。
【0023】吸気を遮断している間燃料の噴射を継続さ
せた場合には、吸気を再開させた際に遅滞なく混合気を
シリンダ内に流入させて、過進角位置での点火が行われ
た際に確実に燃焼を行わせることができる。
【0024】吸気を遮断している間燃料の噴射を継続さ
せた場合、インジェクタの取り付け位置によっては、吸
気を再開させた際に混合気が濃くなり過ぎて機関の燃焼
がうまく行われないことがあり得る。その場合には、反
転指令に応答して吸気を遮断する期間の少なくとも一部
の期間、インジェクタからの燃料の噴射を停止させるよ
うにするのが好ましい。
【0025】本発明を実施するに際しては、2サイクル
内燃機関の吸気通路内への空気の流入量をコントロール
するスロットルバルブを、吸気通路内への空気の流入を
実質的に阻止する状態になる全閉位置まで変位し得るよ
うに設けるとともに、アクセル操作部材の変位に追従し
て該スロットルバルブを遠隔操作する電子式のバルブ操
作機構を設けて、該バルブ操作機構によりスロットルバ
ルブを操作するようにしておくのが好ましい。このよう
な電子式のバルブ操作機構はETC機構として知られて
おり、既に広く用いられている。
【0026】このようなバルブ操作機構を用いる場合に
は、内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
転指令が与えられた時にスロットルバルブを全閉位置ま
で変位させ、内燃機関の回転数がアイドル回転数よりも
低く設定された設定回転数まで低下した時にスロットル
バルブを開くようにバルブ操作機構を制御する。そし
て、内燃機関の回転数が設定回転数以下になっている状
態で内燃機関の点火を過進角位置で行わせて内燃機関の
回転方向を反転させ、その後回転方向が反転した状態で
の内燃機関の回転を維持するために適した位置で内燃機
関を点火して回転方向が反転した状態での内燃機関の運
転を行わせる。
【0027】また吸気通路内への空気の流入を実質的に
阻止する状態になる全閉位置まで変位し得るように設け
られたスロットルバルブと、該スロットルバルブをバイ
パスするように設けられてスロットルバルブが全閉位置
にあるときにアイドリング時に必要な空気を吸気通路内
に流入させるバイパス通路と、吸気通路から掃気通路に
至る新気の流路に燃料を供給する燃料供給手段とを備え
た2サイクル内燃機関も用いられている。
【0028】このような内燃機関の回転方向を反転させ
る場合には、バイパス通路を開閉する電動バルブを設け
ておき、スロットルバルブが全閉位置にある状態で内燃
機関の回転方向を反転させることを指令する反転指令が
与えられた時に電動バルブを閉じ、内燃機関の回転数が
アイドル回転数よりも低く設定された設定回転数まで低
下した時に電動バルブを開くように電動バルブを制御す
る。そして、内燃機関の回転数が設定回転数以下になっ
ている状態で内燃機関の点火を過進角位置で行わせて内
燃機関の回転方向を反転させ、その後回転方向が反転し
た状態での内燃機関の回転を維持するために適した位置
で内燃機関を点火して回転方向が反転した状態での内燃
機関の運転を行わせる。
【0029】上記のように、バイパス通路が設けられる
場合にも、スロットルバルブを操作するために電子式の
バルブ操作機構を用いることができる。この場合には、
内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反転指
令が与えられた時にスロットルバルブを全閉位置に変位
させるとともに、バイパス通路を開閉する電動バルブを
閉じ、内燃機関の回転数がアイドル回転数よりも低く設
定された設定回転数まで低下した時に電動バルブを開く
ようにバルブ操作機構及び電動バルブを制御する。その
他の点は前記の場合と同様である。
【0030】上記電動バルブとしては、駆動電流が与え
られていない状態でバイパス通路を開き、駆動電流が与
えられた時にバイパス通路を閉じるように構成されたバ
ルブを用いるのが好ましい。
【0031】上記のように、バイパス通路が設けられる
内燃機関を始動する際には、機関の始動時にバイパス通
路を開いておく必要がある。バッテリが搭載さている場
合には、バイパス通路を開閉する電動式のバルブをバッ
テリにより駆動することができるため、電動バルブとし
て、駆動電流が与えられていない状態で閉じ、駆動電流
が与えられた時に開くバルブを用いても、機関の始動時
に電動バルブを開いて、機関の始動を支障なく行なうこ
とができる。
【0032】しかしながら、バッテリが搭載されず、機
関により駆動される発電機の出力により電動バルブやマ
イクロコンピュータ等に電源電圧を与える場合には、駆
動電流が与えられていない状態で閉じ、駆動電流が与え
られた時に開くバルブを用いると、機関の始動時に電動
バルブを開くことができないため、機関の始動を行なわ
せることができない。
【0033】バッテリが搭載さない場合にも機関を始動
させることができるようにするために、上記電動バルブ
としては、駆動電流が与えられていない状態でバイパス
通路を開き、駆動電流が与えられた時にバイパス通路を
閉じるように構成されたバルブを用いるのが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明により制御する2サ
イクル内燃機関1の一例を示したもので、同図において
101はクランクケース、102はクランクケースに接
続されたシリンダで、クランクケース101内には各シ
リンダに対応するクランク室103が形成されている。
104はクランク室103内に空気を導入する吸気通路
で、図示の例では、この吸気通路が管状の部材(吸気
管)からなっている。また105はクランク室103と
シリンダ102内とを接続するように設けられた掃気通
路、106はシリンダ102に接続された排気ポートで
ある。
【0035】シリンダ102内にはピストン107が嵌
合され、ピストン107とクランクケース101内に設
けられたクランク軸108とがクランク機構109を介
して連結されている。シリンダ102の頂部には点火プ
ラグ110が取り付けられ、吸気通路104を構成する
管状部材にインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)111が
取り付けられている。
【0036】吸気通路104を構成する管状部材には吸
気通路内に流入する空気の流量を調節するスロットルバ
ルブ112が取り付けられている。この例では、スロッ
トルバルブを操作するアクチュエータと、図示しないア
クセル操作部材の位置に応じて該アクチュエータを制御
する制御部とを備えた電子式バルブ操作機構(ETC)
120が設けられていて、該ETCにより、スロットル
バルブ112がアクセル操作部材の変位に追従するよう
に遠隔操作されるようになっている。スロットルバルブ
112は、吸気通路104内への空気の流入を実質的に
遮断した状態になる全閉位置まで変位し得るように設け
られていて、アイドリング運転時には該スロットルバル
ブ112が全閉位置まで変位させられる。
【0037】また吸気通路104を構成する管状部材に
は、スロットルバルブ112をバイパスするようにバイ
パス通路113が設けられ、スロットルバルブ112が
全閉位置にあるときに、バイパス通路113を通してア
イドリング運転時に必要な空気が吸気通路104内に供
給されるようになっている。
【0038】バイパス通路113を開閉するため、電動
バルブ114が取り付けられている。図示の例では、電
動バルブ114がソレノイド115により駆動されて動
作する電磁バルブからなっている。この電磁バルブは、
ソレノイド115に駆動電流が与えられていない状態で
バイパス通路113を開き、ソレノイド115に駆動電
流が与えられた際にバイパス通路を閉じる常開形のバル
ブからなっていて、ソレノイド115に駆動転流を与え
られた時に、バイパス通路113を完全に閉じることが
できるようになっている。
【0039】このような電動バルブを用いると、機関の
始動時にバイパス通路を開いた状態にして吸気を確保す
るために電動バルブに駆動電流を与える必要がないた
め、バッテリを用いずに、後記するECUや点火装置等
の各部の電源を内燃機関により駆動される磁石発電機の
出力から得る場合にも機関の始動を支障なく行なうこと
ができる。
【0040】なお図1にはシリンダ102が1つしか示
されていないが、図示の内燃機関1は2気筒内燃機関で
あるとする。
【0041】この内燃機関においては、インジェクタ1
11から吸気通路内に噴射された燃料Fが吸気通路内の
管壁やクランク室103の内壁に付着して液膜を形成
し、該燃料が気化して吸気通路104内を通して供給さ
れる空気と混合されることにより、混合気fが形成され
る。混合気fはピストン107の下降に伴って生じるク
ランク室内の圧力上昇により掃気通路105を通してシ
リンダ102内に導入される。シリンダ102内に導入
された混合気fは、上昇に転じたピストン107により
掃気ポート及び排気ポートが塞がれた時点から圧縮さ
れ、ピストンが上死点付近に到達したときに点火プラグ
110に生じる火花により着火される。
【0042】上記内燃機関はスノーモービルなどの走行
装置に搭載されて、クランク軸108の回転が遠心クラ
ッチを備えた図示しない無段変速機を介して走行装置の
被駆動部(スノーモービルの場合にはキャタピラ)に伝
達される。
【0043】図2は上記の内燃機関1を制御する制御装
置の要部の構成を概略的に示したものである。同図にお
いて10は走行装置の走行方向を反転させる際に操作さ
れる反転指令スイッチで、この例では、反転指令スイッ
チ10により反転指令発生手段が構成されている。反転
指令スイッチ10としては、複数の固定接点と該複数の
固定接点に選択的に接触させられる可動接点とを備えた
切替スイッチを用いてもよく、押ボタンスイッチのよう
に、操作力を与えている間だけオン状態またはオフ状態
になるモメンタリスイッチを用いてもよい。反転指令ス
イッチ10として切替スイッチを用いる場合には、走行
装置を前進させるときと後退させるときとで可動接点を
異なる固定接点に接触させることにより、反転指令を発
生させる。
【0044】また反転指令スイッチとしてモメンタリス
イッチを用いる場合には、該スイッチを操作する毎に走
行方向を反転させる反転指令を発生させる。
【0045】図2において11及び12はそれぞれ機関
により駆動される信号発電機に設けられた第1及び第2
パルサで、これらのパルサは、機関のクランク軸の回転
に同期して、その回転情報を含むパルス信号を発生す
る。
【0046】13は反転指令スイッチ10により与えら
れる反転指令と、第1パルサ及び第2パルサ11及び1
2が発生するパルスとを入力として、内燃機関点火装置
14、燃料供給装置15及び電動バルブ114を制御す
るECU(電子式制御ユニット)である。図1に示した
例では、機関の各気筒に対して設けられたインジェクタ
111と、各インジェクタに駆動電流を与える駆動回路
(図示せず。)とにより燃料供給装置15が構成されて
いる。
【0047】図示してないが、ECU13には、スロッ
トルバルブの開度を検出するスロットルセンサの出力、
機関の冷却水の温度を検出する温度センサの出力、吸気
温度を検出するセンサの出力、大気圧を検出するセンサ
の出力等が更に入力されている。これらのセンサから得
られる検出出力は、機関の点火位置及びインジェクタか
ら燃料を噴射する時間(燃料噴射時間)を演算するため
に用いられる。
【0048】図3は第1パルサ11及び第2パルサ12
が設けられる信号発電機16の構成を模式的に示したも
のである。この例では、機関のクランク軸108の先端
に取り付けられたカップ状のフライホイール17の外周
に、180度間隔で配置された形状が異なる2つの第1
リラクタ18,18´と、同じく180度間隔で配置さ
れた同形状の第2リラクタ19,19´とを軸線方向に
位置をずらした状態で形成して構成したロータ20と、
第1リラクタ18,18´及び第2リラクタ19,19
´にそれぞれ対向するように配置されて機関のケースな
どに取り付けられた第1パルサ11及び第2パルサ12
とにより信号発電機16が構成されている。
【0049】第1リラクタ18,18´のうちの一方1
8は図4(A)に示すように、幅が狭い第1の部分18
aと幅が広い第2の部分18bとがフライホイールの周
方向に並ぶ形状を有する2段リラクタからなり、他方の
リラクタ18´はフライホイールの周方向に沿って均一
な幅寸法を有する1段リラクタからなっている。また第
2リラクタ19,19´は図4(C)に示すように、フ
ライホイールの周方向に沿って均一な幅寸法を有する1
段リラクタからなっている。
【0050】第1パルサ11は第1リラクタ18,18
´に対向する磁極部を先端に有する鉄心と該鉄心に巻回
された信号コイルと該鉄心に磁気結合された永久磁石と
を有する周知のもので、リラクタ18の第1の部分18
a側の端部を検出したとき及び第1の部分18aと第2
の部分18bとの境界部を検出したときに同極性のパル
ス信号を発生し、第2の部分18b側の端部を検出した
ときに異極性のパルス信号を発生する。第1パルサ11
はまた、リラクタ18´の両端をそれぞれ検出したとき
に極性が異なるパルス信号を発生する。
【0051】第2パルサ12は第1パルサと同様に構成
されていて、リラクタ19の両端をそれぞれ検出したと
きに極性が異なるパルス信号を発生する。
【0052】内燃機関が正回転しているときに第1パル
サ及び第2パルサが発生するパルス信号の波形を図4に
示し、内燃機関が逆回転しているときに第1パルサ及び
第2パルサが発生するパルス信号の波形を図5に示し
た。
【0053】図4及び図5に示された符号BT(Before
Top Dead Centre) は、その後に続けて表示された数字
が、上死点を基準にして進角側に測った角度であること
を意味し、AT(After Top Dead Centre)はその後に続
けて表示された数字が上死点を基準にして遅角側に測っ
た角度であることを意味している。また#1及び#2は
それぞれ機関の第1気筒及び第2気筒に関連する回転角
度位置であることを意味している。例えば、#1BT5
2は第1気筒の上死点前52度の位置であることを意味
し、#2AT12は第2気筒の上死点後12度の位置で
あることを意味している。
【0054】図示の例では、内燃機関が正回転している
とき(走行装置が前進しているとき)に、図4(A)に
示すように、リラクタ18の第1の部分18aが第2の
部分18bよりも先に第1パルサ11の磁極部に対向
し、機関が逆回転しているときに、図5(A)に示すよ
うに、リラクタ18の第2の部分18bが第1の部分1
8aよりも先に第1パルサ11の磁極部に対向するよう
にリラクタ18が設けられている。
【0055】図示の例では、機関が正回転しているとき
に、図4(B)に示すように、第1パルサ11が第1気
筒の上死点前72度の位置でリラクタ18の第1の部分
18a側の端部18a1を検出して負極性のパルス信号S
n1を発生し、第1気筒の上死点前52度の位置で第1の
部分18aと第2の部分18bとの境界部を検出して負
極性のパルス信号Sn2を発生する。第1パルサ11はま
た、機関の正回転時に第1気筒の上死点前12度の位置
でリラクタ18の第2の部分側の端部18b1を検出して
正極性のパルス信号Spを発生し、第2気筒の上死点前
72度の位置及び12度の位置でそれぞれリラクタ18
´の一端及び他端をそれぞれ検出して負極性のパルス信
号Sn´及び正極性のパルス信号Sp´を発生する。
【0056】また第2パルサ12は、機関の正回転時
に、図4(D)に示すように、第1気筒の上死点前12
度の位置及び上死点後12度の位置でリラクタ19の両
端をそれぞれ検出して負極性のパルス信号Vn及び正極
性のパルス信号Vpを発生し、第2気筒の上死点前12
度の位置及び上死点後12度の位置でそれぞれリラクタ
19´の一端及び多端を検出して負極性のパルス信号V
n´及び正極性のパルス信号Vp´を発生する。
【0057】機関が逆回転している時には、図5(B)
に示すように、第1パルサ11が、第1気筒の上死点後
12度の位置で負極性のパルス信号Snを発生し、第1
気筒の上死点後52度の位置及び上死点後72度の位置
でそれぞれ正極性のパルス信号Sp1及びSp2を発生す
る。
【0058】また内燃機関の逆転時に第2パルサ12
は、第1気筒の上死点前12度の位置及び上死点後12
度の位置でそれぞれ負極性のパルス信号Vn及び正極性
のパルス信号Vpを発生し、第2気筒の上死点前12度
の位置及び上死点後12度の位置でそれぞれ負極性のパ
ルス信号Vn´及び正極性のパルス信号Vp´を発生す
る。
【0059】図示の例では、フライホイール17の周壁
部の内周に永久磁石21が取り付けられてフライホイー
ル磁石回転子が構成され、この磁石回転子とその内側に
配置されて機関のケースに固定された固定子(電機子鉄
心と該鉄心に巻回された電機子コイルとからなる)22
とにより、磁石発電機が構成されている。この磁石発電
機の出力は、内燃機関点火装置14に点火エネルギを与
えたり、ECU13を駆動するための電源電圧を得た
り、ヘッドランプなどの電装品負荷を駆動したりするた
めに用いられる。
【0060】図2に示されたECU13はマイクロコン
ピュータを備えていて、第1パルサ11が負極性パルス
及び正極性パルスを発生する順序から機関の回転方向を
認識するとともに、機関の気筒を判別し、パルサ11ま
たは12が発生するパルスの発生間隔から機関の回転数
を演算する。またECU13は、スロットルバルブ開度
と機関の回転数と点火位置との関係を与える点火位置演
算用マップを用いて各気筒の点火位置を演算する。
【0061】ECU13はまた、スロットルバルブ開度
と機関の回転数と燃料噴射時間との関係を与える噴射時
間演算用マップを用いて各回転数における基本燃料噴射
時間を演算し、機関の冷却水温度、大気圧、吸気温度等
により決まる補正係数を演算した基本燃料噴射時間に乗
じることにより、各気筒用のインジェクタ111から燃
料を噴射する時間(燃料噴射時間)を演算する。
【0062】ECU13は、所定のタイミングで燃料供
給装置15に噴射指令信号を与えて、演算した噴射時間
の間各気筒用のインジェクタ111から燃料を噴射さ
せ、演算した点火位置で内燃機関点火装置14に点火指
令信号を与えて各気筒で点火動作を行わせる。
【0063】本発明の回転方向切替制御方法により図1
の内燃機関の回転方向を切り替える際の機関の回転数の
変化と点火位置及び電磁バルブの制御のタイミングとを
図6に示した。
【0064】本発明の回転方向切替制御方法を適用して
機関の回転方向を反転させる際には、先ずスロットルバ
ルブ112を全閉位置まで変位させて機関をアイドリン
グ状態にし、その後図2に示した反転指令スイッチ10
をオン状態にして反転指令を発生させる。図6に示した
例では、時刻to において反転指令を発生させている。
【0065】反転指令が発生した時にECU13から電
磁バルブ114のソレノイド115に励磁電流を流して
電磁バルブ114を閉じ、内燃機関1の吸気通路104
内への空気の流入を遮断する。内燃機関点火装置14
は、定常運転状態におけるアイドリング時の正常点火位
置で点火動作を行なうが、この点火動作はそのまま継続
させておく。
【0066】吸気通路104内への空気の流入を遮断す
ると、機関のシリンダ内に混合気が供給されなくなって
シリンダ内で燃焼が行なわれなくなるため、機関の回転
数が低下していく。吸気通路内への空気の流入を遮断し
た状態では、ピストンの往復変位に伴うシリンダ102
内の圧力変化により、シリンダ内のガスが排気ポート1
06を通して出入りするが、ピストンが上昇した際に排
気ポートから押し出されたガスはピストンが下降した際
にシリンダ内に戻されるため、シリンダ内のガスが排気
ポートから外部に排出されることはない。
【0067】上記のように、吸気通路内への空気の流入
を遮断した後、時刻t1 において機関の回転数がアイド
ル回転数No よりも十分に低く設定された設定回転数N
1 に達した時に、電動バルブ114のソレノイド115
への励磁電流の供給を停止して吸気通路104内への空
気の流入を再開させると同時に、点火位置を過進角位置
まで進角させる。
【0068】時刻t1 で吸気通路内への空気の流入を再
開させると、シリンダ内への新気の供給が再開される
が、新気の供給が再開された直後はシリンダ内の新気の
空燃比が燃焼可能な値に達していないため、燃焼は行な
われず、機関の回転数は低下し続ける。その後回転数が
N2 まで低下して時刻t2 になると、シリンダ内の新気
の空燃比が燃焼し得る値になるため、過進角位置で点火
が行なわれた際にシリンダ内で燃焼が行なわれる。この
とき機関の慣性が十分に小さくなっているため、時刻t
3 でピストンが押し戻されて内燃機関の回転方向が反転
させられる。その後回転方向が反転した状態での内燃機
関の回転を維持するために適した点火位置(逆転時の通
常点火位置)で内燃機関を点火して回転方向が反転した
状態での内燃機関の運転を行わせる。
【0069】内燃機関の吸気を再開させるタイミングを
与える設定回転数N1 の値は、過進角位置での点火によ
り燃焼が開始される時の回転数N2 が機関の回転方向を
反転させる動作を行なわせるのに適した値となるように
(過進角位置での点火により燃焼が開始される際に機関
の慣性が回転方向の反転を成功させ得る程度に十分に小
さくなっているように)決める。この設定回転数N1 の
値は実験的に決めることができる。
【0070】上記の例では、スロットルバルブ112を
全閉位置まで変位させた状態でアイドリング時の吸気を
確保するためにスロットルバルブ112をバイパスする
バイパス通路113を設けているが、スロットルバルブ
112を電子式バルブ操作機構(ETC)120により
操作する場合には、バイパス通路を設けることなく、機
関のアイドリング運転を行なう際に該スロットルバルブ
112をアイドル開度の位置に保つようにETCを制御
するようにしてもよい。このように、全閉位置まで変位
し得るように設けられたスロットルバルブ112を操作
するETC120を制御することにより、アイドリング
運転時にスロットルバルブをアイドル位置に保つように
する場合の機関の構成を図7に示し、図7の機関に本発
明を適用して機関の回転方向を反転させる場合のタイミ
ングチャートを図8に示した。
【0071】図7の機関に本発明を適用する場合には、
機関の回転方向を反転させる際に先ずスロットルバルブ
の開度をアイドル開度の位置にして機関の回転数をアイ
ドル回転数とする。この状態で反転指令スイッチをオン
状態にして反転指令を発生させる。図8に示した例で
は、時刻to において反転指令を発生させている。
【0072】反転指令が発生した時にECU13からE
TC120に指令を与えてスロットルバルブ112を全
閉位置に変位させ、内燃機関1の吸気通路104内への
空気の流入を遮断することにより機関の回転数を低下さ
せる。内燃機関点火装置14は、定常運転状態における
アイドリング時の正常点火位置で点火動作を行なってい
るが、この点火動作はそのまま継続させておく。
【0073】時刻t1 において機関の回転数が設定回転
数N1 まで低下した時にスロットルバルブ112をアイ
ドル開度の位置まで変位させて吸気通路104内への空
気の流入を再開させるとともに、点火位置を過進角位置
まで進角させる。時刻t2 においてシリンダ内の混合気
の空燃比が燃焼に適した値になると、過進角位置での点
火により燃焼が行なわれてピストンが押し戻され、時刻
t3 において機関の回転方向が反転する。機関の回転方
向が反転した後は、反転した方向への機関の回転を維持
するために適した位置で点火を行なわせる。
【0074】上記の説明では、反転指令を与える前に、
運転者の操作により、機関をアイドリング状態にすると
したが、図1及び図7に示した例のように、ETC12
0が設けられている場合には、運転者の操作に頼らず
に、反転指令が与えられたときに強制的に機関をアイド
リング状態にするようにしてもよい。
【0075】即ち、図1に示した例では、反転指令が与
えられた時にスロットルバルブ112を全閉位置に変位
させて機関をアイドリング状態とした後に電動バルブ1
14を閉じて吸気通路104内への空気の流入を遮断す
るようにしてもよい。
【0076】また図7に示した例では、反転指令が与え
られた時にスロットルバルブ112をアイドル開度にし
て機関をアイドリング状態とした後に、スロットルバル
ブ112を全閉位置まで変位させて吸気通路内への空気
の流入を遮断するようにしてもよい。
【0077】図1に示した例では、スロットルバルブ1
12をETC120により遠隔操作するとしたが、スロ
ットルバルブ112を機械式の操作機構により直接操作
するようにしてもよい。
【0078】図1に示した例では、電動バルブ114と
して電磁バルブを用いたが、電動バルブ114として、
電動機により駆動されるバルブを用いてもよい。
【0079】上記の説明では、機関の吸気を遮断してそ
の回転数を設定回転数N1 まで低下させた際に、吸気を
再開すると同時に点火位置を過進角位置まで進角させる
ようにしたが、吸気を再開させた後、更に機関の回転数
が回転数N2 まで低下して、シリンダ内の新気の空燃比
が燃焼に適した値になった時に、点火位置を過進角位置
まで進角させるようにしてもよい。この場合回転数N2
の値は実験により決めるようにすればよい。
【0080】図1及び図7に示した例では、吸気ポート
を開閉するバルブとしてピストンバルブが用いられてい
るが、リードバルブやロータリディスクバルブ等が用い
られる2サイクル内燃機関にも本発明を適用することが
できるのはもちろんである。
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、反転指
令が与えられたときに吸気を実質的に遮断することによ
り機関の回転数を低下させるようにしたので、反転指令
が与えられた時に遅滞なく機関の回転数を低下させるこ
とができる。したがって、反転指令に応答して機関の回
転数を低下させる過程と、回転数が十分に低下した状態
で過進角位置で点火を行なわせて機関の回転方向を反転
させる過程とを短時間のうちに行なって、機関の回転方
向の切替を迅速に行わせることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により制御する2サイクル内燃機関の一
例を示した構成図である。
【図2】本発明に係わる回転方向切替制御方法を実施す
る制御装置の要部の構成例を示した構成図である。
【図3】本発明に係わる回転方向切替制御方法におい
て、機関の回転情報を得るために用いる発電機の構成例
を示した断面図である。
【図4】機関が正回転している時にパルサから得られる
パルス信号の波形を示した波形図である。
【図5】機関が逆回転している時にパルサから得られる
パルス信号の波形を示した波形図である。
【図6】本発明に係わる回転方向切替制御方法により図
1の内燃機関の回転方向を反転させる際の回転数の時間
的な変化と、点火位置の変化及び電動バルブの開度の変
化のタイミングとを示したタイミングチャートである。
【図7】本発明により制御し得る内燃機関の他の例を示
した構成図である。
【図8】本発明に係わる回転方向切替制御方法により図
7の内燃機関の回転方向を反転させる際の回転数の時間
的な変化と、点火位置の変化及びスロットルバルブの開
度の変化のタイミングとを示したタイミングチャートで
ある。
【符号の説明】
1…2サイクル内燃機関、101…クランクケース、1
02…シリンダ、104…吸気通路、105…掃気通
路、106…排気ポート、110…点火プラグ、111
…インジェクタ、112…スロットルバルブ、113…
バイパス通路、120…ETC(電子式バルブ操作機
構)、13…ECU(電子式制御ユニット)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 孝二 静岡県沼津市大岡3744番地 国産電機株式 会社内 Fターム(参考) 3G022 AA02 CA00 DA01 GA05 GA06 3G065 AA02 BA04 EA00 GA10 GA13 GA41 JA16 3G092 AA03 AC05 BA01 BA03 BA09 DC01 EA03 FA33 GA20 HA01X HC09X

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掃気通路を通して燃焼室内に混合気が与
    えられる2サイクル内燃機関の回転方向を切り替える回
    転方向切替制御方法において、 前記内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
    転指令が与えられた時に、前記内燃機関の吸気通路内へ
    の空気の流入を実質的に遮断することにより前記内燃機
    関の回転数を低下させ、 前記内燃機関の回転数が低下してアイドル回転数よりも
    低く設定された設定回転数に達した時に前記吸気通路内
    への空気の流入を再開させ、 前記内燃機関の回転数が前記設定回転数以下になってい
    る状態で前記内燃機関の点火を過進角位置で行なわせて
    前記内燃機関の回転方向を反転させ、 その後回転方向が反転した状態での内燃機関の回転を維
    持するために適した位置で前記内燃機関を点火して回転
    方向が反転した状態での前記内燃機関の運転を行わせる
    ことを特徴とする2サイクル内燃機関の回転方向切替制
    御方法。
  2. 【請求項2】 吸気通路内、クランクケース内、または
    掃気通路内にインジェクタから燃料を噴射することによ
    り混合気を生成し、前記混合気を前記掃気通路内を通し
    てシリンダ内に供給する2サイクル内燃機関の回転方向
    を反転させる回転方向切替制御方法において、 前記内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
    転指令が与えられた時に、前記インジェクタからの燃料
    の噴射を継続させたままの状態で前記吸気通路内への空
    気の流入を実質的に遮断することにより前記内燃機関の
    回転数を低下させ、 前記内燃機関の回転数が低下してアイドル回転数よりも
    低く設定された設定回転数に達した時に前記吸気通路内
    への空気の流入を再開させ、 前記内燃機関の回転数が前記設定回転数以下になってい
    る状態で前記内燃機関の点火を過進角位置で行わせて前
    記内燃機関の回転方向を反転させ、 その後回転方向が反転した状態での内燃機関の回転を維
    持するために適した位置で前記内燃機関を点火して回転
    方向が反転した状態での前記内燃機関の運転を行わせる
    ことを特徴とする2サイクル内燃機関の回転方向切替制
    御方法。
  3. 【請求項3】 吸気通路内、クランクケース内、または
    掃気通路内にインジェクタから燃料を噴射することによ
    り混合気を生成し、前記混合気を前記掃気通路内を通し
    てシリンダ内に供給する2サイクル内燃機関の回転方向
    を反転させる回転方向切替制御方法において、 前記内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
    転指令が与えられた時に、前記インジェクタからの燃料
    の噴射を停止するとともに前記吸気通路内への空気の流
    入を実質的に遮断することにより前記内燃機関の回転数
    を低下させ、 前記内燃機関の回転数が低下してアイドル回転数よりも
    低く設定された設定回転数に達するまでの間に前記吸気
    通路内への空気の流入とインジェクタからの燃料の噴射
    を再開させ、 前記内燃機関の回転数が前記設定回転数以下になってい
    る状態で前記内燃機関の点火を過進角位置で行わせて前
    記内燃機関の回転方向を反転させ、 その後回転方向が反転した状態での内燃機関の回転を維
    持するために適した位置で前記内燃機関を点火して回転
    方向が反転した状態での前記内燃機関の運転を行わせる
    ことを特徴とする2サイクル内燃機関の回転方向切替制
    御方法。
  4. 【請求項4】 吸気通路内への空気の流入を実質的に阻
    止する状態になる全閉位置まで変位し得るように設けら
    れたスロットルバルブと、該スロットルバルブを遠隔操
    作する電子式のバルブ操作機構と、吸気通路から掃気通
    路に至る新気の流路に燃料を供給する燃料供給手段とを
    備えた2サイクル内燃機関の回転方向を反転させる回転
    方向切替制御方法において、 前記内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
    転指令が与えられた時に前記スロットルバルブを前記全
    閉位置まで変位させ、前記内燃機関の回転数がアイドル
    回転数よりも低く設定された設定回転数まで低下した時
    に前記スロットルバルブを開くように前記バルブ操作機
    構を制御し、 前記内燃機関の回転数が前記設定回転数以下になってい
    る状態で前記内燃機関の点火を過進角位置で行わせて前
    記内燃機関の回転方向を反転させ、 その後回転方向が反転した状態での内燃機関の回転を維
    持するために適した位置で前記内燃機関を点火して回転
    方向が反転した状態での前記内燃機関の運転を行わせる
    ことを特徴とする2サイクル内燃機関の回転方向切替制
    御方法。
  5. 【請求項5】 吸気通路内への空気の流入を実質的に阻
    止する状態になる全閉位置まで変位し得るように設けら
    れたスロットルバルブと、前記スロットルバルブをバイ
    パスするように設けられて前記スロットルバルブが全閉
    位置にあるときにアイドリング時に必要な空気を前記吸
    気通路内に流入させるバイパス通路と、前記吸気通路か
    ら掃気通路に至る新気の流路に燃料を供給する燃料供給
    手段とを備えた2サイクル内燃機関の回転方向を反転さ
    せる回転方向切替制御方法において、 前記バイパス通路を開閉する電動バルブを設けておき、 前記スロットルバルブが全閉位置にある状態で前記内燃
    機関の回転方向を反転させることを指令する反転指令が
    与えられた時に前記電動バルブを閉じ、前記内燃機関の
    回転数がアイドル回転数よりも低く設定された設定回転
    数まで低下した時に前記電動バルブを開くように前記電
    動バルブを制御し、 前記内燃機関の回転数が前記設定回転数以下になってい
    る状態で前記内燃機関の点火を過進角位置で行わせて前
    記内燃機関の回転方向を反転させ、 その後回転方向が反転した状態での内燃機関の回転を維
    持するために適した位置で前記内燃機関を点火して回転
    方向が反転した状態での前記内燃機関の運転を行わせる
    ことを特徴とする2サイクル内燃機関の回転方向切替制
    御方法。
  6. 【請求項6】 吸気通路内への空気の流入を実質的に阻
    止する状態になる全閉位置まで変位し得るように設けら
    れたスロットルバルブと、該スロットルバルブを遠隔操
    作する電子式のバルブ操作機構と、前記スロットルバル
    ブをバイパスするように設けられて前記スロットルバル
    ブが全閉位置にあるときにアイドリング時に必要な空気
    を前記吸気通路内に流入させるバイパス通路と、前記吸
    気通路から掃気通路に至る新気の流路に燃料を供給する
    燃料供給手段とを備えた2サイクル内燃機関の回転方向
    を反転させる回転方向切替制御方法において、 前記バイパス通路を開閉する電動バルブを設けておき、 前記内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
    転指令が与えられた時に前記スロットルバルブを全閉位
    置に変位させるとともに、前記電動バルブを閉じ、前記
    内燃機関の回転数がアイドル回転数よりも低く設定され
    た設定回転数まで低下した時に前記電動バルブを開くよ
    うに前記バルブ操作機構及び電動バルブを制御し、 前記内燃機関の回転数が前記設定回転数以下になってい
    る状態で前記内燃機関の点火を過進角位置で行わせて前
    記内燃機関の回転方向を反転させ、 その後回転方向が反転した状態での内燃機関の回転を維
    持するために適した位置で前記内燃機関を点火して回転
    方向が反転した状態での前記内燃機関の運転を行わせる
    ことを特徴とする2サイクル内燃機関の回転方向切替制
    御方法。
  7. 【請求項7】 前記電動バルブとして、駆動電流が与え
    られていない状態で前記バイパス通路を開き、駆動電流
    が与えられた時に前記バイパス通路を閉じるように構成
    されたバルブを用いることを特徴とする請求項5または
    6に記載の2サイクル内燃機関の回転方向切替制御方
    法。
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