JP2002371871A - 内燃機関用電磁駆動弁の制御方法および装置 - Google Patents

内燃機関用電磁駆動弁の制御方法および装置

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JP2002371871A JP2001177145A JP2001177145A JP2002371871A JP 2002371871 A JP2002371871 A JP 2002371871A JP 2001177145 A JP2001177145 A JP 2001177145A JP 2001177145 A JP2001177145 A JP 2001177145A JP 2002371871 A JP2002371871 A JP 2002371871A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁駆動弁を備えた機関において、クランキ
ング中の損失を減少させて、始動時間の短縮,スタータ
モータの消費電力の低減を図るとともに、始動時の弁体
とピストンとの干渉を防止する。 【解決手段】 スタータモータ28によりクランキング
を開始(ステップS1)後、第1の所定のクランキング
回転速度に達してから、所定のクランキング角度で全閉
位置となるように、順次吸排気弁12,14を励起始動
(ステップS4,7)させ、前記すべての吸排気弁が閉
弁、かつ、クランキング回転速度が燃料の供給により初
爆を起こし、継続的な機関の運転が可能となる第2のク
ランキング回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程
に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始する通常制御に移
行させる。(ステップS11,12)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関におい
て吸排気弁として使用される内燃機関用電磁駆動弁の制
御方法および装置に関し、特に機関始動時の電磁弁の駆
動制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、バネによって中立位置に弾性
的に支持される吸排気弁を、電磁力によって全閉位置と
全開位置とに変位させる構成の電磁弁が知られている。
また、機関の始動時における電磁弁の始動制御について
も、その始動シーケンス等種々の方法が開示されてい
る。
【0003】電磁弁の始動方法は、特開平9−3031
22公報にて説明されているように、初期に中立位置に
ある電磁弁を全閉位置或いは、全開位置に変位させるた
め、電磁駆動弁のバネ質量系の固有振動を励起して始動
させるのが一般的であり、機械的なカムで開閉させる場
合とは異なり、始動制御が必須である。
【0004】特開平9−303122公報では、機関の
クランキングを開始後、励起される電磁弁とピストンが
衝突しないよう、電磁弁が励起を開始されてから全閉位
置に達し保持されるまでに要する時間が、ピストンがク
ランク軸の回転により電磁弁本体と干渉を起こす位置へ
達するまでの時間よりも小さくなるクランク角度の領域
で、電磁弁の始動開始時期を設定して電磁弁の始動させ
る電磁弁の始動制御例が開示されている。
【0005】また、特開2000−97059公報で
は、クランキング時の圧縮仕事を減少させるため、前記
例とは異なり、イグニッションスイッチのON時に電磁
弁を全開位置に変位させ、その後、スタータモータのク
ランキングを開始させ、電磁弁の全開状態をクランキン
グ回転数が基準回転数に到達するまで保持する電磁弁の
始動制御例が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平9
−303122公報の例では、上記特開2000−97
059公報にて指摘されている通り、クランキング中に
吸排気弁を全閉位置に変位させる方法では、吸排気弁が
全閉されたクランク角度によっては、全閉直後に非常に
大きな圧縮仕事が発生するため、その圧縮仕事に耐えう
るだけのスタータモータが必要である。逆に言えば、イ
ンバータで制御されるスタータモータでは、パワー素子
の能力により出力トルクが制限されるため、このような
スタータのみを持つ内燃機関では使用できないという問
題点があった。
【0007】また、上記特開2000−97059公報
の例では、スタータモータがONされる前に全開位置に
電磁弁を保持しているが、スタータモータがONされた
直後の突入電流の影響で、電磁弁の保持がはずれること
があるという問題点があった。また、開弁状態でクラン
キングを行うと、上記特開平9−303122公報にて
指摘しているように、吸排気弁とピストンとの干渉が避
けられず、この干渉を回避するためのリセスをピストン
に必ず設けなければいけないという問題点があった。さ
らに、開弁状態でクランキングを行うと、ポンピングロ
スが発生するという問題点があった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、出力トルクの小さなスタ
ータモータでも機関の始動ができるとともに、ピストン
にリセスが不要な内燃機関用電磁弁の制御方法および装
置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る内
燃機関用電磁駆動弁の制御方法は、スタータによりクラ
ンク軸のクランキングを開始するステップと、上記クラ
ンク軸の回転速度が第1の所定回転速度に達してから、
所定のクランク角度で全閉位置となるように、順次吸排
気弁を励起始動するステップと、上記吸排気弁が閉弁、
かつ、上記クランク軸の回転速度が第2の所定回転速度
以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁
の開閉制御を開始し、通常制御に移行させるステップと
を含むものである。
【0010】請求項2の発明に係る内燃機関用電磁駆動
弁の制御方法は、請求項1の発明において、上記所定の
クランク角度は、少なくとも各気筒において最後に閉弁
される電磁駆動弁の閉弁終了クランク角が、そのクラン
ク角からの圧縮仕事量と膨張仕事量が略等しくなる角度
であるものである。
【0011】請求項3の発明に係る内燃機関用電磁駆動
弁の制御方法は、請求項1または2の発明において、上
記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上
記スタータへの給電を禁止するステップを含むものであ
る。
【0012】請求項4の発明に係る内燃機関用電磁駆動
弁の制御方法は、請求項1〜3のいずれかの発明におい
て、機関の負荷の大きさに基づいて上記第1の所定回転
速度を補正するステップを含むものである。
【0013】請求項5の発明に係る内燃機関用電磁駆動
弁の制御方法は、請求項4の発明において、上記機関の
負荷を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算
するステップと、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁
終了時間までの間、上記演算された出力に基づいて上記
スタータを駆動するステップとを含むものである。
【0014】請求項6の発明に係る内燃機関用電磁駆動
弁の制御方法は、請求項1〜5のいずれかの発明におい
て、上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排気行程より開
始するものである。
【0015】請求項7の発明に係る内燃機関用電磁駆動
弁の制御装置は、弾性体により吸排気弁を中立位置に弾
性的に支持すると共に、上記吸排気弁を電磁力により全
閉位置または全開位置に変位させるように構成された内
燃機関用電磁駆動弁の制御装置において、クランク角セ
ンサの出力に基づいてクランク軸の回転速度を検出する
回転速度検出手段と、上記クランク軸の回転速度が、該
クランク軸周りのイナーシャと上記吸排気弁が全閉され
てから上記クランク軸が1回転するのに必要な仕事量に
応じて予め設定された第1の所定回転速度に達してか
ら、上記吸排気弁を順次所定のクランク角度で全閉保持
するように上記吸排気弁を制御する始動制御手段とを備
え、上記吸排気弁がすべて全閉位置に保持されかつ、上
記クランク軸の回転速度が第2の所定回転速度以上の条
件で、通常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制
御を開始するものである。
【0016】請求項8の発明に係る内燃機関用電磁駆動
弁の制御装置は、請求項7の発明において、上記所定の
クランク角度は、少なくとも各気筒において最後に閉弁
される電磁駆動弁の閉弁終了クランク角が、そのクラン
ク角からの圧縮仕事量と膨張仕事量が略等しくなる角度
であるものである。
【0017】請求項9の発明に係る内燃機関用電磁駆動
弁の制御装置は、請求項7または8の発明において、上
記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上
記スタータへの給電を禁止する第1のスタータ制御手段
を備えたものである。
【0018】請求項10の発明に係る内燃機関用電磁駆
動弁の制御装置は、請求項7〜9のいずれかの発明にお
いて、機関の負荷の大きさを検出する負荷検出手段と、
上記負荷の大きさに基づいて上記第1の所定回転速度を
補正する目標回転速度補正手段とを備えたものである。
【0019】請求項11の発明に係る内燃機関用電磁駆
動弁の制御装置は、請求項10の発明において、上記負
荷を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算す
る負荷駆動演算手段と、上記電磁駆動弁の閉弁開始時か
ら閉弁終了時間までの間、上記負荷駆動演算手段の演算
出力に基づいて上記スタータモータを駆動する第2のス
タータ制御手段とを備えたものである。
【0020】請求項12の発明に係る内燃機関用電磁駆
動弁の制御装置は、請求項7〜11のいずれかの発明に
おいて、上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排気行程よ
り開始するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
に基づいて説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1による
内燃機関のシステム構成を示す図である。図において、
4サイクル内燃機関1の吸気通路2にはスロットル弁3
が設けられると共に、このスロットル弁3をバイパスす
る補助空気通路4が設けられており、この補助空気通路
4には電磁式の補助空気制御弁5が介装されている。
【0022】尚、内燃機関1が、例えば、後述する電磁
動弁装置(電磁駆動弁)13により、吸気弁12の開閉
時期を制御して吸気を大気圧状態で取り入れつつスロッ
トル弁無しで吸入空気量を制御できるようにしたエンジ
ン(例えば、ミラーサイクルエンジンなど)である場合
には、スロットル弁3、補助空気通路4および補助空気
制御弁5を省略することができる。
【0023】また、吸気通路2の吸気ポート部には各気
筒毎に電磁式の燃料噴射弁6が設けられていて、この燃
料噴射弁6によって燃料(ガソリン)が機関に供給され
る。マイクロコンピュータを内蔵するコントロールユニ
ット(C/U)7には各種のセンサから信号が入力され
る。具体的には、基準ピストン位置毎の基準角度信号R
efと、単位クランク角毎の単位角度信号Posとをそ
れぞれ出力するクランク角センサ8が設けられ、これに
よりピストン位置を検出し得ると共に、機関の回転速度
Neを算出可能である。
【0024】尚、クランク角センサ8は、機関(クラン
ク軸)の1回転当たり2回転するシグナルプレートに形
成された被検出部を検出するセンサであり、前記基準角
度信号Refとして例えば各気筒毎に異なるパルス幅の
信号を出力するなどして、気筒判別が行えるように構成
されている。但し、気筒判別のための構成を、上記のも
のに限定するものではない。なお、コントロールユニッ
ト(C/U)7は、クランク角センサ8の出力に基づい
てクランク軸の回転速度を検出する回転速度検出手段を
含む。
【0025】また、機関の吸入空気流量Qaを検出する
エアフローメータ9、スロットル弁3の開度TVOを検
出するスロットルセンサ10、内燃機関1の冷却水温度
Twを検出する水温センサ11等が設けられている。コ
ントロールユニット7は、前記各種センサで検出される
機関運転条件に基づいて、燃料噴射弁6による燃料噴射
を制御し、また、点火栓17による点火時期および後述
する電磁動弁装置13,15を制御する。
【0026】更に、内燃機関1には、吸気弁12を開閉
駆動する電磁動弁装置13と、排気弁14を開閉駆動す
る始動制御手段としての電磁動弁装置15が備えられて
いる。電磁動弁装置(電磁駆動弁)13,15の構成を
図2に示す。図2において、電磁動弁装置13,15
は、シリンダヘッド上に設けられる非磁性材料製のハウ
ジング21と、吸排気弁12,14のステム31に一体
に設けられてハウジング21内に移動自由に収納される
アーマチュア22と、このアーマチュア22を吸引して
吸排気弁12,14を閉弁作動させる電磁力を発揮可能
なようにアーマチュア22の上面に対向する位置でハウ
ジング21内に固定配置される閉弁用電磁石23と、ア
ーマチュア22を吸引して吸排気弁12,14を開弁作
動させる電磁力を発揮可能なようにアーマチュア22の
下面に対向する位置でハウジング21内に固定配置され
る開弁用電磁石24と、吸排気弁12,14の閉弁方向
に向けてアーマチュア22を付勢する閉弁側戻しバネ2
5(弾性体)と、吸排気弁12,14の開弁方向に向け
てアーマチュア22を付勢する開弁側戻しバネ26(弾
性体)とを備えて構成される。そして、閉弁用電磁石2
3と開弁用電磁石24とを共に通電停止状態としたとき
に、吸排気弁12,14は、全開位置と全閉位置との間
の中立位置に弾性的に支持されるように、閉弁側戻しバ
ネ25と開弁側戻しバネ26とのバネ力が設定される。
【0027】図3は、アッパコイル23の電流、ロアコ
イル24の電流、および弁リフトの時間的変化を示すタ
イムチャートである。なお、電流は、ECU7が与える
駆動指令値である。この図に示されるように、電磁弁の
駆動は、3つの区間、始動区間、保持区間および実動区
間に分けてなされる。まず、始動区間では、省電力化を
図るべく、共振現象が利用される。すなわち、無通電状
態での中立位置を中心として弁体の固有振動が生ずるよ
うに、プランジャを質量として含むバネ質量系の固有振
動数に応じた周期で、同図(A)および(B)にそれぞ
れ示されるように、アッパコイルおよびロアコイルに交
互に電流が流される。そうすると、弁体は、同図(C)
に示されるように、中立位置より徐々に振幅を大きくし
ていく。このように、共振現象を利用することにより、
始動時の電磁力、従ってその電磁力を生成するための電
流を小さくすることができ、その結果、始動時における
省電力化が図られ、回路構成も簡素化される。
【0028】保持区間、実働区間においては、例えば全
閉時には、開弁用電磁石24への通電を停止し、閉弁用
電磁石23に通電して電磁力を発生させ、アーマチュア
22を閉弁用電磁石23に吸着させておく。そして、前
記全閉位置から開弁させる際には、閉弁用電磁石23へ
の通電を停止し、開弁側戻しバネ26の反力により弁体
を開弁方向に移動させ、この移動してくる弁体を開弁用
電磁石24に通電して電磁力を発生させて、アーマチュ
ア22を開弁用電磁石24に吸着させて、全開位置に保
持する。
【0029】更に、この全開位置に保持された状態から
閉弁させる際には、開弁用電磁石24への通電を停止
し、閉弁側戻しバネ25の反力により弁体を閉弁方向へ
移動させ、この移動してくる弁体を閉弁用電磁石23に
通電して電磁力を発生させて、アーマチュア22を閉弁
用電磁石23に吸着させて、全閉位置に保持する。この
ような動作を周期的に繰り返すことで、内燃機関の動弁
装置としての機能が奏されることになる。
【0030】また、内燃機関では、一般的に、圧縮比を
向上させるため、ピストンの上死点位置と弁体の全開位
置とが干渉するような寸法に設計されている。すなわ
ち、ピストンと弁体とが弁リフトによっては干渉する可
能性のあるクランク角度範囲が存在する。そのようなク
ランク角度範囲を弁スタンプ領域と定義すると、弁スタ
ンプ領域は、例えば、図4に示されるようなクランク角
度範囲となり、弁スタンプ領域以外のクランク角度範囲
は、開弁許容期間と称することができる。この弁スタン
プ領域は、回転速度に依存しない一定のクランク角度範
囲である。
【0031】バネ質量系として構成される電磁駆動弁で
は、全閉位置から全開位置へまたは全開位置から全閉位
置への遷移時間Tは、クランク軸の角速度に依存せず、
時間に依存して、次式で与えられ、図5に示されるよう
に、従来のカム駆動弁のそれに比較して非常に短い。
【0032】 T=π√(M/K) (1)
【0033】なお、上記式(1)において、Mは可動部
分の重量、Kはバネ定数である。また、カム駆動弁で
は、遷移時間は、時間に依存せず、クランク軸の角速度
に依存するため、それらの遷移時間の差は、回転速度が
低いときほど大きくなる。このようにクランク角度に依
存せずリフト勾配がきついという特性を考慮して、電磁
駆動弁において弁スタンプの発生を防止する必要があ
る。
【0034】図6は、クランク角度(上死点後クランク
角度[°CA−ATDC])、ピストン位置および弁リ
フトの関係を示す図である。この図において、弁スタン
プ領域は、所定の余裕代を考慮してA2からA1までの
クランク角度範囲となる。従って、弁スタンプを防止す
るためには、クランク角度位置がA2に達した時点で遅
くとも閉弁方向へ移動するための駆動を開始しなければ
ならない。閉弁動作の所要時間は、前述のように時間的
に一定となるため、全閉状態に達するクランク角度位置
A3は、クランク軸の回転速度に応じて変化し、例え
ば、回転速度が大きくなると、同図に示されるように、
A3からA3’へと遅角側に移行する。
【0035】また、上死点後最も早く弁全開状態にあっ
てもよい時期は、クランク角度位置がA1に達した時点
である。そのため、全閉状態から全開状態へと駆動を開
始することができるクランク角度位置は、A1よりも一
定時間だけ前の時点に相当するクランク角度位置A0で
あるが、このクランク角度位置A0は、クランク軸の回
転速度に応じて変化し、例えば、回転速度が大きくなる
と、同図に示されるように、A0からA0’へと進角側
に移行する。なお、回転速度がより大きくなれば、リフ
トの遷移を示す2直線が交差することも当然に起こり得
る。
【0036】以上の説明からわかるように、バネ質量系
の固有振動を利用して電磁駆動弁を始動するときに弁ス
タンプを防止するためには、A0を最早始動開始時期と
し、A2を最遅始動終了時期とし、従って、A0からA
2までを始動許容期間とし、その始動許容期間に相当す
る時間範囲(始動許容時間)内に、図3に示される始動
所要時間“T1−T0”(Tstとする)が収まるよう
に始動開始時期T0を設定すればよいこととなる。ここ
で、始動許容時間即ちクランク角度位置A0〜A2に到
達するに要する時間は、エンジン始動時におけるクラン
ク軸の回転速度(クランキング速度)に依存し、クラン
キング速度が大きいほど小さくなる。以下、電磁弁の具
体的な始動方法について説明する。
【0037】図7は、電磁弁始動ルーチンの処理手順を
示すフローチャートである。まず、ステップS1では、
スタータモータが駆動され、クランキングを開始する。
次に、ステップS2では、クランク角センサ8の出力に
基づいて、クランク軸の回転速度すなわちクランキング
速度NEを検出する。ステップS4では、クランキング
速度NEが第1の所定回転速度TNE1を越えたか否か
を判定し、判定結果がYESの時は、ステップS7にす
すむ。
【0038】ここで、第1の所定回転数の設定方法につ
いて説明する。クランキング開始後は、吸排気弁12,
14とも未通電なので、中立位置を保っている。従っ
て、ピストンは、圧縮仕事も膨張仕事もしていない。し
かし、吸排気弁12,14がすべて閉弁されると、その
時点から、圧縮仕事または膨張仕事が開始されることに
なる。
【0039】図8は、ピストン位置による筒内圧の変化
を示したグラフである。該当気筒の最後の弁が閉弁され
ると、その時点(図中、閉弁終了位置で示す。)より、
圧縮仕事W1あるいは膨張の仕事W2がクランクの回転
に伴って発生する。なお、圧縮仕事・膨張仕事は、筒内
圧によって生じるピストンへの力の積分で与えられる
為、図8においては、斜線で示した面積が仕事に相当す
る。この時のクランク回転速度をω、クランク軸周りの
イナーシャをIとすると、クランク軸には次式で表され
る回転エネルギーWが蓄えられており、
【0040】 W=Iω2/2 (2)
【0041】W>W1,W>W2であれば、クランク軸
は1回転が必ずできることになる。すなわち、クランク
1回転中の圧縮仕事W1と膨張仕事W2のうち、大きい
方より大きな回転エネルギーがあれば良いわけである。
従って、弁スタンプを避けるためには、できるだけ前記
第1の所定回転速度をできるだけ低くしたほうが良いの
で、圧縮仕事W1と膨張仕事W2が略等しい事が望まし
い。なお、前記は1気筒のみで説明したが、多気筒の場
合は、1気筒に要する仕事量を気筒数倍して、第1の所
定回転速度を設定すれば良い。1回転後は、圧縮・膨張
を繰り返すサイクルとなるので、ピストンが消費する仕
事が無くなり、この圧縮・膨張によってクランキングが
停止することはない。
【0042】また、閉弁時点のバラツキを考慮すると、
第1の所定回転速度は、前記で求めた所定回転速度にマ
ージンを加えた値にすることが望ましい。なお、圧縮・
膨張は、該当気筒の最後の一弁が閉ざされてから生じる
ので、上記の閉弁終了位置を設定するのは、最後の一弁
だけでよく、それに先立つ他の弁の閉弁位置は、スタン
プされない位置で任意に設定して良い。
【0043】次に、図7のフローチャートの説明に戻
る。ステップS8では、すべての弁が閉弁したかを判定
し、判定結果がYESであればステップS10へ進み、
ステップ2と同様にクランク速度NEを検出する。次
に、ステップS11では、クランキング速度NEが第2
の所定回転速度TNE2を越えたか否かを判定し、判定
結果がYESの時は、ステップS12にすすむ。ステッ
プS12では、順次、通常の吸排気弁制御を開始し、始
動制御ルーチンを終了する。ここで、通常制御に移行す
る際、順次排気行程に入る気筒から、排気弁開制御から
スタートさせることが望ましい。当然ながら、排気行程
が終了し、吸気行程に入る気筒から、燃料制御・点火制
御も開始され、内燃機関が最終的に始動される。
【0044】このように、本実施の形態では、クランキ
ング開始後、クランク軸の回転速度が、フライホイール
やクランク軸等が一体となって回転することにより蓄積
されたクランクの運動エネルギーにより、すべての吸排
気弁が閉じた際に生じる圧縮・膨張仕事ができ得る第1
の所定回転速度に達してから、所定のクランク角度で全
閉位置となるように、順次吸排気弁を励起始動させ、前
記すべての吸排気弁が閉弁、かつ、クランク軸の回転速
度が、燃料の供給により初爆を起こし、継続的な機関の
運転が可能となる第2の所定回転速度以上の条件で、通
常の各気筒の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始
する様に構成したので、スタータに過大な負荷を与えず
に圧縮仕事をさせることができると共に、すべての弁が
閉弁してからは、ポンピングロスが無くなるので、早く
クランキング回転数を上げることが可能となり、ひいて
は早く機関の始動ができる。
【0045】実施の形態2.図9は、この発明の実施の
形態2を示す構成図である。なお、図9において、図1
と同一、または相当部分には同一符号を付し、その説明
を省略する。図において、28はスタータモータであ
り、第1のスタータ制御手段としての駆動手段27を介
して、バッテリ30より電源が供給される。
【0046】次に、電磁弁始動ルーチンの処理手順を図
10に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ス
テップS1では、スタータモータ28がONされ、クラ
ンキングを開始する。次に、ステップS2では、クラン
ク角センサ8の出力に基づいて、クランク軸の回転速度
すなわちクランキング速度NEを検出する。ステップS
4では、クランキング速度NEが第1の所定回転速度T
NE1を越えたか否かを判定し、判定結果がYESの時
は、ステップS6に進み、スタータがOFFされる。次
に、ステップS7では、上記実施の形態1と同様に吸排
気弁を順次閉弁させるが、上記実施の形態1で説明した
ように第1の所定回転速度TNE1においては、すべて
の弁を閉弁するのに必要な回転エネルギーがクランク軸
に蓄えられているので、スタータモータ28を駆動しな
くとも、閉弁が確実に実行されるとともに、バッテリ3
0の負荷が少なくなるので、電磁動弁装置13,15に
対して十分な電源が供給されるため、確実に吸排気弁1
2,14の閉弁が実行される。
【0047】また、この時、内燃機関1の摩擦抵抗等に
よる負の仕事が生じるので、第1の所定回転速度TNE
1の設定は、これを考慮して設定される。さらに、水温
センサ11により、温度により変化する機関1の摩擦抵
抗等の影響を除去するために、水温に応じて、第1の所
定回転速度TNE1を変化させたほうが良い。即ち、例
えば負荷が大きくなると、その分だけ、第1の所定回転
速度TNE1の値を上げるようにする。従って、コント
ロールユニット(C/U)7は、実質的に負荷の大きさ
に応じて第1の所定回転速度TNE1を補正する目標回
転速度補正手段を有している。
【0048】次に、ステップS8では、すべての弁が閉
弁したかを判定し、判定結果がYESであればステップ
S9へ進み、再度スタータモータ28をONし、クラン
キングを再開する。次にステップS8では、ステップS
2と同様にクランク速度NEを検出する。次に、ステッ
プS9では、クランキング速度NEが第2の所定回転速
度TNE2を越えたか否かを判定し、判定結果がYES
の時は、ステップS10にすすむ。ステップS10で
は、順次、通常の吸排気弁制御を開始し、始動制御ルー
チンを終了する。ここで、通常制御に移行する際、順次
排気行程に入る気筒から、排気弁開制御からスタートさ
せることが望ましい。当然ながら、排気行程が終了し、
吸気行程に入る気筒から、燃料制御・点火制御も開始さ
れ、内燃機関が最終的に始動される。
【0049】このように、本実施の形態では、吸排気弁
を中立位置から全閉位置に駆動している間、スタータへ
の給電を禁止するように構成したので、バッテリーの負
荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給す
ることが可能となる。ひいては確実な吸排気弁の始動制
御が可能となる。
【0050】また、機関の機械的摩擦などによる負荷を
検出し、負荷による負の仕事量と吸排気弁の全閉後に生
じる圧縮・膨張仕事量以上の運動エネルギーが確保でき
るように第1の所定回転速度を設定するように構成した
ので、特に低温時に機関の摩擦が増大した場合において
も、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもク
ランク軸が回転できる。
【0051】実施の形態3.図11は、この発明の実施
の形態3を示す構成図である。なお、図11において、
図1と同一、または相当部分には同一符号を付し、その
説明を省略する。図において、28はスタータモータで
あり、駆動手段27を介して、バッテリ30より電源が
供給される。また、29はスタータモータ28に供給さ
れた電流を検出する電流検出手段である。ここで、駆動
手段27と電流検出手段29は第2のスタータ制御手段
を構成する。
【0052】次に、電磁弁始動ルーチンの処理手順を図
12に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ス
テップS1では、スタータモータ28がONされ、クラ
ンキングを開始する。次に、ステップS2では、クラン
ク角センサ8の出力に基づいて、クランク軸の回転速度
すなわちクランキング速度NEを検出する。ステップS
3では、スタータモータ28の出力トルクと、検出した
クランキング速度の加速度および、クランク軸のイナー
シャより機関の負荷が計算される(負荷検出手段)。す
なわち、始動してからは、吸排気弁12,14は、中立
点にあるため、圧縮・膨張仕事とも存在しない。従っ
て、クランキング速度の加速度ω´は、スタータの出力
をTs、クランク軸へのギア比をGc、クランク軸のイ
ナーシャをI、機関の負荷トルクをTeとすると、次式
で表される。
【0053】 ω´=(Ts・Gc−Te)/I (3)
【0054】従って、負荷トルクTeは、次式で与えら
れる。
【0055】 Te=I・ω´−Ts・Gc (4)
【0056】ここで、スタータモータ28の出力トルク
Tsは、電流検出手段29の出力により演算されるが、
機関の駆動トルクを検出するものであれば、トルクセン
サを用いるなどの他の手段を用いても差し支えない。次
に、ステップS4では、クランキング速度NEが第1の
所定回転速度TNE1を越えたか否かを判定し、判定結
果がYESの時は、ステップS5に進み、ステップS3
にて求めた機関の負荷トルクTeを補償するためのスタ
ータ19の補償出力トルクTs´を演算する。即ち、次
式を用いて演算される。
【0057】 Ts´=Te/G (5)
【0058】従って、コントロールユニット(C/U)
7は、実質的に負荷を駆動するのに必要なスタータへの
出力を演算する負荷駆動演算手段を有している。ここ
で、スタータモータ28の電流−トルク特性により、ス
タータモータ28の目標電流を求めても良い。次に、ス
テップS6では、ステップS5にて求めたスタータモー
タ28の補償出力トルクTs´に基づき、スタータモー
タ28を駆動手段27を用いて制御する。この際、駆動
手段27は、ECU7からの指令に基づきデューティー
制御するようなものであるが、特に、制御方法は問わな
い。
【0059】次に、ステップS8では、上記実施の形態
1と同様に吸排気弁を順次閉弁させるが、第1の所定回
転速度TNE1においては、すべての弁を閉弁するのに
必要な回転エネルギーがクランク軸に蓄えられており、
また、機関の負荷トルクを補償する程度の駆動力でスタ
ータモータ28を駆動しているので、バッテリ30の負
荷が少なくなり、吸排気弁12,14にたいして十分な
電源が供給されるため、確実に閉弁が実行される。次
に、ステップS8では、すべての弁が閉弁したかを判定
し、判定結果がYESであればステップS9へ進み、再
度スタータモータ28を最大駆動力で駆動する。
【0060】次にステップS10では、ステップS2と
同様にクランク速度NEを検出する。次に、ステップS
11では、クランキング速度NEが第2の所定回転速度
TNE2を越えたか否かを判定し、判定結果がYESの
時は、ステップS12にすすむ。ステップS12では、
順次、通常の吸排気弁制御を開始し、始動制御ルーチン
を終了する。ここで、通常制御に移行する際、順次排気
行程に入る気筒から、排気弁開制御からスタートさせる
ことが望ましい。当然ながら、排気行程が終了し、吸気
行程に入る気筒から、燃料制御・点火制御も開始され、
内燃機関が最終的に始動される。
【0061】このように、本実施の形態では、機関の機
械的摩擦などによる負荷を検出し、負荷による負の仕事
量を補うのに必要なスタータ出力を演算し、吸排気弁の
閉弁開始から閉弁終了までの間、スタータをスタータ出
力で駆動するように構成したので、バッテリーの負荷が
その間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給するこ
とが可能となると共に、機関の機械的な摩擦等による仕
事をスタータが受け持つので、クランクのひいては確実
な吸排気弁の始動制御が可能となる。機関の摩擦が増大
した場合においても、スタータの駆動力無しで吸排気弁
の全閉させてもクランク軸が回転できる。
【0062】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、スタータによりクランク軸のクランキングを開始す
るステップと、上記クランク軸の回転速度が第1の所定
回転速度に達してから、所定のクランク角度で全閉位置
となるように、順次吸排気弁を励起始動するステップ
と、上記吸排気弁が閉弁、かつ、上記クランク軸の回転
速度が第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒
の行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始し、通常制
御に移行させるステップとを含むので、スタータに過大
な負荷を与えずに圧縮仕事をさせることができると共
に、すべての弁が閉弁してからは、ポンピングロスが無
くなるので、早くクランク軸の回転速度即ちクランキン
グ速度を上げることが可能となり、ひいては早く機関の
始動ができるという効果がある。
【0063】また、この発明によれば、上記電磁駆動弁
の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上記スタータへ
の給電を禁止するステップを含むので、バッテリーの負
荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給す
ることが可能となり、ひいては確実な吸排気弁の始動制
御が可能となるという効果がある。
【0064】また、この発明によれば、機関の負荷の大
きさに基づいて上記第1の所定回転速度を補正するステ
ップを含むので、負荷による負の仕事量と吸排気弁の全
閉後に生じる圧縮・膨張仕事量以上の運動エネルギーが
確保できるように第1の所定回転速度を設定でき、特に
低温時に機関の摩擦が増大した場合においても、スター
タの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもクランク軸が
回転できるという効果がある。
【0065】また、この発明によれば、上記機関の負荷
を駆動するのに必要な上記スタータへの出力を演算する
ステップと、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了
時間までの間、上記演算された出力に基づいて上記スタ
ータを駆動するステップとを含むので、バッテリーの負
荷がその間小さくなり、吸排気弁へ十分な電力を供給す
ることが可能となると共に、機関の機械的な摩擦等によ
る仕事をスタータが受け持つので、クランク軸のひいて
は確実な吸排気弁の始動制御が可能となり、機関の摩擦
が増大した場合においても、スタータの駆動力無しで吸
排気弁の全閉させてもクランク軸が回転できるという効
果がある。
【0066】また、この発明によれば、弾性体により吸
排気弁を中立位置に弾性的に支持すると共に、上記吸排
気弁を電磁力により全閉位置または全開位置に変位させ
るように構成された内燃機関用電磁駆動弁の制御装置に
おいて、クランク角センサの出力に基づいてクランク軸
の回転速度を検出する回転速度検出手段と、上記クラン
ク軸の回転速度が、該クランク軸周りのイナーシャと上
記吸排気弁が全閉されてから上記クランク軸が1回転す
るのに必要な仕事量に応じて予め設定された第1の所定
回転速度に達してから、上記吸排気弁を順次所定のクラ
ンク角度で全閉保持するように上記吸排気弁を制御する
始動制御手段とを備え、上記吸排気弁がすべて全閉位置
に保持されかつ、上記クランク軸の回転速度が第2の所
定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行程に合わせ
た吸排気弁の開閉制御を開始するので、スタータに過大
な負荷を与えずに圧縮仕事をさせることができると共
に、すべての弁が閉弁してからは、ポンピングロスが無
くなるので、早くクランキング速度を上げることが可能
となり、ひいては早く機関の始動ができるという効果が
ある。
【0067】また、この発明によれば、上記所定のクラ
ンク角度は、少なくとも各気筒において最後に閉弁され
る電磁駆動弁の閉弁終了クランク角が、そのクランク角
からの圧縮仕事量と膨張仕事量が略等しくなる角度であ
るので、クランク軸を1回転させるのに必要な運動エネ
ルギーが最小にして、第1の所定の回転速度を最小にす
ることができ、ひいてはピストンと干渉しないように吸
排気弁を励起して全閉する際の余裕時間が長くなるとい
う効果がある。
【0068】また、この発明によれば、上記電磁駆動弁
の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間上記スタータへ
の給電を禁止する第1のスタータ制御手段を備えたの
で、バッテリーの負荷がその間小さくなり、吸排気弁へ
十分な電力を供給することが可能となり、ひいては確実
な吸排気弁の始動制御が可能となるという効果がある。
【0069】また、この発明によれば、機関の負荷の大
きさを検出する負荷検出手段と、上記負荷の大きさに基
づいて上記第1の所定回転速度を補正する目標回転速度
補正手段とを備えたので、負荷による負の仕事量と吸排
気弁の全閉後に生じる圧縮・膨張仕事量以上の運動エネ
ルギーが確保できるように第1の所定回転速度を設定で
き、特に低温時に機関の摩擦が増大した場合において
も、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させてもク
ランク軸が回転できるという効果がある。
【0070】また、この発明によれば、上記負荷を駆動
するのに必要な上記スタータへの出力を演算する負荷駆
動演算手段と、上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終
了時間までの間、上記負荷駆動演算手段の演算出力に基
づいて上記スタータを駆動する第2のスタータ制御手段
とを備えたので、バッテリーの負荷がその間小さくな
り、吸排気弁へ十分な電力を供給することが可能となる
と共に、機関の機械的な摩擦等による仕事をスタータが
受け持つので、クランク軸のひいては確実な吸排気弁の
始動制御が可能となり、機関の摩擦が増大した場合にお
いても、スタータの駆動力無しで吸排気弁の全閉させて
もクランク軸が回転できるという効果がある。
【0071】さらに、この発明によれば、上記通常の吸
排気弁の開閉制御は、排気行程より開始するので、機関
の始動性の向上に寄与できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1に係る電子制御式内燃
機関の全体概要図である。
【図2】 吸気弁および排気弁として使用される電磁弁
の構成を示す縦断面図である。
【図3】 アッパコイル電流(A)、ロアコイル電流
(B)および弁リフト(C)のタイムチャートである。
【図4】 弁スタンプ領域および開弁許容期間を示す図
である。
【図5】 電磁駆動弁およびカム駆動弁について全閉位
置から全開位置へまたは全開位置から全閉位置への遷移
時間を示す図である。
【図6】 クランク角度(上死点後クランク角度[°C
A−ATDC])、ピストン位置および弁リフトの関係
を示す図である。
【図7】 この発明の実施形態1における電磁弁始動ル
ーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 ピストン位置−筒内圧変化を示すグラフであ
る。
【図9】 この発明の実施形態2によるエンジン始動装
置の構成を示す図である。
【図10】 この発明の実施形態2による電磁弁始動ル
ーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施形態3によるエンジン始動
装置の構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施形態3における電磁弁始動
ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関、7 コントロールユニット、8 クラン
ク角センサ、12 吸気弁、13 電磁動弁装置(吸気
弁用)、14 排気弁、15 電磁動弁装置(排気弁
用)、27 駆動手段、28 スタータモータ、29
電流検出手段。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G018 AB09 AB16 BA38 CA11 CA12 DA34 DA36 DA41 EA02 EA25 FA01 FA06 FA07 GA02 GA22 3G092 AA01 AA11 AB02 DA01 DA02 DA03 DA07 DF05 DG09 EA01 EA02 EA03 EA04 FA11 FA12 GA01 HA13Z HE01Z 3G301 HA01 HA19 KA01 LA07 LC01 LC10 NB20 ND42 NE01 NE06 NE11 NE12 PB06Z PE01Z PE10Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタータによりクランク軸のクランキン
    グを開始するステップと、 上記クランク軸の回転速度が第1の所定回転速度に達し
    てから、所定のクランク角度で全閉位置となるように、
    順次吸排気弁を励起始動するステップと、 上記吸排気弁が閉弁、かつ、上記クランク軸の回転速度
    が第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の行
    程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始し、通常制御に
    移行させるステップとを含むことを特徴とする内燃機関
    用電磁駆動弁の制御方法。
  2. 【請求項2】 上記所定のクランク角度は、少なくとも
    各気筒において最後に閉弁される電磁駆動弁の閉弁終了
    クランク角が、そのクランク角からの圧縮仕事量と膨張
    仕事量が略等しくなる角度であることを特徴とする請求
    項1記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御方法。
  3. 【請求項3】 上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終
    了時間までの間上記スタータへの給電を禁止するステッ
    プを含むことを特徴とする請求項1または2記載の内燃
    機関用電磁駆動弁の制御方法。
  4. 【請求項4】 機関の負荷の大きさに基づいて上記第1
    の所定回転速度を補正するステップを含むことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関用電磁駆
    動弁の制御方法。
  5. 【請求項5】 上記機関の負荷を駆動するのに必要な上
    記スタータへの出力を演算するステップと、上記電磁駆
    動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間、上記演算
    された出力に基づいて上記スタータを駆動するステップ
    とを含むことを特徴とする請求項4記載の内燃機関用電
    磁駆動弁の制御方法。
  6. 【請求項6】 上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排気
    行程より開始することを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御方法。
  7. 【請求項7】 弾性体により吸排気弁を中立位置に弾性
    的に支持すると共に、上記吸排気弁を電磁力により全閉
    位置または全開位置に変位させるように構成された内燃
    機関用電磁駆動弁の制御装置において、 クランク角センサの出力に基づいてクランク軸の回転速
    度を検出する回転速度検出手段と、 上記クランク軸の回転速度が、該クランク軸周りのイナ
    ーシャと上記吸排気弁が全閉されてから上記クランク軸
    が1回転するのに必要な仕事量に応じて予め設定された
    第1の所定回転速度に達してから、上記吸排気弁を順次
    所定のクランク角度で全閉保持するように上記吸排気弁
    を制御する始動制御手段とを備え、上記吸排気弁がすべ
    て全閉位置に保持されかつ、上上記クランク軸の回転速
    度が第2の所定回転速度以上の条件で、通常の各気筒の
    行程に合わせた吸排気弁の開閉制御を開始することを特
    徴とする内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
  8. 【請求項8】 上記所定のクランク角度は、少なくとも
    各気筒において最後に閉弁される電磁駆動弁の閉弁終了
    クランク角が、そのクランク角からの圧縮仕事量と膨張
    仕事量が略等しくなる角度であることを特徴とする請求
    項7記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
  9. 【請求項9】 上記電磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終
    了時間までの間上記スタータへの給電を禁止する第1の
    スタータ制御手段を備えたことを特徴とする請求項7ま
    たは8記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
  10. 【請求項10】 機関の負荷の大きさを検出する負荷検
    出手段と、上記負荷の大きさに基づいて上記第1の所定
    回転速度を補正する目標回転速度補正手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の内燃機
    関用電磁駆動弁の制御装置。
  11. 【請求項11】 上記負荷を駆動するのに必要な上記ス
    タータへの出力を演算する負荷駆動演算手段と、上記電
    磁駆動弁の閉弁開始時から閉弁終了時間までの間、上記
    負荷駆動演算手段の演算出力に基づいて上記スタータを
    駆動する第2のスタータ制御手段とを備えたことを特徴
    とする請求項10記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装
    置。
  12. 【請求項12】 上記通常の吸排気弁の開閉制御は、排
    気行程より開始することを特徴とする請求項7〜11の
    いずれかに記載の内燃機関用電磁駆動弁の制御装置。
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