JP2009270478A - バルブタイミング制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者に違和感を与えることの抑制と確実なロックとの両立を実現したバルブタイミング制御システムを提供する。
【解決手段】IGオフ操作を検出した場合に、バルブタイミング調整装置18のロータをロック位置に向けて相対回転させるよう、OCV29の作動を制御するロック制御手段と、IGオフ操作後においてエンジンへの燃料噴射を停止するタイミングを遅延させる遅延制御手段と、クランク軸12の回転速度であるエンジン回転速度を示すタコメータ60の表示内容を制御するメータECU65(表示内容制御手段)と、を備え、メータECU65は、IGオフ操作に伴いエンジン回転速度が低下していく推移を表示させるにあたり、遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、エンジン回転速度が実際に低下を開始するタイミングよりも早く低下開始するよう表示させる。
【選択図】 図1
【解決手段】IGオフ操作を検出した場合に、バルブタイミング調整装置18のロータをロック位置に向けて相対回転させるよう、OCV29の作動を制御するロック制御手段と、IGオフ操作後においてエンジンへの燃料噴射を停止するタイミングを遅延させる遅延制御手段と、クランク軸12の回転速度であるエンジン回転速度を示すタコメータ60の表示内容を制御するメータECU65(表示内容制御手段)と、を備え、メータECU65は、IGオフ操作に伴いエンジン回転速度が低下していく推移を表示させるにあたり、遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、エンジン回転速度が実際に低下を開始するタイミングよりも早く低下開始するよう表示させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エンジンの吸気バルブ又は排気バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に適用された、バルブタイミング制御システムに関する。
吸気バルブ又は排気バルブの開閉タイミングを調整する従来のバルブタイミング調整装置は、エンジンのクランク軸(出力軸)とともに回転するエンジン側回転体と、カム軸とともに回転するカム側回転体とを備え、カム側回転体をエンジン側回転体に対して相対回転させるよう油圧ポンプから作動油を供給する構成である。そして、作動油の供給先を切替制御する等により、カム側回転体の相対回転位置を制御している。
上記油圧ポンプはクランク軸の回転力を駆動源としているため、エンジン始動時には十分な作動油を供給できず最適な相対回転位置に制御できない。そこで従来の装置では、エンジン始動時に最適とされる位置でカム側回転体を相対回転不能にロックするロック機構を設けており、エンジンの停止を指令するためのイグニッションスイッチオフ操作(IGオフ操作)を検出した場合に、カム側回転体をロック位置に向けて相対回転させるよう作動油供給状態を制御するロック制御を実行している。
ここで、作動油が低温で高粘性になっていると、前記ロック制御を行ったとしても、油圧ポンプが停止するまでの間にカム側回転体がロック位置まで到達できない場合がある。この問題に対し特許文献1記載の装置では、IGオフ操作後においてエンジンへの燃料噴射を停止させるタイミングを遅延させる遅延制御を行うことで、IGオフ操作後における油圧の低下を遅延させて、ロック位置まで到達させることを図っている。
特開2006−266200号公報
しかしながら、エンジン停止タイミングを遅延させるほど、ロックの確実性が高まる反面、IGオフ操作してから直ぐにエンジン回転速度が低下開始をしないことについて、運転者に違和感を与えてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、運転者に違和感を与えることの抑制と確実なロックとの両立を実現したバルブタイミング制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
(請求項1)
請求項1記載の発明では、
エンジンの出力軸とともに回転するエンジン側回転体と、吸気バルブ又は排気バルブを開閉駆動させるカム軸とともに回転するカム側回転体と、前記出力軸の回転力を駆動源として前記両回転体の一方を他方に対して相対回転させるよう作動油を供給する油圧ポンプと、前記作動油の供給状態を制御することで前記一方の回転体の相対回転位置を制御する進遅角位置制御装置と、所定の相対回転位置で前記一方の回転体を相対回転不能にロックするロック機構と、を有し、前記吸気バルブ又は前記排気バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に適用され、
前記エンジンの停止を指令するためのオフ操作を検出した場合に、前記一方の回転体を前記ロックの位置に向けて相対回転させるよう、前記進遅角位置制御装置の作動を制御するロック制御手段と、前記オフ操作後において前記エンジンへの燃料噴射を停止するタイミングを遅延させる遅延制御手段と、前記出力軸の回転速度であるエンジン回転速度を示すタコメータの表示内容を制御する表示内容制御手段と、を備え、前記表示内容制御手段は、前記オフ操作に伴い前記エンジン回転速度が低下していく推移を表示させるにあたり、前記遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、前記エンジン回転速度が実際に低下を開始するタイミングよりも早く低下開始するよう表示させることを特徴とする。
請求項1記載の発明では、
エンジンの出力軸とともに回転するエンジン側回転体と、吸気バルブ又は排気バルブを開閉駆動させるカム軸とともに回転するカム側回転体と、前記出力軸の回転力を駆動源として前記両回転体の一方を他方に対して相対回転させるよう作動油を供給する油圧ポンプと、前記作動油の供給状態を制御することで前記一方の回転体の相対回転位置を制御する進遅角位置制御装置と、所定の相対回転位置で前記一方の回転体を相対回転不能にロックするロック機構と、を有し、前記吸気バルブ又は前記排気バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に適用され、
前記エンジンの停止を指令するためのオフ操作を検出した場合に、前記一方の回転体を前記ロックの位置に向けて相対回転させるよう、前記進遅角位置制御装置の作動を制御するロック制御手段と、前記オフ操作後において前記エンジンへの燃料噴射を停止するタイミングを遅延させる遅延制御手段と、前記出力軸の回転速度であるエンジン回転速度を示すタコメータの表示内容を制御する表示内容制御手段と、を備え、前記表示内容制御手段は、前記オフ操作に伴い前記エンジン回転速度が低下していく推移を表示させるにあたり、前記遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、前記エンジン回転速度が実際に低下を開始するタイミングよりも早く低下開始するよう表示させることを特徴とする。
ここで、一般的なエンジン運転者は、自身が行ったオフ操作にしたがってエンジン停止制御(例えば燃料噴射を停止する制御等)が為されていることを、タコメータを見ることで把握する傾向にある。つまり、オフ操作後に、タコメータに表示されるエンジン回転速度の低下開始を視認したことで、オフ操作に伴いエンジン停止制御が為されたことを把握している。特に、エンジンが4輪車両に搭載されたものである場合には、車室内に居る運転者にはオフ操作後のエンジン振動は殆ど感じられない。そのため、タコメータを見ることでエンジン停止制御の開始を把握する傾向がさらに強くなる。
この点に着目してなされた上記請求項1記載の発明によれば、オフ操作に伴いエンジン回転速度が低下していく推移をタコメータで表示させるにあたり、遅延制御を実行する場合には、エンジン回転速度が実際に低下を開始するタイミングよりも早く低下開始するよう表示させる。よって、遅延制御の実行によりエンジン回転速度が低下開始するタイミングは実際には遅延されているが、タコメータの低下開始表示を視認した運転者には、実際の低下開始タイミングよりも早く低下開始したと把握されることとなる。したがって、遅延制御の実行によりロックの確実性を高めることができるとともに、オフ操作してから直ぐにエンジン回転速度が低下し始めないことについて与える運転者への違和感を抑制できる。
(請求項2)
請求項2記載の発明では、前記表示内容制御手段は、前記オフ操作に伴い前記エンジン回転速度が低下していく推移を表示させるにあたり、前記遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、前記エンジン回転速度が実際にゼロになるタイミングよりも早くゼロになるよう表示させることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記表示内容制御手段は、前記オフ操作に伴い前記エンジン回転速度が低下していく推移を表示させるにあたり、前記遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、前記エンジン回転速度が実際にゼロになるタイミングよりも早くゼロになるよう表示させることを特徴とする。
これによれば、タコメータに表示させる回転速度の低下推移プロフィール(例えば、図11(d)中の実線(1)に示すプロフィール)が、実際に回転速度が低下していく時のプロフィール(例えば、図11(d)中の一点鎖線に示すプロフィール)に近づくこととなる。よって、タコメータを見る運転者に対して、実際の回転速度の低下推移プロフィールと異なるプロフィールで表示させることにより与えてしまう違和感を抑制できる。
(請求項3〜5)
オフ操作後にエンジン回転速度が低下していく時のエンジン振動は運転者には殆ど感じられないことは先述した通りであるが、出力軸が停止する時に逆回転が生じる(発生原因は後述)と、その逆回転による振動は回転速度低下時の振動に比べて大きいので、運転者に感じられることが懸念される。
オフ操作後にエンジン回転速度が低下していく時のエンジン振動は運転者には殆ど感じられないことは先述した通りであるが、出力軸が停止する時に逆回転が生じる(発生原因は後述)と、その逆回転による振動は回転速度低下時の振動に比べて大きいので、運転者に感じられることが懸念される。
この点に着目してなされた上記請求項3記載の発明では、エンジン回転速度がゼロになる時に出力軸が逆回転することを抑制する逆転抑制装置が備えられたエンジンに請求項1記載の発明を適用させるので、上記懸念を好適に解消できる。
前記逆転抑制装置の具体的構成例として、請求項4及び請求項5記載の発明が挙げられる。すなわち、請求項4記載の発明では、前記逆転抑制装置は、前記出力軸の正回転を許容して逆回転を不能にするワンウェイクラッチ機構を備えて構成されていることを特徴とするので、出力軸の逆回転がワンウェイクラッチ機構により防止される。
また、請求項5記載の発明では、吸入空気量を調整するスロットルバルブ、前記スロットルバルブを駆動させる電動モータ、及び前記電動モータの駆動を制御する吸気量制御手段を有する電動スロットルシステムを備えたエンジンに適用され、前記遅延制御の実行時には非実行時に比べて吸入空気量を少なくするよう前記スロットルバルブの開度を制御することで、前記電動スロットルシステムは前記逆転抑制装置として機能していることを特徴とする。
ここで、上記逆回転が生じる原因を簡単に説明すると、エンジンピストンの圧縮過程の途中で出力軸が停止すると、その圧縮過程で圧縮された空気がピストンを押し戻すよう作用する。この作用によりピストンが押し戻されることで、出力軸が逆回転することとなる。これに対し上記請求項5記載の発明では、遅延制御の実行時には吸入空気量を少なくするようスロットルバルブの開度を制御するので、停止直前にシリンダ内へ吸入される空気の量が少なくなる。そのため、圧縮過程の途中で出力軸が回転停止したとしても、その圧縮過程で圧縮される空気の量は少なくなっているので、圧縮空気によりピストンを押し戻す力は小さくなる。よって、出力軸の逆回転が抑制される。
(請求項6,7)
ところで、オフ操作に伴いエンジン回転速度が低下していく時の実際の低下推移のプロフィールは、オフ操作をした時のエンジン運転状態によって異なる。例えば、エンジン回転速度がアイドル運転時の回転速度よりも高い状態でオフ操作すると、オフ操作後に回転速度がゼロになるまでに要する時間は長くなる。しかしながら、このような違いは僅かであり、しかも、運転者にはオフ操作後のエンジン振動は殆ど感じられない。
ところで、オフ操作に伴いエンジン回転速度が低下していく時の実際の低下推移のプロフィールは、オフ操作をした時のエンジン運転状態によって異なる。例えば、エンジン回転速度がアイドル運転時の回転速度よりも高い状態でオフ操作すると、オフ操作後に回転速度がゼロになるまでに要する時間は長くなる。しかしながら、このような違いは僅かであり、しかも、運転者にはオフ操作後のエンジン振動は殆ど感じられない。
そこで請求項6記載の発明では、前記表示内容制御手段は、前記遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、前記オフ操作をした時の前記エンジンの運転状態に拘わらず、予め設定されたエンジン回転速度の低下推移のプロフィールを表示させることを特徴とする。これにより、表示内容制御手段の表示制御にかかる処理負荷を軽減できる。
さらに請求項7記載の発明では、前記遅延制御を実行する場合に表示される前記低下推移は、前記エンジン回転速度の実際の低下推移と同じプロフィールとなるように設定されていることを特徴とする。そのため、タコメータ表示による回転速度の低下開始タイミングは実際の低下開始タイミングより早くなっているものの、その後にタコメータで表示される回転速度の低下推移(図11(d)中の実線(1)参照)は実際の低下推移プロフィール(図11(d)中の一点鎖線参照)と同じとなる。よって、タコメータを見る運転者に対して、実際の回転速度の低下推移と異なる低下推移で表示させることにより与えてしまう違和感を抑制できる。
以下、本発明のバルブタイミング制御システムの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、車両に搭載されて走行駆動源となる内燃機関にはガソリンエンジン11が適用され、該エンジン11のクランク軸12(出力軸)からの動力がタイミングチェーン13により各スプロケット14,15を介して吸気側カム軸16と排気側カム軸17とに伝達されるようになっている。但し、吸気側カム軸16には、クランク軸12に対する吸気側カム軸16の進角量を調整するバルブタイミング調整装置18が設けられている。また、吸気側カム軸16の外周側には、カム角を検出するカム角センサ19が設置され、一方、クランク軸12の外周側には、クランク角を検出するクランク角センサ20が設置されている。
これらクランク角センサ20及びカム角センサ19の出力信号は、エンジン制御手段としてのエンジンECU21に入力される。そして、エンジンECU21によって図示しない吸気バルブの実バルブタイミングが演算されると共に、クランク角センサ20の出力パルスの周波数から、クランク軸12の回転速度(エンジン回転速度)が演算される。また、エンジン運転状態を検出する各種センサ(吸気圧センサ22、水温センサ23、スロットルセンサ24等)の出力信号や、イグニッションスイッチ25の出力信号がエンジンECU21に入力される。なお、イグニッションスイッチ25が車両ドライバによりオフ操作されると、エンジン11を停止させる停止指令信号がエンジンECU21に入力される。
このエンジンECU21は、これら各種の入力信号に基づいて燃料噴射制御や点火制御を行うと共に、後述する可変バルブタイミング制御を行い、吸気バルブの実バルブタイミング(吸気側カム軸16の実進角量)を目標バルブタイミング(目標進角量)に一致させるようにバルブタイミング調整装置18のバルブタイミングをフィードバック制御する。
このバルブタイミング調整装置18の油圧回路には、オイルパン27内のオイルが油圧ポンプ28により作動油として供給される。油圧ポンプ28はエンジン11を駆動源としており、クランク軸12からの動力がタイミングチェーンにより伝達されるようになっている。
そして、油圧ポンプ28による作動油の供給先をOCV29(OCV:オイルコントロールバルブ)により切り換えることで、バルブタイミングを進角側及び遅角側のいずれに変化させるかを制御する。また、OCV29により作動油の供給量を制御することで、吸気側カム軸16の実進角量(実バルブタイミング)が制御される。
また、エンジンECU21の電源端子には、メインリレー71のスイッチ72(メインスイッチ)を介してバッテリ73のプラス端子側が接続されている。エンジンECU21は、イグニッションスイッチ25からオン信号が入力されると、メインリレー71のリレー駆動コイル74に通電してメインスイッチ72をオンし、バッテリ73から電源の供給を受ける。メインリレー71を通して供給される電源は、エンジンECU21の他に、OCV29等、制御系全体に供給される。つまりメインリレー71は、イグニッションスイッチ25のオフ後も、引き続き所定時間オン状態に保持され、その期間に、後述する中間ロック制御を実行できるようになっている。
次に、図2〜図4に基づいてバルブタイミング調整装置18の構成を説明する。
バルブタイミング調整装置18のハウジング31(エンジン側回転体(他方の回転体))は、吸気側カム軸16の外周に回動自在に支持されたスプロケット14にボルト32で締め付け固定されている。これにより、クランク軸12の回転がタイミングチェーン13を介してスプロケット14とハウジング31に伝達され、スプロケット14とハウジング31がクランク軸12と同期して回転するようになっている。
一方、吸気側カム軸16は、シリンダヘッド33とベアリングキャップ34により回転可能に支持され、この吸気側カム軸16の一端部に、ロータ35(カム側回転体(一方の回転体))がストッパ36を介してボルト37で締め付け固定されている。このロータ35は、ハウジング31内に相対回転自在に収納されている。
図3及び図4に示すように、ハウジング31の内部には、複数の油圧室40が形成され、各油圧室40が、ロータ35の外周部に形成されたベーン41によって進角室42と遅角室43とに区画されている。そして、ロータ35の外周部とベーン41の外周部には、それぞれシール部材44が装着され、各シール部材44が板ばね45(図2参照)によって外周方向に付勢されている。これにより、ロータ35の外周面とハウジング31の内周面との隙間及びベーン41の外周面と油圧室40の内周面との隙間がシール部材44でシールされている。
図2に示すように、吸気側カム軸16の外周部に形成された環状の進角溝46と遅角溝47が、それぞれOCV29の所定ポートに接続され、エンジン11の動力で油圧ポンプ28が駆動されることにより、オイルパン27から汲み上げたオイル(作動油)がOCV29を介して進角溝46や遅角溝47に供給される。進角溝46に接続された進角油路48は、吸気側カム軸16の内部を貫通してロータ35に形成された円弧状進角油路49(図3参照)に連通するように形成され、この円弧状進角油路49が各進角室42に連通している。一方、遅角溝47に接続された遅角油路50は、吸気側カム軸16の内部を貫通してロータ35に形成された円弧状遅角油路51(図4参照)に連通するように形成され、この円弧状遅角油路51が各遅角室43に連通している。
OCV29は、ソレノイド29aとスプリング29bで弁体を駆動する4ポート3位置切換弁であり、弁体の位置を、進角室42に作動油を供給する進角供給位置と、遅角室43に作動油を供給する遅角供給位置と、進角室42と遅角室43のいずれにも作動油を供給しない保持位置との間で切り換えるようになっている。ソレノイド29aの通電停止時には、スプリング29bによって弁体が進角室42に作動油を供給する位置に自動的に切り換えられ、カム軸位相を進角させる方向に油圧が働くようになっている。なお、図1及び図2に示すOCV29は、ソレノイド29aの通電時における作動状態を示している。
進角室42と遅角室43に所定圧以上の油圧が供給された状態では、進角室42と遅角室43の油圧でベーン41が固定されて、クランク軸12の回転によるハウジング31の回転が作動油を介してベーン41に伝達される。これにより、クランク軸12と吸気側カム軸16とは一体的に回転する。
エンジン運転中は、進角室42と遅角室43の油圧をOCV29で制御してロータ35をハウジング31に対して相対回転させることで、クランク軸12に対する吸気側カム軸16の回転位相(カム軸位相)を制御して吸気バルブのバルブタイミングを可変する。具体的には、OCV29を前述の進角供給位置又は遅角供給位置に作動させてロータ35を相対回転させ、目標相対回転位置に到達したら、OCV29を保持位置に作動させてロータ35の相対回転位置を保持させる。
ここで、吸気側カム軸16が吸気バルブを駆動する場合に、吸気バルブを閉弁方向に付勢するバルブスプリングから吸気側カム軸16は正・負に変動する変動トルクを受ける。正方向の変動トルクは、ロータ35を遅角側に相対回転させる方向のトルクを表し、負方向の変動トルクは、ロータ35を進角側に相対回転させる方向のトルクを表している。そして、変動トルクの平均は正方向、つまり遅角方向に働いている。そこで、ロータ35を進角側に相対回転させる場合に、遅角側に相対回転させる場合に比べて相対回転の応答性が悪化することを回避するために、進角方向に相対回転させる油圧力をばね力で補助するばね部材としてのコイルばね55(図2参照)を備えている。
また、図3及び図4に示すように、いずれか1つのベーン41に形成されたロックピン収容孔57には、ハウジング31に対してロータ35を相対回転不能にロックするためのロックピン58(ロック機構)が出没可能に収容され、このロックピン58がハウジング31に設けられた図2に示すロック穴59(ロック機構)に嵌り込むことで、カム軸位相がその調整可能範囲の中間位置(ロック位置)でロックされる。ちなみに、最遅角位置及び最進角位置の中間位置に設定されたロック位置でエンジン始動させることにより、エンジン始動性を向上できる。また、例えばアクセル操作量一定で平坦な道を走行する場合等、負荷変動の少ない定常走行時においては、前記中間位置より遅角側の位相とすることで、燃焼室での膨張比を大きくして熱効率を向上させるアトキンソンサイクル化を図っている。
図5及び図6に示すように、ロックピン58は、ロックピン収容孔57の内周に嵌合された円筒部材61内に摺動可能に挿入され、スプリング62によってロック方向(突出方向)に付勢されている。また、ロックピン58の中央外周部に形成された弁部63によって、円筒部材61とロックピン58との隙間が、ロック油圧室64とロック解除保持用の解除保持油圧室65とに区画されている。そして、ロック油圧室64と解除保持油圧室65に進角室42から作動油を供給するために、ベーン41には、進角室42に連通するロック油路66とロック解除保持用の油路67が形成されている。また、ハウジング31には、ロック穴59と遅角室43とを連通するロック解除油路68が形成されている。
図5に示すように、ロックピン58のロック時には、ロックピン58の弁部63がロック解除保持用の油路67を塞いで、ロック油路66をロック油圧室64に連通させた状態となる。これにより、進角室42からロック油圧室64に油圧が供給され、この油圧とスプリング62によってロックピン58がロック穴59に嵌まり込んだ状態に保持され、カム軸位相が中間位置でロックされる。
エンジン停止中は、ロック油圧室64の油圧(進角室42の油圧)が低下するが、スプリング62によってロックピン58がロック位置に保持される。したがって、エンジン始動は、ロックピン58がロック位置に保持された状態(中間位置)で行われ、エンジン始動後に、ロック穴59の油圧(遅角室43の油圧)が高くなると、その油圧によって次のようにしてロックピン58のロックが解除される。エンジン始動後に、遅角室43からロック解除油路68を通してロック穴59に供給される油圧(ロック解除方向の力)が、ロック油圧室64の油圧(進角室42の油圧)とスプリング62のばね力との合力(ロック方向の力)よりも大きくなると、ロック穴59の油圧によってロックピン58がロック穴59から押し出されて図6のロック解除位置に移動し、ロックピン58のロックが解除される。
このロック解除状態では、図6に示すように、ロックピン58の弁部63がロック油路66を塞いで、ロック解除保持用の油路67を解除保持油圧室65に連通させた状態となる。これにより、進角室42から解除保持油圧室65に油圧が供給され、この解除保持油圧室65の油圧(進角室42の油圧)とロック穴59の油圧(遅角室43の油圧)とによってロックピン58がスプリング62に抗してロック解除位置に保持される。そして、エンジン運転中は、進角室42と遅角室43のいずれかの油圧が高くなっているため、その油圧でロックピン58がロック解除位置に保持され、ロータ35が相対回転可能な状態(つまりバルブタイミング制御が可能な状態)に保持される。
エンジンECU21は、ソレノイド29aの作動を制御することによりOCV29の作動を制御する進遅角位置制御手段としても機能し、クランク角センサ20及びカム角センサ19の出力信号に基づいて吸気バルブの実バルブタイミング(吸気側カム軸16の実進角量)を演算すると共に、吸気圧センサ22、水温センサ23等のエンジン運転状態を検出する各種センサの出力に基づいて吸気バルブの目標バルブタイミング(吸気側カム軸16の目標進角量)を演算する。そして、吸気バルブの実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させるようにバルブタイミング調整装置18のOCV29をフィードバック制御する。
換言すれば、エンジンECU21は、進角室42と遅角室43の油圧を制御して、ハウジング31に対するロータ35の実相対回転位置(実進角量に相当)を目標相対回転位置(目標進角量に相当)まで相対回転させることで、吸気バルブの実バルブタイミングが目標バルブタイミングに一致するよう、カム軸位相を変化させる。
その後、エンジン11を停止させる際に、エンジン回転速度が低下すると、油圧ポンプ28の吐出圧が低下するため、進角室42や遅角室43の油圧が低下してくる。これにより、解除保持油圧室65の油圧(進角室42の油圧)とロック穴59の油圧(遅角室43の油圧)が低下して、スプリング62のばね力がこれらの油圧に打ち勝つようになると、スプリング62のばね力によってロックピン58が突出してロック穴59に嵌まり込むようになる。但し、ロックピン58がロック穴59に嵌まり込むには、両者の位置が一致していること、つまり、ロータ35が中間位置に一致していることが条件となる。
この条件を満たすべく、イグニッションスイッチ25のオフ操作(IGオフ操作)を検出した場合に、エンジンECU21は、ロータ35をロック位置(中間位置)に向けて相対回転させるようにOCV29を制御する中間ロック制御を実行している。この中間ロック制御によりロータ35をロック位置に到達させることができれば、ロックピン58がロック穴59に嵌まり込んだロック状態で、次回、IGオン操作してエンジン11を始動させることができる。
ここで、作動油が低温で高粘性になっていると、前記中間ロック制御を行ったとしても、油圧ポンプ28が停止するまでの間にロータ35がロック位置まで到達できない場合がある。また、先述したように、IGオフ操作後においてエンジンへの燃料噴射を停止させるタイミングを遅延させる遅延制御(特許文献1参照)を行うと、IGオフ操作してから直ぐにエンジンが停止しないことについて運転者に違和感を与えることが懸念される。これに対し本実施形態では、後に詳述するメータ制御及び吸入空気絞込み制御を実施することで、上記懸念を解消させている。
先ず、メータ制御により制御されるタコメータ60(図1参照)、及び吸入空気絞込み制御により制御されるスロットルバルブ81(図1参照)のハード構成について説明する。
車室内のインストルメントパネル(図示せず)のうち運転者の正面に位置する部分には、エンジン回転速度を表示するタコメータ60が組み付けられている。このタコメータ60は、目盛り板61、指針62及び電動モータ63等をケーシング64内に収容して構成されており、指針62は、電動モータ63により駆動されて目盛り板61の表面側を回動する。これにより、目盛り板61上の数値及び目盛りを指針62が指し示すことで、タコメータ60はエンジン回転速度の変化を表示する。
電動モータ63の駆動はメータECU65により制御されている。メータECU65はエンジンECU21からエンジン回転速度の情報を取得し、取得したエンジン回転速度に基づき電動モータ63の作動量、つまり指針62の回転位置を制御する。なお、電動モータ63の具体例としてステップモータが挙げられる。
スロットルバルブ81は、吸気管80に取り付けられて吸入空気量を調整するものであり、電動モータ82により駆動制御される。そして、エンジンECU21(吸気量制御手段)は、吸気圧センサ22にて検出される吸気圧やアクセル操作量等のエンジン負荷とエンジン回転速度とに基づき算出された吸気量となるよう、電動モータ82を駆動制御してスロットルバルブ81の開度(スロットル開度)を制御する。
次に、上述した中間ロック制御、吸入空気絞込み制御及びメータ制御を実行するためのIGオフ時制御について説明する。このIGオフ時制御は、エンジンECUが有するマイコンにより実行される制御であり、IGオフ操作が為されたことをトリガとして、図7に示す処理を繰り返し実行する。なお、図8(a)、図9及び図10は、図7に示す各処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
先ず、図7のステップS10において、ロックピン58がロック穴59に嵌まり込んでロック状態となっているか否かを判定する。この判定では、カム角センサ19により検出されるカム角とクランク角センサ20により検出されるクランク角とからロータ35の相対回転位置(位相)を算出し、算出した位相が中間ロック位置になっていればロック状態であると判定する。
ロック状態でないと判定された場合には(S10:NO)、続くステップS20(ロック制御手段)において、ロータ35をロック位置(中間位置)に向けて相対回転させるようにOCV29を制御する、先述した中間ロック制御を実行する。その後、ステップS30,S40による吸入空気絞込み制御及びメータ制御の実行後、処理はステップS10に戻る。
そして、中間ロック制御を実行した結果、ロータ35が中間ロック位置に達してロック状態になったと判定された場合には(S10:YES)、ステップS30,S40の処理を中断してステップS50に進む。或いは、IGオフ操作時点で既にロック状態であると判定された場合にはステップS30,S40の処理を行うことなく処理はステップS50に進む。
ステップS50(エンジン停止制御に相当)では、メインスイッチ72をオフさせて、スロットルバルブ81の電動モータ82や図示しないインジェクタ等のエンジン部品に対し、バッテリ73からの電力供給を停止させる。このようにエンジン部品への通電を遮断すると、燃料噴射及び点火が停止され、エンジン回転速度はアイドル運転時の回転速度(例えば600rpm)から徐々に低下していきゼロとなる。
以上により、ステップS10の判定処理は、ステップS50によるエンジン停止制御の開始をロック状態になるまで遅延させていると言える。つまり、ステップS10の処理は「遅延制御」に相当する。
ここで、OCV29の制御では、実進角量を目標進角量に一致させるようにフィードバック制御することは先述した通りであるが、中間ロック制御時のフィードバック制御に用いるゲインは、IGオン時におけるOCV29の通常制御時に比べて高いゲイン、つまり応答性を重視した設定にしている(図8(a)のステップS21参照)。中間ロック制御時には、目標進角量に一致させる必要がないため、高ゲイン化によるハンチングのおそれがないからである。具体的には、例えばPID制御を用いたフィードバック制御においてP項ゲイン及びD項ゲインを、通常制御時には図8(b)(c)中の実線に示す値に設定し、中間ロック制御時には点線に示す値に可変設定する。
ステップS30による吸入空気絞込み制御では、スロットル開度の目標値を、予め設定された所定の絞込み開度に設定する(図9のステップS31参照)。前記絞込み開度はアイドル運転時のスロットル開度よりも小さく設定されており、本実施形態では前記絞込み開度を全閉の開度に設定している。このようにスロットル開度を絞り込めば、圧縮過程の途中でクランク軸12が回転停止したとしても、その圧縮過程で圧縮される空気の量は少なくなっているので、圧縮空気によりピストンを押し戻す力は小さくなる。よって、クランク軸12の回転速度が低下してゼロになった直後に生じうるクランク軸12の逆回転が抑制される。つまり、ステップS30の処理により、スロットルバルブ81、電動モータ82及びエンジンECU21(吸気量制御手段)からなる電動スロットルシステムは、「逆転抑制装置」として機能する。
ステップS40によるメータ制御では、図7の処理を開始してからの経過時間、すなわち遅延制御を開始してからの経過時間に応じて、タコメータ60により表示させるエンジン回転速度(以下「表示速度」と呼ぶ)の値を算出する(図10のステップS41参照)。そして、算出したエンジン回転速度の指示位置に指針62が位置することとなるよう、電動モータ63の駆動を制御する(図10のステップS42参照)。
ステップS41における表示速度の算出では、前記経過時間に応じて予め設定された表示速度となるよう算出する。例えば、経過時間と表示速度との関係を特定するマップを予め記憶させておき、マップを用いて現在の経過時間に基づき現時点での表示速度を算出するようにすればよい。或いは、経過時間を変数として表示速度を算出する算出式を予め記憶させておき、その算出式に現在の経過時間を代入することで現時点での表示速度を算出するようにすればよい。
そして、このようなメータ制御による指針62の挙動は、エンジン回転速度が実際に低下を開始するタイミングよりも早く低下開始するとともに、エンジン回転速度がゼロになる実際のタイミングよりも速くゼロになる挙動である。さらに、低下開始からゼロになるまでのプロフィールは実際のエンジン回転速度のプロフィールと同じになるよう設定されている。要するに、図11(d)中の一点鎖線に示す実際のエンジン回転速度の低下プロフィールに対し、低下開始時期及びゼロに達する時期を早くするよう平行移動させた図11(d)中の実線(1)に示すように、指針62の回動は制御される。
図11は、図7に示すIGオフ時制御を実行した場合の一態様を示すタイミングチャートであり、図11中の(a)はイグニッションスイッチ25のオン・オフ状態、(b)はメインスイッチ72のオン・オフ状態、(c)は中間ロックが完了した場合に立てられるフラグの状態、(d)中の実線は表示速度、一点鎖線は実際のエンジン回転速度について、各々の状態の時間変化を示す。
先ず、t0時点にてIGオフ操作がなされると、その時点でロック状態になっていれば、ステップS10による遅延制御が実行されず、IGオフ操作から所定時間が経過した後のt1時点で図11(b)中の点線に示すようにメインスイッチ72をオフにする。一方、IGオフ操作時にロック状態になっていなければ、以降ロック状態になるまでメインスイッチ72のオン状態を継続させる。
図11に示す例では、ロック制御によりt3時点でロックが完了している。そして、ロック完了時点t3でメインスイッチ72をオフにすることに伴い燃料噴射が停止され、実際のエンジン回転速度はtr1時点から低下し始めてtr2時点でゼロとなる。このような実際のエンジン回転速度の挙動に対し、タコメータ60による表示では、tr1時点よりも前の時点t2で指針62の指示位置を低下開始させる。
ここで、運転者がIGオフ操作してから直ぐに表示速度が低下を開始しないと、運転者に違和感を与えてしまうことは先述した通りであるが、図11中の点線tlimは、違和感を与えないようにできる限界の時点を示しており、運転者を対象とした感応評価試験により得られたものである。そして、表示速度の低下開始時点t2はこの限界時点tlimに設定されている。指針62の指示位置を低下開始させた後、指針62の挙動は、図11(d)中の一点鎖線に示す実際のエンジン回転速度の低下プロフィールを平行移動させた実線(1)に示す低下プロフィールとなるよう、指針62を回動させる。したがって、表示速度がゼロになるt4時点は、実際のエンジン回転速度がゼロになるtr2時点よりも早い。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)IGオフ操作に伴いエンジン回転速度が低下していく挙動をタコメータ60の指針62で指示表示させるにあたり、遅延制御を実行する場合には、実際のエンジン回転速度が低下し始めるtr1時点よりも前の時点t2で指針62の指示位置を低下開始させる。そのため、遅延制御の実行によりエンジン回転速度が低下開始するタイミングは実際には遅延されているものの、指針62の低下開始を視認した運転者には、実際の低下開始タイミングよりも早く低下開始したと把握されることとなる。したがって、遅延制御の実行によりロックの確実性を高めることができるとともに、IGオフ操作してから直ぐにエンジン回転速度が低下し始めないことについて与える運転者への違和感を抑制できる。
(2)指針62がゼロに向かって回動する時の指示位置低下推移プロフィールは、実際のエンジン回転速度が低下する時のプロフィールと同じに設定されているため、タコメータ60を見る運転者に対して、実際の回転速度の低下推移と異なる低下推移(例えば指針指示位置の急激な低下や緩慢な低下)で表示させることにより与えてしまう違和感を抑制できる。
(3)ここで、本実施形態によれば、表示回転速度がゼロになった後に実際の回転が停止するので、エンジン停止時にクランク軸12が逆回転すると、その逆回転によるエンジン振動は運転者に対して大きな違和感を与えてしまう。これに対し本実施形態では、IGオフ操作後において、ステップS30による吸入空気絞込み制御を実施するので、エンジン停止時に懸念されるクランク軸12の逆回転を抑制できるので、上記違和感を回避できる。
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下の各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下の各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記実施形態では、ステップS30による吸入空気絞込み制御を実施することで、エンジン停止時におけるクランク軸12の逆回転抑制を図っているが、クランク軸12の正回転を許容して逆回転を不能にするワンウェイクラッチ機構(図示せず)を備えるエンジンに適用することで逆回転抑制を図るようにしてもよい。
ワンウェイクラッチ機構の具体例としては、特開2007−231806号公報に記載の機構が挙げられる。すなわち、スタータモータの出力軸と一体的に回転するピニオンと、クランク軸12と一体的に回転するリングギヤとが常時噛み合った常噛みスタータに適用され、スタータモータの出力軸にワンウェイクラッチを組み付け、当該ワンウェイクラッチにより、スタータモータ出力軸の正回転を許容して逆回転を不能にする機構である。
・上記実施形態では、逆転抑制装置を備えたエンジンに本発明に係るバルブタイミング制御システムを適用させているが、本発明は、逆転抑制装置を備えていないエンジンに適用させてもよい。
・上記実施形態では、図11(d)中の実線(1)に示すように、実際のエンジン回転速度の低下プロフィールに対し、表示回転速度の低下開始時期及びゼロ到達時期を早くするよう平行移動させているが、実線(2)に示すように、表示回転速度のゼロ到達時期を実際のゼロ到達時期tr2と同じにしてもよいし、実線(3)に示すように実際のゼロ到達時期tr2よりも遅くしてもよい。実線(3)の場合、クランク軸12が逆回転した場合のことを想定して、ゼロ到達時期tr2後の逆回転が終わった時点で表示回転速度をゼロ到達させるようにして好適である。
・上記実施形態では、ロック位置を最遅角位置及び最進角位置の中間位置としているが、最遅角位置又は最進角位置としてもよい。但し、エンジンの始動性を良好にするためには中間位置にすることが好ましい。
ちなみに、クランク軸12が回転していれば、カム軸16から受けるトルクによりロータ35は遅角側に作動する。したがって、ロック位置が最遅角位置に設定されていれば、仮に非ロック状態でエンジンを始動させたとしても、前記トルクによりロータ35はロック位置(最遅角位置)まで相対回転するのでロック状態となる。これに対しロック位置を中間位置に設定した上記実施形態の場合には、ロック位置よりも遅角側にずれた非ロック状態にてエンジンを始動させると、前記トルクによってはロータ35をロック位置に到達できない。よって、中間ロックの場合には確実なロックがより一層要求され、遅延制御時間も長く要する。よって、本発明による「運転者に違和感を与えることの抑制と確実なロックとの両立」の効果が好適に発揮される。
・上記実施形態によるタコメータ60は、指針62の回動によりエンジン回転速度を表示するものであるが、液晶表示装置その他の表示装置に指針を表示させるものや、その表示装置にて回転速度をバー表示させたり数値で表示させたりするものでもよい。
・上記実施形態では、吸気側カム軸16に設けられたバルブタイミング調整装置18に本発明を適用させているが、排気側カム軸17に設けられたバルブタイミング調整装置に本発明を適用させてもよい。
・上記実施形態では点火式のガソリンエンジンに本発明を適用させているが、自着火式のディーゼルエンジンに適用させてもよい。
11…ガソリンエンジン、12…クランク軸(出力軸)、16…吸気側カム軸(従動軸)、18…バルブタイミング調整装置、21…エンジンECU(遅延制御手段、ロック制御手段)、28…油圧ポンプ、29…OCV(進遅角位置制御装置)、31…ハウジング(エンジン側回転体)、35…ロータ(カム側回転体)、58…ロックピン(ロック機構)、59…ロック穴(ロック機構)、65…メータECU(表示内容制御手段)、S10…遅延制御手段、S20…ロック制御手段、S40…表示内容制御手段。
Claims (7)
- エンジンの出力軸とともに回転するエンジン側回転体と、吸気バルブ又は排気バルブを開閉駆動させるカム軸とともに回転するカム側回転体と、前記出力軸の回転力を駆動源として前記両回転体の一方を他方に対して相対回転させるよう作動油を供給する油圧ポンプと、前記作動油の供給状態を制御することで前記一方の回転体の相対回転位置を制御する進遅角位置制御装置と、所定の相対回転位置で前記一方の回転体を相対回転不能にロックするロック機構と、を有し、前記吸気バルブ又は前記排気バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に適用され、
前記エンジンの停止を指令するためのオフ操作を検出した場合に、前記一方の回転体を前記ロックの位置に向けて相対回転させるよう、前記進遅角位置制御装置の作動を制御するロック制御手段と、
前記オフ操作後において前記エンジンへの燃料噴射を停止するタイミングを遅延させる遅延制御手段と、
前記出力軸の回転速度であるエンジン回転速度を示すタコメータの表示内容を制御する表示内容制御手段と、
を備え、
前記表示内容制御手段は、前記オフ操作に伴い前記エンジン回転速度が低下していく推移を表示させるにあたり、前記遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、前記エンジン回転速度が実際に低下を開始するタイミングよりも早く低下開始するよう表示させることを特徴とするバルブタイミング制御システム。 - 前記表示内容制御手段は、前記オフ操作に伴い前記エンジン回転速度が低下していく推移を表示させるにあたり、前記遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、前記エンジン回転速度が実際にゼロになるタイミングよりも早くゼロになるよう表示させることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング制御システム。
- 前記エンジン回転速度がゼロになる時に前記出力軸が逆回転することを抑制する逆転抑制装置が備えられたエンジンに適用したことを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング制御システム。
- 前記逆転抑制装置は、前記出力軸の正回転を許容して逆回転を不能にするワンウェイクラッチ機構を備えて構成されていることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング制御システム。
- 吸入空気量を調整するスロットルバルブ、前記スロットルバルブを駆動させる電動モータ、及び前記電動モータの駆動を制御する吸気量制御手段を有する電動スロットルシステムを備えたエンジンに適用され、
前記遅延制御の実行時には非実行時に比べて吸入空気量を少なくするよう前記スロットルバルブの開度を制御することで、前記電動スロットルシステムは前記逆転抑制装置として機能していることを特徴とする請求項3又は4に記載のバルブタイミング制御システム。 - 前記表示内容制御手段は、前記遅延制御手段による遅延制御を実行する場合には、前記オフ操作をした時の前記エンジンの運転状態に拘わらず、予め設定されたプロフィールで低下推移を表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のバルブタイミング制御システム。
- 前記遅延制御を実行する場合に表示される前記低下推移は、前記エンジン回転速度の実際の低下推移と同じプロフィールとなるように設定されていることを特徴とする請求項6に記載のバルブタイミング制御システム。
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2008
- 2008-05-07 JP JP2008121131A patent/JP2009270478A/ja active Pending
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