JP5233893B2 - 内燃機関の始動装置 - Google Patents

内燃機関の始動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5233893B2
JP5233893B2 JP2009175679A JP2009175679A JP5233893B2 JP 5233893 B2 JP5233893 B2 JP 5233893B2 JP 2009175679 A JP2009175679 A JP 2009175679A JP 2009175679 A JP2009175679 A JP 2009175679A JP 5233893 B2 JP5233893 B2 JP 5233893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
crankshaft
gear
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009175679A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011027067A (ja
Inventor
基正 飯塚
邦晃 岡
田中  栄太郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009175679A priority Critical patent/JP5233893B2/ja
Publication of JP2011027067A publication Critical patent/JP2011027067A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5233893B2 publication Critical patent/JP5233893B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

本発明は、内燃機関のクランク軸を回転駆動するスタータモータと、動力伝達下流にトルクコンバータと変速機を含む自動変速機とが設けられた内燃機関の始動装置に関するものである。
従来、特許文献1には、スタータモータのピニオンと係合するリングギアを有しエンジンのクランク軸に固定される固定フライホイールと、固定フライホイールに選択的に係合される補助フライホイールとからなるフライホイールが開示されている。そして、エンジン低回転時はエンジンの出力トルクを平滑化するために固定フライホイールと補助フライホイールとを係合し、エンジン高回転時はエンジンの加速、減速を容易に行なうために固定フライホイールと補助フライホイールとの係合を切り離すものである。
また、フライホイールのかわりにトルクコンバータを用いる内燃機関の始動装置の一例として、特許文献2に示されるエンジン始動装置があった。特許文献2に示されるエンジン始動装置は、エンジン動力を変速機構に伝達するトルクコンバータと、トルクコンバータの近傍に配置されるスタータ機構としてのスタータモータとが設けられている。
トルクコンバータは、コンバータケースに固定されるポンプインペラと、このポンプインペラに対向するタービンランナとを備えており、トルクコンバータ内の作動油を介してポンプインペラからタービンランナに動力が伝達されるようになっている。さらに、トルクコンバータには、ロックアップクラッチが組み込まれており、定常走行時にはロックアップクラッチを締結して動力伝達効率を向上させることが可能となる。
スタータモータは、コンバータケースに固定されるリングギアに噛み合うことが可能なピニオンを備えている。このピニオンは、リングギアに噛み合う突出位置と噛み合わない退避位置とに移動可能に設けられている。
そして、エンジンを始動する場合(例えば、ドライバによりイグニッションスイッチが操作されると)、ピニオンをリングギアに噛み合う突出位置に移動させ、スタータモータを駆動させることにより、コンバータケースを介してエンジンのクランク軸を始動回転させることが可能となる。
特開昭61−119843号公報 特開2007−255288号公報
ところが、特許文献1に記載の装置の場合、エンジン低回転時は、固定フライホイールと補助フライホイールとを係合するため、エンジン始動時に関してもフライホイールの慣性モーメントが大きく設定されることとなる。このため、スタータモータは、エンジン始動時において負荷が大きくなるという問題がある。
また、特許文献2に示されるエンジン始動装置においては、エンジンを始動する場合、スタータモータは、コンバータケースを介してエンジンのクランク軸を始動回転させるため、スタータモータにかかる負荷を低減することができないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、始動時のスタータモータの負荷を低減することができる内燃機関の始動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の内燃機関の始動装置は、トルクコンバータと変速機構とを含む自動変速機が動力伝達下流に設けられたものであって、
内燃機関の始動時に内燃機関のクランク軸を回転駆動するスタータモータと、
内燃機関とスタータモータ間に配置されるものであり、クランク軸のトルクをトルクコンバータへ伝達可能な状態と、トルクコンバータを回転させずにスタータモータによるトルクをクランク軸へ伝達可能な状態とを切替える慣性可変機構と、
内燃機関の燃焼開始後は、慣性可変機構をクランク軸のトルクをトルクコンバータへ伝達可能な状態とし、内燃機関の始動時は、慣性可変機構をトルクコンバータを回転させずにスタータモータによるトルクをクランク軸へ伝達可能な状態とする制御手段と、
を備えることを特徴とするものである。
このようにすることによって、内燃機関の燃焼開始後は、クランク軸のトルクがトルクコンバータを介して変速機構に伝達される。一方、内燃機関の始動時において、スタータモータは、トルクコンバータを回転させることなくクランク軸を回転させることができる。よって、トルクコンバータを回転させない分だけ慣性モーメントを小さくすることができる。この結果、内燃機関の始動時のスタータモータの負荷を低減することができる。
また、請求項2に示すように、内燃機関の吸気・排気バルブの開閉タイミング及びリフト量の少なくとも一方を変更することによって、内燃機関の圧縮圧を変更可能な可変バルブ装置を備え、制御手段は、内燃機関の始動時は、慣性可変機構をトルクコンバータを回転させずにスタータモータによるトルクをクランク軸へ伝達可能な状態とすると共に可変バルブ装置によって内燃機関の燃焼開始後における圧縮圧よりも減圧し、内燃機関の燃焼開始後は、慣性可変機構をクランク軸のトルクをトルクコンバータへ伝達可能な状態とすると共に可変バルブ装置によって内燃機関の圧縮圧を戻すようにしてもよい。
このように、内燃機関の始動時は、慣性可変機構をトルクコンバータを回転させずにスタータモータによるトルクをクランク軸へ伝達可能な状態とすると共に可変バルブ装置によって内燃機関の圧縮圧を減圧することによって、スタータモータの負荷をより一層低減することができる。さらに、内燃機関の圧縮圧を減圧してスタータモータの負荷が低減することによって、クランク軸の回転数の上昇が緩やかになり、内燃機関の振動を抑制することができる。
慣性可変機構は、具体的には、請求項3に示すように、トルクコンバータと連結されるサンギア、クランク軸と連結されるプラネタリギア、外周にスタータモータのピニオンと噛み合うギアが設けられると共にサンギア及びプラネタリギアを内周側に備えたリングギアを含む遊星歯車機構と、プラネタリギアとリングギアとをロックして係合を行なうと共にそのロックの解除を行なうギアロック機構と、サンギアをロックして回転を停止させると共にそのロックの解除を行なうサンギアロック機構とを含むものを採用することができる。このような構成を採用することにより、制御手段は、内燃機関の燃焼開始後は、ギアロック機構にてプラネタリギアとリングギアをロックすると共にサンギアロック機構にてサンギアのロックを解除(回転の停止を解除)することによって、慣性可変機構をクランク軸のトルクをトルクコンバータへ伝達可能な状態とすることができる。内燃機関の始動時は、ギアロック機構にてプラネタリギアとリングギアのロックを解除すると共に、サンギアロック機構にてサンギアをロック(回転を停止)することによって、慣性可変機構をトルクコンバータを回転させずにスタータモータによるトルクをクランク軸へ伝達可能な状態とすることができる。
つまり、プラネタリギアとリングギアをロックすると共にサンギアのロックを解除(回転の停止を解除)した状態で、内燃機関の燃焼が開始されると、クランク軸に連結されたプラネタリギアの回転に伴ってサンギアが回転して、そのサンギアに連結されたトルクコンバータが回転駆動される。このように、内燃機関の燃焼開始後は、クランク軸のトルクをトルクコンバータへ伝達することができる。
また、プラネタリギアとリングギアのロックを解除すると共にサンギアをロック(回転を停止)した状態で、ピニオンとリングギアの外周に設けられたギアとを噛み合わせてスタータモータを回転させると、リングギアの回転に伴ってプラネタリギアが回転して、そのプラネタリギアに連結されたクランク軸が回転駆動される。このように、内燃機関の始動時は、トルクコンバータを回転させずにスタータモータによるトルクをクランク軸へ伝達することができる。
また、請求項4に示すように、サンギアロック機構は、トルクコンバータにおけるサンギアと連結される部位であるポンプインペラと、ポンプインペラに対向するタービンランナとのロック・ロックの解除を行なうロックアップ機構と、変速機構を含むものであり、内燃機関の始動時は、ロックアップ機構にてポンプインペラとタービンランナとをロックすると共に、変速機構をドライブレンジとし、内燃機関の燃焼開始後は、ロックアップ機構にてポンプインペラとタービンランナのロックを解除するようにしてもよい。
このように、ロックアップ機構にてポンプインペラとタービンランナとをロックすると共に、変速機構をドライブレンジとすることによって、サンギアを車輪まで係合させることができるのでサンギアをロック(回転を停止)することができる。また、ポンプインペラとタービンランナのロックを解除することによって、サンギアのロックを解除(回転の停止を解除)することができる。従って、変速機構やトルクコンバータに設けられるロックアップ機構をサンギアロック機構として用いることによって、サンギアロック機構としての新たな機構を別途設ける必要がないので好ましい。
また、請求項5に示すように、サンギアのロックを解除する場合は、ロックアップ機構にてポンプインペラとタービンランナのロックを解除すると共に、変速機構をニュートラルレンジとするようにしてもよい。
このようにすることによって、トルクコンバータ内部の攪拌抵抗によるトルクダウンを抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態における内燃機関の始動装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるギアロック機構の概略構成を示す部分的断面図である。 本発明の第1の実施の形態における内燃機関の始動装置の処理動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるリングギア及びクランク軸の回転数の時間的変化を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態における内燃機関の始動装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における内燃機関の始動装置の処理動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における内燃機関の始動装置の吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを示す図面である。 本発明の第1の実施の形態におけるリングギア及びクランク軸の回転数の時間的変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態について説明する。
本実施の形態における始動装置は、内燃機関1のクランク軸12を回転駆動するスタータモータ(以下、スタータとも称する)2と、内燃機関1の動力が伝達される下流側(動力伝達下流)にトルクコンバータ32と多段または無段の変速機構33を含む自動変速機3とが設けられた内燃機関1を始動する装置である。
図1に示すように、内燃機関1には、カム軸11(排気用カム軸、吸気用カム軸)、クランク軸12、回転センサ13などが設けられる。
内燃機関1のシリンダブロックの内部に形成される複数の燃焼室内には、連接棒を介してクランク軸12に連結されたピストンが摺動自在に支持されている。また、内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポート開口部を開閉する吸気弁、及び排気ポート開口部を開閉する排気弁が摺動自在に設置されている。そして、吸気弁、排気弁は、クランク軸12を通じて回転駆動されるカム軸11により開閉駆動されて、吸気ポートと燃焼室との連通及び遮断、排気ポートと燃焼室との連通及び遮断を行なう。
そして、内燃機関1の燃焼室には、吸気通路及び吸気ポートを通じて空気が吸入されるとともに、吸気通路に設けられた燃料噴射弁から吸入空気量に応じた燃料が噴射供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグによる点火が行われると、混合気が燃焼してピストンが往復移動し、機関出力軸であるクランク軸12が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室から排気ポートを介して排気通路に送り出される。
回転センサ13は、本発明の第1回転検出手段に相当するものであり、クランク軸12の回転数を検出する。この回転センサ13としては、例えば、電磁ピックアップ式回転センサなどを採用することができる。この場合、クランク軸12には、クランク軸12に対して同軸状に固定されて一体に回転するものであり、周囲に等間隔で突起が形成された検出用円盤が設けられる。そして、回転センサ13は、検出用円盤に形成された突起に対向して設けられ、クランク軸12と一体で回転する円盤の突起が通過することによって生じるパルス状の信号を用いてクランク軸12の回転数を検出する。
なお、回転センサ13は、クランク軸12と一体で回転する突起が通過することによって生じるパルス状の信号をECU5に対して入力して、ECU5がパルス状の信号を用いてクランク軸12の回転を検出するようにしてもよい。
スタータ2は、内燃機関1の始動時に、内燃機関1のクランク軸12を回転駆動(クランキング)するためのものである。このスタータ2は、後ほど説明するリングギア43の外周に設けられた外周ギア43aと噛み合うピニオン2aが設けられている。このピニオン2aと外周ギア43aとは、高回転・低トルク型となるようにギア比が設定されている。さらに、スタータ2のピニオン2aは、リングギア43の外周ギア43aに噛み合う突出位置と噛み合わない退避位置とに移動可能に設けられる。そして、内燃機関1の始動要求があった場合(例えば、ドライバによりイグニッションスイッチが操作されたり、後ほど説明するアイドルストップ制御時の自動再始動が実行されたりした場合)には、ピニオン2aが突出位置に移動すると共にスタータ2が回転することにより、スタータ2のトルクをリングギア43に伝達して、リングギア43を介して内燃機関1のクランク軸12を回転駆動する。
自動変速機3のトルクコンバータ32は、内燃機関1の動力を変速機構33に伝達するものである。このトルクコンバータ32は、コンバータケース(図示省略)に固定されるポンプインペラ32aと、このポンプインペラ32aに対向するタービンランナ32bと、タービンランナおよびポンプインペラの内側に配置されるステータ(図示省略)とを備えており、内部の作動油を介してポンプインペラ32aからタービンランナ32bに動力が伝達されるようになっている。
コンバータケースは、慣性可変機構4(サンギア41)を介してクランク軸12の後端に接続される。また、タービンランナ32bは、クランク軸12と同一の軸線を中心として回転可能な変速入力軸32cを介して変速機構33に接続される。さらに、変速入力軸32cにおけるフロントカバー側の端部には、例えばダンパ機構などを介してロックアップクラッチ(ロックアップ機構)31が設けられている。このロックアップクラッチ31は、ポンプインペラ32aとタービンランナ32bとの係合(ロック)、係合の解除(ロックの解除)を行なうものである。ロックアップクラッチ31によってポンプインペラ32aとタービンランナ32bとが係合(ロック)されている場合は、コンバータケースのトルクが機械的に変速入力軸32cに伝達可能な状態とされる。ロックアップクラッチ31によるポンプインペラ32aとタービンランナ32bとの係合が解除(ロックが解除)されている場合は、ポンプインペラ32aのトルクが流体によりタービンランナ32bに伝達され、ついで変速入力軸32cに伝達可能な状態とされる。なお、ポンプインペラ32aからタービンランナ32bに伝達されるトルクは、ステータにより増幅される。また、ロックアップクラッチ31は、サンギアロック機構としても機能するものである。
変速入力軸32cを介してトルクコンバータ32に接続される変速機構33は、遊星歯車列、クラッチ、ブレーキ等を備えている。これらのクラッチやブレーキを選択的に締結することにより、レンジを、例えば、パーキングレンジ(P)、リバースレンジ(R)、ニュートラルレンジ(以下、Nレンジとも称する)、ドライブレンジ(以下、Dレンジとも称する)に切り換えることが可能となる。なお、変速機構33は、ロックアップクラッチ31と共に本発明におけるサンギアロック機構としても機能するものである。
内燃機関1とスタータ2との間には、本発明の特徴部分である慣性可変機構4が設けられる。慣性可変機構4は、クランク軸12のトルクをトルクコンバータ32へ伝達可能な状態と、トルクコンバータ32を回転させずにスタータ2によるトルクをクランク軸12へ伝達可能な状態とを切替えるものである。具体的には、慣性可変機構4は、図1及び図2に示すように、サンギア41、プラネタリギア42、サンギア41及びプラネタリギア42を内周側に備えたリングギア43を含む遊星歯車機構40と、プラネタリギア42とリングギア43(キャリヤ42a)とをロックして係合させると共にそのロックの解除を行なうギアロック機構44と、サンギア41をロックして回転を停止させると共にそのロックの解除を行なうサンギアロック機構とを備える。
サンギア41は、クランク軸12と同一の軸線を中心として回転可能な状態で設けられ、トルクコンバータ32(ポンプインペラ32a)と連結される。プラネタリギア42は、サンギア41とリングギア43との間に複数個設けられ、それぞれがキャリヤ42aを介してクランク軸12と連結される。また、各プラネタリギア42は、キャリヤ42aに自転可能な状態で取り付けられる。そして、複数のプラネタリギア42は、キャリヤ42aで連結されており、クランク軸12と同一の軸線を中心として公転可能となっている。リングギア43は、外周にスタータ2のピニオン2aと噛み合う外周ギア43aが設けられる。
ギアロック機構44は、図2に示すように、ブレーキシリンダ44a、スプリング44b、ソレノイド44cを備えるものである。ブレーキシリンダ44a及びスプリング44bは、キャリヤ42aの一部(ここでは、先端)に、リングギア43に対向する位置に設けられる。ソレノイド44cは、ブレーキシリンダ44aに対向する位置で、例えば、内燃機関1の外壁に固定される。また、ブレーキシリンダ44a及びスプリング44bは、ソレノイド44cとリングギア43との間にそれぞれ間隙を有して配置される。
ブレーキシリンダ44aは、金属材料からなり、例えば、断面コ字形状などを有するものであり、ソレノイド44cと対向する部位とリングギア43と対向する部位とが凹部を介して連結される。また、ブレーキシリンダ44aにおけるリングギア43と対向する部位(面)には弾性部材(例えば、ゴムなど)が設けられる。さらに、ブレーキシリンダ44aは、クランク軸12の回転軸に沿う方向に移動可能な状態で設けられる。
スプリング44bは、キャリヤ42aとブレーキシリンダ44aにおけるリングギア43と対向する部位との間に配置され、ブレーキシリンダ44aに対してクランク軸12の回転軸に沿う方向、すなわち、ブレーキシリンダ44aをリングギア43に押し付ける方向に弾性力を加える。ソレノイド44cは、ECU5によって通電が制御されるものであり、通電されるとブレーキシリンダ44aをソレノイド44cに接近する方向に引っ張り、通電されないとブレーキシリンダ44aの引っ張りを解除する。また、ソレノイド44cは、ECU5によって徐々に電流値が下げられると、ブレーキシリンダ44aの引っ張りを徐々に解除する。
このギアロック機構44は、内燃機関1の始動時は、トルクコンバータ32を回転させずにスタータ2によるトルクをクランク軸12へ伝達できるようにするために、ソレノイド44cが通電されてブレーキシリンダ44aを引っ張ることでリングギア43とプラネタリギア42(キャリヤ42a)のロックを解除する。
一方、内燃機関1の始動時以外(燃焼開始後などギアロック機構44のロックを開始するとき)は、クランク軸のトルクをトルクコンバータへ伝達できるようにするために、ソレノイド44cへの電流値が徐々に下げられる。これによって、ブレーキシリンダ44aは、スプリング44bによってリングギア43に徐々に押し付けられる。そして、ギアロック機構44は、ソレノイド44cへの通電が遮断された時点でブレーキシリンダ44aの引っ張りを完全に解除して、リングギア43とプラネタリギア42(キャリヤ42a)をロックする。
なお、本実施の形態において採用したギアロック機構44は、あくまでも一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。上述のようなリングギア43とプラネタリギア42(キャリヤ42a)のロックとロック解除が可能な構成であれば、本発明の目的は達成できるものである。例えば、油圧を用いたロック機構、回転の遠心力を利用して押さえつけるバネ力を適合して用いる遠心クラッチによる機構なども採用することができる。
リングギア43の外周ギア43aの突起に対向する位置には、本発明の第2回転検出手段に相当するものであり、リングギア43の回転数を検出する回転センサ45が設けられる。この回転センサ45としては、例えば、電磁ピックアップ式回転センサなどを採用することができる。回転センサ45は、リングギア43と一体で回転する外周ギア43aの突起が通過することによって生じるパルス状の信号を用いてリングギア43の回転数を検出する。なお、回転センサ45は、リングギア43と一体で回転する外周ギア43aの突起が通過することによって生じるパルス状の信号をECU5に対して入力して、ECU5がパルス状の信号を用いてリングギア43の回転を検出するようにしてもよい。
ECU(Electronic Control Unit;電子制御装置)5は、始動装置の制御の中枢をなすものであり、内部には周知の中央演算処理装置(Central Processing Unit:略称CPU)、リード・オンリー・メモリ(Read-Only Memory:略称ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory:略称RAM)、入出力装置(Input and Output device:略称I/O)およびこれらの構成を接続するバスラインなどを備える。このECU5は、クランク軸12の回転数を検出する回転センサ13及びリングギア43の回転数を検出する回転センサ45からの検出値、内燃機関1の運転状態、自動変速機3の制御状態、ROMに記憶されたプログラムなどに基づいて所定の制御を実行する。
例えば、ECU5は、内燃機関1の燃焼開始後は、慣性可変機構4をクランク軸12のトルクをトルクコンバータ32へ伝達可能な状態とし、内燃機関1の始動時(クランキング時)は、慣性可変機構4をトルクコンバータ32を回転させずにスタータ2によるトルクをクランク軸12へ伝達可能な状態とする制御を行なう。換言すると、内燃機関1の始動時には、慣性可変機構4にて慣性モーメントを小さくし、内燃機関1が燃焼を開始して回転数が上昇した後には、慣性モーメントを通常の状態に変更する。
具体的には、ECU5(制御手段)は、内燃機関1の燃焼開始後においては、ギアロック機構44のソレノイド44cへの電流値を徐々に下げることによってブレーキシリンダ44aの引っ張りを徐々に解除してプラネタリギア42(キャリヤ42a)とリングギア43を徐々にロックすると共に(ギアロック機構44のロックを開始すると共に)、サンギアロック機構として機能する自動変速機3のロックアップクラッチ31にてポンプインペラ32aとタービンランナ32bとを係合を解除すると共に変速機構33をNレンジとすることによってサンギア41のロックを解除(回転の停止を解除)する。このようにして、慣性可変機構4をクランク軸12のトルクをトルクコンバータ32へ伝達可能な状態とする。
一方、ECU5は、内燃機関1の始動時においては、ギアロック機構44のソレノイド44cに通電してブレーキシリンダ44aを引っ張ることでプラネタリギア42(キャリヤ42a)とリングギア43のロックを解除し、サンギアロック機構として機能する自動変速機3のロックアップクラッチ31にてポンプインペラ32aとタービンランナ32bとを係合(ロック)すると共に変速機構33をDレンジとすることによってサンギア41をロック(回転を停止)する。このようにして、慣性可変機構4をトルクコンバータ32を回転させずにスタータ2によるトルクをクランク軸12へ伝達可能な状態とする。
また、ECU5は、アイドルストップ制御なども行なう。アイドルストップ制御は、燃費改善やエンジンからの排出ガス量の低減を目的として、エンジンの不要な作動期間を減らして車両走行を実現する、いわゆる自動停止・再始動制御である。このアイドルストップ制御は、信号待ち時などで、所定の自動停止条件が成立した時(運転者が車両を停止させた時)にECU5によりエンジンを自動的に停止し、その後、所定の自動再始動条件が成立した時(運転者が車両を発進させようとする操作を行った時)にECU5により再始動するものである。なお、自動停止条件としては、例えば暖機後のアイドル状態でブレーキスイッチがオンし且つ車速が所定値以下であること等を採用することができる。また、自動再始動条件としては、例えばブレーキ解除操作、アクセル踏込み操作、Dレンジへのシフト操作等を採用することができる。
ここで、図3に示すフローチャート及び図4に示すグラフに基づいて、本実施の形態における内燃機関の始動装置の処理動作に関して説明する。この図3に示すフローチャートは、例えば、ドライバによりイグニッションスイッチが操作されたり、アイドルストップ制御時の自動再始動が実行されたりした場合など内燃機関1の始動要求がなされるとスタートするものである。また、図4に示すグラフは、図3に示すフローチャートの各ステップにおけるリングギア43及びクランク軸12の回転数の時間的変化を示すものである。
ステップS0では、ECU5は、自動変速機3のロックアップクラッチ31にてポンプインペラ32aとタービンランナ32bとを係合(ロック)し、変速機構33をDレンジに切り替え、さらに慣性可変機構4のギアロック機構44のソレノイド44cに通電してブレーキシリンダ44aを引っ張ることでリングギア43とプラネタリギア42(キャリヤ42a)のロックを解除する(クランキング前準備)。
このように、ロックアップクラッチ31にてポンプインペラ32aとタービンランナ32bとをロックすると共に、変速機構33をDレンジとすることによって、サンギア41を車輪まで係合させることができる。従って、サンギア41をロック(回転を停止)することができる。この状態においては、スタータ2からのトルクは、リングギア43からプラネタリギア42を介してクランク軸12のみに伝達可能になる。換言すると、慣性可変機構4を、トルクコンバータを回転させずにスタータモータによるトルクをクランク軸へ伝達可能な状態とする。また、このときは、図4に示すように、クランク軸12及びリングギア43は回転していない。
次に、ステップS1では、ECU5は、スタータ2をオンする。例えば、スタータ2内のマグネットクラッチを作動させ、スタータ2のピニオン2aを突出位置に移動させてピニオン2aとリングギア43を係合させると共にスタータ2を回転駆動させる(クランキング)。これによって、内燃機関1のクランキングが開始する。
つまり、プラネタリギア42(キャリヤ42a)とリングギア43のロックを解除すると共にサンギア41をロック(回転を停止)した状態で、ピニオン2aとリングギア43の外周に設けられた外周ギア43aとを噛み合わせてスタータ2を回転させると、リングギア43の回転に伴ってプラネタリギア42が回転して、そのプラネタリギア42に連結されたクランク軸12が回転駆動される。このようにすることによって、内燃機関の始動時において、スタータ2は、トルクコンバータ32を回転させることなくクランク軸12を回転させることができる。よって、トルクコンバータ32を回転させない分だけ慣性モーメントを小さくすることができる。この結果、内燃機関1の始動時のスタータ2の負荷を低減することができる。なお、このクランキング時は、図4に示すように、クランク軸12及びリングギア43は、スタータ2のトルクによって、回転数が増えたり減ったりを繰り返しながら回転する。
次に、ステップS2では、ECU5は、内燃機関1で燃焼(初爆〜連爆)が開始されたか否かを判定するために、回転センサ13の検出結果にてクランク軸12の回転数(クランク軸回転数Ne)を検出し、予め設定されてECU5のROMなどに記憶された所定回転数Ne0より大きいか否かを判定する(機関の燃焼開始判定)。そして、クランク軸回転数Neが所定回転数Ne0に達したと判定した場合は内燃機関1で燃焼が開始されたとみなしてステップS3へ進み、達してないと判定した場合はステップS2での判定を繰り返す。
次に、ステップS3では、ECU5は、スタータ2をオフ、ロックアップクラッチ31を解除(ロック解除)、変速機をNレンジ、ギアロック機構44のロック開始、エンジントルクアップ制御を行なう。
例えば、スタータ2をオフする場合、スタータ2内のマグネットクラッチを作動させ、スタータ2のピニオン2aを退避位置に移動させてピニオン2aとリングギア43との係合を解除させると共にスタータ2の回転駆動を停止させる(スタータの係合解除)。また、自動変速機3のロックアップクラッチ31を解除することによって、ポンプインペラ32aとタービンランナ32bとの係合を解除する。
このように、スタータ2のオフ、ロックアップクラッチ31の解除(ロック解除)を行うと、クランク軸12を介して伝達される内燃機関1の燃焼に伴うトルクは、サンギア41とリングギア43の両方に伝達可能な状態となる。しかしながら、このとき、サンギア41にはポンプインペラ32aが固定されているのに対して、リングギア43はスタータ2のピニオン2aとの係合も解除されている。このため、リングギア43は、クランク軸12の回転数の上昇傾きと同程度の上昇傾きで回転数が上昇することとなる。換言すると、内燃機関1の燃焼に伴うトルクは、トルクコンバータ32(ポンプインペラ32a)及び変速機構33に効率的に伝達されずに、リングギア43に伝達されてしまうことになる。そこで、リングギア43に伝達されている内燃機関1の燃焼に伴うトルクをトルクコンバータ32(ポンプインペラ32a)及び変速機構33に伝達するために、ギアロック機構44のロックを開始する。
このギアロック機構44のロックを開始する場合、ソレノイド44cへの電流値を徐々に下げていく。これによって、ブレーキシリンダ44aは、スプリング44bによってリングギア43に徐々に押し付けられる。そして、ギアロック機構44は、ソレノイド44cへの通電が遮断された時点でブレーキシリンダ44aの引っ張りを完全に解除して、リングギア43とプラネタリギア42(キャリヤ42a)をロックする(ギアロック時の制御、ロック完了)。つまり、ソレノイド44cへの通電を遮断することによって、リングギア43とプラネタリギア42(キャリヤ42a)をロックする。なお、ECU5は、例えば、回転センサ13及び回転センサ45の検出結果にてクランク軸回転数Neとリングギア回転数Nrとを検出し、クランク軸回転数Neとリングギア回転数Nrとが一致すると判定した場合にソレノイド44cへの通電を完全に遮断する。
このようにすることによって、慣性可変機構4をクランク軸12のトルク(内燃機関1の燃焼に伴うトルク)をトルクコンバータ32及び変速機構33へ伝達可能な状態とすることができる。なお、図4に示すように、ロック完了後は、クランク軸12及びリングギア43は略同じ回転数で回転する。
このギアロック機構44によるリングギア43とプラネタリギア42(キャリヤ42a)とのロックによって慣性モーメントが増加する。この慣性モーメントの増加によって、トルクダウンが発生するため、ECU5は、エンジントルクアップ制御を行なうようにしてもよい(ギアロック時の制御)。なお、エンジントルクアップ制御は、例えば、吸気バルブタイミング、スロットルの調整や点火時期を進角させるなどして行うことができる。このエンジントルクアップ制御によってエンジントルクを増大させることで、トルクダウンを軽減することができる。
つまり、内燃機関1の燃焼が開始されると、プラネタリギア42(キャリヤ42a)とリングギア43をロックすると共にサンギア41のロックを解除(回転の停止を解除)するので、クランク軸12に連結されたプラネタリギア42の回転に伴ってサンギア41が回転して、そのサンギア41に連結されたトルクコンバータ32(ポンプインペラ32a)が回転駆動される。そして、ポンプインペラ32aとタービンランナ32bとの係合が解除されているので、ポンプインペラ32aのトルクが流体によりタービンランナ32bに伝達されて変速入力軸32cに伝達される。このように、内燃機関1の燃焼開始後は、クランク軸12のトルクをトルクコンバータ32及び変速機構33に伝達することができる。
また、上述のように、ロックアップクラッチ31にてポンプインペラ31aとタービンランナ32bのロックを解除することによって、サンギア41のロックを解除(回転の停止を解除)することができる。従って、変速機構33やトルクコンバータ32に設けられるロックアップクラッチ31をサンギアロック機構として用いることによって、サンギアロック機構としての新たな機構を別途設ける必要がないので好ましい。
また、ステップS3において、変速機構33をNレンジとすることによって、変速機構33に変速入力軸32cにて連結されているタービンランナ32bの回転負荷が低減し、トルクコンバータ32内部の攪拌抵抗によるトルクダウンを抑制することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図5乃至図8を用いて、第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態における始動装置は、内燃機関1のクランク軸12を回転駆動するスタータモータ(以下、スタータとも称する)2と、内燃機関1の動力が伝達される下流側(動力伝達下流)にトルクコンバータ32と多段または無段の変速機構33を含む自動変速機3とが設けられると共に、内燃機関1の吸気・排気バルブ開閉タイミングまたはリフト量、もしくはその両方が変更可能な可変バルブ装置14を備えた内燃機関1を始動する装置である。
なお、本実施の形態における内燃機関1の始動装置は、上述の第1の実施の形態における始動装置と類似する点が多いため、異なる点を重点的に説明する。また、同一の構成に関しては、図面において同じ符号を付与して詳しい説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態における内燃機関1は、内燃機関1の吸気・排気弁開閉タイミングまたはリフト量、もしくはその両方が変更可能な可変バルブ装置14を備える。この可変バルブ装置14は、内燃機関1の始動時において、内燃機関1の圧縮工程における燃焼室の圧縮圧を減圧(デコンプ)制御するために利用される。
例えば、吸気・排気弁開閉タイミングを変更する可変バルブ装置14(可変バルブタイミング装置)の場合、モータ駆動によって内燃機関1の吸気弁・排気弁の開閉タイミング(吸気弁タイミング、排気弁タイミング)を変化させるものを採用することができる。この可変バルブ装置14は、モータでクランク軸12に対する排気用カム軸(カム軸11)、吸気用カム軸(カム軸11)の回転位相を変化させることで、排気用カム軸(カム軸11)によって開閉駆動される排気弁の開閉タイミング、吸気用カム軸(カム軸11)によって開閉駆動される吸気弁の開閉タイミングを変化させる。そして、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の開閉タイミングを遅角させることによって内燃機関1の圧縮工程における燃焼室の圧縮圧を減圧することができる。図7には、吸気弁の開閉タイミングを変更する場合を一例として示す。
また、リフト量を変更する可変バルブ装置14(可変バルブリフト量装置)の場合、アクチュエータによって内燃機関1の吸気弁・排気弁のリフト量を変更させるものを採用することができる。この可変バルブ装置14は、吸気弁と吸気用カム軸(カム軸11)との間、排気弁と排気用カム軸(カム軸11)との間に設けられたアクチュエータで吸気弁・排気弁のリフト量を変化させる。そして、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方のリフト量を大きくすることによって内燃機関1の圧縮工程における燃焼室の圧縮圧を減圧する。
ここで、図6に示すフローチャート、図7に示す吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを示す図面、及び図8に示すグラフに基づいて、本実施の形態における内燃機関の始動装置の処理動作に関して説明する。この図6に示すフローチャートは、例えば、ドライバによりイグニッションスイッチが操作されたり、アイドルストップ制御時の自動再始動が実行されたりした場合など内燃機関1の始動要求がなされるとスタートするものである。また、図8に示すグラフは、図6に示すフローチャートの各ステップにおけるリングギア43及びクランク軸12の回転数の時間的変化を示すものである。
ステップS10では、ECU5は、自動変速機3のロックアップクラッチ31にてポンプインペラ32aとタービンランナ32bとを係合(ロック)し、変速機構33をDレンジに切り替え、さらに慣性可変機構4のギアロック機構44のソレノイド44cに通電してブレーキシリンダ44aを引っ張ることでリングギア43とプラネタリギア42(キャリヤ42a)のロックを解除する(クランキング前準備)。さらに、可変バルブ装置14にて内燃機関1の燃焼開始後における圧縮圧よりも減圧(デコンプ)制御する。例えば、図7に示すように、吸気弁の開閉タイミングを遅角設定(例えば、a最進角開度からb最遅角開度)とする。ただし、デコンプ制御は、クランキング時におけるスタータ2負荷を軽減するために行なうものであるため、最遅角開度に限定されるものではない。
このように、ロックアップクラッチ31にてポンプインペラ32aとタービンランナ32bとをロックすると共に、変速機構33をDレンジとすることによって、サンギア41を車輪まで係合させることができる。従って、サンギア41をロック(回転を停止)することができる。この状態においては、スタータ2からのトルクは、リングギア43からプラネタリギア42を介してクランク軸12と伝達可能になる。換言すると、慣性可変機構4を、トルクコンバータを回転させずにスタータモータによるトルクをクランク軸12へ伝達可能な状態とする。また、このときは、図8に示すように、クランク軸12及びリングギア43は回転していない。さらに、デコンプ制御を行なうことによって、クランキング時の内燃機関1の圧縮圧が減圧され、スタータ2負荷をより一層軽減することができる状態となる。また、クランク軸12の回転数の上昇が緩やかになり、内燃機関の振動を抑制することができる。さらに、スタータ2の起動電力・クランキング電力も低減することができる。
次のステップS11での処理動作は、上述の実施の形態におけるステップS1と同様であるため説明を省略する。また、ステップS12での処理動作は、上述の実施の形態におけるステップS2と同様であるため説明を省略する。
次に、ステップS13では、ECU5は、スタータ2をオフする。例えば、スタータ2内のマグネットクラッチを作動させ、スタータ2のピニオン2aを退避位置に移動させてピニオン2aとリングギア43との係合を解除させると共にスタータ2の回転駆動を停止させる(スタータの係合解除)。さらに、可変バルブ装置14にてデコンプ制御を解除する。上述のように吸気弁の開閉タイミングを最遅角設定とした場合は、吸気弁の開閉タイミングを進角設定(b最遅角開度からa最進角開度)とする(図7)。デコンプ制御を解除することによって、内燃機関1の圧縮工程における燃焼室の圧縮圧を増圧(デコンプ制御時に比べて増圧)する。なお、スタータ2のオフ、デコンプ制御の解除以外のロックアップクラッチ31の解除、変速機のNレンジへのシフトチェンジ、ギアロック機構44のロック開始、エンジントルクアップ制御に関しては、上述の実施の形態と同じであるため説明を省略する。
また、図8に示すように、内燃機関1の始動時にデコンプ制御を行なうことによって、クランク軸回転数Neの上昇を緩やかにすることができる。また、スタータ2のピニオン2aとの係合を解除されたリングギア43は、惰性で回転しているため回転数が緩やかに低下することとなる。このように、回転数が緩やかに上昇するクランク軸12に連結されたプラネタリギア42と、回転数が緩やかに低下するリングギア43とをロックすることによって、ロック時のプラネタリギア42とリングギア43の角加速度を小さく抑えることができ、トルクダウンをより一層抑制することができる。
1 内燃機関、11 カム軸、12 クランク軸、13 回転センサ(第1回転検出手段)、14 可変バルブ装置、2 スタータモータ、2a ピニオン、3 自動変速機、31 ロックアップクラッチ(ロックアップ機構)、32 トルクコンバータ、33 変速機構、4 慣性可変機構、40 遊星歯車機構、41 サンギア、42 プラネタリギア、42a キャリヤ、43 リングギア、43a 外周ギア、44 ギアロック機構、45 回転センサ(第2回転検出手段)、44a ブレーキシリンダ、44b スプリング、44c ソレノイド、5 ECU

Claims (5)

  1. トルクコンバータと変速機構とを含む自動変速機が動力伝達下流に設けられた内燃機関の始動装置であって、
    前記内燃機関の始動時に当該内燃機関のクランク軸を回転駆動するスタータモータと、
    前記内燃機関と前記スタータモータ間に配置されるものであり、前記クランク軸のトルクを前記トルクコンバータへ伝達可能な状態と、前記トルクコンバータを回転させずに前記スタータモータによるトルクを前記クランク軸へ伝達可能な状態とを切替える慣性可変機構と、
    前記内燃機関の燃焼開始後は、前記慣性可変機構を前記クランク軸のトルクを前記トルクコンバータへ伝達可能な状態とし、前記内燃機関の始動時は、前記慣性可変機構を前記トルクコンバータを回転させずに前記スタータモータによるトルクを前記クランク軸へ伝達可能な状態とする制御手段と、
    を備えることを特徴とする始動装置。
  2. 前記内燃機関の吸気・排気弁の開閉タイミング及びリフト量の少なくとも一方を変更することによって、前記内燃機関の圧縮圧を変更可能な可変バルブ装置を備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関の始動時は、前記慣性可変機構を前記トルクコンバータを回転させずに前記スタータモータによるトルクを前記クランク軸へ伝達可能な状態とすると共に前記可変バルブ装置によって前記内燃機関の燃焼開始後における圧縮圧よりも減圧し、前記内燃機関の燃焼開始後は、前記慣性可変機構を前記クランク軸のトルクを前記トルクコンバータへ伝達可能な状態とすると共に前記可変バルブ装置によって前記内燃機関の圧縮圧を戻すことを特徴とする請求項1に記載の始動装置。
  3. 前記慣性可変機構は、前記トルクコンバータと連結されるサンギア、前記クランク軸と連結されるプラネタリギア、外周に前記スタータモータのピニオンと噛み合うギアが設けられると共に前記サンギア及び前記プラネタリギアを内周側に備えたリングギアを含む遊星歯車機構と、前記プラネタリギアと前記リングギアとをロックして係合を行なうと共に当該ロックの解除を行なうギアロック機構と、前記サンギアをロックして回転を停止させると共に当該ロックの解除を行なうサンギアロック機構とを含み、
    前記制御手段は、前記内燃機関の燃焼開始後は、前記ギアロック機構にて前記プラネタリギアと前記リングギアをロックすると共に前記サンギアロック機構にて前記サンギアのロックを解除することによって、前記慣性可変機構を前記クランク軸のトルクを前記トルクコンバータへ伝達可能な状態とし、前記内燃機関の始動時は、前記ギアロック機構にて前記プラネタリギアと前記リングギアのロックを解除すると共に、前記サンギアロック機構にて前記サンギアをロックすることによって、前記慣性可変機構を前記トルクコンバータを回転させずに前記スタータモータによるトルクを前記クランク軸へ伝達可能な状態とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の始動装置。
  4. 前記サンギアロック機構は、前記トルクコンバータにおける前記サンギアと連結される部位であるポンプインペラと、当該ポンプインペラに対向するタービンランナとのロック・ロックの解除を行なうロックアップ機構と、前記変速機構を含むものであり、前記内燃機関の始動時は、前記ロックアップ機構にて前記ポンプインペラと前記タービンランナとをロックすると共に、前記変速機構をドライブレンジとし、前記内燃機関の燃焼開始後は、前記ロックアップ機構にて前記ポンプインペラと前記タービンランナのロックを解除することを特徴とする請求項3に記載の始動装置。
  5. 前記サンギアのロックを解除する場合は、前記ロックアップ機構にて前記ポンプインペラと前記タービンランナのロックを解除すると共に、前記変速機構をニュートラルレンジとすることを特徴とする請求項4に記載の始動装置。
JP2009175679A 2009-07-28 2009-07-28 内燃機関の始動装置 Active JP5233893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009175679A JP5233893B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 内燃機関の始動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009175679A JP5233893B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 内燃機関の始動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011027067A JP2011027067A (ja) 2011-02-10
JP5233893B2 true JP5233893B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=43636073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009175679A Active JP5233893B2 (ja) 2009-07-28 2009-07-28 内燃機関の始動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5233893B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6044613B2 (ja) * 2014-10-09 2016-12-14 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2018197520A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 アイシン精機株式会社 内燃機関の制御装置
JP2018200006A (ja) * 2017-05-25 2018-12-20 アイシン精機株式会社 内燃機関の制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005127169A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Hitachi Ltd 内燃機関の制御方法
JP2005127239A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2007255288A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Fuji Heavy Ind Ltd エンジン始動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011027067A (ja) 2011-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8904983B2 (en) Automatic starting device for engine
EP1288472B1 (en) Control apparatus of internal combustion engine and method thereof
US8731791B2 (en) Controller of internal combustion engine
JP4254852B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP6179563B2 (ja) 車両の制御装置
US20170122139A1 (en) Valve opening and closing timing control apparatus
JP4453536B2 (ja) 駆動装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置の制御方法
JP5233893B2 (ja) 内燃機関の始動装置
US9441563B2 (en) Vehicle control device
JP2007239461A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009270478A (ja) バルブタイミング制御システム
JP2011069245A (ja) エンジンの制御装置
JP5015902B2 (ja) 内燃機関の自動停止始動制御装置およびその制御方法並びに自動車
JP4963486B2 (ja) 車両の制御装置
JP5051097B2 (ja) 車両の制御装置
WO2015015824A1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010084587A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御方法及び内燃機関システム
JP2011194984A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP4581949B2 (ja) パワートレインのエンジン始動装置
JP4622148B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP4720581B2 (ja) エンジンの始動装置
JP2020104526A (ja) 車両
JP4702143B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4670768B2 (ja) エンジン停止制御装置及びエンジン停止制御方法
JP4479480B2 (ja) 車両のエンジンの始動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5233893

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250