JP2007239461A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン始動時に振動抑制と良好な始動性を両立することが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】時刻t0のクランキング開始時に圧縮行程のある第1気筒の吸気バルブ閉弁時期は通常時よりも遅くされる。また、時刻t0において吸気行程のある第3気筒の吸気バルブ閉弁時期も通常時よりも遅くされる。この吸気バルブ遅閉じにより吸気量が少なくされ、圧縮圧力が低くされる。時刻t1において初爆可能なエンジン回転数NE1に達した後、冷却水温が低い場合には、吸気バルブ閉弁時期が下死点付近にされると共に、燃料噴射量が多くされる。これにより、圧縮圧力が高くされ、良好な始動性が得られる。
【選択図】図8

Description

本発明は、可変動弁機構付き内燃機関の制御装置に関する。
吸気バルブの閉弁時期を最遅角にした状態で、エンジンを始動させる装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置によれば、デコンプ作用により圧縮比を低下させることができるため、エンジン始動時の振動を抑制することができる。
特開2000−34913号公報
しかしながら、上記特許文献1の装置では、冷間時において、振動を抑制することができるものの、良好な始動性を得ることができない可能性があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、エンジン始動時に振動抑制と良好な始動性を両立することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の気筒毎に設けられた吸気バルブと、
前記吸気バルブの開弁特性を変更可能な可変動弁機構と、
クランキング時に、前記可変動弁機構を用いて吸気バルブ閉弁時期を上死点付近にすることで圧縮圧力を減圧する減圧手段と、
前記減圧手段により減圧を実行した後、前記内燃機関の冷却水温が所定値よりも低い場合、又は、前記内燃機関の要求トルクが所定値よりも高い場合に、初爆が行われる気筒の吸気バルブ閉弁時期を前記可変動弁機構を用いて下死点付近に変更する初爆制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記可変動弁機構は、少なくとも2以上の気筒の吸気カムを駆動することで該2以上の気筒の吸気バルブの開弁特性を制御する電動機を有し、
前記減圧手段は、一気筒の吸気バルブの閉弁時期から該一気筒と前記電動機を共用する他気筒の吸気バルブの開弁時期までの時間が所定時間よりも短い場合に、前記可変動弁機構を用いて前記吸気バルブの作用角及びリフト量を小さくすることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、エンジン停止要求を取得した場合、該取得時に吸気行程及び圧縮行程のある気筒の吸気バルブを前記電動機を用いて最大リフト位置にした後、該電動機への通電を停止すると共にエンジンを停止する停止手段を更に備えたことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1から第3の発明において、前記気筒毎に設けられた排気バルブと、
前記排気バルブの開弁特性を変更可能な第2可変動弁機構と、
前記減圧手段により減圧を実行する際、前記第2可変動弁機構を用いて排気バルブ開弁時期を膨張行程の前半部にすることで、筒内で生じる負圧を低減する負圧低減手段とを更に備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、クランキング時に圧縮圧力を減圧することでエンジン始動時の振動を抑制することができる。さらに、冷却水温が低い場合や要求トルクが高い場合には、初爆気筒から十分な吸気量を確保することで良好な始動性を得ることができる。よって、エンジン始動時に振動抑制と良好な始動性を両立することができる。
第2の発明によれば、電動機を共用する一気筒の吸気バルブ閉弁時期から他気筒の吸気バルブ開弁時期までが短い場合には、吸気バルブの作用角及びリフト量が小さくされる。これにより、吸気バルブ開弁時期の遅れに起因する負圧の増大を抑制でき、該負圧による振動を低減することができる。
第3の発明によれば、エンジン停止要求の取得時に吸気及び圧縮行程のある気筒の吸気バルブを最大リフト位置にした後、エンジンを停止する。吸気バルブが最大リフト位置であるときの吸気カム位置は安定位置であるため、電動機の通電を停止しても吸気カム位置は動かない。よって、電動機への保持電流の供給が不要となり、消費電力を節減することができる。さらに、クランキング開始時に吸気及び圧縮行程のある気筒の吸気バルブは最大リフト位置にある。このため、吸気バルブ閉弁時期を上死点付近にすることで圧縮圧力を確実に減圧することができる。
第4の発明によれば、膨張行程において筒内で生じる負圧を低減することができるため、該負圧に起因する振動を低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1によるシステムの概略構成を説明するための図である。図1は、本発明を適用したハイブリッド車両システムを示す図である。
図1に示すハイブリッド車両システムは、一の駆動源としてのエンジン(内燃機関)1を備えている。エンジン1は、複数の気筒2を有している。図1に示すように、エンジン1は、例えば、直列4気筒型のガソリンエンジンである。
本実施の形態1のハイブリッド車両システムは、3軸式の動力分配機構4を備えている。動力分配機構4は、後述する遊星歯車機構である。動力分配機構4には、上記エンジン1のクランク軸3のほか、他の駆動源としてのモータジェネレータ(以下「ジェネレータ」という。)6及びモータジェネレータ(以下「モータ」という。)10が接続されている。また、動力分配機構4には、減速機8が接続されている。減速機8には、駆動輪12の回転軸14が接続されている。駆動輪12には、車輪速センサ13が設けられている。車輪速センサ13は、駆動輪12の回転数又は回転速度を検出するように構成されている。
ジェネレータ6とモータ10とは共通のインバータ15に接続されている。インバータ15は昇圧コンバータ16に接続され、昇圧コンバータ16はバッテリ17に接続されている。昇圧コンバータ16は、バッテリ17の電圧(例えば、DC201.6V)を高電圧(例えば、DC500V)に変換するものである。インバータ15は、昇圧コンバータ16により昇圧された直流高電圧を交流電圧(例えば、AC500V)に変換するものである。ジェネレータ6とモータ10とは、インバータ15及び昇圧コンバータ16を介してバッテリ17との電力のやりとりを行う。
また、本実施の形態1のハイブリッド車両システムは、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)70を備えている。ECU70は、上記のエンジン1、動力分配機構4、ジェネレータ6、減速機8、モータ10、車輪速センサ13、インバータ15、昇圧コンバータ16、バッテリ17等と接続されている。ECU70は、ジェネレータ6及びモータ10の駆動量若しくは発電量を制御する。また、ECU70は、バッテリ17の充電状態SOC(state of charge)を取得する。
[駆動機構の要部構成]
図2は、図1に示したハイブリッド車両システムにおける駆動機構の要部構成を示す斜視図である。
図2に示すように、動力分配機構4は、サンギヤ18と、リングギヤ20と、複数のピニオンギヤ22と、キャリア23とを備えている。外歯歯車であるサンギヤ18は、中空のサンギヤ軸19に固定されている。このサンギヤ軸19の中空部分を、エンジン1のクランク軸3が貫通している。内歯歯車であるリングギヤ20は、サンギヤ18と同心円上に配置されている。複数のピニオンギヤ22は、サンギヤ18とリングギヤ20の両方に噛合するように配置されている。複数のピニオンギヤ22は、キャリア23によって回転自在に保持されている。キャリア23は、クランク軸3と連結されている。すなわち、動力分配機構4は、サンギヤ18とリングギヤ20とピニオンギヤ22とを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構である。
減速機8は、動力取り出し用の動力取出ギヤ24を有している。この動力取出ギヤ24は、動力分配機構4の上記リングギヤ20に連結されている。また、動力取出ギヤ24はチェーン25を介して動力伝達ギヤ26に連結されている。動力伝達ギヤ26は、回転軸27を介してギヤ28に連結されている。ギヤ28は、駆動輪12の回転軸14を回転させるデファレンシャルギヤ(図示せず)に連結されている。
ジェネレータ6は、ロータ29とステータ30とを有している。ロータ29は、サンギヤ18と一体的に回転するサンギヤ軸19に設けられている。ジェネレータ6は、ロータ29を回転させる電動機として駆動することができると共に、ロータ29の回転により起電力を生じさせる発電機として駆動することができるように構成されている。また、ジェネレータ6は、エンジン始動時に、スタータとして機能するものである。
モータ10は、ロータ31とステータ32とを有している。ロータ31は、リングギヤ20と一体的に回転するリングギヤ軸21に設けられている。モータ10は、ロータ31を回転させる電動機として機能することができると共に、ロータ31の回転により起電力を生じさせる発電機として駆動することができるように構成されている。
動力分配機構4は、キャリア23から入力されるエンジン1の動力を、ジェネレータ6に接続されたサンギヤ18と、回転軸14に接続されたリングギヤ20とにそのギヤ比に応じて分配することができる。また、動力分配機構4は、キャリア23から入力されるエンジン1の動力と、サンギヤ18から入力されるジェネレータ6の動力とを統合し、統合された動力をリングギヤ20に出力することができる。また、動力分配機構4は、サンギヤ18から入力されるジェネレータ6の動力と、リングギヤ20から入力される動力とを統合し、統合された動力をキャリア23に出力することができる。
[エンジンの構成]
図3は、図1に示したエンジン1の構成を説明するための図である。エンジン1は、内部にピストンを有するシリンダブロック33を備えている。ピストンは、クランク機構を介して上記クランク軸3と接続されている。クランク軸3の近傍には、クランク軸3の回転角度を検出するクランク角センサ3Aが設けられている。また、シリンダブロック33には、冷却水温Twを検出する冷却水温センサ34が設けられている。
シリンダブロック33の上部にはシリンダヘッド35が組み付けられている。シリンダヘッド35には、燃焼室36内(以下「筒内」ともいう。)の混合気に点火する点火プラグ37が設けられている。
シリンダヘッド35は、燃焼室36と連通する吸気ポート38を備えている。吸気ポート38と燃焼室36との接続部には吸気バルブ51が設けられている。吸気バルブ51は、気筒毎に2つずつ設けられている。吸気バルブ51には、吸気バルブ51の開弁特性を変更可能な可変動弁機構50A(後述)が接続されている。吸気ポート38の近傍には、燃料を噴射するインジェクタ39が設けられている。
吸気ポート38には吸気通路40が接続されている。吸気通路40の途中にはスロットルバルブ41が設けられている。スロットルバルブ41は、スロットルモータ42により駆動される電子制御式のバルブである。スロットルバルブ41は、アクセル開度センサ43により検出されるアクセル開度AAに基づいて駆動されるものである。スロットルバルブ41の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ41Aが設けられている。スロットルバルブ41の上流には、エアフロメータ44が設けられている。エアフロメータ44は吸入空気量(以下「吸気量」と略する。)Gaを検出するように構成されている。
また、シリンダヘッド35は、燃焼室36と連通する排気ポート45を備えている。排気ポート45と燃焼室36との接続部には排気バルブ46が設けられている。排気バルブ46には、上記可変動弁機構50Aと同じ構成を有する可変動弁機構50Bが接続されている。可変動弁機構50Bは、排気バルブ46の開弁特性を変更可能に構成されている。排気ポート45には排気通路47が接続されている。排気通路47には、排気ガスを浄化する触媒48が設けられている。触媒48の上流には、排気空燃比を検出する空燃比センサ49が設けられている。
上記ECU70の出力側には、点火プラグ37、インジェクタ39、スロットルモータ42、可変動弁機構50A等が接続されている。また、ECU70の入力側には、クランク角センサ3A、スロットル開度センサ41A、アクセル開度センサ43、エアフロメータ44、空燃比センサ49等が接続されている。ECU70は、クランク角センサ3Aの出力に基づいてエンジン回転数NEを算出する。
ECU70は、車輪速センサ13により検出された駆動輪12の回転速度とアクセル開度センサ43により検出されたアクセル開度AAとに基づいて、車両全体の要求トルクを算出する。この車両全体の要求トルクを確保するために、ECU70は、バッテリ17の充電状態SOCを考慮しつつ、エンジン1とジェネレータ6とモータ8との間で駆動力を分配する。すなわち、エンジン1の要求トルク(以下「エンジン要求トルク」という。)と、ジェネレータ6及びモータ8の要求トルクとを算出する。
ECU70は、減速時や制動時に、エンジン1を停止させることで、燃費を向上させることができる。
ECU70は、エンジン1の始動時において、ジェネレータ6を駆動させることで、エンジン1のクランキングを行う。図4は、エンジン始動時の動力分配機構4の動作を説明するための共線図である。停車時は駆動輪12が止まっているため、リングギヤ20は停止している。ECU70は、エンジン1のスターターとして機能するジェネレータ6に通電することで、サンギヤ18を回転させて、エンジン1をクランキングする。
エンジン1が始動すると、ECU70は、ジェネレータ6に発電を開始させる。この発電により得られた電力は、モータ10の駆動と、バッテリ17の充電とに用いられる。
[可変動弁機構の構成]
図5は、図3に示した可変動弁機構50Aの構成を示す斜視図である。上述したように、エンジン1の吸気バルブ側に可変動弁機構50Aが設けられ、排気バルブ側に可変動弁機構50Bが設けられている。図5には吸気バルブ側の可変動弁機構50Aのみを示し、排気バルブ側の可変動弁機構50Bの図示を省略している。図5において、#1〜#4は、それぞれエンジン1の第1〜第4気筒を表している。エンジン1における爆発順序は、一般的なエンジンと同様に、#1→#3→#4→#2である。
気筒毎に設けられた2つの吸気バルブ51には、それぞれバルブシャフト52が固定されている。バルブシャフト52の上端部には、バルブリフター53が取り付けられている。各バルブリフター53の上部には、対応するカム54,55,56又は57が配置されている。
第1気筒#1に対応するカム54と、第4気筒#4に対応するカム57とは、第1のカム軸58に固定されている。第2気筒#2に対応するカム55と、第3気筒#3に対応するカム56とは、第2のカム軸59に固定されている。これらのカム軸58,59は、同軸上に配置されており、互いに回転可能である。
第1のカム軸58には、第1のドリブンギヤ60が同軸上に固定されている。第1のドリブンギヤ60には、第1の出力ギヤ61が噛み合わされている。第1の出力ギヤ61は、第1のモータ62の出力軸と同軸上に固定されている。このような構成によれば、第1のモータ62のトルクを、これらのギヤ60,61を介して第1のカム軸58に伝達することができる。すなわち、第1のモータ62は、クランク軸3とは関係なくカム54,57を直接駆動することで、第1気筒#1と第4気筒#4の吸気バルブ開弁特性を制御するものである。
一方、第2のカム軸59には、第2のドリブンギヤ63が同軸上に固定されている。第2のドリブンギヤ63には、中間ギヤ64を介して第2の出力ギヤ65が噛み合わされている。第2の出力ギヤ65は、第2のモータ66の出力軸と同軸上に固定されている。このような構成によれば、第2のモータ66のトルクを、これらのギヤ63,64,65を介して第2のカム軸59に伝達することができる。すなわち、第2のモータ66は、クランク軸3とは関係なくカム55,56を直接駆動することで、第2気筒#2と第3気筒#3の吸気バルブ開弁特性を制御するものである。
上記可変動弁機構50Aの動作は、ECU70によって制御される。ECU70は、各種センサの出力に基づいて、第1のモータ62及び第2のモータ66に駆動指令を与え、これらのモータ62,66の回転を制御している。
図6は、図5に示した第1のカム軸58をその軸方向から見た図である。図5に示すように、第1のカム軸58に設けられた2つのカム54,57は、それぞれのカムノーズ54a,57aがカム軸58の周方向に互いに180°ずれるように配置されている。2つのカム54,57は、同形状であり、カム中心とカムノーズを通る直線に対して対称形のカム形状を有している。なお、図示並びに説明は省略するが、第2のカム軸59に設けられた2つのカム55,56も、それぞれのカムノーズ55a,56aがカム軸59の周方向に180°ずれるように配置されている。
カム54,57の駆動モードには、正転駆動モードと、揺動駆動モードとがある。正転駆動モードとは、第1のモータ62を一方向に連続的に回転させることで、カム54,57を正転方向に連続的に回転させるモードである。一方、揺動駆動モードとは、吸気バルブ51のリフト途中に第1のモータ62の回転方向を切り替えることで、カム54,57を往復運動させるモードである。
図7は、図5に示した可変動弁機構50Aにより実現される吸気バルブ開弁特性の変更の例を示す図である。
先ず、図7(A)に示す「位相」の変更について説明する。吸気バルブ51の閉弁中に第1のカム軸58の駆動速度を基本速度(つまり、クランク軸3の回転速度の半分の速度)より速くすると、クランク軸3に対するカム軸58の位相が相対的に進角側に変化する。これにより、図7(A)に示すように、吸気バルブ51の開弁位相が進角側に変更される。
次に、図7(B)に示す「作用角」の変更について説明する。吸気バルブ51の開弁中に第1のカム軸58の駆動速度を基本速度より速くするとともに、吸気バルブ51の閉弁中に駆動速度を基本速度よりも遅くすることで、図中に波線で示すように吸気バルブ51の作用角が小さくされる。ここで、カム軸58の回転周期とクランク軸3の回転周期との比が2対1からずれないようにする。
また、吸気バルブ51の開弁中に第1のカム軸58の駆動速度を基本速度より遅くするとともに、吸気バルブ51の閉弁中に駆動速度を基本速度よりも速くすることで、図中に実線で示す基本波形に比して吸気バルブ51の作用角を大きくすることができる。
なお、揺動駆動モードにおいて、第1のカム軸58の駆動速度を制御することで、図7(A),(B)に示すような開弁位相を実現することもできる。
次に、図7(C)に示す「作用角&リフト量」の変更について説明する。先ず、カム軸58が正転方向に回転し、第4気筒#4用のカム57がその開き側ランプ部57bでバルブリフター53を押し下げていく途中で第1のモータ62を停止させる。その後、第1のモータ62の回転方向を切り替え、カム軸58を逆転方向に回転させる。これにより、カム57はその2つのランプ部57b,57cのうち、開き側ランプ部57bのみをバルブリフター53に接触させながら揺動する。第4気筒#4のバルブは、カム57の開き側ランプ部57bのカムリフト曲線によって決まるバルブリフト曲線を描いてリフト動作する。さらに、カム軸58を逆転方向に回転させると、第1気筒#1用のカム54がその閉じ側ランプ部54bでバルブリフター53を押し下げていく。その途中で第1のモータ62を停止させる。そして、第1のモータ62の回転方向を再び切り替え、カム軸58を正転方向に回転させる。これにより、カムは2つのランプ部のうち、閉じ側ランプ部54bのみをバルブリフター53に接触させながら揺動する。第1気筒#1の吸気バルブ51は、カム54の閉じ側のランプ部54bのカムリフト曲線によって決まるバルブリフト曲線を描いてリフト動作する。
以上の一連の動作を連続して行い、カム54,57を周期的に揺動させることで、第1気筒#1と第4気筒#4の吸気バルブ51の作用角及びリフト量を同時に変更することができる。その際、カム54,57の揺動量を適宜変更することで、リフト量を適当に選択することが可能となる。図6に示すように、カム54,57の揺動量を多くすればリフト量が大きくされ、揺動量を少なくすればリフト量が小さくされる。
また、カム54,57を揺動動作させる際に、第1のモータ62の駆動速度を適当に調整することにより、図7(D)に示すように、作用角を変化させることなく、「リフト量」のみを変化させることもできる。
このように、第1のモータ62の回転方向を交互に切り替え、カム54,57を周期的に揺動させることで、第4気筒#4のバルブは、カム57の開き側ランプ部57bを用いて開閉駆動し、第1気筒#1用のバルブは、カム54の閉じ側ランプ部57bを用いて開閉駆動することができる。
[実施の形態1の特徴]
次に、上記システムのエンジン始動時における制御について説明する。図8は、本実施の形態1において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。より具体的には、図8(A)は、第1気筒#1と第4気筒#4の吸気バルブ51のリフト特性を示す図であり、図8(B)は、第2気筒#2と第3気筒#3の吸気バルブ51のリフト特性を示す図であり、図8(C)は、エンジン回転数NEの変化を示す図であり、図8(D)は、噴射信号及び点火時期を示す図である。
時刻t0において、ECU70によりエンジン始動要求(例えば、停車状態での車両運転者のイグニッションキーON操作や、アイドリングストップ状態でのブレーキペダルOFF操作等)が検出されると、エンジン1のクランキングが開始される。具体的には、インバータ15からジェネレータ6に電力が供給され、ジェネレータ6が回転することで、クランク軸3の回転が開始される。これにより、図8(C)に示すように、エンジン回転数NEが徐々に上昇する。
ここで、図8(A)に示すように、クランキング開始時に圧縮行程のある第1気筒#1の吸気バルブ閉弁時期は、通常時(例えば、ABDC105°)よりも遅い上死点の近く(例えば、ABDC135°付近)にされている。これにより、燃焼室36から吸気ポート38への吹き返し量が多くされる。そうすると、筒内からより多くの空気が追い出され、筒内に閉じ込められる空気量を減らすことができるため、圧縮圧力を低くすることができる。また、図8(A),(B)に示すように、クランキング開始時に吸気行程のある第3気筒#3においても、吸気バルブ閉弁時期が上死点の近くまで遅角せしめられるため、圧縮圧力を低くすることができる。
ところで、小作用角で吸気バルブ遅閉じにすると、吸気バルブ開弁時期も遅くなってしまう。そうすると、筒内で生じる負圧が大きくなるため、この負圧に起因する振動も大きくなってしまう。そこで、図8(A),(B)に示すように、クランキング開始直後に吸気行程がある第4気筒#4において、通常時よりも吸気バルブの作用角を大きくすることで、吸気バルブ開弁時期は上死点TDC付近にされている。これにより、吸気行程で筒内に生じる負圧を低減することができる。かかる吸気バルブ51の開弁特性は、可変動弁機構50Aの2つのモータ52,56を用いて実現することができる。吸気バルブ遅閉じによるデコンプにより、エンジン始動時の振動(「始動ショック」ともいう。)を抑制することができる。
なお、本実施の形態1において、排気バルブのリフト特性は、例えば、後述する図14(C),(D)に示すような通常時のリフト特性とすることができる。
時刻t1において、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達すると、燃料噴射及び点火が可能となる。この時刻t1において圧縮行程のある第1気筒#1が、初爆が行われる気筒(以下「初爆気筒」ともいう。)となる。時刻t2において、初爆気筒である第1気筒#1の吸気バルブ51の開弁特性(タイミング及びリフト量)と燃料噴射量とが算出される。ここで、吸気バルブ51の開弁特性は、エンジンの冷却水温Twに応じて算出される。具体的には、図8(A)に示すように、冷却水温Twが低い場合には、吸気量を増量させて圧縮圧力を高めるべく、吸気バルブ閉弁時期が下死点付近に進角せしめられる。一方、冷却水温Twが高い場合には、吸気量を増量させる必要がないため、デコンプ時と同様に、閉弁時期は上死点の近くにされる。また、冷却水温Twが低い場合には、冷却水温Twが高い場合に比して、燃料噴射量が多くされる。
次に、図8(D)に示すように、時刻t3において、時刻t2で算出された燃料噴射量に対応する噴射信号が、第1気筒#1のインジェクタ39に出力される。これと共に、時刻t2で算出された開弁特性で第1気筒#1の吸気バルブ51が開弁される。クランキング開始(時刻t1)から時刻t3までは短時間であるが、上記のモータ62,66を有する可変動弁機構50Aを用いることで、上述の吸気バルブ開弁特性の変更が可能である。
その後、図8(D)に星印で示すように、第1気筒#1において圧縮行程後の上死点付近(時刻t4)で点火が行われる。すなわち、時刻t4において、初爆が実行される。上述したように、初爆が行われる第1気筒#1の吸気バルブ開弁特性は、冷却水温Twに応じて設定されている。
本実施の形態1では、クランキング開始から初爆より前の気筒に対しては、吸気バルブ遅閉じによるデコンプが行われている。そして、初爆以降の気筒に対しては、冷却水温Twに応じた吸気バルブ開弁特性、すなわち、良好な始動性が得られる開弁特性にされる。従って、エンジン始動時において、振動抑制と始動性向上とを両立させることができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図9は、本実施の形態1において、ECU70が実行するエンジン始動時の制御を示すフローチャートである。
図9に示すフローによれば、先ず、エンジン回転数NEと冷却水温Twとを取得する(ステップ100)。次に、上記ステップ100で取得されたエンジン回転数NEが点火許可回転数NE1よりも低いか否かを判別する(ステップ102)。このステップ102でエンジン回転数NEが点火許可回転数NE1よりも低いと判別された場合には、燃料噴射及び点火が実行不可能であると判断される。この場合、吸気バルブ閉弁時期を通常時(例えば、ABDC105°)よりも遅角してのデコンプが実行される(ステップ104)。このステップ104において、吸気バルブ閉弁時期を、例えば、ABDC135°付近とすることができる。この吸気バルブ遅閉じのデコンプにより吸気量が少なくされるため、圧縮圧力を低くすることができ、振動を低減することができる。
上記ステップ102でエンジン回転数NEが点火許可回転数NE1以上であると判別された場合には、燃料噴射及び点火が実行可能であると判断される。すなわち、初爆が可能であると判断される。この場合、上記ステップ100で取得された冷却水温Twが所定温度Tw1よりも低いか否かを判別する(ステップ106)。ステップ106で冷却水温Twが所定温度Tw1よりも低いと判別された場合には、低温時の吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量とを算出する(ステップ108)。このステップ108では、吸気バルブ閉弁時期が下死点BDC付近に算出されると共に、燃料噴射量は後述する高温時に比して多く算出される。
一方、上記ステップ106で冷却水温Twが所定温度Tw1以上であると判別された場合には、高温時の吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量とを算出する(ステップ110)。図8(A)に示す例では、高温時に、デコンプ時と同様の吸気バルブ閉弁時期が算出されている。
その後、上記ステップ108又は110で算出された燃料噴射量に応じた燃料噴射信号を特定気筒のインジェクタ39に出力し、可変動弁機構50Aにより吸気バルブ51を作動させると共に、点火プラグ37により点火を行う(ステップ112)。
以上説明したように、図9に示すルーチンによれば、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達する前は、吸気バルブ遅閉じによるデコンプを行うことで振動低減が図られる。そして、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達した後は、冷却水温Twに応じた吸気バルブの開弁特性と燃料噴射量とが算出される。例えば、冷却水温Twが所定温度Tw1よりも低い場合には、吸気バルブ閉弁時期を下死点付近にすることで吸入空気量を増大させると共に、燃料噴射量を高温時に比して増量することで、良好な始動性を得ることができる。従って、エンジン始動時に振動の低減と良好な始動性とを両立させることができる。
ところで、図9に示すルーチンでは、冷却水温Twが所定値Tw1よりも大きいか否かの1段階の判定を行っているが、2段階以上の判定を行い、その判定結果に応じて吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量を求めてもよい。また、冷却水温Twとの関係で定められたマップを参照して、吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量とを求めてもよい。
また、本実施の形態1において、吸気バルブ遅閉じ時の吸気バルブ閉弁時期の一例としてABDC135°を挙げているが、この値は代表値であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してもよい(後述する実施の形態2−5についても同様)。
また、本実施の形態1では、ハイブリッド車両システムについて説明したが、本発明を、高い圧縮比を使用するディーゼルエンジンを備えたシステムや、図10に示すシステムに適用してもよい。図10は、本実施の形態1の変形例によるアイドリングストップシステム(「エコノミーランニングシステム」ともいう。)を示す図である。図10に示すシステムは、複数の気筒82を有するエンジン81を備えている。複数の気筒82は、クランク機構を介してクランク軸83に接続されている。クランク軸83の一端は変速機84に連結され、クランク軸83の他端はプーリ85,86及びベルト87を介してモータジェネレータ88に連結されている。モータジェネレータ88は、クランク軸83をクランキングすることが可能な電動機であり、インバータ89を介してバッテリ90に接続されている。制御装置であるECU80は、赤信号等により車両停止する際に、エンジン81を停止させる。また、ECU80は、再び車両が走行しようとすると(例えば、運転者によるアクセルペダルON操作やブレーキペダルOFF操作があると)、エンジン81を始動させる。このエンジン81の始動時に、上述した制御を適用することで、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる(後述する実施の形態2−5についても同様)。
尚、本実施の形態1においては、ECU70が、ステップ104の処理を実行することにより第1の発明における「減圧手段」が、ステップ108の処理を実行することにより第1の発明における「初爆制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図11及び図12を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2のシステムは、図1〜図3、図5及び図6に示すハードウェア構成を用いて、ECU70に、後述する図12に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態2の特徴]
上記実施の形態1では、クランキング中は吸気バルブ遅閉じによるデコンプが行われ、初爆気筒において冷却水温Twに応じた吸気バルブ開弁特性に即座に変更されている。
ところで、例えば、暖機後のように冷却水温Twが高温である場合であっても、加速時のようにエンジン1に対する要求トルク(以下「エンジン要求トルク」という。)が高い場合には、初爆気筒の吸気量を増量させると共に、燃料噴射量を増量させる必要がある。初爆が行われる気筒に対して吸入空気量の増量が間に合わなければ、すなわち、初爆までに可変動弁機構50Aを用いて吸気バルブ開弁特性を変更することができなければ、十分な加速レスポンスが得られない可能性がある。
図11は、本実施の形態2において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。具体的には、図11(A)は、第1及び第4気筒の吸気バルブのリフト特性を、図11(B)は、第2及び第3気筒の吸気バルブのリフト特性を、図11(C)は、エンジン回転数NEの変化を、図11(D)は、噴射信号及び点火時期を、図11(E)は、エンジン要求トルクを、それぞれ示す図である。エンジン要求トルクは、アクセル開度AAに対して相関を有している。
時刻t0においてクランキングが開始されると、図11(C)に示すようにエンジン回転数NEが上昇し、時刻t1においてエンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達する。これにより、燃料噴射及び点火が可能となる。クランキング開始後は、吸気バルブ遅閉じによるデコンプを実行することにより、振動の抑制が図られる。
その後、時刻t2において、初爆が行われる第1気筒#1の吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量とが算出される。ここで、吸気バルブ開弁特性は、エンジン要求トルクに応じて算出される。具体的には、図11(A)に示すように、エンジン要求トルクが高い場合には、吸気量を増量させるべく、吸気バルブ閉弁時期が下死点付近に進角せしめられる。一方、エンジン要求トルクが低い場合には、吸気量を増量する必要がないため、デコンプ時と同様に、吸気バルブ閉弁時期は上死点の近くにされる。また、エンジン要求トルクが高い場合には、エンジン要求トルクが低い場合に比して、燃料噴射量が多くされる。
その後、実施の形態1と同様に、図11(D)に示すように、時刻t3において、時刻t2で算出された噴射信号が、第1気筒#1のインジェクタ39に出力される。これと共に、時刻t2で算出された開弁特性で第1気筒#1の吸気バルブ51が開弁される。
その後、図11(D)に星印で示すように、時刻t4において、第1気筒#1の点火が行われる。すなわち、時刻t4において、初爆が実行される。
本実施の形態2では、クランキング開始から初爆より前の気筒に対しては、吸気バルブ51の閉弁時期を上死点近く(例えば、ABDC135°)まで遅らせるデコンプが行われている。そして、初爆以降の気筒に対しては、エンジン要求トルクに応じた吸気バルブ開弁特性、すなわち、十分なトルクが得られる吸気バルブ開弁特性にされる。これにより、エンジン始動時のトルク制御性が向上する。従って、エンジン始動時において、振動抑制と始動性向上とを両立させることができる。
[実施の形態2における具体的処理]
図12は、本実施の形態2において、ECU70が実行するエンジン始動時の制御を示すフローチャートである。
図12に示すフローによれば、先ず、エンジン回転数NEと、アクセル開度AAを取得する(ステップ114)。次に、上記ステップ114で取得されたエンジン回転数NEが点火許可回転数NEが点火許可回転数NE1よりも低いか否かを判別する(ステップ102)。このステップ102でエンジン回転数NEが点火許可回転数NE1よりも低いと判別された場合には、ステップ104に移行し、吸気バルブ遅閉じによるデコンプを実行する。このステップ104において、吸気バルブ閉弁時期を、例えば、通常時のABDC105°よりも上死点側のABDC135°付近とすることができる。
一方、上記ステップ102でエンジン回転数NEが点火許可回転数NE1以上であると判別された場合には、上記ステップ114で取得されたアクセル開度AAが所定値AA1よりも小さいか否かを判別する(ステップ116)。この所定値AA1は、エンジン要求トルクの高低を判別するための基準値である。
上記ステップ116でアクセル開度AAが所定値AA1よりも小さいと判別された場合、つまり、エンジン要求トルクが低い場合には、吸気量を増量する必要がないと判断される。この場合、低要求トルク時の吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量とを算出する(ステップ118)。図11(A)に示す例では、上記実施の形態1のステップ110と同様に、デコンプ時と同様の吸気バルブ閉弁時期が算出される。
一方、上記ステップ116でアクセル開度AAが所定値AA1以上であると判別された場合、つまり、エンジン要求トルクが高い場合には、高要求トルク時の吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量とを算出する(ステップ120)。このステップ120では、吸気バルブ閉弁時期が下死点付近に算出されると共に、燃料噴射量は低要求トルク時に比して多く算出される。
その後、上記ステップ118又は120で算出された燃料噴射量に応じた燃料噴射信号を特定気筒のインジェクタ39に出力し、可変動弁機構50Aにより吸気バルブ51を作動させると共に、点火プラグ37により点火を行う(ステップ122)。
以上説明したように、図12に示すルーチンによれば、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達する前は、吸気バルブ遅閉じのデコンプによる振動低減が図られる。そして、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達した後は、エンジン要求トルクに応じた吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量とが算出される。例えば、アクセル開度AAが所定値AA1以上である場合には、エンジン要求トルクが高いと判断され、吸気バルブ閉弁時期を下死点付近して吸入空気量を増大させると共に、燃料噴射量を低要求トルク時に比して増量することで、十分なトルクを得ることができる。従って、エンジン始動時に振動の低減と良好な始動性とを両立させることができる。
ところで、本実施の形態2においては、アクセル開度AAに基づいてエンジン要求トルクの高低を判別しているが、スロットル開度TAに基づいて判別するようにしてもよい。
尚、本実施の形態2においては、ECU70が、ステップ104の処理を実行することにより第1の発明における「減圧手段」が、ステップ120の処理を実行することにより第1の発明における「初爆制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図13から図15を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3のシステムは、図1〜図3、図5及び図6に示すハードウェア構成を用いて、ECU70に、後述する図15に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態3の特徴]
上記実施の形態1,2では、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達する前は、吸気バルブ開弁時期が上死点付近に設定されると共に、吸気バルブ閉弁時期は上死点よりもやや進角側(例えば、ABDC135°)に設定されている。また、図5に示す可変動弁機構50Aによれば、1つのモータを2気筒の吸気バルブ開弁特性の制御に共用している。例えば、第1のモータ62を用いて第1及び第4気筒の吸気バルブ開弁特性が制御されている。
ところで、エンジン回転数NEが高いほど、モータを共用する一気筒の吸気バルブ閉弁時期から他気筒の吸気バルブ開弁時期までの間隔が短くなる。例えば、第1のモータ62を共用する第1気筒#1の吸気バルブ閉弁時期から第4気筒#4の吸気バルブ開弁時期までの間隔が短くなる。この間隔がモータ62,66の能力を超えてしまうと、所望の時期に吸気バルブ51を開弁することができなくなる可能性がある。吸気行程において吸気バルブ開弁時期が遅れると、吸気負圧が大きくなるため、この吸気負圧に起因する振動が大きくなる可能性がある。
図13は、エンジン回転数NEと吸気バルブの遅閉じ限界との関係を示す図である。図13に示すように、エンジン回転数NEが低いほど、吸気バルブ閉弁時期を遅くすることができる。例えば、エンジン回転数NEが低い場合は、第1気筒#1の吸気バルブ閉弁時期を上死点の近くまで遅くらせても、第1気筒#1とモータ62を共用する第4気筒#4の吸気バルブを所望の時期(上死点)に開弁可能である。しかし、エンジン回転数NEが高い場合は、第1気筒#1の吸気バルブ閉弁時期を上死点近くまで遅くすると、モータ62を最速で駆動しても第4気筒#1の吸気バルブ51を所望の時期に開弁できなくなってしまう。
そこで、本実施の形態3では、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達していなくても所定値NE2以上になった場合には、上記実施の形態1,2で説明した吸気バルブ遅閉じによるデコンプから、吸気バルブ小リフト/早閉じによるデコンプに切り替える。小リフトにすることで吸気量を抑えることができるため、吸気バルブ早閉じにもかかわらず筒内に閉じ込められる空気量を低減することができる。これにより、吸気バルブ遅閉じの場合と同様に、圧縮圧力を低減することができる。この所定値NE2は、可変動弁機構50Aのモータ62,66の性能等に応じて設定される値である。
図14は、本実施の形態3において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。具体的には、図14(A)は、第1及び第4気筒の吸気バルブのリフト特性を、図14(B)は、第2及び第3気筒の吸気バルブのリフト特性を、図14(C)は、第1及び第4気筒の排気バルブのリフト特性を、図14(D)は、第2及び第3気筒の排気バルブのリフト特性を、図14(E)は、エンジン回転数NEの変化を、図14(F)は、噴射信号及び点火時期を、それぞれ示す図である。
時刻t0においてクランキングが開始された後、時刻t10において、エンジン回転数NEが所定値NE2に達する。この所定値NE2は、点火許可回転数NE1よりも小さい値であり、1つのモータにより2気筒の吸気バルブ遅閉じ制御を行うことが可能である限界の回転数である。従って、エンジン回転数NEが所定値NE2を超えてもなお吸気バルブ遅閉じ制御を継続すると、吸気バルブ開弁時期が目標時期(上死点)よりも遅れる事態が生じ得る。かかる事態を回避すべく、時刻t10の直後に吸気行程のある第2気筒#2では、吸気バルブが小リフト及び早閉じとされる。なお、図14(C),(D)に示すように、排気バルブ46の開弁特性は通常時の開弁特性とされる。具体的には、排気バルブ開弁時期は膨張行程の後半(つまり、下死点の近く)とされ、閉弁時期は上死点付近とされている。
その後、時刻t1において、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1に達すると、燃料噴射及び点火が可能となる。その後、時刻t2において、初爆が行われる第1気筒#1の吸気バルブ開弁特性と燃料噴射量とが算出される。
本実施の形態3では、クランキング開始後からエンジン回転数NEが所定値NE2に達する前に吸気行程及び圧縮行程がある気筒については、上記実施の形態1,2と同様に、吸気バルブ遅閉じによるデコンプを行う。エンジン回転数NEが所定値NE2に達した後で点火許可回転数NE1に達する前に吸気行程及び圧縮行程がある気筒については、吸気バルブ小リフト/早閉じによるデコンプに切り替える。このように、クランキング中にエンジン回転数NEに応じてデコンプの手法を切り替えることで、可変動弁機構50Aのモータ62,66の能力を超えることなく、吸気バルブ51を所望の時期に開弁することができる。従って、負圧に起因する振動を確実に低減することができる。
[実施の形態3における具体的処理]
図15は、本実施の形態3において、ECU70が実行するエンジン始動時の制御を示すフローチャートである。
図15に示すフローによれば、先ず、エンジン回転数NEを取得する(ステップ124)。次に、クランキング中であるか否かを判断する(ステップ126)。このステップ126では、例えば、上記ステップ124で取得されたエンジン回転数NEが点火許可回転数NE1よりも小さい場合に、クランキング中であると判別することができる。
上記ステップ126でクランキング中であると判別された場合には、上記ステップ124で取得されたエンジン回転数NEが所定値NE2よりも小さいか否かを判別する(ステップ128)。このステップ128では、1つのモータを用いて2気筒の吸気バルブ遅閉じ制御を行うことが可能であるか否かが判別される。このステップ128でエンジン回転数NEが所定値NE2よりも小さいと判別された場合には、1つのモータを用いて2気筒の吸気バルブ遅閉じ制御を行うことが可能であると判断される。この場合、吸気バルブ遅閉じによるデコンプを行う(ステップ104)。このステップ104において、吸気バルブ閉弁時期を、例えば、通常時のABDC105°よりも上死点側のABDC135°付近とすることができる。
一方、エンジン回転数NEが所定値NE2以上であると判別された場合には、1つのモータを用いて2気筒の吸気バルブ遅閉じ制御を行うことができないと判断される。すなわち、モータを共用する一気筒の吸気バルブ閉弁時期から他気筒の吸気バルブ開弁時期までの時間が、モータの能力により定まる所定時間よりも短いと判断される。この場合、吸気バルブ小リフト/早閉じによるデコンプに切り替える(ステップ130)。
以上説明したように、図15に示すルーチンによれば、エンジン回転数NEが所定値NE2よりも小さい場合には、吸気バルブ遅閉じによるデコンプが実行される。そして、エンジン回転数NEが所定値NE2以上で点火許可回転数NE1よりも小さい場合には、吸気バルブ小リフト/早閉じによるデコンプに切り替えられる。可変動弁機構50Aのモータ62,66の能力を超えることなく、吸気バルブ51を所望の時期に確実に開弁することができるため、負圧に起因する振動を確実に低減することができる。
ところで、図14に示す例では、初爆以後も吸気バルブが小リフト/早閉じにされているが、冷却水温Twが低い場合やエンジン要求トルクが高い場合には、上記実施の形態1,2と同様に、初爆気筒である第1気筒#1の吸気バルブを大リフトかつ閉弁時期を下死点付近にしてもよい。この場合、吸気量を増大させることができるため、始動性を向上させることができる。
尚、本実施の形態3においては、ECU70が、ステップ130の処理を実行することにより第2の発明における「減圧手段」が実現されている。
実施の形態4.
次に、図16及び図17を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態4のシステムは、図1〜図3、図5及び図6に示すハードウェア構成を用いて、ECU70に、後述する図15に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態4の特徴]
上記実施の形態3では、エンジン回転数NEが所定値NE2以上で点火許可回転数NE1よりも小さい場合には、吸気バルブ小リフト/早閉じによるデコンプが行われる。このとき、図14(C),(D)に示すように、排気バルブ開弁特性は通常時と同じ開弁特性にされている。すなわち、排気バルブ開弁時期は膨張行程後半部(例えば、下死点の近くのBBDC45°)にされている。
これに対して、本実施の形態4では、クランキング中の排気バルブ開弁時期が膨張行程前半部(例えば、BBDC135°)にされる。これにより、膨張行程での筒内負圧を更に低減することができ、エンジン始動時の振動を更に低減することができる。
図16は、本実施の形態4において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。具体的には、図16(A)は、第1及び第4気筒の吸気バルブのリフト特性を、図16(B)は、第2及び第3気筒の吸気バルブのリフト特性を、図16(C)は、第1及び第4気筒の排気バルブのリフト特性を、図16(D)は、第2及び第3気筒の排気バルブのリフト特性を、図16(E)は、エンジン回転数NEの変化を、図16(F)は、噴射信号及び点火時期を、それぞれ示す図である。
時刻t0においてクランキングが開始されると、上記実施の形態3と同様に、エンジン回転数NEが所定値NE2に達する前に吸気行程及び圧縮行程がある気筒については、吸気バルブ遅閉じによるデコンプが行われる。そして、エンジン回転数NEが所定値NE2に達した後で点火許可回転数NE1に達する前に吸気行程及び圧縮行程がある気筒については、吸気バルブ小リフト/早閉じによるデコンプが行われる。
上記実施の形態3と異なり、本実施の形態4では、図16(C),(D)に示すように、クランキング中の排気バルブ開弁時期が膨張行程の前半部にされる。すなわち、デコンプ時に、排気バルブ早開きが行われる。これにより、膨張行程において筒内で発生する負圧を低減することができるため、エンジン始動時の振動を更に低減することが可能である。
[実施の形態4における具体的処理]
図17は、本実施の形態4において、ECU70が実行するエンジン始動時の制御を示すフローチャートである。
図17に示すフローによれば、先ず、上記実施の形態3と同様に、エンジン回転数NEを取得し(ステップ124)、クランキング中であるか否かを判断する(ステップ126)。ステップ126でクランキング中であると判別された場合には、上記ステップ124で取得されたエンジン回転数NEが所定値NE2よりも小さいか否かを判別する(ステップ128)。このステップ128でエンジン回転数NEが所定値NE2よりも小さいと判別された場合には、吸気バルブ遅閉じと排気バルブ早開きとによるデコンプを行う(ステップ132)。このステップ132において、吸気バルブ閉弁時期を、例えば、通常時のABDC105°よりも上死点側のABDC135°付近とすることができる。さらに、排気バルブ開弁時期を、例えば、通常時のBBDC45°よりも早いBBDC135°とすることができる。その後、本ルーチンは一旦終了する。
その後、本ルーチンが起動され、上記ステップ124及び126の処理を再び実行し、上記ステップ128でエンジン回転数NEが所定値NE2以上であると判別されると、ステップ134の処理に移行する。このステップ134では、排気バルブ早開きのままで、吸気バルブを小リフト/早閉じにするデコンプに切り替えられる。その後、本ルーチンは一旦終了する。
その後、本ルーチンが起動され、上記ステップ124の処理を再び実行し、上記ステップ126でクランキング中ではないと判別された場合、すなわち、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1以上であると判別された場合には、排気バルブ開弁時期を通常時の開弁時期(膨張行程の後半部)に変更する(ステップ136)。
以上説明したように、図17に示すルーチンによれば、エンジン回転数NEが点火許可回転数NE1よりも小さい場合であるデコンプ時において、排気バルブの開弁時期を膨張行程の前半部(早開き)にされる。これにより、膨張行程において発生する負圧をより低減することができるため、エンジン始動時の振動を更に抑制することができる。
ところで、本実施の形態4において、排気バルブ早開き時の排気バルブ開弁時期の一例としてBBDC45°を挙げているが、この値は代表値であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してもよい。
尚、本実施の形態4においては、ECU70が、ステップ132又は134の処理を実行することにより第4の発明における「負圧低減手段」が、実現されている。
実施の形態5.
次に、図18から図20を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態5のシステムは、図1〜図3、図5及び図6に示すハードウェア構成を用いて、ECU70に、後述する図20に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態5の特徴]
上記実施の形態1〜4においては、エンジン停止時におけるバルブ位置制御については説明していない。実施の形態1の図8等に示す例においては、吸気バルブ51はリフト途中の状態でエンジンが停止され、リフト途中の状態からクランキングが開始されている。
このように吸気バルブ51がリフト途中であるときの吸気カム54の位置は不安定である。よって、モータ62への保持電流を切ると、吸気カム54が動いてしまい、正確な位置決めを行うことができなくなる。このため、この不安定な吸気カム54の位置を維持するためには、エンジン停止後もモータ62に保持電流を供給し続ける必要がある。しかし、保持電流を継続して供給することは、消費電力の増大を招来するため好ましくない。
また、吸気バルブ51をリフト途中ではなく閉弁した状態でエンジンを停止すると、エンジン始動と同時に吸気及び圧縮気筒の吸気バルブ51を大きくリフトさせる必要があり、リフトするまでに時間を要するため、応答性が低下してしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態5においては、エンジン停止要求があると、吸気及び圧縮気筒の吸気バルブ51を最大リフト位置で開放させた後、エンジン1を停止させる。吸気バルブ51が最大リフト位置で開放されているときの吸気カム54の位置は安定位置である。よって、モータ62に保持電流を供給し続けなくても、吸気カム54の位置は変化しないため、消費電力の低減を図ることができる。
さらに、エンジン始動時において、吸気及び圧縮気筒の吸気バルブ51は最大リフト位置にあるため、デコンプを実行するためクランキング開始と同時に吸気バルブ51を大きくリフトさせる必要はない。よって、クランキング開始直後の吸気及び圧縮気筒においても、リフト遅れはなく確実にデコンプを実行することができ、確実に振動を抑制することができる。
図18は、本実施の形態5において、エンジン停止時の吸気カムの制御を説明するためのタイミングチャートである。具体的には、図18(A)は、第1気筒#1の行程を、図18(B)は、クランク角を、図18(C)は、第1気筒#1の吸気カム54の角度(以下「吸気カム角度」という。)を、それぞれ示す図である。なお、図18(C)において、第1気筒#1と第4気筒#4の吸気バルブ51が共に閉弁状態にあるときの吸気カム角度を0°としている。図18は揺動駆動モードで吸気カム54を駆動させているため、第1気筒#1の吸気バルブ51が最大リフト位置になるときの吸気カム角度は90°である。
時刻t11において、エンジン停止要求(例えば、ブレーキペダルON操作やアクセルペダルOFF操作等)が検出される。このとき、第1気筒#1は圧縮行程にある。よって、吸気カム角を90°の位置にすべく、すなわち、第1気筒#1の吸気バルブ51を最大リフト位置に動かすべく、第1のモータ62を駆動する。
なお、図示しないが、時刻t11において、第3気筒#3は吸気行程にある。よって、第3気筒用の吸気カム角を90°の位置にすべく、すなわち、第3気筒#3の吸気バルブ51を最大リフト位置に動かすべく、第2のモータ66を駆動する。
時刻t12において、吸気カム角が90°の位置になると、第1のモータ62への通電を停止すると共に、エンジンを停止する。第1気筒#1の吸気バルブ51が最大リフト位置にあるときの吸気カム54の位置は安定位置である。よって、第1のモータ62への通電を停止しても、第1気筒#1の吸気バルブ51は最大リフト位置のまま動かない。このため、モータ62,66の消費電力を節減することが可能になる。このように第1気筒#1の吸気バルブ51が最大リフト位置で開放された状態で、エンジンが停止される。
その後、時刻t13において、エンジン始動要求(例えば、イグニッションキーON操作や停車状態でのブレーキOFF操作)が検出される。このとき、第1気筒#1の吸気バルブ51は最大リフト位置で開放されている。そして、第1のモータ62への通電が再開され、図18(C)に示すように徐々に吸気カム角が90°よりも大きくされる。
図19は、本実施の形態5において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。具体的には、図19(A)は、第1及び第4気筒の吸気バルブのリフト特性を、図19(B)は、第2及び第3気筒の吸気バルブのリフト特性を、図19(C)は、エンジン回転数NEの変化を、図19(D)は、噴射信号及び点火時期を、それぞれ示す図である。
上述したように、時刻t0のクランキング開始時において、圧縮行程にある第1気筒#1と、吸気行程にある第3気筒#3の吸気バルブ51は最大リフト位置で開放されている。よって、クランキング開始と同時にリフトさせる必要がなく、クランキング開始時の吸気気筒及び圧縮行程において吸気バルブ51のリフト遅れを回避することができる。
そして、上記実施の形態3,4と同様に、時刻t10でエンジン回転数NEが所定値NEに達するまで、吸気気筒及び圧縮行程では吸気バルブ遅閉じによるデコンプが行われる。そして、エンジン回転数NEが所定値NE2に達した後で点火許可回転数NE1に達する前に吸気行程及び圧縮行程がある気筒については、吸気バルブ小リフト/早閉じによるデコンプが行われる。
[実施の形態5における具体的処理]
図20は、本実施の形態5において、ECU70が実行するエンジン停止時及び始動時の制御を示すフローチャートである。
図20に示すフローによれば、先ず、エンジン停止要求があるか否かを判別する(ステップ140)。ここで、ECU70は、例えば、ブレーキペダルON操作があれば、エンジン停止要求があると判別することができる。次に、クランク角に基づき、各気筒の行程を把握する(ステップ142)。そして、モータ62,66への通電を継続して、圧縮気筒及び吸気気筒の吸気バルブ51を最大リフト位置で停止させる(ステップ144)。図18に示す例では、圧縮気筒である第1気筒#1の吸気バルブ51が最大リフト位置になるよう、モータ62により吸気カム角度が90°にされている。その後、モータ62,66への通電をOFFすると共に、エンジンを停止する(ステップ146)。この通電OFFによっても、吸気気筒及び圧縮気筒の吸気バルブ51は最大リフト位置で開放されたまま動かない。
次に、エンジン始動要求があるか否かを判別する(ステップ148)。ここで、ECU70は、例えば、ブレーキペダルOFF操作があれば、エンジン始動要求があると判別することができる。このステップ148でエンジン始動要求があると判別された場合には、上記実施の形態1−4で説明したようにエンジン回転数NEに応じたデコンプを実行する(ステップ104)。
以上説明したように、図20に示すルーチンによれば、エンジン停止要求が検出された場合には、エンジンを停止する前に、モータ62,66により吸気気筒及び圧縮気筒の吸気バルブ51を最大リフト位置にした後、モータ62,66への通電をOFFエンジンが停止される。これにより、エンジン停止時にモータ62,66への保持電流を継続して供給する必要がなく、バッテリの消費電力を抑えることができる。また、クランキング開始時において吸気気筒及び圧縮気筒の吸気バルブ51は最大リフト位置にされているため、吸気バルブ51のリフト遅れを防止することができ、確実に振動低減を図ることができる。
ところで、図18に示す例では、正転駆動モードで吸気カムを駆動する場合について説明したが、本発明は揺動駆動モードで吸気カムを駆動する場合にも適用することができる。図21は、本実施の形態5の変形例において、エンジン停止時の吸気カムの制御を説明するためのタイミングチャートである。図21に示す例においても、時刻t11において、エンジン停止要求があると、第1気筒の吸気バルブが最大リフト位置になるように、第1のモータ62により吸気カム64を動かす。そして、時刻t12において、吸気カム角が90°に達すると、第1のモータ62への通電をOFFにすると共に、エンジンを停止する。本変形例によっても、上記実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
尚、本実施の形態5においては、ECU70が、ステップ144及び146の処理を実行することにより第3の発明における「停止手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1によるシステムの概略構成を説明するための図である。 図1に示したハイブリッド車両システムにおける駆動機構の要部構成を示す斜視図である。 図1に示したエンジン1の構成を説明するための図である。 エンジン始動時の動力分配機構4の動作を説明するための共線図である。 図3に示した可変動弁機構50Aの構成を示す斜視図である。 図5に示した第1のカム軸58をその軸方向から見た図である。 図5に示した可変動弁機構50Aにより実現されるバルブ開弁特性の変更の例を示す図である。 本発明の実施の形態1において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において、ECU70が実行するエンジン始動時の制御を示すフローチャートである。 本実施の形態1の変形例によるアイドリングストップシステムを示す図である。 本発明の実施の形態2において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2において、ECU70が実行するエンジン始動時の制御を示すフローチャートである。 エンジン回転数NEと吸気バルブの遅閉じ限界との関係を示す図である。 本発明の実施の形態3において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3において、ECU70が実行するエンジン始動時の制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態4において、ECU70が実行するエンジン始動時の制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5において、エンジン停止時の吸気カムの制御を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態5において、エンジン始動時の制御を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態5において、ECU70が実行するエンジン停止時及び始動時の制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5の変形例において、エンジン停止時の吸気カムの制御を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 気筒
3 クランク軸
3A クランク角センサ
4 動力分配機構
6 ジェネレータ
8 減速機
10 モータ
15 インバータ
16 昇圧コンバータ
17 バッテリ
34 冷却水温センサ
36 燃焼室
37 点火プラグ
38 吸気ポート
39 インジェクタ
41 スロットルバルブ
41A スロットル開度センサ
43 可変動弁機構
44 エアフロメータ
46 排気バルブ
50A,50B 可変動弁機構
51 吸気バルブ
54 吸気カム(#1)
62 第1のモータ
64 吸気カム
66 第2のモータ
70 ECU

Claims (4)

  1. 内燃機関の気筒毎に設けられた吸気バルブと、
    前記吸気バルブの開弁特性を変更可能な可変動弁機構と、
    クランキング時に、前記可変動弁機構を用いて吸気バルブ閉弁時期を上死点付近にすることで圧縮圧力を減圧する減圧手段と、
    前記減圧手段により減圧を実行した後、前記内燃機関の冷却水温が所定値よりも低い場合、又は、前記内燃機関の要求トルクが所定値よりも高い場合に、初爆が行われる気筒の吸気バルブ閉弁時期を前記可変動弁機構を用いて下死点付近に変更する初爆制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記可変動弁機構は、少なくとも2以上の気筒の吸気カムを駆動することで該2以上の気筒の吸気バルブの開弁特性を制御する電動機を有し、
    前記減圧手段は、一気筒の吸気バルブの閉弁時期から該一気筒と前記電動機を共用する他気筒の吸気バルブの開弁時期までの時間が所定時間よりも短い場合に、前記可変動弁機構を用いて前記吸気バルブの作用角及びリフト量を小さくすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
    エンジン停止要求を取得した場合、該取得時に吸気行程及び圧縮行程のある気筒の吸気バルブを前記電動機を用いて最大リフト位置にした後、該電動機への通電を停止すると共にエンジンを停止する停止手段を更に備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の内燃機関の制御装置において、
    前記気筒毎に設けられた排気バルブと、
    前記排気バルブの開弁特性を変更可能な第2可変動弁機構と、
    前記減圧手段により減圧を実行する際、前記第2可変動弁機構を用いて排気バルブ開弁時期を膨張行程の前半部にすることで、筒内で生じる負圧を低減する負圧低減手段とを更に備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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