JP4200712B2 - 内燃機関の可変動弁機構制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構制御装置 Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の可変動弁機構制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機関吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁を備えた機関では、機関の高温状態からの始動時に、気筒に充分な燃料が供給されずアイドル回転数が不安定になったりエンジンストールが生じる場合があることが知られている。
【0003】
通常、機関始動時には機関は無負荷で運転され、吸気通路のスロットル弁は吸入空気量を絞るために全閉とされる。このため、機関始動時には機関の各気筒の吸気ポートには大きな負圧が発生し圧力が低下する。
【0004】
ところが、高温状態で機関が始動されるような場合には、停止中に燃料噴射弁内に滞留して周囲から熱を受けて高温になった燃料が燃料噴射弁から噴射される。この高温になった燃料は、機関始動前(すなわち燃料噴射弁閉弁時)には燃料噴射圧力まで加圧されているため燃料噴射弁内での沸騰は生じない。
【0005】
しかし、機関高温始動時に燃料噴射のために燃料噴射弁が開弁すると燃料噴射弁の噴射孔近傍の圧力は急激に低下する。この場合、噴射孔近傍の燃料圧力が燃料蒸気圧以下に低下すると、噴射孔近傍で燃料が瞬間的に蒸発して気泡を発生する、いわゆる減圧沸騰が生じる。
【0006】
燃料噴射弁内で減圧沸騰が生じると、燃料中に多量の気泡が混入するため燃料噴射弁開弁時間が同じでも、実際に吸気ポートに噴射される燃料量が実質的に低下してしまう。このため、燃料噴射弁内で燃料の減圧沸騰が生じると、機関の燃焼空燃比がリーンになり機関の燃焼が不安定になり、アイドル回転数が安定しないラフアイドル等の問題が生じるのである。
【0007】
燃料噴射弁内での減圧沸騰の発生を防止するためには、吸気ポートの圧力を上昇させることが有効である。通常機関始動時には機関は無負荷(アイドル)状態で運転されるため、スロットル弁は全閉とされ吸気ポート圧力は大気圧より低下して高温の燃料の蒸気圧よりかなり低くなっているが、吸気ポート圧力を、例えば大気圧近傍まで上昇させると、高温始動時にも燃料噴射弁での減圧沸騰は発生しなくなる。
このため、機関高温始動時に吸気ポート圧力を上昇させてラフアイドルを防止するようにした制御装置が考案されている。
【0008】
この種の制御装置の例とはしては、例えば特開平8−200125号に記載されたものがある。
同公報の装置は、アイドル回転数制御装置を備えた機関に関するものであり、機関高温始動時に所定の期間、機関により駆動される負荷を(例えば機械式過給機を)作動させる。駆動負荷が増大すると機関アイドル回転数が低下するため、アイドル回転数制御装置はアイドル制御弁を開弁し、機関の吸入空気量を増大する。これにより、高温始動時には吸気ポート圧力が増大するようになり、機関アイドル回転数を設定回転数に維持しながら、燃料噴射弁での減圧沸騰によるラフアイドル等の発生が防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関においては、吸気弁や排気弁のバルブ開弁特性値(バルブ開閉タイミング、開弁期間、バルブリフト量など)を変化させる可変動弁機構が知られている。しかし、従来、このような可変動弁機構を備えた機関では、可変動弁機構を利用して高温始動時のラフアイドル等の問題を解決しようとする試みはなされておらず、可変動弁機構が充分に活用されているとは言い難い問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み可変動弁機構の特性を利用して機関高温始動時のラフアイドル等の問題を防止することができる内燃機関の可変動弁機構の制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、オクタン価吸気弁または排気弁のバルブ開弁特性値を変化させる内燃機関の可変動弁機構の制御装置であって、機関高温始動時には、吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブ開弁特性値を変化させて燃料噴射弁における燃料の減圧沸騰を防止可能な圧力まで吸気通路圧力を上昇させる内燃機関の可変動弁機構制御装置が提供される。
【0011】
すなわち、請求項1の発明では、可変動弁機構を用いて吸気弁または排気弁のいずれか一方の開弁特性値を変化させることにより吸気通路圧力を上昇させるため、可変動弁機構を利用してラフアイドル等の問題を解決することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、更に、機関高温始動時には、吸気通路に配置したスロットル弁開度を増大するとともに、吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブ開弁特性値を変化させて吸気通路圧力を上昇させる請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置が提供される。
【0013】
すなわち、請求項2の発明では、機関には吸気弁または排気弁のバルブ開弁特性を変更可能な可変動弁機構が備えられている。例えば、バルブ開閉タイミング、開弁期間、バルブリフト量などのバルブ開弁特性値は気筒内に吸入される空気量に密接に関連しており、これらのバルブ開弁特性値のうち一つ以上を変化させることにより吸入空気量を変化させることができる。
このため、可変動弁機構により吸気弁または排気弁のバルブ開弁特性値を変化させることにより機関吸入空気量を変化させれば、吸気絞り(スロットル弁)を用いることなく吸入空気量を制御する、いわゆるノンスロットル運転を行うことができる。
【0014】
本発明では、機関高温始動時にスロットル弁開度を増大(例えば全開に維持)しながら上記ノンスロットル運転を行う。このため、吸気ポートには負圧は発生せず略大気圧近傍の圧力を維持することができる。
【0015】
なお、本発明の可変動弁機構としてはバルブ開弁特性値を変更できるものであればどのような形式のものも使用可能であり、例えばそれぞれの弁に個別の電磁アクチュエータを備え、各弁の開弁時期、閉弁時期を個別に設定できる電磁駆動弁等も使用することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、前記バルブ開弁特性値として吸気弁の閉弁時期を変化させ、吸気弁閉弁時期を気筒吸気行程下死点より進角させる、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置が提供される。
【0017】
すなわち、請求項3の発明ではバルブ開弁特性値として吸気弁の閉弁時期を制御する。吸気弁は、通常吸気行程上死点近傍で開弁し下死点後に閉弁する。しかし、吸気弁の開弁時期を固定したままで閉弁時期を進角させれば吸気弁の開弁期間が短縮され気筒内に流入する空気量が低下する。
【0018】
本発明では、吸気弁の閉弁時期を進角させることにより気筒内に流入する空気量を調量する。実際の閉弁時期の進角量は機関の形式等により異なるが、例えばスロットル弁開度を全開に維持した場合には、吸気ポート圧力はほぼ大気圧になるが、この状態で吸気弁の開弁期間の短縮のみでアイドル回転数を維持するためには閉弁時期を下死点よりかなり進角させ、吸気行程上死点近傍でのみ吸気弁が開弁するようにすることが好ましい。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、前記バルブ開弁特性値として排気弁の開弁時期を変化させ、前記吸気通路圧力上昇時に排気弁開弁時期を排気行程下死点より遅角させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置が提供される。
【0020】
すなわち、請求項4の発明ではバルブ特性値として排気弁の開弁時期を用い、排気弁開弁時期を排気行程下死点より遅角させる。通常排気弁は排気行程下死点直前に開弁し上死点近傍で閉弁する。排気弁開弁時期を排気行程下死点より遅角させると、ピストンの上昇開始後も排気弁が閉弁しているため筒内の既燃ガスがピストンにより圧縮される。このため排気行程初期には気筒の圧縮仕事が増大し、機関の出力トルクが減少する。これにより、吸気ポート圧力の上昇により機関吸入空気量が増大した場合でも出力トルクの増大が抑制され、機関回転数の過度の上昇が防止される。
【0021】
なお、排気弁の開弁時期の遅角による出力トルク抑制は、例えば吸気弁の閉弁時期進角による吸入空気量の調量で充分に吸入空気量を低減できない場合に併用すると、ラフアイドル防止に特に効果がある。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、吸気通路に配置されたスロットル弁と、該スロットル弁下流側の吸気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えた内燃機関の、吸気弁または排気弁のバルブ開弁特性値を変化させる可変動弁機構の制御装置であって、機関高温始動時には、吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブ開弁特性値を変化させて前記スロットル弁下流側の吸気通路圧力を燃料噴射弁における燃料の減圧沸騰を防止可能な圧力まで上昇させる、内燃機関の可変動弁機構が提供される。
【0023】
すなわち、請求項5に記載の発明では、機関高温始動時に、スロットル弁下流側に燃料を噴射する燃料噴射弁に減圧沸騰が生じラフアイドル等の問題が発生することを、可変動弁機構を利用して防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、前記機関高温始動時は、燃料の減圧沸騰が生じる可能性がある高温での機関始動時である、請求項1または5に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置が提供される
請求項7に記載の発明によれば、前記吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブ開弁特性値を変化させて吸気通路圧力を上昇させる操作を、燃料の減圧沸騰が生じる可能性がある高温での機関始動から所定時間が経過するまでの間行う、請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を車両用4気筒ガソリン機関に適用した場合の実施形態の概略構成を説明する図である。
【0025】
図1において、1は機関本体、3は機関1の吸気通路、3aは各気筒の吸気ポートに吸気マニホルド4a〜4dを介して接続されるサージタンクを示す。
吸気通路3上には、吸気通路3を流れる吸気量を制御するスロットル弁7が設けられている。本実施形態では、スロットル弁7はステッパモータなどの独立したアクチュエータ7aを備え、運転者のアクセルペダル(図示せず)操作量とは無関係に作動可能な、いわゆる電子制御スロットル弁とされている。
【0026】
吸気マニホルド4a〜4d上には、各気筒の吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁9a〜9dが設けられている。
図1に5aで示すのは、機関の排気通路5を各気筒の排気ポートに接続する排気マニホルドである。
【0027】
図1に11a〜11dで示すのは、各気筒に設けられた吸気弁、13aから13dで示すのは排気弁である。本実施形態では、吸気弁11a〜11d(以下吸気弁11と総称する)及び排気弁13a〜13d(以下、排気弁13と総称する)はそれぞれ個別の電磁アクチュエータにより駆動され、開閉時期を自由に設定可能な電磁駆動弁とされている。電磁駆動弁については後に詳述する。
【0028】
図1に30で示すのは、機関1の電子制御ユニット(ECU)である。本実施形態では、ECU30はRAM、ROM、CPUを双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとされ、機関1の点火時期、燃料噴射量、噴射時期などを制御する基本制御の他、本実施形態では後述する高温始動時の可変動弁機構制御操作を行う。
【0029】
これらの制御のため、ECU30の出力ポートは駆動回路17を介して、スロットル弁7のアクチュエータ7aに接続され、スロットル弁開度を制御している。本実施形態では、ECU30は後述するアクセル開度センサ33で検出したアクセル開度と機関回転数とを用いて予め定めた関係に基づいてスロットル弁開度を決定し、アクチュエータ7aを駆動してスロットル弁開度を制御する。また、ECU30の出力ポートは燃料噴射回路19を介して各燃料噴射弁9aから9dに接続され、各燃料噴射弁からの燃料噴射量と噴射時期とを制御している他、駆動回路15を介して各気筒の吸気弁11と排気弁13とに接続され、各弁の開閉動作を制御している。
【0030】
また、ECU30の入力ポートには、機関1の排気通路5に配置された、排気の空燃比(すなわち、機関の燃焼空燃比)を検出する空燃比センサ31の出力が図示しないADコンバータを介して入力されている他、アクセルペダル(図示せず)近傍に設けられたアクセル開度センサ33から運転者のアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)が、それぞれ図示しないADコンバータを介して入力されている。
【0031】
図1に35で示すのはクランク角センサである。クランク角センサ35はクランク軸近傍に配置され、クランク軸の所定の基準回転位置(例えば特定の気筒の圧縮上死点)毎に基準パルスと、クランク軸一定回転角毎にクランク回転角パルスとを発生する。ECU30は、クランク角センサ30から入力するクランク回転角パルス信号の周波数からクランク回転速度(回転数)を算出し、基準パルス入力後のクランク回転角パルスの数に基づいて現在のクランク軸の回転位置(クランク角)を算出する。
【0032】
更に、ECU30の入力ポートには、スロットル弁7の近傍に設けられたスロットル開度センサ37から実際のスロットル弁開度に対応する信号と、機関冷却水通路に設けられた冷却水温度センサ39から機関冷却水温度に対応する信号とが、それぞれ図示しないAD変換器を介して入力されている。
【0033】
次に、本発明の始動時制御について説明する。
通常、機関始動時には吸気ポート壁面に付着して燃焼室に供給されない燃料などを考慮して、機関燃焼空燃比がリッチになるように始動時燃料噴射量が設定される。
ところが、機関が前回停止してから短時間で再始動されるような場合には機関温度がかなり高い状態で始動が行われる。この場合、機関停止中に燃料噴射弁内や機関に近接した燃料配管中に滞留していた燃料は、機関の熱を受けて高温になり、燃料の蒸気圧も温度に応じて増大している。この状態で、燃料噴射弁が開弁して燃料噴射が行われると燃料噴射弁内の噴射孔近傍の燃料圧力は急激に低下する。この燃料噴射時の噴孔付近の燃料圧力は、吸気ポートの圧力が低いほど低くなり、燃料の蒸気圧より燃料圧力が低下すると噴孔付近で燃料が急激に沸騰する減圧沸騰が生じる。
【0034】
通常、機関始動時または始動後のアイドル運転ではスロットル弁は全閉状態に維持されるため、吸気ポート圧力は大気圧以下に低下する。機関の冷間始動時には、燃料温度が低く燃料の蒸気圧も低いため、吸気ポート圧力が低下しても減圧沸騰は生じない。しかし、機関の高温始動時には燃料温度が高く蒸気圧も増大しているため、吸気ポート圧力が低下すると燃料噴射弁噴孔付近で減圧沸騰が生じ、燃料噴射弁から多量の気泡が混入した燃料が噴射されることとなる。
【0035】
このため、減圧沸騰が生じた場合には、燃料噴射弁の噴射時間が同一であっても混入した気泡の量だけ実際に噴射される燃料の量は低下してしまい、始動時、或いは始動後のアイドル運転時に機関の燃焼空燃比がリーンになる。このため、機関高温始動時には燃焼が安定せずアイドル回転数が変動したり、極端な場合にはエンジンストールが発生する、いわゆるラフアイドルが生じるのである。
【0036】
本実施形態では、電磁駆動弁11a〜11d、13a〜13dからなる可変動弁機構が備えられており、この可変動弁機構を用いて後述する方法でラフアイドルの発生を防止する。
【0037】
次に図2を用いて本実施形態の電磁駆動弁の構造について説明する。
図2は、電磁駆動弁の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
図2、符号10は電磁駆動弁の全体を示す。本実施形態では、内燃機関の各気筒の吸気弁と排気弁との両方が、それぞれ図2に示した形式の電磁駆動弁を備えている。
【0038】
図2において、54は内燃機関の吸気弁(または排気弁)の弁体、54aは弁軸を示している。弁軸54a上部には磁性体からなる円盤状のアーマチュア53が固定されている。また、アーマチュア53の両側には、それぞれアーマチュア53に所定のクリアランスを開けて対向する電磁アクチュエータ51、52が配置されている。電磁アクチュエータ51、52は、それぞれ電磁コイル51a、52aとコア51b、52bとを備えており、電磁コイル51a、52aに通電することによりアーマチュア53を吸引し、弁54に開閉動作を行なわせる。図2の例では、電磁アクチュエータ51は閉弁動作用、電磁アクチュエータ52は開弁動作用としてそれぞれ機能する。
【0039】
また、電磁アクチュエータ51、52及び弁体54とアーマチュア53とを収容するケーシング57には、アーマチュア53を互いに対向する方向に押圧付勢するスプリング55、56が設けられている。機関停止時などで電磁アクチュエータ51と52とのいずれにも通電が行なわれていない場合には、スプリング55と56との付勢力により、弁体54は全開位置と全閉位置との中間に保持される。
【0040】
本実施形態では、ECU30は各気筒の行程サイクルに応じて予め定めたクランク角毎に、駆動回路15を通じて各気筒の電磁駆動弁10の閉弁用アクチュエータ51と開弁用アクチュエータ52とに交互に通電を行なう。これにより、各気筒の吸気弁及び排気弁が定められたバルブタイミングで開閉駆動される。
【0041】
図2において、61aは、弁体54の弁軸上部に取り付けた円板状のリフト検出用ターゲット、61は電磁駆動弁10ハウジング上部にターゲット61aに対向する位置に配置されたリフトセンサである。リフトセンサ61は、例えば渦電流式変位センサからなり、ターゲット61aの変位、すなわち弁体54のリフト量に対応した電圧信号をECU30に供給している。
【0042】
ECU30は、各電磁駆動弁10のアクチュエータへの通電タイミングと期間とを制御することにより、機関運転状態に応じて機関各気筒の吸排気弁のバルブタイミングと開弁時間とを制御している他、機関高温始動時のラフアイドル防止のための高温始動時制御を行う。
【0043】
次に、本実施形態の可変動弁機構制御による高温始動時制御について説明する。
本実施形態では可変動弁機構として電磁駆動弁を使用しているため、吸排気弁の開閉時期を自由に設定することができる。本実施形態では、吸気弁11と排気弁13との開弁時期と閉弁時期とは、予め機関運転条件(機関回転数とアクセル開度と)に応じて最適な値が設定されており、ECU30のROMに機関回転数とアクセル開度とを用いた2次元数値テーブルとして格納されている。機関の運転中ECU30は、機関回転数とアクセル開度とに基づいてROMに格納した数値テーブルから最適な開閉時期を読み出して、吸気弁11と排気弁11との開閉タイミングを上記最適値に制御している。
【0044】
最適な吸排気弁の開閉タイミングは、例えば筒内残留既燃ガス(内部EGRガス)や吸気充填効率などを機関運転状態に応じて最適な状態に維持する目的で設定されており、通常は機関吸入空気量はスロットル弁7の開度を制御することより調節されている。
【0045】
図3は、通常のアイドル運転時の吸気弁の開閉タイミングを示す図である。
図3において、TDCは吸気行程上死点、BDCは吸気行程下死点を示している。通常の運転(高温始動時でない運転)時には、図3に実線で示すように、吸気弁は上死点TDC近傍で開弁し(図3、IO)、下死点BDCより後に閉弁する(図3、IC)。この通常バルブタイミングでは、吸気弁11は吸気行程のほぼ全体にわたって開弁しているため、吸入空気量を絞り回転数の上昇を抑制してアイドル回転数を維持するために、アイドル運転時にはスロットル弁7は略全閉に維持される。
このため、通常時には吸気ポート圧力は大気圧よりかなり低い状態になっており、高温始動時には前述したように燃料噴射弁中で燃料の減圧沸騰が生じやすくなっており、ラフアイドルなどが生じる原因となっている。
【0046】
本実施形態では、高温始動時にはスロットル弁7は全開状態に保持して吸気絞りによる吸入空気量の制御は行わず、その代わりに図3に点線で示すように吸気弁11の閉弁時期を下死点BDCより早い時期まで進角させることにより気筒内に吸入される空気量を制限する。進角量(図3、α)については、機関形式やバルブのサイズ、数などにより大きく異なってくるため詳細は実験により定めることが好ましいが、スロットル弁7を全開にして吸気ポートを略大気圧に維持したままでアイドル回転数の上昇を抑制するためには、かなり吸入空気量を絞る必要があり、図3にIC′で示したように吸気弁閉弁時期をかなり上死点近傍まで進角させて吸気弁の開弁期間を短縮する必要がある。
【0047】
このように、吸気弁の閉弁時期のみを下死点より早い時期に進角させたことにより、吸気弁は吸気上死点TDC近傍で短い期間だけ開弁することになるが、上死点近傍では、クランク角の変化に対するピストンの下降速度が小さいため吸気の筒内流入速度が比較的小さくなっている。このため、閉弁時期を進角させて上死点付近のみで吸気弁を開弁させることにより、効果的に吸入空気量を低減することができる。このように、スロットル弁7開度を増大して吸気ポート圧力を大気圧近傍まで上昇させながら、吸気弁閉弁時期の進角により吸入空気量を低減することにより、アイドル回転数の上昇を抑制しながら高温始動時の燃料の減圧沸騰によるラフアイドルの発生を防止することができる。
【0048】
なお、本実施形態では高温始動時にスロットル弁を全開に保持しているが、例えば、スロットル弁をある程度の開度まで閉弁したまま、或いは全閉にしたままの状態でも吸気弁の閉弁時期を進角させることにより気筒吸入空気量が低減されるため、通常のアイドル運転時よりは吸気ポート圧力が上昇する。このため、必ずしもスロットル弁を全開に保持しなくても高温始動時の燃料の減圧沸騰によるラフアイドルの発生を防止することができる。
【0049】
次に、排気弁13の高温始動時制御について説明する。
本実施形態では、上述したように吸気弁の閉弁時期を進角させることにより吸入空気量を低減しているが、機関の形式や吸気弁のサイズ、数などによっては吸気弁の閉弁時期の進角のみでは吸気ポートを大気圧近傍に維持しながら充分に吸入空気量を低減することができない場合もあり得る。このような場合には、上述の吸気弁閉弁時期の進角に加えて、スロットル弁7開度を全開より小さくして減圧沸騰が生じない範囲で吸気ポート圧力を下げるようにして吸入空気量を低下させるようにしてもよい。
しかし、吸気弁閉弁時期の進角とスロットル弁7開度の低減をおこなっても、アイドル回転数を維持しながら減圧沸騰を抑制可能な程度まで吸気ポート圧力を上昇させることができない場合には、上記吸気弁閉弁時期の進角に代えて、若しくは上記吸気弁閉弁時期の進角に加えて、以下に説明する排気弁の開弁時期の遅角を行うようにしても良い。
【0050】
図4は、通常アイドル運転時の排気弁開閉タイミングと本実施形態における高温始動時の排気弁開閉タイミングとを示す、図3と同様な図である。図4においてBDCは排気行程開始点である排気行程下死点、TDCは排気行程終了点(すなわち吸気行程開始点)である排気行程上死点(吸気行程上死点と同一)を示す。通常アイドル運転時には、排気弁13は図4に実線で示すように下死点BDCよりわずかに早い時期に開弁し(図4、EO)、上死点近傍で閉弁する(図4、EC)。
【0051】
これに対して、高温始動時には排気弁の開弁時期のみが、図4点線で示すようにBDCより遅い時期(図4、EO′)まで遅角される。下死点より遅い時期まで排気弁の閉弁を維持することにより、気筒内では既燃ガスがピストンの上昇により圧縮されることになり、圧縮仕事による出力損失が増大する。
【0052】
これにより、吸気ポート圧力を大気圧付近に維持した場合に吸入空気量を充分に低減できず気筒出力トルクが増大した場合でも、出力トルクの増大分を圧縮仕事による出力損失と相殺させることができるため、機関回転数の上昇を防止しアイドル回転数を維持したままで吸気ポート圧力を上昇させ、ラフアイドルの発生を防止することが可能となる。
【0053】
図5は、本実施形態の高温始動時制御操作を具体的に説明するフローチャートである。本操作は、ECU30により一定時間毎に繰り返し実行されるルーチンとして行われる。
図5の操作では、まずステップ501で機関が高温始動されたか否かが判定される。機関が高温始動されたか否かについての判断は、冷却水温度センサ39で検出した機関始動時の冷却水温度が所定値以上か否かで判定する。
【0054】
ステップ501で機関が高温始動されていない場合には、燃料の減圧沸騰によるラフアイドルが生じるおそれはないため、ステップ507に進み可変動弁機構(本実施形態では電磁駆動弁)の通常の制御を行う。可変動弁機構の通常の制御では、吸気弁と排気弁との開閉時期は図3、図4に実線で示した時期に設定され、スロットル弁は全閉に維持される。
【0055】
ステップ501で機関が高温始動された場合、すなわち機関始動時の冷却水温度が所定値以上であった場合には、次にステップ503で機関始動後所定時間が経過しているか否かが判定され、所定時間が経過していない場合にはステップ509に進み、上述した可変動弁機構を用いた高温時始動制御を行う。すなわち、この場合には、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングは図3、図4に点線で示した時期に設定され、スロットル弁7は全開に維持される。これにより、アイドル回転数を維持しながら吸気ポート圧力を大気圧近傍まで上昇するため、燃料の減圧沸騰によるラフアイドルが防止される。
【0056】
なお、本実施形態では所定時間が経過した場合(ステップ503)には、原則として可変動弁機構の高温始動時制御は終了し、通常の制御に復帰する(ステップ507)が、ステップ505で空燃比フィードバック補正係数FAFの値が所定値以上(例えば1.05)以上であった場合には、ステップ503で所定時間が経過していた場合でもステップ509の高温始動時制御を行う。
【0057】
すなわち、本実施形態では、機関高温始動後所定時間が経過するまでは可変動弁機構の高温始動時制御を行い、吸気ポートの圧力を大気圧付近に維持して燃料の減圧沸騰を防止するが、この場合、所定時間経過後可変動弁機構の高温始動時制御を終了したことにより燃料の減圧沸騰が発生しているか否かをステップ505で判断し、発生していると考えられる場合には再度ステップ509で可変動弁機構の高温始動時制御を再開する。
【0058】
前述したように、高温始動時の燃料の減圧沸騰は、機関停止中に燃料噴射弁や配管中に滞留して温度が上昇した燃料が低圧の吸気ポートに噴射されるために発生するが、燃料噴射弁近傍の高温の燃料が全て噴射されてタンクから供給された低温の燃料が燃料噴射弁から噴射されるようになれば減圧沸騰は生じない。
【0059】
本実施形態では、高温始動時には燃料噴射弁や配管中の高温燃料が全て噴射されたと判断できる程度の時間が経過したときには可変動弁機構の高温始動時制御を停止し、通常の制御に復帰するようにしているが、高温燃料が全て噴射されるまでの時間は種々の条件により変動するため、燃料の減圧沸騰が生じていると判断される場合には高温始動時制御停止後であっても直ちに高温始動時制御を再開するようにしている。
【0060】
図5ステップ505の空燃比フィードバック制御補正係数FAFは、機関1の排気空燃比センサ31の出力に基づいて算出される補正係数である。前述したように、本実施形態では機関の燃料噴射量(基本燃料噴射量)はECU30により、機関の運転状態(例えば機関回転数とアクセル開度)に基づいて予め定めた関係から設定される。本実施形態では、ECU30は空燃比センサ31の出力に基づいて排気空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)になるように上記の算出した基本燃料噴射量が補正される。例えば、空燃比センサ31で検出した空燃比が目標空燃比のβ倍であった場合には、目標空燃比に一致させるためには基本燃料噴射量はβ倍にする必要がある。この場合は空燃比補正係数FAFの値はβに設定され、実際の燃料噴射量は基本燃料噴射量に係数βを乗じた値とされる。
【0061】
いま、目標空燃比を理論空燃比とした場合、FAFの値が1より大きい場合には実際の空燃比は理論空燃比よりリーン側になっており、FAFの値が大きくなるほどリーンの度合いが大きくなる。前述したように、燃料の減圧沸騰が生じると、発生する気泡の分だけ実際に噴射される燃料の量が減少する。このため、減圧沸騰が生じると空燃比センサ31で検出した空燃比はリーンになり、ECU30により別途実行される空燃比制御では、目標空燃比を得るために空燃比フィードバック補正係数FAFは増大される。
【0062】
本実施形態では、図5ステップ505でFAFが所定値β(例えば1.05程度)に到達するまで増大した場合、すなわち実際の空燃比が目標空燃比のβ倍になった場合(例えば1.05倍までリーンになった場合)には燃料の減圧沸騰により燃料噴射量が低下していると判断し、可変動弁機構の高温始動時制御を再開するようにしている。
上述のように、図5の制御操作を実行することにより、可変動弁機構を用いてラフアイドル等の発生を防止することが可能となる。
【0063】
なお、上記の実施形態では可変動弁機構として、各弁に個別の電磁アクチュエータを備えた電磁駆動弁を使用した場合について説明したが、他の形式、例えば弁駆動用カムシャフトを有する可変動弁機構を用いた場合も同様な制御が可能である。
【0064】
例えば一例として、カム軸軸線方向に連続的にカムリフトが変化する3次元カムを用いて吸気弁を駆動し、カム軸を軸線方向に移動させることにより吸気弁のバルブリフト量を変化させる形式の可変動弁機構を使用した場合には、高温始動時にバルブリフト量を減少させることにより気筒の吸入空気量を減少させながら吸気ポート圧力を上昇させることも可能である。
【0065】
ところで、上述の実施形態では電磁駆動弁を用いた可変動弁機構を使用しているが、電磁駆動弁を用いた可変動弁機構では機関始動時に各電磁駆動弁を初期化する必要がある。
図2で説明したように、機関停止時、すなわち電磁駆動弁10の電磁アクチュエータ51と52とのどちらにも通電が行われていない場合には、スプリング55と56との付勢力により、弁体54は全開位置と全閉位置との中間(半開位置)に保持されている。この状態から弁の開閉操作を可能とするためには、閉弁用電磁アクチュエータ51に通電を行って全部の吸気弁と排気弁とを一旦全閉の位置に引きつける処理を行わなければならない。本実施形態では、この処理を初期化処理と称しているが、初期化処理は中間位置に静止している弁体を移動させるため通常の閉弁動作より大きな駆動電流を閉弁用電磁アクチュエータ51に供給する必要がある。
【0066】
通常、吸排気弁の全てを同時に初期化することは電源の制約から困難であり、最大でも一度に2つ程度しか弁の初期化を行うことはできない。ところが、一度に2つずつ弁の初期化を行い、全部の弁が初期化が完了してから機関の始動操作を行っていたのでは機関の始動に時間を要する問題がある。
そこで、本実施形態では、以下に説明するように順次点火順序に従って各気筒の吸気弁と排気弁との初期化を行い、初期化が完了した気筒から順次燃焼を開始するようにしたことにより、電磁駆動弁を用いた場合の機関始動時間を短縮している。
【0067】
各気筒で燃焼開始の準備が完了するためには、吸気弁と排気弁とは以下の条件を満たしている必要がある。
(1)吸気ポートに燃料噴射を開始する前に吸気弁が閉弁していること。
(2)吸気行程で吸気弁が開弁する前に排気弁が閉弁していること。
【0068】
上記条件(1)(2)は、ともにアフタファイアを防止するためである。
すなわち、(1)の条件は、仮に吸気弁が閉弁していない状態で吸気ポートに燃料噴射が行われると、排気弁が閉弁していない場合には、噴射された燃料が気筒内を通って排気ポートに到達する可能性があり、燃焼開始後に高温の排気が排気ポートに排出されたときに排気ポートで燃料が燃焼し、アフタファイアが生じる可能性があるからである。この場合、燃料噴射開始前に吸気弁が閉弁していれば、排気弁は閉弁していなくても良い。
【0069】
また、(2)の条件は、吸気行程が開始されたときに排気弁が開弁していると筒内に吸入された混合気が排気ポートに流出し、上記と同様アフタファイアが生じる可能性があるからである。
そこで、本実施形態では気筒の点火順序に沿ってまず燃料噴射開始前にその気筒の吸気弁を初期化して閉弁し、燃料噴射後吸気行程が開始される前に同じ気筒の排気弁を初期化して閉弁することにより、点火順序に沿って順に気筒で燃焼を開始するようにしている。
【0070】
図6は、本実施形態の機関始動時の電磁駆動弁の初期化を説明するフローチャートである。図1で説明したように、本実施形態では4気筒機関が使用されており、点火順序は1−3−4−2の気筒順となる。
【0071】
図において、#1〜#4はそれぞれ気筒番号を示し、TDC1で示した点は#1気筒の圧縮上死点である。本実施形態ではこの点を基準としてクランク角(CA)を表し、便宜上機関の1サイクルを720°CAとしている。また、図2において、(膨)、(排)、(吸)、(圧)と記載したのは、それぞれ各気筒の膨張行程、排気行程、吸気行程、圧縮行程、を示している。
【0072】
図6に置いて、機関のクランキングが開始され#1の圧縮上死点がクランク角センサ35に検出されると、本実施形態ではまず膨張行程(0°CA〜180°CA)の間に#1気筒の吸気弁が初期化される(図6、I−1)これにより、#1で燃料噴射が行われる時期(排気行程、図6にIJ−1で示す時期)には#1気筒の吸気弁の初期化は完了し吸気弁は閉弁した状態に保持されている。
【0073】
また、この排気行程中(180°CA〜360°CA)には#1気筒の排気弁E−1が初期化されるとともに、点火時期が#1気筒の次の#3気筒の吸気弁I−3が同時に初期化される。これにより、#1気筒の吸気行程で吸気弁の開弁時(IS−1)には排気弁E−1は閉弁保持されており、また、#3気筒で燃料噴射(IJ−3)が開始されるときには吸気弁I−3も閉弁している。これにより、#1気筒はその後正常に吸気弁と排気弁との開閉が行われるようになる。その後、#3気筒の排気弁E−3と#4気筒の吸気弁I−4、#4気筒の排気弁E−4と#2気筒の吸気弁I−2がそれぞれ同時に順次初期化される。
【0074】
上記のようにある気筒の排気弁と、点火順序がその気筒の次になる気筒の吸気弁とを同時に順次初期化していくことにより、機関の1サイクル(0°CA〜720°CA)の間には全ての気筒の吸気弁と排気弁とが初期化されるとともに、同時に全ての気筒で燃焼が開始されて正常な運転を行うことが可能となる。
【0075】
なお、本実施形態では4気筒機関が使用されているため、それぞれの弁の初期化は180°CAの期間内に完了する必要があるが、クランキング回転数を200rpmと仮定すると180°CAの回転に要する時間は150msである。また、6気筒及び8気筒の場合には、初期化を完了すべき期間は、それぞれ150°CA及び120°CAであり、この回転に要する時間はそれぞれ、125msおよび100msである。
一方、電磁駆動弁の初期化に要する時間は60ms程度であるため、本実施形態ではいずれの場合にも充分な余裕を持って各弁を初期化することができる。
【0076】
なお、上記は吸気ポート噴射を行う機関について説明したが、例えば燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内燃料噴射弁を備え、吸気行程中または圧縮行程中に燃料噴射を行って始動可能な機関では、各気筒の吸気弁と排気弁とを吸気行程開始時までに同時に初期化するようにすることも可能である。
【0077】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、可変動弁機構を用いて機関高温始動時のラフアイドル等の問題を防止可能とする共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用4気筒機関に適用した実施形態の概略構成を説明する図である。
【図2】電磁駆動弁の概略構造を説明する断面図である。
【図3】吸気弁の機関始動時開閉タイミングを示す図である。
【図4】排気弁の機関始動時開閉タイミングを示す図である。
【図5】可変動弁機構の機関始動時制御操作を説明するフローチャートである。
【図6】電磁駆動弁の機関始動時の初期化タイミングを説明する図である。
【符号の説明】
1…内燃機関本体
3…吸気通路
5…排気通路
7…スロットル弁
10…電磁駆動弁
11a〜11d…吸気弁
13a〜13d…排気弁
30…ECU
31…排気空燃比センサ

Claims (7)

  1. 吸気弁または排気弁のバルブ開弁特性値を変化させる内燃機関の可変動弁機構の制御装置であって、
    機関高温始動時には、吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブ開弁特性値を変化させて燃料噴射弁における燃料の減圧沸騰を防止可能な圧力まで吸気通路圧力を上昇させる内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  2. 更に、機関高温始動時には、吸気通路に配置したスロットル弁開度を増大するとともに、吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブ開弁特性値を変化させて吸気通路圧力を上昇させる請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  3. 前記バルブ開弁特性値として吸気弁の閉弁時期を変化させ、吸気弁閉弁時期を気筒吸気行程下死点より進角させる、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  4. 前記バルブ開弁特性値として排気弁の開弁時期を変化させ、前記吸気通路圧力上昇時に排気弁開弁時期を排気行程下死点より遅角させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  5. 吸気通路に配置されたスロットル弁と、該スロットル弁下流側の吸気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えた内燃機関の、吸気弁または排気弁のバルブ開弁特性値を変化させる可変動弁機構の制御装置であって、
    機関高温始動時には、吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブ開弁特性値を変化させて前記スロットル弁下流側の吸気通路圧力を燃料噴射弁における燃料の減圧沸騰を防止可能な圧力まで上昇させる、内燃機関の可変動弁機構。
  6. 前記機関高温始動時は、燃料の減圧沸騰が生じる可能性がある高温での機関始動時である、請求項1または5に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
  7. 前記吸気弁または排気弁の少なくとも一方のバルブ開弁特性値を変化させて吸気通路圧力を上昇させる操作を、燃料の減圧沸騰が生じる可能性がある高温での機関始動から所定時間が経過するまでの間行う、請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構制御装置。
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