JP5040754B2 - ディーゼルエンジンの自動停止装置 - Google Patents

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本発明は、所定の自動停止条件が成立したときにディーゼルエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立したときに該ディーゼルエンジンを再始動させるようにしたディーゼルエンジンの自動停止装置に関する技術分野に属する。
従来より、燃費低減及びCO排出量抑制等を目的として、アイドル時等の所定の自動停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させるようにしている。そして、このようなエンジンの自動停止を行う場合には、エンジンの再始動が必要になるが、この再始動は確実にかつ速やかに行うことが要求される。
ここで、ディーゼルエンジンの場合には、エンジン冷間時に吸入空気を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグが設けられており、例えば特許文献1に示すものでは、エンジンの停止に伴い筒内温度が低下することに起因する燃料着火性の悪化を防止するべく、前記グロープラグにより筒内を加熱することで、エンジンの再始動性を向上させるようにしている。
一方、例えば特許文献2には、クランク軸と同期して回転するカムシャフトに設けた可変リフト機構をアクチュエータで駆動する弁駆動手段が開示されて、この弁駆動手段によって吸気弁の開度(リフト量)及び開弁期間を変更するものが開示されている。また、近年では、吸気弁及び排気弁を、クランク軸の回転位置とは無関係に個々に独立してアクチュエータで駆動する弁駆動手段を設けて、この弁駆動手段の作動を制御するものが知られている。このような弁駆動手段の作動を制御することで、吸気弁の作動状態、つまり吸気弁の開度や開弁期間を自在に制御することができ、吸気行程で全閉状態にすることも可能となる。
特開2004−176569号公報 特開2006−97647号公報
前記従来例のように、エンジンの再始動性を向上させるためにグロープラグにより筒内を加熱する方法では、グロープラグの消費電力が大きいため、バッテリ電力が低下し易くなったりグロープラグ以外の電気負荷への供給電力が低下したりするという問題があり、グロープラグは出来る限り使用しないことが好ましい。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ディーゼルエンジンを自動停止させたときの筒内温度の低下を抑制して、グロープラグの使用頻度を出来る限り低減できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、吸気弁駆動手段による吸気弁の作動状態を制御する吸気弁作動制御手段を用いて、ディーゼルエンジンへの燃料供給停止から実際に該ディーゼルエンジンが停止完了するまでのエンジン停止過程の前半期間では、吸気弁の開弁を抑制する一方、該エンジン停止過程の後半期間では、該吸気弁の開弁を許容し、上記エンジン停止過程の後半期間を、該エンジン停止過程においてエンジン回転速度が初めて所定回転速度よりも低くなったときから上記ディーゼルエンジンが停止完了するまでの期間とし、上記所定回転速度を、停止時圧縮行程気筒のピストンが膨張行程から吸気行程の上死点に達するまでの間のタイミングにおける回転速度であって、停止時圧縮行程気筒内の空気量が、停止時膨張行程気内の空気量よりも多くなるように設定された値とした。
具体的には、請求項1の発明では、所定の自動停止条件が成立したときにディーゼルエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立したときに、該自動停止させたディーゼルエンジンを再始動させる自動停止・再始動制御手段と、該ディーゼルエンジンの吸気弁を駆動する吸気弁駆動手段と、該吸気弁駆動手段による吸気弁の作動状態を制御する吸気弁作動制御手段とを備えたディーゼルエンジンの自動停止装置を対象とする。
そして、上記吸気弁作動制御手段は、上記自動停止・再始動制御手段による上記ディーゼルエンジンへの燃料供給停止から実際に該ディーゼルエンジンが停止完了するまでのエンジン停止過程の前半期間では、上記吸気弁の開弁を抑制する一方、該エンジン停止過程の後半期間では、該吸気弁の開弁を許容するよう構成されており、上記エンジン停止過程の後半期間は、該エンジン停止過程においてエンジン回転速度が初めて所定回転速度よりも低くなったときから上記ディーゼルエンジンが停止完了するまでの期間であり、上記ディーゼルエンジンは、上記自動停止・再始動制御手段による該ディーゼルエンジンの停止完了時において、圧縮行程となる停止時圧縮行程気筒と、膨張行程となる停止時膨張行程気筒とを少なくとも有し、上記所定回転速度は、上記停止時圧縮行程気筒のピストンが膨張行程から吸気行程の上死点に達するまでの間のタイミングにおける回転速度であって、上記停止時圧縮行程気筒内の空気量が、上記停止時膨張行程気内の空気量よりも多くなるように設定された値であるものとする。
ここで、上記吸気弁駆動手段は、吸気弁をクランク軸の回転位置とは無関係に独立してアクチュエータで駆動するものや、クランク軸と同期して回転するカムシャフトに設けた可変リフト機構をアクチュエータで駆動するものを含む。
上記の構成により、エンジン停止過程の前半期間では、吸気弁が完全に閉じられたり、吸気弁の開度が燃料供給停止前の開度よりも小さくされたりして吸気弁の開弁が抑制されるので、筒内への新気の導入が抑制される。そして、エンジン停止過程の後半期間に、吸気弁の開弁が許容されるので、新気が導入されて、再始動時に必要な空気量が確保される。このようにエンジン停止過程の前半期間に新気の導入が抑制されるので、エンジン停止過程全体に亘って新気を通常に導入する場合に比べて、新気導入による筒内温度の低下が抑制される。したがって、グロープラグを使用しなくても、エンジンの再始動性を向上させることができる。
また、エンジン停止過程の前半期間で吸気弁の開弁を抑制することで、気筒内で空気が圧縮されなくなり、エンジンの吸気通路に配設される吸気絞り弁をエンジン停止時に閉じる場合と同様に、エンジン停止時に気筒内の空気の圧縮に伴って生じる停止振動を抑制することができる。
さらに、エンジン回転速度が初めて所定回転速度よりも低くなると、停止完了するまでどの程度回転するかが分かり、筒内に新気を確実に導入することができる。また、停止振動は、通常、エンジン回転速度が比較的高い領域で生じるので、エンジン停止過程の後半期間で吸気弁の開弁を許容したとしても、停止振動は生じず、問題はない。
また、燃料供給停止後のエンジン回転速度は、小刻みに波打ちながら降下し、例えば4気筒4サイクルのエンジンでは、10回前後の圧縮上死点を迎えた後に停止する。このエンジン停止過程で、何れかの気筒が圧縮上死点を超えるタイミングは、エンジン回転速度が波打つ谷のタイミングと一致している。そして、所定回転速度を、停止時圧縮行程気筒のピストンが膨張行程から吸気行程の上死点に達するタイミングと一致させるようにすれば、停止時膨張行程気筒では、少ない空気量で吸気弁及び排気弁が閉じて圧縮行程に移行しているのに対し、停止時圧縮行程気筒では、吸気弁の開弁が許容されることにより、相対的に多量の新気が筒内に吸入されることになる。この結果、停止時圧縮行程気筒内の空気量が、停止時膨張行程気筒内の空気量よりも多くなる。したがって、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が下死点側に位置することになり、よって、再始動時に空気を十分に圧縮することにより筒内温度を高くすることができ、エンジンの再始動性をより一層向上させることができる。
請求項の発明では、請求項1の発明において、上記吸気弁作動制御手段は、上記エンジン停止過程の後半期間において、上記停止時圧縮行程気筒内の空気量が、上記停止時膨張行程気内の空気量よりも多くなるように、上記吸気弁の作動状態を制御するよう構成されているものとする。
また、請求項の発明では、請求項の発明において、上記吸気弁作動制御手段は、上記エンジン停止過程の後半期間において、上記停止時圧縮行程気筒内の空気量が、上記停止時膨張行程気内の空気量よりも多くなるように、上記吸気弁の開弁状態を、該吸気弁の開弁を抑制する前の状態に徐々に戻すよう構成されているものとする。
これら請求項及びの発明により、吸気弁の開弁状態(弁開度や開弁時間)を、該吸気弁の開弁抑制前の状態に徐々に戻すことで、筒内温度の低下を抑制しながら、停止時圧縮行程気筒内の空気量を停止時膨張行程気筒内の空気量よりも多くすることができ、この結果、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置を下死点側に位置させることができ、よって、エンジンの再始動性をより一層向上させることができる。
以上説明したように、本発明のディーゼルエンジンの自動停止装置によると、吸気弁駆動手段による吸気弁の作動状態を制御する吸気弁作動制御手段によって、ディーゼルエンジンへの燃料供給停止から実際に該ディーゼルエンジンが停止完了するまでのエンジン停止過程の前半期間では、吸気弁の開弁を抑制する一方、該エンジン停止過程の後半期間では、該吸気弁の開弁を許容し、上記エンジン停止過程の後半期間を、該エンジン停止過程においてエンジン回転速度が初めて所定回転速度よりも低くなったときから上記ディーゼルエンジンが停止完了するまでの期間とし、上記所定回転速度を、停止時圧縮行程気筒のピストンが膨張行程から吸気行程の上死点に達するまでの間のタイミングにおける回転速度であって、停止時圧縮行程気筒内の空気量が、停止時膨張行程気内の空気量よりも多くなるように設定された値としたことにより、エンジン自動停止の新気導入による筒内温度の低下が抑制され、グロープラグの使用頻度を出来る限り低減することができる。また、停止時圧縮行程気筒内の空気量が、停止時膨張行程気筒内の空気量よりも多くなることで、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が下死点側に位置することになり、よって、再始動時に空気を十分に圧縮することにより筒内温度を高くすることができ、エンジンの再始動性をより一層向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る自動停止装置を備えた4サイクルディーゼルエンジン10(以下、単にエンジン10という)の概略構成を示している。尚、本実施形態では、エンジン10を手動変速機に連結した車両に搭載した例を示している。
図1を参照して、上記エンジン10は、シリンダヘッド11及びシリンダブロック12を有している。これらシリンダヘッド11及びシリンダブロック12には、エンジン前側から順に4つの気筒14A〜14Dが直列に配設されている。これら各気筒14A〜14Dの内部には、図略のコネクティングロッドによってクランクシャフト15に連結されたピストン16が嵌挿されている。このピストン16には、シリンダヘッド11と共に燃焼室17を区画するキャビティ16aが形成されている。各気筒14A〜14Dに設けられたピストン16は、所定の位相差をもってクランクシャフト15の回転に伴い上下運動を行うように構成されている。ここで、4気筒4サイクルエンジンであるエンジン10では、各気筒14A〜14Dが所定の位相差をもって吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程からなるサイクルを行うようになっており、各サイクルが1番気筒14A、3番気筒14C、4番気筒14D、2番気筒14Bの順にクランク角で180°(180°CA)の位相差をもって行われるように構成されている。
上記シリンダヘッド11には、プラグ先端が燃焼室17内に臨むように配置されたグロープラグ18が気筒14A〜14D毎に設けられている。また、シリンダヘッド11には、燃料噴射弁19が気筒14A〜14D毎に設けられている。この燃料噴射弁19は、燃料を当該燃料噴射弁19の開弁圧(噴射圧)以上の高圧状態で蓄えて分配するコモンレール20に対し、気筒14A〜14D毎に配設された分岐管21を介してそれぞれ接続されている。各燃料噴射弁19は、通電により電磁力で燃料通路を開くことで燃料圧力により噴射ノズルの真弁が開き、コモンレール20から供給される高圧の燃料を、噴射ノズル先端の複数の噴孔から燃焼室17を区画するピストン16のキャビティ16aに向けて気筒14A〜14D内に直接噴射供給するものである。本実施形態においては、燃料圧力を検出するための燃圧センサSW1がコモンレール20に設けられている。燃料噴射弁19の燃料噴射量は、通電時間で制御される。また、燃料噴射弁19に燃料を供給するコモンレール20は、高圧燃料供給管22を介して燃料供給ポンプ23に接続されている。
また、シリンダヘッド11には、燃焼室17に向かって開口する吸気ポート24及び排気ポート25が各気筒14A〜14Dの上部に設けられている。そして、これらのポート24,25と燃焼室17との連結部分には、吸気弁26及び排気弁27がそれぞれ装備されている。
上記吸気弁26は、電磁式の吸気弁駆動手段26Aによって開閉駆動され、同様に、排気弁27も、電磁式の排気弁駆動手段27によって開閉駆動されるようになっている。これら吸気弁26及び排気弁27は共に、クランクシャフト15との機械的な連係は採択されておらず、クランクシャフト15の回転位置に関わらず、上記弁駆動手段26A,27Aの作動によって開閉される。すなわち、吸気弁駆動手段26Aが消磁されたときには、吸気弁26が、図示省略のリターンスプリングによって閉弁される一方、吸気弁駆動手段26Aが励磁されたときには、吸気弁26がリターンスプリングに抗して開弁されるようになっている。同様に、排気弁駆動手段27Aが消磁されたときには、排気弁27が、図示省略のリターンスプリングによって閉弁される一方、吸気弁駆動手段26Aが励磁されたときには、吸気弁26がリターンスプリングに抗して開弁されるようになっている。本実施形態では、吸気弁駆動手段26Aの励磁力を段階的又は無段階に調整することが可能であり、これにより、吸気弁26の開度(リフト量)を変更できるようになっている。すなわち、エンジン回転速度及びエンジン負荷に応じて吸気弁26の開度を変更する。一方、排気弁駆動手段27AはON・OFF的に作動されるものとされて、排気弁27の開度が常時一定となるように設定されている。尚、吸気弁26及び排気弁27両方の開度を変更できるようにしてもよく、常時一定となるように設定してもよい。
上記吸気弁26の開弁時間は、吸気弁26の開度に対応して予め決まっており、開度が大きいほど長い時間となる。この場合、吸気弁26の開度(リフト量)の大小に拘わらず、クランク角に対する開弁開始時期は揃っている一方、閉弁完了時期は、吸気弁26の開度が小さくなるに連れて早くなることが好ましい。これにより、ポンピングロスを低減することができるようになる。尚、吸気弁26の開弁時間は、吸気弁26の開度に関係なく一定になるようにしてもよい。
上記弁駆動手段26A,27Aは、後述するエンジン制御ユニット100の吸排気弁作動制御部103からの指令を受けて作動するようになっており、この吸排気弁作動制御部103によって、弁駆動手段26A,27Aによる吸気弁26及び排気弁27の作動状態が制御されることになる。このことで、吸排気弁作動制御部103は、本発明の吸気弁作動制御手段を構成することになる。
上記吸気ポート24及び排気ポート25には、吸気通路28及び排気通路29がそれぞれ接続されている。この吸気通路28の下流側の部分は、気筒14A〜14D毎に分岐した分岐吸気通路28aとされ、この各分岐吸気通路28aの上流端がそれぞれサージタンク28bに連通している。このサージタンク28bよりも上流側には共通吸気通路28cが設けられている。図1では模式化されているが、上記共通吸気通路28cには、吸気流通量を検出するエアフローセンサSW2と、吸気圧力Pinaを検出する吸気圧センサSW3と、吸気温度を検出する吸気温度センサSW4とが設けられている。
上記エンジン10には、タイミングベルト等によりクランクシャフト15に連結されたオルタネータ32が付設されている。このオルタネータ32は、図略のフィールドコイルの電流を制御して出力電圧を調節することにより発電量を調整するレギュレータ回路33を内蔵し、このレギュレータ回路33に入力されるエンジン制御ユニット100からの制御信号に基づき、車両の電気負荷及び車載バッテリの電圧等に対応した発電量の制御が実行されるように構成されている。
また、エンジン10には、当該エンジン10を始動するためのスタータモータ34が設けられている。このスタータモータ34は、モータ本体34aとピニオンギア34bとを有している。ピニオンギヤ34bは、モータ本体34aの出力軸上にて相対回転不能な状態で往復移動する。また、クランクシャフト15には、図略のフライホイールに固定されたリングギア35が、回転中心に対して同心に設けられている。そして、このスタータモータ34を用いてエンジン10を再始動する場合には、このピニオンギヤ34bが所定の噛合位置に移動して、フライホイールに固定されたリングギア35に噛合することにより、クランクシャフト15が回転駆動されるようになっている。
さらに、エンジン10には、クランクシャフト15の回転角を検出する2つのクランク角度センサSW5,SW6が設けられ、一方のクランク角度センサSW5から出力される検出信号(パルス信号)に基づいてエンジン回転速度Neが検出されるとともに、この両クランク角度センサSW5,SW6から出力される位相のずれた検出信号に基づいてクランクシャフト15の回転角度が検出されるようになっている。また、エンジン10には、冷却水温度を検出する水温センサSW7と、車両のアクセルペダル36の操作量に対応したアクセル開度を検出するアクセル開度センサSW8と、車両のブレーキペダル37の操作を検出するブレーキペダルセンサSW9とが設けられている。
また、エンジン10には、排気還流装置40が設けられている。この排気還流装置40は、排気ガスの一部を排気通路29から吸気通路28に環流するEGR通路41と、このEGR通路41の途中に設けられたEGR弁42とを備えている。EGR弁42は、次に説明するエンジン制御ユニット100のEGR制御部106によって、開閉制御されるようになっている。
尚、本実施形態では、吸気通路28に吸気絞り弁は設けられておらず、吸気弁26が吸気絞り弁と同様の役割を果たす。
上記エンジン10は、エンジン制御ユニット100によって運転制御される。
このエンジン制御ユニット100は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェース及びこれらのユニットを接続するパスを有するマイクロプロセッサで構成され、各センサSW1〜SW9を初めとする入力要素からの検出信号に基づき、種々の演算を行うとともに、燃料噴射弁19やスタータモータ34、或いはグロープラグ18等の各アクチュエータの制御信号を出力するものである。例えば、運転条件に応じた燃料の噴射量及び噴射時期や点火時期を演算し、燃料噴射弁19等に制御信号を出力している。また、エンジン10の運転状態(エンジン回転速度及びエンジン負荷)に応じて、吸気弁26の開度(リフト量)の目標値を演算し、その開度がこの目標値となるような制御信号を吸気弁駆動手段26Aに出力する。
上記エンジン制御ユニット100は、車両の運転状態を判定する運転状態判定部101と、この運転状態判定部101の判定に基づいてエンジン10の燃料噴射を制御する燃料噴射制御部102と、上記弁駆動手段26A,27Aの作動を制御する吸排気弁作動制御部103と、上記運転状態判定部101の判定に基づいて再始動条件の成立時にエンジン10のスタータモータ34を駆動制御するスタータ制御部104と、グロープラグ18を制御するグロープラグ制御部105と、排気還流装置40のEGR弁42を駆動制御するEGR制御部106とを論理的に構成している。
上記運転状態判定部101は、燃圧センサSW1、エアフローセンサSW2、吸気圧センサSW3、吸気温度センサSW4、クランク角度センサSW5,SW6、水温センサSW7、アクセル開度センサSW8、ブレーキペダルセンサSW9等からのセンサ信号に基づき、エンジン10の自動停止条件や再始動条件の成立又は解除、及び、エンジン10の運転状態が低負荷運転状態にあるか否か等を判定するモジュールである。この他にも、運転状態判定部101は、燃料圧力、ピストン16の停止位置、筒内温度、或いはエンジン10が正転しているか否か等、種々の運転状態を判定する。この運転状態判定部101は、エンジン10が自動停止しているときにおけるピストン16の停止位置の判定や、ピストン16が停止すべき適正停止位置SAの設定をするものでもある。本実施形態において、停止時圧縮行程気筒(エンジン10の自動停止完了時に圧縮行程となる気筒)の適正停止位置SAは、デフォルトでは、圧縮上死点前120°CAから圧縮上死点前100°CAの範囲に設定される。後述するように、ディーゼルエンジンにおいては、停止時圧縮行程気筒に燃料を噴射し、スタータモータ34でピストン16を駆動して、当該燃料が噴射された気筒内で混合気を自着火させる必要があるため、ピストン16は、下死点側に停止しているのが好ましい。他方、ピストン16が下死点近傍にある場合には、スタータモータ34の駆動時間が長くなるので、確実な自着火とスタータモータ34の駆動時間短縮とを両立させるために、デフォルトでは、圧縮上死点前120°CAから圧縮上死点前100°CAの範囲に設定される。但し、筒内温度が高い場合には、停止時圧縮行程気筒の有効圧縮比を小さく設定することができるので、適正停止位置SAは、筒内温度によって上死点側に補正されるようになっている。筒内温度は、予めメモリに記憶されたデータに基づいて推定されるように構成されている。尚、本実施形態において、運転状態判定部101は、車両のブレーキペダル37のON/OFFや車速等も判定できるように図略のセンサからの検出信号が入力されるようになっている。
上記燃料噴射制御部102は、運転状態判定部101の判定に基づき、エンジン10の適正な空燃比に対応する燃料噴射量と燃料噴射タイミングとを設定し、その設定に基づいて、燃料噴射弁19を駆動制御するモジュールである。
上記吸排気弁作動制御部103は、上記運転状態判定部101の判定に基づいて吸気弁26の開度(リフト量)の目標値を演算するとともに、その目標値と両クランク角度センサSW5,SW6により検出されるクランクシャフト15の回転角度とに応じて上記弁駆動手段26A,27Aの作動を制御するモジュールである。
上記スタータ制御部104は、エンジン10の始動時にスタータモータ34に制御信号を出力し、スタータモータ34を駆動するモジュールである。
上記グロープラグ制御部105は、エンジン冷間時や、エンジン再始動の際に、停止時圧縮行程気筒のピストン16が上記適正停止位置SAよりも上死点側にあるときにグロープラグ18の駆動を制御するモジュールである。
上記EGR制御部106は、所定の部分負荷運転領域において、EGR弁42を開くことにより、燃焼安定性を図るモジュールである。
上記エンジン制御ユニット100は、所定の自動停止条件が成立したときにエンジン10を自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立したときに、該自動停止させたエンジン10を再始動させる自動停止・再始動制御手段を構成するものである。このエンジン制御装置100におけるエンジン10の自動停止制御及び再始動制御について、その制御例を説明する。
図2は、本実施形態に係る自動停止制御を中心とするフローチャートであり、図3は、本実施形態に係る、エンジン10の停止完了後の再始動制御を中心とするフローチャートである。また、図4は、図2の制御例に基づくエンジン回転速度Neの推移と吸気弁26の作動状態とを示すタイミングチャートである。
図2を参照して、エンジン制御ユニット100は、予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立するのを待機する(ステップS11)。具体的には、ブレーキペダル37の作動状態が所定時間継続し、車速が所定値以下であるといった場合(つまりエンジン10のアイドル運転状態が所定時間継続していると想定される場合)には、エンジン10の自動停止条件が成立したと判定される。
ステップS11において、自動停止条件が成立したと判定した場合には、オルタネータ制御を含むエンジン回転速度調整制御を開始する(ステップS12)。具体的には、エンジン回転速度Neが所定の第1の回転速度N1(例えば850rpm)に調節されるのを待機する(ステップS13)。そして、エンジン回転速度Neがこの第1の回転速度N1になったタイミング(ステップS13でYESのタイミング)t1で、燃料噴射弁19からの燃料供給を停止する(ステップS14)。このタイミングt1において、エンジン制御ユニット100(吸排気弁作動制御部103)は、各気筒14A〜14Dの全行程で吸気弁26を全閉状態とする(ステップS15)。すなわち、吸気行程でも吸気弁26を全閉状態として、吸気弁26の開弁を抑制する(図4において、本来開弁すべきところを破線で示している)。この制御により、各気筒14A〜14D内への新気の導入を抑制して筒内温度の低下を抑制する。また、ピストン16が適正停止位置SAに停止する確率を高めることが可能になる。
すなわち、ピストン16の停止位置は、エンジン10が完全に停止する直前の停止時膨張行程気筒(エンジン10の自動停止完了時に膨張行程となる気筒)内の空気量と停止時圧縮行程気筒内の空気量とのバランスにより略決定される。従って、ディーゼルエンジンにおいてピストン16を適正停止位置SA内に停止させるためには、まず停止時膨張行程気筒及び停止時圧縮行程気筒への吸入空気量を一旦低減し、その後、停止時圧縮行程気筒に十分な空気を供給して、停止時膨張行程気筒の空気量よりも多くなるように、両気筒に対する空気量を調節する必要がある。そこで本実施形態では、上記タイミングt1で吸気弁26を全閉状態にすることにより吸気圧を低減し、停止時膨張行程気筒及び停止時圧縮行程気筒の空気量を低減しているのである。
上記タイミングt1で燃料噴射が停止されると、各気筒14A〜14Dでは、吸気がされない状態で吸気、圧縮、膨張及び排気行程のサイクルが繰り返され、クランクシャフト15等が有する運動エネルギーが摩擦抵抗による機械的な損失や、各気筒14A〜14Dのポンプ仕事によって消費されることにより、エンジン回転速度は、小刻みに波打ちながら降下し、4気筒4サイクルのエンジンでは、10回前後の圧縮上死点を迎えた後に停止する。この過程で、気筒14A〜14Dのうちの何れかの気筒が圧縮上死点を超えるタイミングは、エンジン回転速度Neが波打つ谷のタイミングと一致している。
そこで、本実施形態では、上記タイミングt1で各気筒14A〜14Dの全行程で吸気弁26を全閉状態とした後、エンジン制御ユニット100は、エンジン回転速度Neが初めて所定の第2の回転速度N2(例えば約400rpm)よりも低くなるのを待機する(ステップS16)。この第2の回転速度N2は、停止時圧縮行程気筒のピストン16が膨張行程から吸気行程の上死点に達するタイミングと一致している。
上記ステップS16においてYESの場合、エンジン制御ユニット100(吸排気弁作動制御部103)は、吸気弁26の開弁を許容して、その開度を通常弁開度(吸気弁26の開弁を抑制する前の開度)に徐々に戻す(ステップS17)。すなわち、図4の場合、上記タイミングt1以降でエンジン回転速度Neが初めて所定の第2の回転速度N2よりも低くなったときから、1番気筒14A、3番気筒14C、4番気筒14D、2番気筒14Bの順に吸気弁26が開弁されるが、この開弁の順に吸気弁26の開度(リフト量)を大きくしていき、各気筒14A〜14Dの2回目以降の開弁時の開度は、当該気筒の前回開弁時の開度よりも大きくする。そして、各気筒14A〜14Dの吸気弁26の開度を、最終的に開弁を抑制する前の開度にする。このとき、各気筒14A〜14Dの吸気弁26の開弁時間も、徐々に大きくしていく開度に対応して、徐々に長くなって、最終的には通常弁開度に対応した時間(吸気弁26の開弁を抑制する前の開弁時間)になるが、上記タイミングt1以降でエンジン回転速度Neが初めて所定の第2の回転速度N2よりも低くなった直後から、通常弁開度に対応した時間としてもよい。或いは、上記タイミングt1以降でエンジン回転速度Neが初めて所定の第2の回転速度N2よりも低くなった直後から、吸気弁26の開度を通常弁開度にして、開弁時間を変化させるようにしてもよい。
尚、このように吸気弁26の開弁を許容するのに際して、吸気弁26の開弁状態(開度や開弁時間)を、吸気弁の開弁を抑制する前の状態に徐々に戻す必要は必ずしもなく、上記タイミングt1以降でエンジン回転速度Neが初めて所定の第2の回転速度N2よりも低くなった直後から、吸気弁26の開度を通常弁開度にするとともに、開弁時間を通常弁開度に対応した時間とすることも可能である。
上記吸気弁26の開弁動作により、停止時膨張行程気筒では、相対的に少ない空気量で圧縮行程に移行しているのに対し、停止時圧縮行程気筒では、吸気弁26が開くことにより、相対的に多量の新気が筒内に吸入されることになる。この結果、停止時圧縮行程気筒では、停止時膨張行程気筒よりも空気量が多くなる。
その後もエンジン制御ユニット100はオルタネータ制御を継続してピストン16の停上位置調整を実行し続け、クランク角度センサSW5,SW6の検出値に基づいてエンジン10が完全に停止するのを待機する(ステップS18)。エンジン10が完全に停止した場合には、エンジン回転速度調整制御を終了する(ステップS19)。
エンジン10が完全に停止したタイミングでは、停止時圧縮行程気筒のピストン16が吸気行程の下死点を通過し、圧縮行程に移行する。このタイミングでは、吸気弁26及び排気弁27は、概ね閉じているので、大量に筒内に吸入された空気が下死点を通過したピストン16によって圧縮されることになる。他方、停止時膨張行程気筒においては、相対的に少ない空気量にある筒内を圧縮したピストン16が圧縮上死点を通過して、膨張行程に移行している。このため、停止時圧縮行程気筒では、筒内の圧縮反力によって比較的下死点側で停止することになる。従って、予め実験等によって、第2の回転速度N2や、この第2の回転速度N2を検出したタイミングt2での吸入空気量等を適切に設定しておくことにより、停止時圧縮行程気筒のピストン16を所定の下死点側停止位置(本実施形態では圧縮上死点前100°CAから圧縮上死点前120°CA)に停止させることができる。
エンジン10が完全に停止すると、エンジン制御ユニット100は、クランク角度センサSW5,SW6の検出によって運転状態判定部101が判定したピストン16の停止位置を記憶する(ステップS20)。
尚、本実施形態では、上記エンジン10への燃料供給停止から実際に該エンジン10が停止完了するまでのエンジン停止過程において、排気弁27は、通常運転時と同様に作動する(排気行程で開弁する)が、吸気弁26の開弁の抑制中に、排気弁27の開弁も抑制するようにしてもよい。
次に図3を参照して、エンジン制御ユニット100によるエンジン10の再始動制御について説明する。
エンジン制御ユニット100は、エンジン10が停止した後、停止時間を計測し、積算する(ステップS21)。筒内温度は、エンジン10の停止時間に依存しているので、本実施形態においては、エンジン制御ユニット100に予め停止時間と筒内温度との関係をマップ化したデータを持たせ、停止時間に基づいて筒内温度を推定するようにしているのである。本実施形態では、エンジン停止過程の前半期間(タイミングt1からタイミングt2までの期間)で、各気筒14A〜14Dの全行程で吸気弁26を全閉状態とすることで、各気筒14A〜14D内への新気の導入を抑制して筒内温度の低下を抑制しているので、エンジン10の停止時間が長くても、筒内温度は低下し難い。
続いて、エンジン制御ユニット100(運転状態判定部101)は、吸気温度センサSW4が検出した吸気温度、水温センサSW7が検出した冷却水の温度、エンジン10の停止時間、及び、後述のステップS25でのグロープラグ18の駆動時間に基づいて、筒内温度を算出する(ステップS22)。
次いで、上記演算された筒内温度から目標となる燃料圧力が決定され、この燃料圧力から適正停止位置SAが設定される(ステップS23)。本実施形態では、筒内温度と目標となる燃料圧力とによって適正停止位置SAを設定しているので、より好適な停止位置判定ができることになる。また、筒内温度が低下し難いことから、適正停止位置SAの範囲が上死点側に広くなっている。しかも、上記自動停止制御により、停止時圧縮行程気筒のピストン16が所定の下死点側停止位置に停止するようにしているので、停止時圧縮行程気筒のピストン16が適正停止位置SAの範囲内に入る可能性が高い。
そして、エンジン制御ユニット100は、停止時圧縮行程気筒のピストン16が適正停止位置SAよりも上死点側にあるか否かを判定する(ステップS24)。仮に上死点側にある場合、グロープラグ18が駆動されて(ステップS25)、筒内が加温される。また、通正停止位置SA内であれば、グロープラグ18が停止される(ステップS26)。
次に、エンジン制御ユニット100は、再始動条件が成立したか否かを判定する(ステップS27)。再始動条件としては、アクセルペダル36が踏込まれたこと、自動停止条件がエンジン10の停止後に解除されたこと等が含まれる。
仮に再始動条件が成立していない場合、エンジン制御ユニット100は、ステップS21に戻って処理を繰り返す。このため、計測時間や筒内温度の変化に伴って、ステップS23で設定される適正停止位置SAも変化することになる。
他方、ステップS27において、再始動条件が成立した場合、エンジン制御ユニット100(スタータ制御部104)は、スタータモータ34を駆動する(ステップS28)。これにより、停止時圧縮行程気筒では、ピストン16が筒内の空気を圧縮しながら上死点に移動する。
次いで、エンジン制御ユニット100(燃料噴射制御部102)は、停止時圧縮行程気筒のピストン16が適正停止位置SAよりも上死点側にあるか否かを判定する(ステップS29)。仮に上死点側にある場合、エンジン制御ユニット100は、停止時吸気行程気筒(エンジン10の自動停止完了時に吸気行程となる気筒)が圧縮行程を迎えるのを待機し、停止時吸気行程気筒が圧縮行程を迎えた後、所定タイミングで燃料を噴射する(ステップS30)。すなわち、ピストン停止位置が適正停止位置SAから外れている場合には、停止時圧縮行程気筒での燃焼は中止されることになる。他方、ピストン停止位置が適正停止位置SA内である場合には、停止時圧縮行程気筒に燃料が噴射され、この気筒での燃焼によるエンジン10の再始動が図られる(ステップS31)。
ステップS30又はステップS31を経た後、エンジン制御ユニット100は、通常運転に移行し(ステップS32)、処理を終了する。
したがって、本実施形態では、上記エンジン制御ユニット100における自動停止制御において、エンジン10への燃料供給停止から実際に該エンジン10が停止完了するまでのエンジン停止過程の前半期間(タイミングt1からタイミングt2までの期間)では、各気筒14A〜14Dの全行程で吸気弁26を全閉状態として、吸気弁26の開弁を抑制する一方、該エンジン停止過程の後半期間(タイミングt2からエンジン10の停止完了までの期間)では、吸気弁26の開弁を許容するようにしたので、上記エンジン停止過程の前半期間では、各気筒14A〜14D内への新気の導入が抑制され、エンジン10を自動停止させたときの筒内温度の低下を抑制することができる。そして、エンジン停止過程の後半期間では、新気が通常に導入されて、再始動時に必要な空気量が確保される。この結果、エンジン停止過程全体に亘って新気を通常に導入する場合に比べて、新気導入による筒内温度の低下が抑制され、これにより、グロープラグ18を使用しなくても、エンジン10の再始動性を向上させることができる。
また、エンジン停止過程の前半期間で吸気弁26の開弁を抑制することにより、エンジン停止時に各気筒14A〜14D内の空気の圧縮に伴って生じる停止振動の発生を抑制することができる。この停止振動は、通常、エンジン回転速度が比較的高い領域で生じるので、エンジン停止過程の後半期間で吸気弁26の開弁を許容したとしても、停止振動は生じず、問題はない。
さらに、エンジン停止過程の後半期間を、エンジン停止過程においてエンジン回転速度が初めて所定回転速度よりも低くなったときからとし、その所定回転速度を、停止時圧縮行程気筒内の空気量が、停止時膨張行程気筒内の空気量よりも多くなるように設定したので、停止時圧縮行程気筒のピストン16の停止位置が下死点側に位置することになり、これにより、再始動時に空気の圧縮により筒内温度を十分に高くすることができ、エンジン10の再始動性をより一層向上させることができる。
さらにまた、エンジン停止過程の後半期間において、停止時圧縮行程気筒内の空気量が停止時膨張行程気筒内の空気量よりも多くなるように、吸気弁26の作動状態を制御した、つまり、吸気弁26の開弁状態を、該吸気弁26の開弁を抑制する前の状態に徐々に戻すようにしたので、筒内温度の低下を抑制しながら、停止時圧縮行程気筒内の空気量を停止時膨張行程気筒内の空気量よりも確実に多くすることができ、停止時圧縮行程気筒のピストン16の停止位置を下死点側に位置させることがより一層確実にできるようになる。
尚、上記実施形態では、エンジン停止過程の前半期間で、吸気弁26を全閉状態にして吸気弁26の開弁を抑制したが、吸気弁26の開度を燃料供給停止前の開度(通常弁開度)よりも小さくすることで吸気弁26の開弁を抑制するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、吸気弁26をクランクシャフト15の回転位置とは無関係に独立して駆動する吸気弁駆動手段26Aを用いたが、この吸気弁駆動手段26Aの代わりに、例えば特許文献2に記載されているような、クランクシャフト15と同期して回転するカムシャフトに設けた可変リフト機構をアクチュエータで駆動する吸気弁駆動手段を設けて、この吸気弁駆動手段の作動を制御するように構成してもよい。この場合、例えば図5に示すように、吸気弁26のリフト量(開度)が、最大リフト量とリフト量0(吸気弁26が全閉された状態)との間で連続可変式に変更可能とされる。この例では、リフト量が0以外のときには、リフト量の大小に拘わらず、クランク角に対する開弁開始時期は揃っている一方、閉弁完了時期は、リフト量が小さくなるに連れて早くなる(開弁時間は短くなる)
また、本発明は、4気筒ディーゼルエンジンに限らず、6気筒や8気筒等の複数気筒を有するディーゼルエンジンにも適用することができる
本発明は、ディーゼルエンジンの自動停止及び再始動を行う自動停止・再始動制御手段と、該ディーゼルエンジンの吸気弁を駆動する吸気弁駆動手段と、該吸気弁駆動手段による吸気弁の作動状態を制御する吸気弁作動制御手段とを備えたディーゼルエンジンの自動停止装置に有用である。
本発明の実施形態に係る自動停止装置を備えたエンジンを示す概略構成図である。 エンジン制御装置における自動停止制御を示すフローチャートである。 エンジン制御装置における再始動制御を示すフローチャートである。 エンジン停止過程におけるエンジン回転速度の推移と吸気弁の作動状態とを示すタイミングチャートである。 可変リフト機構によって吸気弁のリフト量が変更される場合の一例を示す、クランク角とリフト量との関係を示す特性図である。
10 ディーゼルエンジン
26 吸気弁
26A 吸気弁駆動手段
100 エンジン制御装置(自動停止・再始動制御手段)
103 吸排気弁作動制御部(吸気弁作動制御手段)

Claims (3)

  1. 所定の自動停止条件が成立したときにディーゼルエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立したときに、該自動停止させたディーゼルエンジンを再始動させる自動停止・再始動制御手段と、該ディーゼルエンジンの吸気弁を駆動する吸気弁駆動手段と、該吸気弁駆動手段による吸気弁の作動状態を制御する吸気弁作動制御手段とを備えたディーゼルエンジンの自動停止装置であって、
    上記吸気弁作動制御手段は、上記自動停止・再始動制御手段による上記ディーゼルエンジンへの燃料供給停止から実際に該ディーゼルエンジンが停止完了するまでのエンジン停止過程の前半期間では、上記吸気弁の開弁を抑制する一方、該エンジン停止過程の後半期間では、該吸気弁の開弁を許容するよう構成されており、
    上記エンジン停止過程の後半期間は、該エンジン停止過程においてエンジン回転速度が初めて所定回転速度よりも低くなったときから上記ディーゼルエンジンが停止完了するまでの期間であり、
    上記ディーゼルエンジンは、上記自動停止・再始動制御手段による該ディーゼルエンジンの停止完了時において、圧縮行程となる停止時圧縮行程気筒と、膨張行程となる停止時膨張行程気筒とを少なくとも有し、
    上記所定回転速度は、上記停止時圧縮行程気筒のピストンが膨張行程から吸気行程の上死点に達するまでの間のタイミングにおける回転速度であって、上記停止時圧縮行程気筒内の空気量が、上記停止時膨張行程気内の空気量よりも多くなるように設定された値であることを特徴とするディーゼルエンジンの自動停止装置。
  2. 請求項1記載のディーゼルエンジンの自動停止装置において、
    記吸気弁作動制御手段は、上記エンジン停止過程の後半期間において、上記停止時圧縮行程気筒内の空気量が、上記停止時膨張行程気内の空気量よりも多くなるように、上記吸気弁の作動状態を制御するよう構成されていることを特徴とするディーゼルエンジンの自動停止装置。
  3. 請求項記載のディーゼルエンジンの自動停止装置において、
    上記吸気弁作動制御手段は、上記エンジン停止過程の後半期間において、上記停止時圧縮行程気筒内の空気量が、上記停止時膨張行程気内の空気量よりも多くなるように、上記吸気弁の開弁状態を、該吸気弁の開弁を抑制する前の状態に徐々に戻すよう構成されていることを特徴とするディーゼルエンジンの自動停止装置。
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