JP2002303231A - クランキング態様の変更を伴う内燃機関始動方法 - Google Patents

クランキング態様の変更を伴う内燃機関始動方法

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JP2002303231A
JP2002303231A JP2001108072A JP2001108072A JP2002303231A JP 2002303231 A JP2002303231 A JP 2002303231A JP 2001108072 A JP2001108072 A JP 2001108072A JP 2001108072 A JP2001108072 A JP 2001108072A JP 2002303231 A JP2002303231 A JP 2002303231A
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internal combustion
combustion engine
intake
relatively
engine
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Takashi Suzuki
孝 鈴木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】機関始動時に気筒内に於ける吸気の圧縮度を変
更することができる内燃機関に於いて、クランキングに
よる始動を吸気の圧縮度に対応させてクランキング態様
を変更することにより機関状態や環境条件によりよく適
合させる。 【解決手段】機関始動時に、機関が冷温状態にあるとき
は、吸気圧縮度を高くして、燃料噴射を開始するクラン
ク軸回転数を低くし、暖機状態にあるときは、吸気圧縮
度を低くして、燃料噴射を開始するクランク軸回転数を
高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の始動方
法に係り、特に圧縮行程に於ける吸気の圧縮度に対応さ
せてクランキング態様を可変に制御することに係る。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の始動は、クランク軸を
電動機により駆動し、クランク軸回転数が機関の自爆を
誘発する適当な回転数に達したところで燃料噴射を開始
することにより行なわれている。かかるクランキングに
より機関が一般に首尾よく始動するのは、気筒内にて圧
縮された吸気の圧力と温度とが混合気の爆発的燃焼をも
たらす所定の共役的臨界点を十分に越えたところで燃料
の噴射が開始されるようになっているからである。もし
かかる共役的臨界点に対し燃料の噴射が早すぎると、噴
射された燃料は燃焼することなくその一部が気筒壁面に
付着し、次回の混合気に混入して上記の共役的臨界点を
狂わせ、機関始動の失敗をもたらす虞れがある。
【0003】気筒内にて圧縮された吸気の温度は、機関
が冷温状態にて始動されるときと暖機状態にて始動され
るときとでかなり大きく異なり、機関冷温時の圧縮吸気
の温度は、同じ吸気圧縮度では、勿論、機関暖機時の圧
縮吸気の温度より低いので、これを補うべく、可変バル
ブタイミング(Variable Valve Timing、略してVV
T)として知られる吸気弁や排気弁の開閉のタイミング
を可変に制御する技術を組み込んだ機関に於いて、機関
の冷温始動時には吸気弁の閉じ位相を早めることにより
クランキング時の吸気圧縮度を高めることが、本件出願
人と同一人の出願に係る特開2000−320356公
報に記載されている。
【0004】尚、シリンダ内の吸気圧縮度を可変に制御
することは、上記のVVTによる以外にも、弁開閉カム
をそのカム面の回転軸線からの偏倚が該回転軸線に沿っ
て変化する3次元カムとして構成し、かかる3次元カム
の軸線方向位置を調節することにより弁開閉リフトを可
変に制御すること、クランク軸とピストンロッドの間の
軸受部またはピストンロッドとピストンの間の軸受部に
調節可能な偏心スリーブを組み込んでピストンストロー
クを可変に制御すること、或はデコンプと称され、シリ
ンダ内にて圧縮される吸気の一部を種々の手段にて逃が
すこと等によっても行なうことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特許公開公報に
記載の技術によれば、機関の冷温始動時には吸気弁の閉
じ位相を最大限に進めた位置に設定し、圧縮行程に於け
る吸気の圧縮度を最大限に高めることにより、圧縮吸気
の温度上昇度を高めて、機関の始動性を確保することが
できる。この場合、機関温度の高低に対応させて吸気の
圧縮度を変更することは行なわれているが、クランキン
グの態様については別段考慮はされていない。
【0006】しかし、このように圧縮行程に於ける吸気
圧縮度を任意に変更することにより吸気の圧縮による温
度上昇を任意に制御できるのであれば、吸気圧縮度のみ
を変更するだけでなく、吸気圧縮度の変更に関連させて
クランキングの態様をも変更する制御を行なうことによ
り、現今燃料資源の節約と大気環境保全の必要から一層
その重要度が増しつつあるエコラン車やハイブリッド車
に於ける如く、内燃機関の始動時に於ける機関状態や環
境条件その他が、車輛始動時に運転者の手動操作により
機関冷温状態にて行なわれる場合から、車輛運行中機関
一時停止に伴い自動運転制御装置により機関暖機状態に
て行なわれる場合まで、幅広く変化するとき、機関の始
動クランキングを吸気圧縮度や機関の温度状態等により
よく適合させ、機関の始動性能を更に高める改良が得ら
れることが考えられる。
【0007】本発明は、上記の着想に基づき、内燃機関
の始動クランキングを更に改良することを課題としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決すべ
く、本発明は、内燃機関の始動方法として、機関が始動
時に気筒内に於ける吸気の圧縮度を変更することができ
る吸気圧縮度変更手段を有する場合に、機関始動時の吸
気圧縮度に対応させてクランキング態様を変更すること
を提案するものである。
【0009】上記の吸気圧縮度に対応させたクランキン
グ態様の変更は、吸気圧縮度が相対的に高いことに対応
させて燃料噴射を開始するクランク軸回転数を相対的に
低くし、吸気圧縮度が相対的に低いことに対応させて燃
料噴射を開始するクランク軸回転数を相対的に高くする
ことであってよい。
【0010】そして、内燃機関が冷温状態にあるとき、
吸気圧縮度を相対的に高くし、燃料噴射を開始するクラ
ンク軸回転数を相対的に低くし、内燃機関が暖機状態に
あるとき、吸気圧縮度を相対的に低くし、燃料噴射を開
始するクランク軸回転数を相対的に高くしてよい。
【0011】しかし、吸気圧縮度変更手段の誤作動等に
より、内燃機関が冷温状態にあって、吸気圧縮度が相対
的に低いときには、燃料噴射を開始するクランク軸回転
数を相対的に高くするよう、クランキング態様を更に変
更してよい。
【0012】また逆に、吸気圧縮度変更手段の誤作動等
により、内燃機関が暖機状態にあって、吸気圧縮度が相
対的に高いときには、燃料噴射を開始するクランク軸回
転数を相対的に低くするよう、クランキング態様を更に
変更してよい。
【0013】或はまた、上記の吸気圧縮度に対応させた
クランキング態様の変更は、クランク軸駆動トルクを、
吸気圧縮度が相対的に高いことに対応させて、内燃機関
の抗クランキングトルクの変動分を打ち消す変動分を含
むトルクとすることであってもよい。
【0014】吸気圧縮度変更手段は、上記の特許公開公
報に記載されている如く、吸気弁の閉じ位相を変更する
手段であってよく、吸気弁閉じ位相を相対的に早くする
ことにより吸気圧縮度を相対的に高くし、吸気弁閉じ位
相を相対的に遅くすることにより吸気圧縮度を相対的に
低くするものであってよい。
【0015】この場合、更に、吸気圧縮度変更手段は、
同公開公報に記載の通り、内燃機関のクランク軸と吸気
弁駆動カム軸とを電動機により相対的に逆駆動し、吸気
弁閉じ位相を相対的に進めて吸気の圧縮度を相対的に高
くする構成を含んでいてよい。
【0016】一つの実施例として、前記吸気圧縮度変更
手段は、吸気弁の閉じ位相を変更する手段であってよ
く、吸気弁閉じ位相を相対的に早くすることにより吸気
圧縮度を相対的に高くし、吸気弁閉じ位相を相対的に遅
くすることにより吸気圧縮度を相対的に低くするように
なっていてよい。またこの場合、更に、内燃機関のクラ
ンク軸と吸気弁駆動カム軸とを電動機により相対的に逆
駆動し、吸気弁閉じ位相を相対的に進めて吸気圧縮度を
相対的に高くするようになっていてよい。
【0017】
【発明の作用及び効果】上記の如く、内燃機関が機関始
動時に気筒内に於ける吸気の圧縮度を変更することがで
きる吸気圧縮度変更手段を有する場合に、吸気圧縮度に
応じてクランキング態様をも変更するようにすれば、機
関始動を機関の温度状態や運転条件によりよく適合させ
ることができる。
【0018】即ち、先ず吸気圧縮度と燃料噴射を開始す
るクランク軸回転数との関係に着目すれば、吸気圧縮度
が相対的に高いとき、相対的に低いクランク軸回転数に
て燃料噴射を開始し、吸気圧縮度が相対的に低いとき、
相対的に高いクランク軸回転数にて燃料噴射を開始する
ようにすることができ、機関状態や運転条件に合わせ
て、吸気圧縮度と燃料噴射を開始するクランク軸回転数
とを相対的に最適制御することができる。この場合、機
関状態の一つとしてその温度状態をとり、内燃機関が冷
温状態にあるときには、吸気圧縮度を相対的に高くする
よう吸気圧縮度変更手段を制御し、それに応対応させて
燃料噴射を開始するクランク軸回転数を相対的に低く
し、また内燃機関が暖機状態にあるときには、吸気圧縮
度を相対的に低くするよう吸気圧縮度変更手段を制御
し、それに対応させて燃料噴射を開始するクランク軸回
転数を相対的に高くすれば、上記の特開公開公報に於け
る如く単に内燃機関が冷温状態にあるとき吸気圧縮度を
相対的に高くし、内燃機関が暖機状態にあるとき吸気圧
縮度を相対的に低くするより、機関の温度状態の変化に
よりよく適合して機関の始動性を高めることができる。
【0019】しかし、この場合にも、内燃機関が冷温状
態にあって、吸気圧縮度が相対的に低いときには、燃料
噴射を開始するクランク軸回転数を相対的に高くするよ
う、クランキング態様を更に変更し、或は内燃機関が暖
機状態にあって、吸気圧縮度が相対的に高いときには、
燃料噴射を開始するクランク軸回転数を相対的に低くす
るよう、クランキング態様を更に変更するようにすれ
ば、吸気圧縮度変更手段の制御に誤作動が生じても、そ
れに問題なく対処することができる。
【0020】吸気圧縮度変更手段が、上記特許公開公報
に記載されている如き吸気弁の閉じ位相を変更する手段
とされるときには、吸気弁閉じ位相を相対的に早くする
ことにより吸気の圧縮度を相対的に高く設定し、吸気弁
閉じ位相を相対的に遅くすることにより吸気の圧縮度を
相対的に低く設定することができる。4サイクルエンジ
ンに於ける吸気弁閉じ位相は、従来一般に下死点以後(A
fter Bottom Dead Center、略してABDC)で測って7
0°近辺にあるが、これをVVTにより更に大きくする
(遅らせる)ことにより、吸気の圧縮度を大きく下げるこ
とができる。添付の図1はそのことを示す実験結果の一
例である。尚、圧縮行程による吸気の圧力上昇は、静的
には吸気弁の開閉位相に対し一義的に決まるが、気筒内
に吸入される吸気流にはそれなりの慣性が伴うので、吸
排気弁の開閉位相が一定であっても、クランク軸回転数
が上昇すれば、それに伴って筒内圧は上昇する。
【0021】上記特許公開公報に記載のVVT装置に於
いては、吸気弁の閉じ位相を変更する手段は、クランク
軸側から吸気弁のカム軸を駆動する歯車とカム軸との間
に組み込まれたロータリピストン式のアクチュエータと
して構成されており、その扇形シリンダ室内に揺動する
扇形ロータリピストンが、その一方に設けられたピンが
他方に設けられた孔にばね力により落し込まれることに
より、扇形シリンダ室に対し最も進角した位置にロック
され、ピンが孔に落し込まれていない状態では、クラン
ク軸が機関の正常な回転方向に駆動されると、ピンは孔
の位置より益々離れるようになっている。このような構
造では、吸気弁閉じ位相変更手段が吸気弁閉じ位相を遅
らせているときは、電動機により内燃機関のクランク軸
と吸気弁駆動カム軸とを相対的に逆駆動してやれば、ピ
ンを孔に整合させ、ピンを孔内にに落ち込ませて吸気弁
閉じ位相を進み位置にロックした状態を得ることができ
る。
【0022】しかし、かかるVVT装置に於いては、機
関冷温始動時にはVVT装置を作動させる油圧が未だ得
られないことから、それが一度ロックされると、機関始
動時の油圧が未だ立ち上がっていないときにはロックが
外れないことがある。そしてかかるロック手段により吸
気弁の閉じ位相が最大進角位置に設定され、吸気圧縮度
が高くされた状態でクランキングが行なわれると、機関
の抗クランキングトルクの変動に起因して振動が発生す
ることがある。このことを、図2および図3にクランク
軸回転数の変化として示す。これらの図に於いて、図2
は、VVT装置により吸気弁の閉じ位相が遅らされた状
態にてクランキングが行なわれたときの時間に対するク
ランク軸回転数の立上がりを示しており、これに対し、
図3は、VVT装置により吸気弁の閉じ位相が進角位置
にロックされた状態にてクランキングが行なわれたとき
の時間に対するクランク軸回転数の立上がりを示してい
る。
【0023】エコラン車やハイブリッド車に於ける車輛
運行中の機関一時停止に伴う機関再始動時は可及的静粛
に行なわれるのが好ましいので、このときには吸気圧縮
度を低くするのがよい。しかし、もしこの時、上記ロッ
ク装置が作動していると、それが外れないままクランキ
ングが行なわれ、吸気圧縮度が高くなり、上記の振動が
生ずる虞れがある。そこで、このようなときには、クラ
ンク軸駆動トルクを内燃機関の抗クランキングトルクの
変動分を打ち消す変動分を含むトルクとすれば、そのよ
うな振動の発生を回避することができる。
【0024】
【発明の実施の態様】図4は、本発明による燃料噴射式
内燃機関の始動方法の手順を一つの実施例について示す
フローチャートである。このフローチャートによる制御
は、運転者が車輌の運行開始に当って図には示されてい
ないスタータスイッチをオンにすること、またはエコラ
ン車あるいはハイブリッド車に於いて車輌運転制御装置
が車輌運行中に一次停止させた内燃機関を再始動すべき
ことを判断したときに開始される。
【0025】制御が開始されると、先ずステップ10に
て制御に関連する必要なデータの読み込みが行われる。
読込みデータには、以下に記載される機関冷却水の温度
Tw、下死点から後向きに測った吸気弁閉じ位相θiabd
c、機関回転数Ne等が含まれる。
【0026】次いでステップ20にて、機関冷却水温度
Twが機関を冷温状態と暖機状態とに分ける適当なしき
い値温度To以上であるか否かが判別される。ここでは
簡単のため、一つの実施例として、答がノーのとき機関
は冷温状態にあるとし、答がイエスのとき機関は暖機状
態にあるとする。答がノーのとき、制御はステップ30
へ進む。
【0027】ステップ30に於いては、下死点から後向
きに測った吸気弁の閉じ位相θiabdcがθoに等しいか否
かが判断される。これは、一つの実施例として、ここで
制御の対象となっている内燃機関は、上記の特許公開公
報に記載されている如きVVT装置により、機関が冷温
状態にて始動されるときには、吸気弁の閉じ位相θiabd
cが最進角位相θoにロックされるようになっているもの
とし、そのようなロックが達成されているか否かを判断
するものである。答がイエスのとき、即ち吸気弁閉じ位
相の最進角ロックが達成されているときには、制御はス
テップ40へ進み、ここで電動機へ通電が行われて、機
関のクランキングが開始される。
【0028】次いで、この実施例では、制御はステップ
50へ進み、図には示されていないクランク軸トルク検
出手段或は気筒圧検出手段により、クランク軸の抗クラ
ンキングトルクが検出され、それに対応してクランキン
グ中の電動機出力がクランク軸の抗クランキングトルク
の変動を打ち消すように制御される。但し、かかる機関
冷温時のクランキングは、通常車両運行開始時の運転者
の機関始動操作によるクランキング時であり、クランキ
ングに伴う内燃機関の多少の振動は当然と考えられる状
況にあるので、かかるステップ50は省略されてもよ
い。
【0029】次いで、制御はステップ60へ進み、ここ
でクランク軸回転数Neが、例えば500rpm程度の
比較的低い所定回転数Nn1に達したか否かが判断され
る。当初は答はノーであり、制御は次のステップ70及
び80をバイパスしてステップ90へ進むが、やがてそ
のうちNeはNn1に達する。それより制御はステップ7
0へ進み、ここで燃料噴射が開始される。Nn1は、吸気
弁閉じ位相θiabdcがθoに設定された状態にて得られる
吸気圧縮度によりクランク軸の回転数がそこまで上昇し
たときには、圧縮された吸気中に燃料が投入されていれ
ば自爆が確実に生ずることとなるようなクランク軸回転
数とされており、これによって燃料噴射により内燃機関
は自爆を開始する。かかる自爆の開始は、次のステップ
80にて機関回転数Neがそのことを示す所定値Ncに達
したか否かによって判断される。この種のフローチャー
トを巡る電子制御は数十マイクロセカンドの単位にて繰
り返されるので、ステップ70にて燃料噴射が開始され
ても、ステップ80にて直ちにNeがNcに達することは
なく、しばらく答はノーであり、制御はステップ90へ
進む。
【0030】ステップ90に於いては、このフローチャ
ートによる制御を司る車輌運転制御装置のコンピュータ
の一部により構成され制御開始の当初0にリセットされ
たカウンタのカウント値Cが1だけ増分される。このカ
ウンタはタイマとして作動するものであり、制御がステ
ップ90を通って巡る度にカウント値Cは1だけ増分さ
れ、ステップ100にてカウント値Cが所定の時間経過
を示すCoに達したか否かが判断される。当初は答は当
然ノーであり、制御はこれよりステップ10へ戻り、上
記の如き制御の流れが繰り返される。
【0031】内燃機関がクランキングにより正常に始動
すれば、やがてステップ80に於ける答はノーよりイエ
スに転ずる。そこで制御はステップ110へ進み、ここ
でクランキングが停止され、一回のエンジン始動制御は
終了する。しかし何らかの原因によりNeがNcに達する
以前にカウント値CがCoに達する時間が経過すると、
制御はこれよりステップ120へ進み、クランキングを
停止し、次いで制御はステップ130へ進み、クランキ
ングに失敗したことを示す適当な表示が出され、この場
合にも一応機関始動制御は一旦終了する。尚この場合、
これに続く機関始動制御としては、機関の冷温始動時に
はバッテリ等の蓄電装置の保護のために数秒間にわたっ
て次回のクランキング開始を禁止する等の制御が行われ
てよく、また以下に説明する車輌運行中の機関一次停止
に続く機関再始動時に於ける如く、機関暖機状態での機
関始動時には、直ちに引き続いて制御をステップ10よ
り再開する如き制御が行われてもよい。いづれにして
も、そのような機関始動制御の繰り返しの態様は、本発
明の対象ではない。
【0032】上記の通り機関冷温状態での始動時には吸
気弁閉じ位相θiabdcを最進角位相θoにロックする制御
を行なうVVT装置が設けられている場合に、それにも
拘わらずステップ30に於いて答がノーとなるときに
は、そのようなロック機構がVVT装置に於ける誤判断
等の何らかの理由により正常に作動していないときであ
る。このときには、制御はステップ140へ進み、やは
りクランキングが開始される。しかしこのときには、制
御は次のステップ150にて、クランク軸回転数Neが
ある比較的高い所定の回転数値Nh1に達したか否かが判
別される。この回転数値Nh1は、例えば1000rpm
の如く、ステップ60に於けるNn1より実質的に高い値
である。この場合にも答は当初当然ノーであり、制御は
これよりステップ90へ進むが、クランキングが進み、
クランク軸の回転数が上昇して答がイエスに転ずると、
制御はこれよりステップ70へ進み、上記の通り燃料噴
射を開始してエンジンを自爆させる制御が行われる。
【0033】ステップ30に於ける答がノーのとき、即
ち吸気弁閉じ位相が最進角位置にロックされていないと
きには、吸気弁閉じ位相が中間位置にあっても、クラン
キングが開始されると、吸気弁駆動カム軸にはかなり大
きな抵抗が作用するので、VVT装置に於いてはカム軸
の位相はクランク軸の位相に対し次第に遅れ、ついには
吸気弁の閉じ位相は最遅角位相に設定される。吸気弁閉
じ位相がそのように遅角されると、吸気の圧縮度は低下
するので、機関を自爆させるにはクランキング回転数は
上述の1000rpmの如く高い値に設定されることを
要する。
【0034】エコラン車やハイブリッド車の車輌運行中
に於ける機関一次停止後の再始動時の如く暖機状態にて
機関が始動されるときには、ステップ20に於ける答は
イエスとなり、制御はこれよりステップ160へ進み、
ここで吸気弁閉じ位相θiabdcが最進角位相θoにロック
されているか否かが判断される。答がノーのときには、
制御はステップ170へ進み、クランキングが開始され
る。このときには、次のステップ180に於いて、クラ
ンク軸回転数Neがある比較的高い回転数値Nh2に達し
たか否かが判断される。この回転数値Nh2は、例えば1
000rpmの如くステップ150に於けるNh1と同じ
値に設定されてもよいが、ステップ150に比してこの
とき機関は暖機状態にあるので、Nh2はNh1に比して幾
分低い値とされてもよい。上記の通り吸気弁閉じ位相が
最進角位置にロックされていなければ、クランキング開
始後程なく吸気弁閉じ位相は最遅角位置まで遅れるの
で、機関暖機時には吸気弁閉じ位相を最進角位置にロッ
クしないようVVT装置が正常に作動すれば、機関暖機
時のクランキングは、吸気弁閉じ位相を遅角位置に設定
し、クランク軸回転数が比較的高い値に達したところで
燃料噴射を開始される。
【0035】ステップ160に於ける答がイエスのと
き、即ち機関は暖機状態にあるにも拘わらずVVT装置
の誤判断等により吸気弁閉じ位相が最進角位置にロック
されているときには、制御はステップ190へ進み、ク
ランキングが開始され、更にステップ200にて電動機
出力はクランク軸の抗クランキングトルクの変動を打ち
消すように変動制御される。この場合には、吸気の圧縮
度は高くなっているので、燃料噴射開始のためのクラン
ク軸回転数を判断するステップ210に於いては、その
しきい値Nn2はステップ60に於けるNn1の如く例えば
500rpmのように低い値とされてよい。もちろん答
は当初からイエスであることはなく、しばらくはノーと
なり、これより制御はしばらくステップ90を通って巡
回する。
【0036】かくして、図4に示す如きフローチャート
に従って機関の始動が制御されることにより、機関が冷
温状態にて始動されるか、或は暖機状態にて始動される
か、また吸気弁閉じ位相が最進角位置にロックされてい
るか否かに応じて、それぞれに適合した機関始動方法が
実行されることが理解されよう。
【0037】図5は、図4に於けるステップ30及びス
テップ140の部分に関する本発明の一つの修正例を示
すフローチャートの部分図である。
【0038】この修正例に於いては、ステップ30に於
ける答がノーのとき、制御はステップ145へ進み、こ
こで電動機を逆作動し、クランク軸と吸気弁駆動カム軸
とを相対的に逆方向に駆動することにより、VVT装置
に於いて吸気弁閉じ位相を進角側へ変位させる作動を起
こさせ、吸気弁閉じ位相が最進角位置に来たところでそ
れを最進角位置にロックするロック機構を作動させる。
上記の特許公開公報に記載されている通り、かかるロッ
ク機構は、シリンダに対しロータリピストンが最進角位
置に来たとき、その一方に設けられた孔に他方に設けら
れたピンがばねの作用により落とし込まれる構造になっ
ているものであり、従って電動機の逆作動によりVVT
装置が進角側へ向けて一杯に駆動されれば、そのことに
よってθiabdc=θoが達成される。
【0039】ステップ145にて電動機を逆作動させた
後には、ステップ146にてフラグFが1にセットさ
れ、制御はステップ10へ戻る。かくして制御がステッ
プ10、20、30、145、146を通って循環し、
その間にVVT装置が進角方向へ向けて駆動されると、
やがてステップ30の答はノーよりイエスに転ずる。そ
こで制御はステップ35へ進み、フラグFが1であるか
否かが判別される。制御がステップ145及び146を
通った後では答はイエスであり、制御はステップ147
へ進み、電動機の逆作動が停止される。その後、制御は
ステップ148にてフラグFを0にリセットし、ステッ
プ140へ進み、これ以後、図1に於けると同様の機関
冷温時であって吸気弁閉じ位相が最進角位置にロックさ
れた状態での機関始動が行われる。
【0040】以上に於いては本発明を一つの総合的実施
例とその一部の修正例について詳細に説明したが、かか
る実施例あるいは修正例に於いてその一部が省略されて
もよく、またこれ以外に本発明の範囲内にて種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸気弁閉じ位相の角度位置とクランク軸回転数
と筒内圧の関係を実験結果に基づいて例示する線図。
【図2】クランキングの開始と共に急速に或る所定値ま
で立ち上げられた後ほぼ一定に維持されるクランキング
トルクにより吸気圧縮度が低い場合にクランク軸回転数
が上昇する態様を示す線図。
【図3】同様のクランキングトルクにより吸気圧縮度が
高い場合にクランク軸回転数が上昇する態様を示す線
図。
【図4】本発明による車輌用内燃機関の始動方法を一つ
の総合的実施例について示すフローチャート。
【図5】図1のフローチャートに於ける一部の修正例を
示す部分フローチャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G092 AA11 AC02 AC03 BB01 BB06 DA03 DA07 DD03 DE01S FA31 GA01 GA17 GB10 HA13Z HE06Z HE08Z HF05X HF19X HF20X 3G301 JA00 KA01 LA07 LB01 MA18 NA08 PC01A PE01A PE08A PF01A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関始動時に気筒内に於ける吸気の圧縮度
    を変更することができる吸気圧縮度変更手段を有する内
    燃機関の始動方法にして、機関始動時の吸気圧縮度に対
    応させてクランキング態様を変更することを特徴とする
    内燃機関始動方法。
  2. 【請求項2】前記クランキング態様の変更は、吸気圧縮
    度が相対的に高いことに対応させて燃料噴射を開始する
    クランク軸回転数を相対的に低くし、吸気圧縮度が相対
    的に低いことに対応させて燃料噴射を開始するクランク
    軸回転数を相対的に高くすることであることを特徴とす
    る請求項1に記載の内燃機関始動方法。
  3. 【請求項3】内燃機関が冷温状態にあるとき、吸気圧縮
    度を相対的に高くし、燃料噴射を開始するクランク軸回
    転数を相対的に低くし、内燃機関が暖機状態にあると
    き、吸気圧縮度を相対的に低くし、燃料噴射を開始する
    クランク軸回転数を相対的に高くすることを特徴とする
    請求項2に記載の内燃機関始動方法。
  4. 【請求項4】内燃機関が冷温状態にあって、吸気圧縮度
    が相対的に低いときには、燃料噴射を開始するクランク
    軸回転数を相対的に高くすることすることを特徴とする
    請求項2に記載の内燃機関始動方法。
  5. 【請求項5】内燃機関が暖機状態にあって、吸気圧縮度
    が相対的に高いときには、燃料噴射を開始するクランク
    軸回転数を相対的に低くすることを特徴とする請求項2
    に記載の内燃機関始動方法。
  6. 【請求項6】前記クランキング態様の変更は、吸気圧縮
    度が相対的に高いことに対応させてクランク軸駆動トル
    クを内燃機関の抗クランキングトルクの変動分を打ち消
    す変動分を含むトルクとすることを特徴とする請求項1
    〜5のいづれかに記載の内燃機関始動方法。
  7. 【請求項7】前記吸気圧縮度変更手段は吸気弁の閉じ位
    相を変更する手段であり、吸気弁閉じ位相を相対的に早
    くすることにより吸気圧縮度を相対的に高くし、吸気弁
    閉じ位相を相対的に遅くすることにより吸気圧縮度を相
    対的に低くすることを特徴とする請求項1〜6のいづれ
    かに記載の内燃機関始動方法。
  8. 【請求項8】内燃機関のクランク軸と吸気弁駆動カム軸
    とを電動機により相対的に逆駆動し、吸気弁閉じ位相を
    相対的に進めて吸気圧縮度を相対的に高くすることを含
    むことを特徴とする請求項7に記載の内燃機関始動方
    法。
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