JP5035317B2 - 内燃機関の制御方法及び内燃機関システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼室を開閉する吸気弁を有する内燃機関の制御方法及び内燃機関システムに関する技術分野に属する。
従来より、燃焼室を開閉する吸気弁を有する内燃機関システムにおいて、所定の自動停止条件時に内燃機関の作動を自動停止させるとともに、この自動停止後の所定の再始動条件成立時に内燃機関を再始動させる自動停止・再始動制御手段を備えたシステムが知られている。
例えば、特許文献1では、この自動停止・再始動制御手段を備えた内燃機関システムであって、吸気弁の閉弁時期を可変とするバルブタイミング可変機構を有し、内燃機関の自動停止後の再始動時に発生する車両振動の低減を図るべく、内燃機関の自動停止中に吸気弁の閉弁時期をバルブタイミング可変機構により遅角させるようにしたシステムが開示されている。
特開2007−32388号公報
内燃機関の運転効率を高めるためには、膨張比を高めることが望ましい。しかしながら、膨張比を高めると、それに伴って圧縮比も高くなってしまう。その結果、圧縮行程時に気筒内の混合気が過熱され、未燃混合気が所望のタイミングより前に自着火するといった異常燃焼(プリイグニッション)が発生しやすくなる。例えば、内燃機関の作動が停止してから次に始動させるまでの時間が短い場合には、気筒内の温度が十分に低下しておらず、特に異常燃焼が発生し易くなる。
これに対して、内燃機関の始動時において、気筒内へ燃料噴射を開始する前に内燃機関のクランキングを数回実行して気筒内の掃気を行うことで気筒内の温度を低下させることが考えられる。しかし、車両に搭載された内燃機関を自動停止後に再始動させる場合としては、信号待ちのための交差点での停止からの発進等、迅速な再始動が求められる場合が多く、上記のようにクランキングを数回実行して筒内の掃気を行う方法では時間がかかり好ましくない。
そこで、上記特許文献1に示すように内燃機関の自動停止中に吸気弁の閉弁時期を遅角させてエンジンの有効圧縮比を低減することで、気筒内の温度の上昇を抑制することが考えられる。しかし、単に、吸気弁の閉弁時期を遅角させただけでは、停止後短期間での再始動を前提とした自動停止以外の停止時においてまで吸気弁の閉弁時期が遅角されてしまう。そのため、自動停止以外の停止時(例えば、冷間始動時)からの始動時には有効圧縮比が低下してしまい、結果として始動性を十分に確保できないおそれがある。
本発明は、このような問題に勘案してなされたものであって、その目的は、内燃機関の始動迅速性と始動確実性とを確保することにある。
上記課題を解決するために本発明は、クランクシャフトの回転に同期して往復動作することで気筒の燃焼室を開閉する吸気弁を有し且つ車両に搭載された内燃機関の制御方法であって、第1作動停止要求があると上記内燃機関の作動を停止させ、その後、第1始動要求があると上記内燃機関のクランキングを開始するとともに、該クランキング開始後の所定時期に上記燃焼室での燃焼を開始する第1モードと、第2作動停止要求があると上記内燃機関の作動を停止させ、その後、第2始動要求があると上記内燃機関のクランキングを開始するとともに、該クランキング開始後の上記所定時期よりも遅い時期に上記燃焼室での燃焼を開始する第2モードと、を有し、上記第1モードにおいて上記第1作動停止要求があると実施されて、上記吸気弁の閉弁時期を吸気下死点よりも遅角側に設定された第1所定閉弁時期に設定する第1所定閉弁時期設定工程と、上記第1作動停止要求に応じて内燃機関の作動が停止され且つ上記第1所定閉弁時期設定工程が実施されて上記吸気弁の閉弁時期が上記第1所定閉弁時期に設定された後、上記内燃機関が停止した状態のまま上記第2作動停止要求があったとき、上記吸気弁の閉弁時期を上記第1所定閉弁時期から該第1所定閉弁時期よりも進角側且つ、吸気下死点よりも遅角側の第2所定閉弁時期に変更する閉弁時期変更工程と、を有し、上記第1作動停止要求は、少なくとも上記車両が停止状態にあるときに上記車両の乗員の操作によらず自動でなされるものであり、上記第2作動停止要求は、上記車両の乗員により手動でなされるものあり、上記閉弁時期変更工程による上記吸気弁の閉弁時期の上記第1所定閉弁時期から上記第2所定閉弁時期への変更は、上記吸気弁の閉弁時期を変更可能な電動モーターを用いて行われることを特徴とするものである(請求項1)
この方法では、例えば、アイドリング時に乗員の操作によらず内燃機関の作動を停止させるアイドルストップシステムを搭載した車両等において、交差点の信号待ち停止中等に第1作動停止要求を受けて内燃機関の作動を自動停止させる際には、吸気弁の閉弁時期が遅角側の第1所定閉弁時期に設定され、その後に第1始動要求があったときには、吸気弁の閉弁時期がこの第1所定閉弁時期に設定された状態で再始動が行われる(第1モード)。一方、乗員の手動(イグニッションキー操作等)により第2作動停止要求がなされ、内燃機関の作動を停止させる際には、吸気弁の閉弁時期が進角側の第2所定閉弁時期に設定され、その後に第2始動要求があったときには、吸気弁の閉弁時期がこの第2所定閉弁時期の状態で始動が行われる(第2モード)。
このように、内燃機関の始動要求(第1始動要求)があってから燃焼開始までの時間が比較的短く始動迅速要求が高い第1モードにおいては、内燃機関の作動停止に際して吸気弁の閉弁時期が吸気下死点よりも遅角側にされるため、その後の再始動時に、内燃機関の有効圧縮比を低くして筒内温度の異常上昇を抑制することができる。このため、クランキングによる筒内掃気を行う等して筒内温度を低下させずとも、プリイグニッション等の異常燃焼の発生を防止することができ、内燃機関の迅速な始動が可能となる。
また、第1作動停止要求に伴い吸気弁の閉弁時期が遅角側の第1所定閉弁時期にされ、且つ上記第1作動停止要求に伴い内燃機関の作動が停止された後であっても、乗員の手動による第2作動停止要求があれば、この第2作動停止要求に応じて吸気弁の閉弁時期が第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期へ進角されるため、第2作動停止要求の後に実施される始動迅速要求が低い状況下での始動時において、内燃機関の有効圧縮比を十分に確保してその始動確実性を向上させることが可能となる。
さらに、上記第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期への変更が電動モーターにより行われるので、第1作動停止要求に伴い内燃機関の作動が停止された後であっても、上記の電動モーターを使用することにより、第2作動停止要求に応じて吸気弁の閉弁時期の第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期への変更が可能となる。
こうして、本方法によれば、始動迅速性を確保することができるとともに始動確実性をより向上させることができる。
また、本発明において、上記電動モーターの温度が予め設定された基準温度以下かどうかを判定するモーター温度判定工程を更に有し、上記閉弁時期変更工程では、上記モーター温度判定工程において上記電動モーターの温度が上記基準温度以下と判定された場合に上記吸気弁の閉弁時期の上記第1所定閉弁時期から上記第2所定閉弁時期への変更を行い、上記電動モーターの温度が上記基準温度よりも高いと判定された場合には上記吸気弁の閉弁時期を第1所定閉弁時期に維持することが好ましい(請求項2)。
第1作動停止要求に伴う第1所定閉弁時期へ設定後の内燃機関の作動停止中は、内燃機関(周辺)に熱気がこもることが多く、それが、内燃機関(周辺)の温度を一時的に上昇させる。吸気弁の閉弁時期を変更する電動モーターも、この内燃機関(周辺)の温度上昇の影響を受けて、一時的に温度が上昇する。電動モーターは、一定温度(基準温度)よりも上昇すると、磁力が低下(発生トルクが低下)するという特性があり、上記の内燃機関の作動停止中に、吸気弁の閉弁時期の変更を行った場合、電動モーターの発生トルク不足により、吸気弁の閉弁時期の変更が好適に行えない可能性がある。すなわち、第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期への変更量(進角量)が不足して十分に有効圧縮比を高めることができず、第2始動要求時の始動確実性を低下させるおそれがある。
これに対して、上記方法によれば、モーター温度が基準温度以下である場合にのみ、吸気弁の閉弁時期の変更を行うようにしたので、吸気弁の閉弁時期の第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期への変更量(進角量)が不足して、第2始動要求時の始動確実性が低下するのを抑制することができる。
また、本発明は、クランクシャフトの回転に同期して往復動作することで気筒の燃焼室を開閉する吸気弁を有し且つ車両に搭載された内燃機関と、該内燃機関の吸気弁の閉弁時期を上記クランクシャフトの回転位相に対して可変とする吸気閉弁時期可変機構と、上記燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段と、上記クランクシャフトをクランキングするスタータモータと、上記吸気閉弁時期可変機構と上記燃料供給手段と上記スタータモータの作動を制御する制御手段と、を備えた内燃機関システムであって、上記制御手段は、上記内燃機関の作動を停止させる第1作動停止要求があると上記内燃機関の作動を停止させるべく上記燃焼室への燃料供給を停止するよう上記燃料供給手段を制御し、その後、上記内燃機関を始動させる第1始動要求があると、上記スタータモータが上記クランクシャフトのクランキングを開始するように該スタータモータを制御するとともに、該クランキング開始後の所定時期に上記燃焼室での燃焼を開始させるべく上記燃料供給手段を制御する第1モードと、上記内燃機関の作動を停止させる第2作動停止要求があると上記内燃機関の作動を停止させるべく上記燃焼室への燃料供給を停止するよう上記燃料供給手段を制御し、その後、上記内燃機関を始動させる第2始動要求があると、上記スタータモータが上記クランクシャフトのクランキングを開始するように該スタータモータを制御するとともに、該クランキング開始後の上記所定時期よりも遅い時期に上記燃焼室での燃焼を開始させるべく上記燃料供給手段を制御する第2モードと、を実行可能であり、上記第1モードにおいて上記第1作動停止要求があると、上記吸気弁の閉弁時期が吸気下死点よりも遅角側に設定された第1所定閉弁時期になるように上記吸気閉弁時期可変機構を制御し、且つ、上記第1作動停止要求に応じて上記内燃機関の作動を停止させ且つ上記吸気弁の閉弁時期が上記第1所定閉弁時期となるように上記吸気閉弁時期可変機構を制御した後、上記内燃機関が停止した状態のまま上記第2作動停止要求があったとき、上記吸気弁の閉弁時期を上記第1所定閉弁時期から該第1所定閉弁時期よりも進角側且つ、吸気下死点よりも遅角側の上記第2所定閉弁時期に変更するよう上記吸気閉弁時期可変機構を制御するように構成されており、上記第1作動停止要求は、少なくとも上記車両が停止状態にあるときに上記車両の乗員の操作によらず自動でなされるものであり、上記第2作動停止要求は、上記車両の乗員により手動でなされるものであり、上記吸気閉弁時期可変機構は、上記吸気弁の閉弁時期を上記第1所定閉弁時期から上記第2所定閉弁時期へ変更するための駆動源として、電動モーターを有することを特徴とするものである(請求項3)
この内燃機関システムによれば、上記制御手段により、自動停止した内燃機関を始動させる要求(第1始動要求)があってから燃焼開始までの時間が比較的短く始動迅速要求が高い状況下で実行される第1モードにおいては、エンジンの作動停止要求(第1作動停止要求)があった際に、吸気弁の閉弁時期が遅角側の第1所定閉弁時期とされる。一方、乗員の手動による内燃機関の始動要求(第2始動要求)があってから燃焼開始までの時間が比較的長く、始動迅速要求が低い状況下で実行される第2モードにおいては、内燃機関の作動停止要求(第2作動停止要求)があった際に、吸気弁の閉弁時期の設定が進角側の第2所定閉弁時期とされる。そして、第1作動停止要求に伴い吸気弁の閉弁時期が上記第1所定閉弁時期とされた後、第2作動停止要求があった際には、内燃機関の作動停止中においても、吸気弁の閉弁時期が第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期へ変更(進角)される。
従って、始動迅速要求が高い第1モードにおいては、第1作動停止要求があった際に吸気弁の閉弁時期が遅角側の第1所定閉弁時期とされるため、その後の再始動時に、内燃機関の有効圧縮比を低くして筒内温度の異常上昇を抑制することができ、クランキングによる筒内掃気を行う等して筒内温度を低下させずとも、プリイグニッション等の異常燃焼の発生を防止することができて、内燃機関の迅速な始動が可能となる。
一方、第1モードに比べて始動迅速要求が小さい第2モードにおいては、第2作動停止要求があった際に吸気弁の閉弁時期が進角側の第2所定閉弁時期とされるため、その後の始動時には、内燃機関の有効圧縮比を十分に確保してその始動確実性を向上させることが可能となる。しかも、第1作動停止要求に伴い吸気弁の閉弁時期が遅角側の第1所定閉弁時期にされた後であっても、第2作動停止要求に応じて内燃機関が作動停止中であるにも関わらず吸気弁の閉弁時期が進角される(第2所定閉弁時期に変更される)ため、この第2作動停止要求の後に実施される始動迅速要求が低い状況下での始動時において、内燃機関の有効圧縮比を十分に確保してその始動確実性を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本発明によると、異常燃焼の発生を回避しつつ始動迅速性を確保することができるとともに、始動確実性を確保することができる。
本発明の実施形態に係るエンジンシステムの全体構成を示すブロック図である。 吸気カムシャフト位相可変機構を示す横断面図である。 エンジン制御器にて実行される第1の実施形態に係るエンジン制御方法を示すフローチャートである。 エンジン制御器にて実行される通常始動制御方法を示すフローチャートである。 エンジン制御器にて実行される自動再始動制御方法を示すフローチャートである。 エンジン制御器にて実行される第2の実施形態に係るエンジン制御方法を示すフローチャートである。 エンジン制御器にて実行される第3の実施形態に係るエンジン制御方法を示すフローチャートである。 吸気バルブのリフトカーブをエンジン始動直後と通常運転時とで比較したグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るエンジンシステム(内燃機関システム)200の全体構造を示す。このエンジンシステム200は、エンジン(内燃機関)1と、このエンジン1に設けられた各種アクチュエータを制御するエンジン制御器100とを有している。
上記エンジン1は、自動車等の車両に搭載される4サイクルの火花点火式内燃機関であって、該車両を推進するべく、その出力軸が変速機を介して駆動輪に連結されている。このエンジン1は、シリンダブロック12とその上に載置されるシリンダヘッド13とを備えている。このシリンダブロック12とシリンダヘッド13との内部には複数のシリンダ(気筒)11が形成されている。これらシリンダ11の数は特に限定されるものではないが、例えば4つのシリンダ11が形成されている。また、シリンダブロック12には、ジャーナル、ベアリングなどによってクランクシャフト14が回転自在に支持されている。図1中、符号SW4は、シリンダブロック12に設けられた冷却水ジャケットに臨んで配設されて、この冷却水の温度を検出する冷却水温度センサであり、冷却水温度センサSW4はその検出信号をエンジン制御器100へと出力する。
シリンダブロック12の側面には、クランクシャフト14に駆動力を付与してエンジン1を始動させるスタータユニット81が設けられている。
このスタータユニット81は、スタータモータ81aと、ピニオンギヤ81bとを有している。ピニオンギヤ81bの回転軸は、スタータモータ81aの出力軸と同軸で、その回転軸に沿って往復移動する。また、クランクシャフト14には、不図示のフライホイールと、このフライホイールに固定されたリングギヤ82が、回転中心に対して同軸に設けられている。そして、このスタータユニット81を用いてエンジン1を始動する場合には、ピニオンギヤ81bが所定の噛合位置に移動して、リングギヤ82に噛合することにより、クランクシャフト14が回転駆動(クランキング)されるようになっている。
上記シリンダブロック12に形成された各シリンダ11内には、ピストン15がそれぞれ摺動自在に嵌装されており、各ピストン15の上方にはそれぞれ燃焼室17が形成されている。
ここで、本実施形態では、ピストン15が上死点に位置するときの燃焼室17の容積との比であるエンジン1の幾何学的圧縮比がほぼ14に設定されている。もちろん、この幾何学的圧縮比の値は14に限らない。例えば、機関効率の向上といった観点からは該幾何学的圧縮比はより高い方が好ましい。しかしながら、幾何学的圧縮比を高くしていくと、圧縮行程においてシリンダ11内の温度が高くなり過ぎてしまい予期せぬタイミングで自着火が生じる可能性が高くなる。このため、エンジン1の幾何学的圧縮比としては13以上16以下が好ましい。
上記シリンダヘッド13には、点火プラグ52が設けられている。点火プラグ52の先端電極は、各シリンダ11の燃焼室17の頂部に臨んでいる。点火プラグ52は、エンジン制御器100からの制御信号SAを受けて作動する点火システム51により所定のタイミングで通電され、シリンダ11内の混合気に点火する。
シリンダヘッド13には、燃料噴射弁53が設けられている。燃料噴射弁53の先端は、各シリンダ11の燃焼室17の周縁部に臨んでいる。燃料噴射弁53は、エンジン制御器100からの制御信号FPを受けて作動する燃料供給システム54により駆動されて、所定のタイミングで所定量の燃料噴射を行う。
上記シリンダヘッド13には、各燃焼室17に連通する吸気ポート18と排気ポート19とが形成されている。シリンダヘッド13には、各吸気ポート18をそれぞれ燃焼室17から遮断するための吸気バルブ(吸気弁)21と、各排気ポート19をそれぞれ燃焼室17から遮断するための排気バルブ(排気弁)22とが設けられている。吸気バルブ21及び排気バルブ22はそれぞれ、後述する吸気弁駆動機構30、排気弁駆動機構40を介してクランクシャフト14に連動可能に連結されていて、吸気ポート18、排気ポート19を所定のタイミングで開閉する。吸気バルブ21および排気バルブ22は各ポート18,19を開閉することで、燃焼室17と吸気通路25および排気通路26との連通/遮断を切換える。ここで、図1中、符号SW3は、吸気通路25内に臨んで配設されて吸気温度を検出する吸気温度センサであり、吸気温度センサSW3はその検出信号をエンジン制御器100へと出力する。
上記吸気弁駆動機構30及び排気弁駆動機構40は、それぞれ吸気カムシャフト31と排気カムシャフト41とを有している。吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト41は、周知のチェーン/スプロケット機構等のチェーン伝達機構を介してクランクシャフト14に連結されている。
上記チェーン伝達機構は、クランクシャフト14が2回転する間に、カムシャフト31,41が1回転するように構成されている。ここで、符号SW1、SW2はそれぞれ、クランク角センサ、カム角センサである。クランク角センサSW1は、クランクシャフト14に回転一体に取付けられた不図示のロータの外周部に等間隔に形成された凸部の通過に応じて、そのパルス信号をエンジン制御器100へと出力する。カム角センサSW2は、カムシャフト31(又は41)に回転一体に取付けられたロータの外周部に形成された凸部(予め設定した設定クランク角に対応する位置に設けられる)の通過に応じて、そのパルス信号をエンジン制御器100へと出力する。エンジン制御器100では、この両センサSW1,SW2からのパルス信号を基に各気筒判別(各シリンダ11が吸気、圧縮、膨張、及び排気のいずれの行程にあるかを判別する)を行うとともにクランクシャフト14の回転角度(クランク角°CA)を算出する。
上記各バルブ21,22は、不図示のバルブ用リターンスプリングにより常に閉方向に付勢されており、各バルブ21,22のステムエンドには、バルブリフタ23,24が被せられている。カムシャフト31,41は、それぞれのカム部(不図示)をバルブリフタ23,24に当接させることで、該カムシャフト31,41の回転動作に連動して各バルブ21,22を往復動作させ、これによって、各ポート18,19の開閉動作を行う。
上記バルブリフタ23,24は、油圧式ラッシュアジャスタ23,24からなるものであって、クランクシャフト14により駆動されるオイルポンプ(図示省略)の油圧を利用して、各カムシャフト31,41のカム部との間の隙間を埋めるように構成されている。ラッシュアジャスタ23,24の具体的な構成としては、例えば特開2003−56316号公報に示す公知の構造を採用することができる。尚、本実施形態では、上述のように、各バルブ21,22をカムシャフト31,41により直接駆動する(ラッシュアジャスタ23,24を介して直接駆動する)直動式のバルブレイアウトを採用するようにしているが、これに限ったものではなく、各バルブ21,22を、ロッカーアームを介して駆動する所謂ロッカーアーム式のバルブレイアウトを採用するようにしてもよい。
上記吸気弁駆動機構30は、上記チェーン伝達機構と吸気カムシャフト31との間に設けられた吸気カムシャフト位相可変機構(Variable Valve Timing
以下、VVTともいう)32を有しており、この吸気VVT32によって、吸気バルブ21のリフトカーブ(開閉時期)が進角側、遅角側に変更されるようになっている。尚、本実施形態では、排気弁駆動機構40は、VVTを有さないものとされているが、吸気弁駆動機構30と同様にVVTを設けるようにしてもよい。
上記吸気VVT32は、クランクシャフト14に対する吸気カムシャフト31の回転位相を変更することで吸気バルブ21の開閉時期を可変とするものである。本実施形態では、この吸気VVT32は、上記回転位相変更のための回転力を、電動モーター151(図2参照)により発生させる。
より具体的には、吸気VVT32は、図2に示すように上記電動モーター151と、電動モーター151の出力軸151aに連結シャフト152を介して回転一体に連結されたロータ153と、ロータ153にギヤ結合されたスプロケット本体154と、同じくロータ153にギヤ結合されたカム一体ギヤ155とを有している。
電動モーター151は、その回転軸心が吸気カムシャフト31の回転軸心に一致するように配設されている。
カム一体ギヤ155は、吸気カムシャフト31の一端部にこれと同軸で、不図示のノックピンを介して回転一体に結合された円板状部材からなる。カム一体ギヤ155における該カムシャフト31とは反対側の面には、円筒状凹部が形成されている。この円筒状凹部の内周面には、後述するロータボス部162のギヤ部162aに噛合するギヤ部155aが形成されている。
スプロケット本体154は、円筒状であって、その外周面に、上記チェーン伝達機構のチェーン(図示省略)と噛合するスプロケットギヤ部154aを有している。このスプロケット本体154の軸心は、電動モーター151の回転軸心(吸気カムシャフト31の軸心)に一致している。スプロケット本体154の内周面には、後述するロータ本体161のギヤ部161aに噛合するギヤ部154bが形成されている。
連結シャフト152は、モーター出力軸151aと同軸に回転一体で連結された段付シャフトからなるものである。この連結シャフト152は、大径部152aと小径部152bとで構成されている。
連結シャフト152の小径部152bの外周面には、ロータ153の後述するスプライン凹部153cと噛合するスプライン歯部152cが形成されている。
ロータ153は、外周面にギヤ部161aを有するロータ本体161と、外周面にギヤ部162aを有するロータボス部162とで構成されている。ロータ153の内周面には、スプライン凹部153cが形成されている。ロータ153は、該スプライン凹部153cと上記スプライン歯部152cとのスプライン結合によって連結シャフト152と一体で回転する。
ロータ153の軸心(ロータ本体161及びロータボス部162の軸心)は、電動モーター151の回転軸心(電動モーター151の出力軸151aの軸心)に対して所定距離だけ偏心している(この偏心量は僅かであるため図示はされていない)。ロータ本体161のギヤ部161aの歯数は、スプロケット本体154のギヤ部154bの歯数よりも一歯少なくなっている。同様に、ロータボス部162のギヤ部162aの歯数は、カム一体ギヤ155のギヤ部155aの歯数よりも一歯少なくなっている。このことで、ロータ153(ロータ本体161及びロータボス部162)と、スプロケット本体154及びカム一体ギヤ155とで偏心遊星歯車機構が構成されている。
電動モーター151をスプロケット本体154の回転方向(クランクシャフト14の回転方向に一致する方向)と同方向に回転させると、この回転量に応じて、カム一体ギヤ155が同方向に回転して吸気カムシャフト31の回転位相がスプロケット本体154(クランクシャフト14)に対して進角する。一方、電動モーター151をスプロケット本体154の回転方向とは逆向きに回転させると、この回転量に応じて、吸気カムシャフト31の回転位相がクランクシャフト14に対して遅角する。尚、電動モーター151は、エンジン制御器100からの制御信号を受けて作動制御される。
上記エンジン制御器100は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラで構成されていて、プログラムを実行するためのCPUと、RAMやROMからなりプログラムを格納するメモリと、各種信号の入出力を行うI/Oバスとを備えている。このエンジン制御器100は、不図示のバッテリにイグニッションスイッチを介して接続されている。イグニッションスイッチは、乗員によるイグニッションキー(エンジンキー)の操作に連動して、オフ状態、ACC状態(アクセサリ状態)、オン状態(バッテリからエンジン制御器100への給電可能状態)、スタート状態(スタータモータ81aを始動させる状態)とのいずれかに切換え可能になっていて、各状態に対応するスイッチ信号をエンジン制御器100へと出力する。
エンジン制御器100は、上記I/Oバスを介して、イグニッションスイッチから出力されるスイッチ信号、エアフローメータ71により検出された吸入空気量AF、吸気圧センサ72により検出された吸気マニホールド55内の空気圧力MAP、吸気温度センサSW3により検出された吸気温度、冷却水温度センサSW4により検出されたエンジン冷却水温度、クランク角センサSW1及びカム角センサSW2から出力されるパルス信号、酸素濃度センサ74により検出された排ガスの酸素濃度EGO、アクセル開度センサ75により検出された自動車のドライバーによるアクセルペダルの踏込み量α、車速センサ76により検出された車速VSPといった各種の情報を受けて、シリンダ11内へ導入される空気量すなわちシリンダ11内の空気充填量(吸気効率)や点火時期等が運転条件に応じて適切な値になるように、各種アクチュエータに対する指令値を計算する。例えば、スロットル開度TVO、燃料噴射量FP、燃料噴射時期、点火時期SA、吸気バルブタイミングθIVC_D、排気バルブタイミング、EGRバルブ開度EGRopen等の指令値を計算し、それらを、スロットル弁57を駆動するスロットルアクチュエータ58、燃料供給システム54、吸気VVT32(電動モーター151)、EGRバルブ63を駆動するEGRバルブアクチュエータ64等に出力する。
エンジン制御器100は、エンジン自動停止条件(後述する)が成立したときにエンジン1の作動を自動的に停止させ、該エンジン1の自動停止後にエンジン再始動条件(後述する)が成立したときにエンジン1を自動的に再始動させる自動停止/再始動モード(後述のステップS6〜S10の制御処理であって第1モードに相当)と、乗員によるイグニションキー操作に応じてエンジン1の作動を停止、始動させる通常停止/始動モード(後述のステップS1〜S5の制御処理であって第2モードに相当)とを含む制御を実行するとともに、吸気バルブ21の閉弁時期をモード等に応じて変更するよう構成されている。
上記自動停止/再始動モードは、いわゆるアイドリングストップ制御が実施されるモードであり、後述するように、アイドル運転状態時にエンジン1の作動が自動停止され、その後、アクセルペダルの操作等に基づきエンジン1が自動的に再始動される。
エンジン制御器100における第1の実施形態に係るエンジン制御の処理を図3のフローチャートを基に説明する。
最初のステップS1では、乗員によるイグニッションキースイッチの操作に応じた通常始動制御を実行する。この制御の詳細は後述する。
ステップS2では、エンジン1の運転状態に応じて、吸気VVT32の作動アクチュエータである電動モーター151に対して必要な制御信号を出力することで、吸気VVT32の位相(つまりクランクシャフト14に対する吸気カムシャフト31の位相)を制御し、吸気バルブ21のバルブタイミングを運転状態に応じたタイミングにする。この制御は、例えば、吸気バルブ21と排気バルブ22とが共に開いた状態となるオーバラップ期間が、エンジン負荷に応じた適切な長さになるように実行される。
ステップS3では、イグニッションスイッチからのスイッチ信号を基に、イグニッションキーが操作されてイグニッションスイッチがオフ状態(IGオフ)にされたか否かを判定し、この判定がNOであるときにはステップS6に進み、YESであるときにはステップS4に進む。
乗員によりイグニッションキーが操作されてイグニッションスイッチがオフ状態にされたこと、すなわち、エンジン1の通常作動停止要求(第2作動停止要求)がなされたことを受けて、ステップS4では、燃料供給システム54への制御信号の出力を停止し、燃料噴射弁53による燃料噴射を停止する。燃料噴射が停止されることでエンジン1の作動はしばらく後に停止する。
また、上記エンジン1の通常作動停止要求がなされたことを受けて、ステップS5では、吸気VVT32の作動アクチュエータである電動モーター151に対して必要な制御信号を出力することで、吸気VVT32を予め設定された停止位相に制御する。具体的には、吸気バルブ21の閉弁時期が、予め設定された吸気下死点よりも遅角側の第2所定閉弁時期となるように、吸気VVT32の位相制御を行う。本実施形態では、第2所定閉弁時期は、ABDC(After Bottom Dead Center)70℃A(吸気下死点後70℃A)に設定されている。
一方、ステップS3の判定がNOであるときに進むステップS6では、エンジン1の作動を自動的に停止させるか否かの判定条件であるエンジン自動停止条件が成立したか否かを判定する。この判定がNOであるときにはステップS2に戻る一方、YESであるときにはエンジン1の自動停止要求(第1作動停止要求)がなされたとしてステップS7に進む。本実施形態においては、エンジン1のアイドル運転状態が所定時間継続していると想定される、ブレーキペダルの作動信号(踏込み状態)が所定時間継続しており車速VSPが所定値以下であるといった場合に、エンジン自動停止条件が成立し、エンジン1の自動停止要求がなされたと判定する。
ステップS7では、エンジン自動停止条件が成立しエンジン1の自動停止要求がなされると、燃料供給システム54に対して必要な制御信号を出力し燃料噴射弁53による燃料噴射を停止する。燃料噴射が停止されることでエンジン1の作動はしばらく後に停止する。
また、エンジン1の自動停止要求があると、ステップS8(第1所定閉弁時期設定工程)において、吸気温度センサSW3により検出される吸気温度情報を基に、上記吸気VVT32の作動アクチュエータである電動モーター151に対して必要な制御信号を出力することで、吸気VVT32の位相制御を行う。
具体的には、吸気バルブ21の閉弁時期が、上記第2所定閉弁時期よりも遅角側に設定された第1所定閉弁時期となるように吸気VVT32の位相制御を行う。この第1所定閉弁時期は一定値でもよいが、本実施形態では、吸気温度に応じて第1所定閉弁時期が変更される。第1所定閉弁時期は、ABDC95℃AからABDC110℃Aの範囲内で、吸気温度の増加にしたがって直線的に増加するものとされていて、後述の如く、エンジン始動直後に油圧式ラッシュアジャスタ23の油圧が不足することで吸気バルブ21の閉弁時期が設定時期に対して進角したとしても上記第2所定閉弁時期よりも遅角側の値になるように設定されている。
ステップS9では、エンジン1を自動的に再始動させるか否かの判定条件であるエンジン再始動条件が成立したか否かを判定する。この判定がYESであるときにはエンジン1の自動再始動要求(第1始動要求)がなされたとしてステップS10に進む。一方、この判定がNOであるときにはステップS12に進む。本実施形態においては、アクセルペダルが踏込まれ且つ上記エンジン自動停止条件が解除された場合に、上記エンジン再始動条件が成立し、エンジン1の自動再始動要求がなされたと判定する。
ステップS10では、乗員によるイグニッションキーの操作によらずにエンジン1を自動的に再始動させるエンジン自動再始動制御を実行する。この制御の詳細については後述する。
ステップS12では、乗員によりイグニッションキーが操作されてイグニッションスイッチがオフ状態にされたか否かを判定する。この判定がNOの場合は、ステップS9に戻る。一方、YESの場合はステップS5に進み、吸気VVT32の作動アクチュエータである電動モーター151に対して必要な制御信号を出力することで、上記ステップS8にて第1所定閉弁時期とされていた吸気バルブ21の閉弁時期を進角させて上記第2所定閉弁時期となるように、吸気VVT32の位相制御を行う。このステップS12は、上記ステップS8が実施されてエンジン1が停止している際にも行われる。このステップS12の後(ステップS12の判定がYESの後)に実施されるステップS5が請求項における閉弁時期変更工程に相当する。
次に、エンジン制御器100における、通常停止/始動モードに含まれる通常始動制御(上記ステップS1の制御処理)を図4のフローチャートを基に説明する。
ステップS101では、イグニッションスイッチからのスイッチ信号を基に、イグニッションスイッチがオン状態にあるか否かを判定し、この判定がNOであるときには該判定を再度実行する一方、YESであるときにはステップS102に進む。
ステップS102では、イグニッションスイッチがスタート状態になったか否かを判定し、この判定がNOであるときには、該判定を再度実行する一方、YESであるときにはステップS103に進む。
ステップS103では、乗員によりイグニッションキーが操作されてイグニッションスイッチがスタート状態となり、エンジン1の通常始動要求(第2始動要求)がなされると、スタータユニット81に対して必要な作動信号を出力することで、ピニオンギヤ81bをリングギヤ82に噛合させつつスタータモータ81aを回転駆動してクランキングを開始する。
ステップS104では、各シリンダ11が吸気、圧縮、膨張、及び排気のいずれの行程にあるかを判別する気筒判別を行う。この気筒判別は、上述の如く、クランク角センサSW1,カム角センサSW2からのパルス信号を基に行われるが、本実施形態では、カム角センサSW2からのパルス信号を所定回(例えば2〜3回)検出した時点で実行される。こうすることで、ノイズの影響を除去した正確な気筒判別可能になるとともに、クランキングを十分に行って(クランクシャフト14を1〜2回転させて)各シリンダ11内の掃気を確実に行うことができる。
前述のように、この通常始動/停止モードにおける通常始動制御は、乗員によりイグニッションキーの操作に応じてイグニッションスイッチがスタート状態にされることで実施される始動制御であり、要求される始動迅速性は比較的低い。そのため、乗員に違和感を与えることなく、上記のように、クランキング開始から次のステップS105における燃料噴射開始までの時間を十分に確保してシリンダ11内の掃気を確実に行うことができる。そして、この掃気により、シリンダ11内の温度を十分に低下させ、異常燃焼の発生を回避することができる。
ステップS105では、燃料供給システム54に対して必要な制御信号を出力することで、上記圧縮行程気筒に移行したシリンダ11に対して燃料噴射弁53による燃料噴射(燃料供給)を開始する。
ステップS106では、上記シリンダ11の圧縮上死点近傍において、点火プラグによる点火を実行するべく、点火システム51に対して必要な制御信号を出力する。この点火により上記圧縮行程気筒のシリンダ11にて燃焼が開始される。
ここで、この通常始動制御が実施される際には、上記ステップS5において、吸気バルブ21の閉弁時期は進角側の第2所定閉弁時期に設定されておりエンジン1の有効圧縮比は高くされている。そのため、このステップS106での燃焼およびこれに続く燃焼が確実に行われ始動が確実に行われる。特に、ステップS8において吸気バルブ21の閉弁時期が第1所定閉弁時期に設定された後であっても、ステップS12においてイグニッションスイッチがオフとされるのに応じてこの閉弁時期が第2所定閉弁時期に変更されており、この通常始動制御は有効圧縮比が確実に高い状態で実施され、始動が確実に行われる。
ステップS107では、エンジン回転数Neが、下限閾回転数(本実施形態では500rpm)を超えているか否かを判定し(つまり、エンジン1が確実に始動したか否かを判定し)、この判定がNOであるときには該判定を再度実行する一方、YESであるときには本制御処理を終了する。
次に、エンジン制御器100における、自動停止/再始動モードに含まれる自動再始動制御(上記ステップS10の制御処理)を図5のフローチャートを基に説明する。
ステップS201では、上記エンジン再始動条件が成立(ステップS9の判定がYESとなること)しエンジン1の自動再始動要求がなされると、スタータユニット81に対して必要な作動信号を出力することで、ピニオンギヤ81bをリングギヤ82に噛合させつつスタータモータ81aを回転駆動してクランキングを開始する。
ステップS202では、エンジン1の自動停止時に膨張行程にあるシリンダ11(エンジン再始動条件成立時に膨張行程にある気筒とも言える。以下、エンジン停止時膨張行程気筒という)内に燃料噴射を行うべく、燃料供給システム54に対して必要な制御信号を出力する。
ステップS203では、エンジン停止時膨張行程気筒11の燃焼室17に設けられた点火プラグ52を点火させるべく、点火システム51に対して必要な制御信号を出力する。この点火によりエンジン停止時膨張行程気筒11にて燃焼が開始される。
この自動再始動制御は、信号待ちのための交差点での停止後の発進等、主に要求される始動迅速性が高い状況下で実施される。そのため、この自動再始動制御では、ステップS201のクランキング開始からステップS203の燃焼開始までの時間が、上記通常停止/始動モードにおけるステップS103のクランキング開始からステップS106の燃焼開始までの時間よりも短く設定されている。本実施形態では、クランキング開始後、直ぐに燃焼が開始されるよう、ステップS201〜203が実施される。
ここで、このようにクランキング開始から燃焼開始までの時間が短いと筒内掃気を十分に行うことができず異常燃焼が発生するおそれがある。しかしながら、この自動再始動制御が実施される際には、上記ステップS8において、吸気バルブ21の閉弁時期が十分に遅角側の第1所定閉弁時期に設定されて、エンジン1の有効圧縮比が低くされている。そのため、筒内掃気を行わずとも筒内温度の過度の上昇が抑制されるので、異常燃焼の発生を回避することができる。
ステップS204では、上記ステップS107と同様に、エンジン回転数Neが、下限閾回転数を超えているか否かを判定し、この判定がNOであるときには該判定を再度実行する一方、YESであるときには本制御処理を終了する。
以上のように構成されたエンジンシステムでは、通常始動/停止モードにおいて、乗員によるイグニッションオフ操作が実行されることで(ステップS3においてYESと判定されることで)、エンジン1を停止させる際には(燃料供給を停止する際には)、吸気バルブ21の閉弁時期の設定を第2所定閉弁時期(=ABDC70℃A)とする(ステップS5の処理を実行する)。一方、自動停止/再始動モードおいて、エンジン自動停止条件が成立することで(ステップS6においてYESと判定されることで)、エンジン1を停止させる際には(燃料供給を停止する際には)、吸気バルブ21の閉弁時期の設定を第2所定閉弁時期よりも遅角側の第1所定閉弁時期(=ABDC95℃A〜110℃A)とする(ステップS8の処理を実行するようになっている)。
これによれば、始動迅速要求が高い自動停止/再始動モードにおいては、エンジン1の作動を停止させるに際して、吸気バルブ21の閉弁時期が遅角側(第1所定閉弁時期)に制御されるから、その後のエンジン1の再始動に際しては、有効圧縮比を低くして筒内温度の過度の上昇を抑制することができる。このため、クランキングによる筒内掃気を行う等して筒内温度を低下させずとも(通常始動/停止モードにおけるステップS104の処理を実行せずとも)、プリイグニッション(異常燃焼)の発生を防止することができて、エンジン1の迅速な始動が可能となる。
一方、通常始動/停止モードにおいては、エンジン1の作動を停止させるに際して、吸気バルブ21の閉弁時期が進角側(第2所定閉弁時期)に制御されるから、その後のエンジン1の始動に際しては、有効圧縮比を十分に確保することができて、エンジン1の始動確実性を向上させることができる。なお、乗員のイグニッションキー操作によりイグニッションスイッチがオフ状態とされ、その後イグニッションスイッチがオン状態とされることによる通常始動は、エンジン1が比較的長い時間作動停止しており、シリンダ11内の温度が十分に低下した状態で実施されることが多い。そのため、吸気バルブ21の閉弁時期を上記のように進角側としても異常燃焼の発生は回避される。また、上記のように、この通常始動時には、筒内掃気のためのクランキング時間を確保することができるので、この筒内掃気によりシリンダ11内の温度を低くして、これによって異常燃焼の発生を回避することができる。
通常、自動停止/再始動モードでは、エンジン1を自動的に停止させた後はエンジン1が自動的に再始動されることが想定されている。しかしながら、例えば、アイドル状態においてエンジン1が自動的に停止された後にエンジン1が自動的に再始動されることなくイグニッションスイッチがオフ状態にされる場合がある。この場合には、次に実施される始動は通常始動であり上記通常始動制御が実施される。これに対して、本エンジンシステム1では、ステップS8でエンジン1の自動停止に伴い吸気バルブ21の閉弁時期を第1所定閉弁時期とした後、ステップS12を実施して、このステップS12でエンジン1の自動停止後にイグニッションスイッチがオフ状態とされたと判定した際には、ステップS5を実施して吸気バルブ21の閉弁時期を第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期に変更している。そのため、通常始動制御を吸気バルブ21の閉弁時期が第2所定閉弁時期において確実に実施することができ、この通常始動時における始動確実性を確実に向上させることができる。
特に、エンジン1が停止した後、長い時間をおかずに吸気VVT32により吸気バルブ21の閉弁時期を第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期に変更している。エンジン1停止後の潤滑オイルの粘度が比較的低い状態で吸気カムシャフト31を回転させることができるため、吸気バルブ21の閉弁時期を第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期に容易に、かつ、確実に変更することができる。
また、吸気VVT32を電動モーター151により駆動しており、ステップS7において燃料供給が停止されエンジン1の作動が停止した後であっても、吸気バルブ21の閉弁時期を第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期に確実に変更することができる。
また、上記実施形態では、自動再始動制御において、エンジン再始動条件成立時に膨張行程にあるシリンダ11から燃焼を開始させる(ステップS202及びS203の処理を実行する)ようになっている。
こうすることで、シリンダ11内の燃焼圧力によって、エンジン再始動時おけるスタータモータ81aによるクランキング動作を補助することができ、これによって、自動停止/再始動モードにおけるエンジン1の始動迅速性をより一層向上させることが可能となる。
また、上記実施形態では、上記吸気バルブ21は、吸気カムシャフト31を介してクランクシャフト14に対して連動可能に連結されており、吸気バルブ21のステムエンド、つまり吸気バルブ21と吸気カムシャフト31のカム部との間には油圧式ラッシュアジャスタ23が設けられている。
これにより、バルブクリアランスをエンジン1の運転状態に応じて適切に管理してエンジン1の燃費向上を図ることができる。
ところで、エンジン停止時、バルブリフトした気筒の油圧ラッシュアジャスターのオイルは、バルブスプリングの付勢力によって抜けるために、油圧式ラッシュアジャスタ23が機能せず、この結果、図8に示すように、吸気バルブ21のリフトカーブが全体として下側に沈み込んで、吸気バルブ21の閉弁時期が通常運転状態に比べて進角側にずれてしまう(上記実施形態では、このずれ角Dは、略20°CA)。この結果、エンジン1の有効圧縮比が高くなってプリイグニッションが発生し易くなるという問題があり、特に、自動停止/再始動モードにおいては、通常始動/停止モードに比べて、エンジン始動時における筒内掃気(ステップS104の処理に相当)が実行されないことから、プリイグニッション(異常燃焼)がより一層発生し易くなる。
これに対して、上記実施形態では、自動停止/再始動モードにおいて、エンジン1を停止させる際には、吸気バルブ21の閉弁時期の設定を、ABDC95℃AからABDC110℃Aの間に(第1所定閉弁時期に)設定しており、このため、油圧不足により吸気弁の閉弁時期が20°進角したとしても、有効圧縮比を第2所定閉弁時期(=ABDC70℃A)よりも低めに保つことができて、プリイグニッション(異常燃焼)の発生を確実に防止することができる。
次に、エンジン制御器100における第2の実施形態に係るエンジン制御の処理を図6のフローチャートを基に説明する。
この処理では、上記第1の実施形態に係るエンジン制御の処理と同様にステップS1〜ステップS12が実施される。一方、この処理では、ステップS12の後にステップS22とステップS24のステップが設けられている。
ステップS22では、電動モーター151の温度が予め設定された基準温度より低いかどうかが判定される。本実施形態では、エンジン制御器100に、吸気温度と冷却水温度とに応じた電動モーター温度のマップが記憶されており、吸気温度センサSW3の検出信号と冷却水温度センサSW4の検出信号とに基づいて電動モーター151の温度が推定される。上記判定がYESの場合、すなわち、上記推定された電動モーター151の温度が上記基準温度以下である場合には、ステップS5に進み、電動モーター151により吸気VVT32を作動させて吸気バルブ21の閉弁時期を第1所定閉弁時期から第2所定閉弁時期へ進角させる。一方、電動モーター151の温度が上記基準温度より高い場合(上記判定がNOの場合)はステップS24に進む。
ステップS24では、乗員によりイグニッションキーが操作されイグニッションスイッチがON状態にされたかどうか、すなわち、エンジン1の通常始動要求がされたかどうかが判定される。この判定がNOの場合には、再びステップS22に戻る。一方、この判定がYESの場合には、ステップS1に戻り通常始動制御を実施する。
この処理によれば、電動モーター151の温度が基準温度以下に低下し(ステップS22でYESと判定)、電動モーター151の磁力(発生トルク)が十分に発揮される場合にのみ電動モーター151により吸気VVT32を作動させているので、吸気バルブ21の閉弁時期を確実に第2所定閉弁時期に変更することができる。すなわち、エンジン1の自動停止中は、内燃機関およびその周辺に熱気がこもることで内燃機関周辺の温度が一時的に上昇し、この影響を受けて電動モーター151も一時的に温度が上昇する結果、電動モーター151磁力が低下して発生トルクが低下する場合がある。これに対して、本処理では、電動モーター151の温度が十分に低下し電動モーター151の発生トルクが確保されている場合に吸気VVT32を作動させており、吸気VVT32を好適に作動させることができ吸気バルブ21の閉弁時期を確実に第2第2所定閉弁時期に変更して有効圧縮比を十分に高めることができる。
また、電動モーター151の温度が基準温度より高い場合は(ステップS22でNOと判定)、エンジン1の作動停止から十分な時間が経過しておらず、エンジン1の筒内温度は高いままと考えられる。そのため、この状態でイグニッションスイッチがオン状態とされ始動要求がなされた場合には、吸気バルブ21の閉弁時期が第2所定閉弁時期に進角されていると、エンジン1の筒内温度が高く、かつ、エンジン1の有効圧縮比が高い状態でエンジン1が始動されることで、異常燃焼が発生するおそれがある。これに対して、この処理では、電動モーター151の温度が高い場合には、ステップS12の判定がYESであってイグニッションスイッチがオフ状態とされていても吸気バルブ21の閉弁時期が第1所定閉弁時期に維持されるので、この電動モーター151の温度が高い状態でイグニッションスイッチがオン状態とされた際(ステップS24でYESと判定)に、吸気バルブ21の閉弁時期が第1所定閉弁時期にありエンジン1の有効圧縮比が低い状態で始動されるので、異常燃焼の発生を回避することができる。
次に、エンジン制御器100における第3の実施形態に係るエンジン制御の処理を図7のフローチャートを基に説明する。
この処理では、上記第1の実施形態に係るエンジン制御の処理と同様にステップS1〜ステップS12が実施される。一方、この処理では、上記ステップS5の後にステップS32とステップS34のステップが設けられている。
ステップS32では、イグニッションスイッチがオフ状態とされるのに伴い吸気バルブ21の閉弁時期が第2所定閉弁時期に設定された(ステップS5)後、予め設定された基準時間が経過したかどうかが判定される。この判定がNOの場合には再びこのステップS32が実施される。一方、この判定がYESの場合にはステップS34に進む。すなわち、ステップS5の後、上記基準時間が経過するとステップS34に進む。
ステップS34では、吸気バルブ21の閉弁時期が第2所定閉弁時期となっているかどうかが判定される。この判定がNOの場合には、ステップS5に戻り、電動モーター151により吸気VVT32を作動させて、再度、吸気バルブ21の閉弁時期を第2所定閉弁時期に設定する。一方、この判定がYESの場合は、この処理を終了する。本実施形態では、電動モーター151に内蔵されているホールセンサにより電動モーター151の回転パルス、回転方向が検出されており、この検出値に基づいて吸気カムシャフト31の位相すなわち吸気バルブ21の閉弁時期が算出され、この算出された吸気バルブ21の閉弁時期が第2所定閉弁時期となっているかどうかが判定される。
イグニッションスイッチがオフ状態とされることで、ステップS5では、電動モーター151により吸気VVT32を作動させて吸気バルブ21の閉弁時期を第2所定閉弁時期に設定している。ここで、例えば、坂道での停車時等では、エンジン1の作動を停止し車両を所定位置に停止させた後であってもブレーキペダルの操作解除後に車両が動く場合がある。このとき、車輪に接続されたトランスミッションとエンジン1とが連結されていると、エンジン1すなわちクランクシャフト14が回転する。その際、クランクシャフト14に上記チェーン伝達機構を介して連結された吸気VVT32内部のギヤが回転して、吸気バルブ21の閉弁時期が上記第2所定閉弁時期からずれるおそれがある。
これに対して、本処理では、イグニッションスイッチがオフ状態とされた後、吸気バルブ21の閉弁時期が第2所定閉弁時期に設定されてから、所定の基準時間後に吸気バルブ21の閉弁時期が第2所定閉弁時期にあるかどうかが判定され(ステップS34)、この閉弁時期が第2所定閉弁時期からずれている場合には、再度第2所定閉弁時期に設定し直されるため、次の始動時において吸気バルブ21の閉弁時期が確実に第2所定閉弁時期にある状態で燃焼を開始させることができ、始動性を確保することができる。なお、本実施形態では、イグニッションスイッチがオフ状態とされた後、吸気バルブ21の閉弁時期が第2所定閉弁時期に設定されてから、所定の基準時間後に、1回、上記ステップS34の判定がなされている(このステップS34の判定がYESの場合は吸気バルブ21の再設定がなされる)が、イグニッションスイッチがオフ状態とされた後、次にイグニッションスイッチがオン状態とされるまでの間、定期的にこのステップS34の判定を行う(このステップS34の判定がYESの場合は吸気バルブ21の再設定を行う)ようにしてもよい。
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、エンジン制御器100において、自動停止/再始動モードとして上記のようなアイドリングストップ制御を実行するようになっているが、必ずしもアイドリングストップ制御を実行する必要はなく、通常始動/停止モードと、通常始動/停止モードに比べてクランキング開始時から燃料供給開始時までの時間が短い第1モードと、を含むエンジン運転制御を実行するものであればよい。
また、上記実施形態では、エンジン1は、火花点火式エンジンとされているが、これに限ったものではなく、点火プラグ52を有さないディーゼルエンジン等であってもよい。この場合には、ステップS105およびステップS202でシリンダ11内に燃料噴射が行われることで燃焼が開始される。
また、上記実施形態では、エンジン1は、バルブクリアランスの最適化を図るべく油圧式ラッシュアジャスタ23を備えたものとされているが、必ずしもラッシュアジャスタ23を設ける必要はない。
1 エンジン(内燃機関)
11 シリンダ(気筒)
14 クランクシャフト
15 ピストン
17 燃焼室
21 吸気バルブ(吸気弁)
22 排気バルブ
30 吸気弁駆動機構
32 吸気VVT(吸気閉弁時期可変機構)
53 燃料噴射弁(燃料供給手段)
54 燃料供給システム(燃料供給手段)
81a スタータモータ
100 エンジン制御器(制御手段)
200 エンジンシステム(内燃機関システム)

Claims (3)

  1. クランクシャフトの回転に同期して往復動作することで気筒の燃焼室を開閉する吸気弁を有し且つ車両に搭載された内燃機関の制御方法であって、
    第1作動停止要求があると上記内燃機関の作動を停止させ、その後、第1始動要求があると上記内燃機関のクランキングを開始するとともに、該クランキング開始後の所定時期に上記燃焼室での燃焼を開始する第1モードと、
    第2作動停止要求があると上記内燃機関の作動を停止させ、その後、第2始動要求があると上記内燃機関のクランキングを開始するとともに、該クランキング開始後の上記所定時期よりも遅い時期に上記燃焼室での燃焼を開始する第2モードと、を有し、
    上記第1モードにおいて上記第1作動停止要求があると実施されて、上記吸気弁の閉弁時期を吸気下死点よりも遅角側に設定された第1所定閉弁時期に設定する第1所定閉弁時期設定工程と、
    上記第1作動停止要求に応じて内燃機関の作動が停止され且つ上記第1所定閉弁時期設定工程が実施されて上記吸気弁の閉弁時期が上記第1所定閉弁時期に設定された後、上記内燃機関が停止した状態のまま上記第2作動停止要求があったとき、上記吸気弁の閉弁時期を上記第1所定閉弁時期から該第1所定閉弁時期よりも進角側且つ、吸気下死点よりも遅角側の第2所定閉弁時期に変更する閉弁時期変更工程と、を有し、
    上記第1作動停止要求は、少なくとも上記車両が停止状態にあるときに上記車両の乗員の操作によらず自動でなされるものであり、
    上記第2作動停止要求は、上記車両の乗員により手動でなされるものあり、
    上記閉弁時期変更工程による上記吸気弁の閉弁時期の上記第1所定閉弁時期から上記第2所定閉弁時期への変更は、上記吸気弁の閉弁時期を変更可能な電動モーターを用いて行われることを特徴とする内燃機関の制御方法。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御方法において、
    上記電動モーターの温度が予め設定された基準温度以下かどうかを判定するモーター温度判定工程を更に有し、
    上記閉弁時期変更工程では、上記モーター温度判定工程において上記電動モーターの温度が上記基準温度以下と判定された場合に上記吸気弁の閉弁時期の上記第1所定閉弁時期から上記第2所定閉弁時期への変更を行い、上記電動モーターの温度が上記基準温度よりも高いと判定された場合には上記吸気弁の閉弁時期を第1所定閉弁時期に維持することを特徴とする内燃機関の制御方法。
  3. クランクシャフトの回転に同期して往復動作することで気筒の燃焼室を開閉する吸気弁を有し且つ車両に搭載された内燃機関と、該内燃機関の吸気弁の閉弁時期を上記クランクシャフトの回転位相に対して可変とする吸気閉弁時期可変機構と、上記燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段と、上記クランクシャフトをクランキングするスタータモータと、上記吸気閉弁時期可変機構と上記燃料供給手段と上記スタータモータの作動を制御する制御手段と、を備えた内燃機関システムであって、
    上記制御手段は、
    上記内燃機関の作動を停止させる第1作動停止要求があると上記内燃機関の作動を停止させるべく上記燃焼室への燃料供給を停止するよう上記燃料供給手段を制御し、その後、上記内燃機関を始動させる第1始動要求があると、上記スタータモータが上記クランクシャフトのクランキングを開始するように該スタータモータを制御するとともに、該クランキング開始後の所定時期に上記燃焼室での燃焼を開始させるべく上記燃料供給手段を制御する第1モードと、
    上記内燃機関の作動を停止させる第2作動停止要求があると上記内燃機関の作動を停止させるべく上記燃焼室への燃料供給を停止するよう上記燃料供給手段を制御し、その後、上記内燃機関を始動させる第2始動要求があると、上記スタータモータが上記クランクシャフトのクランキングを開始するように該スタータモータを制御するとともに、該クランキング開始後の上記所定時期よりも遅い時期に上記燃焼室での燃焼を開始させるべく上記燃料供給手段を制御する第2モードと、を実行可能であり、
    上記第1モードにおいて上記第1作動停止要求があると、上記吸気弁の閉弁時期が吸気下死点よりも遅角側に設定された第1所定閉弁時期になるように上記吸気閉弁時期可変機構を制御し、且つ、
    上記第1作動停止要求に応じて上記内燃機関の作動を停止させ且つ上記吸気弁の閉弁時期が上記第1所定閉弁時期となるように上記吸気閉弁時期可変機構を制御した後、上記内燃機関が停止した状態のまま上記第2作動停止要求があったとき、上記吸気弁の閉弁時期を上記第1所定閉弁時期から該第1所定閉弁時期よりも進角側且つ、吸気下死点よりも遅角側の上記第2所定閉弁時期に変更するよう上記吸気閉弁時期可変機構を制御するように構成されており、
    上記第1作動停止要求は、少なくとも上記車両が停止状態にあるときに上記車両の乗員の操作によらず自動でなされるものであり、
    上記第2作動停止要求は、上記車両の乗員により手動でなされるものであり、
    上記吸気閉弁時期可変機構は、上記吸気弁の閉弁時期を上記第1所定閉弁時期から上記第2所定閉弁時期へ変更するための駆動源として、電動モーターを有することを特徴とする内燃機関システム。
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