JP2002047953A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2002047953A
JP2002047953A JP2000237622A JP2000237622A JP2002047953A JP 2002047953 A JP2002047953 A JP 2002047953A JP 2000237622 A JP2000237622 A JP 2000237622A JP 2000237622 A JP2000237622 A JP 2000237622A JP 2002047953 A JP2002047953 A JP 2002047953A
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combustion engine
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Naoto Suzuki
直人 鈴木
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の空気供給状態を制御し、かつ、エ
ンジンを始動する場合の振動を抑制する。 【解決手段】 内燃機関の回転部材に外力を与えて回転
させとともに、燃料を燃焼させることにより、回転部材
から動力を出力させる内燃機関の制御装置において、外
力の作用による回転部材の回転状態を、空気の供給状態
にづいて制御する始動制御手段(ステップS1ないしS
6)を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の回転
部材に外力を与えて回転させるとともに、燃料を燃焼さ
せることにより、回転部材から動力を出力させる内燃機
関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クランクシャフトの回転位相と、
吸気バルブ用のカムシャフトの回転位相との対応関係を
制御して、吸気バルブの開閉タイミングを調整し、内燃
機関の出力を制御する内燃機関の制御装置が知られてい
る。このような内燃機関の制御装置の一例が、特開平1
0−227236号公報に記載されている。この公報に
記載された車両は、エンジン(内燃機関)および走行用
モータならびにエンジンを始動させる始動用モータを有
している。そして、イグニッションキーの操作、アクセ
ルペダルおよびブレーキペダルなどの操作状態、バッテ
リの残量などの条件に基づいて、エンジンおよび走行用
モータの駆動・停止やその出力が制御される。
【0003】前記エンジンは、クランクシャフトおよび
吸気側カムシャフトならびに排気側カムシャフトを有し
ている。吸気側カムシャフトにはベーンが固定されてお
り、このベーンの外側には環状のハウジングが取り付け
られている。ベーンとハウジングとは、所定の角度範囲
内で相対回転可能に構成されている。そして、ベーンと
ハウジングとの間には、遅角油圧室および進角油圧室が
形成されている。またハウジングにはドリブンギヤが固
定されている。さらに、クランクシャフトにはオイルポ
ンプが取り付けられており、このオイルポンプにはクラ
ンクプーリが設けられている。このオイルポンプにより
汲み上げられたオイルの油圧が、遅角油圧室および進角
油圧室に作用するように構成されている。また、前記ド
リブンギヤと、クランクプーリと、排気側カムシャフト
のドライブギヤとに亘り、タイミングベルトが巻き掛け
られている。一方、吸気側カムシャフトおよび排気側カ
ムシャフトには、それぞれカムが形成されており、これ
らのカムが吸気バルブおよび排気バルブに対応する位置
に配置されている。また、エンジンを始動させる始動用
モータが設けられている。
【0004】上記構成において、始動用モータの駆動に
よりクランクシャフトを初期回転させると、クランクシ
ャフトのトルクが、タイミングベルトを経由して吸気側
カムシャフトおよび排気側カムシャフトに伝達されて、
吸気バルブおよび排気バルブの開閉がおこなわれる。こ
の制御に並行して、吸入空気量制御および燃料噴射量制
御ならびに点火時期制御などをおこなうことにより、公
知の吸入行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程がおこな
われて、エンジンが自律回転する。また、遅角油圧室お
よび進角油圧室の油圧を制御することにより、クランク
シャフトの回転位相と、吸気側カムシャフトの回転位相
との対応関係を調整することができる。例えば、進角油
圧室の油圧を上昇させて、吸気バルブの閉タイミングを
最進角状態に制御すると、吸気バルブが比較的早く閉じ
られて、吸入空気の吹き返し(燃焼室の空気が吸気管に
戻る量)が少なくなるので、圧縮される空気量が多くな
る。これに対して、遅角油圧室の油圧を上昇させて、吸
気バルブの閉タイミングを最遅角状態に制御すると、吸
気バルブが比較的遅く閉じられて、吸入空気の吹き返し
が多くなるので、圧縮される空気量が少なくなる。
【0005】また、上記公報に記載された内燃機関の制
御装置においては、エンジンの始動に際して、吸気バル
ブの閉タイミングを制御している。具体的には、エンジ
ンの停止命令が生じると、水温センサにより検出される
温度に基づいて、次のエンジン始動が冷間時の始動にな
るか否かが判断される。ここで、肯定的に判断された場
合は、吸気バルブの開閉タイミングを最進角位置に変更
し、エンジンを停止させる。このため、冷間状態でエン
ジンの再始動要求が生じると、燃料の気化が悪く混合気
が薄くなり、燃焼状態は不安定になり易いが、吸気バル
ブの閉タイミングが最進角に制御されるため、圧縮行程
における混合気の圧縮圧力が高められて、エンジンの始
動を確実におこなうことができる。
【0006】これに対して、エンジンの停止要求が生じ
た際に、エンジンがまだ暖かいうちに再始動される可能
性がある場合は、吸気バルブの開閉タイミングを最遅角
位置に変更し、エンジンを停止する。このため、エンジ
ンが暖かいうちにエンジンの再始動要求が生じると、燃
料の燃焼状態が安定するが、吸入空気量が増加し、か
つ、圧縮行程になっても吸気バルブが開いているため
に、圧縮圧力の急激な増加が抑制され、エンジンの振動
を回避できる。このように、上記公報においては、停止
しているエンジンを始動する際の温度予測に基づいて、
吸気バルブの開閉タイミングを制御することにより、ノ
ッキングの減少や振動の減少を図ることができるとされ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報においては、
エンジンを再始動する場合の温度予測に基づいて、吸気
バルブの閉タイミングを制御しているが、このような閉
タイミングの変更途中にエンジンの始動要求が生じる可
能性もある。例えば、低温時におけるエンジンの再始動
に対応する最進角状態から、エンジンが暖かい状態でエ
ンジンを再始動するための最遅角状態に変更する途中
で、エンジン始動要求が生じる場合がある。このような
場合は、エンジンが始動されてエンジン回転数が高まる
と、吸入空気量が比較的多く、かつ、燃焼が良好となる
状態で圧縮圧力が急激に高まるために、振動が生じる問
題があった。したがって、上記公報においては、エンジ
ンの始動に際して吸気バルブの閉タイミングを制御する
際に、エンジンの振動が生じる可能性があり、この点で
改善の余地が残されていた。
【0008】この発明は上記事情を背景としてなされた
もので、内燃機関の始動時における振動を、一層確実に
抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために請求項1の発明は、内燃機関の回転
部材に外力を与えて回転させとともに、燃料を燃焼させ
ることにより、前記回転部材から動力が出力される状態
に制御する内燃機関の制御装置において、前記外力の作
用による前記回転部材の回転状態を、前記空気の供給状
態にづいて制御する始動制御手段を備えていることを特
徴とするものである。
【0010】請求項1の発明によれば、回転部材が外力
により回転すると、混合気を圧縮する圧縮圧力が生じる
が、この圧縮圧力を混合気の燃焼状態に適合させられ
る。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記始動制御手段は、前記空気の供給状態を、前記
燃料の燃焼に関連する物理量に基づいて制御する機能を
備えていることを特徴とするものである。
【0012】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、圧縮圧力を混合気の燃焼状
態に適合させる機能が一層向上する。
【0013】請求項3の発明は、請求項2の構成に加え
て、前記始動制御手段は、前記空気の供給状態を、温度
に基づいて制御する機能を備えていることを特徴とする
ものである。
【0014】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と同様の作用が生じる他に、温度に基づいて、空気の供
給状態が制御される。したがって、回転部材を外力によ
り回転する場合の回転状態が、温度に基づく混合気の燃
焼状態に基づいて制御される。
【0015】請求項4の発明は、請求項3の構成に加え
て、前記始動制御手段は、第1の所定温度に対応する第
1の空気供給状態が選択されている際に、前記回転部材
を外力により回転させる場合の第1の回転速度よりも、
前記第1の空気供給状態から、前記第1の所定温度より
も高温の第2の所定温度に対応し、かつ、前記第1の空
気供給状態とは空気の供給量が少ない第2の空気供給状
態に変更する際に前記回転部材を外力により回転させる
場合の第2の回転速度の方を遅くする機能を備えている
ことを特徴とするものである。
【0016】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
と同様の作用が生じる他に、第1の温度で内燃機関を始
動する場合は、空気の供給量は比較的多く、混合気に作
用する圧縮圧力が高められるため、混合気の燃焼が良好
な状態になり、内燃機関の始動性が確保される。これに
対して、第1の温度から第2の温度に変化することにと
もない、供給される空気量が多くなくなるが、混合気に
作用する圧縮圧力が高くなりすぎることが抑制され、内
燃機関の振動を抑制できる。
【0017】請求項5の発明は、請求項4の構成に加え
て、前記始動制御手段は、前記第1の空気供給状態から
前記第2の空気供給状態への変更がおこなわれた後に、
前記回転部材を外力により回転させるための第3の回転
速度を、前記第2の回転速度よりも速くする機能を備え
ていることを特徴とするものである。
【0018】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
と同様の作用が生じる他に、第1の空気供給状態から第
2の空気供給状態に変更された後は、空気の供給量が比
較的少なくなり、回転部材を外力により回転させる場合
の回転速度が上昇して、混合気に作用する圧縮圧力が高
められて燃料の燃焼が良好になり、内燃機関の振動が抑
制される。
【0019】請求項6の発明は、請求項1ないし5のい
ずれかの構成に加えて、前記始動制御手段は、前記内燃
機関以外の駆動力源により前記回転部材に外力を与える
機能を備えていることを特徴とするものである。
【0020】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
5のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に、内燃機
関以外の駆動力源を制御することにより、回転部材に外
力を与える回転状態が制御される。したがって、回転部
材をクランキングさせるために格別のシステムを設ける
必要がない。
【0021】上記各発明において、「空気の供給状態」
とは、例えば、吸気または排気の少なくとも一方により
制御される燃焼室の空気量を意味している。この「空気
の供給状態」には、吸気開始タイミングおよび吸気終了
タイミングと、排気開始タイミングと排気終了タイミン
グとが含まれる。また、この発明において、燃焼室に対
する空気の供給態様としては、空気と燃料とを混合した
混合気を燃焼室に供給する態様と、燃焼室に空気と燃料
とを別個に供給し、かつ、燃焼室で空気と燃料とを混合
する態様とが例示される。したがって、「燃料と混合さ
れる空気の供給状態」は、空気のみの供給状態、または
空気と燃料とが混合された混合気の供給状態のいずれで
判断してもよい。またこの発明において、「燃料の燃焼
に関連する物理量」とは、燃料の燃焼に影響を及ぼす要
因を意味しており、この要因としては、例えば、内燃機
関の冷却水温、外気温、燃料の揮発状態などが挙げられ
る。また、この発明において「外力の作用による回転部
材の回転状態」には、回転部材に外力を与える始動装置
の回転状態と、回転部材自体の回転状態とが含まれてい
る。また、この発明の「回転状態」には、回転速度、回
転数、トルクなどが含まれる。
【0022】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明の実施形態を、図
面に基づいて説明する。図2は、この発明を適用したハ
イブリッド車のパワートレーンを示す概念図、図3は、
図1に示すパワートレーンの制御系統を示すブロック図
である。このハイブリッド車は、駆動力源としてエンジ
ン1を有しており、エンジン1には動力分割機構2が連
結されている。この動力分割機構2には、モータ・ジェ
ネレータ3および減速機4が連結されている。また減速
機4にはモータ・ジェネレータ3とは別のモータ・ジェ
ネレータ5が連結されているとともに、減速機4の出力
側には車輪6が連結されている。
【0023】前記エンジン1は、燃料を燃焼させて動力
(言い換えればトルク)を出力する装置であって、この
エンジン1としては内燃機関、例えば、ガソリンを燃料
とするガソリンエンジン、または軽油を燃料とするディ
ーゼルエンジン、または液化石油ガスを燃料とするLP
Gエンジン、または液化天然ガスを燃料とするLNGエ
ンジンなどを採用することができる。さらに、エンジン
1として、この他に、エタノールエンジン、メタノール
エンジンなどを用いることもできる。以下、この実施形
態においては、エンジン1として便宜上ガソリンエンジ
ンを用いた場合を例として説明する。エンジン1は、点
火装置7、燃料噴射装置8、電子スロットルバルブ9な
どを備えた公知の構造のものである。燃料噴射装置8と
しては、燃料を吸気管19に噴射して燃料と空気とを混
合する形式のもの、または、燃料を燃焼室に噴射して空
気と燃料とを混合する形式のもののいずれでもよい。電
子スロットルバルブ9は吸気管19内に設けられてお
り、電子スロットルバルブ9の開度を制御するアクチュ
エータ(例えば、モータなど)22が設けられている。
【0024】図4は、エンジン1の構成の一部を示す斜
視図である。エンジン1はクランクシャフト168を有
し、クランクシャフト168には、コンロッド10を介
してピストン11が連結されている。エンジン1は複数
の気筒を備えているが、この実施形態においては便宜
上、一つの気筒について説明する。ピストン11の上方
に燃焼室12が配置されている。この燃焼室12には吸
気管19および排気管20が接続されており、吸気管1
9と燃焼室12との間には吸気ポート(図示せず)が形
成され、排気管20と燃焼室12との間には排気ポート
(図示せず)が形成されている。そして、吸気ポートを
開閉する吸気バルブ162と、排気ポートを開閉する排
気バルブ164とが設けられている。また、吸気ポート
および排気ポートを閉じるように、吸気バルブ162お
よび排気バルブ164を、別個に、かつ、常時所定方向
に付勢するスプリング(図示せず)が設けられている。
さらに、吸気バルブ162および排気バルブ164の各
バルブステムの動作を規制するロッカアーム(図示せ
ず)、およびロッカアームに接続されたプッシュロッド
(図示せず)が設けられている。さらにまた、クランク
シャフト168の一端にはクランクプーリ168Aが取
り付けられている。
【0025】一方、クランクシャフト168の上方に
は、吸気側カムシャフト112および排気側カムシャフ
ト123が設けられている。この吸気側カムシャフト1
12の外周にはカム120が形成されている。このカム
120は、吸気バルブ162に対応する位置に配置され
ている。また、排気側カムシャフト123の外周にもカ
ム120Aが形成されている。このカム120Aは、排
気バルブ164に対応する位置に配置されている。な
お、吸気側カムシャフト112の円周方向におけるカム
120の突出部分の位相と、排気側カムシャフト123
の円周方向におけるカム120Aの突出部分の位相とが
異なる位置に設定されている。上記カム120,120
Aがプッシュロッドの端部に接触している。
【0026】さらに、吸気側カムシャフト112の外周
にはドリブンギヤ122が取り付けられている。また、
排気側カムシャフト123にはタイミングプーリ124
が固定されている。そして、クランクプーリ168Aお
よびタイミングプーリ124ならびにドリブンギヤ12
2には、タイミングベルト127が巻き掛けられてい
る。ここで、クランクプーリ168Aに対してタイミン
グプーリ124およびドリブンギヤ122が、1対2の
ギヤ比に設定されている。したがって、クランクシャフ
ト168が2回転すると、タイミングプーリ124およ
びドリブンギヤ122がそれぞれ1回転する。
【0027】また、吸気側カムシャフト112における
ドリブンギヤ122側の端部には、図5および図6に示
すようにベーン13が固定されている。このベーン13
は、ボス部13Aと、ボス部13A外周側に設けた受圧
部14とを有している。受圧部14は、ボス部13Aの
円周方向に沿って複数、具体的には4個設けられてい
る。各受圧部14同士は、円周方向に等間隔で配置され
ている。また、ドリブンギヤ122にはハウジング11
1Aが固定されており、ハウジング111Aの内部にベ
ーン13が配置されている。ハウジング111Aは、円
筒部15と、円筒部15の一方の開口端に連続された円
板部16とを有している。
【0028】円筒部15の内周面には、突部28が複
数、具体的には4個設けられている。各突部28同士
は、円周方向に等間隔で配置されている。そして、各受
圧部14と各突部28とが円周方向に交互に配置されて
いる。また、相互に隣接する受圧部14と突部28との
間には空間17,18が形成されている。このため、空
間17,18の範囲内で吸気側カムシャフト112とド
リブンギヤ122とが相対回転可能である。そして、各
受圧部14の両側の空間17,18により、進角油圧室
および遅角油圧室が構成されている。したがって、以
下、この空間17,18を進角油圧室17および遅角油
圧室18と記す。各受圧部14の外周面には密封装置2
1が取り付けられており、進角油圧室17と遅角油圧室
18とが密封装置21により液密に区画されている。そ
して、この進角油圧室17および遅角油圧室18の油圧
を個々に制御するオイルコントロールバルブ23が設け
られている。したがって、進角油圧室17の油圧と遅角
油圧室18の油圧とのバランスを調整することにより、
吸気側カムシャフト112とドリブンギヤ122との円
周方向の相対位置を制御することができ。
【0029】また、一つの受圧部14における円板部1
6側の面には凹部24が形成されており、凹部24には
ロックピン25が配置されている。ロックピン25は吸
気側カムシャフト112の軸線方向に往復移動自在であ
り、凹部24に設けられたスプリング26により、ロッ
クピン25が円板部16側に付勢されている。円板部1
6におけるベーン13側の面には、係止溝27が設けら
れている。そして、電動オイルポンプ115により汲み
上げられたオイルの油圧が、油圧制御バルブ115Aに
より制御されて、係止溝27に作用するように構成され
ている。この電動オイルポンプ115の駆動・停止は、
エンジン1の駆動・停止から独立して制御できる。ロッ
クピン25および係止溝27は、吸気側カムシャフト1
12の軸線(図示せず)を中心とする同一円周上に配置
されている。
【0030】なお、進角油圧室17の油圧を遅角油圧室
18の油圧よりも高めることにより、吸気側カムシャフ
ト112とドリブンギヤ122との円周方向の相対位置
を所定の状態(後述する最進角状態)に設定した場合に
おいて、ロックピン25の位相と係止溝27の位相とが
一致するように、円周方向におけるロックピン25の配
置位置と、円周方向における係止溝27の配置位置とが
設定されている。さらに、一つの突部28における進角
油圧室17側の面には最遅角検出センサ29が設けられ
ている。
【0031】前記動力分割機構2は、公知の遊星歯車機
構(図示せず)と、この遊星歯車機構の回転要素の回転
・停止を制御するクラッチやブレーキなどの摩擦係合装
置30が設けられている。また、摩擦係合装置30の係
合・解放およびその係合圧を制御する制御バルブ30A
が設けられている。モータ・ジェネレータ3は、電力が
供給されて動力を出力する電動機としての機能と、機械
的エネルギを電力に変換する発電機としての機能とを兼
ね備えたものであり、モータ・ジェネレータ3として
は、例えば固定永久磁石型同期モータなどを使用するこ
とができる。
【0032】また、モータ・ジェネレータ5は、電力が
供給されて動力を出力する電動機としての機能と、機械
エネルギを電力に変換する発電機としての機能とを兼ね
備えたものであり、モータ・ジェネレータ5としては、
例えば固定永久磁石型同期モータなどを使用することが
できる。さらに、モータ・ジェネレータ3,5には、そ
れぞれインバータ31,32を介してバッテリ33が接
続されている。前記減速機4は、公知の動力伝達装置、
例えば、ギヤ、チェーン、スプロケット、差動装置など
を備えている。
【0033】一方、図3に示すように、車両全体を制御
する電子制御装置(ECU)34が設けられている。こ
の電子制御装置34は、中央演算処理装置(CPUまた
はMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)なら
びに入出力インタフェースを主体とするマイクロコンピ
ュータにより構成されている。この電子制御装置34に
は、エンジン回転数(言い換えればエンジン回転速度)
センサ35の信号、冷却水温センサ36の信号、イグニ
ッションスイッチ37の信号、吸入空気量センサ38の
信号、バッテリ33の充電状態(SOC:state of cha
rge )を検出する充電量検出センサ39の信号、エアコ
ンスイッチ40の信号、シフトポジションセンサ41の
信号、フットブレーキスイッチ42の信号、アクセル開
度センサ43の信号、スロットル開度センサ44の信
号、車速センサ45の信号、酸素濃度センサ46の信
号、吸入空気圧センサ47の信号、吸気側カムシャフト
112の回転角度を検出するカムシャフトセンサ48の
信号、クランク角センサ49の信号、外気温センサ50
の信号、モータ・ジェネレータ3,5の回転数(言い換
えれば回転速度)および回転角度を別個に検出するレゾ
ルバ51の信号、最遅角検出センサ29の信号、燃料噴
射装置8により噴射される燃料の揮発状態を検出する揮
発状態検出センサ52の信号などが入力される。燃料の
揮発状態は、例えば、燃料自体の成分や種類、吸入空気
温度、吸入空気密度などから判断することができる。
【0034】一方、電子制御装置34からは、点火装置
7を制御する信号、燃料噴射装置8を制御する信号、ア
クチュエータ22を制御する信号、インバータ31,3
2を制御する信号、制御バルブ30Aを制御する信号、
オイルコントロールバルブ23を制御する信号、電動オ
イルポンプ115を制御する信号、油圧制御バルブ11
5Aを制御する信号などが出力される。
【0035】ここで、この実施形態の構成とこの発明の
構成との対応関係を説明すれば、エンジン1がこの発明
の内燃機関に相当し、モータ・ジェネレータ3,5がこ
の発明の駆動力源に相当し、クランクシャフト168が
この発明の回転部材に相当する。
【0036】図2に示されたハイブリッド車において
は、電子制御装置34に入力される信号、および電子制
御装置34に予め記憶されているデータに基づいて、車
両全体が制御される。この電子制御装置34には、例え
ば、エンジン1駆動(始動を含む))・停止およびモー
タ・ジェネレータ3,5の駆動・停止・発電ならびに摩
擦係合装置22の係合・解放などを制御するためのデー
タが記憶されている。例えば、イグニッションスイッチ
37の信号やその他の信号に基づいて、エンジン1の始
動要求の有無が判断される。エンジン1の始動要求が成
立した場合は、モータ・ジェネレータ3またはモータ・
ジェネレータ5が電動機として駆動され、その動力によ
りクランクシャフト168が初期回転(クランキング)
され、ピストン11がシリンダ内で往復動する。クラン
クシャフト168と一体的にクランクプーリ168Aが
回転すると、そのトルクがタイミングベルト127を経
由してタイミングギヤ124およびドリブンギヤ122
に伝達され、タイミングギヤ124およびドリブンギヤ
122が所定方向に回転する。
【0037】ここで、進角油圧室17および遅角油圧室
18の油圧が制御されて、ベーン13と吸気側カムシャ
フト112との円周方向の相対的な位置決めがおこなわ
れていると、ドリブンギヤ122が図6の時計方向に回
転する動作に同期して、吸気側カムシャフト112も回
転する。吸気側カムシャフト112の回転にともない、
カム120のカム面により吸気バルブ162が押圧され
ると、吸気バルブ162がスプリング(図示せず)の弾
性力に抗して動作し、吸気ポートが開放される。また、
吸気側カムシャフト112の回転位相の変化にともな
い、カム120から吸気バルブ162に伝達される押圧
力が弱められ、吸気ポートが閉じられる。
【0038】一方、排気側カムシャフト123の回転に
ともない、カム120Aのカム面により排気バルブ16
4が押圧されると、吸気バルブ164がスプリング(図
示せず)の弾性力に抗して動作し、排気ポートが開放さ
れる。また、排気側カムシャフト123の回転位相の変
化にともない、カム120Aから排気バルブ164に伝
達される押圧力が弱められ、排気ポートが閉じられる。
【0039】上記のような、吸気ポートの開閉制御およ
び排気ポートの開閉制御に加えて、エンジン回転数が所
定の回転数まで上昇した時点で、燃料噴射制御、点火制
御などをおこなうことにより、公知の吸入行程、圧縮行
程、膨張行程、排気行程がおこなわれ、エンジン1が自
律回転する。なお、エンジン1が自立回転状態になる
と、モータ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレー
タ5によるクランキングが終了する。
【0040】一方、エンジン1の運転中は、アクセル開
度センサ43の信号、車速センサ45の信号、エアコン
スイッチ40の信号、充電量検出センサ39の信号など
に基づいて、要求駆動力および目標エンジン出力ならび
にモータ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ
5の目標出力が算出される。これらの算出結果に基づい
てエンジン出力およびモータ・ジェネレータ3,5が制
御される。エンジン出力の制御に際しては、燃焼噴射
量、点火時期、吸入空気量、吸気タイミングなどが制御
される。
【0041】なお、エンジン1が始動された後は、充電
量センサ39の信号、エアコンスイッチ40の信号など
に基づいて、エンジン1を停止することができる。ま
た、電子制御装置34には、エンジン1およびモータ・
ジェネレータ3,5の駆動・停止を制御するための駆動
力源制御マップが記憶されている。この駆動力源制御マ
ップは、車速およびアクセル開度などをパラメータとし
て、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3,5の駆
動・停止を制御するものである。
【0042】エンジン1が駆動されると、その動力は、
動力分割機構2および減速機4を経由して車輪6に伝達
される。また、エンジントルクが要求トルクに満たない
場合は、モータ・ジェネレータ3,5の少なくとも一方
を電動機として駆動し、モータ・ジェネレータ3,5の
少なくとも一方のトルクを、動力分割機構2および減速
機4を経由させて車輪6に伝達することにより、要求ト
ルクに対するエンジントルクの不足を補うことができ
る。さらに、エンジン1の動力によりモータ・ジェネレ
ータ2を発電機として機能させるとともに、その電力を
バッテリ33を経由してモータ・ジェネレータ5に供給
することにより、モータ・ジェネレータ5を電動機とし
て駆動させ、そのトルクを減速機4を経由させて車輪6
に伝達することもできる。モータ・ジェネレータ3,5
のトルクおよび回転数は、モータ・ジェネレータ3,5
に供給される電力の電流値を調整することにより制御さ
れる。
【0043】これに対して、要求出力に対してエンジン
出力が過剰となる場合は、モータ・ジェネレータ3,5
の少なくとも一方を発電機として機能させ、エンジン1
の余剰分の動力を電力に変換して、その電力をバッテリ
33に充電することができる。一方、車両の減速時(言
い換えれば惰力走行時)には、車輪6の動力(運動エネ
ルギ)をモータ・ジェネレータ3,5の少なくとも一方
に伝達して発電機として機能させ、モータ・ジェネレー
タ3,5の少なくとも一方により発電された電力をバッ
テリ33に充電することもできる。
【0044】つぎに、吸気バルブ162の開閉タイミン
グと、排気バルブ164の開閉タイミングとの関係を図
7のダイヤグラムに示す。この実施形態においては、進
角油圧室17および遅角油圧室18の油圧を制御するこ
とにより、吸気バルブ162の開閉タイミングを、所定
の調整角度範囲内で連続的に可変に設定することができ
る。進角油圧室17の油圧を上昇させるほど、吸気バル
ブ162の開閉タイミングが早められる。吸気バルブ1
62の閉タイミングが早められた場合は、燃焼室12か
ら吸気管19に戻る空気の量、つまり吹き返しが少なく
なる。これに対して、遅角油圧室18の油圧を上昇させ
るほど、吸気バルブ162の開閉タイミングが遅くな
る。吸気バルブ162の閉タイミングが遅く制御された
場合は、燃焼室12に吸入される空気の吹き返しが多く
なる。このように、燃焼室12における空気の供給状態
は、吸気と排気との相対的な関係に基づいて決定され
る。
【0045】図7のダイヤグラムは、クランクシャフト
168の下死点から約90°遅角させた基準位置X1を
挟む所定角度(約40°)の範囲に、吸気バルブ162
の閉タイミング変更可能範囲β1を設定した場合を例示
している。この閉タイミング変更可能範囲β1は、進角
領域β2と遅角領域β3とに区分される。進角領域β2
は、基準位置X1と、下死点から約80°の位置との間
の角度範囲に設定されている。遅角領域β3は、基準位
置X1と、下死点から約120°の位置との間の角度範
囲に設定されている。また、進角領域β2のうち、下死
点から約80°の位置が最進角位置(言い換えれば最進
角状態)であり、遅角領域β3のうち、下死点から約1
20°の位置が最遅角位置(言い換えれば最遅角状態)
である。この実施形態においては、吸気バルブ162の
開タイミングと閉タイミングとは、別々に制御されるも
のではなく、相互に一体不可分の関係にある。そして、
吸気バルブ162の開タイミング変更可能範囲β4は、
上死点を基準とする約40°の範囲に設定されている。
このように、燃焼室12に供給される空気の供給状態、
具体的には空気の供給開始タイミングおよび空気の供給
終了タイミングを、吸気バルブ162の開閉タイミング
を制御することにより、連続的(無段階)に変更するた
めのシステムを、連続可変バルブタイミング(VVT;
Variable Valve Timing )システムと呼ぶ。
【0046】ところで、冷間時、言い換えれば低温時に
エンジン1を始動させる場合は、燃料が気化しにくく、
混合気が薄くなり易いために、燃焼状態は不安定にな
る。したがって、エンジン1を始動する前に、進角油圧
室17の油圧を上昇させ、かつ、遅角油圧室18の油圧
を低下させて、吸気バルブ162の閉タイミングを最進
角状態に調整する制御がおこなわれる。このような制御
をおこなった後に、冷間状態でエンジン1の始動要求が
生じると、吸気バルブ162の閉タイミングが最進角状
態に制御される。したがって、圧縮される空気量が少な
くなって、圧縮圧力が高められて燃料の燃焼が良好とな
り、エンジン1の始動性が向上する。
【0047】これに対して、上記のように吸気バルブ1
62が最進角状態に制御されている状態から、外気温が
変化、もしくは暖機によるエンジン1自体の温度が変化
が生じて非低温状態になり、この非低温状態でエンジン
1の始動要求に基づいてエンジン1を始動させ、かつ、
燃料噴射制御ならびに点火制御をおこなうと、混合気に
対する圧縮圧力が高くなりすぎて振動が生じる可能性が
ある。そこで、冷却水温センサ36の信号、外気温セン
サ50の信号に基づいて、非低温時でのエンジン始動が
予測される場合は、前記吸気バルブ162の閉タイミン
グを、最進角状態から最遅角状態に変更する制御がおこ
なわれる。エンジン1の停止中に吸気バルブ162の閉
タイミングが最進角状態に制御されると、係止溝27の
油圧が低下し、ロックピン25がスプリング26の弾性
力により係止溝27内に進入する。このようにして、ロ
ックピン25とハウジング15とが係合することによ
り、吸気側カムシャフト112とドリブンギヤ122と
が円周方向に位置決め固定さている。
【0048】そして、吸気バルブ162の閉タイミング
が最遅角状態に制御され、かつ、非低温状態でエンジン
1が始動されると、吸入空気量が増加しても、混合気に
作用する圧縮圧力が高まりすぎることがなく、振動を回
避することができる。なお、エンジン1の始動後は、係
止溝27の油圧が上昇してロックピン25が係止溝27
から抜け出し、進角油圧室17および遅角油圧室18の
制御に対応して、吸気バルブ162の開閉タイミングが
制御される。
【0049】このように、この実施形態においては、エ
ンジン1を始動する際の燃料の燃焼状態を、例えば温度
に基づいて予測し、その予測結果に基づいて吸気バルブ
162の閉タイミングを制御することにより、温度変化
によるエンジン1の振動を抑制し、かつ、その始動性を
良好に維持することができる。
【0050】ところで、吸気バルブ162の閉タイミン
グを、進角状態から遅角状態に変更する途中で、イグニ
ッションスイッチ37の信号、または駆動力源制御マッ
プに基づくエンジン1の始動要求が生じた場合は、エン
ジン1の振動が生じる可能性がある。そこで、このよう
なエンジン1の振動を抑制するための制御例を図1のフ
ローチャートに基づいて説明する。前述のように、エン
ジン1が停止し、かつ、吸気バルブ162の閉タイミン
グが最進角状態に制御されている状態では、ロックピン
25が係止溝27に進入している。この状態でエンジン
1の始動要求が発生すると(ステップS1)、モータ・
ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5が電動機
として駆動され、その動力がクランクシャフト168に
伝達されて、クランクシャフト168がクランキングさ
れるとともに、燃料噴射制御および点火制御がおこなわ
れて、自律回転する。
【0051】この制御例では、エンジン1の始動要求が
生じた場合に、エンジン1をクランキングするモータ・
ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5の回転速
度を、以下のようにして制御する。まず、現在の冷却水
温THWが所定値THW1以下であるか否かが判断され
る(ステップS2)。所定値THW1としては例えば−
30℃が挙げられる。ステップS2で肯定的に判断され
た場合、つまり、極冷間状態においてエンジン1の始動
要求が生じている場合は、エンジン1を可能な限り高回
転速度でクランキングする処理をおこなう(ステップS
3)。
【0052】このステップS3を具体的に説明する。モ
ータ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5の
トルクおよび回転数は、供給される電力の電流値により
制御される。そこで、まず、バッテリ33の充電量など
の条件に基づいて、モータ・ジェネレータ3またはモー
タ・ジェネレータ5の最大回転速度および最大トルクを
算出する。そして、例えば、モータ・ジェネレータ3ま
たはモータ・ジェネレータ5でエンジン1をクランキン
グするにあたり、動力分割機構2の動力伝達効率などを
パラメータとして、エンジン1の目標クランキング回転
速度に対応して、モータ・ジェネレータ3またはモータ
・ジェネレータ5の回転速度およびトルクを算出する。
このようにして、モータ・ジェネレータ3またはモータ
・ジェネレータ5の指示トルクTG1を算出し、かつ、
指示トルクTG1をなまし処理することにより、モータ
・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5の目標
トルクTGを設定する。ここでなまし処理とは、モータ
・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5のトル
クの経時的な変化程度を緩やかにするための処理であ
る。
【0053】そして、ステップS3の算出結果に基づい
てエンジン1のクランキングをおこなうとともに、エン
ジン1の始動が終了したか否か、つまりエンジン1が自
律回転状態になったか否かが判断される(ステップS
4)。このステップ4の判断は、例えば、エンジン回転
数または、燃料噴射制御および点火時期制御を開始して
からの経過時間などに基づいておこなうことができる。
ステップS4で否定的に判断された場合はステップS3
に戻り、ステップS4で肯定的に判断された場合は、リ
ターンする。つまり、冷間時にエンジン1の始動要求が
生じた場合は、燃料が気化しにくいが、ステップS1な
いしステップS4の制御をおこなうことにより、吸入空
気量が比較的少ない状態であり、かつ、クランキング回
転速度を高速回転としているために、混合気の圧縮不足
が解消されて、燃焼状態を良好に維持することができ、
エンジン1の確実な始動を確保することができる。
【0054】一方、前記ステップS2で否定的に判断さ
れる条件下では、燃料の燃焼が良好となるために、前記
のように吸気バルブ162の閉タイミングを最進角状態
にあるままエンジン1を始動すると、混合気に作用する
圧縮圧力が高くなりすぎて、振動が生じる可能性があ
る。そこで、ステップS2で否定的に判断された場合
は、吸気バルブ162の閉タイミングを変更し、かつ、
エンジン1のクランキング速度を、この閉タイミングの
変更に適合する回転速度に調整する制御がおこなわれる
(ステップS5)。
【0055】すなわち、係合溝27の油圧を上昇させて
ロックピン25を係合溝27から抜き出すとともに、吸
気バルブ162の閉タイミングを、最進角状態から最遅
角状態に変更する制御がおこなわれる。また、モータ・
ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5の回転速
度を、ステップS3に対応する回転速度よりも低速回転
に制御する処理がおこなわれる。モータ・ジェネレータ
3またはモータ・ジェネレータ5の回転速度の制御を、
より具体的に説明する。モータ・ジェネレータ3または
モータ・ジェネレータ5の指示トルクTG2を算出し、
かつ、指示トルクTG2をなまし処理することにより、
目標トルクTGを設定する。ここで、指示トルクTG2
は指示トルクTG1よりも低トルクである。
【0056】また、ステップS5でおこなうなまし処理
の意味は、ステップS3でおこなうなまし処理の意味と
同じである。このように、エンジン1をクランキングす
るモータ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ
5の回転速度が低速に制御されるため、ロックピン25
とハウジング15との係合を解除し易くなり、ベーン1
3とハウジング15との相対回転が円滑におこなわれ
る。
【0057】ついで、ベーン13とハウジング15との
相対回転角度が所定角度に到達して、吸気バルブ162
の閉タイミングを、最進角状態から最遅角状態に変更す
る制御が完了したか否かが判断される(ステップS
6)。このステップS6の判断は、例えば、吸気バルブ
162の閉タイミングを、最進角状態から最遅角状態に
変更する信号が出力された時点からの経過時間に基づい
て判断することができる。ステップS6で否定的に判断
された場合はステップS5に戻り、ステップS6で肯定
的に判断された場合は、ステップS3に進む。
【0058】このように、極低温以外の条件下におい
て、エンジン1の始動要求が生じ、かつ、吸気バルブ1
62の閉タイミングを最進角状態から最遅角状態に変更
する場合は、エンジン1が低回転速度で始動が開始さ
れ、ついで、最遅角状態が設定された後は、高回転速度
でエンジン1のクランキングが継続される。
【0059】図8は、図1のステップS1ないしステッ
プS3の制御に対応するタイムチャートである。図8の
タイムチャートは、エンジン回転数およびトルク(モー
タ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5のト
ルク)の経時変化を示すものである。エンジン1の始動
要求が生じると、時刻t1からトルクが上昇し始め、こ
れにともないエンジン回転数も上昇する。そして、時刻
t2以後はほぼ一定の指示トルクTG1に制御され、エ
ンジン回転数が、エンジン1の自律回転可能な回転数に
到達した時刻t3以後は、指示トルクが低下し、かつ、
エンジン回転数がほぼ一定に制御されている。
【0060】図9は、図1のステップS5およびステッ
プS6を経由してステップS3に進んだ場合に対応する
タイムチャートである。エンジン1の始動要求が生じる
と、時刻t1からトルクが上昇し始め、これにともない
エンジン回転数も上昇する。そして、時刻t2以後は指
示トルクがTG2に制御されている。そして、時刻t3
になり、吸気バルブ162の閉タイミングが最遅角状態
に設定されると、その後は、指示トルクが高められる。
このため、時刻t1と時刻t3との間におけるエンジン
回転数の上昇程度よりも、時刻t3以後におけるエンジ
ン回転数の上昇程度の方が急激になっている。ついで、
時刻t4以後は指示トルクがTG1に制御され、エンジ
ン回転数が、エンジン1の自律回転可能な回転数に到達
した時刻t5以後は、指示トルクが低下し、かつ、エン
ジン回転数がほぼ一定に制御されている。なお、エンジ
ン回転数が自律回転数まで上昇することにより、共振回
転数を越えた後は、吸気バルブ162の閉タイミングを
進角させる制御をおこなうことができる。なお、図8の
時刻t1ないし時刻t3と、図9の時刻t1ないし時刻
t3とは、時間的に必ずしも一致していない。
【0061】以上のように、図1の制御例においては、
エンジン1の始動要求が生じた場合は、冷却水温および
吸気バルブ162の閉タイミングに基づいて、エンジン
1をクランキングするモータ・ジェネレータ3またはモ
ータ・ジェネレータ5の回転速度を制御している。した
がって、極冷間時にエンジン1を始動する場合の始動性
を良好にすることができるとともに、極冷間時以外の時
にエンジン1を始動する場合の振動をも抑制することが
できる。
【0062】図10は、他の制御例を示すフローチャー
トである。この図10の制御例も、エンジン1の始動要
求が生じた場合におこなわれる。図10のステップS1
2の内容は、図1のステップS2の内容と同じであり、
図10のステップS13の内容は、図1のステップS3
の内容と同じであり、図10のステップS14の内容
は、図1のステップS4の内容と同じであり、図10の
ステップS15の内容は、図1のステップS5の内容と
同じであり、図10のステップS17の内容は、図1の
ステップS6の内容と同じである。
【0063】この図10の制御例においては、ステップ
S12で肯定的に判断された場合はステップS13を経
由してステップS14に進む。そして、ステップS14
で肯定的に判断された場合はリターンされ、ステップS
14で否定的に判断された場合はステップS13に戻
る。
【0064】これに対して、ステップS12で否定的に
判断された場合は、ステップS15を経由してステップ
S16に進み、吸気バルブ162の閉タイミングを、最
進角状態から最遅角状態に変更する制御が完了したこと
を検出できるか否かが判断される。このステップS16
の判断は、例えば、最遅角センサ29の信号、またはク
ランク角セン49の信号およびカムシャフトセンサ48
の信号に基づいて判断することができる。すなわち、遅
角油圧室18の油圧が上昇して最進角状態から最遅角状
態への変更が完了すると、最遅角センサ48がこれを検
出するため、最遅角センサ48の信号に基づいて、ステ
ップS16の判断をおこなうことができる。
【0065】一方、クランク角センサ49によりクラン
クシャフト168の回転が検出された後、カムシャフト
センサ48により吸気側カムシャフト112の回転が検
出された場合も、吸気バルブ162の閉タイミングを、
最進角状態から最遅角状態に変更する制御が完了したと
判断することができる。
【0066】ステップS16で肯定的に判断された場合
はステップS13に進む。前記、ステップS16におい
て、最遅角検出センサ29、カムシャフトセンサ48、
クランク角センサ49などの故障により、最進角状態か
ら最遅角状態への変更が完了したことを検出することが
できない場合は、ステップS16で否定的に判断されて
ステップS17に進む。このステップS17で肯定的に
判断された場合はステップS13に進み、ステップS1
7で否定的に判断された場合は、ステップS15に戻
る。
【0067】このように、図10の制御例においても、
図1の制御例と同様の効果を得られる他に、図10の制
御例においては、最進角状態から最遅角状態への変更が
完了したか否かを、最遅角検出センサ29、またはクラ
ンク角センサ49およびカムシャフトセンサ48の信号
に基づいて確実に判断することができる。したがって、
エンジン1をクランキングする場合に、モータ・ジェネ
レータ3またはモータ・ジェネレータ5の回転速度を高
精度に制御することができ、エンジン1の振動を防止す
る機能が一層向上する。
【0068】図11は、他の制御例を示すフローチャー
トである。この図11の制御例も、エンジン1の始動要
求が生じた場合におこなわれる。図11のステップS2
2の内容は、図1のステップS2の内容と同じであり、
図11のステップS23の内容は、図1のステップS3
の内容と同じであり、図11のステップS24の内容
は、図1のステップS4の内容と同じであり、図11の
ステップS26の内容は、図1のステップS5の内容と
同じであり、図11のステップS27の内容は、図10
のステップS16の内容と同じであり、図11のステッ
プS28の内容は、図1のステップS6の内容と同じで
ある。
【0069】図11において、ステップS22で肯定的
に判断された場合は、ステップS23を経由してステッ
プS24に進む。ステップS24で肯定的に判断された
場合はリターンされ、ステップS24で否定的に判断さ
れた場合はステップS23に戻る。これに対して、ステ
ップS22で否定的に判断された場合は、係合溝27に
作用する油圧に基づいて、ロックピン25が係止溝27
から抜けたか否かが判断される(ステップS25)。ス
テップS25で肯定的に判断された場合はステップS2
3に進み、ステップS25で否定的に判断された場合は
ステップS26に進む。また、ステップS27で肯定的
に判断された場合はステップS23に進み、ステップS
27で否定的に判断された場合はステップS28に進
む。ステップS28で肯定的に判断された場合はステッ
プS23に進み、ステップS28で否定的に判断された
場合はステップS25に戻る。
【0070】したがって、図11の制御例においても、
図1および図10の制御例と同様の効果を得られる。ま
た、図11の制御例によれば、ロックピン25が係止溝
27から抜け出す前は、クランキング回転速度が低速に
制御され、ロックピンが係止溝27から抜け出した後
に、クランキング回転速度が高速に制御される。このた
め、ロックピン25が係止溝27から円滑に抜け易くな
り、吸気バルブ162の閉タイミングを最進角状態から
最遅角状態に変更する制御を確実におこなうことができ
る。したがって、エンジン1の振動を抑制する機能が一
層向上する。
【0071】なお、ステップS25の後に、エンジン1
のクランキングを所定時間継続してもロックピン25を
係止溝27から抜き出すことができない場合は、エンジ
ン回転数を自律回転数まで迅速に上昇させることを優先
する制御をおこなうこともできる。つまり、クランキン
グ回転速度を低速から高速に切り換え、始動性の向上を
図るのである。この制御をおこなうことにより、エンジ
ン1の始動時に、ドライバーが違和感やもたつき感を持
つことを回避できる。また、図1および図10ならびに
図11の制御例において、エンジン1のクランキング回
転速度を制御するために、車両の駆動力源としての機能
を有するモータ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネ
レータ5の回転速度およびトルクを制御している。この
ため、エンジン1のクランキング回転速度を制御するた
めに、格別のシステムを設けることなく、既存のシステ
ムを活用することができる。したがって、部品点数が増
加することもなく、製造コストの上昇を抑制することが
できる。
【0072】上記実施形態において、図5および図6に
示すロックピン25、係止溝27、スプリング26を設
けることなく、最進角状態を保持するように構成するこ
ともできる。このような構成としては、進角油圧室17
および遅角油圧室18の油圧制御して、最進角状態を保
持する第1の構成と、ベーン13とハウジング15との
接触面の摩擦力により、最進角状態を保持する第2の構
成と、密封装置21とハウジング15との摩擦力によ
り、最進角状態を保持する第3の構成とが挙げられる。
この第1の構成および第2の構成ならびに第3の構成に
対しては、図1および図10の制御例を用いることがで
きる。
【0073】ここで、第2の構成または第3の構成を採
用し、かつ、図1の制御例または図10の制御例をおこ
なう場合の動作について説明する。ステップS5または
ステップS15において、低回転速度でのクランキング
が開始されると、ハウジング15の回転角度が所定角度
に到達するまでの間は、ベーン13とハウジング15と
が相対回転する。つまり、ハウジング15のみが回転
し、ベーン13は停止している。
【0074】その理由はつぎのとおりである。エンジン
1の停止中は、カム120の突出部がプッシュロッド
(図示せず)の端部に接触しているため、吸気側カムシ
ャフト112に対して、吸気側バルブ162を閉じる方
向に押圧しているスプリングの弾性力を越えるトルク
が、吸気側カムシャフト112に伝達されない限り、吸
気側カムシャフト112が回転しない。つまり、ハウジ
ング15が所定角度回転する間は、そのハウジング15
の動力が、第2の構成の場合はハウジング15とベーン
13との滑りに消費され、第3の構成の場合はハウジン
グ15と密封装置21との滑りに消費される。その後、
ハウジング15の回転が継続され、かつ、ステップS6
またはステップS16に進む。
【0075】なお、図1のステップS2または図10の
ステップS12または図11のステップS22において
は、吸気バルブ162の閉タイミングを制御し、かつ、
エンジン1のクランキング回転速度を制御するためのパ
ラメータとして、冷却水温を用いているが、混合気の燃
焼に関連する物理量であれば、冷却水温以外の要因を用
いることができる。例えば、外気温、燃料の揮発状態な
どを用いて、吸気バルブ162の閉タイミングを変更
し、かつ、エンジン1のクランキング回転速度を制御す
ることができる。ここで、外気温を用いる場合におい
て、図1のステップS2または図10のステップS12
または図11のステップS22判断内容は、冷却水温を
用いた場合と同様であるため説明を省略する。
【0076】一方、揮発状態検出センサ25の信号に基
づいて、混合気の燃焼状態を判断する場合は、ステップ
S22またはステップS12またはステップS22にお
いて、燃料が揮発しにくい状態か否かを揮発状態検出セ
ンサ52の信号に基づいて判断し、このステップS22
またはステップS12またはステップS22で肯定的に
判断された場合は、ステップS3またはステップS13
またはステップS23に進み、ステップS2またはステ
ップS12またはステップS22で否定的に判断された
場合は、ステップS5またはステップS15またはステ
ップS25に進むようなルーチンを採用することができ
る。
【0077】すなわち、燃料の揮発状態が低下する場合
にも、燃料の燃焼が不安定となり、燃料の揮発状態が良
好な場合は、燃料の燃焼が安定し易いため、図1または
図10または図11の制御をおこなうことにより、エン
ジン1の始動時における振動を抑制することができる。
なお、揮発状態センサ52は、例えば吸気管19もしく
は燃焼室12または燃料タンク(図示せず)に設けるこ
とができる。吸気管19または燃焼室12設けた場合
は、混合気の揮発状態(言い換えれば気化状態)を検出
し、その揮発状態を検出することができる。これに対し
て、燃料タンクに揮発状態センサ52を設けた場合は、
その燃料の成分などに基づいて、燃料の種類毎にその揮
発特性を検出することができる。
【0078】図1のステップS3,S5、図10のステ
ップS13,S15、図11のステップS23,S26
においては、エンジン1をクランキングする場合に、モ
ータ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5の
目標回転状態を設定し、モータ・ジェネレータ3または
モータ・ジェネレータ5に供給する電力の電流値を制御
しているが、これらの各ステップにおいては、他の制御
方法を採用することもできる。例えば、エンジン1自体
の目標回転状態を設定し、この目標回転数となるように
モータ・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5
の回転状態を制御するとともに、エンジン1自体の実際
の回転状態を、目標回転状態に近づけるように、モータ
・ジェネレータ3またはモータ・ジェネレータ5に供給
する電力の電流値を制御することもできる。
【0079】また、上記実施形態においては、吸気バル
ブ162の開閉タイミングを制御することにより、燃焼
室12における空気の供給状態を制御するように構成さ
れているが、排気バルブの開閉タイミングを制御するこ
とにより、燃焼室12における空気の供給状態を制御す
る構成の内燃機関に対して、上記の各制御例を適用する
こともできる。この場合は、混合気の燃焼に関連する物
理量に基づいて、吸気バルブ162の開閉タイミングを
制御する代わりに、排気バルブの開閉タイミングを制御
することになる。さらに、各制御例において、吸気バル
ブおよび排気バルブの開閉タイミングの両方を制御する
構成の内燃機関に対して、上記の各制御例を適用するこ
とができる。この場合は、混合気の燃焼に関連する物理
量に基づいて、吸気バルブ162の開閉タイミングの制
御に加えて、排気バルブの開閉タイミングもおこなう。
【0080】さらにまた、吸気バルブまたは排気バルブ
のうち、少なくとも一方の開タイミングと閉タイミング
とを別々に制御することのできる内燃機関に対して、上
記各制御例を適用することができる。この場合は、は、
混合気の燃焼に関連する物理量に基づいて、吸気バルブ
または排気バルブのうち、少なくとも一方の開タイミン
グと閉タイミングとを別々に制御することになる。ま
た、吸気バルブまたは排気バルブの少なくとも一方の開
閉タイミングを制御するための機構としては、図4に示
す機構に代えて、カム120,120Aの回転角度に対
応するロッカアーム(図示せず)の回転角度を可変とす
るように構成したものを採用することもできる。
【0081】ここで、図1および図10ならびに図11
の制御例に示す機能的手段と、この発明の構成との対応
関係を説明する。すなわち、図1のステップS1ないし
ステップS6、図10のステップS12ないしステップ
S17、図11のステップS22ないしステップS24
がこの発明の始動制御手段に相当する。また、所定温度
THW1以下の冷却水温がこの発明の第1の所定温度に
相当し、最進角状態がこの発明の第1の空気供給状態
(つまり第1の開閉タイミング)に相当し、ステップS
3およびステップS13ならびにステップS23の制御
に対応する回転速度(低回転速度)がこの発明の第1の
回転速度および第1の回転状態に相当し、所定温度TH
W1を越える冷却水温がこの発明の第1の所定温度に相
当し、最遅角状態がこの発明の第2の空気供給状態(つ
まり第2の開閉タイミング)に相当し、ステップS5お
よびステップS15ならびにステップS26の制御に対
応する回転速度(高回転速度)がこの発明の第2の回転
速度および第2の回転状態に相当する。
【0082】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
回転部材が外力により回転すると、混合気を圧縮する圧
縮圧力が生じるが、この圧縮圧力を混合気の燃焼状態に
適合させられる。したがって、混合気の燃焼状態が良好
になり、内燃機関の始動時の振動を抑制することができ
る。
【0083】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られる他に、圧縮圧力を混合気の燃焼
状態に適合させる機能が一層向上する。したがって、内
燃機関の振動を、一層確実に抑制することができる。
【0084】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と同様の効果を得られる他に、温度に基づいて、空気の
供給状態が制御される。したがって、回転部材を外力に
より回転する場合の回転状態が、温度に基づく混合気の
燃焼状態に基づいて制御される。したがって、内燃機関
の振動を、一層確実に抑制することができる。
【0085】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
と同様の効果を得られる他に、第1の温度で内燃機関を
始動する場合は、空気の供給量は比較的少ないが、混合
気に作用する圧縮圧力が高められるため、混合気の燃焼
が良好な状態になり、内燃機関の振動が抑制される。こ
れに対して、第1の温度から第2の温度に変化すると、
空気の供給量が増加するが、混合気に作用する圧縮圧力
が高くなりすぎることが抑制され、内燃機関の振動を抑
制できる。
【0086】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
と同様の効果を得られる他に、第1の空気供給状態から
第2の空気供給状態に変更された後は、空気の供給量が
比較的多くなるが、回転部材を外力により回転させる場
合の回転速度が上昇して、混合気に作用する圧縮圧力が
高められて燃料の燃焼が良好になるため、内燃機関の振
動を抑制することができる。
【0087】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
5のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、内燃
機関以外の駆動力源を制御することにより、回転部材に
外力を与える回転状態が制御される。したがって、回転
部材をクランキングさせるために格別のシステムを設け
る必要がなく、部品点数の増加および製造コストの上昇
を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る制御の一実施例を示すフロー
チャートである。
【図2】 この発明が適用されるハイブリッド車のパワ
ートレーンを示す図である。
【図3】 図2に示すハイブリッド車の制御系統を示す
ブロック図である。
【図4】 図2のエンジンの構成の一部を示す斜視図で
ある。
【図5】 図4に示す構成の部分的な断面図である。
【図6】 図4に示す構成の部分的な断面図である。
【図7】 図4、図5、図6に示す構成により、図2の
エンジンの吸気バルブの開閉タイミングを制御する場合
の一例を示すダイヤグラムである。
【図8】 図1の制御例に対応するタイムチャートであ
る。
【図9】 図1の制御例に対応するタイムチャートであ
る。
【図10】 この発明に係る制御の他の実施例を示すフ
ローチャートである。
【図11】 この発明に係る制御の他の実施例を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 3,5…モータ・ジェネレータ、 1
3…ベーン、 15…ハウジング、 17…進角油圧
室、 18…遅角油圧室、 34…電子制御装置、 1
12…吸気側カムシャフト、 162…吸気バルブ、
168…クランクシャフト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02N 11/04 F02N 11/08 V 11/08 B60K 9/00 ZHVC Fターム(参考) 3G092 AA01 AA11 AB02 BB01 DA10 DF01 DG06 DG09 EA03 EA04 EA11 EB01 EC01 FA14 FA32 GA01 HA01Z HA04Z HA05Z HA06Z HD05Z HE01Z HE03Z HE08Z HF02Z HF04Z HF12Z HF21Z 3G093 AA07 BA33 CA01 DA01 DA03 DA04 DA06 DA07 DA09 DA12 DB05 DB09 DB11 DB15 DB19 DB25 DB26 EB01 EC02 FA12 FB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転部材に外力を与えて回転
    させとともに、燃料を燃焼させることにより、前記回転
    部材から動力が出力される状態に制御する内燃機関の制
    御装置において、 前記外力の作用による前記回転部材の回転状態を、前記
    燃料と混合される空気の供給状態にづいて制御する始動
    制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記始動制御手段は、前記空気の供給状
    態を、前記燃料の燃焼に関連する物理量に基づいて制御
    する機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記始動制御手段は、前記空気の供給状
    態を、温度に基づいて制御する機能を備えていることを
    特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記始動制御手段は、第1の所定温度に
    対応する第1の空気供給状態が選択されている際に、前
    記回転部材を外力により回転させる場合の第1の回転速
    度よりも、前記第1の空気供給状態から、前記第1の所
    定温度よりも高温の第2の所定温度に対応し、かつ、前
    記第1の空気供給状態とは空気の供給量が少ない第2の
    空気供給状態に変更する際に前記回転部材を外力により
    回転させる場合の第2の回転速度の方を遅くする機能を
    備えていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関
    の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記始動制御手段は、前記第1の空気供
    給状態から前記第2の空気供給状態への変更がおこなわ
    れた後に、前記回転部材を外力により回転させるための
    第3の回転速度を、前記第2の回転速度よりも速くする
    機能を備えていることを特徴とする請求項4に記載の内
    燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記始動制御手段は、前記内燃機関以外
    の駆動力源により前記回転部材に外力を与える機能を備
    えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の内燃機関の制御装置。
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