JP2009097374A - エンジンの始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドル等に自動停止したエンジンを再始動する際に、逆転燃焼始動とスタータ始動とを使い分ける場合、それぞれの得失に着目して吸気弁のリフト特性を変えることにより、異常燃焼を抑制し、良好な始動性も確保する。
【解決手段】エンジン再始動時に、停止時膨張行程気筒の気筒が適正停止位置にあれば(SC2でYES)、吸気弁を最小リフト状態に制御するとともに(SC3)、停止時圧縮行程気筒の燃焼によりエンジンを一旦、逆転作動させた後に、停止時膨張行程気筒の燃焼により正転させて、再始動させる(SC4:逆転燃焼始動)。適正停止位置になければ(SC2でNO)吸気弁を最大リフト状態に制御して、その閉時期IVCをBDCよりも大幅に遅角させ(SC8)、スタータモータによりクランキングしてエンジンを始動させる(SC9:スタータ始動)。
【選択図】図13

Description

本発明は、アイドル時等に自動停止したエンジンを再始動要求に応じて自動的に始動するようにしたエンジンの始動装置に関し、特に、リフト可変機構を備える場合の逆転燃焼始動とスタータ始動との使い分けに係る。
従来より、燃費低減及びCO排出量抑制等を目的として、アイドル時にエンジンを自動で停止するようにしたエンジン制御システム(アイドルストップシステム)が知られている。このようなシステムでは、発進操作等のエンジン再始動要求に対して即座にエンジンを始動しなくてはならないが、モータによるクランキングを経てエンジンを始動するという一般的な始動方法では始動時間がやや長くなるきらいがあり、また、クランキングに伴う騒音が運転者に違和感を与えるという不具合もある。
この点につき、特許文献1に記載の始動制御方法は、アイドルストップ後の再始動の際にクランキングを可能な限り静粛化するために、吸気弁のリフト量を小さく且つ適切に制御して、気筒の吸気充填量を着火の可能な最小量とするようにしたものである。
また、本願の発明者は、圧縮行程で停止している気筒(以下、停止時圧縮行程気筒ともいう。他の気筒も同様)に点火して燃焼させることにより一旦、エンジンを逆転作動させ、これにより停止時膨張行程気筒を圧縮してから点火、燃焼させることで、エンジンを正転させて自力で再始動させる手法(以下、逆転燃焼始動ともいう)を提案している(例えば特許文献2を参照)。
特開2002−213261号公報 特開2007−92719号公報
ところで、近年、自動車用のエンジンにおいてはポンピングロスの低減のために、吸気弁のリフト量を連続的に変化させるリフト可変機構を設けたものが実用化されつつあり、このリフト可変機構は、一般に、リフト量の小さいときには作用角も小さくなって、吸気弁の開時期が進角する一方、リフト量の大きいときには作用角も大きくなって、吸気弁閉時期は遅角するという傾向がある。
そして、そのようなエンジンにおいて前記従来例のように再始動を行うときには以下のような問題がある。すなわち、アイドルストップ後の再始動時には気筒内の空気がかなり温度の高い状態になっており、回転速度が非常に低いことも相俟って気筒の充填効率も高くなるから、特にエンジンの正転開始とともに最初に圧縮上死点(以下、TDCという)を迎える停止時の圧縮行程気筒や2番目にTDCを迎える停止時の吸気行程気筒ではその気筒内の温度及び圧力が高くなり、圧縮行程において混合気の自着火によるプレイグニッション等の異常燃焼を生じる虞れがある。
この点、前者の従来例のように、スタータによる始動時に吸気弁のリフト量を小さくしても、前記停止時の圧縮行程気筒や吸気行程気筒には既に大気圧状態で高温の空気が入っており、さらに、吸気行程気筒には吸気ポートからも空気が吸い込まれることになるので、これらの気筒について充填効率はあまり低くはならず、異常燃焼を阻止し得るものではない。
しかも、スタータモータによる始動時には十分に大きな始動トルクが得られるものの、モータ回転速度に制限されることからエンジン回転の立ち上がりはやや遅くなり、例えば200〜300rpmと回転速度の非常に低い状態で異常燃焼が発生しやすい。
これに対し、後者の従来例のようにエンジンを少しだけ逆転させてから自力で始動させる場合は、モータ回転速度の制限がないため、平均的な回転速度の上昇はむしろ早くなるから、異常燃焼の抑制には有利になる。また、エンジンの逆転作動の際に停止時の吸気行程気筒内から吸気通路に空気が一旦、排出されることから、気筒内に充填される吸気の温度がやや低下することになり、このことも異常燃焼の抑制には有利になる。
一方で逆転燃焼始動の場合は、スタータモータを用いず、停止時の膨張行程気筒の燃焼によるトルクのみによって、正転開始後の最初のTDC(停止時圧縮行程気筒のTDC)と2番目のTDC(停止時吸気行程気筒のTDC)とを乗り越えなくてはならないから、良好な始動性を安定的に確保することが難しい。
斯かる諸点に鑑みて本発明の目的は、自動停止したエンジンを再始動する際に逆転燃焼始動とスタータ始動とを使い分ける場合、それぞれの得失に着目して吸気弁のリフト特性を変えることにより、異常燃焼を抑制し、良好な始動性も確保することにある。
前記の目的を達成するために本発明では、逆転燃焼始動によるエンジン再始動時には、吸気弁のリフト量を小さくして機械的損失を減らす一方、スタータ始動のときには吸気弁の遅閉じにより有効圧縮比を低下させて、異常燃焼を防止するようにした。
すなわち、請求項1の発明は、停止しているエンジンの圧縮行程気筒に点火して燃焼させることにより一旦、逆転作動させ、これにより圧縮される膨張行程気筒に点火して燃焼させることにより正転させて、エンジンを始動させる逆転燃焼始動手段と、停止しているエンジンの前記膨張行程気筒に点火して燃焼させるとともに、スタータモータを作動させて、エンジンを始動させるスタータ始動手段と、エンジンの自動停止後、所定の再始動条件が成立したときに前記逆転燃焼始動手段とスタータ始動手段とのいずれかを選択して、エンジンを再始動させる選択手段と、を備えたエンジンの始動装置を前提とする。
そして、エンジンの動弁系には、少なくとも吸気弁のリフト量を連続的に変更可能であり、且つそのリフト量の増大に伴い閉時期を遅角させる一方、リフト量の減少に伴い閉時期を進角させるリフト可変機構が設けられている場合に、このリフト可変機構をリフト制御手段によって、前記逆転燃焼始動手段によるエンジン再始動のときには、吸気弁のリフト量が相対的に小さくなってその閉時期が下死点(以下、BDCという)よりも進角側となるように制御する一方、前記スタータ始動手段による再始動のときには、リフト量が相対的に大きくなってその閉時期がBDCよりも遅角側となるように制御するものとする。
前記の構成により、逆転燃焼始動のときには、まず、圧縮行程で停止している気筒(停止時圧縮行程気筒)に点火され、該気筒内の混合気の燃焼によってエンジンが少しだけ逆転作動し、これにより、膨張行程で停止している気筒(停止時膨張行程気筒)が圧縮される。こうして圧縮した上で停止時膨張行程気筒内の混合気に点火して燃焼させることで、大きな正転側へのトルクが発生する。
また、このときにはリフト制御手段によるリフト可変機構の制御によって、吸気弁のリフト量が相対的に小さくされ、その駆動に伴う機械的損失が小さくなるから、良好な始動性を確保する上で有利になる。尚、上述したが、逆転燃焼始動では異常燃焼は比較的、生じ難い。
一方、スタータ始動の場合は、まず、前記停止時膨張行程気筒の点火、燃焼によって、正転側へのトルクが発生するとともに、スタータモータの作動によってクランキングが行われる。このときには前記リフト制御手段によるリフト可変機構の制御によって吸気弁のリフト量が相対的に大きくされ、その閉時期がBDCよりも遅角側とされることで、気筒の有効圧縮比が低くなり、停止時の圧縮行程気筒や吸気行程気筒においても気筒内の温度及び圧力の上昇が抑制されて、混合気の自着火による異常燃焼が抑制される。
尚、スタータ始動の場合は、スタータモータによって強制的にクランク軸を回転させるものであるから、吸気弁の大リフトによって機械的な損失が大きくなっても良好な始動性を確保できる。
ところで、前記したように逆転燃焼始動のときに吸気弁のリフト量を小さくすると、その閉時期がBDCよりも進角側になるので、エンジンの逆転作動のために燃焼させる停止時圧縮行程気筒において逆転作動から正転作動へ切り換わる前後で吸気弁は開かず、既燃ガスを排出することができなくなる。このため、正転開始後にその停止時圧縮行程気筒が圧縮されるときの反力がかなり大きくなってしまい、エンジン回転がスムーズに立ち上がらないばかりか、TDCを乗り越えられなくなって始動に失敗する虞れもある。
そこで好ましいのは、前記停止時圧縮行程気筒に供給する混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーンになるように制御して(請求項2)、燃焼により生成されるガス(既燃ガス)の量を減らすことであり、特に好ましいのは、何れかの気筒のピストン停止位置を検出し、これに基づいて停止時圧縮行程気筒内の空気量を推定して、この空気量が多いほど、当該気筒の空燃比のリーン度合いを大きくすることである(請求項3)。
一方、前記したスタータ始動のときには、吸気弁のリフト量を大きくしてその閉時期をBDCよりも遅角側としており、始動後にはアイドル運転に移行するためにリフト量を小さくすることになるが、この際、吸気弁の閉時期は進角側に変化してBDCを通過することになり、BDC近傍の所定範囲では気筒への吸気充填効率が非常に高くなってしまい、異常燃焼が特に発生しやすい。
そこで好ましいのは、エンジンの吸気通路に設けたスロットル弁を制御するスロットル制御手段を備え、前記のようにスタータ始動後に吸気弁の閉時期を進角側へ変更するときに、少なくとも吸気弁閉時期が下死点近傍となる所定期間は、スロットル弁を閉じることである(請求項4)。こうすれば、気筒への吸気の流れを絞って充填量を減らすことができ、吸気弁閉時期がBDC近傍になっても吸気充填効率が過度に高くなることはない。
尚、前記逆転燃焼始動とスタータ始動との選択については、一例として、ピストン停止位置に基づき停止時膨張行程気筒の燃焼により所定以上のトルクが得られるかどうか判定し、所定以上のトルクが得られるのであれば逆転燃焼始動を、そうでなければスタータ始動を選択することができる(請求項5)。また、逆転燃焼始動に失敗したときにスタータ始動に切換えることもできる(請求項6)。
以上、説明したように、本発明に係るエンジンの始動装置によると、自動停止後に逆転燃焼始動とスタータ始動とのいずれかを選択して再始動させるときに、それぞれの得失を考慮してリフト可変機構の制御の仕方を変更し、逆転燃焼始動の際は吸気弁のリフト量を小さくして機械的損失を減らすことで、良好な始動性を安定確保できる一方、スタータ始動の際はリフト量は大きくなっても、遅閉じにより有効圧縮比を低下させることで、異常燃焼を防止できる。
特に、逆転燃焼始動の際は停止時圧縮行程気筒の燃焼をリーン空燃比で行うことで、既燃ガス量を減らすことができるので、それを排出できなくても、正転開始後に当該気筒が圧縮されるときの反力の増大を抑制し、エンジン回転をスムーズに立ち上げることができる。
一方、スタータ始動のときには、その後、アイドル運転に移行するために吸気弁のリフト特性を変更する過程で、その閉時期が下死点近傍となる期間を含むようにスロットル弁を閉じることで、吸気充填効率が過度に高くなることを阻止し、異常燃焼を防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(エンジン制御システムの概要)
図1は、本発明に係るエンジン始動装置を含むエンジン制御システムEの実施形態を示し、このシステムEはエンジン1と、これを制御するECU2(エンジンコントローラ)とを備えている。エンジン1は、シリンダヘッド10及びシリンダブロック11を備え、図2に示すように4つの気筒12A〜12Dが設けられている。該各気筒12A〜12Dの内部には、図1に示すように、クランク軸3に連結されるピストン13がそれぞれ嵌挿され、これにより、前記各気筒12A〜12D内部でピストン13の上方には燃焼室14が形成されている。
ここで、一般的に、多気筒4サイクルエンジンにおいては、各気筒が所定の位相差をもって吸気、圧縮、膨張、排気の各行程からなる燃焼サイクルを行うようになっており、この実施形態の4気筒エンジンの場合、気筒列方向一端側から1番気筒12A、2番気筒12B、3番気筒12C、4番気筒12Dと呼ぶと、1番気筒(#1)、3番気筒(#3)、4番気筒(#4)、2番気筒(#2)の順にクランク角で180度ずつの位相差をもって燃焼が行われる。
前記各気筒12A〜12Dのそれぞれの燃焼室14の頂部には、該燃焼室14内の混合気に点火して燃焼させるための点火プラグ15が設けられていて、それらの各点火プラグ15先端の電極が燃焼室14内に臨むように配置されている。また、その燃焼室14の側方(図1の右方)には、該燃焼室14内に燃料を直接、噴射するように燃料噴射弁16が設けられている。燃料噴射弁16は、ECU2からのパルス信号の入力によりそのパルス幅に対応する時間だけ開弁されて、その開弁時間に応じた量の燃料を各気筒12A〜12D内に噴射する。
また、前記燃焼室14の天井部に開口するように、シリンダヘッド10には吸気ポート17及び排気ポート18が、各気筒12A〜12D毎に各々2つずつ設けられていて、この各ポート開口部にそれぞれ吸気弁19及び排気弁20が配設されている。吸気ポート17及び排気ポート18は各々燃焼室14から離れるよう斜め上方に向かって延びて、シリンダヘッド10の吸気側及び排気側の側壁に開口し、吸気通路21及び排気通路22に連通している。
同図には示さないが、この実施形態のエンジン1は、吸気弁19及び排気弁20を別々のカム軸によって駆動する所謂DOHCタイプの動弁系を備えており、これによる吸排気弁19,20の基本的な開閉作動タイミングは、上述の如く各気筒12A〜12Dが所定の位相差をもって燃焼サイクルを行うように設定されている。
その上で、図3〜8を参照して後述するように、吸気側の動弁系には吸気弁19のリフト量を連続的に変更可能な公知のリフト可変機構40(Variable Valve Lift 以下、VVLと略称する)が設けられている。また、吸気側カム軸41の位相を所定の角度範囲内で連続的に変更可能な公知の位相可変機構42(Variable Valve Timing 以下、VVTと略称する)も配設されている。
尚、VVT42は、吸気側カム軸41の前端部と、カムチェーンの巻き掛けられるスプロケット43との間に組み込まれており、詳しい説明は省略するが、油圧アクチュエータによってスプロケット43とカム軸41との間に位相差を生じさせる周知構造のものである。このような油圧式のVVT42は、エンジン1の始動時のように所要の油圧が供給されない状態では作動させないことが好ましい。
図2に示すように、吸気通路21の下流側は各気筒12A〜12D毎に独立の分岐吸気通路21aとされ、この各分岐吸気通路21aの上流端がそれぞれサージタンク21bに連通している。このサージタンク21bよりも上流の吸気通路21は各気筒12A〜12Dに共通の共通吸気通路21cであり、ここには通路断面積を調整して吸気流を絞る電動スロットル弁24が配設され、電動モータ24aにより駆動されるようになっている。
さらに、図2にのみ示すが、スロットル弁24の上流側及び下流側には、それぞれ、吸気量を検出するためのエアフローセンサ25と吸気圧力を検出するための吸気圧センサ26とが配設されている。尚、この実施形態では、スロットル弁24をバイパスする通路は設けておらず、アイドル運転時の吸気流量はスロットル開度にて調整する。
また、この実施形態のエンジン1にはスタータモータ27が設けられている。このスタータモータ27は従来周知のもので、詳細は図示しないが、軸方向に進退可能な出力軸の先端にピニオンギヤが設けられ、エンジン1の始動時にはそのピニオンギヤをフライホイール外周のリングギヤに噛合させて、該フライホイールを介してクランク軸3を強制的に回転(クランキング)させるようになっている。
また、エンジン1にはベルト等によりクランク軸3に駆動連結されたオルタネータ28が付設されている。このオルタネータ28には、詳細は図示しないが、フィールドコイルの電流を制御することによって出力電圧を変更し、これにより発電量を調整するレギュレータ回路28aが内蔵されており、このレギュレータ回路28aにECU2からの制御指令(例えば電圧)が入力されることで、基本的には車両の電装品の電気負荷と車載バッテリ電圧とに応じて発電量が制御されるようになっている。
さらに、エンジン1にはクランク軸3の回転角を検出する2つのクランク角センサ30,31が設けられており、ECU2は、主に一方のクランク角センサ30からの信号に基づいてエンジン回転速度を求めるとともに、詳しくは後述するが、それら2つのクランク角センサ30,31から出力される互いに位相のずれたクランク角信号によって、クランク軸3の回転方向及び回転角度を検出するようになっている。
尚、図1に示す符号32は、吸気側カム軸の特定の回転位置を検出して気筒識別信号として出力するカム角センサであり、符号33は、運転者によるアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するためのアクセル開度センサである。
(VVLの構造)
次に、図3〜8を参照して吸気弁19のリフト量を可変とするVVL40の構造、及びその作動について詳細に説明する。
まず、図3に示すように吸気側のカム軸41には、シリンダ12A〜12D(同図には示さず)のそれぞれに対応して一対の揺動カム44,45が支持されている。これら一対の揺動カム44,45は、各気筒12毎の2つの吸気弁19,19をそれぞれリフトさせるように配置され、円筒状の連結部49によって互いに連結されて、カム軸41の周りに一体に揺動するようになっている。
また、カムシャフト41には、揺動カム44,45を動作させるために、軸心X(図4等参照)から偏心した円盤状の偏心カム46が一体に設けられている。各偏心カム46にはそれぞれ回転自在に外輪47が外嵌めされていて、この外輪47の外周に突出するように設けられた偏心凸部に、連結リンク48を介して一方の揺動カム45が連結されている。すなわち、外輪47は、一端側がカム軸41の偏心カム46に回転自在に嵌合され、他端部(偏心凸部)が連結リンク48によって揺動カム45に連結されたリンクであり、以下ではオフセットリンクと呼称する。
また、カム軸41の斜め上方には、これと平行にコントロールシャフト51が設けられている。このコントロールシャフト51には4つのコントロールアーム52がそれぞれ結合固定されており、該各コントロールアーム52の先端部と前記オフセットリンク47の他端部とが規制リンク53によって連結されている。この規制リンク53は、前記偏心カム46の回転に伴いオフセットリンク47の一端側がカム軸41の周りを公転するときに、このオフセットリンク47の変位を規制してその他端部を往復運動させるものであり、これにより、そのオフセットリンク47の他端部に連結された前記連結リンク48が揺動カム44,45を揺動させることになる。
さらに、前記コントロールシャフト51には、円周の一部のみに歯が形成されたウォーム歯車54が結合され、このウォーム歯車54の歯に、電動モータ55で回転駆動されるウォーム56が噛み合っている。そして、ECU2からの制御信号の入力に応じてモータ55が作動し、コントロールシャフト51が回動してコントロールアーム52の位置が変わることによって、オフセットリンク47の他端部の往復運動の軌跡、即ち前記連結リンク48の揺動軌跡が変更され、これにより揺動カム44,45の揺動角(揺動範囲)などが変化して、吸気弁19のリフト量や開閉時期などのリフト特性が変化するようになっている。
言い換えると、前記連結リンク48及び規制リンク53は、揺動カム45とオフセットリンク47とを連結するとともに、前記偏心カム46の回転に伴う該オフセットリンク47の動作を、揺動カム45(及び揺動カム44)が揺動するように規制するリンク機構である。このリンク機構を含めて、前記カム軸41の偏心カム46、オフセットリンク47、コントロールシャフト51、コントロールアーム52等により、吸気弁1,2のリフト量を連続的に変更可能なVVL40が構成されている。
VVL40の構造についてより詳しくは、まず、図4(b)に示すように、吸気弁19のステム上端には直動式タペット57が設けられ、このタペット57に揺動カム45が当接している。吸気弁19は、タペット57内部に設けられたリテーナ58とシリンダヘッドに設けられたリテーナ59との間に配設されたバルブスプリング60によって、吸気ポート17を閉じる方向(吸気弁19のリフト方向とは反対方向)に付勢されている。
前記連結リンク48の一端部は、揺動カム45にピン61により回動自在に連結され、一方、規制リンク53の一端部は、コントロールアーム52の先端部にピン62により回動自在に連結されている。そうして、この連結リンク48と規制リンク53とは、オフセットリンク47の両側にそれぞれ配設されて、該オフセットリンク47を中間に挟んで連係している。すなわち、連結リンク48及び規制リンク53の各々の他端部は、オフセットリンク47の他端部に連結ピン63によって同軸に且つ回動自在に連結されている。尚、前記ピン61〜63はいずれもカム軸41と平行に延びている。
図示の如く、前記オフセットリンク47と連結リンク48との連結ピン63はカム軸41の上方に位置しており、その側方にはコントロールアーム52の回動中心(コントロールシャフト51の軸心)が位置している。コントロールアーム52の先端のピン62は規制リンク53の回動軸であり、そのピン62の位置を変更することによって規制リンク53及び連結ピン63の揺動軌跡を変化させ、これにより、吸気弁19のリフト量を変更することができる。
すなわち、各リンクやピンの具体的な動作については以下に述べるが、モータ55によりコントロールシャフト51及びコントロールアーム52を回動させて、図4に示すようにピン62をコントロールシャフト51の下方に位置づけると、揺動カム44,45の揺動角が大きくなり、リフトピークにおける吸気弁19のリフト量が最も大きな最大リフト状態になる。また、そこからコントロールアーム52などの回動によってピン62を上方へ移動させると、これに応じて揺動カム44,45の揺動角は小さくなり、図5に示すようにピン62がカム軸41の上方に位置するときに、吸気弁19のリフト量が最も小さな最小リフト状態になる。
図4の最大リフト状態において揺動カム45は、同図(b)に示すようにカムノーズの先端側で直動式タペット57を押圧し、該タペット57を介して吸気弁19を大きくリフトさせたリフトピークの状態(揺動カム44が直動式タペットを介して吸気弁19を大きくリフトさせた状態)と、同図(a)に示すように吸気弁19がリフトしないゼロリフトの状態との間で揺動する。最小リフト状態である図5の場合も同様にリフトピークの状態(カムノーズの基端側でタペット57を押圧)とゼロリフトの状態との間で揺動する(同図(a)及び(b)参照)。
−VVLの動作−
以下、そのようなリンクやカムの動作を、図6及び図7を参照して具体的に説明する。この両図では、コントロールアーム52、連結リンク48及び規制リンク53については簡略に直線で表しており、また、偏心カム46の中心(オフセットリンク47の外輪の中心)の回転軌跡を符号T0として示している。尚、上述の如く吸気弁19と揺動カム44との関係は吸気弁19と揺動カム45との関係と同じであって、揺動カム45は揺動カム45と同様に働くので、以下では吸気弁19と揺動カム45との関係について説明する。
まず、図6を参照して揺動カム45自体のプロファイルを説明すると、この揺動カム45の周面には、曲率半径が所定角度範囲一定の基円面(ベースサークル区間)θ1と、該θ1に続いて曲率半径が漸次大きくなっているカム面(リフト区間)θ2とが形成されている。同図は、前記図4の最大リフト状態を表しており、コントロールアーム52は最大リフト制御位置にある。
同図に実線で示すのは吸気弁19がリフトピーク近傍にある図4(b)の状態であり、このときには、連結リンク48によってピン61が最も上方に引き上げられ、揺動カム45は、カム面θ2のカムノーズ先端側がタペット57に当接した状態になっている。一方、仮想線で示すのはゼロリフトの状態(図4(a))であり、このときには揺動カム45の基円面θ1がタペット57に接していて、吸気弁19はリフトしていない(即ち、吸気弁19は閉じている)。
そして、カム軸41(偏心カム46)が図の時計回りに回転すると、これに伴いオフセットリンク47の一端側(図の下端側)は、図に矢印で示すようにカム軸41の軸心X周りを公転することになるが、このときにはオフセットリンク47の他端部の変位は、そこに連結されている規制リンク53によって規制される。すなわち、規制リンク53は、コントロールシャフト51の下方に位置付けられたピン62を中心に図の実線の位置と仮想線の位置との間を揺動し、これに伴い、オフセットリンク47の他端側(連結ピン63)は、偏心カム46が1回転する度に、ピン62を中心として往復円弧運動をすることになる(この連結ピン63の運動軌跡をT1として示す)。
前記連結ピン63の往復円弧運動T1に伴い、同じ連結ピン63によって一端部がオフセットリンク47に連結されている連結リンク48の他端部(ピン61)は、図にT2として示す軌跡で往復円弧運動し、そのピン61によって連結リンク48に連結されている揺動カム45が図の実線の位置と仮想線の位置との間で揺動運動をする。すなわち、前記連結ピン63が上方に移動するときには、連結リンク48によってピン61が上方に引き上げられて、揺動カム45のカムノーズがタペット57を押し下げ、これによりバルブスプリング60(図4参照)を押し縮めながら、吸気弁19をリフトさせる。
一方、連結ピン63が下方に移動するときには、連結リンク48によってピン61が下方に押し下げられて、揺動カム45のカムノーズが上昇することになるので、前記のようにして圧縮されたバルブスプリング60の反力によってタペット57が押し上げられて、前記カムノーズの上昇に追従するように上方に移動し、そのタペット57内のリテーナ58によって吸気弁19が引き上げられて、吸気ポート17が閉じられる。
つまり、最大リフト状態では、揺動カム45がその周面の基円面θ1及びカム面θ2の略全体によってタペット57を押圧するように大きく揺動し、このように大きな揺動角に対応して吸気弁19のリフト量が大きくなるのである。
次に、前記の最大リフト状態から、コントロールアーム52をコントロールシャフト51の軸心回りに上方へ略水平になるまで回動させると、図5や図7に示すように、規制リンク53の回動軸であるピン62が前記最大リフト状態よりもカム軸41の回転方向の手前側に位置して、リフト量の小さな最小リフト状態になる。図7においても前記図6と同様に吸気弁19がリフトピーク近傍にある状態を実線で示し、ゼロリフトの状態を仮想線で示している。
同図において、カム軸41(偏心カム46)が回転すると、前記最大リフト状態と同様にオフセットリンク47の連結ピン63は規制リンク53によって変位が規制され、コントロールシャフト51の側方に位置するピン62を中心として、往復円弧運動T3をする(規制リンク53は図の実線位置と仮想線位置との間で往復回動する)。そして、その連結ピン63の往復円弧運動T3に伴って連結リンク48のピン61が往復円弧運動T4をし、そのピン61によって連結リンク48に連結されている揺動カム45が、図の実線の位置と仮想線の位置との間で揺動運動をして、吸気弁19を開閉するようになる。
つまり、最小リフト状態では、前記最大リフト状態と比べて揺動カム45の揺動角が小さくなり、この揺動カム45が、その周面の基円面θ1及びこれに連続するカム面θ2の一部分のみによってタペット57を押圧するようになって、吸気弁19のリフト量が小さくなるのである。
−リフト特性の変化−
上述のようなVVL40の作動によって最大リフト状態から最小リフト状態まで連続的に変更される吸気弁19のリフトカーブを、図8に示す。同図においてリフトカーブL1は、揺動カム45が図6の実線位置(リフトピーク近傍)と仮想線位置(ゼロリフト)との間で揺動する最大リフト状態を示し、一方、L2は、揺動カム45が図7の実線位置と仮想線位置との間で揺動する最小リフト状態を示している。
図示の如く、この実施形態のリフト可変機構VVLによれば、吸気弁19のリフト量の増大とともに作用角(開時期から閉時期までのクランク角であって、緩衝区間を含まない)も広がって、当該吸気弁19の閉時期IVCが遅角するようになっている。これは、上述したように、揺動カム45の揺動角の変化に対応して、吸気弁19のリフト量が変更されるからである。
また、図の例では、吸気弁19のリフト量が小さいときほど、リフトピークの時期(クランク角)が進角している。これは、上述したように、最大リフト状態から最小リフト状態への移行にあたって、コントロールアーム52等の回動により規制リンク53の位置をカム軸41の回転方向手前側に移動させており、これにより、連結ピン63の往復円弧運動の軌跡が図6のT1の位置から図7のT3の位置へと、カム軸41の回転方向手前側に移動するからである。
すなわち、図6に示す最大リフト状態においては、吸気弁19がリフトピーク近傍にあるときの偏心カム46の中心は、その回転軌跡T0上の点Taに位置するが、図7に示す最小リフト状態においてはリフトピーク近傍での偏心カム46の中心位置は同図に示す点Tbに移動する。つまり、最大リフト状態から最小リフト状態に移行すると、吸気弁19のリフトピークは、図7に示すように前記回転軌跡T0上の点Ta、Tbの中心角θ3だけ進角するのである。
以上、要するに、この実施形態のVVL40によると、吸気弁19のリフト特性は、そのリフト量が小さなときほど作用角が狭くなり、且つその閉時期IVCが進角する一方、リフト量の連続的な増大とともに作用角が広がって、その閉時期IVCが遅角するようになっており、吸気弁19の閉時期IVCは、相対的に小リフト寄りではBDCりも進角側になり、相対的に大リフト寄りであればBDCりも遅角側になる。
(エンジン制御の概要)
以上のように構成されたエンジン1の各センサ25,26,30〜33からの信号を受けて、ECU2は、燃料噴射弁16に噴射量及び噴射時期の制御信号を出力するとともに、点火プラグ15の点火装置29に対して点火時期の制御信号を出力し、スロットル弁24のモータ24aに対してスロットル開度の制御信号を出力する。また、ECU2は、VVL40のモータ55に対してリフト量の制御信号を出力し、さらに、VVT42の油圧制御回路の電磁弁に対しても制御信号を出力する。
一例を挙げればECU2は、アクセル開度やエンジン回転速度に基づいて、高負荷側乃至高回転側ほどリフト量が大きくなるようにVVL40を制御する。これにより吸気弁19のリフト量が最小から最大の範囲で連続的に変更され、スロットル開度に依らず気筒12A〜12Dの吸気充填量を、エンジン1への出力要求に対応するものとすることができる。
また、本願発明の特徴として以下に詳述するように、ECU2は、アイドル時に所定のエンジン停止条件が成立すれば、各気筒12A〜12Dへの燃料供給を停止して自動的にエンジンを停止させるとともに、その後、運転者の操作等により所定の再始動条件が成立すれば、自動的にエンジン1を再始動させる。その際、ECU2は、スタータモータ27によるクランキングを経てエンジンを始動する一般的な始動(スタータ始動)と、以下に述べる逆転燃焼始動とのいずれかを選択して実行する。
ここで逆転燃焼始動とは、基本的にスタータモータ27の力を借りることなく、エンジン1をそれ自体の力で始動させるものである。すなわち、図9に模式的に示すように、まず、ピストン13が圧縮行程の途中で停止している気筒12(図の例では#1気筒12Aであり、以下、停止時圧縮行程気筒ともいう)を燃焼させて、ピストン13を押し下げることによりクランク軸3を少しだけ逆転させ(同図(a))、これにより、膨張行程にある気筒12(図の例では#2気筒12Bであり、以下、停止時膨張行程気筒ともいう)のピストン13を上昇させて、この気筒12B内の混合気を圧縮する(同図(b))。そうして圧縮されて温度及び圧力の高くなった膨張行程気筒12B内の混合気に点火して、燃焼させることにより、クランク軸3には比較的大きな正転方向のトルクが与えられる。
そのようにエンジン1をそれ自体の力のみによって始動させるためには、前記停止時膨張行程気筒12Bの燃焼によってクランク軸3にできるだけ大きな正転方向のトルクを与え、これにより、同図(c)に示すように続いて圧縮上死点(以下、TDCと略称)を迎える気筒12Aが、その圧縮反力(圧縮圧力)に打ち勝ってTDCを越えるようにしなければならない。従って、エンジン1の確実な始動のためには前記停止時膨張行程気筒12B内に燃焼のための空気を十分に確保しておく必要がある。
具体的に停止時膨張行程気筒12Bのピストン停止位置は、図10に模式的に示すように、行程中央部からやや下死点(BDC)寄りの上限位置(例えばATDC95〜100°CAくらい)よりもBDC寄りにあれば、燃焼のための空気を確保できる。しかし、停止位置がBDC寄りになるほど、停止時圧縮行程気筒12Aにおいてはピストン13がTDCに近づくことになるから、今度はエンジン1の逆転作動のための燃焼に必要な空気を確保できなくなる。よって、停止時膨張行程気筒12Bにおけるピストン停止位置の下限は例えばATDC120〜125°CAくらいになり、両者の間(図に斜線を入れて示す)が、逆転燃焼始動に好適な範囲Rになる。
そこで、この実施形態では、アイドル時にエンジン1を自動で停止させるときに、アイドル回転速度よりもやや高い回転速度で燃料の供給を停止するとともに、その後の所定期間はスロットル弁24を開き、これを適切なタイミングで閉じるようにしている。こうすれば、停止時膨張行程気筒12B及び停止時圧縮行程気筒12Aへそれぞれ所要量の空気が吸入されて、膨張行程気筒12Bの空気量が圧縮行程気筒12Aよりもやや多くなる。そして、2つの気筒12A,B内の空気の圧縮圧力のバランスによって、膨張行程気筒12Bのピストン13が前記の範囲R内に停止するようになる。
(自動停止制御)
次に、エンジン1の停止制御について、図11のフローチャートに基づいて説明する。このフローはエンジン運転中の所定のタイミングでスタートし、ステップSA1では所定の自動停止条件が成立するまで待機する。例えば車速が所定速度よりも小さく、ブレーキの作動が所定時間継続していて、エンジン水温が所定範囲内にあり、さらにエンジン1を停止させることに特に不都合のない状況であれば、エンジン自動停止条件が成立したと判定する。
そうしてステップSA1で自動停止条件が成立したと判定すれば(YES)、ステップSA2に進んでエンジン回転速度調整制御を開始する。これは、例えばクランク角センサ30からの信号に基づいてエンジン回転速度Neの低下状態をモニターし、これに応じてオルタネータ28の発電量を増減変更することにより、エンジン回転速度Neの低下度合いを調整するものである。
すなわち、エンジン1を停止させるときに、その回転速度Neが徐々に低下する過程で各気筒12A〜12Dが順次、TDCを通過するときの回転速度(以下、TDC回転速度ともいう)と、エンジン停止後に膨張行程にある気筒12のピストン停止位置との間に明確な相関関係があることは分かっている。そこで、そのTDC回転速度を検出し、この検出値に応じてオルタネータ28の発電量等を制御することで、エンジン回転の落ち具合を調整して、停止時に膨張行程にある気筒12のピストン13を前記の再始動に適した範囲R内に停止させるようにする。
具体的には、まず、エンジン回転速度Neが所定の回転速度N1(例えば760rpm)になるように燃料噴射量等を制御して、ステップSA3に進み、ここではエンジン回転速度Neが前記所定回転速度N1以上になるまで待機する。この回転速度N1以上になればステップSA4に進んで、各気筒12A〜12Dへの燃料噴射を停止し(燃料カット)、ステップSA5に進む。
ステップSA5ではスロットル弁24を予め設定した開度になるように開いて、各気筒12A〜12Dへの吸気量を増大させ、十分な掃気が行われるようにする。ステップSA6では、エンジン回転速度Neが所定の回転速度N2以下になるまで待機する。この回転速度N2は、吸気の輸送遅れを考慮して、停止時膨張行程気筒12Bへの吸気量が停止時圧縮行程気筒12Aよりも多くなるようなタイミングでスロットル弁24を閉じるためのものであり、例えば約570〜600rpmの範囲に設定すればよい。
そして、エンジン回転速度Neが前記所定回転速度N2以下になるまでは待機して、前記のようにオルタネータ28等の制御によってエンジン回転速度Neの低下状態を調整する。すなわち、エンジン回転の低下が遅すぎれば、エンジン1の負荷が増えるようにオルタネータ28の発電量を増大させる一方、エンジン回転の低下度合いが急すぎれば、エンジン1の負荷が減るように発電量を減少させる。
そうしてオルタネータ28の制御によって、燃料カット後のエンジン回転速度Neの低下度合いを調整することで、短周期のアップダウンを繰り返しながら徐々に低下するエンジン回転速度Neの軌跡を徐々に修正し、遅くとも停止完了前の最後のTDCまでには適正な状態に収束させることができる。
また、エンジン回転速度Neが所定回転速度N2以下になれば(ステップSA6でYES)ステップSA7に進んでスロットル弁24を閉じるが、その後も、前記のようなオルタネータ28の制御は継続する。そして、ステップSA8では、エンジン1が最後のTDCを通過したかどうか、即ちエンジン1の停止直前かどうか判定する。この判定は、例えば、TDC回転速度が所定位置以下になったときにYESと判定することができる。
最後のTDCを通過すればエンジン1は、各々圧縮行程及び膨張行程にある2つの気筒12,12の圧縮反力によって正転側及び逆転側に数回、回動(揺動)した後に、停止する。そこで、停止直前であるYESと判定すればステップSA9に進んでエンジン回転速度調整制御を終了し、ステップSA10に進んで、クランク角センサ30,31からの信号に基づいてエンジン1の停止(完全な停止)を確認するとともに、後述のサブルーチン(図12参照)により膨張行程気筒12Bのピストン停止位置を検出し、これをメモリに記憶して、エンジン停止制御を完了する(エンド)。
すなわち、前記のようにエンジン1の停止直前には、クランク軸3が正逆両方に数回、回動するので、クランク角センサ30からの信号をカウントするのみではピストン停止位置を検出できない。そこで、この実施形態では、2つのクランク角センサ30,31から出力される互いに位相のずれたクランク角信号に基づいて、以下のようにクランク軸3の回転方向及び回転角度を検出し、これにより各気筒12A〜12DのTDC又はBDCに対するクランク角、即ちピストン停止位置を検出するようにしている。
−ピストン停止位置の検出−
具体的に図12(a)は、ピストン13の停止位置を検出するためのサブルーチンを示すフローチャートであり、スタート後のステップSB1では、第1、第2クランク角センサ30,31からの各出力信号CA1,CA2に基づいて、その第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に第2クランク角信号CA2がLow、Highのいずれであるか、或いは第1クランク角信号CA1の立ち下がり時に第2クランク角信号CA2がHigh、Lowのいずれであるか、を判定する。
すなわち、エンジン正転時には同図(b)のように、第1クランク角信号CA1に対して第2クランク角信号CA2が半パルス幅程度の位相遅れを生じることから、第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に第2クランク角信号CA2はLowに、また、第1クランク角信号CA1の立ち下がり時には第2クランク角信号CA2はHighになる。一方、逆転時には同図(c)のように、第1クランク角信号CA1に対して第2クランク角信号CA2の位相が半パルス幅程度進むことになるから、前記正転時とは逆に、第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に第2クランク角信号CA2がHighに、また、第1クランク各信号CA1の立ち下がり時には第2クランク角信号CA2がLowになる。
つまり、それらクランク角信号CA1,CA2の位相の関係が前記図(b)のようになるか、図(c)のようになるかによって、エンジン1の正転、反転を判別することができる。そして、前記ステップSB1でエンジン1が正転状態にあると判定すれば(YES)、ステップSB2に進んでエンジン1の正転方向のクランク角変化を計測するためのCAカウンタのカウント数を増やす一方、逆転状態であると判定すれば(NO)ステップSB3に進んで、CAカウンタのカウント数を減らし、しかる後にリターンする。
そうしてCAカウンタによってクランク角信号CA1,CA2の立ち上がり又は立ち下がりの回数を数えることで、クランク軸3の回転角度を求めることができる。これは、第1クランク角信号CA1及び第2クランク角信号CA2の立ち上がり及び立ち下がりが、クランク軸3の回転により所定角度毎(この実施形態では、立ち上がり又は立ち下がりのそれぞれの間隔が略10度毎)に生じるからである。
前記のサブルーチンによって、エンジン1の自動停止時に上述の如くクランク軸3が正逆、両方に回動しても、そのことに依らず正確にクランク角を検出して、ピストン停止位置を特定することができる。このサブルーチンが、エンジン1の停止時膨張行程気筒12Bにおけるピストン13の停止位置を検出する、ECU2のピストン位置検出部2a(ピストン位置検出手段)を構成する。つまり、ECU2は、前記ピストン位置検出部2aをプログラムの形態で備えている。
以上の如きエンジン1の自動停止制御によれば、アイドル時の燃料カットの際に最初の所定期間、スロットル弁24を開いて、停止後に各々膨張行程及び吸気行程になる気筒12,12にそれぞれ所要量の空気が吸入されるようにするとともに、オルタネータ28等の制御によりエンジン回転速度Neの低下の度合いを調整することで、エンジン停止後の膨張行程気筒12においてピストン13を再始動に好適な範囲R(図10参照)に停止させることができる。
また、前記の如くエンジン停止動作期間において所定期間、スロットル弁24が開かれることで、各気筒12A〜12D内の既燃ガスが殆ど全て気筒外へ掃気されて、それぞれ新気で満たされるようになる。但し、エンジン1の停止後は吸排気弁19,20の閉じている膨張行程気筒12や圧縮行程気筒12であってもすぐに空気圧がリークすることから、各気筒12A〜12Dには、それぞれピストン停止位置に対応する容積内に略大気圧の新気(空気)が存在する状態になる。
(再始動)
次に、上述のように自動停止したエンジン1の再始動について前記図9の他、図13〜17を参照して詳細に説明する。上述したように、この実施形態ではエンジン1を自動停止させるときに、スロットル弁24やオルタネータ28の制御によってピストン13を逆転燃焼始動に適した範囲Rに停止させるようにしているが、万一、その範囲Rからずれてしまえば、スタータモータ27によるクランキングを経て始動することになる(スタータ始動)。
まず、逆転燃焼始動の場合は、図9を参照して上述したように、逆転作動によって圧縮した停止時膨張行程気筒12Bの燃焼(図9(b)参照)のトルクのみによってエンジン1を正転させ、その後、2つの気筒12A、12CのTDCを乗り越えなくてはならないから、停止時膨張行程気筒12Bの燃焼によるトルクを十分に大きくするとともに、回転抵抗をできるだけ減らすために吸気弁19のリフト量を最小化して、その駆動に伴う機械的損失を極小化する。
一方、スタータ始動の場合は、スタータモータ27の作動によってクランキングを行うので、十分な始動トルクを確保できるものの、そのモータ回転速度に制限されることからエンジン回転の立ち上がりは比較的遅くなる傾向があり、例えば200〜300rpmと回転速度Neの非常に低い状態においてプレイグニッション等、自着火による異常燃焼を生じやすい。
すなわち、アイドルストップ後のエンジン再始動時には気筒12A〜12D内の空気はかなり温度の高い状態になっているから、正転開始とともに最初にTDCを迎える停止時圧縮行程気筒12Aや2番目にTDCを迎える停止時吸気行程気筒12Cでは、その温度及び圧力が高くなり、特に停止時吸気行程気筒12Cでは、前記のようにエンジン回転速度Neが非常に低いことから充填効率も過度に高くなってしまい、異常燃焼が極めて起こりやすい状態になる。
そこで、スタータ始動の際には吸気弁19のリフト量を大きくして、その閉時期をBDCよりも大きく遅角させることで、前記停止時圧縮行程気筒12Aや停止時吸気行程気筒12Cの有効圧縮比を大幅に低下させる。これにより、各気筒12A,12Cの圧縮行程における温度及び圧力の上昇を十分に抑制して、異常燃焼を防止することができる。尚、スタータ始動ではクランキングによって大きな始動トルクが得られるから、吸気弁19の大リフトによって機械的な損失が大きくなっても始動性は確保できる。
−始動方法の選択−
以下に、始動時の制御手順を、図13のフローチャートに基づいて具体的に説明する。このメインフローは、上述の如くエンジン1が自動で停止された後にスタートし、ステップSC1において所定のエンジン再始動条件が成立したか否かを判定する。再始動条件としては、停車状態から発進するためにブレーキが解除された場合やアクセル操作等が行われた場合、エアコン等の動作のためにエンジンの運転が必要になった場合等であり、このような条件が成立していなければ、成立するまで待機する一方、再始動条件が成立すれば(ステップSC1でYES)、ステップSC2へ進む。
ステップSC2では、ECU2のピストン位置検出部2a(図12に示すサブルーチン)によって検出された停止時膨張行程気筒12Bのピストン停止位置に基づいて、それが逆転燃焼始動に適した範囲Rにあるかどうか、即ちピストンが適正停止位置かどうか判定し、NOであればスタータ始動を選択して、後述のステップSC7に進む一方、YESであれば逆転燃焼始動を選択してステップSC3に進む。
このステップSC3では最小リフト状態になるようにVVL40を制御し、続くステップSC4において、詳細は後述するが、上述した逆転燃焼始動のための燃料噴射及び点火制御(逆転燃焼始動制御)を行う。その後のステップSC5ではエンジン1の始動に成功したかどうか判定し、万一、失敗した場合にはステップSC7に進んでスタータ始動を行う。一方、始動に成功すればステップSC6に進んで、アイドル等、通常のエンジン1運転制御に移行する(エンド)。
一方、前記ステップSC2でスタータ始動を選択したか、或いはステップSC5にて逆転燃焼始動に失敗したと判定して、ステップSC7に進んだときには、まず、スロットル弁24を全閉に、即ちアイドル運転時よりもさらに閉じて、殆ど空気が流れないようにするとともに、ステップSC8において最大リフト状態になるようにVVL40を制御し、続くステップSC9では、詳細は後述するスタータ始動を行う。
続くステップSC10では、吸気圧センサ26からの信号に基づいて、スロットル弁24よりも下流の吸気通路21の圧力が所定値よりも低いか(負圧が所定圧よりも大きいか)どうか判定する。この所定圧は、それよりも吸気圧が低く(負圧が大きく)なれば、各気筒12A〜12Dへの吸気の充填量があまり多くはならず、エンジン1が大きく吹け上がらなくなるような値に設定されている。
そして、吸気負圧が前記所定圧以下の間(判定がNO)、即ち気筒12C,12D,…へ空気が吸入されることによって吸気通路21の圧力が低下し、前記所定値よりも低くなるまでの間は、前記ステップSC7〜9のようなスタータ始動のための制御手順を繰り返す一方、吸気負圧が所定圧よりも大きくなれば(SC10でYES)ステップSC11へ進み、吸気弁19の閉時期がBDCよりも所定以上、進角側になるように小リフト側へVVL40を制御してから、前記ステップSC6に進んでスロットル弁24を開き、通常制御に移行する(エンド)。
前記図13に示すメインフローのステップSC2によって、エンジン1の自動停止後、所定の再始動条件が成立したときに、逆転燃焼始動とスタータ始動とのいずれかを選択してエンジン1を再始動させる、ECU2の選択始動制御部2b(選択手段)が構成されている。
また、同ステップSC3,SC8,SC11によって、逆転燃焼始動のときには吸気弁19のリフト量が相対的に小さくなって、その閉時期がBDCよりも進角側となるようにVVL40を制御する一方、スタータ始動のときにはリフト量が相対的に大きくなって、その閉時期がBDCよりも遅角側となるようにVVL40を制御する、ECU2の始動時VVL制御部2c(リフト量制御手段)が構成されている。
そして、同ステップSC11に示すように、前記始動時VVL制御部2cは、スタータ始動の後、例えばアイドル運転に移行すべく吸気弁19のリフト量を減少させるものであり、そうしてリフト量が減少するのに伴い吸気弁19の閉時期が進角して、BDC近傍の所定期間(例えばBBDC5〜ABDC5°CAくらい)を通過するまでの間、スロットル弁24を全閉に維持する始動時スロットル制御部2d(スロットル制御手段)が、同ステップSC7,SC10によって構成されている。
−逆転燃焼始動の制御手順−
次に、前記メインフローのステップSC4における逆転燃焼始動のサブルーチンについて、図14のフローチャートに基づき具体的に説明する。このサブルーチンのスタート後のステップSD1では、ピストン位置検出部2a(図12に示すサブルーチン)によって検出されたピストン停止位置に基づいて、停止時圧縮行程気筒12A及び停止時膨張行程気筒12B内の空気量をそれぞれ算出し、続くステップSD2では、その空気量に対応して、理論空燃比よりもリーンな所定の空燃比となるような燃料噴射量を算出して、該停止時圧縮行程気筒12Aに燃料を噴射する。
こうして、停止時圧縮行程気筒12Aを空燃比のリーンな状態で燃焼させることで、燃焼によるガスボリュームの増大を抑えることができるので、エンジン1の逆転作動時に気筒12A内から既燃ガスを排出することができなくても、正転開始後にその気筒12Aが圧縮されるときの圧縮反力の増大を抑制することができる。所定空燃比は、停止時圧縮行程気筒12A内の空気量が多いほどリーンに、即ちA/Fで値が大きくなるように予め設定されたマップから求められる。このことで、既燃ガスの増大抑制と逆転トルクの確保との両立が図られる。
続いてステップSD3では、前記停止時圧縮行程気筒12Aへの燃料噴射から燃料の気化時間を考慮して設定される所定時間の経過後に、当該気筒12Aの点火プラグ15に通電して混合気に点火する。そして、ステップSD4では、そうして点火した後の所定時間内にクランク角センサ30,31からの信号のエッジ(クランク角信号の立ち上がり又は立ち下がり)が検出されるか否かによって、ピストン13が動いたかどうか判定する(この判定は図12のサブルーチンを参照)。万一、ピストン13が動かなかった場合には再度、点火するようにしてもよい。
続いてステップSD5では、前記ステップSD3で算出された停止時膨張行程気筒12Bの空気量に対して所定の空燃比となるように該気筒12B内に燃料を噴射する。この場合も空燃比は、エンジン停止時のピストン停止位置等に対応付けて予め設定されたマップから求められ、通常は理論空然比或いはそれよりもリッチにされる。
そして、ステップSD6では、前記エンジン1の逆転作動を検出してから所定時間(点火ディレイ)の経過後に停止時膨張行程気筒12Bに点火して燃焼させる。この点火ディレイ時間は、エンジン1の逆転作動により停止時膨張行程気筒12Bのピストン13が上昇して、この気筒12B内の混合気が十分に圧縮され、且つその圧縮反力によってピストン13が殆ど停止するまでの時間に対応するもので、ピストン停止位置等に対応付けて予め設定されたマップから求められる。
このように停止時膨張行程気筒12B内で十分に圧縮された混合気に点火して燃焼させれば、エンジン1は十分に大きなトルクでもって正転を開始し、停止時圧縮行程気筒12Aを圧縮する。そして、ステップSD7では前記停止時圧縮行程気筒12A内に再び燃料を噴射する。この燃料が気化するときに周囲の熱を奪うことによって(気化潜熱)気筒12A内の温度が下がり圧力が低下するため、この気筒12AのTDC、即ち正転開始後最初のTDCを乗り越えて、エンジン1の各気筒12A〜12Dがそれぞれ次の行程へと進むようになる。
そして、ステップSD8では、前記のようなエンジン1の正転作動によって停止時の吸気行程気筒12(図9では#3気筒12C)が圧縮行程に移行した後に、この気筒12C内に所定のタイミング(例えば圧縮行程の中期以降)で燃料を噴射する。こうして圧縮行程の適切なタイミングで燃料を噴射すれば、前記停止時圧縮行程気筒12Aと同様に気化潜熱によって気筒12C内の温度及び圧力を低下させることができ、圧縮反力が小さくなるとともに、異常燃焼の抑制に有利になる。
ステップSD9では前記停止時吸気行程気筒12CがTDCを越えたかどうか判定し、TDCを越えて膨張行程に移行すれば(YES)、ステップSD10において該停止時吸気行程気筒12Cの点火プラグ15に通電して、当該気筒12C内の混合気に点火し、しかる後にリターンする。こうしてTDC後に点火、燃焼させれば、逆転方向のトルクが生成されないので、エンジン回転をスムーズに立ち上げる上で有利になる。
その後、上述したメインフロー(図13)に戻って、ステップSC6で通常の制御に移行すれば、前記停止時吸気行程気筒12Cに続いて燃焼する停止時排気行程気筒12Dや始動時の2度目の燃焼サイクルを迎える停止時膨張行程気筒12B、停止時圧縮行程気筒12A、…においてそれぞれ通常の燃料噴射及び点火制御が行われる。また、吸気弁19のリフト量はエンジン運転状態に対応して制御され、アイドル運転であれば最小リフトよりも少しだけ大きくなる。
前記図14のサブルーチンが、停止時圧縮行程気筒12Aに点火して燃焼させることによりエンジン1を一旦、逆転作動させ、これにより圧縮される停止時膨張行程気筒12Bに点火して燃焼させることにより正転させて、再始動させる、ECU2の逆転燃焼始動制御部2e(逆転燃焼始動手段)を構成している。
特にステップSD2は、停止時圧縮行程気筒12Aへの燃料噴射量を調整して、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーンになるように制御する、ECU2の始動時空燃比制御部2f(空燃比制御手段)を構成する。この実施形態ではピストン位置検出部2aにより検出された始動時膨張行程気筒12Bのピストン停止位置がTDC寄りにあるほど、空燃比のリーン度合いを大きくするものである。
−スタータ始動の制御手順−
次に、前記メインフローのステップSC9におけるスタータ始動のサブルーチンについて、図15のフローチャートに基づき具体的に説明する。このサブルーチンのスタート後のステップSE1では、前記逆転燃焼始動のフロー(図14)のステップSD1と同様に、ピストン停止位置に基づいて停止時の圧縮行程気筒12A、膨張行程気筒12B及び吸気行程気筒12C内の空気量をそれぞれ算出する。
続いてステップSE2では、クランキングを開始すべくスタータモータ27を作動させ、ステップSE3では、前記ステップSE1にて算出した空気量に対応して例えば理論空燃比等、所定の空燃比となるような燃料噴射量を算出して、停止時膨張行程気筒12Bに燃料を噴射する。そして、その燃料噴射から燃料の気化時間を考慮して設定される所定時間の経過後に、当該気筒12Bの点火プラグ15に通電して混合気に点火する(ステップSE4)。
続いて、ステップSE5において、前記ステップSE1にて算出した空気量に対応して例えば理論空燃比等、所定の空燃比となるような燃料噴射量を算出して、停止時圧縮行程気筒12Aに燃料を噴射する。この噴射燃料の気化潜熱により気筒12A内の温度及び圧力が低下し、圧縮反力が小さくなる。このことは、エンジン回転をスムーズに立ち上げるとともに、異常燃焼の発生を抑制する上で有利になる。
続いてステップSE6では、クランキングによるエンジン1の正転作動によって停止時圧縮行程気筒12AがTDCを通過したかどうか判定し、TDCを越えて膨張行程に移行すれば(YES)、当該気筒12Aの点火プラグ15に通電して混合気に点火する(ステップSE7)。こうしてTDC後に点火、燃焼させれば逆転方向のトルクが生成されないので、エンジン回転をスムーズに立ち上げる上で有利になる。
そうして停止時圧縮行程気筒12AがTDCを越えて、停止時吸気行程気筒12Cが圧縮行程に移行すると、この停止時吸気行程気筒12Cに対しステップSE8では所定のタイミング(例えば圧縮行程の中期以降)で燃料を噴射する。こうして圧縮行程の適切なタイミングで燃料を噴射すれば、前記停止時圧縮行程気筒12Aと同様に気化潜熱によって筒内温度及び圧力を低下させることができ、エンジン回転のスムーズな立ち上げや異常燃焼の抑制に有利になる。
続いてステップSE9では、前記停止時吸気行程気筒12CがTDCを通過したかどうか判定し、TDCを越えて膨張行程に移行すれば(YES)、ステップSE10において当該気筒12Aの点火プラグ15に通電して混合気に点火する。それからステップSE11に進んで、順に燃焼サイクルを迎える気筒12(まずは停止時排気行程気筒12Dであり、場合によっては、続いて2度目の燃焼サイクルを迎える停止時膨張行程気筒12B、停止時圧縮行程気筒12A、…である)にも前記と同様の燃料噴射及びTDC後の点火制御を行う(点火リタードのまま燃焼制御)。
その後、上述したメインフロー(図13)に戻って、ステップSC10で吸気負圧が所定圧よりも大きくなれば(YES)、ステップSC11で吸気弁19を小リフト側へ変化させてからステップSC6の通常制御に移行し、点火時期をTDC前に戻して始動制御を終了する(エンド)。尚、通常制御に移行すれば、スロットル開度や吸気弁19のリフト量はエンジン1の運転状態に応じて制御され、例えばスロットル弁24は開かれる一方、アイドル運転であれば吸気弁19リフト量は最小リフトよりも少しだけ大きくされる。
前記図15のサブルーチンは、停止時膨張行程気筒12Bに点火して燃焼させるとともに、スタータモータ27を作動させて、エンジン1を始動させる、ECU2のスタータ始動制御部2g(スタータ始動手段)を構成している。
(エンジンシステムの作動)
次に、前記逆転燃焼始動とスタータ始動とのそれぞれについて図面を参照して時系列に説明する。最初に逆転燃焼始動の場合は、前記図13のフローのステップSC2においてピストン停止位置が適正であるYESと判定されると(時刻t0)、図16(a)に符号a1として示すように、圧縮行程で停止している#1気筒12Aの燃料噴射弁16が作動されて燃料を噴射し、これにより形成される混合気に点火プラグ15により点火されて(a2)燃焼すると、図(e)のようにクランク軸3が逆転作動を始めて(時刻t1)、図(f)のようにエンジン回転速度Neが一時的に負の値になる。
ここで、停止圧縮行程気筒12Aでは、その空気量に応じて設定されたリーン空燃比の混合気が燃焼するので、逆転作動のためのトルクを十分に確保しながら、燃焼により生成されるガス(既燃ガス)の量を減らすことができる。また、図(g)に示すように吸気弁19は最小リフト状態とされているため、その駆動に伴う機械的損失、即ちエンジン1の回転抵抗が極小化される。
そして、前記エンジン1の逆転作動がクランク角センサ30,31からの信号により検出されると、図(b)のように停止時膨張行程気筒12B(#2気筒)の燃料噴射弁16が作動されて(a3)、当該気筒12B内に混合気が形成され、逆転作動によるピストン13の上昇によって圧縮される。この圧縮圧力によりエンジン1の回転方向が逆転から正転に反転するとき、即ち、図(e)(f)に示すようにエンジン1が正転を開始するのに同期して(時刻t2:正転開始)図(b)に符号a4として示すように停止時膨張行程気筒12Bに点火が行われ、これによる燃焼によって大きな正転トルクが発生する。
ここで、前記のように吸気弁19を最小リフト状態にしていると、その閉時期IVCはBDCよりも進角側になるため(図8を参照)、エンジン1が逆転作動しても停止時圧縮行程気筒12Aの吸気弁19は開かず、既燃ガスは排出されないことになるが、この気筒12A内では、前記したように空燃比リーンでの燃焼によって既燃ガス量ができるだけ少なくなるようにしている。
しかも、前記エンジン1の正転開始に伴い停止時圧縮行程気筒12Aが圧縮されるときに、図(a)に符号a5として示すように、圧縮行程の中期以降で当該気筒12A内へ再び燃料が噴射されてその気化潜熱により冷却されることから、当該気筒12Aの圧縮による温度及び圧力の上昇が抑制される。このことで、エンジン1は始動時に最初に迎えるTDC(最初のTDC)を確実に越えることができるようになり(時刻t3)、しかも、その際のエンジン回転の落ち込みが小さくなる(図(f)参照)。
前記のようにして停止時圧縮行程気筒12Aが始動時の最初のTDCを越えた後に、これに伴い圧縮行程に移行した停止時吸気行程気筒12C(#3気筒)に対し、図(c)に示すように圧縮行程中期以降に燃料の噴射が行われ(a6)、気化潜熱により気筒12C内が冷却される。よって、圧縮による温度及び圧力の上昇が抑制されて、異常燃焼の発生が抑制されるとともに、気筒12Cの圧縮反力が小さくなり、エンジン1は始動時の2番目のTDCも確実に乗り越えることができる(時刻t4)。
そして、その2番目のTDCを越えて膨張行程に移行した停止時吸気行程気筒12Cに点火されて(a7)燃焼が行われると、エンジン1に正転方向のトルクが付加されて、図(f)のようにエンジン回転速度Neが上昇する。但し、前記のように点火時期がTDC以降まで遅角されていて、燃焼が膨張行程で開始することから、始動トルクの立ち上がりは過度に大きくはならないように抑えられ、エンジン回転の上昇は緩やかなものになる。
続いて、同図(d)に示すように、停止時排気行程気筒12Dに対して燃料噴射が行われるとともに、そのときの吸気負圧に応じてTDC以降に遅角制御された点火時期に点火が行われて、燃焼する。こうして膨張行程で開始された燃焼によるトルクの立ち上がりは、同図(f)に示すように比較的穏やかなものとなり、エンジン回転はスムーズにアイドル回転速度Nidleに収束するようになる(始動に成功)。よって、エンジン1を自動で始動するときであっても、運転者が違和感を感じることはない。
尚、その後、吸気負圧が所定圧よりも大きくなれば、これに応じて点火時期がTDC前に進角されて、機械効率の高い適切な点火時期に制御されるとともに、吸気弁19のリフト量も少しだけ大きくされ、通常のアイドル運転時に対応する状態になる。
次にスタータ始動の場合は、前記図13のフローのステップSC2においてピストン停止位置が適正でないNOと判定されると(時刻t0)、スタータモータ27の作動により図17(e)のようにクランク軸3が正転を始めて(クランキング)、図(f)のようにエンジン回転速度Neが緩やかに上昇を始めるとともに、図(b)に符号a1として示すように、膨張行程で停止している#1気筒12B内に燃料が噴射され、点火プラグ15により混合気に点火されて(a2)燃焼し、エンジン回転が助勢される(時刻t1)。
その際、図(g)に示すように吸気弁19は最大リフト状態とされ、その閉時期IVCがBDCよりも大幅に遅角されているため(図8を参照)、前記エンジン1の正転開始に伴い圧縮される停止時圧縮行程気筒12Aにおいて有効圧縮比が大幅に低下するとともに、図(a)に示すように圧縮行程の中盤以降に燃料噴射弁16が作動され(a3)、燃料の気化潜熱によって気筒12A内の温度及び圧力の上昇が抑制される。このことで、プレイグニッション等、異常燃焼の発生が抑制されるとともに、気筒12Aの圧縮反力が小さくなって、始動時の最初のTDCを越えるときのエンジン回転の落ち込みは非常に小さくなる(時刻t2)。
そうしてTDCを越えて膨張行程に移行した後に停止時圧縮行程気筒Aに点火されて(a4)燃焼すると、エンジン1に正転方向のトルクが付加されて図(f)のようにエンジン回転が助勢される。また、前記のように停止時圧縮行程気筒12Aが最初のTDCを越えるのと同時に圧縮行程に移行した停止時吸気行程気筒12Cに対し、図(c)に示すように圧縮行程中期以降に燃料の噴射が行われ(a5)、気化潜熱により気筒12C内が冷却される。
また、このときも吸気弁19は最大リフト状態とされ(図(g)に示す)、その閉時期IVCが大幅に遅角されているため、停止時吸気行程気筒12Cにおいても停止時圧縮行程気筒12Aと同様に有効圧縮比が大幅に低下し、前記噴射燃料の気化潜熱による冷却効果と相俟って、圧縮行程における筒内の温度及び圧力の上昇が抑制される。このことで、プレイグニッション等、異常燃焼の発生が抑制されるとともに、気筒12Cの圧縮反力が小さくなって、TDCを乗り越えるときもエンジン回転の落ち込みは小さくなる(時刻t3)。
そうして停止時吸気行程気筒12Cが始動時の2番目のTDCを越えて膨張行程に移行した後に、点火されて(a6)燃焼すると、エンジン1に正転方向のトルクが付加されて、図(f)のようにエンジン回転速度が立ち上がる。但し、このときも点火時期がTDC以降まで遅角されていて、燃焼が膨張行程で開始することから、エンジン回転の上昇は緩やかなものになり、過度の吹け上がりが抑制されて、スムーズにアイドル回転速度Nidleに収束してゆく(始動に成功)。
その後、前記停止時吸気行程気筒12Cの膨張行程への移行に伴い圧縮行程に移行した停止時排気行程気筒12Dにも、同様に燃料噴射及び点火制御が行われ、続いて停止時膨張行程気筒12Bに対し始動時の2回目の燃料噴射及び点火制御が行われる頃に、図示は省略するが、吸気負圧が所定圧よりも大きくなって、これに応じて吸気弁19のリフト量がアイドル運転状態に対応する小リフト寄りに変更されるようになる。
こうしてリフト量が減少されるときには、吸気弁19の閉時期IVCが進角側に変化してBDCを通過することになるが、このときまで、即ち、例えばBBDC5°CAくらいになるまでの間、スロットル弁24は全閉に維持されて前記のように吸気負圧が大きくなっているので、吸気弁閉時期IVCがBDC近傍になっても気筒12の吸気充填効率が過度に高くなることはなく、過渡的な異常燃焼の発生も防止することができる。
したがって、この実施形態のエンジン・システムE(エンジンの始動装置)によると、まず、アイドル時にエンジン1が自動で停止するときには、上述した停止制御によって、各気筒12A〜12Dの既燃ガスを掃気し、且つエンジン停止後に膨張行程になる気筒12Bのピストン停止位置を行程中央部よりもややBDC寄りの再始動に好適な範囲R内にすることができる。
その後のエンジン1の再始動時には、停止時膨張行程気筒12Bのピストン停止位置が前記の範囲Rにあれば、上述したように逆転燃焼始動を選択し、スタータモータ27を用いずにエンジン1を自力で再始動させるのであるが、この際、VVL40の作動によって吸気弁19を最小リフト状態とし、その駆動に伴う機械的損失を極小化することで、良好な始動性を安定的に確保することができる。
特に、この実施形態では、エンジン1の逆転作動のために燃焼させる停止時圧縮行程気筒12Aの空燃比をリーンにして、既燃ガス量を減らすことで、それを排出できなくても正転開始後の当該気筒の圧縮反力の増大を抑制し、エンジン回転をスムーズに立ち上げることができる。
一方、停止時膨張行程気筒12Bのピストン停止位置が前記範囲Rからずれていれば、スタータモータ27によってクランキングしながら、エンジン1を再始動させる。この場合はVVL40の作動によって吸気弁19を最大リフト状態として、その閉時期IVCをBDCよりも大幅に遅角させることで、停止時圧縮行程気筒12Aや停止時吸気行程気筒12Cの有効圧縮比を大幅に低下させ、該各気筒12A,12Cの圧縮行程においてプレイグニッション等の異常燃焼の発生を抑制することができる。
また、スタータ始動の際は吸気通路21のスロットル弁24を全閉として、吸気通路21の負圧が十分に大きくなった後に、該スロットル弁24を全閉に維持したままVVL40を作動させて、アイドル運転に移行すべく吸気弁19のリフト量を小さくさせる。こうすれば、吸気弁19の閉時期IVCがBDCを通過するときにも吸気負圧は大きいままなので、過渡的に気筒12の吸気充填効率が過大なものとなって異常燃焼が発生することもない。
尚、上述の実施形態では、エンジン1の吸気側動弁系にVVL40の他に油圧作動式のVVT42を設けているが、これは電磁作動式のものであってもよいし、或いはVVTはなくてもよい。
また、VVL40の構造が実施形態のものに限定されないことは勿論、それによる吸気弁19のリフト特性も、図8に示すようにリフト量の変更に伴いリフトピークの時期が変化するものには限定されない。リフト特性は、例えば図18に示すようなものであってもよい。
本発明に係るエンジン始動装置は、独自の逆転燃焼始動と一般的なスタータ始動とを使い分けて、短時間で且つスムーズにエンジンを再始動できるものであり、自動車のアイドリングストップシステムにおいて極めて有用である。
本発明の実施形態に係るエンジン制御システムの概略構成図である。 エンジンの吸気系の構成を示す模式図である。 吸気側動弁系に設けられたリフト可変機構を示す斜視図である。 リフト可変機構の大リフト制御状態を示す断面図であり、(a)はゼロリフトの状態を示し、(b)はリフトピークの状態を示す。 最小リフト状態を示す図4相当図である。 最大リフト状態の作動の説明図である。 最小フト状態に係る図6相当図である。 リフト可変機構によるリフトカーブの変化を示す特性図である。 逆転燃焼始動の際のエンジンの作動状態を示す説明図である。 停止時の圧縮行程気筒及び膨張行程気筒の逆転作動を示す説明図である。 エンジン自動停止の制御手順の概略を示すフローチャートである。 (a)は、ピストン位置検出のサブルーチンを示し、(b)、(c)は各々、エンジンの正転、逆転に伴い2つのクランク角センサから出力される信号を示す説明図である。 始動方式の選択について示すフローチャートである。 逆転燃焼始動の際の燃焼制御の手順を示すフローチャートである。 スタータ始動についての図14相当図である。 逆転燃焼始動の各気筒毎の筒内圧とエンジン回転速度等の変化を、 吸気弁リフト量の変化とともに示すタイムチャートである。 スタータ始動のときの図16相当図である。 他の実施形態に係る図8相当図である。
符号の説明
E エンジン制御システム(エンジンの始動装置)
1 エンジン
2 ECU(エンジンコントローラ)
2a ピストン位置検出部(ピストン位置検出手段)
2b 選択始動制御部(選択手段)
2c 始動時VVL制御部(リフト量制御手段)
2d 始動時スロットル制御部(スロットル制御手段)
2e 逆転燃焼始動制御部(逆転燃焼始動手段)
2f 始動時空燃比制御部(空燃比制御手段)
2g スタータ始動制御部(スタータ始動手段)
12A〜12D 気筒
13 ピストン
19 吸気弁
23 VVT(吸気弁制御手段)
30,31 クランク角センサ(ピストン位置検出手段)

Claims (6)

  1. 停止しているエンジンの圧縮行程気筒に点火して燃焼させることにより一旦、逆転作動させ、これにより圧縮される膨張行程気筒に点火して燃焼させることにより正転させて、エンジンを始動させる逆転燃焼始動手段と、
    停止しているエンジンの前記膨張行程気筒に点火して燃焼させるとともに、スタータモータを作動させて、エンジンを始動させるスタータ始動手段と、
    エンジンの自動停止後、所定の再始動条件が成立したときに、前記逆転燃焼始動手段とスタータ始動手段とのいずれかを選択して、エンジンを再始動させる選択手段と、を備えたエンジンの始動装置において、
    エンジンの動弁系には、少なくとも吸気弁のリフト量を連続的に変更可能であり、且つそのリフト量の増大に伴い閉時期を遅角させる一方、リフト量の減少に伴い閉時期を進角させるリフト可変機構が設けられ、
    前記逆転燃焼始動手段によるエンジン再始動のときに、吸気弁のリフト量が相対的に小さくなってその閉時期が下死点よりも進角側となるように前記リフト可変機構を制御する一方、前記スタータ始動手段による再始動のときには、リフト量が相対的に大きくなってその閉時期が下死点よりも遅角側となるように前記リフト可変機構を制御する、リフト制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの始動装置。
  2. 逆転燃焼始動手段によるエンジン再始動のときに、少なくとも、停止しているエンジンの圧縮行程気筒に供給する混合気の空燃比を、理論空燃比よりもリーンになるように制御する空燃比制御手段を備える、請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  3. 停止しているエンジンの膨張行程気筒におけるピストンの停止位置を検出するピストン位置検出手段を備え、
    空燃比制御手段は、前記検出されたピストン停止位置が上死点寄りにあるほど、圧縮行程気筒の空燃比のリーン度合いを大きくするものである、請求項2に記載のエンジンの始動装置。
  4. エンジンの吸気通路には吸気の流れを絞るスロットル弁が設けられ、
    リフト制御手段は、スタータ始動手段による再始動の後、吸気弁のリフト量が減少してアイドル運転に対応する所定量になるようにリフト可変機構を制御するものであり、
    前記リフト可変機構によって吸気弁のリフト量が変更されるときに、少なくとも、当該吸気弁の閉時期が進角側に変化して下死点近傍となる所定期間、前記スロットル弁を閉じるスロットル制御手段を備える、請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  5. 停止しているエンジンの膨張行程気筒におけるピストンの停止位置を検出するピストン位置検出手段を備え、
    選択手段は、前記検出されたピストン停止位置に基づいて、逆転燃焼始動手段とスタータ始動手段とのいずれかを選択するものである、請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  6. 選択手段は、逆転燃焼始動手段によるエンジンの再始動に失敗したときは、スタータ始動手段による再始動に切換えるものである、請求項1に記載のエンジンの始動装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011047378A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Mazda Motor Corp 内燃機関システムの制御方法及び内燃機関システム
WO2014167725A1 (ja) * 2013-04-12 2014-10-16 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP2016173072A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 トヨタ自動車株式会社 多気筒内燃機関の制御装置

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