JP4144421B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関し、特に当該機関の運転状態に応じて特定気筒を休止する減筒運転を行う内燃機関に適用して好適な制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の気筒が設けられ、かつ各気筒内でのピストンの往復動に伴い、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程等の燃焼についての一連の行程を気筒毎に行わせて出力軸を回転させるようにした内燃機関が一般的である。
【0003】
こうした内燃機関を制御する技術として、燃焼が行われる気筒である稼動気筒の数を機関運転状態に応じて変更するものがある(例えば、特許文献1参照)。この技術は、低速走行時、軽負荷走行時等に特定気筒への燃料供給を停止し、残余の気筒だけで内燃機関を作動させる、いわゆる減筒運転制御とも呼ばれるものであり、稼動気筒数を減らすことで燃費の改善を図ろうとするものである。
【0004】
また、上記特許文献1では、休止気筒の排気行程でピストンが上死点近傍に位置するときに吸気バルブ及び排気バルブをともに閉弁させることで、当該気筒内に最小の気体を封入するようにしている。この封入により、ピストンの往復動に伴い休止気筒内で1気圧以下の膨張・収縮が繰り返され、行程のロスや冷却損失が減少する。また、休止気筒では空気の吸入・排出が行われないため、空気の粘性、慣性等によるロスがなくなる。
【0005】
【特許文献1】
実開平5−42652号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述した特許文献1では、休止気筒におけるフリクションロスを低減して燃費の向上を図ることができるものの、減筒によって稼動気筒間の爆発間隔が不揃いとなり、内燃機関の出力トルクの変動が増大する。その結果、内燃機関の振動や騒音が増大する等の不都合が生じるおそれがある。こういった不具合(トルク変動及びそれに起因する振動・騒音の増大)は、特許文献1に限らず、従来の減筒運転制御を行うようにした内燃機関に共通して起こり得る。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関の運転状態に応じて稼動気筒数を変更するようにした内燃機関において、稼動気筒数の変更に伴うトルク変動を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、複数の気筒が設けられ、かつ各気筒内でのピストンの往復動に伴い燃焼についての一連の行程が気筒毎に行われて出力軸が回転される内燃機関に用いられるものであって、前記内燃機関の運転状態に応じて稼動気筒数を変更する可変気筒制御手段と、前記稼動気筒における前記一連の行程の前記出力軸の回転に対する位相を変更する位相可変機構と、前記可変気筒制御手段による稼動気筒数の変更に応じて前記位相可変機構による位相を可変制御する位相制御手段とを備え、前記位相可変機構は、前記出力軸に対して相対回転可能に支持されるとともに前記ピストンに連結されて同ピストンの往復動に伴い前記出力軸を支点として揺動するリンクと、同リンクに設けられたスライド溝に係入して同リンクの揺動に対応して所定の回転中心の周りを公転するピンと、前記リンクの揺動を前記出力軸に伝達・遮断するクラッチとが各気筒に対応して設けられてなるものであるとする。
【0009】
上記の構成によれば、可変気筒制御手段により、内燃機関の運転状態に応じて稼動気筒数が変更される。この変更により、例えば特定の気筒が休止されて稼動気筒数が減らされると、内燃機関の実質的な排気量が一時的に低減されて燃費が向上する。一方、位相可変機構が位相制御手段によって制御されると、燃焼についての一連の行程の出力軸の回転に対する位相が変更され、これに伴い稼動気筒間の爆発間隔が変化する。従って、前記稼動気筒数の変更に応じて、適切な爆発間隔となるように位相を変更することにより、トルク変動を小さくし、もって振動や騒音を小さくすることが可能となる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記ピストンの上死点から下死点への移動が前記リンクに伝達されて同リンクが揺動することにより前記ピンが公転し、同ピンの慣性による公転が前記リンクに伝達されて同リンクが揺動することにより前記ピストンが下死点から上死点へ移動するものであるものであるとする。
ピストンが上死点から下死点へ移動する際には、この移動がリンクに伝達され、同リンクが出力軸を支点として揺動する。そして、この揺動に伴いピンが回転中心の周りを公転する。一方、ピンはピストンが下死点に達した後も慣性により公転し続けようとし、このピンの公転がリンクに伝達され、同リンクが出力軸を支点として揺動する。そして、この揺動がピストンに伝達され、同ピストンが下死点から上死点へと移動する。このようにして、燃焼圧力により上死点から下死点へ移動したピストンがピンの公転により下死点から上死点へ移動する。これに伴いピストンが連続して往復運動を行い、リンクが連続して揺動する。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記クラッチは、前記ピストンが上死点から下死点に移動する際には前記リンクの揺動を前記出力軸に伝達し、前記ピストンが下死点から上死点に移動する際には前記リンクの揺動の前記出力軸への伝達を遮断するものであるとする。
上記の構成では、クラッチはピストンが上死点から下死点へ移動してリンクが揺動する任意の期間にリンクの揺動を出力軸に伝達する。一方、ピストンが下死点から上死点へ移動してリンクが揺動する際には、クラッチは出力軸へのリンクの揺動の伝達を遮断する。これにより、ピストンが上死点から下死点へ移動するときと逆方向の回転が出力軸に伝達されないようにすることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記各気筒の膨張行程において前記クラッチにより前記リンクの揺動が前記出力軸に伝達される期間を可変とするものであるとする。
例えば、機関の膨張行程において混合気の燃焼に伴い発生する燃焼圧力によりピストンが上死点から下死点に移動する期間において、クラッチがリンクの揺動を出力軸に伝達させるタイミングを通常時よりも遅らせる。こうすると、燃焼圧力がピストンを押下げるためにのみ消費される、すなわち出力軸を回転させるために消費されないことから、その分ピストンが速い速度で上死点から下死点へ移動することとなり、クランク角位相が進角される。この変更を通じて、燃焼についての一連の行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の出力軸の回転に対する位相を変更することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記位相制御手段は、前記可変気筒制御手段による稼動気筒数の変更に応じ、前記位相間隔を稼動気筒間で略均等となるように前記位相を変更するものであるとする。
【0017】
上記の構成によれば、可変気筒制御手段によって稼動気筒数が変更されると、その変更に伴い稼動気筒間の爆発間隔が稼動気筒数の変更前と異なってくる。これに対し、請求項5に記載の発明では、稼動気筒数の変更に応じ、位相間隔が稼動気筒間で略均等となるように位相が変更される。この位相変更により、稼動気筒数の変更後には爆発が略均等間隔で行われることとなり、トルク変動を抑えて振動や騒音を効果的に小さくすることが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、複数の気筒が設けられ、かつ各気筒内でのピストンの往復動に伴い燃焼についての一連の行程が気筒毎に行われて出力軸が回転される内燃機関に用いられるものであって、前記内燃機関の運転状態に応じて稼動気筒数を変更する可変気筒制御手段と、前記稼動気筒における前記一連の行程の前記出力軸の回転に対する位相を変更する位相可変機構と、前記可変気筒制御手段による稼動気筒数の変更に応じて前記位相可変機構による位相を可変制御する位相制御手段とを備え、前記可変気筒制御手段は、前記内燃機関の始動時に全ての気筒を稼動気筒とし、かつ少なくとも2つの稼動気筒を略同時に燃焼を行う燃焼対象気筒とするものであり、前記位相制御手段は、前記内燃機関の停止に際し、全ての前記燃焼対象気筒の行程が機関始動時に前記出力軸を回転可能にする行程となるように前記位相を変更するものであるとする。
【0019】
上記の構成によれば、可変気筒制御手段により、内燃機関の運転状態に応じて稼動気筒数が変更される。この変更により、例えば特定の気筒が休止されて稼動気筒数が減らされると、内燃機関の実質的な排気量が一時的に低減されて燃費が向上する。一方、位相可変機構が位相制御手段によって制御されると、燃焼についての一連の行程の出力軸の回転に対する位相が変更され、これに伴い稼動気筒間の爆発間隔が変化する。従って、前記稼動気筒数の変更に応じて、適切な爆発間隔となるように位相を変更することにより、トルク変動を小さくし、もって振動や騒音を小さくすることが可能となる。
また、上記の構成によれば、内燃機関の停止に際し、位相制御手段によって位相が変更されると、全て(少なくとも2つ)の燃焼対象気筒の行程が次回の機関始動時に出力軸を回転可能とする行程にされる。そして、可変気筒制御手段により内燃機関の始動に際し、前述した行程で停止している全燃焼対象気筒について略同時に混合気に着火されると、それらの燃焼対象気筒で略同時に爆発・燃焼が行われてピストンが押下げられ、出力軸が回転駆動される。慣性力のない出力軸を回転させるには大きなトルクが要求されるが、出力軸を回転可能とする行程で停止している複数の燃焼対象気筒で略同時に燃焼が行われることから、大きなトルクで出力軸が回転駆動される。従って、機関始動用のスタータを用いなくても、機関始動のための出力軸の回転が可能となる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記出力軸を回転可能にする行程は膨張行程の前半であるとする。
上記の構成によれば、機関バルブが閉弁された状態で燃焼室の容積が小さくなっていて、ピストンが下降過程にある膨張行程前半では、その燃焼室内の空気が圧縮されている。そのため、内燃機関の始動に際し、全燃焼対象気筒において燃料が噴射されて着火されると、確実に爆発・燃焼が行われ、対応するピストンが押下げられ、出力軸が回転駆動される。
【0021】
請求項8に記載の発明では、請求項6又は7に記載の発明において、前記位相制御手段は、前記機関停止の際に変更した前記位相を、前記機関始動に際し前記出力軸の回転速度が所定値を越えるまで保持し、前記可変気筒制御手段は、前記機関始動時に前記燃焼対象気筒で略同時に行う燃焼を、前記出力軸の回転速度が前記所定値を越えるまで継続するものであるとする。
【0022】
上記の構成によれば、内燃機関の始動に際し、全燃焼対象気筒についての略同時燃焼が継続されることで出力軸の回転速度が上昇してゆく。この形態の燃焼は出力軸の回転速度が所定値を越えるまで継続される。そして、出力軸の回転速度が所定値以上になると、前記の形態の燃焼が停止されて1気筒ずつ燃焼が行われても慣性により出力軸が回転するようになることから、機関運転状態に応じた可変気筒制御、及び稼動気筒数に応じた位相制御が可能となる。
【0023】
請求項9に記載の発明では、請求項6又は7に記載の発明において、前記位相制御手段は、前記機関停止の際に変更した前記位相を、前記機関始動に際し燃焼回数又は時間当たりの燃焼回数が所定値を越えるまで保持し、前記可変気筒制御手段は、前記機関停止の際に変更した前記位相を、前記燃焼回数又は時間当たりの燃焼回数が前記所定値を越えるまで継続するものであるとする。
【0024】
上記の構成によれば、内燃機関の始動に際し、全燃焼対象気筒についての略同時燃焼が継続されることで出力軸の回転速度が上昇してゆく。そして、この形態の燃焼は、燃焼回数又は時間当たりの燃焼回数が所定値を越えるまで継続される。そして、上記条件が満たされると、前記の形態の燃焼が停止されて1気筒ずつ燃焼が行われても慣性により出力が回転するようになることから、機関運転状態に応じた可変気筒制御、及び稼動気筒数に応じた位相制御が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、車両には、複数の気筒(第1気筒♯1、第2気筒♯2、第3気筒♯3及び第4気筒♯4の4気筒)を有するガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が内燃機関として搭載されている。各気筒♯1〜♯4内には、ピストン12がそれぞれ往復動可能に収容されている。各気筒♯1〜♯4においてピストン12の頭部側(図1の上側)には、燃料及び空気の混合気を燃焼するための燃焼室13が設けられている。ピストン12は、燃焼室13での燃焼に伴い発生する圧力(燃焼圧力)を受けて下降する。各気筒♯1〜♯4の下方近傍には共通の出力軸14が配置されている。この出力軸14は、一般的なクランク構造におけるクランクシャフトに相当するものであり、軸受15により、シリンダブロック、クランクケース等のエンジン本体に回転自在に支持されている(図2参照)。
【0026】
また、エンジン11には、各ピストン12の運動を出力軸14の回転運動に変換するために、以下の運動方向変換機構Aが気筒♯1〜♯4毎に設けられている。図2及び図3に示すように、出力軸14上にはリンク17の一端部(図2の下端部、図3の右端部)が相対回転可能に支持されている。このリンク17は、出力軸14を支点として上下方向へ揺動可能である。リンク17及びピストン12は連結部材18によって連結されている。連結部材18は、一般的なクランク構造におけるコネクティングロッドに相当するものであり、上端部においてピン19によりピストン12に連結され、下端部においてピン21によりリンク17の先端部(図2の上端部、図3の左端部)に連結されている。
【0027】
一方、エンジン本体には、気筒♯1〜♯4毎のクランク部材23〜26が軸受22により回転自在に支持されている。各クランク部材23〜26は、その回転中心Cから偏心した箇所にクランクピン23a〜26aを備えている。各クランクピン23a〜26aは、対応するクランク部材23〜26の回転に伴い回転中心Cの周りを公転する。各クランクピン23a〜26aは、対応するリンク17に設けられたスライド溝27内に移動可能に係入されている。スライド溝27は、クランク部材23〜26の回転に伴う出力軸14及びクランクピン23a〜26aの間隔の変化を吸収するためのものである。
【0028】
リンク17の揺動を出力軸14に伝達したり、その伝達を遮断したりするために、出力軸14と各リンク17との間には電磁クラッチ28がそれぞれ設けられている。各電磁クラッチ28は、通電されると対応するリンク17及び出力軸14を一体回転可能に連結し、両者17,14間での動力伝達を可能とする。また、各電磁クラッチ28は通電が停止されると前記連結を解除して、各リンク17及び出力軸14間での動力伝達を遮断する。
【0029】
各電磁クラッチ28は、ピストン12が下降してリンク17が下方へ揺動する期間のうち任意の期間に通電される。例えば、混合気の燃焼に伴い発生する燃焼圧力によりピストン12が下降する期間において、リンク17の揺動が出力軸14の回転よりも速くなろうとする場合に電磁クラッチ28に通電される。一方、各電磁クラッチ28は、ピストン12が上昇してリンク17が上方へ揺動する際には通電されない。これは、ピストン下降時とは逆方向の回転が出力軸14に伝達されないようにするためである。
【0030】
図1に示すように各気筒♯1〜♯4には、エンジン11の外部の空気を燃焼室13に導くための吸気通路31が接続されている。また、各気筒♯1〜♯4には、燃焼室13で生じた排気をエンジン11の外部へ導くための排気通路32が接続されている。エンジン11には、機関バルブとして、吸気通路31及び燃焼室13間を開閉する吸気バルブ33と、排気通路32及び燃焼室13間を開閉する排気バルブ34とがそれぞれ往復動可能に設けられている。これらの吸・排気バルブ33,34を駆動する動弁機構として、本実施形態では電磁駆動弁が採用されている。この電磁駆動弁では、ソレノイド33a,34aが通電されることにより吸・排気バルブ33,34が往復動して開閉動作する。吸・排気バルブ33,34の各開閉タイミングは、ソレノイド33a,34aに対する通電のタイミングを制御することで変更可能である。
【0031】
吸気通路31の途中にはスロットルバルブ35が回動可能に設けられている。スロットルバルブ35にはモータ等のアクチュエータ36が駆動連結されている。吸気通路31を流れる空気の量は、スロットルバルブ35の回動角度(スロットル開度)に応じて変化する。なお、スロットル開度は、運転者によって操作されるアクセルペダル37の踏込み量等に応じてECU55(これについては後述する)がアクチュエータ36を制御することにより調整される。また、同空気の量は電磁駆動弁のリフトを制御することによっても調整される。
【0032】
エンジン11には、電磁式の燃料噴射弁38が各気筒♯1〜♯4に対応して取付けられている。各燃料噴射弁38は開閉制御されることにより、対応する気筒♯1〜♯4内へ燃料を噴射する。噴射された燃料は、吸気通路31を通って各燃焼室13内に取り込まれた吸入空気と混ざり合って混合気となる。
【0033】
エンジン11には、点火プラグ39が各気筒♯1〜♯4に対応して取付けられている。各点火プラグ39には、点火コイル42を介してイグナイタ41が接続されている。イグナイタ41は点火信号に基づき点火コイル42の1次電流を断続する。この断続により点火コイル42の2次コイルに高電圧が発生し、点火プラグ39に点火する。そして、前記混合気は点火プラグ39の点火に伴う火花放電によって着火され、燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン12が押下げられる。
【0034】
各運動方向変換機構Aでは、ピストン12の下降が連結部材18を介してリンク17に伝達され、同リンク17が出力軸14を支点として下方へ揺動する。この揺動に伴いクランク部材23〜26が所定方向(例えば時計回り方向)へ回転し、クランクピン23a〜26aが回転中心Cの周りを公転する。ピストン12が下死点付近に達すると、クランク部材23〜26ではクランクピン23a〜26aが回転中心Cの下方に位置する。クランク部材23〜26はピストン12が下死点に達した後も、慣性により回転し続けようとする。この回転がクランクピン23a〜26aを介してリンク17に伝達され、同リンク17が出力軸14を支点として上方へ揺動する。このようにリンク17は、クランク部材23〜26から力を受けることで、出力軸14を支点として上方へ揺動する。この揺動が連結部材18を介してピストン12に伝達され、同ピストン12が上昇する。このようにして、燃焼圧力により下降したピストン12がクランクピン23a〜26aの公転により上昇する。これに伴いピストン12が連続して往復運動を行い、リンク17が連続して上下に揺動する。
【0035】
リンク17の揺動が出力軸14に伝達される過程で、その揺動が電磁クラッチ28によって一方向に拘束される。すなわち、前述したようにリンク17が下方へ揺動される期間のうち任意の期間に電磁クラッチ28に通電されると、出力軸14がリンク17と一体となって回転する。従って、出力軸14はピストン12が1往復する間に一方向(時計回り方向)へ所定角度(360度未満)ずつ回転する。このようにして、燃焼に伴う燃焼圧力が出力軸14の回転力(出力トルク)として取出される。
【0036】
上記エンジン11は、出力軸14が2回転して、各ピストン12が2往復する間に、気筒♯1〜♯4毎に吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程という燃焼についての一連の4つの行程(サイクル)を行うようにした、いわゆる4サイクルエンジンである。吸気行程及び膨張行程はピストン12の下降時に行われ、圧縮行程及び排気行程はピストン12の上昇時に行われる。
【0037】
吸気行程では、排気バルブ34が閉弁されるとともに吸気バルブ33が開弁され、かつ燃料噴射弁38から燃焼室13内へ燃料が噴射される。この噴射燃料は、ピストン12の下降に伴う燃焼室13内の圧力(筒内圧)の低下によって燃焼室13内に吸入された空気と混ざり合う。圧縮行程では、排気バルブ34に加えて吸気バルブ33が閉弁される。このため、ピストン12の上昇に伴って燃焼室13内の圧力が上昇し、混合気が昇圧、昇温される。
【0038】
膨張行程では、吸・排気バルブ33,34がともに閉弁された状態で点火プラグ39による点火が行われ、上記混合気が着火、爆発される。この爆発に伴う下向きの力によりピストン12が押下げられ、連結部材18及びリンク17を介して出力軸14に回転力が付与される。排気行程では排気バルブ34が開弁される。このため、燃焼室13内で発生した排気がピストン12の上昇に伴い排気通路32へ排出される。
【0039】
ここで、上記のように燃焼についての一連の行程が行われる気筒を稼動気筒というものとする。これに対し、本実施形態のエンジン11では、その運転状態によっては特定気筒が休止される場合がある。ここでの休止とは、燃料噴射弁38の開弁による燃料噴射、点火プラグ39による点火、及び吸・排気バルブ33,34の開弁のうち少なくとも燃料噴射が停止されて、混合気の爆発・燃焼が一時的に停止されることである。
【0040】
上述した燃焼についての一連の行程は、稼動気筒数に応じ、気筒♯1〜♯4毎に異なるタイミング(出力軸14の回転角)で行われる。図4(a)は、通常の運転時において気筒♯1〜♯4の全て(4気筒)が稼動される場合の出力軸14の回転角と行程との関係を示している。この図からわかるように、同一の行程が第1気筒♯1→第3気筒♯3→第4気筒♯4→第2気筒♯2の順に、所定の回転角(180°)ずつずらした状態で行われる。なお、この順は一例にすぎず適宜に変更可能である。また、図4(b)は、エンジン始動時において気筒♯1〜♯4の全て(4気筒)が稼動される場合の出力軸14の回転角と行程との関係を示している。この図からわかるように、例えば第3気筒♯3の各行程が第1気筒♯1と同期して行われる。同期の対象となる2つの気筒は、本来ならばエンジン始動時に最初及び2番目に燃焼が行われる予定の気筒である。それ以外の気筒(♯4,♯2)については前述した通常運転時(図4(a))と同様である。
【0041】
また、図5は、所定の1つの気筒(ここでは♯2)が休止されて、残りの3つの気筒(♯1,♯3,♯4)が稼動される場合の出力軸14の回転角と行程との関係を示している。この図からわかるように、同一の行程が第1気筒♯1→第3気筒♯3→第4気筒♯4の順に、所定の回転角(240°)ずつずらした状態で行われる。
【0042】
さらに、図6は所定の2つの気筒(ここでは♯2,♯3)が休止されて、残りの2つの気筒(♯1,♯4)が稼動される場合の出力軸14の回転角と行程との関係を示している。この図からわかるように、同一の行程が第1気筒♯1→第4気筒♯4の順に、所定の回転角(360°)ずらした状態で行われる。
【0043】
また、本実施形態のエンジン11では、各電磁クラッチ28の通電タイミングを可変とすることで、出力軸14の回転に対するクランクピン23a〜26aの位相であるクランク角位相を変更することが可能である。例えば、混合気の燃焼に伴い発生する燃焼圧力によりピストン12が下降する期間において、電磁クラッチ28に対する通電のタイミングを通常時よりも遅らせる。こうすると、燃焼圧力がピストン12を押下げるためにのみ消費される、すなわち出力軸14を回転させるために消費されないことから、その分ピストン12が速い速度で下降することとなり、クランク角位相が進角される。この変更を通じて、前述した燃焼についての一連の行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の出力軸14の回転に対する位相が変更される。また、所定の稼動気筒での位相と、他の稼動気筒での位相との差を位相間隔とすると、この位相間隔が前記位相変更の前後で異なったものとされる。
【0044】
このように本実施形態では、電磁クラッチ28が設けられた運動方向変換機構Aを、稼動気筒における燃焼についての一連の行程の出力軸14の回転に対する位相(クランク角位相)を変更するための位相可変機構として用いている。
【0045】
前記通電タイミングの変更により、例えば、気筒♯2,♯3に対応するクランクピン24a,25aのクランク角位相を基準とした場合、気筒♯1,♯4に対応するクランクピン23a,26aのクランク角位相が稼動気筒数に応じて次のように変更される。
【0046】
稼動気筒数が「2」である場合には、図7(a)及び図7(b)に示すように、気筒♯1,♯4に対応するクランクピン23a,26aのクランク角位相が、気筒♯2,♯3に対応するクランクピン24a,25aのクランク角位相に対し回転方向(例えば時計回り方向)へ180°ずらされる。また、稼動気筒数が「4」である場合、基本的には、前記稼動気筒数が「2」の場合と同様である。ただし、エンジン11の停止時には、次回の始動時に備え、爆発順序の連続する2つの気筒の組合わせのうち、停止直前に膨張行程近傍の行程となる組合わせについて、その組合わせに対応するクランクピン23a〜26aのクランク角位相が同一にされる。例えば、これらの気筒が気筒♯1,♯3である場合、図8(a)及び図8(b)に示すように、気筒♯3に対応するクランクピン25aのクランク角位相が、気筒♯1に対応するクランクピン23aのクランク角位相と同一にされる。この場合、気筒♯3に対応するクランクピン25aのクランク角位相が、気筒♯1,♯4に対応するクランクピン23a,26aのクランク角位相と同様に、気筒♯2に対応するクランクピン24aのクランク角位相に対し回転方向(時計回り方向)へ180°ずらされる。
【0047】
また、稼動気筒数が「3」である場合、図9(a)及び図9(b)に示すように、気筒♯1に対応するクランクピン23aのクランク角位相が、気筒♯2,♯3に対応するクランクピン24a,25aのクランク角位相に対し回転方向へ120°ずらされる。また、気筒♯4に対応するクランクピン26aのクランク角位相が、気筒♯2,♯3に対応するクランクピン24a,25aのクランク角位相に対し回転方向へ240°ずらされる。その結果、各クランクピン23a〜26aの回転中心Cに対しなす角度は、稼動気筒数が「2」又は「4」である場合の180°から120°に減少する。
【0048】
ところで、車両には、各種電気機器の電源としてバッテリ(図示略)が搭載されている。各種電気機器には、後述するECU55も含まれる。バッテリから各種電気機器への電力の供給・停止は、運転者による図1に示すイグニションスイッチ(SW)44の操作に応じて行われる。イグニションスイッチ44は、周知のようにオフ位置とオン位置、同オン位置とスタート位置との間を移動自在とされている。そして、基本的にはイグニションスイッチ44がオン位置に操作されている間は、各種電気機器に電力が供給される。なお、本実施形態の車両では、始動装置として一般的なエンジンに用いられているスタータは設けられていない。
【0049】
車両には、エンジン11の運転状態を検出するために、前述したイグニションスイッチ44以外にも各種センサが設けられている。例えば、図1及び図2に示すように、出力軸14の近傍には、その出力軸14が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生する回転角センサ45が設けられている。回転角センサ45の信号は、出力軸14の回転角や、単位時間当たりの出力軸14の回転速度であるエンジン回転速度NEの算出等に用いられる。また、各クランク部材23〜26の近傍には、それらが一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生するクランク角センサ46〜49がそれぞれ設けられている。
【0050】
また、図1に示すように、吸気通路31内のスロットルバルブ35よりも下流には、吸入空気の圧力(吸気圧)を検出するための吸気圧センサ50が設けられている。アクセルペダル37の近傍には、運転者による同アクセルペダル37の踏込み量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ51が設けられている。スロットルバルブ35の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ52が設けられている。
【0051】
前述したイグニションスイッチ44、各種センサ45〜52等の検出値に基づき、エンジン11を含めた車両の各部を制御するために、マイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置(Electronic Control Unit :ECU)55が設けられている。ECU55では、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラムや初期データに従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
【0052】
次に、前記のように構成された本実施形態の作用について説明する。
図11及び図12のフローチャートは、ECU55によって実行される各処理のうち、エンジン11の作動を制御するためのルーチンを示しており、所定のタイミング、例えば一定時間毎に実行される。このエンジン制御ルーチンは、ステップ100〜110で行われるエンジン始動時の制御(始動制御)と、ステップ115〜140で行われる通常運転時の制御(通常制御)と、ステップ145〜160で行われるエンジン停止時の制御(停止制御)とに大別される。
【0053】
始動制御では、エンジン始動時に全ての気筒♯1〜♯4が稼動気筒とされる。しかも、爆発順序の連続する2つの稼動気筒が略同時に燃焼を行う燃焼対象気筒とされる。そして、前回のエンジン停止時に変更されたクランク角位相に応じたタイミングで燃焼が行われる。通常制御では、エンジン11の運転状態に応じて稼動気筒数が変更される。また、稼動気筒における燃焼についての一連の行程の出力軸14の回転に対する位相が、稼動気筒数の変更に応じて変更される。停止制御では、エンジン11の停止に際し、全て(この場合2つ)の前記燃焼対象気筒の行程が、次回のエンジン始動時に出力軸14を回転可能にする行程となるようにクランク角位相が変更される。次に、各制御の内容について説明する。
【0054】
始動制御では、ECU55はまず図11のステップ100において、エンジン始動条件が成立しているかどうかを判定する。ここで、エンジン始動条件としては、例えば「イグニションスイッチ44がオン位置へ操作されていること」が挙げられる。この判定条件が満たされているとステップ105へ移行し、前回のエンジン停止時のクランク角位相に応じたタイミングで燃料噴射及び点火を行う。このエンジン停止時のクランク角位相では、今回のエンジン11の始動に際し、最初と2番目に爆発・燃焼が行われる気筒については、ともに膨張行程前半で停止されている。そして、これらの気筒について燃料噴射が略同時に行われ、点火が略同時に行われる。膨張行程前半では、吸・排気バルブ33,34がともに閉弁された状態で燃焼室13の容積が小さくなっていて、ピストン12が下降を開始した直後であることから燃焼室13内の空気が圧縮されている。そのため、両気筒において燃料が噴射されて着火されると爆発・燃焼が行われ、対応するピストン12が下降し、出力軸14が回転駆動される。
【0055】
この際、2気筒についての燃料噴射及び点火により爆発・燃焼が略同時に行われて各ピストン12が押下げられることから、出力軸14には、1つの気筒で爆発・燃焼が行われる場合よりも大きな力が伝達されて、その出力軸14が回転する。慣性力のない出力軸14を回転させるには大きなトルクが要求されるが、2つの気筒で略同時に燃焼が行われることから、大きなトルクで出力軸14が回転される。そして、上記2つの気筒について、こういった形態の燃焼が行われ続けることで、出力軸14の回転速度(エンジン回転速度NE)が上昇してゆく。
【0056】
次にステップ110において、回転角センサ45の信号から求めたエンジン回転速度NEが所定値αよりも大きいかどうかを判定する。ここで、所定値αとしては、エンジン11が運転を継続するために要求されるエンジン回転速度の最小値と同程度か、それよりも若干大きな値が設定されている。ステップ110の判定条件が満たされていないと前述したステップ105へ戻る。このように、2気筒での略同時燃焼はエンジン回転速度NEが所定値αを越えるまで継続される。これに対し、ステップ110の判定条件が満たされていると、前記形態の燃焼が停止されて1気筒ずつ燃焼が行われても慣性により出力軸14が回転するであろうと考えられることから、始動制御を終えて通常制御へ移行する。なお、前述したステップ100の判定条件が満たされていないと、ステップ105,110の処理を行うことなく通常制御へ移行する。
【0057】
通常制御においては、ECU55はまずステップ115において、そのときの運転状態に基づき目標稼動気筒数を算出する。この算出に際し、例えば、図10に示すマップを参照する。このマップでは、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷によって表されるエンジン11の運転領域が、全気筒(4気筒)で運転される領域、3気筒で運転される領域、及び2気筒で運転される領域に区分されている。そして、そのときのエンジン回転速度NE及びエンジン負荷の属している運転領域を前記マップから割出す。なお、エンジン負荷は、例えばエンジン11の吸入空気量に関係するパラメータ(例えばスロットル開度、アクセル開度、吸気圧等)に基づいて算出される。
【0058】
次に、ステップ120において、目標稼動気筒数が変更されたかどうかを判定する。すなわち、前記ステップ115で求めた今回の目標稼動気筒数が、前回の制御周期で求めた目標稼動気筒数と異なっているかどうかを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップ125においてクランク角位相を変更する処理を行う。この変更処理に際しては、例えば、前記ステップ115の目標稼動気筒数に応じた目標クランク角を算出する。例えば、気筒♯2,♯3に対応するクランクピン24a,25aの目標クランク角位相を基準とする。図7(a)及び図7(b)に示すように、目標稼動気筒数が「4」又は「2」の場合には、気筒♯1,♯4に対応するクランクピン23a,26aの目標クランク角位相として、気筒♯2,♯3に対応するクランクピン24a,25aの目標クランク角位相に対し180°遅角又は進角した値が算出される。
【0059】
また、目標稼動気筒数が「3」の場合には、図9(a)及び図9(b)に示すように、気筒♯1に対応するクランクピン23aの目標クランク角位相として、気筒♯2,♯3に対応するクランクピン24a,25aの目標クランク角位相に対し120°進角した値が算出される。因みに、このクランクピン23aの目標クランク角位相は、前述した目標稼動気筒数が「4」又は「2」の場合の目標クランク角位相に対し60°遅角した値である。また、気筒♯4に対応するクランクピン26aの目標クランク角位相として、気筒♯2,♯3に対応するクランクピン24a,25aの目標クランク角位相に対し240°進角した値が算出される。因みに、このクランクピン26aの目標クランク角位相は、前述した目標稼動気筒数が「4」又は「2」の場合の目標クランク角位相に対し60°進角した値である。そして、回転角センサ45及びクランク角センサ46〜49の各信号に基づき求められる実際のクランク角位相が前記目標クランク角位相に合致するように、気筒♯1〜♯4毎の電磁クラッチ28に対する通電のタイミングを制御する。
【0060】
次に、ステップ130において、前記ステップ125による変更後のクランク角位相に応じたタイミングで燃料噴射及び点火を行う。このステップ130の処理には、特定気筒について、燃料噴射弁38からの燃料噴射、点火プラグ39の点火、吸・排気バルブ33,34の駆動(開弁)をそれぞれ停止すること、すなわち休止させることも含まれる。休止の対象となる気筒は、前述したように目標稼動気筒数が「2」の場合には第2及び第3気筒♯2,♯3であり(図6参照)、目標稼動気筒数が「3」の場合には第2気筒♯2である(図5参照)。
【0061】
さらに、目標稼動気筒数が「4」又は「2」から「3」に変更された場合には、その変更に合わせて、稼動気筒♯1,♯3,♯4間において燃料噴射及び点火が行われる間隔が図4(a)で示す180°又は図6で示す360°から、図5で示す240°に変更される。
【0062】
また、目標稼動気筒数が「3」から「4」又は「2」に変更された場合には、その変更に合わせて、稼動気筒♯1〜♯4間又は稼動気筒♯3,♯4間において燃料噴射及び点火の行われる間隔が図5で示す240°から図4(a)で示す180°又は図6で示す360°に変更される。
【0063】
なお、ステップ130では、併せて、吸・排気バルブ33,34の開弁期間の時期も同様に変更される。
一方、前記ステップ120の判定条件が満たされていない(目標稼動気筒数が変更されていない)と、ステップ135において、前回のクランク角位相を保持する。また、ステップ140において、前回と同じタイミングで燃料噴射、点火及び吸・排気バルブ33,34の駆動を行う。
【0064】
そして、前述したステップ130又は140の処理を経た後に図12の停止制御に移行する。このように、通常制御では、エンジン11の運転状態に応じて稼動気筒数が変更される。この変更により、特定の気筒(♯2,♯3)が休止されて稼動気筒数が減らされると、エンジン11の実質的な排気量が一時的に低減される。一方、稼動気筒数が変更されると、その変更に応じ、燃焼についての一連の行程の出力軸14の回転に対する位相が変更され、これに伴い稼動気筒(♯1〜♯4)間の爆発間隔が変化する。
【0065】
ここで、一般に、稼動気筒♯1〜♯4間の爆発間隔が不均等であると発生トルクの変動が大きくなり、振動や騒音が増大する傾向にある。この点、本実施形態では、位相変更に際し位相間隔が異なった値に変更される。この変更に伴い、稼動気筒♯1〜♯4間の爆発間隔が変化する。従って、適切な爆発間隔となるように位相間隔を変化させることにより、トルク変動が小さくなる。
【0066】
詳しくは、稼動気筒数が変更されると、その変更に伴い稼動気筒♯1〜♯4間の爆発間隔が稼動気筒数の変更前と異なってくる。稼動気筒数が例えば「4」から「3」に減らされると、休止気筒(♯2)については爆発が行われなくなるため、稼動気筒♯1〜♯4間の爆発間隔が稼動気筒数の変更前と異なってくる。爆発間隔均等のもとでは、稼動気筒数の変更後の爆発間隔は変更前よりも大きくなる。これとは逆に稼動気筒数が例えば「3」から「4」に増やされると、それまで休止されていた気筒(♯2)についても爆発が行われるため、稼動気筒♯1〜♯4間の爆発間隔が稼動気筒数の変更前と異なってくる。爆発間隔均等のもとでは、稼動気筒数の変更後の爆発間隔は変更前よりも小さくなる。
【0067】
これに対し、本実施形態では、稼動気筒数の変更に応じ、位相間隔が稼動気筒♯1〜♯4間で均等となるようにクランク角位相が変更される。この位相変更により、稼動気筒数の変更後には爆発が略均等間隔で行われることとなる。例えば、稼動気筒数が減らされた場合には、その減少に応じて位相間隔が大きくされることにより、少なくなった稼動気筒(♯1,♯3,♯4)について爆発間隔が略均等になる。また、稼動気筒数が増やされた場合には、その増加に応じて位相間隔が小さくされることにより、多くなった稼動気筒♯1〜♯4について爆発間隔が略均等になる。このように稼動気筒数が増やされる場合であっても減らされる場合であっても爆発間隔が略均等にされるため、トルク変動が抑えられる。
【0068】
停止制御に際しては、ECU55はまずステップ145において、予め定められたエンジン停止条件が成立しているかどうかを判定する。ここで、エンジン停止条件としては、例えば「イグニションスイッチ44がオフ位置へ操作されていること」が挙げられる。ステップ145の判定条件が満たされていないと、通常制御を継続すべくエンジン制御ルーチンの一連の処理を一旦終了する。
【0069】
これに対し、ステップ145の判定条件が満たされていると、ステップ150において、全ての稼動気筒♯1〜♯4についての燃料噴射及び点火を停止する。次に、ステップ155において、本来ならば次回のエンジン始動時に最初及び2番目に燃焼が行われる予定の全て(この場合2つ)の燃焼対象気筒の行程が、同エンジン始動時に出力軸14を回転可能にする行程(膨張行程の前半)となるようにクランク角位相を変更する。詳しくは、上記2つの燃焼対象気筒が膨張行程の前半で停止するようにクランク角位相を変更する。そして、ステップ160において、燃焼対象気筒のソレノイド33a,34aに対する通電を停止することにより吸・排気バルブ33,34を閉弁させた後、エンジン制御ルーチンを一旦終了する。
【0070】
このように、エンジン11の停止に際しクランク角位相が変更されると、全て(2つ)の燃焼対象気筒の行程が次回のエンジン始動時に備えて、出力軸14を回転可能とする行程(膨張行程前半)にされる。
【0071】
上述したエンジン制御ルーチンにおいては、ステップ115,120,130の処理が可変気筒制御手段に相当する。また、ステップ120,125の処理が位相制御手段に相当する。
【0072】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)エンジン11の運転状態に応じて稼動気筒数を変更するようにしている。この変更により特定の気筒(♯2,♯3)を休止して稼動気筒数を減らすことで、エンジン11の実質的な排気量を一時的に少なくして燃費の向上を図ることができる。
【0073】
また、クランクピン23a〜26aのクランク角位相を稼動気筒数の変更に応じて変更することで、稼動気筒における燃焼についての一連の行程の出力軸14の回転に対する位相を変更するようにしている。そのため、稼動気筒♯1〜♯4間の爆発間隔を変化させ、適切な爆発間隔となるように位相を変更することにより、トルク変動を小さくし、もって振動や騒音を小さくすることが可能となる。
【0074】
(2)上記(1)に関連するが、所定の稼動気筒での位相と他の稼動気筒での位相との差を位相間隔とし、この位相間隔を位相変更の前後で異ならせることで、稼動気筒間の爆発間隔を変化させるようにしている。そのため、適切な爆発間隔となるように位相間隔を変化させることで、トルク変動を小さくすることが可能となり、上記(1)の効果をより確実なものとすることができる。
【0075】
(3)稼動気筒数の変更に応じ、位相間隔を稼動気筒♯1〜♯4間で略均等となるように位相を変更するようにしている。従って、稼動気筒数が変更されると、その変更に伴い稼動気筒間の爆発間隔が稼動気筒数の変更前と異なってくるが、前記のように位相を変更することで、稼動気筒数の変更後には爆発が略均等間隔で行われることとなり、トルク変動を抑えて振動や騒音を効果的に小さくすることが可能となる。
【0076】
(4)稼動気筒数を減らすための制御に応じて位相間隔を大きくするようにしている。従って、稼動気筒数が例えば「4」から「3」に減らされると、休止気筒(♯2)については爆発が行われなくなり、爆発間隔均等のもとでは、稼動気筒数の変更後の爆発間隔が変更前よりも大きくなる。しかし、前記のように位相間隔を大きくすることで、少なくなった稼動気筒について爆発間隔を略均等にすることが可能となる。
【0077】
(5)稼動気筒数を増やすための制御に応じて位相間隔を小さくするようにしている。従って、稼動気筒数が例えば「3」から「4」に増やされると、それまで休止していた気筒(♯2)についても爆発が行われて、爆発間隔均等のもとでは、稼動気筒数の変更後の爆発間隔が変更前よりも小さくなる。しかし、前記のように位相間隔を小さくすることで、多くなった稼動気筒について爆発間隔を略均等にすることが可能となる。
【0078】
(6)仮に、クランク角位相を変えないで稼動気筒数を変更する制御を行おうとすると、気筒♯1〜♯4間の爆発間隔を均等にすることのできる稼動気筒数は「4」及び「2」である。稼動気筒数が「4」の場合には、爆発・燃焼が180°毎に行われ(図4(a)参照)、稼動気筒数が「2」の場合には爆発・燃焼が360°毎に行われる(図6参照)。従って、振動を抑制しつつ減筒運転の本来の目的である燃費向上を実現しようとすると、稼動気筒数が「4」と「2」との間で切替えられることとなる。しかし、このように稼動気筒数が「4」と「2」に制限されると、それに伴って減筒運転領域も制限される。例えば図10において、3気筒運転領域として示されている領域が二点鎖線で示すように4気筒運転領域とされる。従って、2気筒運転のみによって減筒運転が行われることとなる。これでは、燃費向上を図るにも限度がある。
【0079】
この点、本実施形態では、前述したように稼動気筒数がいずれの場合にも爆発・燃焼が略等角度間隔で行われるように、稼動気筒数の変更に応じてクランク角位相を変更するようにしている。稼動気筒数が「3」の場合には爆発・燃焼が240°毎に行われるようにしている(図5参照)。このため、可変気筒制御において、稼動気筒数を「3」としても稼動気筒♯1,♯3,♯4間の爆発間隔を略均等にすることができる。従って、図10において実線で示すように、4気筒運転領域の一部が3気筒運転領域となり、その分減筒運転領域が拡大する。これに伴い燃費の一層の低減を図ることが可能となる。
【0080】
(7)エンジン始動時に全ての気筒♯1〜♯4を稼動気筒とし、かつ爆発順序が連続する2つの稼動気筒を略同時に燃焼を行う燃焼対象気筒としている。また、エンジン停止に際し、全ての燃焼対象気筒の行程が次回のエンジン始動時に出力軸14を回転可能にする行程となるように位相を変更するようにしている。従って、慣性力のない出力軸14を回転させるには大きなトルクが要求されるが、前記のように出力軸14を回転可能とする行程で停止している全燃焼対象気筒において略同時に燃焼を行わせることから、大きなトルクで出力軸14を回転させることができる。そのため、エンジン始動用のスタータを用いなくても、エンジン始動のための出力軸14の回転が可能となる。
【0081】
(8)「膨張行程の前半」を、上記(7)における出力軸14を回転可能にする行程としている。この膨張行程前半では、吸・排気バルブ33,34が閉弁された状態で燃焼室13の容積が小さくなっていて、ピストン12が下降過程にあり、燃焼室13内の空気が圧縮されている。そのため、エンジン11の始動に際し、これらの燃焼対象気筒において燃料を噴射させて着火させることで、爆発・燃焼を行わせ、対応するピストン12を下降させ、確実に出力軸14を回転駆動することができる。
【0082】
(9)エンジン停止の際に変更した位相を、次回のエンジン始動に際しエンジン回転速度NEが所定値αを越えるまで保持している。また、エンジン始動時に全燃焼対象気筒で略同時に行う燃焼を、エンジン回転速度NEが前記所定値αを越えるまで継続するようにしている。従って、この継続によりエンジン回転速度NEが上昇して所定値αを越えると、前記の形態の燃焼が停止されて1気筒ずつ燃焼が行われても慣性により出力軸14が回転するようになるため、エンジン11の運転状態に応じた可変気筒制御、及び稼動気筒数に応じた位相制御が可能となる。
【0083】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・可変気筒制御における特定気筒の休止に際しては、同気筒への燃料噴射及び点火が停止される。この際、ピストン12は各気筒♯1〜♯4内を移動してもよいし、停止してもよい。
【0084】
・前記実施形態とは異なる方法によって目標稼動気筒数を算出してもよい。例えば、前述した図10のマップにおけるエンジン負荷を、エンジン11に要求される要求トルクに変更してもよい。この場合、要求トルクは例えば車速、変速機のシフトポジション、スロットル開度等に基づいて求められる。また、ナビゲーションシステムが搭載されている車両にあっては、そのシステムからの道路情報を目標稼動気筒数の算出に反映させてもよい。例えば、下り坂では稼動気筒数として「4」よりも小さな値を算出する。
【0085】
・第2気筒♯2及び第3気筒♯3のクランク角位相が同一となる3気筒運転時には、両気筒♯2,♯3のうちいずれか一方をその3気筒運転時中休止させてもよいが、所定の条件が満たされた場合に、休止させる気筒を切替えるようにしてもよい。例えば、両気筒♯2,♯3を交互にあるいは一定の周期で休止させてもよい。
【0086】
・本発明は4気筒に限らず複数の気筒を有するエンジンに適用可能である。
・クランク角位相を変更する位相可変機構として、前記実施形態とは異なる構成を有するものを用いてもよい。
【0087】
例えば、前記実施形態の運動方向変換機構Aにおける電磁クラッチ28を、リンク17の揺動が出力軸14の回転よりも速くなろうとする場合にロックするワンウェイクラッチに代える。また、各クランク部材23〜26に、発電機能を有する電動機であるモータジェネレータを駆動連結する。そして、クランク角位相を遅角させる場合には、モータジェネレータを発電機として機能させる。この場合、クランク部材23〜26の回転エネルギーの一部が発電のために消費されるため、クランク部材23〜26の回転を遅くすることができる。これとは逆に、クランク角位相を進角させる場合には、モータジェネレータを電動機として機能させてクランク部材23〜26を速く回転させる。
【0088】
・エンジン11の始動時に略同時に燃焼を行う燃焼対象気筒の数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。この場合には、エンジン11の停止に際し、燃焼対象気筒とされた3つ以上の気筒がいずれも膨張行程前半で停止するようにクランク角位相を変更する。
【0089】
・図11のステップ110の処理として、「燃焼回数(点火回数)又は時間当たりの燃焼回数(点火回数)が所定値を越えているかどうか」としてもよい。こうすることで、エンジン停止の際に変更したクランク角位相を、エンジン始動に際し燃焼回数又は時間当たりの燃焼回数(燃焼の時間間隔)が所定値を越えるまで保持する。また、エンジン停止の際に変更したクランク角位相を、燃焼回数又は時間当たりの燃焼回数が所定値を越えるまで継続する。
【0090】
このようにステップ110の処理内容を変更しても、変更前の処理(エンジン回転速度NEが所定値αよりも大きいかどうか)と同様の作用及び効果が得られる。すなわち、エンジン11の始動に際し、全燃焼対象気筒についての略同時燃焼が継続されることで出力軸14の回転速度が上昇してゆく。そして、この形態の燃焼(エンジン始動時の複数略同時燃焼)は、燃焼回数又は時間当たりの燃焼回数が所定値を越えるまで継続される。そして、上記条件が満たされると、前記の形態の燃焼が停止されて1気筒ずつ燃焼が行われても慣性により出力が回転するようになるため、エンジン11の運転状態に応じた可変気筒制御、及び稼動気筒数に応じた位相制御が可能となる。
【0091】
・本発明は、前述した4サイクルエンジンに限らず、ピストンが1往復する間に燃焼サイクルを1回行うようにした、いわゆる2サイクルエンジンにも適用可能である。この場合、燃焼サイクルは、各ピストンが上昇して混合気を圧縮する圧縮行程と、燃焼室での燃焼に伴い発生する圧力(燃焼圧力)を受けた各ピストンが下降して有効な仕事を取出す爆発(膨張)行程とからなる。
【0092】
・本発明は、エンジンの稼動状態の変化に応じて位相(クランク角位相)を変更するものに広く適用可能である。ここで、稼動状態は、代表的には前述した稼動気筒数を変更する制御(可変気筒制御)によって変化する。そのほかにも、稼動状態は、可変圧縮比、失火、可変空燃比、各種故障、可変点火時期、可変バルブタイミング、燃料噴射時期、過給状態、特定気筒のみの可変空燃比等によっても変化する。
【0093】
稼動状態が変化すると出力トルクが変化する。この変化により、一部の気筒の出力トルクが他の気筒の出力トルクよりも低下する場合がある。例えば、可変気筒制御の場合、休止気筒が前記一部の気筒に相当し、稼動気筒が前記他の気筒に相当する。従って、この観点からは、可変気筒制御は、各気筒で発生する出力トルクを変化させる制御(出力トルク制御)であるともいえる。この場合、各気筒で発生する出力トルクに応じたクランク角位相となるように位相可変機構によるクランク角位相の変更を制御する。特に、稼動気筒数を減らすことにより出力トルクを低下させる制御を行う場合には、各稼動気筒の爆発間隔が等しくなる側へクランク角位相が変化するように位相可変機構を制御する。このことは、例えば一部の気筒の爆発タイミングと他の気筒の爆発タイミングとの間隔が狭くなるように各稼動気筒の位相を変更することによって実現できる。
【0094】
・前記実施形態とは異なる気筒を休止気筒としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態についてその構成を示す略図。
【図2】運動方向変換機構を示す概略平面図。
【図3】運動方向変換機構の部分斜視図。
【図4】(a),(b)は稼動気筒数を「4」とした場合の出力軸の回転角と各気筒の行程との関係を示す説明図。
【図5】稼動気筒数を「3」とした場合の出力軸の回転角と各気筒の行程との関係を示す説明図。
【図6】稼動気筒数を「2」とした場合の出力軸の回転角と各気筒の行程との関係を示す説明図。
【図7】(a)は稼動気筒数を「2」とした場合、又は「4」とした場合(通常運転時)の各クランク部材の形態を模式的に示す概略斜視図、(b)はそれらのクランク部材におけるクランクピンのクランク角位相を示す説明図。
【図8】(a)は稼動気筒数を「4」とした場合(エンジン始動時)の各クランク部材の形態を模式的に示す概略斜視図、(b)はそれらのクランク部材におけるクランクピンのクランク角位相を示す説明図。
【図9】(a)は稼動気筒数を「3」とした場合の各クランク部材の形態を模式的に示す概略斜視図、(b)はそれらのクランク部材における各クランクピンのクランク角位相を示す説明図。
【図10】稼動気筒数の決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図11】エンジンを制御する手順を示すフローチャート。
【図12】同じくエンジンを制御する手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…ピストン、14…出力軸、55…ECU(可変気筒制御手段、位相制御手段)、A…運動方向変換機構(位相可変機構)、♯1…第1気筒、♯2…第2気筒、♯3…第3気筒、♯4…第4気筒、NE…エンジン回転速度(出力軸の回転速度)、α…所定値。
Claims (9)
- 複数の気筒が設けられ、かつ各気筒内でのピストンの往復動に伴い燃焼についての一連の行程が気筒毎に行われて出力軸が回転される内燃機関に用いられるものであって、
前記内燃機関の運転状態に応じて稼動気筒数を変更する可変気筒制御手段と、
前記稼動気筒における前記一連の行程の前記出力軸の回転に対する位相を変更する位相可変機構と、
前記可変気筒制御手段による稼動気筒数の変更に応じて前記位相可変機構による位相を可変制御する位相制御手段とを備え、
前記位相可変機構は、前記出力軸に対して相対回転可能に支持されるとともに前記ピストンに連結されて同ピストンの往復動に伴い前記出力軸を支点として揺動するリンクと、同リンクに設けられたスライド溝に係入して同リンクの揺動に対応して所定の回転中心の周りを公転するピンと、前記リンクの揺動を前記出力軸に伝達・遮断するクラッチとが各気筒に対応して設けられてなる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記ピストンの上死点から下死点への移動が前記リンクに伝達されて同リンクが揺動することにより前記ピンが公転し、同ピンの慣性による公転が前記リンクに伝達されて同リンクが揺動することにより前記ピストンが下死点から上死点へ移動する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記クラッチは、前記ピストンが上死点から下死点に移動する際には前記リンクの揺動を前記出力軸に伝達し、前記ピストンが下死点から上死点に移動する際には前記リンクの揺動の前記出力軸への伝達を遮断する請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記各気筒の膨張行程において前記クラッチにより前記リンクの揺動が前記出力軸に伝達される期間を可変とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記位相制御手段は、前記可変気筒制御手段による稼動気筒数の変更に応じ、前記位相間隔を稼動気筒間で略均等となるように前記位相を変更するものである請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
- 複数の気筒が設けられ、かつ各気筒内でのピストンの往復動に伴い燃焼についての一連の行程が気筒毎に行われて出力軸が回転される内燃機関に用いられるものであって、
前記内燃機関の運転状態に応じて稼動気筒数を変更する可変気筒制御手段と、
前記稼動気筒における前記一連の行程の前記出力軸の回転に対する位相を変更する位相可変機構と、
前記可変気筒制御手段による稼動気筒数の変更に応じて前記位相可変機構による位相を可変制御する位相制御手段とを備え、
前記可変気筒制御手段は、前記内燃機関の始動時に全ての気筒を稼動気筒とし、かつ少なくとも2つの稼動気筒を略同時に燃焼を行う燃焼対象気筒とするものであり、
前記位相制御手段は、前記内燃機関の停止に際し、全ての前記燃焼対象気筒の行程が機関始動時に前記出力軸を回転可能にする行程となるように前記位相を変更するものである
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記出力軸を回転可能にする行程は膨張行程の前半である請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記位相制御手段は、前記機関停止の際に変更した前記位相を、前記機関始動に際し前記出力軸の回転速度が所定値を越えるまで保持し、
前記可変気筒制御手段は、前記機関始動時に前記燃焼対象気筒で略同時に行う燃焼を、前記出力軸の回転速度が前記所定値を越えるまで継続する請求項6又は7に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記位相制御手段は、前記機関停止の際に変更した前記位相を、前記機関始動に際し燃焼回数又は時間当たりの燃焼回数が所定値を越えるまで保持し、
前記可変気筒制御手段は、前記機関停止の際に変更した前記位相を、前記燃焼回数又は時間当たりの燃焼回数が前記所定値を越えるまで継続する請求項6又は7に記載の内燃機関の制御装置。
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