JP2003035193A - 4サイクル内燃機関の行程判定方法及び装置 - Google Patents

4サイクル内燃機関の行程判定方法及び装置

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JP2003035193A JP2002113739A JP2002113739A JP2003035193A JP 2003035193 A JP2003035193 A JP 2003035193A JP 2002113739 A JP2002113739 A JP 2002113739A JP 2002113739 A JP2002113739 A JP 2002113739A JP 2003035193 A JP2003035193 A JP 2003035193A
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stroke
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intake pressure
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
    • F02D2200/04Engine intake system parameters
    • F02D2200/0406Intake manifold pressure

Abstract

(57)【要約】 【課題】カム軸センサを用いることなく、4サイクル内
燃機関の行程を判定することができる行程判定方法を提
供する。 【解決手段】4サイクル内燃機関1の気筒のピストンが
上死点に達する位置から次の上死点までの1回転の区間
を判定対象区間とし、機関の気筒1aで行われる行程変
化が反映された内燃機関の吸気圧力を検出する圧力セン
サ12の出力を所定のサンプリング間隔でサンプリング
する。各判定対象区間でサンプリングされた吸気圧力の
絶対値が増加していく過程での吸気圧力の変化の傾きの
最大値を判定対象値として求め、各判定対象区間で求め
られた判定対象値が、各判定対象区間の一つ前の判定対
象区間で求められた判定対象値よりも大きいときに、各
判定対象区間を吸入行程及び圧縮行程が行われた区間で
あると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4サイクル内燃機
関の行程を判定する行程判定方法及び該方法を実施する
ために用いる行程判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に燃料を供給する手段として、
インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)と、該インジェクタ
に燃料を与える燃料ポンプと、所定の燃料噴射タイミン
グで噴射指令信号を発生する電子式のコントローラ(E
CU)と、噴射指令信号が与えられたときにインジェク
タに駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路とを備えた
燃料噴射装置(EFI)が用いられている。
【0003】この燃料噴射装置を用いて、例えば機関の
吸気管内に燃料を噴射する場合、噴射した燃料をシリン
ダ内に効率よく送り込むためには、機関の吸入行程付近
で燃料を噴射することが望ましい。吸入行程付近で燃料
を噴射させるためには、吸入行程を検出する必要がある
が、4サイクル内燃機関においては、クランク軸が2回
転する間に1燃焼サイクルが行われるため、クランク軸
の回転角度を検出するだけでは、吸入行程を判定するこ
とができない。
【0004】そのため、従来は、1燃焼サイクル当たり
1回転するカム軸に、1燃焼サイクル当たり1回だけパ
ルス波形の基準信号を発生するカム軸センサを取り付け
るとともに、クランク軸が単位角度回転する毎に位置検
出用パルスを発生するクランク軸センサを取り付けて、
カム軸センサが発生する基準信号を基準にしてクランク
軸センサが発生する各位置検出用パルスを特定すること
により、各位置検出用パルスにより検出されるクランク
軸の回転角度位置において機関がいずれの行程にあるか
を判定するようにしていた。
【0005】ところがこの方法では、クランク軸とカム
軸の双方にパルス信号を発生するセンサを取り付ける必
要があったため、コストが高くなるという問題があっ
た。
【0006】そこで、特開平10−227252号に示
されているように、クランク軸が所定の角度回転する毎
に回転角検出パルスを発生するクランク軸センサをクラ
ンク軸に取り付けるとともに、特定の気筒に対応する吸
気圧力を検出する圧力センサを設けて、クランク軸セン
サが特定の回転角度位置に設定された基準回転角度位置
で回転角検出パルスを発生したときに検出された吸気圧
力(吸気管内の圧力、通常は負圧)を、1回転前の同じ
位置で検出された吸気圧力と比較することにより、4サ
イクル内燃機関の行程の判定を行う方法が提案された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記既提案の方法によ
れば、カム軸センサを取り付ける必要がないため、コス
トの上昇を招くことなく行程判定を行うことができる。
【0008】しかしながら、スロットルバルブが十分に
開かれて、吸気管内に常時大量の空気が流れ込む状態で
機関が運転されているときには、大量の空気流により吸
気圧力が細かく脈動するため、今回の回転角検出パルス
の発生位置で検出された吸気圧力と、前回同じ位置で検
出された吸気圧力との差を明確に識別することができな
くなったり、吸気圧力の大小関係が逆転したりするた
め、行程の判定を適確に行うことができないという問題
があった。
【0009】本発明の目的は、カム軸センサを用いるこ
となく、4サイクル内燃機関の各1回転の区間が吸入行
程及び圧縮行程が行われる区間か、燃焼行程及び排気行
程が行われる区間かを判定する行程判定方法、及び該判
定方法を実施するために用いる行程判定装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる行程範囲
方法は、4サイクル内燃機関のクランク軸が特定の気筒
のピストンの上死点に相応する位置から1回転する区間
を判定対象区間として、各判定対象区間が前記特定の気
筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間か、燃焼行程
及び排気行程が行われた区間かを判定する方法である。
【0011】本発明者は、4サイクル内燃機関では、吸
入行程及び圧縮行程が行われる1回転の区間における吸
気圧力の変化の傾きが、燃焼行程及び排気行程が行われ
る1回転の区間における値よりも必ず大きくなることを
見出した。本発明では、これらの点に着目して、4サイ
クル内燃機関の行程の判定を行う。
【0012】即ち、本発明の行程判定方法においては、
特定の気筒で行われる行程変化が反映された内燃機関の
吸気圧力を検出し、吸気圧力の変化の傾きの情報を含む
量を判定対象変数として、各判定対象区間における判定
対象変数の大きさが反映された量を判定対象値として求
める。そして、各判定対象区間で求められた判定対象値
が、各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求められ
た判定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を特
定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間である
(各判定対象区間の一つ前の判定対象区間及び次の判定
対象区間が燃焼・排気行程を行う区間である)と判定す
る。
【0013】上記吸気圧力の変化の傾きは、吸気圧力の
クランク角に対する変化の傾き(単位クランク角当たり
の変化率)でもよく、吸気圧力の時間に対する変化の傾
き(単位時間当たりの変化率)でもよい。
【0014】上記「吸気圧力の変化の傾きの情報を含む
量」は、吸気圧力の傾き(変化率)そのものであっても
よく、吸気圧力の傾きに相応する量であってもよい。例
えば、圧力センサの出力を一定の時間間隔、または一定
の角度間隔でサンプリングして吸気圧力を検出する場合
には、前回のサンプリング値と今回のサンプリング値と
の差(正または負の符号をとる)を、吸気圧力の変化の
傾きの情報を含む量として用いることができる。
【0015】前回のサンプリング値と今回のサンプリン
グ値との差を判定対象変数とする場合、該判定対象変数
の符号は、吸気圧力の前回のサンプリング値と今回のサ
ンプリング値との差を求める際に、前回のサンプリング
値から今回のサンプリング値を引くのか、今回のサンプ
リング値から前回のサンプリング値を引くのかによって
相違する。本発明において、吸気圧力の前回のサンプリ
ング値と今回のサンプリング値との差を判定対象変数と
する場合、該判定対象変数の演算は、上記いずれの方法
で行ってもよい。
【0016】上記吸気圧力の変化の傾きの情報を含む判
定対象変数は、吸気圧力の変化の傾きそのものでもよ
く、吸気圧力の単位時間あたりの変化量や、クランク角
が単位角度回転する間に生じる吸気圧力の変化量等でも
よい。
【0017】また上記判定対象値としては、例えば、各
判定対象区間において、吸気圧力(負圧)の絶対値が増
加していく過程で吸気圧力の変化の傾きが最大になった
ときの判定対象変数を用いるのが好ましい。
【0018】4サイクル内燃機関においては、スロット
ルバルブを十分に開いて機関を運転している状態で、吸
気圧力に細かい脈動が生じるが、その状態でも、吸入行
程及び圧縮行程が行われる区間では、吸気圧力の絶対値
が増加していく過程で生じる吸気圧力の変化の傾きの最
大値が、燃焼行程及び排気行程が行われる区間における
値よりも必ず大きくなる。
【0019】したがって、上記のように、吸気圧力の変
化の傾きの情報を含む量を判定対象変数として、各判定
対象区間において吸気圧力の傾きの大きさが最大になっ
たときの判定対象変数の値を判定対象値として求める
と、各判定対象区間で求められた判定対象値が、各判定
対象区間の一つ前の判定対象区間で求められた判定対象
値よりも大きいときに、各判定対象区間を特定の気筒で
吸入行程及び圧縮行程が行われた区間であると確実に判
定することができる。
【0020】なお4サイクル内燃機関においては、スロ
ットルバルブ開度の如何に係わりなく、吸入行程及び圧
縮行程が行われる1回転の区間における吸気圧力の最小
値(吸気負圧の絶対値の最大値)が、燃焼行程及び排気
行程が行われる1回転の区間における吸気圧力の最小値
よりも必ず小さくなるため、各判定対象区間における吸
気圧力の最小値を検出することによっても行程判定を行
うことが可能である。ところが、内燃機関の高速回転時
にスロットルバルブを全開状態から急に閉じた場合に
は、吸気圧力の最小値を示すクランク角位置が燃焼行程
及び排気行程が行われる判定対象区間側にシフトする傾
向があるため、各判定対象区間における吸気圧力の最小
値から行程の判定を行うようにした場合には、燃焼行程
及び排気行程が行われる区間における判定判定対象変数
の最小値の方が、吸入行程及び圧縮行程が行われる区間
における判定対象変数の最小値よりも小さくなって、行
程の判定を適確に行うことができなくなるケースが生じ
る可能性がある。
【0021】これに対し、4サイクル内燃機関において
は、吸気圧力(負圧)の絶対値が増加していく過程で生
じる吸気圧力の変化の傾きが、必ず吸入行程及び圧縮行
程が行われる区間で最大になるため、上記のように、吸
気圧力の絶対値が増加していく過程で生じる吸気圧力の
変化の傾きを検出して行程の判定を行うようにすると、
機関の急減速時においても行程判定を適確に行うことが
できる。
【0022】上記の判定方法では、各判定対象区間にお
いて吸気圧力の絶対値が増加していく過程で生じる吸気
圧力の変化の傾きの最大値に着目して行程の判定を行う
ようにしたが、4サイクル内燃機関においては、吸入行
程及び圧縮行程が行われる判定対象区間における吸気圧
力の傾きの累積値または平均値が、燃焼行程及び排気行
程が行われる判定対象区間における値よりも必ず大きく
なるため、吸気圧力の傾きの累積値または平均値を用い
ることによっても行程の判定を行うことができる。
【0023】上記の行程判定方法を実施するために用い
る行程判定装置は、各判定対象区間でサンプルタイミン
グ信号を複数回発生するサンプルタイミング信号発生手
段と、内燃機関のクランク軸の特定の回転角度位置に設
定された基準回転角度位置で基準信号を発生する基準信
号発生器と、基準信号の発生位置を基にして各判定対象
区間を検出する判定対象区間検出手段と、特定の気筒で
行われる行程の変化が反映された内燃機関の吸気圧力を
サンプルタイミング信号が発生する毎にサンプリングす
る吸気圧力サンプリング手段と、吸気圧力をサンプリン
グする毎に、1回前にサンプリングした吸気圧力と今回
サンプリングした吸気圧力との差の絶対値を判定対象変
数として求めるとともに、各判定対象区間における判定
対象変数の最大値を判定対象値として求める判定対象変
数最大値演算手段と、各判定対象区間において求められ
た判定対象値が、各判定対象区間の一つ前の判定対象区
間で求められた判定対象値よりも大きいときに、各判定
対象区間を前記特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行
われた区間であると判定する判定手段とを備えた構成と
することができる。
【0024】本発明に係わる行程判定装置はまた、各判
定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生する
サンプルタイミング信号発生手段と、内燃機関のクラン
ク軸の特定の回転角度位置に設定された基準回転角度位
置で基準信号を発生する基準信号発生器と、基準信号の
発生位置を基にして各判定対象区間を検出する判定対象
区間検出手段と、特定の気筒で行われる行程の変化が反
映された内燃機関の吸気圧力をサンプルタイミング信号
が発生する毎にサンプリングする吸気圧力サンプリング
手段と、吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前にサ
ンプリングした吸気圧力と今回サンプリングした吸気圧
力との差を判定対象変数として求めるとともに、各判定
対象区間において求められた判定対象変数の累積値を判
定対象値として求める判定対象変数累積値演算手段と、
各判定対象区間において求められた前記判定対象値が、
各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求められた判
定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を前記特
定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間である
と判定する判定手段とを備えた構成とすることができ
る。
【0025】本発明に係わる行程判定装置はまた、各判
定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生する
サンプルタイミング信号発生手段と、内燃機関のクラン
ク軸の特定の回転角度位置に設定された基準回転角度位
置で基準信号を発生する基準信号発生器と、基準信号の
発生位置を基にして各判定対象区間を検出する判定対象
区間検出手段と、特定の気筒で行われる行程の変化が反
映された前記内燃機関の吸気圧力をサンプルタイミング
信号が発生する毎にサンプリングする吸気圧力サンプリ
ング手段と、吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前
にサンプリングした吸気圧力と今回サンプリングした吸
気圧力との差を判定対象変数として求めるとともに、各
判定対象区間において求められた判定対象変数の平均値
を判定対象値として求める判定対象変数平均値演算手段
と、各判定対象区間において求められた判定対象値が、
各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求められた判
定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を特定の
気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間であると判
定する判定手段とを備えた構成とすることができる。
【0026】上記の各構成を有する行程判定装置におい
て、サンプルタイミング信号発生手段は、内燃機関のク
ランク軸の複数の異なる回転角度位置の情報をそれぞれ
複数のサンプリング位置の情報として含む回転角検出信
号を発生する回転角センサと、回転角検出信号から複数
のサンプリング位置をそれぞれ検出して各サンプリング
位置でサンプルタイミング信号を発生するサンプリング
位置検出手段とにより構成することができる。
【0027】上記回転角センサとしては、例えば、内燃
機関により駆動される磁石発電機内に設けられて、機関
のクランク軸の回転速度に比例した周波数の交流電圧を
クランク軸の回転に同期して発生する発電コイルを用い
ることができる。
【0028】このように、機関のクランク軸の回転に同
期して交流電圧を誘起する発電コイルを回転角センサと
して用いる場合、発電コイルの誘起電圧の零クロス点
や、ピーク点をサンプリング位置とすることができる。
従ってこの場合、サンプリング位置検出手段は、発電コ
イルに誘起する交流電圧の零クロス点を検出したときに
サンプリング位置検出信号を発生する零クロス検出回路
や、該交流電圧のピーク点を検出したときにサンプリン
グ位置検出信号を発生するピーク検出回路により構成す
ることができる。
【0029】上記回転角センサは、内燃機関の複数の回
転角度位置の情報を含む信号を発生するものであればよ
いので、内燃機関のクランク軸が所定角度回転する毎に
パルス信号を発生する信号発生装置を上記回転角センサ
として用いることもできる。この場合、サンプリング位
置検出手段は、信号発生装置が発生するパルス信号の立
ち上がりに相応するクランク軸の回転角度位置及びパル
ス信号の立下がりに相応するクランク軸の回転角度位置
の少なくとも一方を検出する回路(例えば微分回路)に
より構成することができる。
【0030】また上記サンプルタイミング信号発生手段
は、一定の周期でサンプルタイミング信号を発生する発
振器により構成することもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を説明する。
【0032】図1はECUにより内燃機関を制御するシ
ステムの構成例を示した構成図である。図示の内燃機関
1は単気筒の4サイクル機関で、シリンダ1aと、ピス
トン1bと、ピストン1bにコンロッドを介して連結さ
れたクランク軸1cと、吸気ポート1d及び排気ポート
1eを有するシリンダヘッド1fと、吸気ポート及び排
気ポートをそれぞれ開閉する吸気バルブ1g及び排気バ
ルブ1hと、クランク軸1cにより駆動されるカム軸1
iと、カム軸1iの回転に伴って吸気バルブ1g及び排
気バルブ1hを駆動するバルブ駆動機構1jと、吸気ポ
ート1dに接続された吸気管1kとを備えており、吸気
管1k内にはスロットルバルブ1mが設けられている。
【0033】内燃機関1のシリンダヘッドには点火プラ
グ2が取り付けられ、点火プラグ2は、点火コイルIG
の二次コイルに高圧コードを通して接続されている。
【0034】また内燃機関の吸気管1kには、インジェ
クタ(電磁燃料噴射弁)3が取り付けられている。図示
のインジェクタ3は、燃料噴射口を先端に有し、燃料供
給口を後端部寄りに有するインジェクタボディと、該イ
ンジェクタボディ内で燃料噴射口を開く位置(開位置)
と閉じる位置(閉位置)との間を変位し得るように設け
られたバルブ部材と、該バルブ部材を常時閉位置側に付
勢する付勢手段と、バルブ部材を開位置側に駆動するソ
レノイドとを備えた周知のもので、ソレノイドに駆動電
流が与えられている間その燃料噴射口を開いて内燃機関
の吸気管内に燃料を噴射する。
【0035】4は機関に供給する燃料を蓄える燃料タン
ク、5は燃料タンク4内の燃料をインジェクタ3に供給
する電動式の燃料ポンプ、6はインジェクタ3の燃料供
給口につながる管路に接続された圧力調整器である。圧
力調整器6は、インジェクタ3に与えられる燃圧が設定
値を超えたときに燃料ポンプ5から供給される燃料の一
部を燃料タンク4に戻すことにより、燃圧をほぼ設定値
に保つように調整する。
【0036】このように、インジェクタ3に与えられる
燃圧はほぼ一定に保たれているため、インジェクタ3か
ら噴射する燃料の量(燃料噴射量)は、インジェクタ3
の噴射口が開いている時間により決まる。インジェクタ
3の噴射口が開いている時間は、インジェクタに駆動電
流を与える時間によりほぼ決まる。したがって、燃料噴
射量を制御する際には、各種の制御条件に応じて機関が
要求する燃料噴射量を演算するとともに、その噴射量を
得るために必要な噴射時間を求め、所定の噴射タイミン
グが検出されたときに演算された噴射時間の間インジェ
クタに駆動電流を与えて、燃料の噴射を行わせる。
【0037】7は機関のクランク軸1cにより駆動され
る磁石発電機である。図示の磁石発電機は、クランク軸
1cに取り付けられた磁石回転子7aと、機関のケース
等に固定された固定子7bとからなっている。図示の磁
石回転子7aは、クランク軸1cに取り付けられたカッ
プ状のフライホイール7cと、このフライホイールの内
周に取り付けられた複数の永久磁石7dとを備えた周知
のフライホイール磁石回転子からなっている。図示の例
では、フライホイールの内周に6個の永久磁石7dが取
り付けられていて、これらの永久磁石が12極に着磁さ
れている。
【0038】また固定子7bは、多数の歯部が放射状に
形成された多極星形鉄心と、該鉄心の多数の歯部にそれ
ぞれ巻回された多数の発電コイルとからなっていて、固
定子7bを構成する多極星形鉄心の各歯部の先端の磁極
部が、磁石回転子7aの磁極部に所定のギャップを介し
て対向させられている。
【0039】8はインジェクタ3からの燃料噴射量と機
関の点火時期とを制御するECU、9は磁石発電機7の
固定子に設けられたバッテリ充電用発電コイルの出力電
圧Vbによりレギュレータ10を通して充電されるバッ
テリである。バッテリ9の出力電圧は、電動燃料ポンプ
5の電源端子とECU8の電源端子とに与えられてい
る。ECU8内には、バッテリの電圧をマイクロコンピ
ュータを駆動するのに適した定電圧に調整する電源回路
が設けられていて、該電源回路からマイクロコンピュー
タの電源端子に電源電圧が印加されている。
【0040】ECU8には、インジェクタ3から噴射さ
せる燃料の量を制御するための制御条件と、機関の点火
時期を制御するための制御条件とを検出する各種のセン
サの出力が入力されている。
【0041】図示の例では、吸気管1k内の圧力を吸気
圧力として検出する圧力センサ12と、機関の吸気温度
を検出する吸気温度センサ13と、機関の冷却水の温度
を検出する水温センサ14とが設けられていて、これら
のセンサの出力がECU8のA/D入力ポートに入力さ
れている。
【0042】またクランク軸の特定の回転角度位置でパ
ルスを発生するパルサ15が設けられ、このパルサの出
力がECU8に入力されている。パルサ15は、フライ
ホイール7cの外周に形成された突起または凹部からな
るリラクタ7eのエッジを検出してパルスを発生する。
パルサ15は、例えば、リラクタ7eに対向する磁極部
を先端に有する鉄心と、該鉄心に磁気結合された永久磁
石と、該鉄心に巻回された信号コイルとにより構成され
る。
【0043】パルサ15は、リラクタ7eの回転方向の
前端縁を検出したとき、及び該リラクタ7eの回転方向
の後端縁を検出したときにそれぞれ極性が異なる対のパ
ルスを発生する。このパルサ15により基準信号発生器
が構成され、該パルサが発生する対のパルスの一方が基
準信号として用いられる。
【0044】ここでは、図3Cに示すように、パルサ1
5がリラクタ7eの前端縁を検出したとき及び後端縁を
検出したときにそれぞれ負極性のパルスVp1及び正極性
のパルスVp2を発生するものとする。これらのパルスV
p1及びVp2のいずれを基準信号として用いても良いが、
ここでは、負極性のパルスVp1を基準信号として用い、
該パルスVp1の発生位置(パルスVp1がしきい値に達す
る位置)を基準回転角度位置とする。
【0045】ECU8は、基準信号Vp1が発生したこと
を認識したときに、機関のクランク軸の回転角度位置が
基準回転角度位置に一致したことを検出する。図示の内
燃機関は4サイクル機関であるため、1燃焼サイクル当
たり基準信号Vp1が2回発生する。
【0046】また図示の例では、磁石発電機7の固定子
の鉄心の一つの歯部に巻回された発電コイルが回転角セ
ンサ16として用いられ、この回転角センサを構成する
発電コイルが出力する正弦波形の交流電圧Vg が回転角
検出信号としてECU8に入力されている。
【0047】ECU8内には、インジェクタ駆動回路
と、点火コイルIGの一次電流を制御する一次電流制御
回路とが設けられていて、インジェクタ駆動回路の出力
端子及び一次電流制御回路の出力端子にそれぞれインジ
ェクタ3及び点火コイルIGの一次コイルが接続されて
いる。
【0048】ECU8は、マイクロコンピュータに所定
のプログラムを実行させることにより、インジェクタ3
及び点火コイルIGの一次電流を制御するために必要な
各種の機能実現手段を構成する外、パルサ(基準信号発
生器)15、回転角センサ16及び圧力センサ12とと
もに、機関の行程の判定を行う行程判定装置を構成す
る。
【0049】図2は、図1に示したシステムのハードウ
ェアの構成と、ECU8内のマイクロコンピュータと該
マイクロコンピュータが実行するプログラムとにより構
成される各種の機能実現手段の構成とをブロック図で示
したものである。
【0050】図2において、801はインジェクタ3に
駆動電流を供給するインジェクタ駆動回路、802は点
火コイルの一次電流を制御する一次電流制御回路で、こ
れらの回路はECU8内にハードウェア回路として設け
られている。
【0051】また804は圧力センサ12の出力(吸気
圧力)をサンプリングするタイミングを定めるサンプル
タイミング信号を各判定対象区間で複数回ずつ発生する
サンプルタイミング信号発生手段である。本実施形態で
用いるサンプルタイミング信号発生手段804は、回転
角センサ16が発生する交流電圧(回転角検出信号)V
g が負の半波から正の半波に移行する際に生じるゼロク
ロス点を検出したときにパルス波形のサンプルタイミン
グ信号を発生するゼロクロス検出回路からなっている。
その他の機能実現手段は、ECU8内のマイクロコンピ
ュータと、該マイクロコンピュータが実行する所定のプ
ログラムとにより構成される。
【0052】以下、本発明に係わる行程判定方法及び装
置と、図2の各部の構成とを説明する。
【0053】先ず、本発明に係わる行程判定方法及び行
程判定装置について説明する。
【0054】図3は4サイクル内燃機関の吸気圧力Pの
クランク角θに対する変化の一例と、回転角センサ16
が出力する回転角検出信号Vg の波形と、基準信号発生
器15が発生するパルス信号の波形とを示している。図
3(A)において、曲線aは、機関のスロットルバルブ
1mを十分に開いた状態で機関を運転しているときに圧
力センサ12により検出される吸気圧力を示し、曲線b
はスロットルバルブを閉じて(スロットルバルブ開度を
最小にして)機関をアイドリング運転しているときの吸
気圧力Pの変化を示している。曲線cは、スロットルバ
ルブを全開状態から急に閉じて機関を急減速したときの
吸気圧力Pの変化を示している。
【0055】また図3(B)及び(C)はそれぞれ、機
関のクランク軸により駆動される磁石発電機7内に設け
られた発電コイルからなる回転角センサ16が発生する
回転角検出信号Vg の波形及び基準信号発生器15が発
生するパルスVp1,Vp2の波形を示し、図3(D)は機
関の行程を示している。
【0056】既に述べたように、本実施形態では、基準
信号発生器(パルサ15)がリラクタ7eの回転方向の
前端縁を検出したときに発生するパルス信号Vp1を基準
信号として用いる。
【0057】また吸気圧力のサンプルタイミングとし
て、回転角センサ16が発生する回転角検出信号が負の
半波から正の半波に移行する際の各ゼロクロス点(以下
単にゼロクロス点という。)を用いている。この例で
は、磁石発電機7の回転子が12極に構成されているた
め、回転角検出信号Vg はクランク軸が1回転する間に
6サイクル発生するが、この回転角検出信号の6つのゼ
ロクロス点をそれぞれサンプルタイミングとして用い
る。
【0058】また図示の例において、基準信号Vp1の発
生位置である基準位置θo は、機関のピストンが上死点
に達したときのクランク軸の回転角度位置の直前の位置
に設定され、基準信号Vp1が発生した直後に現れる回転
角検出信号Vg のゼロクロス点が機関のピストンが上死
点に達したときのクランク軸の回転角度位置に一致する
ように、基準信号発生器15及び磁石発電機7が設けら
れている。
【0059】本実施形態では、回転角検出信号Vg の各
ゼロクロス点(サンプリング位置)を特定するため、基
準信号Vp1が発生したことが検出された直後に現れる回
転角検出信号Vg のゼロクロス点に識別番号0を付し、
以下サンプリング位置として用いるゼロクロス点に1〜
5の識別番号を付けている。このように回転角検出信号
の一連のゼロクロス点に識別番号を付けると、各識別番
号0のゼロクロス点から次の識別番号0のゼロクロス点
までの区間を、4サイクル内燃機関のクランク軸が特定
の気筒のピストンの上死点に相応する位置から1回転す
る区間(判定対象区間)として検出することができる。
【0060】図3(A)の曲線a〜cに見られるよう
に、4サイクル内燃機関においては、吸気圧力の最小値
が、必ず吸入行程及び圧縮行程が行われる1回転の区間
で現れる。図3(A)において、Pmin1はスロットルバ
ルブが十分に開かれていて、吸気圧力が曲線aのような
変化を示すときに現れる最小値を示し、Pmin2及びPmi
n3はそれぞれ、機関がアイドリング運転されていて吸気
圧力が曲線bのような変化を示すとき、及び機関が急減
速させられて吸気圧力が曲線cのような変化を示すとき
の吸気圧力の最小値を示している。
【0061】スロットルバルブが十分に開かれていると
きには、図3(A)の曲線aのように吸気圧力に細かい
脈動が見られるが、この場合にも、吸入行程及び圧縮行
程が行われる1回転の区間において、吸気圧力に最小値
Pmin1が顕著に現れる。また図3(A)の曲線bに見ら
れるように、機関のアイドリング時にも、吸入行程及び
圧縮行程が行われる1回転の区間において、吸気圧力に
最小値Pmin1が現れる。
【0062】これより、4サイクル内燃機関の定常運転
時には、吸気圧力の最小値が現れる判定対象区間を吸入
行程及び圧縮行程が行われた区間であると判定できるこ
とが分かる。
【0063】しかしながら、機関の急減速時には、図3
(A)の曲線cのように、吸気圧力の最小値Pmin3が現
れるときのクランク軸の回転角度位置が燃焼行程及び排
気行程が行われる区間側にシフトするため、吸気圧力の
最小値を見る方法では、行程の判定を適確に行うことが
できなくなるおそれがある。
【0064】そこで、本発明者は、多くの実験を通し
て、4サイクル内燃機関の吸気圧力の変化について種々
検討した結果、定常運転時においても、急加減速時にお
いても、吸気圧力の変化に以下のような特徴があること
を見出した。
【0065】a. 吸入行程及び圧縮行程(以下吸入・
圧縮行程という。)が行われる1回転の区間では、吸気
圧力の絶対値が増加していく過程での吸気圧力の変化の
傾きが、燃焼行程及び排気行程(以下燃焼・排気行程と
いう。)が行われる1回転の区間において吸気圧力が増
加していく過程での吸気圧力の変化の傾きよりも必ず大
きくなる。
【0066】b. 吸入・圧縮行程が行われる1回転の
区間では、吸気圧力の変化の傾きの累積値が、燃焼・排
気行程が行われる1回転の区間における該吸気圧力の変
化の傾きの累積値よりも必ず大きくなる。
【0067】c. 吸入・圧縮行程が行われる1回転の
区間では、吸気圧力の変化の傾きの平均値が、燃焼・排
気行程が行われる1回転の区間における該吸気圧力の変
化の傾きの平均値よりも必ず大きくなる。
【0068】本発明の方法では、吸気圧力の変化に上記
aないしcの特徴があることに着目して機関の行程判定
を行う。本発明の行程判定方法の好ましい態様では、各
判定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生す
るサンプルタイミング信号発生手段804と、内燃機関
のクランク軸の特定の回転角度位置に設定された基準回
転角度位置で基準信号を発生する基準信号発生器15と
を設けておいて、特定の気筒で行われる行程の変化が反
映された内燃機関の吸気圧力をサンプルタイミング信号
が発生する毎に(図示の例では識別番号0〜5が付され
たゼロクロス点が検出される毎に)サンプリングし、基
準信号を基にして各判定対象区間を検出する。そして、
吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前にサンプリン
グした吸気圧力と今回サンプリングした吸気圧力との差
を判定対象変数として求めて、吸気圧力の傾きが負であ
るときの判定対象変数の各判定対象区間における最大値
を判定対象値として求め、各判定対象区間で求められた
前記判定対象値が、各判定対象区間の一つ前の判定対象
区間で求められた判定対象値よりも大きいときに、各判
定対象区間を特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行わ
れた区間であると判定する。
【0069】今、スロットルバルブを十分に開いて(例
えばスロットルバルブを全開状態にして)機関を運転し
ているものとすると、吸気圧力は図3(A)の曲線aに
示すように変化する。このとき、吸入行程及び圧縮行程
が行われる1回転の区間(図示のA区間)における判定
対象値[吸気圧力の傾きが負であるときの判定対象変数
(1回前にサンプリングした吸気圧力と今回サンプリン
グした吸気圧力との差)の各判定対象区間における最大
値]はΔPamであるのに対し、燃焼行程及び排気行程が
行われる区間における判定対象値の最大値はΔPam´と
なり、ΔPam>ΔPam´となる。
【0070】また、機関のアイドリング時における吸気
圧力の変化は図3(A)の曲線bのようになるが、この
とき、吸入・圧縮行程が行われるA区間における判定対
象値はΔPbmであるのに対し、燃焼・排気行程が行われ
るB区間では、吸気圧力の傾きが常に正であるため、判
定対象値は0である。
【0071】更に、機関の急減速時には、吸気圧力が図
3(A)の曲線cのように変化するが、このとき、吸入
・圧縮行程が行われるA区間における判定対象値はΔP
cmであるのに対し、燃焼・排気行程が行われるB区間に
おける判定対象値はΔPcm´となり、ΔPcm>ΔPcm´
となる。
【0072】上記のように、機関の運転状態がいかなる
場合でも、吸入・圧縮行程が行われる区間において吸気
圧力の絶対値が増加していく過程での吸気圧力の変化の
傾きの最大値(判定対象値)が、燃焼・排気行程が行わ
れる区間において吸気圧力の絶対値が増加していく過程
での吸気圧力の変化の傾きの最大値よりも大きくなるた
め、各判定対象区間で求められた上記判定対象値を比較
することにより、各判定対象区間が吸入・圧縮行程が行
われた区間であるのか、燃焼・排気行程が行われた区間
であるのかを確実に判定することができる。
【0073】図2に示した例では、本発明に係わる行程
判定方法を実施する行程判定装置が、図示しない内燃機
関のクランク軸の複数の異なる回転角度位置の情報をそ
れぞれ複数のサンプリング位置の情報として含む回転角
検出信号を発生する回転角センサ16と、内燃機関のク
ランク軸の特定の回転角度位置に設定された基準回転角
度位置で基準信号Vp1を発生する基準信号発生器(パル
サ)15と、各判定対象区間において回転角検出信号の
複数のゼロクロス点を検出して、各ゼロクロス点を検出
する毎にサンプルタイミング信号を発生するサンプルタ
イミング信号発生手段804と、基準信号Vp1の発生位
置を基にして各判定対象区間を検出する判定対象区間検
出手段805と、特定の気筒で行われる行程の変化が反
映された内燃機関の吸気圧力をサンプルタイミング信号
が発生する毎にサンプリングする吸気圧力サンプリング
手段806と、吸気圧力をサンプリングする毎に、1回
前にサンプリングした吸気圧力と今回サンプリングした
吸気圧力との差の絶対値を判定対象変数として求めると
ともに、吸気圧力の変化の傾きが負であるときの判定対
象変数の各判定対象区間における最大値を判定対象値と
して求める判定対象変数最大値演算手段807と、この
演算手段807により求められた判定対象値を記憶する
判定対象値記憶手段808と、判定対象変数最大値演算
手段により求められた各判定対象区間における判定対象
値が、各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求めら
れた判定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を
特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間であ
ると判定する判定手段809とにより構成されている。
【0074】前述のように、サンプルタイミング信号発
生手段804はゼロクロス検出回路からなっていて、回
転角検出信号が負の半波から正の半波へ移行する際のゼ
ロクロス点を検出して、それぞれのゼロクロス点でサン
プルタイミング信号を発生する。
【0075】判定対象区間検出手段805は、基準信号
Vp1が発生した直後に発生したサンプルタイミング信号
(ゼロクロス検出信号)に識別番号0を付し、以後発生
する一連のサンプルタイミング信号に識別番号1〜5を
付す。これにより各識別番号0のゼロクロス点から次の
識別番号0のゼロクロス点までの区間を判定対象区間と
して検出する。
【0076】吸気圧力サンプリング手段806は、回転
角センサ16が出力する回転角検出信号のゼロクロス点
が検出されてサンプルタイミング信号が発生する毎に圧
力センサ12が検出している吸気圧力Pをサンプリング
する。
【0077】判定対象変数最大値演算手段は、吸気圧力
をサンプリングする毎に、1回前にサンプリングした吸
気圧力Pn-1 と今回サンプリングした吸気圧力Pn との
差の絶対値を判定対象変数として求めるとともに、吸気
圧力の変化の傾きが負であるときの判定対象変数の各判
定対象区間における最大値ΔPm を判定対象値として演
算して、演算した判定対象値を記憶手段808に記憶さ
せる。
【0078】判定手段809は、今回の判定対象区間で
求められた判定対象値を一つ前の判定対象区間で求めら
れて記憶手段808に記憶されている判定対象値と比較
して、各判定対象区間で求められた特定の気筒に対応す
る判定対象値が、各判定対象区間の一つ前の判定対象区
間で求められた同じ気筒に対応する判定対象値よりも小
さいときに、各判定対象区間を特定の気筒で吸入行程及
び圧縮行程が行われた区間であると判定する。
【0079】上記の例では、図3(B)に示した回転角
検出信号Vg が負の半波から正の半波に移行する際のゼ
ロクロス点をサンプリング位置としているが、回転角検
出信号が正の半波から負の半波に移行する際のゼロクロ
ス点をサンプリング位置としてもよく、回転角検出信号
のすべてのゼロクロス点をサンプリング位置としてもよ
い。また回転角検出信号の正負のピーク点により検出さ
れる回転角度位置をサンプリング位置とすることもで
き、ゼロクロス点と正負のピーク点との双方をサンプリ
ング位置とすることもできる。
【0080】ゼロクロス点とピーク点との双方をサンプ
リング位置とすると、サンプリング間隔を短くすること
ができるため、更にきめ細かく吸気管内の圧力変化を検
出して行程判定を正確に行うことができる。
【0081】上記の例では、回転角センサとして機関に
より駆動される磁石発電機内の発電コイルを用いている
が、回転角センサは、内燃機関の複数の回転角度位置の
情報を含む信号を発生するものであればよく、内燃機関
が所定角度回転する毎にパルス信号を発生する信号発生
装置を用いることもできる。この場合、吸気圧力サンプ
リング手段は、信号発生装置が発生するパルス信号の立
上りに相応するクランク軸の回転角度位置及び該パルス
信号の立下がりに相応するクランク軸の回転角度位置の
少なくとも一方をサンプリング位置とするように構成す
る。
【0082】クランク軸が所定の角度回転する毎にパル
スを発生する信号発生装置としては、例えば、機関始動
用電動機により駆動されるピニオンギアを噛み合わせる
ために、フライホイールの外周に取り付けられたリング
ギアの歯を検出してパルス信号を発生するようにしたも
の(ギアセンサ)を用いることができる。また回転する
部材の回転角度位置を検出するために一般に用いられて
いるロータリエンコーダを上記回転角センサとして用い
ることもできる。
【0083】回転角センサとしてエンコーダを用いる場
合、該エンコーダから回転角検出パルスと基準パルスの
双方を発生させることにより、該エンコーダが回転角セ
ンサと基準信号発生器とを兼ねるようにことができる。
エンコーダから回転角検出パルスと基準パルスの双方を
発生させるには、例えば、内燃機関が微小角度回転する
毎にエンコーダから発生させる一連のパルスの発生間隔
を一部で不等間隔として、等角度間隔で発生するパルス
をECUに回転角検出パルスとして認識させ、不等間隔
で発生したパルスを基準パルスとして認識させるように
すればよい。
【0084】また内燃機関が微小角度回転する毎にエン
コーダから発生させる一連のパルスの内の一つのパルス
の幅が他のパルスの幅と異なるようにしておいて、パル
ス幅が等しい一連のパルスを回転角検出パルスとして認
識させ、パルス幅が他のパルスと異なる一つのパルスを
基準パルスとして認識させるようにしてもよい。
【0085】次に、図1及び図2に示した制御システム
において、ECU8により実現される行程判定手段以外
の機能実現手段を説明すると、回転速度演算手段803
は、各瞬時における内燃機関の回転速度を検出するため
に設けられたもので、この回転速度演算手段は、パルサ
15が出力するパルスの発生間隔から機関の回転速度を
演算する。
【0086】噴射量演算手段810は、吸気温度センサ
13により検出された吸気温度、水温センサ14により
検出された機関の冷却水温度等の各種センサの出力と、
回転速度演算手段803により演算された機関の回転速
度等の制御条件に対して燃料噴射量を演算する。噴射量
を演算する際には、大気圧等の更に他の条件を制御条件
とすることもある。
【0087】噴射時期演算手段811は、回転速度演算
手段803により演算された各回転速度における噴射時
期(燃料の噴射を開始する時期)を、クランク軸が基準
位置θo から噴射時期に相応する回転角度位置まで回転
するのに要する時間の形で演算して、演算した噴射時期
を噴射指令発生手段812に与える。
【0088】噴射指令発生手段812は、噴射量演算手
段810により演算された量の燃料をインジェクタから
噴射させるために必要な噴射時間を演算して、基準信号
発生器15の出力から得られる回転角度情報に基づい
て、噴射時期演算手段により演算された所定の噴射時期
が検出された時に、演算した噴射時間に相当する信号幅
を有する噴射指令信号をインジェクタ駆動回路801に
与える。
【0089】インジェクタ駆動回路801は、噴射指令
信号が発生している間インジェクタ3に駆動電流を与え
て、該インジェクタから燃料を噴射させる。
【0090】点火時期演算手段813は、回転速度演算
手段803により演算された回転速度に対して内燃機関
の点火時期を演算する。
【0091】点火指令発生手段814は、例えばパルサ
15が特定のパルスを発生した時に点火時期演算手段に
より演算された点火時期の検出を開始して、演算された
機関の点火時期が検出された時に点火コイル一次電流制
御回路802に点火指令信号を与える。
【0092】一次電流制御回路802は、点火指令信号
が与えられた時に点火コイルIGの一次電流に急激な変
化を生じさせて、該点火コイルの二次コイルに点火用の
高電圧を誘起させる。この点火用高電圧は点火プラグ2
に印加されるため、点火プラグ2で火花放電が生じて機
関が点火される。
【0093】図2に示した行程判定装置を構成するため
に、ECU8のマイクロコンピュータに実行させるプロ
グラムの行程判定ルーチンのアルゴリズムの一例を図4
に示した。
【0094】図4に示した行程判定ルーチンは、一定の
時間毎(例えば2msec毎)に実行される。このルーチン
では、先ずステップ1において、今回サンプリングされ
た吸気圧力をPBとして読み込み、ステップ2におい
て、今回サンプリングされた吸気圧力PBが前回サンプ
リングされた吸気圧力PB2よりも小さいか否か(吸気
圧力の傾きが負であるか否か)を判定する。その結果、
今回サンプリングされた吸気圧力PBが前回サンプリン
グされた吸気圧力PB2よりも小さい(吸気圧力の傾き
が負である)と判定されたときには、ステップ3に進ん
で、前回サンプリングされた吸気圧力PB2から今回サ
ンプリングされた吸気圧力PBを減じ、その演算結果を
判定対象変数の現在値ΔPとして記憶された後ステップ
4に進む。
【0095】ステップ2において、今回サンプリングさ
れた吸気圧力PBが前回サンプリングされた吸気圧力P
B2よりも小さくない(吸気圧力の傾きがゼロまたは正
である)と判定されたときには、ステップ5で判定対象
変数ΔPを0としてステップ4に進む。
【0096】ステップ4では、次の判定対象変数の演算
に備えて今回サンプリングされた吸気圧力PBを前回の
吸気圧力PB2とし、ステップ6に進む。ステップ6で
は、記憶されている判定対象変数の現在値ΔPを同じ判
定対象区間でこれまで求められた判定対象変数の最大値
ΔPmax と比較し、ΔP>ΔPmax であると判定された
ときにはステップ7に進んで今回求められた判定対象変
数ΔPを判定対象変数の新たな最大値ΔPmax とする。
次いでステップ8において、回転角検出信号のゼロクロ
ス点の識別番号Nが0であるか否かを判定する。その結
果、識別番号Nが0でない場合には、ステップ9に進ん
で判定対象変数の最大値(判定対象値)ΔPmax を一つ
前の判定対象区間で求められた判定対象値ΔPmax2と比
較する。その結果、ΔPmax >ΔPmax2と判定されたと
きには、ステップ10に進んで、行程判定フラグBAK
Uが0であるか否か(直前の判定対象区間が吸入・圧縮
行程が行われた区間であると判定されているか否か)を
判定する。この判定過程で、行程判定フラグBAKUが
0であると判定されたときには、ステップ11に進んで
行程判定フラグBAKUを1にして、次の判定対象区間
が燃焼・排気行程が行われる区間であると判定する。次
いでステップ12において、次の判定対象区間での行程
判定に備えて、直前の判定対象区間で求められた判定対
象値ΔPmaxをΔPmax2とするとともに、判定対象値Δ
Pmax 及び判定対象変数の現在値ΔPをともに零にリセ
ットした後、メインルーチンに復帰する。
【0097】ステップ8においてBAKU=0でないと
判定されたとき(BAKU=1と判定されたとき)に
は、判定結果が矛盾するため、判定不可としてステップ
12に移行する。
【0098】ステップ9においてΔPmax >ΔPmax2で
ないと判定されたときには、ステップ14に進んで、Δ
Pmax <ΔPmax2の関係が成立しているか否かを判定
し、この関係が成立していると判定されたときには、ス
テップ15に進んで行程判定フラグBAKUが1である
か否かを判定する。その結果BAKU=1であるとき
(直前の判定対象区間が燃焼・排気行程が行われた区間
であると判定されているとき)には、ステップ16に進
んでBAKU=0として次の判定対象区間が吸入・圧縮
行程を行う区間であると判定した後、ステップ12に移
行する。
【0099】ステップ14においてΔPmax ≧ΔPmax2
であると判定されたとき、及びステップ15においてB
AKU=0であると判定されたときには、判定結果が矛
盾するため、行程の判定が不可であるとしてステップ1
2に移行する。
【0100】上記の例では、図4のステップ1により特
定の気筒で行われる行程の変化が反映された内燃機関の
吸気圧力をサンプルタイミング信号が発生する毎にサン
プリングする吸気圧力サンプリング手段が構成される。
【0101】またステップ2ないし7により、吸気圧力
をサンプリングする毎に、1回前にサンプリングした吸
気圧力と今回サンプリングした吸気圧力との差の絶対値
を判定対象変数として求めるとともに、吸気圧力の変化
の傾きが負であるときの判定対象変数の各判定対象区間
における最大値を判定対象値として求める判定対象変数
最大値演算手段が構成され、ステップ8により判定対象
区間検出手段が構成される。またステップ9〜17によ
り、判定対象変数最大値演算手段により求められた各判
定対象区間における判定対象値が、各判定対象区間の一
つ前の判定対象区間で求められた判定対象値よりも大き
いときに、各判定対象区間を特定の気筒で吸入行程及び
圧縮行程が行われた区間であると判定する判定手段が構
成される。
【0102】上記の例では、吸気圧力の絶対値が増加し
ていく過程での吸気圧力の傾きの最大値を判定対象値と
して、各判定対象区間で検出された判定対象値を比較す
ることにより、行程の判定を行うようにしているが、吸
気圧力の変化に見られる前記bの特徴(吸入・圧縮行程
が行われる1回転の区間では、吸気圧力の変化の傾きの
累積値が、燃焼・排気行程が行われる1回転の区間にお
ける該吸気圧力の変化の傾きの累積値よりも必ず大きく
なるという特徴)を利用して、行程の判定を行うことが
できる。
【0103】即ち、図5に示すように、吸気圧力をサン
プリングする毎に、1回前にサンプリングした吸気圧力
と今回サンプリングした吸気圧力との差を判定対象変数
ΔP0 ,ΔP1 ,…ΔP5 として求めるとともに、各判
定対象区間において求められた判定対象変数の累積値を
判定対象値ΔPsum として求めて、各判定対象区間にお
いて求められた判定対値ΔPsum が、各判定対象区間の
一つ前の判定対象区間で求められた判定対象値ΔPsum2
よりも大きいときに、各判定対象区間を特定の気筒で吸
入・圧縮行程が行われた区間であると判定することがで
きる。
【0104】なおサンプルタイミングを識別する識別番
号をN、識別番号Nのサンプリングタイミングでサンプ
リングされた吸気圧力をPN (N=0,1,2,…5)
とすると、上記ΔP0 〜ΔP5 及び判定対象値ΔPsum
は下記の式により与えられる。
【0105】 N=0でなく、かつPN-1 ≧PN のとき:ΔPN-1 =PN-1 −PN …(1) N=0で、かつP5 ≧P0 のとき: ΔP5 =P5 −P0 …(2) N=0でなく、かつPN-1 <PN のとき: ΔPN-1 =0 …(3) N=0で、かつP5 <P0 のとき: ΔP5 =0 …(4) ΔPsum =ΔP0 +ΔP1 +ΔP2 +ΔP3 +ΔP4 +ΔP5 …(5) 前回サンプリングされた吸気圧力と今回サンプリングさ
れた吸気圧力とが等しいとき、及び吸気圧力の変化の傾
きが正のとき(吸気圧力の絶対値が増加しているとき)
には、判定対象変数ΔP=0とする。
【0106】図5に示した例では、A区間で求められる
判定対象変数ΔP2 ないしΔP5 がそれぞれ零になり、
B区間で求められる判定対象変数ΔP0 ,ΔP2 ,ΔP
3 及びΔP5 がそれぞれ零になる。
【0107】上記のように、吸気圧力の傾きを表す判定
対象変数の累積値を用いて行程の判定を行う場合にEC
U8のマイクロコンピュータに実行させるプログラムの
行程判定ルーチンのアルゴリズムの一例を示すフローチ
ャートを図6に示した。
【0108】図6の例では、ステップ1においてサンプ
リングした吸気圧力をPBとして読み込み、ステップ2
で吸気圧力の今回のサンプリング値PBを前回のサンプ
リング値PB2と比較する。その結果、PB2>PBで
あるときには、ステップ3に進んでPB2−PBを判定
対象変数の現在値ΔPとし、ステップ4においてPBを
前回のサンプリング値PB2とする。次いでステップ5
において、既に求められている判定対象変数の累積値Δ
Psum に判定対象変数の現在値ΔPを加算して今回の判
定対象区間における累積値(判定対象値)ΔPsum を演
算する。
【0109】次にステップ6においてサンプルタイミン
グの識別番号Nが0であるか否かを判定し、N=0でな
いときには何もしないでメインルーチンに戻る。N=0
であるときには、ステップ7に進んでΔPsum と一つ前
の判定対象区間で求められた判定対象値ΔPsum2とを比
較し、ΔPsum >ΔPsum2であるときに行程判定フラグ
BAKUが0であるか否かを判定する。その結果、BA
KU=0であるときには、ステップ9に進んで行程判定
フラグBAKUを1とし、次の判定対象区間が燃焼・排
気行程を行う区間であると判定した後、ステップ10に
移行する。ステップ8においてBAKU=0でないと判
定されたときには、BAKU=1とすることなくステッ
プ10に移行する。
【0110】ステップ10では、次の判定対象区間での
判定に備えて、判定対象値ΔPsum2を今回の判定対象区
間で演算された判定対象値ΔPsum で置き換えるととも
に、判定対象値の現在値ΔPsum 及び判定対象変数の現
在値ΔPをともに0にした後、メインルーチンに戻る。
【0111】ステップ7においてΔPsum >ΔPsum2で
ないと判定されたときには、ステップ12に進んで、Δ
Psum <ΔPsum2が成立しているか否かを判定し、その
結果ΔPsum <ΔPsum2が成立していると判定されたと
きには、ステップ13に進んで行程判定フラグBAKU
が1であるか否かを判定する。その結果、行程判定フラ
グBAKUが1であると判定されたときには、ステップ
14において行程判定フラグBAKUを0として、次の
判定対象区間が吸入・圧縮行程を行う区間であると判定
した後、前記のステップ10に移行する。
【0112】ステップ12においてΔPsum <ΔPsum2
の関係の成立が否定されたとき、及びステップ13にお
いてBAKU=1でないと判定されたときには、結果が
矛盾するため、ステップ15において行程の判定が不可
であるとした後、ステップ10に移行する。
【0113】図6に示した例では、ステップ1ないしス
テップ5により、吸気圧力をサンプリングする毎に、1
回前にサンプリングした吸気圧力と今回サンプリングし
た吸気圧力との差を判定対象変数として求めるととも
に、各判定対象区間において求められた判定対象変数の
累積値を判定対象値として求める判定対象変数累積値演
算手段が構成される。またステップ6ないし15によ
り、各判定対象区間において求められた前記判定対象値
が、各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求められ
た判定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を特
定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間である
と判定する(次の判定対象区間を燃焼・排気行程が行割
れる区間であると判定する)判定手段が構成される。
【0114】図6に示した例では、吸気圧力の変化の傾
きの累積値から行程の判定を行うようにしたが、図6に
示したアルゴリズムとほぼ同様のアルゴリズムで、吸気
圧力の変化の傾きの平均値から行程の判定を行うことも
できる。吸気圧力の変化の傾きの平均値を用いて行程の
判定を行う場合には、図6のステップ5において判定対
象変数の累積値ΔPsum を演算する変わりに、吸気圧力
の傾きを表す判定対象変数ΔPの平均値ΔPavを演算
し、ステップ7及び12において、直前の判定対象区間
において演算された平均値ΔPavを一つ前の判定対象区
間において演算された平均値ΔPavと比較するようにす
ればよい。
【0115】上記の例では、基準信号Vp1が発生した直
後に検出される回転角検出信号のゼロクロス点を機関の
ピストンの上死点に一致させているが、基準信号Vp1の
発生位置を機関のピストンの上死点に一致させて、各基
準信号Vp1の発生位置から次の基準信号の発生位置まで
の区間を判定対象区間とするようにしてもよい。
【0116】上記の例では、回転角センサ16が出力す
る交流電圧波形のゼロクロス点をサンプリング位置とし
て用いるようにしたが、オッシレータが一定の周期で発
生する一連のパルス信号をサンプルタイミング信号とし
て用いて、各サンプルタイミング信号が発生する毎に吸
気圧力をサンプリングするようにしてもよい。
【0117】このように、一定の周期(時間間隔)で発
生するサンプルタイミング信号によりサンプルタイミン
グを定めるようにすると、機械的なセンサとしては基準
信号発生器15のみを設ければよく、回転角センサは不
要になるため、構成の簡素化を図ることができる。また
図1に示した例では、磁石発電機7内の発電コイルを回
転角センサ16として用いる必要がなくなるため、磁石
発電機7により駆動し得る負荷を増大させることができ
る。また磁石発電機7により駆動する負荷を同じとした
場合には、磁石発電機の小形化を図ることができる。
【0118】図1に示した例では、圧力センサ12をス
ロットルバルブ1mの近傍に設けているが、吸気管に吸
気圧力の変動を吸収するサージタンクが設けられている
場合には、スロットルバルブ1mの近傍で検出した吸気
圧力に機関の行程変化に伴う圧力変動が現れ難いため、
サージタンクと機関の吸気ポートとの間の部分で吸気圧
力を検出するようにするのが好ましい。
【0119】上記の例では単気筒内燃機関を例にとった
が、多気筒内燃機関の場合には、特定の一つの気筒の行
程変化が反映された吸気圧力の最小値を求めることによ
り、特定の気筒の行程を判定し、他の気筒の行程は、特
定の気筒での行程変化に対する機械的角度のずれから判
定するようにすればよい。
【0120】多気筒内燃機関において、各気筒毎に独立
に吸気管が設けられている場合には、特定の気筒に対し
て設けられた吸気管内の圧力を検出することにより、特
定の気筒で行われる行程の変化が反映された吸気圧力を
検出することができる。
【0121】多気筒の内燃機関において、複数の気筒の
吸気管が1つの吸気管にまとめて接続されている場合に
は、例えば特定の気筒の吸気ポート付近で吸気圧力を検
出することにより、特定の気筒で行われる行程の変化が
反映された吸気圧力を検出することができる。
【0122】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、4サイ
クル内燃機関の吸気圧力の変化の傾きの情報を含む量を
判定対象変数として、各判定対象区間における判定対象
変数の大きさが反映された量を判定対象値として求め、
各判定対象区間で求められた判定対象値が、各判定対象
区間の一つ前の判定対象区間で求められた判定対象値よ
りも大きいときに、各判定対象区間を特定の気筒で吸入
行程及び圧縮行程が行われた区間であると判定するよう
にしたので、スロットルバルブが全開状態にあって吸気
圧力に細かい脈動が生じる状態や、機関の急減速時のよ
うに、吸気圧力の絶対値が増加していく状態でも行程判
定を正確に行うことができ、機関がいかなる運転状態に
ある場合でも、行程判定を適確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ECUにより内燃機関を制御するシステムの構
成例を示した構成図である。
【図2】本発明に係わる行程判定装置の構成を示したブ
ロック図である。
【図3】本発明の実施形態において検出される内燃機関
の吸気圧力の変化と、回転角検出信号の波形と、基準信
号の波形と、これらの信号波形の各部に対応する機関の
行程とを示したグラフである。
【図4】図1に示したシステムにおいて行程判定装置を
構成するためにECUのマイクロコンピュータが実行す
るプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャ
ートである。
【図5】本発明の他の実施形態において検出される内燃
機関の吸気圧力の変化と、吸気圧力のサンプルタイミン
グを定めるサンプルタイミング信号の波形と、基準信号
の波形とをこれらの信号の各部に対応する機関の判定結
果とともに示したグラフである。
【図6】本発明の他の実施形態においてECUのマイク
ロコンピュータが実行するプログラムのアルゴリズムの
一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…4サイクル内燃機関、2…点火プラグ、3…インジ
ェクタ、7…磁石発電機、8…ECU、12…圧力セン
サ、15…基準信号発生器(パルサ)、16…回転角セ
ンサ(磁石発電機の発電コイル)。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4サイクル内燃機関のクランク軸が特定
    の気筒のピストンの上死点に相応する位置から1回転す
    る区間を判定対象区間として、各判定対象区間が前記特
    定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間か、燃
    焼行程及び排気行程が行われた区間かを判定する行程判
    定方法であって、 前記特定の気筒で行われる行程変化が反映された前記内
    燃機関の吸気圧力を検出し、 前記吸気圧力の変化の傾きの情報を含む量を判定対象変
    数として、各判定対象区間における判定対象変数の大き
    さが反映された量を判定対象値として求め、 各判定対象区間で求められた前記判定対象値が、各判定
    対象区間の一つ前の判定対象区間で求められた判定対象
    値よりも大きいときに、各判定対象区間を前記特定の気
    筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間であると判定
    する4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  2. 【請求項2】 前記判定対象値は、各判定対象区間にお
    いて前記吸気圧力の絶対値が増加していく過程で吸気圧
    力の変化の傾きが最大になったときの前記判定対象変数
    の値である請求項1に記載の4サイクル内燃機関の行程
    判定方法。
  3. 【請求項3】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力のク
    ランク角に対する傾きであり、 前記判定対象値は、各判定対象区間で前記吸気圧力の絶
    対値が増加していく過程における前記判定対象変数の最
    大値である請求項1に記載の4サイクル内燃機関の行程
    判定方法。
  4. 【請求項4】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力の時
    間に対する傾きであり、 前記判定対象値は、各判定対象区間で前記吸気圧力の絶
    対値が増加していく過程における前記判定対象変数の最
    大値である請求項1に記載の4サイクル内燃機関の行程
    判定方法。
  5. 【請求項5】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力の単
    位時間あたりの変化量であり、 前記判定対象値は、前記吸気圧力の絶対値が増加してい
    く過程で前記吸気圧力の時間に対する傾きが最大になっ
    たときの前記判定対象変数である請求項1に記載の4サ
    イクル内燃機関の行程判定方法。
  6. 【請求項6】 前記判定対象変数は、前記クランク軸が
    単位角度回転する間に生じる前記吸気圧力の変化量であ
    り、 前記判定対象値は、前記吸気圧力の絶対値が増加してい
    く過程で前記吸気圧力のクランク角に対する傾きが最大
    になったときの前記判定対象変数である請求項1に記載
    の4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  7. 【請求項7】 前記判定対象値は、各判定対象区間にお
    ける前記判定対象変数の累積値である請求項1に記載の
    4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  8. 【請求項8】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力のク
    ランク角に対する傾きであり、前記判定対象値は、各判
    定対象区間における前記判定対象変数の累積値である請
    求項1に記載の4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  9. 【請求項9】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力の時
    間に対する傾きであり、 前記判定対象値は、各判定対象区間における前記判定対
    象変数の累積値である請求項1に記載の4サイクル内燃
    機関の行程判定方法。
  10. 【請求項10】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力の
    単位時間あたりの変化量であり、 前記判定対象値は、各判定対象区間における前記判定対
    象変数の累積値である請求項1に記載の4サイクル内燃
    機関の行程判定方法。
  11. 【請求項11】 前記判定対象変数は、前記クランク軸
    が単位角度回転する間に生じる前記吸気圧力の変化量で
    あり、 前記判定対象値は、各判定対象区間における前記判定対
    象変数の累積値である請求項1に記載の4サイクル内燃
    機関の行程判定方法。
  12. 【請求項12】 前記判定対象値は、各判定対象区間に
    おける前記判定対象変数の平均値である請求項1に記載
    の4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  13. 【請求項13】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力の
    クランク角に対する傾きであり、前記判定対象値は、各
    判定対象区間における前記判定対象変数の平均値である
    請求項1に記載の4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  14. 【請求項14】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力の
    時間に対する傾きであり、 前記判定対象値は、各判定対象区間における前記判定対
    象変数の平均値である請求項1に記載の4サイクル内燃
    機関の行程判定方法。
  15. 【請求項15】 前記判定対象変数は、前記吸気圧力の
    単位時間あたりの変化量であり、 前記判定対象値は、各判定対象区間における前記判定対
    象変数の平均値である請求項1に記載の4サイクル内燃
    機関の行程判定方法。
  16. 【請求項16】 前記判定対象変数は、前記クランク軸
    が単位角度回転する間に生じる前記吸気圧力の変化量で
    あり、 前記判定対象値は、各判定対象区間における前記判定対
    象変数の平均値である請求項1に記載の4サイクル内燃
    機関の行程判定方法。
  17. 【請求項17】 4サイクル内燃機関のクランク軸が特
    定の気筒のピストンの上死点に相応する位置から1回転
    する区間を判定対象区間として、各判定対象区間が、前
    記特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間
    か、燃焼行程及び排気行程が行われた区間かを判定する
    行程判定方法であって、 各判定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生
    するサンプルタイミング信号発生手段と、前記内燃機関
    のクランク軸の特定の回転角度位置に設定された基準回
    転角度位置で基準信号を発生する基準信号発生器とを設
    けておき、 前記特定の気筒で行われる行程の変化が反映された前記
    内燃機関の吸気圧力を前記サンプルタイミング信号が発
    生する毎にサンプリングし、 前記基準信号を基にして各判定対象区間を検出し、 前記吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前にサンプ
    リングした吸気圧力と今回サンプリングした吸気圧力と
    の差を判定対象変数として求めて、吸気圧力の傾きが負
    であるときの判定対象変数の各判定対象区間における最
    大値を判定対象値として求め、 各判定対象区間で求められた前記判定対象値が、各判定
    対象区間の一つ前の判定対象区間で求められた判定対象
    値よりも大きいときに、各判定対象区間を前記特定の気
    筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間であると判定
    する4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  18. 【請求項18】 4サイクル内燃機関のクランク軸が特
    定の気筒のピストンの上死点に相応する位置から1回転
    する区間を判定対象区間として、各判定対象区間が、前
    記特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間
    か、燃焼行程及び排気行程が行われた区間かを判定する
    行程判定方法であって、 各判定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生
    するサンプルタイミング信号発生手段と、前記内燃機関
    のクランク軸の特定の回転角度位置に設定された基準回
    転角度位置で基準信号を発生する基準信号発生器とを設
    けておき、 前記特定の気筒で行われる行程の変化が反映された前記
    内燃機関の吸気圧力を前記サンプルタイミング信号が発
    生する毎にサンプリングし、 前記基準信号を基にして各判定対象区間を検出し、 前記吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前にサンプ
    リングした吸気圧力と今回サンプリングした吸気圧力と
    の差を判定対象変数として求めるとともに、各判定対象
    区間において求められた判定対象変数の累積値を判定対
    象値として求め、 各判定対象区間において求められた前記判定対対象値
    が、各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求められ
    た判定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を前
    記特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間で
    あると判定する4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  19. 【請求項19】 4サイクル内燃機関のクランク軸が特
    定の気筒のピストンの上死点に相応する位置から1回転
    する区間を判定対象区間として、各判定対象区間が、前
    記特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間
    か、燃焼行程及び排気行程が行われた区間かを判定する
    行程判定方法であって、 各判定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生
    するサンプルタイミング信号発生手段と、前記内燃機関
    のクランク軸の特定の回転角度位置に設定された基準回
    転角度位置で基準信号を発生する基準信号発生器とを設
    けておき、 前記特定の気筒で行われる行程の変化が反映された前記
    内燃機関の吸気圧力を前記サンプルタイミング信号が発
    生する毎にサンプリングし、 前記基準信号を基にして各判定対象区間を検出し、 前記吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前にサンプ
    リングした吸気圧力と今回サンプリングした吸気圧力と
    の差を判定対象変数として求めるとともに、各判定対象
    区間において求められた判定対象変数の平均値を判定対
    象値として求め、 各判定対象区間において求められた前記判定対象値が、
    各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求められた判
    定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を前記特
    定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間である
    と判定する4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  20. 【請求項20】 前記サンプルタイミング信号発生手段
    は、前記内燃機関のクランク軸の複数の異なる回転角度
    位置の情報をそれぞれ複数のサンプリング位置の情報と
    して含む回転角検出信号を発生する回転角センサと、前
    記回転角検出信号から前記複数のサンプリング位置をそ
    れぞれ検出して各サンプリング位置で前記サンプルタイ
    ミング信号を発生するサンプリング位置検出手段とから
    なっている請求項17,18または19に記載の4サイ
    クル内燃機関の行程判定方法。
  21. 【請求項21】 前記サンプルタイミング信号発生手段
    は、一定の周期で前記サンプルタイミング信号を発生す
    る発振器からなっている請求項17,18または19に
    記載の4サイクル内燃機関の行程判定方法。
  22. 【請求項22】 4サイクル内燃機関のクランク軸が特
    定の気筒のピストンの上死点に相応する位置から1回転
    する区間を判定対象区間として、各判定対象区間が前記
    特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間か、
    燃焼行程及び排気行程が行われた区間かを判定する行程
    判定装置であって、 各判定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生
    するサンプルタイミング信号発生手段と、 前記内燃機関のクランク軸の特定の回転角度位置に設定
    された基準回転角度位置で基準信号を発生する基準信号
    発生器と、 前記基準信号の発生位置を基にして各判定対象区間を検
    出する判定対象区間検出手段と、 前記特定の気筒で行われる行程の変化が反映された前記
    内燃機関の吸気圧力を前記サンプルタイミング信号が発
    生する毎にサンプリングする吸気圧力サンプリング手段
    と、 前記吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前にサンプ
    リングした吸気圧力と今回サンプリングした吸気圧力と
    の差の絶対値を判定対象変数として求めるとともに、前
    記吸気圧力の変化の傾きが負であるときの前記判定対象
    変数の各判定対象区間における最大値を判定対象値とし
    て求める判定対象変数最大値演算手段と、 前記判定対象変数最大値演算手段により求められた各判
    定対象区間における判定対象値が、各判定対象区間の一
    つ前の判定対象区間で求められた判定対象値よりも大き
    いときに、各判定対象区間を前記特定の気筒で吸入行程
    及び圧縮行程が行われた区間であると判定する判定手段
    と、 を具備した4サイクル内燃機関の行程判定装置。
  23. 【請求項23】 4サイクル内燃機関のクランク軸が特
    定の気筒のピストンの上死点に相応する位置から1回転
    する区間を判定対象区間として、各判定対象区間が前記
    特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間か、
    燃焼行程及び排気行程が行われた区間かを判定する行程
    判定装置であって、 各判定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生
    するサンプルタイミング信号発生手段と、 前記内燃機関のクランク軸の特定の回転角度位置に設定
    された基準回転角度位置で基準信号を発生する基準信号
    発生器と、 前記基準信号の発生位置を基にして各判定対象区間を検
    出する判定対象区間検出手段と、 前記特定の気筒で行われる行程の変化が反映された前記
    内燃機関の吸気圧力を前記サンプルタイミング信号が発
    生する毎にサンプリングする吸気圧力サンプリング手段
    と、 前記吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前にサンプ
    リングした吸気圧力と今回サンプリングした吸気圧力と
    の差を判定対象変数として求めるとともに、各判定対象
    区間において求められた判定対象変数の累積値を判定対
    象値として求める判定対象変数累積値演算手段と、 各判定対象区間において求められた前記判定対象値が、
    各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求められた判
    定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を前記特
    定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間である
    と判定する判定手段と、 を具備した4サイクル内燃機関の行程判定装置。
  24. 【請求項24】 4サイクル内燃機関のクランク軸が特
    定の気筒のピストンの上死点に相応する位置から1回転
    する区間を判定対象区間として、各判定対象区間が前記
    特定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間か、
    燃焼行程及び排気行程が行われた区間かを判定する行程
    判定装置であって、 各判定対象区間でサンプルタイミング信号を複数回発生
    するサンプルタイミング信号発生手段と、 前記内燃機関のクランク軸の特定の回転角度位置に設定
    された基準回転角度位置で基準信号を発生する基準信号
    発生器と、 前記基準信号の発生位置を基にして各判定対象区間を検
    出する判定対象区間検出手段と、 前記特定の気筒で行われる行程の変化が反映された前記
    内燃機関の吸気圧力を前記サンプルタイミング信号が発
    生する毎にサンプリングする吸気圧力サンプリング手段
    と、 前記吸気圧力をサンプリングする毎に、1回前にサンプ
    リングした吸気圧力と今回サンプリングした吸気圧力と
    の差を判定対象変数として求めるとともに、各判定対象
    区間において求められた判定対象変数の平均値を判定対
    象値として求める判定対象変数平均値演算手段と、 各判定対象区間において求められた前記判定対象値が、
    各判定対象区間の一つ前の判定対象区間で求められた判
    定対象値よりも大きいときに、各判定対象区間を前記特
    定の気筒で吸入行程及び圧縮行程が行われた区間である
    と判定する判定手段と、 を具備した4サイクル内燃機関の行程判定装置。
  25. 【請求項25】 前記サンプルタイミング信号発生手段
    は、前記内燃機関のクランク軸の複数の異なる回転角度
    位置の情報をそれぞれ複数のサンプリング位置の情報と
    して含む回転角検出信号を発生する回転角センサと、前
    記回転角検出信号から前記複数のサンプリング位置をそ
    れぞれ検出して各サンプリング位置で前記サンプルタイ
    ミング信号を発生するサンプリング位置検出手段とから
    なっている請求項22,23または24に記載の4サイ
    クル内燃機関の行程判定装置。
  26. 【請求項26】 前記サンプルタイミング信号発生手段
    は、一定の周期で前記サンプルタイミング信号を発生す
    る発振器からなっている請求項22,23または24に
    記載の4サイクル内燃機関の行程判定装置。
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