JP4530164B2 - エンジンの燃料噴射制御方法及び装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射制御方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジン用のインジェクタ(電子式燃料噴射弁)から噴射させる燃料の量を制御する燃料噴射制御装置に関するものである。
電子制御式の燃料噴射装置(EFI)において、エアフローメータを用いずに燃料の噴射量を決定して、インジェクタからの燃料噴射量を制御する場合には、吸入行程においてシリンダ内に吸入される空気の量(吸入空気量)を何らかの方法で推定して、推定した吸入空気量に対して混合気の空燃比を所定の範囲に保つように燃料噴射量を決定する必要がある。
4サイクルエンジンの吸入行程においてシリンダ内に吸入される空気量を推定する方法として、スピード・デンシティ方式が広く採用されている。スピード・デンシティ方式では、吸気管内のスロットルバルブよりも下流側の絶対圧力を吸気管内圧力として検出する圧力センサと、エンジンの回転速度を演算する回転速度演算手段とを設けて、圧力センサにより検出された吸気管内圧力と、回転速度演算手段により演算されたエンジンの回転速度と、エンジンの体積効率とから吸入空気量を推定し、推定した吸入空気量に対して適正な空燃比を得るために必要な燃料噴射量を、冷却水温度、吸気温度等の各種の制御条件に対して演算している。
制御の対象とするエンジンが、単気筒エンジンや、各気筒毎に吸気管が独立に設けられている多気筒エンジンであって、各吸気管内の圧力がエンジンの行程変化に伴って変動する場合には、上記吸入空気量を推定する際に用いる吸気管内圧力の値として、吸気行程の終期に生じる吸気管内圧力の極小値を用いている。
インジェクタからの燃料噴射量は、インジェクタに与えられる燃料の圧力とインジェクタから燃料を噴射させる時間(燃料噴射時間)との積により決まる。一般にインジェクタに与えられる燃料の圧力は、圧力調整器により一定に保たれるため、インジェクタからの燃料噴射量は燃料噴射時間により管理される。
エンジンを制御する電子式制御装置(ECU)は、各種の制御条件に対して、混合気の空燃比を適正な範囲に保つために必要な基本燃料噴射量を基本噴射時間の形で演算し、エンジンの吸気行程が開始されるクランク角位置よりも進んだ位置に設定された同期噴射位置で基本噴射時間の間燃料を噴射させるようにインジェクタを駆動して、基本噴射量の燃料の噴射を行なわせる。
上記のような制御を行なわせるためには、同期噴射位置を検出するために、エンジンのクランク角情報を含む信号を発生する信号発生装置を設ける必要がある。また各クランク角位置におけるエンジンの行程を判別する手段を設ける必要もある。エンジンのクランク角情報を含む信号を発生する信号発生装置としては、例えば、特許文献1に示されているように、エンジンのクランク角位置が設定された位置に一致したことを示すパルスをクランク軸が1回転する間に1回だけ発生するパルサと、クランク軸が一定の角度回転する毎にクランク角信号を発生するクランク角信号発生装置とが用いられている。
パルサは、エンジンのクランク軸に取り付けられたロータに設けられたリラクタのエッジを検出してパルスを発生するパルス発生器で、図7(A)に示すように、エンジンのピストンが上死点に達するときのクランク角位置(上死点位置)TDCよりも十分に位相が進んだ位置に設定された基準クランク角位置θ1で第1パルスVs1を発生し、上死点位置TDCに近い位置に設定された設定クランク角位置θ2で第2パルスVs2を発生する。これらのパルスVs1及びVs2を波形整形回路により波形整形して得た図7(B)及び(C)のパルスVp1及びVp2がクランク角情報を得るための信号として電子式制御ユニット(ECU)のマイクロプロセッサに与えられる。
ECUのマイクロプロセッサは、パルスVp1を認識したときに、第1パルスVs1が発生したことを認識して、エンジンのクランク軸の回転角度位置が基準回転角度位置に一致したことを検出する。エンジンが4サイクルエンジンである場合には、第1パルスVs1が1燃焼サイクル当たり2回発生する。
またクランク角信号発生装置は、例えば、エンジンに取り付けられた発電機内に設けられて、クランク角θに対して図7(D)に示すような正弦波形の位相信号を発生する発電コイルと、この位相信号の特定の零クロス点を検出してパルスを発生する零クロス検出回路とを備えていて、零クロス検出回路から図7(E)に示すような一連のパルス信号をクランク角信号Vgとして発生させる。図示の例では、位相信号がクランク軸の1回転当たり6サイクル発生し、クランク角信号が1回転当たり6回発生する。
特許文献1に示された装置では、各クランク角信号Vgが発生するクランク角位置を吸気管内圧力のサンプリング位置として用いており、1燃焼サイクルの間(クランク軸が2回転する間)に発生する12個のクランク角信号Vgのそれぞれの発生位置で吸気管内圧力をサンプリングしている。
ECUは、別途設けられた行程判別手段による行程の判別結果と、パルサが発生する第1パルスVs1とを用いて、12個のクランク角信号Vgのそれぞれの発生位置を識別する。図示の例では、吸気行程が開始される際の上死点位置よりも一定角度位相が進んだクランク角位置でパルサが第2パルスVs2を発生した次に発生するクランク角信号Vgの発生位置に番号0を付し、以下順次現れるクランク角信号の発生位置に1,2,…,11の番号を付して、1燃焼サイクルの間に現れる12個のサンプリング位置を識別する。そして、1燃焼サイクルの区間に順次現れる12個のサンプリング位置0,1,2,…,11でそれぞれ吸気管内圧力PBをサンプリングし、サンプリングした吸気管内圧力をそのサンプリング位置を示す番号とともにRAMに記憶する。
行程判別手段は、1燃焼サイクル当り1回転するカム軸の回転角度位置が所定の位置(例えば吸気行程が開始される際の上死点位置)に一致したときに信号を発生するカム軸センサの出力から行程を判別したり、行程の変化に伴う吸気管内圧力の変化から吸気・圧縮行程と燃焼・膨張行程とを判別したりするように構成することができる。エンジンの吸気管内圧力の変化から吸気・圧縮行程と、燃焼・膨張行程とを判別する方法は、特許文献2に示されている。
エンジンの吸気管内圧力PBは、エンジンのクランク角θに対して例えば図8(A)に示すような変化を示す。同図に実線で示した曲線aは、エンジンのアイドリング時における吸気管内圧力を示し、破線の曲線bはエンジンの加速操作が行われた際の吸気管内圧力を示している。また図8(B)は図7(E)に示したクランク角信号Vgを示し、図8(C)はインジェクタ駆動回路に与えられる燃料噴射信号を示している。吸気管内圧力PBは、吸気行程が開始された後クランク角の変化に伴って低下していき、極小値PBminを迎えた後極大値PBmaxに向けて上昇していく。この例では、吸気行程が開始されるクランク角位置よりも位相が進んだ位置に設定された番号10のクランク角信号の発生位置を同期噴射位置として、各同期噴射位置で燃料噴射信号Vjを発生させている。燃料噴射信号Vjはインジェクタ駆動回路に与えられる。インジェクタ駆動回路は燃料噴射信号Vjが与えられている間インジェクタのソレノイドに駆動電流を流してインジェクタの弁を開き、該インジェクタから燃料を噴射させる。
吸気管内圧力はスロットル開度(スロットルバルブの開度)の増大に伴って高くなっていくため、加速操作を行うためにスロットルバルブを開くと、図8(A)に破線で示した曲線のように、アイドリング時の値よりも高い値を示す。
スピード・デンシティ方式のEFIエンジンでは、各燃焼サイクルの吸気行程で燃料を噴射する際の基本噴射量を与える基本噴射時間を、前回の燃焼サイクルにおける吸気行程で検出された吸気管内圧力(吸気管内圧力に極小値が現れる場合にはその極小値)と回転速度とに基づいて推定した吸入空気量と、各種の制御条件とに基づいて演算している。
スロットル開度がほぼ一定に保たれている場合や、スロットル開度がゆっくりと変化させられる場合には、基本噴射時間を演算するために用いた前回の吸入行程における吸入空気量と今回の吸入行程における吸入空気量との間に大きな差が生じないため、上記のようにして演算した基本噴射時間をそのまま実際の噴射時間としても問題がない。
しかし、エンジンを加速するためにスロットル開度が急に増加させられた場合には、基本噴射時間を演算した際の吸気管内圧力と、実際に燃料を噴射する際の吸気管内圧力との間に大きな差が生じるため、上記のようにして演算された基本噴射時間をそのまま実際の噴射時間として用いると、燃料噴射量が不足して空燃比がリーン側にずれる。
例えば、エンジンがアイドリング状態にあって、図8(A)の曲線aのように吸気管内圧力が変化しているときに、ある燃焼サイクルのクランク角位置θaでスロットルバルブを急に開いたとすると、次の燃焼サイクルでは図8(A)の曲線bのように吸気管内圧力が上昇する。このとき曲線aの極小値を用いて演算した基本噴射時間を実噴射時間として用いると、燃料の量が大幅に不足することになり、空燃比がリーン側にずれてしまう。エンジンの加速時に空燃比がリーン側にずれると、排気ガスの成分が悪化したり、運転性能が低下したりするので好ましくない。
上記の問題を解決するため、スピード・デンシティ方式を採用した電子制御式の燃料噴射制御装置においては、スロットル開度の変化からエンジンの加速状態を検出する手段を設けて、加速状態が検出されたときに、燃料が不足しないように燃料噴射時間を補正するようにしている。しかしながら、このように、スロットル開度の変化からエンジンの加速状態を検出するには、スロットル開度を検出するスロットルセンサを必要とするため、コストが高くなるのを避けられない。
そこで、特許文献2に示されているように、スロットルセンサを用いずに、吸気管内の圧力の変化からエンジンの加速状態を検出する方法が提案されている。この既提案の方法では、エンジンのクランク軸の複数の回転角度位置をサンプリング位置として定めておいて、各サンプリング位置でエンジンの吸気管内圧力をサンプリングし、サンプリングした吸気管内圧力を記憶しておく。そして、各サンプリング位置で吸気管内圧力をサンプリングする毎に新たにサンプリングした吸気管内圧力を1燃焼サイクル前の同じサンプリング位置でサンプリングした前回の吸気管内圧力と比較し、その比較の結果からエンジンが加速状態にあるか否かが判定される。
即ち、新たにサンプリングした吸気管内圧力と1燃焼サイクル前の同じサンプリング位置でサンプリングした前回の吸気管内圧力とを比較した結果、新たにサンプリングした吸気管内圧力が前回サンプリングした吸気管内圧力よりも所定レベル以上高いときにエンジンが加速状態にあることを検出する。例えば図8において、番号0のサンプリング位置で新たにサンプリングした吸気管内圧力P1 と前回同じサンプリング位置でサンプリングした吸気管内圧力P1Bとの差ΔP(=P1−P1B)が判定値を超えているときに、エンジンが加速状態にあることを検出する。
このように、エンジンの複数のクランク角位置を、サンプリング位置として定めておいて、各サンプリング位置で吸気管内圧力をサンプリングする毎に新たにサンプリングした吸気管内圧力を1燃焼サイクル前の同じサンプリング位置でサンプリングした吸気管内圧力と比較することにより、エンジンが加速状態にあることを検出するようにすると、スロットルポジションセンサを用いることなく、エンジンの加速状態を検出することができる。そして、図8(C)に示すように、予め定められた同期噴射位置θi でインジェクタの駆動回路に燃料噴射信号Vjを与えて燃料の同期噴射を行わせた後、上記の方法により加速状態が検出されたときに、インジェクタの駆動回路に加速増量燃料噴射信号Vj ´を与えることにより、加速増量噴射を行わせて、燃料の不足分を補うことができる。
上記既提案の燃料噴射制御方法によった場合には、加速状態の判定に1燃焼サイクル分の遅れが生じるため、エンジンが加速状態になってから加速増量噴射が行なわれまでに遅れが生じ、加速時に燃料の噴射量が不足して、最悪の場合にはエンジンがストールするおそれがあった。
そこで、本出願人は、特許文献1に示されているように、吸気行程において吸気管内圧力が極小値PBminに向けて下降していく過程で加速状態の有無の判定を行ない、この判定で加速状態であると判定されたときに直ちに加速増量噴射を行なわせる方法を提案した。
特許文献1に示された方法では、図9に示したように、各吸気行程の前半に設定したサンプリング位置、例えば番号0が付されたサンプリング位置及び番号1が付されたサンプリング位置でそれぞれ吸気管内圧力PB0及びPB1をサンプリングしてこれらの差ΔPB=PB0−PB1を求め、PB1のサンプリング位置の次に発生する吸気管内圧力の極小値を予測極小値ΔPBminyとして、下記の式により求める。
ΔPBminy=PB1−ΔPB×k …(1)
ここで、kは、PB1をサンプリングした後、同じ吸気行程で生じる吸気管内圧力の極小値をうまく予測できるように実験的に定めた係数である。
ECUは、上記のようにして求めた予測極小値PBminyと吸気管内圧力の直前の極小値PBminとから吸気管内圧力の極小値の変化分ΔPBminを求め、この変化分ΔPBminとPBminとから加速時の燃料噴射量の増量分を与える噴射時間を加速増量噴射時間として演算する。そして、図9(C)に示すように、加速増量噴射時間が演算された時に即時にインジェクタ駆動回路に加速増量用の燃料噴射信号Vj′を与えて、演算された加速増量噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させる。
特開2003−138974号公報 特願2001−38072号公報
上記のように、特許文献1に示された既提案の燃料噴射制御方法では、各燃焼サイクルの吸気行程中でその吸気行程で生じる吸気管内圧力の極小値を事前に予測して、加速増量噴射時間を求めている。しかしながら、その後の解析の結果、エンジンによっては、吸気バルブのタイミングにより、吸気行程の後半にならないと吸気管内圧力の極小値を予測できないことがあることが明らかになった。吸気行程の後半で加速増量噴射を行なわせた場合には、その燃焼サイクルでの燃料の増量が間に合わず、加速性能が悪くなるのを避けられない。
本発明の一つの目的は、吸気管内圧力とクランク角信号とを用いて早期に加速状態を判別して、エンジンが加速状態になったとき(エンジンの負荷が大きくなったときに)早い段階で加速増量噴射を行なわせて、加速性能が低下するのを防ぐことができるようにしたエンジンの燃料噴射制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の燃料噴射制御方法を実施するために用いる燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明は、エンジンの吸気管内圧力と回転速度と各種の制御条件とに対して基本噴射時間を演算し、前記エンジンの吸気行程が開始されるクランク角位置よりも位相が進んだクランク角位置に設定された同期噴射位置で基本噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるエンジンの燃料噴射制御方法に適用される。
本発明においては、エンジンの1燃焼サイクルの回転角度区間を、吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を始点とし吸気管内圧力が極大値に達するクランク角位置の手前側で該吸気管内圧力が極大値よりも小さく設定された境界値を示すクランク角位置を終点とする第1の区間と、第1の区間の終点を始点とし吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置を終点とする第2の区間と、第2の区間の終点を始点とし吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を終点とする第3の区間とに分ける。
そして、第1の区間では、吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量を用いてエンジンのスロットルバルブの開口面積に比例した値を示すスロットル開口面積比例値を演算するとともにこの比例値から吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算して、該第1区間加速増量制御用予測極小値が吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第1区間加速増量制御用予測極小値に対して演算した第1区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
また第3の区間では、設定クランク角位置で検出した吸気管内圧力と回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算して該第3区間加速増量制御用予測極小値が吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第3区間加速増量制御用予測極小値に対してトータル加速増量噴射時間を演算して、該トータル加速増量噴射時間が第1区間用加速増量噴射時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から第1区間用加速増量噴射時間を差し引いて求めた第3区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
第2の区間では、スロットル開度が大きくなったときに吸気管内での空気の反射によると考えられる圧力の脈動が生じるため、スロットル開口面積比例値を精度よく演算することができず、吸気管内圧力の極小値を精度よく予測することができない。従って、第2の区間では、スロットル開口面積比例値に基づいて加速増量噴射時間を求めることは行なわない。
上記の方法によると、スロットルセンサを用いることなく、吸気管内圧力が極小値から極大値に向けて上昇していく第1の区間及び吸気管内圧力が極大値を過ぎた後、設定クランク角位置から極小値に向けて下降していく第3の区間でそれぞれエンジンが加速状態になったときに加速増量噴射時間を演算して直ちに加速増量用の燃料噴射信号を発生させることができるため、エンジンが加速状態にされたときに遅滞なく加速増量噴射を行なわせてエンジンの加速時の燃料噴射制御の応答性を良好にすることができ、エンジンの加速時に燃料噴射量が不足するのを防ぐことができる。
また吸気管内圧力が極小値に向けて下降していく区間(第3の区間)では、その前半の早い段階で精度よく吸気管内圧力の極小値を予測して、加速状態の検出と加速増量噴射時間の演算とを行なうことができるため、既提案の燃料噴射制御方法による場合よりも、加速時の燃料噴射制御の応答性を良好にすることができる。
本発明の好ましい態様では、次のようにして第1ないし第3の区間で加速増量噴射を行なわせる。
第1の区間では、吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量を用いてエンジンのスロットルバルブの開口面積に比例した値を示すスロットル開口面積比例値を演算するとともにこの比例値から前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算して、該第1区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに予測極小値に対して演算した第1区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
第2の区間では、第1の区間で加速増量噴射が行なわれなかった状態で吸気管内圧力が設定した参照値を超えたときにエンジンの回転速度に対して演算した第2区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
第3の区間では、設定クランク角位置で検出した吸気管内圧力と回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算して該第3区間加速増量制御用予測極小値が吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第3区間加速増量制御用予測極小値に対してトータル加速増量噴射時間を演算して、該トータル加速増量噴射時間が第1の区間及び第2の区間で既に行なわれた加速増量噴射よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から第1の区間及び第2の区間で既に行なわれた加速増量噴射の噴射時間を差し引いて求めた第3区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
上記の方法によると、吸気管内圧力の極小値の予測が困難な第2の区間においても加速の判定を行なって加速増量噴射時間を演算できるため、如何なるタイミングでスロットルバルブが開かれた場合(加速操作が行なわれた場合)にも加速増量噴射を行なわせて、加速時の燃料噴射制御の応答性を良好にすることができる。
本発明の他の好ましい態様では、第1の区間ないし第3の区間で以下のような制御が行なわれる。
第1の区間では、エンジンのスロットルバルブの開口面積とエンジンの吸気管内の容積と前記スロットルバルブを通して吸気管内に単位時間当たりに流入する空気の流量とエンジンの吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量との間に成立する関係を用いて、スロットルバルブの開口面積に比例する値をスロットル開口面積比例値として演算する過程を微小時間毎に繰り返し行なって、吸気管内圧力が前記境界値を超えるまでの間に演算されたスロットル開口面積比例値の最大値をスロットル開口面積最大比例値として求める過程と、スロットル開口面積最大比例値とエンジンの回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を予測して第1区間加速増量制御用予測極小値を求める過程と、第1区間加速増量制御用予測極小値と吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差として該第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が設定された判定値以上であるか否かを判定する過程と、第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が判定値以上であるときに吸気管内圧力が直前に示した極小値と第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差と加速増量噴射時間との間の関係を与える第1区間用加速増量マップを用いて第1区間用加速増量噴射時間を演算する過程とを行なって演算された第1区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
また第2の区間では、吸気管内圧力が直前に示した極大値に所定の加算値を加えた圧力値を参照値として、第1の区間で加速増量噴射が行なわれていない状態で吸気管内圧力が参照値を超えたときにエンジンの回転速度に対して第2区間用加速増量噴射時間を演算して、該第2区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
第3の区間では、設定クランク角位置で検出した吸気管内圧力と回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算する過程と、該第3区間加速増量制御用予測極小値と吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差として該第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差が判定値以上であるか否かを判定する過程と、第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差が判定値以上であるときに第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差と吸気管内圧力が直前に示した極小値と加速増量噴射時間との間の関係を与えるマップを用いてトータル加速増量噴射時間を演算して、このトータル加速増量噴射時間が第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間を差し引いた噴射時間を第3区間用加速増量噴射時間として演算する過程とを行なって、第3区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
本発明はまた、エンジンの吸気管内圧力と回転速度と各種の制御条件とに対して基本噴射時間を演算する基本噴射時間演算手段と、エンジンが加速状態にあるときに燃料噴射量の不足分を補うための加速増量噴射時間を演算する加速増量噴射時間演算部と、エンジンの吸気行程が開始されるクランク角位置よりも位相が進んだクランク角位置に設定された同期噴射位置で基本噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるために必要なパルス幅を有する燃料噴射信号を発生し、加速増量噴射時間演算部により演算された加速増量噴射時間の間燃料を噴射させるために必要なパルス幅を有する燃料噴射信号をエンジンが加速状態にあることが検出されたときに発生する燃料噴射信号発生手段と、燃料噴射信号に応答してインジェクタから燃料を噴射させるべく該インジェクタを駆動するインジェクタ駆動回路とを備えたエンジンの燃料噴射制御装置に適用される。
上記加速増量噴射時間演算部は、基本的には、回転区間検出手段と、第1区間用加速増量噴射時間演算部と、第3区間用加速増量噴射時間演算部とにより構成する。
回転区間検出手段は、エンジンの1燃焼サイクルの回転角度区間を、吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を始点とし吸気管内圧力が極大値に達するクランク角位置の手前側で該吸気管内圧力が極大値よりも小さく設定された境界値を示すクランク角位置を終点とする第1の区間と、第1の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置を終点とする第2の区間と、第2の区間の終点を始点とし吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を終点とする第3の区間とに分けて、エンジンのクランク角位置が第1ないし第3の区間のいずれにあるかを検出するように構成される。
第1区間用加速増量噴射時間演算部は、回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が第1の区間にあることが検出されているときに、吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量を用いてエンジンのスロットルバルブの開口面積に比例した値を示すスロットル開口面積比例値を演算するとともにこの比例値から吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算して、該第1区間加速増量制御用予測極小値が吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに予測極小値に対して第1区間用加速増量噴射時間を演算するように構成される。
また第3区間用加速増量噴射時間演算部は、回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が第3の区間にあることが検出されているときに、設定クランク角位置で検出した吸気管内圧力と回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算して該第3区間加速増量制御用予測極小値が吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第3区間加速増量制御用予測極小値に対してトータル加速増量噴射時間を演算し、該トータル加速増量噴射時間が第1区間用加速増量噴射時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から第1区間用加速増量噴射時間を差し引いて第3区間用加速増量噴射時間を演算するように構成される。
本発明の好ましい態様では、上記加速増量噴射時間演算部に更に、回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が第2の区間にあることが検出されていて、第1の区間で加速増量噴射が行なわれなかった状態で吸気管内圧力が設定した参照値を超えたときにエンジンの回転速度に対して第2区間用加速増量噴射時間を演算する第2区間用加速増量噴射時間演算手段が設けられる。
本発明の他の好ましい態様では、第1区間用加速増量噴射時間演算部が、回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が第1の区間にあることが検出されているときに、吸気管内圧力を微小時間間隔でサンプリングしてエンジンのスロットルバルブの開口面積とエンジンの吸気管内の容積とスロットルバルブを通して吸気管内に単位時間当たりに流入する空気の流量とエンジンの吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量との間に成立する関係を用いて、スロットルバルブの開口面積に比例する値をスロットル開口面積比例値として演算するスロットル開口面積比例値演算手段と、吸気管内圧力が前記境界値を超えるまでの間にスロットル開口面積比例値演算手段により演算されたスロットル開口面積比例値の最大値をスロットル開口面積最大比例値として求める開口面積最大比例値演算手段と、第1区間用吸気管内圧力極小値予測マップを用いてスロットル開口面積最大比例値とエンジンの回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算する第1区間加速増量制御用予測極小値演算手段と、第1区間加速増量制御用予測極小値と吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差として演算する第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段と、第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が設定された判定値以上であるか否かを判定して第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が設定された判定値以上であるときにエンジンが加速状態にあると判定する加速判定手段と、第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が判定値以上であるときに吸気管内圧力が直前に示した極小値と第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差と加速増量噴射時間との間の関係を与える第1区間用加速増量マップを用いて第1区間用加速増量噴射時間を演算する第1区間用加速増量噴射時間演算手段とにより構成される。
また第2区間用加速増量噴射時間演算部は、回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が第2の区間にあることが検出されていて、第1の区間で加速増量噴射が行なわれていないときに、吸気管内圧力が直前に示した極大値に所定の加算値を加えて求めた参照値と吸気管内圧力とを比較する吸気管内圧力判定手段と、吸気管内圧力判定手段により吸気管内圧力が参照値を超えたと判定されたときに第2区間用加速増量マップを用いてエンジンの回転速度に対して第2区間用加速増量噴射時間を演算する第2区間用加速増量噴射時間演算手段とにより構成される。
更に第3区間用加速増量噴射時間演算部は、設定クランク角位置での吸気管内圧力を検出する設定クランク角位置吸気管内圧力検出手段と、設定クランク角位置で検出した吸気管内圧力とエンジンの回転速度とに対して第3区間用吸気管内圧力極小値予測マップを用いて吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算する第3区間加速増量制御用予測極小値演算手段と、第3区間加速増量制御用予測極小値と吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差として演算する第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段手段と、第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差を判定値と比較して第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPBが判定値以上であるときにエンジンが加速状態にあると判定する第3区間用加速判定手段と、第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差が判定値以上であるときに第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差と吸気管内圧力が直前に示した極小値と加速増量噴射時間との間の関係を与える第3区間用加速増量マップを用いて、トータル加速増量噴射時間を演算するトータル加速増量噴射時間演算手段と、トータル加速増量噴射時間が第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間を差し引いた噴射時間を第3区間用加速増量噴射時間として演算する第3区間用加速増量噴射時間演算手段とにより構成される。
以上のように、本発明の燃料噴射制御方法によれば、吸気管内圧力が極大値に向けて上昇していく過程でスロットル開口面積比例値を演算するとともに、この比例値に基づいて吸気管内圧力の極小値を予測して、予測した吸気管内圧力の極小値を用いてエンジンの加速の判定と加速増量噴射時間の演算とを行なうようにしたので、吸気管内圧力が極小値から極大値に向けて上昇していく第1の区間でも加速増量噴射を行なわせることができる。
従って、吸気管内圧力が極小値から極大値に向けて上昇していく区間と吸気管内圧力が極大値を過ぎた後、設定クランク角位置から極小値に向けて下降していく区間との双方の区間でエンジンの加速判定を行なって、加速増量用の燃料噴射信号を発生させることができ、エンジンの加速時の燃料噴射制御の応答性を良好にすることができる。
また本発明によれば、吸気管内圧力が極小値に向けて下降していく区間の前半の早い段階で精度よく吸気管内圧力の極小値を予測して、加速状態の検出と加速増量噴射時間の演算とを行なうことができるため、既提案の燃料噴射制御方法による場合よりも、加速時の燃料噴射制御の精度及び応答性を良好にすることができる。
特に請求項2,3,5及び6に記載された発明によれば、スロットル開口面積比例値の演算が困難な第2の区間においても加速の判定と加速増量噴射時間の演算とを行なわせて、エンジンの加速時に加速増量噴射を行なわせることができるようにしたため、加速時の燃料噴射制御の応答性を更に良好にすることができ、如何なるタイミングでエンジンの加速操作が行なわれた場合にも、遅滞なく加速増量噴射を行なわせて、燃料噴射量が不足する状態が生じるのを防ぐことができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1はEFIを備えたエンジン1と、該エンジンを制御するシステムとの構成例を示した構成図である。図示のエンジン1は単気筒の4サイクルエンジンで、シリンダ1aと、ピストン1bと、ピストン1bにコンロッドを介して連結されたクランク軸1cと、吸気ポート1d及び排気ポート1eを有するシリンダヘッド1fと、吸気ポート及び排気ポートをそれぞれ開閉する吸気バルブ1g及び排気バルブ1hと、クランク軸1cにより駆動されるカム軸1iと、カム軸1iの回転に伴って吸気バルブ1g及び排気バルブ1hを駆動するバルブ駆動機構1jと、吸気ポート1dに接続された吸気管1kとを備えており、吸気管1k内にはスロットルバルブ1mが設けられている。エンジン1のシリンダヘッドには点火プラグ2が取り付けられ、この点火プラグ2は、点火コイルIGの二次コイルに高圧コードを通して接続されている。
またエンジンの吸気管1kには、インジェクタ(電磁燃料噴射弁)3が取り付けられている。図示のインジェクタ3は、燃料噴射口を先端に有し、燃料供給口を後端部寄りに有するインジェクタボディと、該インジェクタボディ内で燃料噴射口を開く位置(開位置)と閉じる位置(閉位置)との間を変位し得るように設けられたバルブと、該バルブを常時閉位置側に付勢する付勢手段と、バルブを開位置側に駆動するソレノイドとを備えた周知のもので、ソレノイドに駆動電流が与えられている間その燃料噴射口を開いてエンジンの吸気管内に燃料を噴射する。
4はエンジンに供給する燃料Fを蓄える燃料タンク、5は燃料タンク4内の燃料をインジェクタ3に供給する電動燃料ポンプ、6はインジェクタ3の燃料供給口につながる管路に接続された圧力調整器である。圧力調整器6は、インジェクタ3に与えられる燃圧が設定燃圧を超えたときに燃料ポンプ5から供給される燃料の一部を燃料タンク4に戻すことにより、燃圧をほぼ設定燃圧に保つように調整する。
このように、インジェクタ3に与えられる燃圧はほぼ一定に保たれているため、インジェクタ3から噴射する燃料の量(燃料噴射量)は、インジェクタ3の噴射口が開いている時間により決まる。インジェクタ3の噴射口が開いている時間は、インジェクタに駆動電流を与える時間によりほぼ決まる。したがって、燃料噴射量を制御する際には、各種の制御条件に応じてエンジンが要求する燃料噴射量を演算するとともに、その噴射量を得るために必要な噴射時間を求め、所定の噴射タイミングが検出されたときに演算された噴射時間の間インジェクタに駆動電流を与えて、燃料の噴射を行わせる。
7はエンジンのクランク軸1cにより駆動される磁石発電機で、図示の磁石発電機は、クランク軸1cに取り付けられた磁石回転子7aと、エンジンのケース等に固定された固定子7bとからなっている。図示の磁石回転子7aは、クランク軸1cに取り付けられたカップ状のフライホイール7cと、このフライホイールの内周に取り付けられた複数の永久磁石7dとを備えた周知のフライホイール磁石回転子からなっている。また固定子7bは、多数の歯部が放射状に形成された多極星形鉄心と、該鉄心の多数の歯部にそれぞれ巻回された多数の発電コイルとからなっていて、固定子7bを構成する多極星形鉄心の各歯部の先端の磁極部が磁石回転子7aの磁極部に所定のギャップを介して対向させられている。
また8はインジェクタからの燃料噴射量とエンジンの点火時期とを制御するECU、9は磁石発電機7の固定子に設けられたバッテリ充電用発電コイルの出力電圧Vbによりレギュレータ10を通して充電されるバッテリで、バッテリ9の出力電圧は、電動燃料ポンプ5の電源端子とECU(電子制御ユニット)8の電源端子とに与えられている。ECU8内には、バッテリの電圧をマイクロプロセッサを駆動するのに適した定電圧に調整する電源回路が設けられていて、該電源回路からマイクロプロセッサの電源端子に電源電圧が印加されている。
ECU8には、インジェクタ3から噴射させる燃料の量を制御するための制御条件と、エンジンの点火時期を制御するための制御条件とを検出する各種のセンサの出力が入力されている。図示の例では、スロットルバルブ1mよりも下流側で吸気管1k内の圧力を検出する圧力センサ12と、エンジンの吸気温度を検出する吸気温度センサ13と、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ14とが設けられていて、これらのセンサの出力がECU8のA/D入力ポートに入力されている。また図示してないが、大気圧を検出する大気圧センサが設けられていて、この大気圧センサの出力がECU8のA/D入力ポートに入力されている。
またエンジンの回転情報(回転角度位置情報及び回転速度情報)を得るため、パルサ15が設けられ、このパルサ15の出力がECU8に入力されている。パルサ15は、フライホイール7cの外周に形成された突起または凹部からなるリラクタ7eの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出してパルスを発生するもので、このパルサ15は、例えば、リラクタ7eに対向する磁極部を先端に有する鉄心と、該鉄心に磁気結合された永久磁石と、該鉄心に巻回された信号コイルとにより構成される。
パルサ15は、リラクタ7eの回転方向の前端側エッジを検出したとき、及び該リラクタ7eの回転方向の後端側エッジを検出したときにそれぞれ極性が異なる対のパルスを発生する。これら対のパルスの内の一方が基準パルスとして用いられ、該基準パルスによりエンジンのクランク軸の基準回転角度位置(クランク角の計測を行う際の基準となる位置)が検出される。
図示の例では、図7(A)に示すように、パルサ15がリラクタ7eの前端縁を検出したとき及び後端縁を検出したときにそれぞれ負極性の第1パルスVs1及び正極性の第2パルスVs2を発生するように設けられている。本実施形態では、これらのパルスの内、第1パルスVs1を基準パルスとして用い、第2パルスVs2をエンジンの始動時及び低速度の点火時期を定めるために用いている。第1パルスVs1は、エンジンの上死点位置(ピストンが上死点に達するときのクランク角位置)よりも一定の角度進んだ位置で発生し、第2パルスVs2は、第1パルスVs1の発生位置より遅れ、エンジンの上死点よりも僅かに進んだ位置で発生する。
ECU8は、基準パルスVs1が発生したことを認識したときに、エンジンのクランク軸の回転角度位置が基準回転角度位置に一致したことを検出する。図示のエンジンは4サイクルエンジンであるため、1燃焼サイクル当たり基準パルスVs1が2回発生する。
また図示の例では、磁石発電機7の固定子の鉄心の一つの歯部に巻回された発電コイル16の出力電圧が位相信号としてECU8に入力されている。発電コイル16は、図7(D)に示すように、クランク角θに対してほぼ正弦波状の交流電圧信を出力する。図示の例では、交流電圧信号がクランク軸の1回転当たり6サイクル発生する。このような正弦波状の信号を用いる場合には、その波形の零クロス点やピーク点を検出することにより、多数のクランク角位置の情報を得ることができる。
本実施形態では、交流電圧信号が正の半サイクルから負の半サイクルに立ち下がる際に生じる零クロス点(立ち下がり側の零クロス点)をサンプリング位置として用いるものとし、1燃焼サイクルの間(クランク軸が2回転する間)に交流電圧信号に現れる12個の零クロス点にそれぞれ対応する12個のクランク角位置をそれぞれ吸気管内圧力のサンプリング位置としている。ECU8内には交流電圧信号の立下り側の零クロス点を検出する零クロス検出回路が設けられていて、該零クロス検出回路から図7(E)に示すようなクランク角信号Vgが得られるようになっている。この例では、発電コイル16と、ECU8内に設けられた零クロス検出回路とによりクランク角信号発生装置800(図2参照)が構成されている。
ECU8内にはまた、インジェクタ駆動回路と、点火コイルIGの一次電流を制御する一次電流制御回路とが設けられていて、インジェクタ駆動回路の出力端子及び一次電流制御回路の出力端子にそれぞれインジェクタ3及び点火コイルIGの一次コイルが接続されている。
ECU8は、マイクロプロセッサを備えていて、該マイクロプロセッサに所定のプログラムを実行させることにより、クランク角識別手段、回転速度演算手段、吸入空気量推定手段、基本噴射時間演算手段、加速増量噴射時間演算手段、点火時期演算手段及び点火信号発生手段等の各種の機能実現手段を構成する。
図2は、図1に示したシステムのハードウェアの構成と、ECU8内のマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサが実行するプログラムとにより構成される機能実現手段の構成とをブロック図で示したものである。図2において、インジェクタ駆動回路801及び一次電流制御回路802はECU8内にハードウェア回路として設けられている。またクランク角識別手段803、回転速度演算手段804、吸入空気量推定手段805、基本噴射時間演算手段806、加速増量噴射時間演算部807、燃料噴射信号発生手段808、点火時期演算手段808及び点火信号発生手段809は、ECU8内のマイクロプロセッサに所定のプログラムを実行させることにより構成される。
以下、図2の各部の構成を説明すると、インジェクタ駆動回路801は、燃料噴射信号発生手段808からパルス波形の燃料噴射信号が与えられている間オン状態になるトランジスタなどのスイッチ素子を備えていて、バッテリ9から該スイツチ素子を通してインジェクタ3のソレノイドに駆動電圧を供給する。
一次電流制御回路802は、点火信号発生手段809から点火信号が与えられたときに点火コイルIGの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるために、該点火コイルの一次電流に急激な変化を生じさせる制御回路で、この一次電流制御回路としては、電流遮断形の回路や、コンデンサ放電式の回路などの周知の回路が用いられる。
クランク角識別手段803は、別途設けられた行程判別手段による行程の判別結果と、パルサ15が発生する第1パルスVs1とを用いて、12個のクランク角信号Vgのそれぞれの発生位置を識別する。クランク角識別手段803は、行程判別手段により行程が判別されるまでの間、パルサが第2パルスVs2を発生した次に発生したクランク角信号Vgの発生位置に番号0を付して、クランク軸が1回転する間に発生する6個のクランク角信号Vgの発生位置に0ないし5の番号を付すことにより、6個のクランク角信号Vgのそれぞれの発生位置を識別する。行程判別手段により行程が判別された後は、吸気行程が開始される際の上死点位置よりも一定角度位相が進んだクランク角位置でパルサが第2パルスVs2を発生した次に発生するクランク角信号Vgの発生位置に番号0を付し、以下順次現れるクランク角信号の発生位置に1,2,…,11の番号を付して、1燃焼サイクルの間に現れる12個のクランク角信号の発生位置を識別する。
ECUは、12個のクランク角信号の発生位置0,1,2,…,11のうちの何れかの発生位置を同期噴射位置として特定する。本実施形態では、10番のクランク角信号の発生位置を同期噴射位置としている。
回転速度演算手段804は、パルサ15が第1パルスVs1を発せする毎に実行される割込み処理において、タイマの計測値を読み込んで前回の第1パルスVs1が発生してから今回の第1パルスが発生するまでの時間(クランク軸が1回転するのに要した時間)を速度演算用時間データとして求め、この時間データからエンジンの回転速度を演算する。
吸入空気量推定手段805は、各クランク角信号Vgが発生する位置でサンプリングされた圧力センサ12の出力から求められた1燃焼サイクル前の吸気管内圧力の極小値と回転速度演算手段803により演算された回転速度と、エンジンの体積効率とからエンジンの吸入空気量の推定値を演算する。
基本噴射時間演算手段806は、吸入空気量推定手段805により推定された吸入空気量に対して混合気の空燃比を適正範囲に保つために必要な燃料噴射時間を演算するとともに、この燃料噴射時間に、吸気温度センサ13により検出された吸気温度、水温センサ14により検出されたエンジンの冷却水温などの制御条件に対して演算された補正係数を乗じる演算を行なって、同期噴射時の燃料噴射量を与える基本噴射時間Toを演算する。
加速増量噴射時間演算部807は、エンジンが加速状態にあるか否かを判定して、エンジンが加速状態にあると判定したときに、そのときの加速状態に見合った加速増量噴射時間T1,T2,T3を演算する。この加速増量噴射時間演算手段の構成については、後で詳細に説明する。
基本噴射時間演算手段806により演算された基本噴射時間To及び加速増量噴射時間演算部807により演算された加速増量噴射時間T1ないしT3は、燃料噴射信号発生手段808に与えられる。
燃料噴射信号発生手段808は、クランク角識別信号により識別されている同期噴射位置(本実施形態では番号10のクランク角信号Vgの発生位置)で基本噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるためにインジェクタ駆動回路801に与える燃料噴射信号Vjoを発生する。燃料噴射信号Vjoは、基本噴射時間と無効噴射時間(インジェクタに駆動電圧を与えてからインジェクタが実際に燃料を噴射するまでに要する遅れ時間)との和に等しいパルス幅を有するパルス波形の信号である。
燃料噴射信号発生手段808は同期噴射位置が検出されたときに、基本噴射時間演算部806により演算された基本噴射時間に無効噴射時間を加えた時間をECU内に設けられた噴射タイマにセットして該タイマにセットした時間の計測を開始させると共に、燃料噴射信号Vjoを発生させ、該タイマがセットした時間の計測を完了したときに燃料噴射信号を消滅させる。インジェクタ駆動回路801は、燃料噴射信号発生手段808から与えられる燃料噴射信号Vjに応答してインジェクタ3に駆動電圧を印加してインジェクタから基本噴射時間の間燃料を噴射させる。
燃料噴射信号発生手段808はまた、加速増量噴射時間演算部807がエンジンの加速を検出して加速増量噴射時間T1〜T3をそれぞれ演算した時に直ちに演算された加速増量噴射時に無効噴射時間を加えた時間を噴射タイマにセットしてその計測を開始させると共に、インジェクタ駆動回路801に加速増量用の燃料噴射信号Vj1〜Vj3を与え、噴射タイマがセットされた時間の計測を完了したときにそれぞれの燃料噴射信号を消滅させる。
点火時期演算手段809は、回転速度演算手段804により演算された回転速度に対してエンジンの点火時期を演算する。点火信号発生手段810は、例えばパルサ15が基準パルスVs1を発生した時に点火時期演算手段809により演算された点火時期の検出を開始して、演算された機関の点火時期が検出された時に一次電流制御回路802に点火信号を与える。一次電流制御回路802は、点火信号が与えられた時に点火コイルIGの一次電流に急激な変化を生じさせて、該点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させる。この点火用高電圧は点火プラグ2に印加されるため、点火プラグ2で火花放電が生じて機関が点火される。
次に加速増量噴射時間演算部807の構成を図3ないし図6を用いて詳細に説明する。図3は加速増量噴射時間演算部807の全体的な構成を示したもので、同図において、811は大気圧検出手段、812は圧力センサ12が検出している吸気管内圧力をサンプリングするサンプリング手段、813はサンプリング手段812がサンプリングした吸気管内圧力を記憶する記憶手段、814及び815はそれぞれ記憶手段813に記憶されている吸気管内圧力から各燃焼サイクルにおける吸気管内圧力の極小値及び極大値を検出する吸気管内圧力極小値検出手段及び吸気管内圧力極大値検出手段である。
また図3において、807Aは回転区間検出手段、807B1ないし807B3はそれぞれ第1区間ないし第3区間用加速増量噴射時間演算部で、これらにより図2の加速増量噴射時間演算部807が構成されている。
大気圧検出手段811は、大気圧センサの出力から大気圧を検出する。なお大気圧センサを用いる代りに、エンジンが停止しているときの圧力センサ12の出力を大気圧として検出するように大気圧検出手段811を構成してもよい。
サンプリング手段812は、圧力センサ12の出力を所定のタイミングで読み込むことにより吸気管内圧力をサンプリングする。本発明においては、エンジンの1燃焼サイクルの区間を第1の区間(吸気管内圧力が極小値から設定された境界値に向けて上昇していく区間)、第2の区間(吸気管内圧力が境界値を超え、極大値を過ぎた後、下降に転じて設定クランク角位置に達するまでの区間)及び第3の区間(第2の区間の終点から第1の区間の始点までの区間で、吸気管内圧力が極小値に向けて下降していく区間)に分けて、エンジンのクランク角位置が第1の区間及び第2の区間にあるときと、第3の区間にあるときとで、吸気管内圧力のサンプルタイミングを異ならせている。
サンプリング手段812は、クランク角位置が第1の区間及び第2の区間にあるときに、微小時間Δt間隔で現われるサンプルタイミングで吸気管内圧力をサンプリングして、サンプリングした吸気管内圧力を今回の(新たにサンプリングされた)吸気管内圧力PBnewとして第1区間用加速増量噴射時間演算部807B1及び第2区間用加速増量噴射時間演算部807B2に与える。サンプリング手段812はまた、エンジンのクランク角位置が第3の区間にあるときに、クランク角識別手段803により識別された0番ないし11番のクランク角信号Vgの発生位置で圧力センサ12の出力を読み込むことにより吸気管内圧力をサンプリングし、サンプリングした吸気管内圧力を、今回の(新たにサンプリングされた)吸気管内圧力PBnewとして第3区間用加速増量噴射時間演算部807B3に与える。
サンプリング手段812によりサンプリングされた吸気管内圧力は、そのサンプリング位置を示す番号(0ないし11のいずれか)とともに記憶手段(RAM)813に記憶される。記憶手段813により記憶された吸気管内圧力は必要に応じて前回の(前回サンプリングされた)吸気管内圧力PBoldとして第1区間用加速増量噴射時間演算部807B1ないし第3区間用加速増量噴射時間演算部807B3に与えられる。
吸気管内圧力極小値検出手段814は、各燃焼サイクルにおいて記憶手段813に記憶された吸気管内圧力を順次比較することにより、エンジンの各燃焼サイクルにおいて吸気管内圧力が示した極小値PBminを検出する。また吸気管内圧力極大値検出手段815は、各燃焼サイクルにおいて記憶手段813に記憶された吸気管内圧力を順次比較することにより、エンジンの各燃焼サイクルにおいて吸気管内圧力が示した極大値PBmaxを検出する。
本発明の燃料噴射制御方法では、エンジンの1燃焼サイクルの回転角度区間を、吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を始点とし吸気管内圧力が極大値に達するクランク角位置の手前側で該吸気管内圧力が極大値よりも小さく設定された境界値を示すクランク角位置を終点とする第1の区間と、この第1の区間の終点を始点とし吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置を終点とする第2の区間と、この第2の区間の終点を始点とし吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を終点とする第3の区間とに分けて、これらの区間で、エンジンの加速の有無の判定と、加速増量噴射時間の演算とを異なる方法により行なう。
即ち、第1の区間では、吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量を用いてエンジンのスロットルバルブの開口面積に比例した値を示すスロットル開口面積比例値を演算するとともにこの比例値から吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算して、該第1区間加速増量制御用予測極小値が吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに予測極小値に対して演算した第1区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
また第2の区間では、第1の区間で加速増量噴射が行なわれなかった状態で吸気管内圧力が設定した参照値を超えたときにエンジンの回転速度に対して演算した第2区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
更に第3の区間では、設定クランク角位置で検出した吸気管内圧力と回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算して該第3区間加速増量制御用予測極小値が吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第3区間加速増量制御用予測極小値に対してトータル加速増量噴射時間を演算し、該トータル加速増量噴射時間が第1の区間及び第2の区間で既に行なわれた加速増量噴射の全噴射時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から第1の区間及び第2の区間で既に行なわれた加速増量噴射の全噴射時間を差し引いて求めた第3区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
回転区間検出手段807Aは、上記第1の区間ないし第3の区間を検出する手段で、クランク角識別手段803により識別されているクランク角信号Vgの発生位置の情報と、吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置情報及び吸気管内圧力が極大値を示すクランク角位置情報(記憶手段813に記憶されている)とから、現在のクランク角位置が第1の区間ないし第3の区間のいずれにあるのかを検出する。
なお第1の区間、第2の区間及び第3の区間の幅(角度)は一定ではなく、スロットル開度等により変化する。エンジンを加速する操作が行なわれると、吸気管内圧力が上昇していく過程で境界値に達するタイミング、及び吸気管内圧力が下降していく過程で極小値を迎えるタイミングが早まるため、第1の区間及び第3の区間の角度幅はアイドリング時よりも加速時の方が狭くなる。これに対し、第2の区間の角度幅はアイドリング時よりも加速時の方が広くなる。
図10は本発明による燃料噴射制御の動作波形をエンジンのクランク角θに対して示したもので、同図(A)は吸気管内圧力PBの変化を示し、同図(B)はクランク角信号Vgを示している。また同図(C)は燃料噴射信号発生手段からインジェクタ駆動回路に与えられる燃料噴射信号を示している。図10(A)において実線で示した曲線aはアイドル運転時の吸気管内圧力の変化を示し、波線で示した曲線bは、エンジンを加速するためにクランク角位置θaでスロットルバルブを開いた場合の吸気管内圧力の変化を示している。
図10に示されているように、本発明の噴射制御方法による場合には、吸気行程が開始されるクランク角位置(番号11のクランク角信号の発生位置と番号0のクランク角信号の発生位置との間の位置)よりも進んだ位置に設定された同期噴射位置(番号10のクランク角信号の発生位置)θioで同期噴射用燃料噴射信号Vjoを発生させて同期噴射を行なわせる。また、吸気管内圧力PBが極小値PBminから設定された境界値CALMAXまで上昇していく第1の区間でエンジンが加速状態にあることが検出されたときには、第1区間用の加速増量噴射時間が演算された時のクランク角位置θi1で第1区間用の加速増量噴射信号Vj1を発生させて加速増量噴射を行なわせる。更に吸気管内圧力が極大値から極小値まで下降していく区間の前半に設定された設定クランク角位置(図示の例では番号0のクランク角信号の発生位置)から吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置までの第3の区間でエンジンが加速状態にあることが検出されたときには、第3区間用の加速増量噴射時間が演算された時のクランク角位置θi3で第3区間用の加速増量噴射信号Vj3を発生させて加速増量噴射を行なわせる。
吸気管内圧力が境界値CALMAXを超えるクランク角位置から、吸気管内圧力が極大値から極小値まで下降していく区間の前半に設定された設定クランク角位置までの第2の区間においても、エンジンの加速が検出されたときには加速増量噴射を行なわせるが、第2の区間での加速増量噴射及び第3の区間での加速増量噴射はいずれか一方のみを行なわせるので、図10に示した例では、第2の区間では加速増量噴射を行なわせていない。
以下、第1の区間ないし第3の区間で行なう加速増量噴射のための制御について詳細に説明する。
[1]第1の区間(吸気管内圧力が極小値から設定された境界値まで上昇していく区間)での制御
エンジンの1燃焼サイクルの区間の内、吸気管内圧力が上昇していく区間では、エンジンの吸気バルブが閉じているため、吸気管内圧力の上昇は、概ねスロットル開度と時間の経過とに依存する。そのため、この区間では、図11(A),(B)に示したように、クランク角信号Vgとは関係なく、一定の周期で(微小時間Δtのサンプリング間隔で)吸気管内圧力をサンプリングして、新たにサンプリングした今回の吸気管内圧力PBnewと1回前にサンプリングした前回の吸気管内圧力PBoldと、大気圧Pairとを用いて加速増量噴射制御を行なう。
スロットルバルブ1mの開口面積をaとすると、吸気バルブが閉じているときの吸気管1kは、開口面積がaの孔が開いていて内圧PBoldと外圧Pairとに仕切られた容器と見なすことができる。外圧Pairと内圧PBold(Pair>PBold)とに仕切られた容器に開口面積がaの孔がある場合、外部から容器の内部に流入する気体の質量速度qは、下記の式(2)により求めることができることが知られている。
q ∝ a×(Pair−PBold)1/2 …(2)
この関係から、微小時間Δtの間の気体の流入量ΔQは下記の式(3)により求めることができる。
ΔQ=q×Δt ∝ a×Δt×(Pair−PBold)1/2 …(3)
また微小時間Δt前後の容器内の気体の質量Qold及びQnewは気体の状態方程式から、それぞれ下記の式(4)及び(5)により求めることができる。
Qnew=k×PBnew×(V/T) …(4)
Qold=k×PBold×(V/T) …(5)
ここでPBnewはΔt時間後の容器内の圧力、kは定数、Vは容器内の体積である。
式(2)ないし(5)から、ΔQを下記の式により近似的に求めることができる。
ΔQ=Qnew−Qold
=k×V×(PBnew−PBold)∝ a×Δt×(Pair−PBold)1/2…(6)
式(6)から開口面積aを求めると、
a ∝ k×(V/Δt)×(PBnew−PBold)/(Pair−PBold)1/2 …(7)
式(7)においてVは一定であり、kは定数であるから、Δtを一定とすると、k×(V/Δt)は一定となる。従って、下記の関係を得ることができる。
a ∝ (PBnew−PBold)/(Pair−PBold)1/2 …(8)
式(8)は、大気圧と容器内の圧力値だけから開口面積の比例値aを求めることができることを示している。この関係から、容器を吸気管に置き換えたときのスロットル開度の情報を含むスロットル開口面積比例値a′を下記の式により求めることができる。k′は比例定数である。
a′=k′×(PBnew−PBold)/(Pair−PBold)1/2 …(8)′
本発明では、下記の(9)式及び(10)式の関係が成立するときに、(8)′式により演算したスロットル開口面積比例値a′からスロットル開度の情報を得て、エンジンの加速状態の判定を行ない、エンジンが加速状態にあると判定されたときに加速時の燃料の不足を補うための噴射時間である加速増量噴射時間を演算する。
PBnew > PBold …(9)
Pair > PBold …(10)
実際のエンジンにおいて、負荷が大きく、吸気管内圧力があまり低下しない(吸気管内圧力の極小値が小さくならない)場合には上記の計算で求めたスロットル開口面積比例値a′の値が実際のスロットル開度の比例値から大きく外れてしまう。また負荷が小さく、吸気管内圧力の極小値が小さくなる場合でも、吸気行程以外の行程で圧力が大気圧付近の高圧にまで上昇する部分及び吸気バルブと排気バルブのオーバラップによる吸気管内圧力の上昇が見られる部分では、上記の式により演算したスロットル開口面積比例値a′が実際のスロットル開度から大きく外れてしまう。その原因は、アナログ検出の精度がほぼ一定であるのに対し、大気圧付近では吸気管内圧力の勾配が緩やかになって吸気管内圧力差PBnew−PBoldが小さくなり、吸気管内圧力と大気圧との差圧Pair−PBoldも小さくなることにある。このことにより、大きな検出誤差を含んだ計算を行なうことになり、スロットル開口面積比例値a′の計算値に大きな誤差が含まれてしまう。
また負荷が大きくなる(スロットル開度が大きくなる)と、吸気管内での空気の反射によると考えられる圧力の脈動が発生する。圧力センサ12がこの圧力の脈動を検出すると、スロットル開口面積比例値a′を正しく求めることができない。この問題を避けるため、スロットル開口面積比例値a′の計算を行なう吸気管内圧力に境界値CALMAXを設定し、吸気管内圧力が境界値CALMAX以下のときにのみスロットル開口面積比例値a′の計算を行なう。吸気管内圧力が境界値CALMAXを超えたときに、それまでに求めたスロットル開口面積比例値a′の最大値をAmaxとする。スロットル開口面積比例値の最大値Amaxは、吸気管内圧力の極小値を検出した時点でクリアする。また前記(9)式及び(10)式が成立しなくなったときにもAmaxをクリア(初期化)する。
そして、上記スロットル開口面積比例値の最大値Amaxとエンジンの回転速度とに対して第1区間用吸気管内圧力極小値予測マップを検索して、検索した値に補間演算を施すことにより、吸気管内圧力の極小値の予測値を第1区間加速増量制御用予測極小値PBMAP0として求める。ここで吸気管内圧力予測極小値PBMAP0は、直後の吸気行程(次の燃焼サイクルでの吸気行程)で吸気管内圧力が示すであろう極小値の予測値である。第1区間用吸気管内圧力極小値予測マップは、スロットル開口面積比例値の最大値Amaxとエンジンの回転速度と吸気管内圧力の予測極小値との間の関係を与える折れ線グラフの各折れ点のデータをテーブルの形で集積したもので、実験の結果に基づいて作成される。この吸気管内圧力予測マップは、マイクロプロセッサのROMに記憶されている。
吸気管内圧力予測極小値PBMAP0と直前に吸気管内圧力の極小値PBminとの差を第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPB0とする。ΔPB0は下記の式により与えられる。
ΔPB0=PBMAP0−PBmin …(11)
ここで加速判定値をDPBCALとし、ΔPB0≧DPBCALの場合にエンジンが加速状態にあると判定して、PBminと吸気管内圧力差ΔPB0とに対して第1区間用加速増量マップを検索して検索した値に補間演算を施すことにより第1区間用加速増量噴射時間ACCINJ0(=T1)を求める。この加速増量噴射時間が演算されたときに直ちに燃料噴射信号発生手段808から燃料噴射信号発生させてインジェクタから燃料を噴射させる。
[2]第2の区間(次に生じる吸気管内圧力の極小値を予測できない区間)での制御
第1の区間の終点(吸気管内圧力が境界値CALMAXに達するクランク角位置)を始点とし、吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置(本実施形態では番号が0のクランク角信号の発生位置)を終点とする第2の区間では、次に生じる吸気管内圧力の極小値を予測することができず、予測極小値からエンジンが加速状態にあるか否かを判定することができない。しかしエンジンの加速時に燃料の量が不足するのを防ぐためには、この区間においても、何らかの方法でエンジンの加速の有無を判定して、加速状態にあるとの判定がされたときには直ちに加速増量噴射を行なわせることが望ましい。
そこで、本発明の好ましい態様においては、第1の区間で加速増量噴射が行なわれなかった状態で第2の区間で吸気管内圧力が設定した参照値を超えたときに、エンジンの回転速度に対して演算した第2区間用加速増量噴射時間の間インジェクタから加速増量噴射を行なわせる。
即ち、第1の区間において加速増量噴射が既に行なわれていれば、第2の区間では加速増量噴射のための処理は行なわない。第1の区間において加速増量噴射が行なわれていない場合には、図12(A)ないし(C)に示したように、微小時間Δt間隔で取り込んだ吸気管内圧力PBnewが吸気管内圧力の前回の最大値PBmaxに設定値PBMCALを加算した値の参照値(PBmax+PBMCAL)を超えたときに、エンジンが加速状態にあると判定して、エンジンの回転速度に対して第2区間用加速増量マップを用いて加速増量噴射時間ACCINJ1を求める演算を行ない、この演算が終了した時に直ちに加速増量噴射を行なう。この第2区間用加速増量マップも実験的に作成しておく。図12に示した例では、第2の区間のクランク角位置θi2で加速増量用燃料噴射信号Vj2を発生させて、加速増量噴射を行なわせている。
第2の区間では、次に生じる吸気管内圧力の極小値(図12に示した例ではPBmin′)を予測することができず、予測極小値に基づいて加速増量噴射量を演算することができないため、この第2の区間での加速増量噴射時間の演算は、第1の区間における加速増量噴射時間の演算及び後記する第3の区間での加速増量噴射時間の演算に比べて多少精度が落ちる。しかし、精度を犠牲にしても、第2の区間で加速増量噴射を行なわせることにより、エンジンの加速時に早いタイミングで燃料の不足を補うための噴射を行なわせることができるため、エンジンの加速時の制御の応答性を高めて、エンジンの加速性能を向上させることができる。
[3]第3の区間(設定クランク角位置から吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置までの区間)での制御
吸気行程においては、吸気管内圧力が極小値に向けて下降していく。この領域では、吸気弁が開いているため、第1の区間で行なったスロットル開口面積比例値に基づく加速判定及び加速増量噴射量の演算を行なうことはできない。しかし吸気管内圧力が下降していく過程でスロットルバルブが開かれて加速操作が行なわれることも当然あるので、吸気管内圧力が低下していく過程でもエンジンの加速の有無の判定を行なって、加速増量噴射を行なわせることが望ましい。
第3の区間では、吸気管内圧力をサンプリングする位置をクランク軸の回転に同期した位置(番号0ないし11のクランク角信号の発生位置)とし、いずれかのクランク角信号の発生位置で、しかも下記の条件1及び2が成立する位置に設定した設定クランク角位置で加速増量噴射のための処理を行なう。
条件1:吸気管内圧力が下降していく吸気行程の区間の前半の区間で、好ましくは、吸気管内圧力が下降を始める位置に近い位置。
条件2:吸気管内圧力の極小値の変化に対して(エンジンの負荷の変化に対して)検出する吸気管内圧力の差を確実に判別できる位置。
本実施形態では、0番の番号が付されたクランク角信号Vgの発生位置を上記設定位置としている。上記の設定クランク角位置(0番のクランク角信号の発生位置)でサンプリングした吸気管内圧力をPBdwnとする。そして、回転速度演算手段により演算されたエンジンの回転速度と上記吸気管内圧力PBdwnとに対して第3区間用吸気管内圧力極小値予測マップを検索することにより、吸気管内圧力の極小値の予測値(予測極小値)を第3区間加速増量制御用予測極小値PBdwnyとして求める。ここで用いる第3区間用吸気管内圧力極小値予測マップは、第1の区間で用いる第1区間用吸気管内圧力極小値予測マップとは異なる。
上記のようにして第3区間加速増量制御用予測極小値PBdwnyを求めた後、この吸気管内圧力予測極小値PBdwnyと吸気管内圧力の直前の極小値PBmin(図13において実線で示された吸気管内圧力PBの左側に示された極小値PBminで前回の吸気行程で求められたもの)との差を第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPBとして求める。
ΔPB=PBdwny−PBmin …(12)
吸気管内圧力差ΔPBを演算した後、このΔPBと設定された判定値DPBCALとを比較して、ΔPB>DPBCALである場合にエンジンが加速状態にあると判定して、ΔPBとPBminとに対して第3区間用加速増量マップからトータル加速増量噴射時間ACCINJを演算する。そして、トータル加速増量噴射時間ACCINJが第1区間用加速増量噴射時間ACCINJ0と第2区間用加速増量噴射時間ACCINJ1との和の時間よりも長いとき(ACCINJ>ACCINJ0+ACCINJ1のとき)に、トータル加速増量噴射時間ACCINJから第1区間用加速増量噴射時間と前記第2区間用加速増量噴射時間との和の時間ACCINJ0+ACCINJ1を差し引いた噴射時間を第3区間用加速増量噴射時間ΔACCINJとして演算する。
ΔACCINJ=ACCINJ−(ACCINJ0+ACCINJ1) …(13)
この加速増量噴射時間ΔACCINJが演算された時に直ちに第3区間での加速増量噴射を行なわせる。図13に示した例では、クランク角位置θi3で燃料噴射信号Vj3を発生させて、第3の区間での加速増量噴射を行なわせている。第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPBの演算、ACCINJ0+ACCINJ1の演算、トータル加速増量噴射時間ACCINJの演算、及びACCINJ0+ACCINJ1の演算は瞬時に行なわれるため、第3の区間での加速増量噴射が行なわれるクランク角位置θi3は設定クランク角位置(0番のクランク角信号の発生位置)とほぼ同じと見ることができる。
特許文献1に示された燃料噴射制御方法では、吸気行程中の吸気管内圧力の傾きを利用して吸気管内圧力の直後の極小値を予測するようにしていたため、吸気行程中の2つのクランク角位置で吸気管内圧力をサンプリングする必要があり、吸気管内圧力の極小値の予測が遅れるのを避けられなかった。また特許文献1に示された方法では、予測極小値を求める際に線形の計算を行なっていたため、吸気管内圧力の直後の極小値の予測精度が低くなるのを避けられなかった。これに対し、本発明の燃料噴射制御方法では、吸気行程中の1点(設定クランク角位置)で検出した吸気管内圧力を用いて吸気管内圧力の直後の極小値を予測するため、吸気管内圧力の極小値の予測を迅速に行なうことができる。また線形の演算により近似するのではなく、実験的に作成した吸気管極小値予測マップを用いて吸気管内圧力の極小値を予測するため、吸気管内圧力の極小値の予測の精度を高めることができる。
図3に示された第1区間用加速増量噴射時間演算部807B1ないし第3区間用加速増量噴射時間演算部807B3はそれぞれ図4ないし図6に示すように構成される。
第1区間用加速増量噴射時間演算部807B1は、図4に示すように、スロットル開口面積比例値演算手段81Aと、開口面積最大比例値演算手段81Bと、第1区間加速増量制御用予測極小値演算手段81Dと、第1区間用吸気管内圧力差演算手段81Eと、加速判定手段81Fと、第1区間用加速増量噴射時間演算手段81Hとにより構成される。
ここで、スロットル開口面積比例値演算手段81Aは、回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が前記第1の区間にあることが検出されているときに、吸気管内圧力を微小時間間隔でサンプリングしてエンジンのスロットルバルブの開口面積と前記エンジンの吸気管内の容積と前記スロットルバルブを通して前記吸気管内に単位時間当たりに流入する空気の流量と前記エンジンの吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量との間に成立する関係を用いて、スロットルバルブの開口面積に比例する値をスロットル開口面積比例値として演算する手段である。
また開口面積最大比例値演算手段81Bは、吸気管内圧力が極大値よりも低く設定された境界値を超えるまでの間にスロットル開口面積比例値演算手段81Aにより演算されたスロットル開口面積比例値の最大値をスロットル開口面積最大比例値として求める手段であり、第1区間加速増量制御用予測極小値演算手段81Dは、第1区間用吸気管内圧力極小値予測マップ81Cを用いてスロットル開口面積最大比例値とエンジンの回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として求める手段である。第1区間用吸気管内圧力極小値予測マップ81Cは、スロットル開口面積最大比例値とエンジンの回転速度と吸気管内圧力が次に示すであろう極小値の予測値との間の関係を与えるマップで、実験的に作成されるものである。
更に第1区間用吸気管内圧力差演算手段81Eは、第1区間加速増量制御用予測極小値と吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPB0として演算する手段であり、加速判定手段81Fは、吸気管内圧力差演算手段81Eにより演算された第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPB0が設定された判定値DPBCAL以上であるか否かを判定して吸気管内圧力差ΔPB0が設定された判定値以上であるときにエンジンが加速状態にあると判定する手段である。
また第1区間用加速増量噴射時間演算手段81Hは、吸気管内圧力差ΔPB0が判定値DPBCAL以上であるときに吸気管内圧力が直前に示した極小値PBminと吸気管内圧力差ΔPB0と加速増量噴射時間との間の関係を与える第1区間用加速増量マップ81Gを用いて第1区間用加速増量噴射時間を演算する手段である。
第2区間用加速増量噴射時間演算手段807B2は、図5に示したように、回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が第2の区間にあることが検出されていて、第1の区間で加速増量噴射が行なわれていないときに、吸気管内圧力が直前に示した極大値に所定の加算値を加えて求めた参照値と吸気管内圧力とを比較する吸気管内圧力判定手段82Aと、吸気管内圧力判定手段82Aにより吸気管内圧力が参照値を超えたと判定されたときに第2区間用加速増量マップ82Bを用いてエンジンの回転速度に対して第2区間用加速増量噴射時間を演算する第2区間用加速増量噴射時間演算手段82Cとにより構成される。第2区間用加速増量マップ82Bは、エンジンの回転速度と第2区間用加速増量噴射時間との間の関係を与えるマップで、このマップも実験的に作成される。
第3区間用加速増量噴射時間演算手段807B3は、図6に示すように、設定クランク角位置吸気管内圧力検出手段83Aと、第3区間加速増量制御用予測極小値演算手段83Bと、第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段83Dと、第3区間用加速判定手段83Eと、トータル加速増量噴射時間演算手段83Fと、第3区間用加速増量射時間演算手段83Hとにより構成される。
更に詳細に説明すると、設定クランク角位置吸気管内圧力検出手段83Aは、設定クランク角位置での吸気管内圧力PBdwnを検出する手段であり、第3区間用吸気管内圧力予測値演算手段83Bは、設定クランク角位置で検出した吸気管内圧力PBdwnとエンジンの回転速度とに対して第3区間用吸気管内圧力極小値予測マップ83Cを用いて吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算する手段である。
また第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段83Dは、第3区間加速増量制御用予測極小値と吸気管内圧力が直前に示した極小値との差ΔPBを第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差として演算する手段であり、第3区間用加速判定手段83Eは、吸気管内圧力差ΔPBを判定値DPBCALと比較して第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPBが判定値DPBCAL以上であるときにエンジンが加速状態にあると判定する手段である。
トータル加速増量噴射時間演算手段83Fは、吸気管内圧力差ΔPBが判定値以上であるとき(エンジンが加速状態にあると判定されたとき)に吸気管内圧力差ΔPBと吸気管内圧力が直前に示した極小値と加速増量噴射時間との間の関係を与える第3区間用加速増量マップ83Gを用いて、トータル加速増量噴射時間を演算する手段であり、第3区間用加速増量噴射時間演算手段83Hは、トータル加速増量噴射時間が第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間を差し引いた噴射時間を第3区間用加速増量噴射時間として演算する手段である。
以下、上記の燃料噴射制御装置の各手段を構成するためにマイクロプロセッサに実行させる処理について説明する。図14は、微小時間Δt間隔でサンプルタイミングが到来する毎に実行される処理を示したもので、この処理においては、先ずステップS01で吸気管内圧力を取り込み、取り込んだ吸気管内圧力をPBnewとしてRAMに保存する。次いでステップS02で今回のサンプルタイミングで取り込んだ吸気管内圧力PBnewと前回のサンプルタイミングで取り込まれて記憶されている吸気管内圧力PBoldとを比較するとともに、大気圧検出手段により検出されている大気圧Pairと前回サンプリングされた吸気管内圧力PBoldとを比較する。その結果、PBnew>PBoldで、かつPair>PBoldの条件が成立しているときに、ステップS03に進んで今回サンプリングした吸気管内圧力PBnewと境界値CALMAXとを比較する。その結果、PBnew<CALMAXの条件が成立したときには、ステップS04に進んでPBnew−PBoldとPair−PBoldとから(8)′式[a′=k′×(PBnew−PBold)/(Pair−PBold)1/2]を用いてスロットル開口面積比例値a′を演算する。
次いでステップS05において、今回演算されたスロットル開口面積比例値a′が、それまでに演算されたスロットル開口面積比例値a′の最大値Amaxよりも大きいか否かを判定し、Amax<a′であるときにはステップS06に進んで今回演算された比例値a′を最大値Amaxとして更新した後、ステップS07に進む。ステップS05においてAmax≧a′であると判定されたときには、最大値Amaxを更新することなくステップS07に進む。ステップS07において通過フラグを0とした後、ステップS08において今回サンプリングした吸気管内圧力PBnewをPBoldとしてこの処理を終了する。
ステップS02において、PBnew>PBoldの条件及びPair>PBoldの条件のいずれかが成立しなかったときには、ステップS09に進んで比例値の最大値Amaxを0とし、以後何もしないでステップS08に移行する。
またステップS03においてPBnew<CALMAXの条件が成立しなかったときには、ステップS10に進んで通過フラグが0であるか否かを判定し、通過フラグが0である場合には、ステップS11において通過フラグを1とした後、ステップS12を実行して第1区間用加速増量噴射時間ACCINJ0の演算と増量噴射処理とを行ない、更にステップS13で第2区間用加速増量噴射時間ACCINJ1の演算と増量噴射処理とを行なう。ステップS10において通過フラグが0でないと判定されたときには、ステップS13に移行して、第2区間用加速増量噴射時間ACCINJ1の演算と増量噴射処理とを行なう。
図15は、図14のステップS12で実行される第1区間用加速増量噴射時間ACCINJ0の演算、増量噴射処理で、この処理においては、先ずステップS01でスロットル開口面積比例値の最大値Amaxと回転速度とから第1区間加速増量制御用予測極小値PBMAP0を演算し、ステップS02で第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPB0(=PBMAP0−PBmin)を演算する。次いでステップS03でΔPB0と判定値DPBCALとを比較し、圧力差ΔPB0が判定値DPBCALより大きいときにステップS04に進んでΔPB0と吸気管内圧力の直前の極小値PBminとに対して第1区間用加速増量噴射時間ACCINJ0を演算し、演算した加速増量噴射時間ACCINJ0に無効噴射時間を加えた時間を噴射タイマにセットして、セットした時間の間燃料噴射信号を発生させる。
ステップS03において、圧力差PB0が判定値DPBCAL以下であると判定されたときには、ステップS05に進んで第1区間用加速増量噴射時間ACCINJ0をとして加速増量噴射を行なわせない。
次に図16は、図14のステップS13で実行される第2区間用加速増量噴射時間ACCIJ1の演算、増量噴射処理で、この処理では、先ずステップS01で第1区間用加速増量噴射時間ACCINJ0が0であるか否か(第1の区間で加速増量噴射が行なわれたか否か)を判定する。その結果、ACCINJ0が0である場合(第1の区間で加速増量噴射が行なわれなかった場合)にはステップS02に進んで、現在の区間が第2の区間であるか否かを判定する。その結果、第2の区間である場合には、ステップS03に進んで今回サンプリングされた吸気管内圧力PBnewと参照値(PBmax+PBMCAL)とを比較し、吸気管内圧力PBnewが参照値よりも大きい場合に、ステップS04を実行させて、回転速度に対して第2区間用加速増量噴射時間ACCINJ1を演算し、この噴射時間を噴射タイマにセットして第2区間用の加速増量噴射を行なわせるための燃料噴射信号を発生させる。ステップS01でACCINJ0が0でない(第1の区間で加速増量噴射が行なわれた)と判定されたとき、及びステップS03で今回サンプリングされた吸気管内圧力PBnewが参照値以下であると判定されたときには、ステップS05に移行して、ACCINJ1を0とすることにより、第2の区間での加速増量噴射を行なわせないようにする。
次に図17は、0番のクランク角信号の発生位置(第3の区間の始点)が検出される毎に実行されるトータル加速増量噴射時間ACCINJ演算用割込み処理で、この割込み処理では、ステップS01で吸気管内圧力を取り込み、これをPBdwnとしてRAMに保存する。次いでステップS02でPBdwnと回転速度とから第3区間加速増量制御用予測極小値PBdwnyを演算し、ステップS03で第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPB(=PBdwny−PBmin)を演算する。次いでステップS04でΔPBと判定値DPBCALとを比較し、ΔPB>DPBCALが成立するときにステップS05に進んで、ΔPBとPBminとに対してトータル加速増量噴射時間ACCINJを演算する。
次いで、ステップS06に移行して、ACCINJとACCINJ0+ACCINJ1とを比較し、トータル加速増量噴射時間ACCINJが第1区間用加速増量噴射時間ACCINJ0と第2区間用加速増量噴射時間ACCINJ1との和の時間よりも長いときに、ステップS07を実行させる。ステップS07では、トータル加速増量噴射時間ACCINJから第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間ACCINJ0+ACCINJ1を差し引いた噴射時間を第3区間用加速増量噴射時間として演算した後、直ちにこの噴射時間と無効噴射時間との和に相当する時間を噴射タイマにセットして、燃料噴射信号を発生させる。次いでステップS08でACCINJ、ACCINJ0及びACCINJ1をクリアして、この割込み処理を終了する。ステップS04でΔPB≦DPBCALであると判定された場合、及びステップS06でACCINJ≦ACCINJ0+ACCINJ1であると判定された場合には、ステップS09に進んでACCINJを0とし、第3の区間での加速増量噴射は行なわせない。
上記のアルゴリズムによる場合、図14のステップS02及びS03と、図17の割込み処理を実行させる手段とにより、回転区間検出手段807Aが構成される。また図14のステップS04によりスロットル開口面積比例値演算手段81Aが構成され、図14のステップS05及びS06により開口面積最大比例値演算手段81Bが構成される。また図15のステップS01により第1区間加速増量制御用予測極小値演算手段81Dが構成され、図15のステップS02により第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段81Eが構成される。更に図15のステップS03により第1区間用加速判定手段81Fが構成され、図15のステップS04により第1区間用加速増量噴射時間演算手段81Hが構成される。
また図16のステップS03により吸気管内圧力判定手段82Aが構成され、図16のステップS04により第2区間用加速増量噴射時間演算手段82Bが構成される。
更に図17のステップS01により設定クランク角位置吸気管内圧力検出手段83Aが構成され、同図のステップS02により第3区間加速増量制御用予測極小値演算手段83Bが構成される。また同図のステップS03により第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段83Dが構成され、ステップS04により第3区間用加速判定手段83Eが構成される。更に図17のステップS05によりトータル加速増量噴射時間演算手段83Fが構成され、図17のステップS07のACCINJ−(ACCINJ0+ACCINJ1)を演算する過程により第3区間用加速増量噴射時間演算手段83Hが構成される。
上記の実施形態では、吸気管内圧力の直後の極小値を予測できない第2の区間でもエンジンが加速状態にあるか否かの判定を行なって、加速状態であると判定されたときに加速増量噴射を行なわせるようにしているが、第1の区間及び第2の区間のみで加速増量噴射を行なわせ、第2の区間では何も行なわないようにすることもできる。
上記の実施形態では、単気筒エンジンに燃料を供給する燃料噴射装置を制御する場合を例にとったが、各気筒毎に独立に吸気管が設けられていて、各吸気管内の圧力が行程の変化に伴って変化を示す多気筒エンジンの燃料噴射制御装置にも本発明を適用することができる。
上記の実施形態では、第1の区間における制御において、吸気管内圧力が設定された境界値CALMAXを超えたことを検出したときにそれまでに求めたスロットル開口面積比例値の最大値をAmaxとして、これを用いて吸気管内圧力の次の極小値の予測を行なうようにしているが、スロットル開口面積比例値の最大値Amaxを以下のようにして求めて加速増量噴射時間を演算する方法もある。
即ち、吸気管内圧力が境界値CALMAXを超えたことを検出したときに、直前のサンプルタイミングで演算したスロットル開口面積比例値a′newと、更に1回前に演算された比例値a′oldとの差Δa(=a′new−a′old)を求め、Δa>0の時に今回の比例値a′newを取り込んだ時刻t1と、前回の0番のクランク角信号の発生位置(設定クランク角位置)を検出した時刻t0とからこの区間を回転するのに要した時間T(=T1−T0)を求める。ここで前回の燃焼サイクルの周期をTcycとすると、時刻t1から次の0番のクランク角信号の発生位置が検出される時刻to′までの時間を予測することができる。ここで、スロットル開口面積比例値a′を求めるためのサンプリング周期をΔtとすると、時刻t1からto′までの間での比例値a′の変化量Δayは次の式により推定することができる。
Δay=Δa×(Tcyc−T)/Δt …(14)
この推定値とanewとの和を、時刻to′におけるスロットル開口面積比例値の最大値Amaxと予測する。
Amax=anew+Δay …(15)
前記の実施形態のAmaxの代りに(15)式のAmaxを用いて、他の処理は戦記実施形態と同様に行なう。
上記の実施形態では、一定の角度毎に発生するクランク角信号の発生位置の内の1つ(上記の例では0番のクランク角信号の発生位置)を第3の区間の始点となる設定クランク角位置としたが、パルサが発生する図7(A)の基準パルスVs1を検出した時刻から所定の角度(基準パルスの発生位置から設定クランク角位置までの角度)をエンジンが回転するのに要する時間をその時の回転速度を用いて演算して、この時間をタイマに計測させることにより、設定クランク角位置を検出するようにしても良い。第1の区間及び第2の区間では微小時間Δt毎に吸気管内圧力をサンプリングするので、このようにパルサの出力の発生位置を基準にして設定クランク角位置を検出するように構成する場合には、クランク角信号は不要となる。
本発明の実施形態の全体的な構成を示す構成図である。 図1に示した燃料噴射制御装置においてECUのマイクロプロセッサにより構成される機能実現手段を示したブロック図である。 図2に示された加速増量噴射時間演算部の構成をより具体的に示したブロック図である。 図3に示された第1区間用加速増量噴射時間演算部の構成例を示したブロック図である。 図3に示された第2区間用加速増量噴射時間演算部の構成例を示したブロック図である。 図3に示された第3区間用加速増量噴射時間演算部の構成例を示したブロック図である。 本発明の実施形態においてパルサが出力するパルスの波形とパルサの出力を波形成形する波形成形回路から得られる信号波形と、クランク角信号発生装置が出力する信号波形とをエンジンの行程とともに示した波形図である。 従来の燃料噴射制御方法によった場合に加速時に燃料部不足する様子を説明するための各部の信号波形図である。 加速時の燃料を増量する制御を行なう既提案の燃料噴射制御方法によった場合の動作を説明するための各部の信号波形図である。 本発明の燃料噴射制御によった場合の全体的な動作を説明するための各部の波形図である。 本発明に係わる燃料噴射制御装置の第1の区間での動作を説明するための各部の波形図である。 本発明に係わる燃料噴射制御装置の第2の区間での動作を説明するための各部の波形図である。 本発明に係わる燃料噴射制御装置の第3の区間での動作を説明するための各部の波形図である。 本発明に係わる燃料噴射制御装置において、微小時間毎のサンプルタイミングでマイクロプロセッサが実行する処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明に係わる燃料噴射制御装置において、第1区間用の加速増量噴射時間を演算して燃料噴射信号を発生させる処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明に係わる燃料噴射制御装置において、第2区間用の加速増量噴射時間を演算して燃料噴射信号を発生させる処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明に係わる燃料噴射制御装置において、第3区間用の加速増量噴射時間を演算して燃料噴射信号を発生させる処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。
1 エンジン
7 磁石発電機
8 ECU
807 加速増量噴射時間演算部
808 燃料噴射信号発生手段
807B1 第1区間用加速増量噴射時間演算部
807B2 第2区間用加速増量噴射時間演算部
807B3 第3区間用加速増量噴射時間演算部
81A スロットル開口面積比例値演算手段
81B 開口面積最大比例値演算手段
81D 第1区間加速増量制御用予測極小値演算手段
81E 第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段
81F 第1区間用加速判定手段
81H 第1区間用加速増量噴射時間演算手段
82A 吸気管内圧力判定手段
82B 第2区間用加速増量噴射時間演算手段
83A 設定クランク角位置吸気管内圧力検出手段
83B 第3区間加速増量制御用予測極小値演算手段
83D 第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段
83E 第3区間用加速判定手段
83F トータル加速増量噴射時間演算手段
83H 第3区間用加速増量噴射時間演算手段

Claims (6)

  1. エンジンの吸気管内圧力と回転速度と各種の制御条件とに対して基本噴射時間を演算し、前記エンジンの吸気行程が開始されるクランク角位置よりも位相が進んだクランク角位置に設定された同期噴射位置で前記基本噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるエンジンの燃料噴射制御方法において、
    前記エンジンの1燃焼サイクルの回転角度区間を、前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を始点とし前記吸気管内圧力が極大値に達するクランク角位置の手前側で該吸気管内圧力が極大値よりも小さく設定された境界値を示すクランク角位置を終点とする第1の区間と、前記第1の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置を終点とする第2の区間と、前記第2の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を終点とする第3の区間とに分け、
    前記第1の区間では、前記吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量を用いて前記エンジンのスロットルバルブの開口面積に比例した値を示すスロットル開口面積比例値を演算するとともにこの比例値から前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算して、該第1区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに前記予測極小値に対して演算した第1区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせ、
    前記第3の区間では、前記設定クランク角位置で検出した前記吸気管内圧力と前記回転速度とから前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算して該第3区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第3区間加速増量制御用予測極小値に対してトータル加速増量噴射時間を演算して、該トータル加速増量噴射時間が前記第1区間用加速増量噴射時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から前記第1区間用加速増量噴射時間を差し引いて求めた第3区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせること、
    を特徴とするエンジンの燃料噴射制御方法。
  2. エンジンの吸気管内圧力と回転速度と各種の制御条件とに対して基本噴射時間を演算し、前記エンジンの吸気行程が開始されるクランク角位置よりも位相が進んだクランク角位置に設定された同期噴射位置で前記基本噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるエンジンの燃料噴射制御方法において、
    前記エンジンの1燃焼サイクルの回転角度区間を、前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を始点とし前記吸気管内圧力が極大値に達するクランク角位置の手前側で該吸気管内圧力が極大値よりも小さく設定された境界値を示すクランク角位置を終点とする第1の区間と、前記第1の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置を終点とする第2の区間と、前記第2の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を終点とする第3の区間とに分け、
    前記第1の区間では、前記吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量を用いて前記エンジンのスロットルバルブの開口面積に比例した値を示すスロットル開口面積比例値を演算するとともにこの比例値から前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算して、該第1区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに前記予測極小値に対して演算した第1区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせ、
    前記第2の区間では、前記第1の区間で加速増量噴射が行なわれなかった状態で前記吸気管内圧力が設定した参照値を超えたときに前記エンジンの回転速度に対して演算した第2区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせ、
    前記第3の区間では、前記設定クランク角位置で検出した前記吸気管内圧力と前記回転速度とから前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算して該第3区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第3区間加速増量制御用予測極小値に対してトータル加速増量噴射時間を演算して、該トータル加速増量噴射時間が前記第1の区間及び第2の区間で既に行なわれた加速増量噴射よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から前記第1の区間及び第2の区間で既に行なわれた加速増量噴射の噴射時間を差し引いて求めた第3区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせること、
    を特徴とするエンジンの燃料噴射制御方法。
  3. エンジンの吸気管内圧力と回転速度と各種の制御条件とに対して基本噴射時間を演算し、前記エンジンの吸気行程が開始されるクランク角位置よりも位相が進んだクランク角位置に設定された同期噴射位置で前記基本噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるエンジンの燃料噴射制御方法において、
    前記エンジンの1燃焼サイクルの回転角度区間を、前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を始点とし前記吸気管内圧力が極大値に達するクランク角位置の手前側で該吸気管内圧力が極大値よりも小さく設定された境界値を示すクランク角位置を終点とする第1の区間と、前記第1の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置を終点とする第2の区間と、前記第2の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を終点とする第3の区間とに分け、
    前記第1の区間では、前記エンジンの前記スロットルバルブの開口面積と前記エンジンの吸気管内の容積と前記スロットルバルブを通して前記吸気管内に単位時間当たりに流入する空気の流量と前記エンジンの吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量との間に成立する関係を用いて、前記スロットルバルブの開口面積に比例する値をスロットル開口面積比例値として演算する過程を微小時間毎に繰り返し行なって、前記吸気管内圧力が前記境界値を超えるまでの間に演算された前記スロットル開口面積比例値の最大値をスロットル開口面積最大比例値として求める過程と、前記スロットル開口面積最大比例値と前記エンジンの回転速度とから前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を予測して第1区間加速増量制御用予測極小値を求める過程と、前記第1区間加速増量制御用予測極小値と前記吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差として該第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が設定された判定値以上であるか否かを判定する過程と、前記第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が前記判定値以上であるときに前記吸気管内圧力が直前に示した極小値と前記第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差と加速増量噴射時間との間の関係を与える第1区間用加速増量マップを用いて第1区間用加速増量噴射時間を演算する過程とを行なって演算された第1区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせ、
    前記第2の区間では、前記吸気管内圧力が直前に示した極大値に所定の加算値を加えた圧力値を参照値として、前記第1の区間で加速増量噴射が行なわれていない状態で前記吸気管内圧力が前記参照値を超えたときに前記エンジンの回転速度に対して第2区間用加速増量噴射時間を演算して、該第2区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせ、
    前記第3の区間では、前記設定クランク角位置で検出した前記吸気管内圧力と前記回転速度とから前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算する過程と、該第3区間加速増量制御用予測極小値と前記吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差として該第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差が前記判定値以上であるか否かを判定する過程と、前記第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差が前記判定値以上であるときに前記第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差と前記吸気管内圧力が直前に示した極小値と加速増量噴射時間との間の関係を与えるマップを用いてトータル加速増量噴射時間を演算して、このトータル加速増量噴射時間が前記第1区間用加速増量噴射時間と前記第2区間用加速増量噴射時間との和の時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から前記第1区間用加速増量噴射時間と前記第2区間用加速増量噴射時間との和の時間を差し引いた噴射時間を第3区間用加速増量噴射時間として演算する過程とを行なって、前記第3区間用加速増量噴射時間の間前記インジェクタから加速増量噴射を行なわせること、
    を特徴とするエンジンの燃料噴射制御方法。
  4. エンジンの吸気管内圧力と回転速度と各種の制御条件とに対して基本噴射時間を演算する基本噴射時間演算手段と、前記エンジンが加速状態にあるときに燃料噴射量の不足分を補うための加速増量噴射時間を演算する加速増量噴射時間演算部と、前記エンジンの吸気行程が開始されるクランク角位置よりも位相が進んだクランク角位置に設定された同期噴射位置で前記基本噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるために必要なパルス幅を有する燃料噴射信号を発生し、前記加速増量噴射時間演算部により演算された加速増量噴射時間の間燃料を噴射させるために必要なパルス幅を有する燃料噴射信号を前記エンジンが加速状態にあることが検出されたときに発生する燃料噴射信号発生手段と、前記燃料噴射信号に応答してインジェクタから燃料を噴射させるべく該インジェクタを駆動するインジェクタ駆動回路とを備えたエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記加速増量噴射時間演算部は、
    前記エンジンの1燃焼サイクルの回転角度区間を、前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を始点とし前記吸気管内圧力が極大値に達するクランク角位置の手前側で該吸気管内圧力が極大値よりも小さく設定された境界値を示すクランク角位置を終点とする第1の区間と、前記第1の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置を終点とする第2の区間と、前記第2の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を終点とする第3の区間とに分けて、前記エンジンのクランク角位置が前記第1ないし第3の区間のいずれにあるかを検出する回転区間検出手段と、
    前記回転区間検出手段により前記エンジンのクランク角位置が前記第1の区間にあることが検出されているときに、前記吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量を用いて前記エンジンのスロットルバルブの開口面積に比例した値を示すスロットル開口面積比例値を演算するとともにこの比例値から前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算して、該第1区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに前記予測極小値に対して第1区間用加速増量噴射時間を演算する第1区間用加速増量噴射時間演算部と、
    前記回転区間検出手段により前記エンジンのクランク角位置が前記第3の区間にあることが検出されているときに、前記設定クランク角位置で検出した前記吸気管内圧力と前記回転速度とから前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算して該第3区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第3区間加速増量制御用予測極小値に対してトータル加速増量噴射時間を演算して、該トータル加速増量噴射時間が前記第1区間用加速増量噴射時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から前記第1区間用加速増量噴射時間を差し引いて第3区間用加速増量噴射時間を演算する第3区間用加速増量噴射時間演算部と、
    を具備したことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. エンジンの吸気管内圧力と回転速度と各種の制御条件とに対して基本噴射時間を演算する基本噴射時間演算手段と、前記エンジンが加速状態にあるときに燃料噴射量の不足分を補うための加速増量噴射時間を演算する加速増量噴射時間演算部と、前記エンジンの吸気行程が開始されるクランク角位置よりも位相が進んだクランク角位置に設定された同期噴射位置で前記基本噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるために必要なパルス幅を有する燃料噴射信号を発生し、前記加速増量噴射時間演算部により演算された加速増量噴射時間の間燃料を噴射させるために必要なパルス幅を有する燃料噴射信号を前記エンジンが加速状態にあることが検出されたときに発生する燃料噴射信号発生手段と、前記燃料噴射信号に応答してインジェクタから燃料を噴射させるべく該インジェクタを駆動するインジェクタ駆動回路とを備えたエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記加速増量噴射時間演算部は、
    前記エンジンの1燃焼サイクルの回転角度区間を、前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を始点とし前記吸気管内圧力が極大値に達するクランク角位置の手前側で該吸気管内圧力が極大値よりも小さく設定された境界値を示すクランク角位置を終点とする第1の区間と、前記第1の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極大値から極小値に向けて低下していく区間の前半に設定された設定クランク角位置を終点とする第2の区間と、前記第2の区間の終点を始点とし前記吸気管内圧力が極小値を示すクランク角位置を終点とする第3の区間とに分けて、前記エンジンのクランク角位置が前記第1ないし第3の区間のいずれにあるかを検出する回転区間検出手段と、
    前記回転区間検出手段により前記エンジンのクランク角位置が前記第1の区間にあることが検出されているときに、前記吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量を用いて前記エンジンのスロットルバルブの開口面積に比例した値を示すスロットル開口面積比例値を演算するとともにこの比例値から前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算して、該第1区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに前記予測極小値に対して第1区間用加速増量噴射時間を演算する第1区間用加速増量噴射時間演算部と、
    前記回転区間検出手段により前記エンジンのクランク角位置が前記第2の区間にあることが検出されていて、前記第1の区間で加速増量噴射が行なわれなかった状態で前記吸気管内圧力が設定した参照値を超えたときに前記エンジンの回転速度に対して第2区間用加速増量噴射時間を演算する第2区間用加速増量噴射時間演算部と、
    前記回転区間検出手段により前記エンジンのクランク角位置が前記第3の区間にあることが検出されているときに、前記設定クランク角位置で検出した前記吸気管内圧力と前記回転速度とから前記吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算して該第3区間加速増量制御用予測極小値が前記吸気管内圧力の直前の極小値よりも設定値以上大きいときに該第3区間加速増量制御用予測極小値に対してトータル加速増量噴射時間を演算し、該トータル加速増量噴射時間が前記第1の区間及び第2の区間で既に行なわれた加速増量噴射よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から前記第1の区間及び第2の区間で既に行なわれた加速増量噴射の噴射時間を差し引いて第3区間用加速増量噴射時間を演算する第3区間用加速増量噴射時間演算部と、
    を具備したことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 前記第1区間用加速増量噴射時間演算部は、前記回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が前記第1の区間にあることが検出されているときに、吸気管内圧力を微小時間間隔でサンプリングしてエンジンのスロットルバルブの開口面積と前記エンジンの吸気管内の容積と前記スロットルバルブを通して前記吸気管内に単位時間当たりに流入する空気の流量と前記エンジンの吸気管内圧力の微小時間当たりの変化量との間に成立する関係を用いて、スロットルバルブの開口面積に比例する値をスロットル開口面積比例値として演算するスロットル開口面積比例値演算手段と、前記吸気管内圧力が前記境界値を超えるまでの間に前記スロットル開口面積比例値演算手段により演算されたスロットル開口面積比例値の最大値をスロットル開口面積最大比例値として求める開口面積最大比例値演算手段と、第1区間用吸気管内圧力極小値予測マップを用いてスロットル開口面積最大比例値とエンジンの回転速度とから吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第1区間加速増量制御用予測極小値として演算する第1区間加速増量制御用予測極小値演算手段と、前記第1区間加速増量制御用予測極小値と吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差として演算する第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段と、前記第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が設定された判定値以上であるか否かを判定して第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が設定された判定値以上であるときにエンジンが加速状態にあると判定する加速判定手段と、第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差が判定値以上であるときに吸気管内圧力が直前に示した極小値と第1区間加速増量制御用吸気管内圧力差と加速増量噴射時間との間の関係を与える第1区間用加速増量マップを用いて第1区間用加速増量噴射時間を演算する第1区間用加速増量噴射時間演算手段とを備えてなり、
    前記第2区間用加速増量噴射時間演算部は、回転区間検出手段によりエンジンのクランク角位置が第2の区間にあることが検出されていて、前記第1の区間で加速増量噴射が行なわれていないときに、吸気管内圧力が直前に示した極大値に所定の加算値を加えて求めた参照値と吸気管内圧力とを比較する吸気管内圧力判定手段と、前記吸気管内圧力判定手段により吸気管内圧力が参照値を超えたと判定されたときに第2区間用加速増量マップを用いてエンジンの回転速度に対して第2区間用加速増量噴射時間を演算する第2区間用加速増量噴射時間演算手段とを備えてなり、
    前記第3区間用加速増量噴射時間演算部は、前記設定クランク角位置での吸気管内圧力を検出する設定クランク角位置吸気管内圧力検出手段と、設定クランク角位置で検出した吸気管内圧力とエンジンの回転速度とに対して第3区間用吸気管内圧力極小値予測マップを用いて吸気管内圧力が次に示すであろう極小値を第3区間加速増量制御用予測極小値として演算する第3区間加速増量制御用予測極小値演算手段と、第3区間加速増量制御用予測極小値と吸気管内圧力が直前に示した極小値との差を第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差として演算する第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差演算手段手段と、前記第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差を判定値と比較して第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差ΔPBが判定値以上であるときにエンジンが加速状態にあると判定する第3区間用加速判定手段と、第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差が判定値以上であるときに第3区間加速増量制御用吸気管内圧力差と吸気管内圧力が直前に示した極小値と加速増量噴射時間との間の関係を与える第3区間用加速増量マップを用いて、トータル加速増量噴射時間を演算するトータル加速増量噴射時間演算手段と、前記トータル加速増量噴射時間が第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間よりも長いときに、該トータル加速増量噴射時間から第1区間用加速増量噴射時間と第2区間用加速増量噴射時間との和の時間を差し引いた噴射時間を第3区間用加速増量噴射時間として演算する第3区間用加速増量噴射時間演算手段とを備えてなる、
    請求項5に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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