JP2005240660A - エンジンのスロットル開口面積推定方法、この推定方法を用いたエンジンの加速検出方法及び加速検出装置並びにエンジンの燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置 - Google Patents

エンジンのスロットル開口面積推定方法、この推定方法を用いたエンジンの加速検出方法及び加速検出装置並びにエンジンの燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スロットルバルブポジションセンサを用いることなく、加速時の燃料噴射量を補正することができるエンジンの燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンの吸気管圧力の微小時間当たりの変化量を吸気管圧力変化量として検出する吸気管圧力変化量検出手段15と、スロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を求める演算を吸気バルブが閉じた後吸気管圧力が上昇していく過程で行って、オリフィスの開口面積をスロットルバルブの開口面積と推定するスロットル開口面積推定手段16と、推定された開口面積に基づいて噴射時間の加速増量補正値を演算する加速増量補正値演算手段20と、演算された加速増量補正値を用いて噴射量を補正する噴射時間補正手段10とを設けた。
【選択図】 図 1

Description

本発明は、エンジンの吸気管圧力からスロットルバルブの開口面積を推定するスロットル開口面積推定方法、この推定方法を用いたエンジンの加速検出方法及び加速検出装置並びに燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置に関するものである。
自動車等に搭載される4サイクルガソリンエンジン(内燃機関)においては、排気ガス規制に対処したり、燃費の向上を図ったり、ドライバビリティの向上を図ったりするために、電子制御燃料噴射装置が採用されている。
電子制御による燃料噴射制御を行うエンジンでは、所定の空燃比の混合気を得るようにインジェクタから噴射させる燃料の量を決定するために、シリンダ内に流入した空気の量を推定する必要がある。エンジンのシリンダ内への流入空気量を推定する方法として、吸気管圧力(吸気管内の圧力)とエンジンの回転速度とにより流入空気量を推定する方法(スピード・デンシティ方式)が知られている。
吸気管圧力と回転速度とにより推定した吸入空気量に対して燃料の噴射量を演算して、演算した量の燃料をインジェクタから噴射させるようにしたエンジンにおいては、運転者が車両を加速しようとして、スロットルを急に開いたときに、吸気圧の検出遅れにより空燃比がリーン側にずれ、排出ガスの成分が悪化したり、エンジンのドライバビリティが悪化したりするという問題が生じる。このような問題が生じないようにするためには、エンジンを加速するためにスロットルの急激な操作が行われたときに、スロットル開度の変化量に応じて燃料噴射量を増加させる加速増量補正を行って、空燃比がリーン側にずれるのを防ぐ必要がある。
スロットルの操作量を検出する方法としては、一般には、スロットルバルブの位置を検出するスロットルポジションセンサが用いられているが、スロットルポジションセンサを用いるとエンジンのコストが高くなるのを避けられない。コストの低減を図るためには、スロットルポジションセンサを用いずにエンジンの加速操作が行われたことを検出して、加速増量補正を行うことが必要である。
スロットルポジションセンサを用いずにエンジンの加速操作が行われたことを検出する方法として、特許文献1に示されているように、エンジンの吸気管圧力を監視して、吸気管圧力が所定の変化を示したときにエンジンが加速状態にあることを検出する方法が提案されている。
特許文献1に示された方法では、予め定めた複数のクランク角位置をサンプル位置として定めて、各サンプル位置で吸気管圧力をサンプリングし、各サンプル位置で新たにサンプリングした吸気管圧力を1燃焼サイクル前の同じサンプル位置でサンプリングした吸気管圧力と比較する。そして、新たにサンプリングした吸気管圧力が1燃焼サイクル前にサンプリングした吸気管圧力よりも所定値以上高い場合にエンジンが加速状態にあると判定するようにしている。
エンジンの加速時には、スロットルバルブが開かれることにより吸気管圧力が上昇する。従って、各サンプル位置でサンプリングした吸気管圧力を1燃焼サイクル前の同じサンプル位置でサンプリングした吸気管圧力と比較して、新たにサンプリングした吸気管圧力が1燃焼サイクル前にサンプリングした吸気管圧力よりも所定のレベル以上高くなっていることを検出することにより、エンジンの加速状態を検出することができる。加速の程度は、例えば、新たにサンプリングした吸気管圧力と1燃焼サイクル前に同じサンプル位置でサンプリングした吸気管圧力との差の時間的変化率を見ることにより判定することができる。
特開2002−242749号公報
特許文献1に示された加速検出方法によれば、スロットルポジションセンサを用いることなく、エンジンが加速状態にあることを検出することができる。しかしながら、この既提案の方法のように、エンジンの複数のクランク角位置をそれぞれサンプル位置として、各サンプル位置でサンプリングした吸気管圧力に基づいて加速の検出を行うようにすると、以下に示すような問題が生じる。
吸気管圧力は、吸気行程において急速に低下し、吸気行程の末期ないしは圧縮行程の初期に極小値を示す。吸気管圧力は極小値を示した後、次の吸気行程の直前まで徐々に上昇していく。吸気管圧力の上昇過程における上昇の度合いは、スロットルバルブの開口面積(スロットル開口面積)と、スロットルバルブと吸気バルブとの間の吸気管内の容積(スロットルバルブよりも下流側での吸気管内容積)とにより決まる時定数によって支配される。吸気管圧力が上昇していく過程では吸気バルブが閉じているため、吸気管圧力は、ピストンの動き(クランク角)とは無関係である。
また吸気管圧力が上昇していく過程において、スロットル開度が小さい場合には、スロットルバルブの開口部を通過する空気の流量が少ないため、吸気管圧力の上昇は遅くなり、逆にスロットル開度が大きい場合には、スロットルバルブの開口部を通過する空気の流量が多くなるため、吸気管圧力の上昇が速くなる。このように、吸気行程が終了した後、吸気管圧力が上昇していく期間では、吸気バルブが閉じているため、吸気管圧力はクランク角とは無関係である。また吸気管の容積は一定であるため、吸気管圧力は、スロットルバルブの開口面積と経過時間とにより決まる。
しかるに、既提案の加減速検出方法では、吸気行程が終了した後、吸気管圧力が上昇していく期間でも、予め定めたクランク角位置をサンプル位置として吸気管圧力をサンプリングしていたため、エンジンの回転速度が変化している状態(過渡状態)では、各サンプル位置でサンプリングした吸気管圧力と、1燃焼サイクル前の同じサンプル位置でサンプリングした吸気管圧力とが比較の対象としての対応関係を持たなくなり、エンジンか゛加速状態にあることを的確に検出することができなくなるという問題があった。
また吸気バルブが閉じた後の吸気管圧力の変化は、スロットルバルブの開口面積と経過時間とにより決まるため、吸気管圧力の変化からスロットルバルブの開口面積に関する情報を得て、その情報をエンジンの種々の制御に用いることが考えられる。スロットルセンサを用いることなく、スロットルバルブの開口面積に関する情報を得ることができれば、燃料噴射制御だけでなく、スロットルバルブの開口面積に対して各種の制御量を制御する場合に、その制御装置のコストの低減を図ることができる。
前述のように、吸気管圧力の変化からエンジンの加速を検出することは行われているが、吸気管圧力からスロットルバルブの開口面積に関する情報を得ることは行われていない。
本発明の目的は、エンジンの吸気管圧力からスロットルバルブの開口面積に関する情報を的確に得ることができるエンジンのスロットル開口面積推定方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、スロットルポジションセンサを用いることなく、エンジンが加速状態にあることの検出を的確に行うことができるようにしたエンジンの加速検出方法及び装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、エンジンが加速状態にあるときに燃料噴射量を的確に補正して、排出ガスの成分を悪化させたり、ドライバビリティを悪化させたりすることがないように燃料噴射量を制御することができるエンジンの燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明によれば、エンジンの吸気管圧力からスロットルバルブの開口面積を推定する方法が提供される。
本発明に関わるスロットル開口面積推定方法においては、エンジンの吸気管圧力の微小時間当たりの変化量を吸気管圧力変化量として検出し、エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を求める演算を、エンジンの吸気バルブが閉じた後吸気管圧力が上昇していく過程で行い、演算されたオリフィスの開口面積をスロットルバルブの開口面積として推定する。
スロットルバルブをオリフィスと見なすと、該オリフィスを通して流れる空気の質量流量はオリフィスの開口面積と、オリフィスの前後の圧力差と、空気の比容積と、流量係数と、重力の加速度とにより求めることができる。また吸気バルブが閉じているときには、吸気管内の微小時間当たりの圧力変化が、オリフィスを通過する空気の質量流量により決まり、温度を一定とすると、微小時間当たりの吸気管内の圧力変化は、オリフィスを通過する空気の質量流量と、所定の定数とにより決まる。従って、吸気バルブが閉じている状態での微小時間当たりの吸気管圧力の変化と、スロットルバルブの前後の圧力差と、所定の定数とからオリフィスの開口面積を演算することができる。
本発明者は、このようにして求めたオリフィスの開口面積と、スロットルポジションセンサにより検出したスロットル開度から演算したスロットルバルブの開口面積とを比較した結果、吸気管圧力が上昇していく過程では、オリフィスの開口面積とスロットルポジションセンサにより検出したスロットル開度から演算したスロットルバルブの開口面積とがスロットル開度の変化に対してほぼ同じような変化を示し、両者の間に相関関係があることを確認した。
従って、上記のように、スロットルバルブをオリフィスと見なして、吸気管圧力が上昇していく過程で求めた該オリフィスの開口面積をスロットルバルブの開口面積と推定することにより、スロットルポジションセンサを用いることなく、スロットルバルブの開口面積の情報を得ることができる。
オリフィスの開口面積をAo、エンジンのスロットルバルブの入口側圧力をPo、吸気管圧力(負圧)をPb、吸気管圧力変化量をΔPb、定数をKとすると、オリフィスの開口面積Aoは、これらの間の関係を与える演算式Ao=K・{ΔPb/(Po−Pb)1/2 }に基づいて演算することができる。ここで、開口面積Aoを上記演算式に基づいて演算するとしているのは、演算式そのものを用いて演算してもよく、上記の演算式に基づいて作成した開口面積演算用マップを用いて演算してもよいとの趣旨である。演算を速くするためには、マップ演算によるのが好ましい。
スロットルバルブの開口面積として推定することができるオリフィスの開口面積の演算は、吸気バルブが閉じていて、吸気管圧力が上昇していく過程で行う必要がある。またスロットルバルブの入口側圧力Poと吸気管圧力Pbとの差が零に近づくと、吸気管圧力の測定誤差がオリフィスの開口面積の演算結果に与える影響が大きくなってオリフィスの開口面積と実際のスロットルバルブの開口面積との差が大きくなり、オリフィスの開口面積をスロットルバルブの推定開口面積とすることに無理が生じるため、吸気管圧力が上昇していく期間であっても、吸気管圧力が大気圧に近づく領域では上記の推定を行わないようにするのが好ましい。また吸気管圧力変化量が小さい領域でもオリフィスの開口面積と実際のスロットルバルブの開口面積との間の差が大きくなるため、吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミング以降の期間でのみオリフィスの開口面積をスロットルバルブの開口面積と推定するのを許可するようにするのが好ましい。
従って、本発明の好ましい態様では、エンジンの吸気バルブが閉じた後、吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、該推定許可期間の間で求められたオリフィスの開口面積をスロットルバルブの開口面積と推定するようにする。
本発明によればまた、エンジンが加速状態にあることを検出するエンジンの加速検出方法が提供される。
本発明に関わる加速検出方法においては、エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングし、新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出する。そして、エンジンの吸気バルブが閉じた後、吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから新たにサンプリングされた吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間とし、エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積をエンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を前記推定許可期間の間行う。推定許可期間において求められたスロットルバルブの推定開口面積が増加したことが検出されたときにエンジンが加速状態にあることを検出する。
スロットルバルブの推定開口面積を用いてエンジンの加速を検出する際には、新たにサンプリングされた吸気管圧力から演算された推定開口面積が前回サンプリングされた吸気管圧力から演算された推定開口面積よりも大きいときに加速を検出するのではなく、推定許可期間において新たに求められた推定開口面積と、同じ推定許可期間の間に求めた推定開口面積の最小値との差が設定された判定値以上であるときにエンジンが加速状態にあることを検出するようにするのが好ましい。
上記の加速検出方法によれば、スロットルポジションセンサを用いることなく、吸気管圧力からエンジンが加速状態にあることを的確に検出することができる。
本発明によればまた、エンジンが加速状態にあることを検出する加速検出装置が提供される。
本発明に係わる加速検出装置においては、エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングする吸気管圧力サンプリング手段と、吸気管圧力サンプリング手段により新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出する吸気管圧力変化量検出手段と、エンジンの吸気バルブが閉じた後上記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積をエンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を、上記推定許可期間の間行うスロットル開口面積推定手段と、各推定許可期間において新たに求められた推定開口面積と同じ推定許可期間の間に求めた推定開口面積の最小値との差が設定された判定値以上であるときにエンジンが加速状態にあると判定する加速判定手段とが設けられる。
本発明によればまた、エンジンの吸気管圧力と回転速度とから吸入空気量を推定する過程と、推定された吸入空気量に対して決定した燃料の基本噴射時間を基に実噴射時間を演算する噴射時間演算過程とを行って、噴射時間演算過程で演算された実噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるようにインジェクタを制御するエンジンの燃料噴射制御方法が提供される。
本発明に係わる燃料噴射制御方法では、エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングし、新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出する。そして、エンジンの吸気バルブが閉じた後、吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから新たにサンプリングされた吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積をエンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を推定許可期間の間行う。噴射時間演算過程では、スロットル開口面積推定過程で求められた推定開口面積を使用して加速増量補正値を演算し、基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に加速増量補正値を加算することにより実噴射時間を演算する。
上記噴射時間演算過程では、前記推定許可期間において推定開口面積が新たに求められる毎に、新たに求めた推定開口面積から同じ推定許可期間において求めた推定開口面積の最小値を減じることにより推定開口面積変化量を求めて、該推定開口面積変化量が正であるときに該推定開口面積変化量を使用して加速増量補正値を演算するようにするのが好ましい。
上記推定開口面積Aoは、エンジンのスロットルバルブの入口側圧力Poと、吸気管圧力Pbと、新たにサンプリングされた吸気管圧力Pb´と、前回サンプリングされた吸気管圧力Pb及び定数Kと開口面積Aoとの間の関係を与える演算式Ao=K×{(Pb´−Pb)/(Po−Pb)1/2 }に基づいて演算することができる。
本発明によればまた、エンジンの吸気管圧力と回転速度とから吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段と、この吸入空気量推定手段により推定された吸入空気量に対して決定した燃料の基本噴射時間を基に実噴射時間を演算する噴射時間演算手段と、この噴射時間演算手段により演算された実噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるようにインジェクタを制御するインジェクタ制御手段とを備えたエンジンの燃料噴射制御装置が提供される。
本発明に係わる燃料噴射制御装置においては、エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングする吸気管圧力サンプリング手段と、新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出する吸気管圧力変化量検出手段と、エンジンの吸気バルブが閉じた後吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積をエンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を推定許可期間の間行うスロットル開口面積推定手段と、各燃焼サイクルにおいてサンプリングされた吸気管圧力の最小値を検出する吸気管圧力最小値検出手段とが設けられる。
この場合噴射時間演算手段は、スロットル開口面積推定過程で求められた推定開口面積と吸気管圧力最小値検出手段により既に検出されている吸気管圧力の最小値の最新のデータとから加速増量補正値を演算して、基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に前記加速増量補正値を加算することにより実噴射時間を演算するように構成される。
本発明の好ましい態様では、上記噴射時間演算手段が、推定許可期間において推定開口面積が新たに求められる毎に、新たに求めた推定開口面積から同じ推定許可期間において求めた推定開口面積の最小値を減じることにより推定開口面積変化量を求めて、該推定開口面積変化量が正であるときに該推定開口面積変化量と、吸気管圧力最小値検出手段により既に検出されている吸気管圧力の最小値の最新のデータとから加速増量補正値を演算して、基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に前記加速増量補正値を加算することにより実噴射時間を演算するように構成される。
以上のように、本発明によれば、吸気バルブが閉じた後吸気管圧力が上昇していく過程では、スロットルバルブをオリフィスと見なして、該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と微小時間当たりの吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を求めたときに、該オリフィスの開口面積が実際のスロットルバルブの開口面積と相関関係を有することに着目して、該オリフィスの開口面積をスロットルバルブの推定開口面積として求めるようにしたので、スロットルポジションセンサを用いることなく、エンジンの吸気管圧力からスロットルバルブの開口面積に関する情報を得ることができる。
また本発明によれば、上記のようにして推定したスロットルバルブの開口面積の変化からエンジンが加速状態にあることを検出するようにしたので、スロットルポジションセンサを用いることなく、エンジンが加速状態にあることの検出を的確に行うことができる。
更に本発明によれば、上記のスロットル開口面積推定方法により得たスロットルバルブの開口面積の情報と、各噴射開始タイミングの直前に既に検出されている吸気管圧力の最小値の最新データとから加速増量補正値を演算して、基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に上記加速増量補正値を加算することにより実噴射時間を演算するようにしたので、スロットルポジションセンサを用いることなく、加速時に燃料噴射量を的確に補正して、排出ガスの成分を悪化させたり、ドライバビリティを悪化させたりすることがないように燃料噴射量を制御することができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる燃料噴射制御装置の一実施形態を示したもので、同図において1はエンジンの吸気管に取り付けられて該吸気管内に燃料を噴射するインジェクタ、2は燃料タンクからインジェクタ1に燃料を与える燃料ポンプ、3は噴射指令が与えられている間インジェクタ1に駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路である。インジェクタは駆動回路3から駆動電流が与えられている間エンジンの吸気管内に燃料を噴射する。燃料ポンプ2からインジェクタ1に与えられる燃料の圧力は圧力調整器により一定に保たれるため、インジェクタ1から噴射させる燃料の量(噴射量)は、インジェクタから燃料を噴射する時間(噴射時間)により管理される。
4はエンジンのクランク軸の所定の回転角度位置でパルス信号を発生するパルサ(パルス信号発生器)で、このパルサが発生するパルス信号は波形整形回路をとおしてマイクロコンピュータ(図示せず。)に与えられる。マイクロコンピュータは、パルサ4が所定のクランク角位置でパルス信号を発生する毎にメインルーチンに割り込みをかけて、タイマが計測している時間を読み込む。そして、読み込んだ時間と前回同じクランク角位置で読み込んだ時間とからエンジンのクランク軸が1回転するのに要した時間Tnを演算し、この時間Tnからエンジンの回転速度を演算する。このように、パルサ4の出力からエンジンが1回転するのに要した時間を計測する過程と、その時間から回転速度を演算する過程とにより回転速度検出手段5が構成される。
6はエンジンの吸気管に取り付けられた圧力センサで、この圧力センサは、エンジンのスロットルバルブよりも後流側の吸気管内圧力を吸気管圧力として検出する。7は圧力センサ6の出力を微小時間毎に到来するサンプルタイミングでサンプリングする吸気管圧力サンプリング手段、8は吸気管圧力サンプリング手段7によりサンプリングされた吸気管圧力と回転速度検出手段5により検出された回転速度とからエンジンの吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段である。
吸入空気量推定手段8はエンジンの吸入空気量を推定する手段で、本実施形態では、エンジンの回転速度と後記する吸気管圧力最小値検出手段により検出された吸気管圧力の最小値とに対して吸入空気量演算用マップを検索して、検索した値に補間演算を施すことによりエンジンの吸入空気量の推定値を求める。吸入空気量推定手段8により求められた吸入空気量の推定値は、基本噴射時間演算手段9に与えられる。
基本噴射時間演算手段9は、吸入空気量推定手段8により推定された吸入空気量に対して、所定の空燃比の混合気を得るために必要な燃料の噴射量を演算し、演算した噴射量の燃料をインジェクタ1から噴射させるために必要な噴射時間を基本噴射時間として演算する。
10は基本噴射時間演算手段9により演算された基本噴射時間を各種の条件に対して補正して実際の噴射時間を演算する噴射時間補正手段で、この噴射時間演算手段10には、
回転速度検出手段5により検出された回転速度と、大気圧センサ11により検出された大気圧と、水温センサ12により検出された機関の冷却水の温度と、吸気温センサ13により検出された吸気温度とが制御条件として与えられている。
噴射時間補正手段10は、基本噴射時間演算手段9により演算された基本噴射時間に、回転速度、大気圧、冷却水温度及び吸気温に対してそれぞれ決定した回転速度補正係数、大気圧補正係数、冷却水温度補正係数及び吸気温補正係数を乗じることにより、回転速度、大気圧、冷却水温度及び吸気温度に対して補正された噴射時間を演算する。
また本実施形態では、スロットルバルブの開口面積の推定と、エンジンが加速状態にあることの検出とを行うとともに、エンジンが加速状態にあることが検出されたときに、基本噴射時間を各種の制御条件(この例では回転速度、大気圧、冷却水温度及び吸気温)に対して補正することにより求めた噴射時間を更に補正するために、吸気管圧力変化量検出手段15と、スロットル開口面積推定手段16と、加速判定手段17からなる加速検出装置18と、吸気管圧力最小値検出手段19と、加速増量補正値演算手段20とが設けられている。
吸気管圧力変化量検出手段15は、吸気管圧力の微小時間当たりの変化量を検出する手段で、吸気管圧力サンプリング手段7により新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出する。
スロットル開口面積推定手段16は、本発明に係わるスロットル開口面積推定方法によりスロットルバルブの開口面積を推定する一連の過程を行う手段で、この推定手段は、エンジンの吸気バルブが閉じた後吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積をエンジンのスロットルバルブの推定開口面積とする。
加速判定手段17は、エンジンが加速状態にあるか否かを判定する手段で、推定許可期間の間にスロットル開口面積推定手段16により求められたスロットルバルブの推定開口面積が増加したことが検出されたときにエンジンが加速状態にあると判定する。
推定開口面積が増加したか否かを判定する際には、新たに求められた推定開口面積と前回のサンプルタイミングで求められた推定開口面積とを比較するようにしてもよいが、吸気管圧力が推定許可圧力上限値PbAocalに近づいていくと、吸気管圧力の測定誤差等が推定開口面積に与える影響が大きくなって推定開口面積と実際のスロットルバルブの開口面積との間の誤差が大きくなるため、新たに求められた推定開口面積と前回求められた推定開口面積とを比較することは好ましくない。
そこで本発明の好ましい態様では、各推定許可期間において新たに求められた推定開口面積が、同じ推定許可期間の間に既に求められた推定開口面積の最小値よりも設定された判定値以上大きいとき(各推定許可期間において新たに求められた推定開口面積と同じ推定許可期間の間に求めた推定開口面積の最小値との差が設定された判定値以上であるとき)にエンジンが加速状態にあると判定するようにする。このようにすれば、推定開口面積が演算の誤差により多少変動しても、加速状態の検出を的確に行わせることができる。
吸気管圧力最小値検出手段19は、推定許可期間における吸気管圧力の最小値を検出する手段で、各サンプルタイミングで新たに吸気管圧力がサンプリングされる毎に、新たにサンプリングした吸気管圧力を推定許可期間において既にサンプリングした吸気管圧力の最小値と比較することにより、吸気管圧力の最小値を求める。
加速増量補正値演算手段20は、エンジンが加速状態にあると判定されたときに、噴射量を増量するために、回転速度、大気圧、冷却水温度及び吸気温に対して基本噴射時間を補正することにより求めた噴射時間に加算する補正時間を加速増量補正値として演算する手段で、この演算手段は、スロットル開口面積推定手段16により求められたスロットルバルブの推定開口面積と、吸気管圧力最小値検出手段19により検出された吸気管圧力の最小値の最新のデータとから加速増量補正値を演算する。
本実施形態では、各推定許可期間において新たに求められた推定開口面積と、既に求められている推定開口面積の最小値との差を開口面積変化量として求めて、この開口面積変化量と、吸気管圧力最小値検出手段19により既に検出されている吸気管圧力の最小値の最新のデータとに対して加速増量補正値演算用マップを検索することにより加速増量補正値を演算するように加速増量補正値演算手段20が構成されている。
加速増量補正値演算手段20により演算された加速増量補正値は、噴射時間補正手段10に与えられる。噴射時間補正手段10は、回転速度、大気圧、冷却水温度及び吸気温に対して基本噴射時間を補正することにより求めた噴射時間に加速増量補正値演算手段20により演算された加速増量補正値を加算することにより実噴射時間を演算して、演算した実噴射時間を噴射指令発生手段21に与える。噴射指令発生手段21は、パルサ4が所定のパルス信号を発生するタイミングを基準として検出した噴射開始タイミングで、実噴射時間に無効噴射時間(インジェクタの駆動を開始した後インジェクタの弁が開いて燃料の噴射が開始されるまでの時間)を加えた時間に等しい信号幅を有する噴射指令信号をインジェクタ駆動回路3に与える。インジェクタ駆動回路3は、この噴射指令が与えられている間インジェクタ1を駆動して、実噴射時間の間該インジェクタから燃料の噴射を行わせる。
前述のように、本発明のスロットル開口面積推定方法においては、新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差(吸気管圧力の微小時間当たりの変化量)を吸気管圧力変化量として検出し、エンジンの吸気バルブが閉じた後吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と吸気管圧力変化量との間に成立する関係からオリフィスの開口面積を推定開口面積として求める演算を推定許可期間で行い、演算された推定開口面積をエンジンのスロットルバルブの開口面積として推定する。そしてこのスロットルバルブの開口面積の変化からエンジンが加速状態にあることを検出し、エンジンが加速状態にあることが検出されたときに推定したスロットルバルブの開口面積と、燃焼サイクル中の吸気管圧力の最小値の最新のデータ(噴射タイミングの直前に検出された吸気管圧力の最小値)とから加速増量補正値を演算する。
以下本発明のスロットル開口面積推定方法につき更に詳細に説明する。吸気行程が終了して、吸気バルブが閉じた後の吸気管内の圧力変化を考える。図2に示すように、吸気ポートに吸気管30が接続されたエンジン31において、吸気バルブ32が閉じているものとし、スロットルバルブ33よりも上流側の圧力(ほぼ大気圧)をPo、スロットルバルブよりも下流側の吸気管内の圧力(吸気管圧力)をPb、吸気管内の空気の質量をm、空気の体積をV、絶対温度をT、スロットルバルブを通して流れる空気の質量流量をGとする。吸気バルブ32が閉じている状態では、スロットルバルブTVを通過する空気の流入量によりスロットルバルブより下流側の吸気管内の圧力Pbが変化すると考えられる。
ここで、スロットルバルブを開口部の面積が可変なオリフィスと見なし、図3に示すように、断面積がA1の吸気管30内に開口面積がAoのオリフィス34があるものとする。このときオリフィス34を通過する空気の質量流量Gは、下記の式により与えられる。
G=Cq・Ao{2g(Po−Pb)/ν}1/2 …(1)
G:質量流量
Ao:オリフィスの開口面積
g:重力加速度
ν:空気の比容積
Po:上流側の圧力(ほぼ大気圧)
Pb:下流側の圧力(吸気管圧力)
Cq:流量係数
簡略化するため、定数及び変化が小さい項をK1[=Cq(2g/ν)1/2 ]でまとめると、(1)式は下記の(2)式により表すことができる。
G=K1・Ao(Po−Pb)1/2 …(2)
またスロットルバルブ33より下流側の吸気管30内のある時点での気体の状態方程式は、
Pb・V=m・R・T …(3)
(3)式が成立する時点から微小時間が経過して、スロットルバルブを通して質量流量Gの空気が流入した後の、スロットルバルブより下流の吸気管内の空気の質量m´は、
m´=m+G …(4)
簡単にするため、空気の流入により温度が変化しなかったとすると、気体の状態方程式は、
Pb´・V=m´・R・T …(5)
式(3),(4),(5)を整理すると、吸気管内の圧力の変化は、
(Pb´−Pb)=G・R・T/V …(6)
(2)式と(3)式とから、オリフィスの開口面積Aoを求めると、
Ao=(Pb´−Pb)・V/K1・RT(Po−Pb)1/2 …(7)
ここで定数及び変化が小さい項をまとめてK(=V/K1・R・T)とおくと、
Ao=K(Pb´−Pb)・V/R・T(Po−Pb)1/2 …(8)
Pb´−Pb=ΔPbとおくと、
Ao=K・ΔPb・V/R・T(Po−Pb)1/2 …(8)´ 本発明では、このようにして求めたオリフィスの開口面積Aoをスロットルバルブの推定開口面積とする。
本発明者は、4サイクル単気筒エンジンを例にとって、上記のようにして求めたオリフィスの開口面積Aoと実際のスロットルバルブの開口面積との相関関係を調べる実験を行った。実験では、エンジンの吸気管圧力を2msec間隔でサンプリングし、最新のサンプルタイミングでサンプリングした吸気管圧力をPb´、1つ前のサンプルタイミングでサンプリングした吸気管圧力をPb、オリフィスの上流側の圧力Poを大気圧(1013hPa)とし、定数Kを適当な値にして、実際にサンプリングした吸気管圧力に対して演算したオリフィスの開口面積Aoを演算した。またスロットルバルブにスロットルポジションセンサを取り付けて、該スロットルポジションセンサにより検出したスロットル開度を吸気管圧力のサンプルタイミングと同じタイミングでサンプリングし、サンプリングした各スロットル開度に対してスロットルバルブの開口面積を演算した。
上記の実験で得られた吸気管圧力Pbの測定値、スロットル開度θthの測定値及び(8)式により演算したオリフィスの開口面積Aoの演算結果を図4(B)に示した。またスロットル開度θthから演算したスロットルバルブの開口面積を同図に曲線aとして示した。
図4(B)から明らかなように、吸気バルブが開いていて、吸気管内の圧力がシリンダ内の圧力の影響を受けて低下していく期間では、(8)式を導く際に設定した前提条件(吸気バルブが閉じていてスロットルバルブを通過する空気により吸気管圧力が上昇していくこと)が成立しないため、(8)式により演算した推定開口面積Aoは、実際のスロットルバルブの開口面積と相関関係を持たない。
これに対し、吸気バルブが閉じた後吸気管圧力が上昇していく過程では、推定開口面積Aoが実際のスロットルバルブの開口面積(曲線a)と相関関係を持つ。吸気管圧力が上昇していく過程でも、(8)式の分母(Po−Pb)1/2 が小さいとき(吸気管圧力が大気圧に近いとき)には、実際には僅かに変動することが考えられるPoを一定と仮定したこと、吸気管圧力の僅かな測定誤差が演算結果に大きく影響することとにより、推定開口面積Aoと実際のスロットルバルブの開口面積との間の差が大きくなり、スロットルバルブの開口面積の推定の精度が低下する。また新たにサンプリングした吸気管圧力と前回サンプリングした吸気管圧力との差(吸気管圧力変化量)がきわめて小さい領域でも、推定の精度が低下している。
上記のように、推定の精度が低下する期間を除いた期間においては、(8)式により演算したオリフィスの開口面積Aoと実際のスロットルバルブの開口面積とが同じような傾向で変化するため、推定の精度が低下した期間を除いた期間を推定許可期間として、この推定許可期間でのみオリフィスの開口面積Aoをスロットルバルブの開口面積と推定するようにすれば、スロットルバルブの開口面積の情報を得ることができる。
本発明においては、吸気バルブが閉じた後、新たにサンプリングされた吸気管圧力Pbad[(8)式のPb´]と前回サンプリングされた吸気管圧力Pbado[(8)式のPb]との差(吸気管圧力変化量)DPbad[(8)式のPb´−Pb、(8)´式のΔPb]が設定値DPbAocal以上になるタイミングから、吸気管圧力が予め設定された値(推定許可圧力上限値)PbAocalに達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間Ta1,Ta2,…とする。上記設定値DPbAocal及び推定許可圧力上限値PbAocalは、推定開口面積Aoと実際のスロットルバルブの開口面積との相関関係が大きく崩れる期間を推定許可期間Ta1,Ta2,…から除くように設定される。
図4(B)において、スロットル開度θthがほぼ一定の値を示している推定許可期間Ta1及びTa2では、(8)式により演算した推定開口面積Aoがほぼ一定になり、該推定開口面積Aoの値と実際のスロットルバルブの開口面積(曲線a)とがほぼ一致している。
推定許可期間Ta3では、エンジンを加速するためにスロットル開度を増加させている。この期間Ta3でも、吸気管圧力と大気圧との差が大きい領域では、(8)式により演算した推定開口面積Aoと実際のスロットルバルブの開口面積(曲線a)とがほぼ一致している、期間Ta3において、吸気管圧力と大気圧との差が小さくなる領域では、吸気管圧力の測定誤差が推定開口面積の演算の結果に与える影響が大きくなり、推定開口面積Aoと実際のスロットルバルブの開口面積との差が大きくなるが、推定開口面積Aoの変化はスロットルバルブの開口面積の変化と相関関係を有している。
また推定許可期間Ta4では、スロットル開度が更に大きくなっている。この期間Ta4においては、吸気管圧力Pbと大気圧との差がかなり小さくなっているため、(8)式で演算した推定開口面積Aoと実際のスロットルバルブの開口面積との差が大きくなるが、推定開口面積Aoの変化は、スロットルバルブの開口面積の変化と相関関係を有している。
上記のように、吸気バルブが閉じた後、新たにサンプリングされた吸気管圧力Pbadと前回サンプリングされた吸気管圧力Pbadoとの差(吸気管圧力変化量)DPbadが設定値以上になるタイミングから新たにサンプリングした吸気管圧力Pbadが予め設定された値PbAocalに達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間Ta1,Ta2,Ta3,…では、エンジンの加速時に推定開口面積Aoが実際のスロットルバルブの開口面積と同じような変化を示すため、推定開口面積Aoをスロットルバルブの開口面積と推定することにより、スロットルポジションセンサを用いることなく、実際のスロットルバルブの開口面積の変化の情報を得ることができる。
そこで本発明においては、上記の期間Ta1,Ta2,Ta3,…のそれぞれを推定許可期間として、これらの推定許可期間Ta1,Ta2,Ta3,…でのみ、演算した推定開口面積Aoをスロットルバルブの開口面積と推定することを許可し、推定許可期間Ta1,Ta2,Ta3,…以外の期間はマスク期間として、各マスク期間ではスロットルバルブの開口面積の推定を禁止する。
図1に示したスロットル開口面積推定手段16は、サンプリングした吸気管圧力Pbadが推定許可圧力上限値PbAocal以下で、かつ吸気管圧力変化量DPbadが上昇方向に設定値DPbAocal以上変化しているときに、サンプリングした吸気管圧力から(8)式によりオリフィスの開口面積Aoを演算し、演算した開口面積Aoをスロットルバルブの推定開口面積とする。
なお(8)式は平方根の演算を含んでいるため、この式をそのまま用いて演算を行うと演算に時間がかかる。演算を速くするためには、Poを例えば標準大気圧として、吸気管圧力変化量DPbadと吸気圧Pbadと推定開口面積Aoとの関係を与える三次元マップ(推定開口面積演算用マップ)を(8)式に基づいて作成しておいて、DPbad及びPbadに対してこのマップを検索することにより推定開口面積Aoの演算を行うようにするのが好ましい。
加速増量補正値演算手段20は、1燃焼サイクル中に検出された吸気管圧力の最小値Pbadminと、推定開口面積Aoとから加速増量補正値演算マップを検索することにより、加速増量補正値ACCINJを演算し、演算した補正値を噴射時間補正手段10に与える。噴射時間補正手段10は、基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に加速増量補正値ACCINJを加算することにより実噴射時間を演算する。
各燃焼サイクルにおける吸気管圧力の最小値は、スロットルバルブが開かれてエンジンを加速する操作が行われたときに高くなり、スロットルバルブが閉じられると低くなる。従って、上記のように、各燃焼サイクルにおける吸気管圧力の最小値と、吸気管圧力から推定されたスロットルバルブの開口面積とに応じて、加速増量補正値ACCINJを演算して、基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に加速増量補正値ACCINJを加算するようにすると、エンジンの加速時の燃料噴射量の補正を的確に行うことができる。
図4(A)は、同図(B)に示すように吸気管圧力が変化した場合に噴射指令発生手段21がインジェクタ駆動回路3に与える噴射指令信号Vj1,Vj2,…を示している。インジェクタ駆動回路3は、これらの噴射指令信号が与えられている間、インジェクタ1に駆動電圧を印加してインジェクタを駆動する。図4(A)に示した噴射指令信号Vj1,Vj2,…の内、Vj3及びVj4は推定開口面積Ao及び吸気管圧力の最小値の最新のデータに基づいて加速増量補正が行われた噴射指令信号であり、これらの噴射指令信号の斜線が施された部分の信号幅が加速増量補正値に等しくなっている。
噴射指令信号Vj3の斜線部分の信号幅を規定している加速増量補正値は、その直前に検出された吸気圧の最小値Pbadmin3と、推定許可期間Ta3で最後に推定されたスロットルバルブの開口面積Ao3とに基づいて演算されている。また噴射指令信号Vj4の斜線部分の信号幅を規定している加速増量補正値は、その直前に検出された吸気圧の最小値Pbadmin4と、推定許可期間Ta4で最後に推定されたスロットルバルブの開口面積Ao4とに基づいて演算されている。
前述のように、特許文献1に示された方法では、新たにサンプリングされた吸気管圧力を1燃焼サイクル前の同じサンプル位置でサンプリングされた吸気管圧力と比較することによりエンジンの加速を検出するようにしていたために、エンジンの回転速度が変化している状態では、各サンプル位置でサンプリングした吸気管圧力と、1燃焼サイクル前の同じサンプル位置でサンプリングした吸気管圧力とが比較の対象としての対応関係を持たなくなり、エンジンか゛加速状態にあることを的確に検出することができなくなるという問題があったが、この問題は下記の方法によることにより解消することができる。
即ち、エンジンの特定のクランク角位置を基準クランク角位置として、該基準クランク角位置で基準クランク角信号を発生する信号発生器(例えば図1の例で用いられているパルサ)を設けておき、基準クランク角信号が発生するタイミングから微小時間が経過する毎に到来するタイミングをそれぞれサンプルタイミングとして各サンプルタイミングでエンジンの吸気管圧力をサンプリングする。そして、各サンプルタイミングでサンプリングした吸気管圧力と1燃焼サイクル前の同じサンプルタイミングでサンプリングした吸気管圧力との差を吸気管圧力差として検出して、該吸気管圧力差の大きさが設定値を超えているときにエンジンが加速状態にあることを検出する。
また、燃料の噴射量を制御する際には、上記の方法によりエンジンが加速状態にあることが検出されたときに、各燃焼サイクルにおける吸気管圧力の最小値と、該最小値に続く吸気管圧力上昇期間における吸気管圧力の単位時間当たりの上昇率(吸気管圧力の上昇の傾き)とに応じて、エンジンの加速時の燃料噴射量を補正する演算を行うことが考えられる。
上記のように、基準クランク角信号が発生するタイミングからの経過時間により各サンプルタイミングを定めて、各サンプルタイミングでエンジンの吸気管圧力をサンプリングし、各サンプルタイミングでサンプリングした吸気管圧力と1燃焼サイクル前の同じサンプルタイミングでサンプリングした吸気管圧力とを比較することにより、エンジンの加速状態を検出するようにすると、エンジンの回転速度が変化している過渡状態でも、吸気行程から外れた区間(吸気管圧力がスロットルバルブの開口面積と経過時間により決まる区間)で新たにサンプリングした吸気管圧力のサンプル値と、比較の対象とする1燃焼サイクル前のサンプル値との間に適正な対応関係を持たせることができるため、エンジンが加速状態にあることを検出することができる。
しかしながら、上記のように、吸気管圧力の最小値とその後に続く吸気管圧力上昇期間における吸気管圧力の単位時間当たりの上昇率とに応じて、エンジンの加速時の燃料噴射量を補正する演算を行うようにした場合には、以下に示すように、スロットルバルブを開き始めるタイミングによっては、加速時に吸気管圧力の単位時間当たりの変化率と吸気管圧力の最小値とに差が現れないことがあるため、加速増量補正値を的確に演算することができないことがある。
図5は、エンジンの吸気管圧力の変化を時間に対して示したもので、同図の曲線aはエンジンが加速していないときの吸気管圧力の変化を示し、曲線bは、膨張行程でスロットルバルブを開き始めた場合の吸気管圧力の変化を示している。また曲線cは、圧縮行程でスロットルバルブを開き始めた場合の吸気管圧力の変化を示し、曲線dは、吸気行程でスロットルバルブを開き始めた場合の吸気管圧力の変化を示している。更に波線で示した直線PBSLOPEbは、曲線bの最小値PBminbと圧力上昇停止時の値とを結ぶ直線であり、この直線の傾きが、膨張行程でスロットルバルブを開き始めた場合の、吸気管圧力上昇期間における吸気管圧力の単位時間当たりの上昇率を示している。またPBSLOPEcは、曲線cの最小値PBmincと圧力上昇停止時の値とを結ぶ直線であり、この直線の傾きは、圧縮行程でスロットルバルブを開き始めた場合の、吸気管圧力上昇期間における吸気管圧力の単位時間当たりの上昇率を示している。更にPBSLOPEdは、曲線dの最小値PBmindと圧力上昇停止時の値とを結ぶ直線であり、この直線の傾きは、吸気行程でスロットルバルブを開き始めた場合の、吸気管圧力上昇期間における吸気管圧力の単位時間当たりの上昇率を示している。
図5において、膨張行程でスロットルバルブが開かれた場合(曲線bのケース)と、圧縮行程でスロットルバルブが開かれた場合(曲線cのケース)とを比較すると、曲線bのケースの方が曲線cのケースよりもスロットルバルブが急に開かれている(吸気圧の変化が急である)にもかかわらずPBSLOPEbの傾きの方がPBSLOPEcの傾きよりも小さくなっており、また吸気管圧力の最小値PBminb及びPBmincがほぼ同じになるため、加速増量補正値は的確に演算されない。
また基準クランク角信号が発生するタイミングからの経過時間により各サンプルタイミングを定めて、各サンプルタイミングでサンプリングした吸気管圧力と1燃焼サイクル前の同じサンプルタイミングでサンプリングした吸気管圧力とを比較する方法では、加速の検出を行うことはできても、スロットルバルブの開口面積の情報を得ることはできない。
これに対し、本発明では、吸気行程終了後の吸気管圧力上昇期間において吸気管圧力の変化からスロットルバルブの開口面積を推定して、その推定値の変化に基づいて加速の検出を検出するため、スロットルバルブを開き始めるタイミングの如何に関わりなく、加速の検出を的確に行うことができる。またスロットルバルブの開口面積の推定値と吸気管圧力の最小値とに基づいて加速増量補正値を的確に演算することができる。
図1に示した構成のうち、回転速度検出手段5、吸気管圧力サンプリング手段7、吸入空気量推定手段8、基本噴射時間演算手段9、噴射時間補正手段10、吸気管圧力変化量検出手段15,スロットル開口面積推定手段16、加速判定手段17、吸気管圧力最小値検出手段19、加速増量補正値演算手段20及び噴射指令発生手段21は、マイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させることにより構成される。これらの手段のうち、吸気管圧力サンプリング手段7、吸気管圧力変化量検出手段15、スロットル開口面積推定手段16、加速判定手段17、吸気管圧力最小値検出手段19及び加速増量補正値演算手段20を構成するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図6に示した。なお回転速度検出手段5、基本噴射時間演算手段9及び噴射指令発生手段21を構成するためのアルゴリズムは、従来の燃料噴射制御装置において採用されているものと同様でよいので、その説明は省略する。
図6は、吸気管圧力を検出する各サンプルタイミングで(2msec間隔で)実行されるタスクを示したもので、このアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1において吸気管圧力を検出し、そのデジタル変換値をPbadとして記憶させる。次いでステップ2において検出した吸気管圧力が推定許可圧力上限値PbAocal以下か否かを判定する。その結果、吸気管圧力Pbadが推定許可圧力上限値PbAocal以下である場合には、ステップ3に進んで今回検出された吸気管圧力Pbadと前回のサンプリング時に検出された吸気管圧力Pbadoとの差(Pbad−Pbado)を吸気管圧力変化量DPbadとして演算する。次いでステップ4で吸気管圧力変化量DPbadが設定値DPAocal以上であるか否かを判定し、吸気管圧力変化量DPbadが設定値DPAocal以上である場合にはステップ5でPbadとDPbadと推定開口面積Aoとの間の関係を与える三次元マップをPbad及びDPbadに対して検索することにより、推定開口面積Aoを演算する。
次いでステップ6に進み、ステップ5で演算された推定開口面積Aoが、今までに演算された推定開口面積の最小値Aomin未満であるか否かを判定する。その結果、新たに演算された推定開口面積Aoがこれまでの最小値Aomin未満であると判定されたときには、ステップ7に進んで開口面積の最小値Aominを更新し、ステップ8で開口面積の最小値に対する開口面積変化量DAo(=Ao−Aomin)を演算する。次いでステップ9で開口面積変化量DAoを設定された加速判定値DAcalと比較し、開口面積変化量DAoが判定値DAcal以上であれば加速と判定してステップ10に進む。ステップ10では、開口面積変化量DAoと吸気管圧力最小値Pbadminとに対して加速増量補正値演算用マップを検索することにより、加速増量補正値ACCINJを演算し、ステップ11で今回検出された吸気管圧力Pbadがこれまでに検出された吸気管圧力最小値Pbadmin未満であるか否かを判定する。その結果、今回検出された吸気管圧力Pbadがこれまでに検出された吸気管圧力最小値Pbadmin未満であると判定されたときには、ステップ12で吸気管圧力の最小値Pbadminを更新し、ステップ13で次回のサンプリング時に備えて、前回検出された吸気管圧力Pbadoを今回検出された吸気管圧力Pbadで置き換えて(吸気管圧力を更新して)このタスクを終了する。
なおステップ10においては、ステップ8で演算された開口面積変化量DAoが負であるとき(推定開口面積が減少しているとき)には、加速増量補正値の演算を新たに行わずに前回演算した加速増量補正値を保持するようになっている。
ステップ2で吸気管圧力Pbadが推定許可吸気圧PbAocal以上であると判定されたとき及びステップ4で吸気管圧力変化量DPbadが設定値DPbAocal以下であると判定されたときには、ステップ14に進んで、開口面積の最小値Aominを最大値h´FFFFにクリアした後、ステップ11に移行する。またステップ6で新たに演算された推定開口面積Aoがこれまでに演算された開口面積の最小値Aomin以上であると判定されたときには、ステップ7を行うことなくステップ8に移行し、ステップ9で開口面積変化量DAoが判定値DAcal未満であると判定されたとき(加速状態であると判定されなかったとき)には、ステップ10を実行することなく、ステップ11に移行する。ステップ11で新たに検出された吸気管圧力Pbadがこれまでに検出された吸気管圧力の最小値Pbadmin以上であると判定されたときには、ステップ12を行うことなくステップ13に移行する。
図6に示したアルゴリズムによる場合には、ステップ1により吸気管圧力サンプリング手段7が構成され、ステップ3により吸気管圧力変化量検出手段15が構成される。またステップ2,4及び5によりスロットル開口面積推定手段16が構成され、ステップ9により、加速判定手段17が構成される。更にステップ11ないし13により吸気管圧力最小値検出手段19が構成され、ステップ10により加速増量補正値演算手段20が構成されている。また図6のステップ6及び7により、推定許可期間において求められた推定開口面積の最小値を求める推定開口面積最小値検出手段(図1には図示せず。)が構成されている。
図6に示した例では、推定許可期間において求められた推定開口面積の最小値Aominに対する推定開口面積Aoの変化量を開口面積変化量DAoとしているが、推定許可期間が最初に検出された時に求められた開口面積をAominして、このAominに対する推定開口面積Aoの変化量を開口面積変化量DAoとするようにしてもよい。このようにする場合に、吸気管圧力のサンプリング時に実行されるタスクのアルゴリズムを図7に示した。図7に示したタスクでは、ステップ6において、ステップ5で行った開口面積の演算が、最初の開口面積の演算であるか否かを判定するために、開口面積の最小値Aominが最大値h´FFFFにクリアされているか否かを判定し、最小値Aominが最大値にクリアされている場合(今回が最初の開口面積の演算であるとき)にステップ7に進んで今回演算された開口面積Aoを最小開口面積とする。ステップ6で開口面積の最小値Aominが最大値h´FFFFでない(開口面積の最初の演算が既に行われている)と判定されたときには、ステップ7を行うことなくステップ8に移行して開口面積変化量DAoを演算する。その他の点は図6に示した例と同様である。図7に示した例でも、ステップ6及び7により、推定許可期間において求められた推定開口面積の最小値を求める推定開口面積最小値検出手段が構成されている。
図6に示した例による場合も、図7に示した例による場合も、推定許可期間において新たに求められた推定開口面積Aoが同じ推定許可期間において求めた推定開口面積の最小値Aominよりも設定された判定値以上大きいときに(推定許可期間において新たに求められた推定開口面積と、同じ推定許可期間の間に求めた推定開口面積の最小値との差が設定された判定値以上であるときに)、エンジンが加速状態にあるとし、新たに求められた推定開口面積Aoと推定開口面積の最小値Aominとの差を開口面積変化量DAoとして、該開口面積変化量DAoと吸気管圧力の最小値の最新のデータとに基づいて加速増量補正値を演算するようにしている。このように、新たに求められた推定開口面積がその最小値よりも所定の判定値以上大きいときにエンジンが加速状態にあると判定して加速増量補正値を演算するようにすると、吸気管圧力の測定誤差により生じる開口面積の演算誤差の影響を受けることなく、エンジンの加速状態を検出して、加速増量補正値の演算を的確に行うことができる。
本発明に係わるエンジンの燃料噴射制御装置の実施形態の構成を示したブロック図である。 本発明において用いるオリフィスの開口面積の演算式を導出する過程を説明する際に用いるエンジンの要部の概略断面図である。 本発明において用いるオリフィスの開口面積の演算式を導出する過程を説明するための断面図である。 本発明者が行った実験において測定された吸気管圧力、スロットル開度等を示す曲線群と、インジェクタ駆動回路に与えられる噴射指令とを示したグラフである。 スロットルバルブの開口面積の情報を用いずに吸気管圧力から燃料噴射時間の加速増量補正値を求める方法を説明するためのグラフである。 本発明の実施形態においてマイクロコンピュータに実行させるタスクのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 本発明の実施形態においてマイクロコンピュータに実行させるタスクのアルゴリズムの他の例を示したフローチャートである。
符号の説明
1 インジェクタ
3 インジェクタ駆動回路
6 圧力センサ
7 吸気管圧力サンプリング手段
8 吸入空気量推定手段
9 基本噴射時間演算手段
10 噴射時間補正手段
11 大気圧センサ
12 水温センサ
13 吸気温センサ
15 吸気管圧力変化量演算手段
16 スロットル開口面積推定手段
17 加速判定手段
18 加速検出装置
19 吸気管圧力最小値検出手段
20 加速増量補正値演算手段
21 噴射指令発生手段

Claims (13)

  1. エンジンのスロットル開口面積を推定する方法であって、
    前記エンジンの吸気管圧力の微小時間当たりの変化量を吸気管圧力変化量として検出し、
    前記エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係から前記オリフィスの開口面積を求める演算を、前記エンジンの吸気バルブが閉じた後吸気管圧力が上昇していく過程で行い、前記オリフィスの開口面積を前記スロットルバルブの開口面積として推定するエンジンのスロットル開口面積推定方法。
  2. 前記オリフィスの開口面積Aoは、前記エンジンのスロットルバルブの入口側圧力Poと吸気管圧力Pbと前記吸気管圧力変化量ΔPb及び定数Kと前記開口面積Aoとの間の関係を与える演算式Ao=K・{ΔPb/(Po−Pb)1/2 }に基づいて演算される請求項1に記載のスロットル開口面積推定方法。
  3. 前記エンジンの吸気バルブが閉じた後、前記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、該推定許可期間の間に求められた前記オリフィスの開口面積をスロットルバルブの開口面積と推定する請求項1または2に記載のスロットル開口面積推定方法。
  4. エンジンが加速状態にあることを検出するエンジンの加速検出方法であって、
    前記エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングし、
    新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出し、
    前記エンジンの吸気バルブが閉じた後、前記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから新たにサンプリングされた吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、前記エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係から前記オリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積を前記エンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を前記推定許可期間の間行い、
    前記推定許可期間の間に求められたスロットルバルブの推定開口面積が増加したことが検出されたときに前記エンジンが加速状態にあることを検出するエンジンの加速検出方法。
  5. エンジンが加速状態にあることを検出するエンジンの加速検出方法であって、
    前記エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングし、
    新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出し、
    前記エンジンの吸気バルブが閉じた後、前記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから新たにサンプリングされた吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、前記エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係から前記オリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積を前記エンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を前記推定許可期間の間行い、
    各推定許可期間において新たに求められた推定開口面積が、同じ推定許可期間の間に求めた推定開口面積の最小値よりも大きいときに前記エンジンが加速状態にあることを検出するエンジンの加速検出方法。
  6. 前記推定開口面積Aoは、前記エンジンのスロットルバルブの入口側圧力Poと吸気管圧力Pbと前記吸気管圧力変化量ΔPbと定数Kと前記推定開口面積Aoとの間の関係を与える演算式Ao=K・{ΔPb/(Po−Pb)1/2 }に基づいて演算される請求項4または5に記載のエンジンの加速検出方法。
  7. エンジンの吸気管圧力と回転速度とから吸入空気量を推定する過程と、推定された吸入空気量に対して決定した燃料の基本噴射時間を基に実噴射時間を演算する噴射時間演算過程とを行って、前記噴射時間演算過程で演算された実噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるように前記インジェクタを制御するエンジンの燃料噴射制御方法であって、
    前記エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングし、
    新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出し、
    前記エンジンの吸気バルブが閉じた後、前記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから新たにサンプリングされた吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、前記エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係から前記オリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積を前記エンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を前記推定許可期間の間行い、
    各燃焼サイクルにおける吸気管圧力の最小値を検出し、
    前記噴射時間演算過程では、前記スロットル開口面積推定過程で求められた推定開口面積を使用して加速増量補正値を演算し、前記基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に前記加速増量補正値を加算することにより前記実噴射時間を演算するエンジンの燃料噴射制御方法。
  8. エンジンの吸気管圧力と回転速度とから吸入空気量を推定する過程と、推定された吸入空気量に対して決定した燃料の基本噴射時間を基に実噴射時間を演算する噴射時間演算過程とを行って、前記噴射時間演算過程で演算された実噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるように前記インジェクタを制御するエンジンの燃料噴射制御方法であって、
    前記エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングし、
    新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出し、
    前記エンジンの吸気バルブが閉じた後、前記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから新たにサンプリングされた吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、前記エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係から前記オリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積を前記エンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を前記推定許可期間の間行い、
    各推定許可期間において求められる推定開口面積の最小値を求める過程を行い、
    前記噴射時間演算過程では、前記推定許可期間において推定開口面積が新たに求められる毎に、新たに求めた推定開口面積から同じ推定許可期間において求めた推定開口面積の最小値を減じることにより推定開口面積変化量を求めて、該推定開口面積変化量が正であるときに該推定開口面積変化量を使用して加速増量補正値を演算し、前記基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に前記加速増量補正値を加算することにより前記実噴射時間を演算するエンジンの燃料噴射制御方法。
  9. 前記推定開口面積Aoは、前記エンジンのスロットルバルブの入口側圧力Poと、新たにサンプリングされた吸気管圧力Pb´と、前回サンプリングされた吸気管圧力Pbと、定数Kと、前記推定開口面積Aoとの間の関係を与える演算式Ao=K・{(Pb´−Pb)/(Po−Pb)1/2 }に基づいて演算される請求項7または8に記載のエンジンの燃料噴射制御方法。
  10. エンジンが加速状態にあることを検出する加速検出装置であって、
    前記エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングする吸気管圧力サンプリング手段と、
    前記吸気管圧力サンプリング手段により新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出する吸気管圧力変化量検出手段と、
    前記エンジンの吸気バルブが閉じた後前記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間とし、前記エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係から前記オリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積を前記エンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を、前記推定許可期間の間行うスロットル開口面積推定手段と、
    各推定許可期間において新たに求められた推定開口面積が、同じ推定許可期間の間に求められた推定開口面積の最小値よりも大きいときに前記エンジンが加速状態にあると判定する加速判定手段とを備えてなるエンジンの加速検出装置。
  11. エンジンの吸気管圧力と回転速度とから吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段と、前記吸入空気量推定手段により推定された吸入空気量に対して決定した燃料の基本噴射時間を基に実噴射時間を演算する噴射時間演算手段と、前記噴射時間演算手段により演算された実噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるように前記インジェクタを制御するインジェクタ制御手段とを備えたエンジンの燃料噴射制御装置であって、
    前記エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングする吸気管圧力サンプリング手段と、
    新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出する吸気管圧力変化量検出手段と、
    前記エンジンの吸気バルブが閉じた後前記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、前記エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係から前記オリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積を前記エンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を前記推定許可期間の間行うスロットル開口面積推定手段とを具備し、
    前記噴射時間演算手段は、前記スロットル開口面積推定過程で求められた推定開口面積を使用して加速増量補正値を演算して、前記基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に前記加速増量補正値を加算することにより前記実噴射時間を演算するように構成されているエンジンの燃料噴射制御装置。
  12. エンジンの吸気管圧力と回転速度とから吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段と、前記吸入空気量推定手段により推定された吸入空気量に対して決定した燃料の基本噴射時間を基に実噴射時間を演算する噴射時間演算手段と、前記噴射時間演算手段により演算された実噴射時間の間インジェクタから燃料を噴射させるように前記インジェクタを制御するインジェクタ制御手段とを備えたエンジンの燃料噴射制御装置であって、
    前記エンジンの吸気管圧力を微小時間間隔でサンプリングする吸気管圧力サンプリング手段と、
    新たにサンプリングされた吸気管圧力と前回サンプリングされた吸気管圧力との差を吸気管圧力変化量として検出する吸気管圧力変化量検出手段と、
    前記エンジンの吸気バルブが閉じた後前記吸気管圧力変化量が設定値を超えるタイミングから吸気管圧力が予め設定した推定許可圧力上限値に達するタイミングまでの吸気管圧力上昇期間を推定許可期間として、前記エンジンのスロットルバルブをオリフィスと見なしたときに該オリフィスの両側の圧力差により該オリフィスを通して流れるガスの質量流量と前記吸気管圧力変化量との間に成立する関係から前記オリフィスの開口面積を演算して該オリフィスの開口面積を前記エンジンのスロットルバルブの推定開口面積とするスロットル開口面積推定過程を前記推定許可期間の間行うスロットル開口面積推定手段とを具備し、
    前記噴射時間演算手段は、前記推定許可期間において推定開口面積が新たに求められる毎に、新たに求めた推定開口面積から同じ推定許可期間において求めた推定開口面積の最小値を減じることにより推定開口面積変化量を求める過程と、該推定開口面積変化量が正であるときに該推定開口面積変化量を使用して加速増量補正値を演算する過程と、前記基本噴射時間を各種の制御条件に対して補正することにより求めた噴射時間に更に前記加速増量補正値を加算する過程とを行うことにより前記実噴射時間を演算するように構成されているエンジンの燃料噴射制御装置。
  13. 前記推定開口面積Aoは、前記エンジンのスロットルバルブの入口側圧力Poと、新たにサンプリングされた吸気管圧力Pb´と、前回サンプリングされた吸気管圧力Pbと、定数Kと、前記推定開口面積Aoとの間の関係を与える演算式Ao=K・{(Pb´−Pb)/(Po−Pb)1/2} に基づいて演算される請求項11または12に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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