JPH11222718A - 超極細アクリル系繊維集合体 - Google Patents

超極細アクリル系繊維集合体

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JPH11222718A
JPH11222718A JP2725698A JP2725698A JPH11222718A JP H11222718 A JPH11222718 A JP H11222718A JP 2725698 A JP2725698 A JP 2725698A JP 2725698 A JP2725698 A JP 2725698A JP H11222718 A JPH11222718 A JP H11222718A
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acrylonitrile
fiber
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acrylic fiber
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JP2725698A
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Hiroshi Hosokawa
宏 細川
Seizo Oishi
清三 大石
Masakazu Hoshino
正和 星野
Mitsuhiro Matsunaka
光広 松中
Hiroaki Onishi
宏明 大西
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル系繊維の本来の諸特性を具備してお
り、しかも細くて長い超極細繊維の含有割合が高い超極
細アクリル系繊維集合体を提供すること。 【解決手段】 アクリロニトリル系ポリマー(A)50
〜80重量%と、該アクリロニトリル系ポリマー(A)
と非相溶性をなすポリマー(B)50〜20重量%とに
よるか、或いはこれに0.1重量%以上の微粒子を含有
させてなるアクリル系繊維の集合体であって、該集合体
中の70重量%を超える繊維が、直径0.3μm以下で
且つ繊維長30μm以上の繊維からなる超極細アクリル
系繊維集合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィラーとしての
用途、又は機能紙やフィルターに二次加工するのに有用
な超極細アクリル系繊維集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系繊維は、バルキー性、鮮明な
染色性、良好な染色堅牢度、優れた耐光性等を具備する
ことから、セーター、ジャージー、ソックス等の衣料分
野、毛布、カーペット、フェイクファー等の建寝装分野
において広く利用されている。
【0003】アクリル系繊維の用途の1分野として、最
近工業用の超極細アクリル系繊維が着目されている。こ
の超極細アクリル系繊維は、従来の繊維材料では得られ
なかった大きな比表面積、親水性と疎水性との適度なバ
ランス、優れた分繊性と分散性等を具備しており、これ
らの特性を活かした様々な分野での応用展開が試みられ
ている。例えば大きな比表面積を活かしたフィルター分
野、親水−疎水バランスを活かした孔版印刷原紙分野で
の抄紙物並びにシート状物、優れた分繊・分散性を活か
した摩擦材を代表とする繊維複合材料が挙げられる。
【0004】一般の超極細繊維の製造方法としては、直
接紡糸法によるもの、複合紡糸等により海島型二相構造
の繊維を得た後に溶剤等により片方の成分を溶出する方
法によるもの、筋状相分離構造の繊維を形成した後に割
繊処理を施す方法によるもの等が知られているが、アク
リル系繊維は溶液紡糸による制約を受ける関係から、直
接紡糸法によるもの、又は割繊タイプの筋状相分離構造
を有する繊維を得た後に、これに割繊処理を施す方法に
よるものが一般的である。
【0005】しかしながら上記の直接紡糸法によるもの
は、紡糸ノズルの加工精度の問題と生産性の点から、
0.01デニール以下の超極細繊維を工業的に製造する
ことはかなり困難である。又、割繊タイプの筋状相分離
構造を有する繊維を得た後に割繊処理を施す方法による
ものは、ポリマーブレンドによって筋状相分離構造を有
する繊維にするのが一般的であるが、相分離構造の形成
が主に糸状形成における固化過程でなされるために、繊
維の表層部分から中心部分に向かって相分離ドメインサ
イズが増大する傾向にある。このために割繊処理後の超
極細繊維においても、細いフィブリル繊維の占める割合
に限界がある。
【0006】そこで最近の市場では、細くて長い超極細
繊維の含有割合が高い超極細アクリル系繊維集合体が強
く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
上記の要求に応えるものであり、細くて長い超極細繊維
の含有割合が高い超極細アクリル系繊維集合体を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下に記載
する構成による本発明の超極細アクリル系繊維集合体に
よって解決される。すなわち本発明は、アクリロニトリ
ル系ポリマー(A)50〜80重量%と、該アクリロニ
トリル系ポリマー(A)と非相溶性をなすポリマー
(B)50〜20重量%とによるアクリル系繊維の集合
体であって、該集合体中の70重量%を超える繊維が、
直径0.3μm以下で且つ繊維長30μm以上の繊維か
らなる超極細アクリル系繊維集合体からなる。
【0009】上記構成による本発明の超極細アクリル系
繊維集合体においては、アクリロニトリル系ポリマー
(A)と非相溶性をなすポリマー(B)が、アクリル樹
脂系ポリマーであることが望ましい。なお以下、アクリ
ロニトリル系ポリマー(A)と非相溶性をなすポリマー
(B)を、単に非相溶性ポリマー(B)ともいう。
【0010】又、上記構成による本発明の超極細アクリ
ル系繊維集合体においては、アクリル系繊維が、アクリ
ロニトリル系ポリマー(A)50〜80重量%と該アク
リロニトリル系ポリマー(A)と非相溶性をなすポリマ
ー(B)50〜20重量%との合計100重量部に対し
て、0.1重量部以上の微粒子(C)を含有しているも
のであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の超極細アクリル系繊維集
合体をなしているアクリル系繊維は、(1) アクリロニト
リル系ポリマー(A)と該アクリロニトリル系ポリマー
(A)と非相溶性をなすポリマー(B)とからなるか、
又は(2) アクリロニトリル系ポリマー(A)と該アクリ
ロニトリル系ポリマー(A)と非相溶性をなすポリマー
(B)と微粒子(C)とからなるものであって、これら
のいずれも場合においても、アクリロニトリル系ポリマ
ー(A)と、該アクリロニトリル系ポリマー(A)と非
相溶性をなすポリマー(B)との合計量を100重量部
にしたときに、アクリロニトリル系ポリマー(A)が5
0〜80重量部、アクリロニトリル系ポリマー(A)と
非相溶性をなすポリマー(B)が50〜20重量部の割
合からなることが必要である。
【0012】ここで、上記のアクリル系繊維集合体をな
しているアクリル系繊維が、アクリロニトリル系ポリマ
ー(A)と該アクリロニトリル系ポリマー(A)と非相
溶性をなすポリマー(B)との合計量を100重量部に
したときに、アクリロニトリル系ポリマー(A)が50
重量部未満になるようであると、繊維集合体に対して要
求されるアクリル系繊維としての諸特性が損なわれるよ
うになり、又80重量部を超えると、アクリル系繊維集
合体中の70重量%を超える繊維を、直径0.3μm以
下で且つ繊維長30μm以上の繊維にすることが難しく
なる。
【0013】上記のアクリル系繊維の繊維成分としての
アクリロニトリル系ポリマー(A)は、アクリロニトリ
ルの単一重合体又はアクリロニトリルを50重量%以上
含むアクリロニトリル系共重合体からなる。このアクリ
ロニトリル系ポリマー(A)におけるアクリロニトリル
以外の共重合成分は、アクリロニトリルと共重合可能な
不飽和単量体であれば特に限定されるものではなく、例
えば以下のようなモノマーが挙げられる。
【0014】すなわち、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに
代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルな
どに代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和単量
体類である。
【0015】さらに染色性改良などの目的を達成するた
めに、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリル
スルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及
びこれらのアルカリ金属塩などを、アクリロニトリル系
ポリマー(A)における共重合成分として使用してもよ
い。
【0016】又、アクリロニトリル系ポリマー(A)と
非相溶性をなすポリマー(B)は、、上記のアクリロニ
トリル系ポリマー(A)と相溶しないポリマーであれば
特に限定されるものではないが、繊維の製造工程での非
相溶性ポリマー(B)の脱落の発生に伴う不都合、及び
最終製品からの非相溶性ポリマー(B)の脱落による品
質低下等を防ぐために、水に不溶又は難溶性のものであ
ることが望ましい。
【0017】非相溶性ポリマー(B)として好適なアク
リル樹脂系ポリマーは、少なくともその1部分が、メタ
クリル酸エステルの単独重合体又はメタクリル酸エステ
ル30重量%以上が共重合されているメタクリル酸エス
テル系ポリマーからなるものであることがより好まし
い。つまり、上記のメタクリル酸エステルの単独重合体
又はメタクリル酸エステル系ポリマーは、アクリロニト
リル系ポリマー(A)と非相溶性でありながら、且つ該
アクリロニトリル系ポリマー(A)との混和性が良好で
あるために、良好な紡糸性が得られる。このために、非
相溶性ポリマー(B)としてのアクリル樹脂系ポリマー
は、メタクリル酸エステルの単独重合体、メタクリル酸
エステル30重量%以上が共重合されているメタクリル
酸エステル系ポリマー、或いはこれらの樹脂を含有する
混合物からなるものが、最も好ましい。
【0018】非相溶性ポリマー(B)としてのアクリル
樹脂系ポリマーの(共)重合成分は特に限定されるもの
ではないが、例えば以下のモノマーが挙げられる。すな
わち、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル
類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジ
エチルアミノエチルなどの代表されるメタクリル酸エス
テル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトル
エン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化
ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デンなどの不飽和モノマー類である。
【0019】さらに染色性改良などの目的を達成するた
めに、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリル
スルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及
びこれらのアルカリ金属塩等を共重合成分として使用し
てもよい。
【0020】本発明の超極細アクリル系繊維集合体をな
すアクリル系繊維の製造方法は特に限定されないが、一
般のアクリル系繊維と同様に、繊維成分をなすアクリロ
ニトリル系ポリマー(A)と、該アクリロニトリル系ポ
リマー(A)と非相溶性をなすポリマー(B)との共通
溶剤からなる紡糸溶剤に、アクリロニトリル系ポリマー
(A)と非相溶性ポリマー(B)とを溶解し、かつ所望
に応じて添加する微粒子(C)を分散させてなる紡糸原
液を作製し、これを溶液紡糸法によって紡糸する方法で
製造される。
【0021】紡糸原液を得るための紡糸溶剤としては、
ロダン塩、塩化亜鉛、硝酸の水溶液に代表される無機系
溶剤と、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトン
に代表される有機系溶剤とが挙げられる。なお溶液紡糸
法には、乾式紡糸、乾−湿式紡糸、及び湿式紡糸がある
が、これらのうちのいずれの紡糸方法であってもよい。
【0022】本発明の超極細アクリル系繊維集合体をな
すアクリル系繊維が、アクリロニトリル系ポリマー
(A)と該アクリロニトリル系ポリマー(A)と非相溶
性をなすポリマー(B)と微粒子(C)とからなるもの
であるときには、アクリロニトリル系ポリマー(A)5
0〜80重量%と非相溶性ポリマー(B)50〜20重
量%との合計100重量部に対して、微粒子(C)が
0.1重量部以上含有されていることが必要である。
【0023】ここでの微粒子(C)の種類は特に限定さ
れるものではなく、アクリロニトリル系ポリマー(A)
と非相溶性ポリマー(B)とを溶解している紡糸原液に
分散可能なものであれば、無機微粒子及び有機微粒子の
何れでもよく、無機微粒子としては、例えば酸化チタ
ン、シリカ、ジルコニア、アルミナ等に代表される金属
酸化物等が代表として挙げられる。又有機微粒子として
は、ポリスチレン、ポリブタジエン、シリコーン、テフ
ロン及びそれらの架橋体又はグラフト共重合体等に代表
されるポリマー微粒子が挙げられる。
【0024】微粒子(C)の粒子径は特に限定されない
が、1μmを超えるようになると、紡糸原液の紡糸安定
性が損なわれる傾向を生ずるので、1μm以下の粒子径
のものが好適である。
【0025】微粒子(C)は、紡糸原液の調製時に該紡
糸原液中に添加するか、或いは紡糸原液を構成する中の
一つの成分にブレンドした後、スタティックミキサー等
の静止型混練機及び/又はカイネティックミキサー等の
動的混練機を用いて、紡糸ラインの途中で混合する等に
よって添加することが可能である。
【0026】なお、シリカ微粒子は分散性の良好なもの
が入手可能であり、かつ紡糸性及び繊維の叩解性を良好
にする作用を果たすので、微粒子(C)としてシリカ微
粒子が特に好ましい。シリカ微粒子は、粉体の場合には
例えばビーズミルなどの分散機を用いて、紡糸原液又は
紡糸溶剤に分散させて使用するか、水或いは有機溶剤に
分散させた分散液を、紡糸原液の中の1成分にブレンド
する等して使用することができる。
【0027】紡糸原液の調製は、アクリロニトリル系ポ
リマー(A)と、該アクリロニトリル系ポリマー(A)
と非相溶性をなすポリマー(B)とのそれぞれを、これ
らの共通溶剤に溶解し、例えばスタティックミキサー等
の静止型混練機及び/又はカイネティックミキサー等の
動的混練機で混合することによって行なえる。この場
合、所望に応じて添加する微粒子(C)は、アクリロニ
トリル系ポリマー(A)又は非相溶性ポリマー(B)の
どちらかに添加しておくか、或いはアクリロニトリル系
ポリマー(A)と非相溶性ポリマー(B)とを共通溶剤
に溶解し、これに微粒子(C)を同時に添加して紡糸原
液にすることも可能である。
【0028】紡糸原液をノズル口金を通すことによって
賦形した後、洗浄・延伸工程を経て繊維にするが、繊維
の分子配向が高い方が良好な叩解性を有するようになる
ために、延伸工程での延伸倍率を3倍以上にすることが
好ましい。
【0029】本発明の超極細アクリル系繊維集合体をな
すアクリル系繊維は、その繊維断面の形状について特に
限定されるものではないが、繊維断面での長軸と短軸と
の比が2以上であることが、叩解性の点から好ましい。
又、繊維断面の形状が、繊維断面での長軸と短軸との比
が2以上の扁平部分の組み合わせで表わされる形状をな
すものである場合も、同様に叩解性の点から好ましい。
こうした異形断面形状の繊維にするには、この繊維断面
に対応した孔形状のノズルを使用すればよい。
【0030】サンプリングはウエット状態のまま、或い
は油剤を付与した後に乾燥して行なうが、この超極細ア
クリル系繊維集合体の用途によっては、加圧蒸気中で緩
和処理を行なうことにより、該繊維集合体の沸水収縮率
を下げておくことも可能である。
【0031】更に上記のアクリル系繊維は、目的に応じ
た長さにカットすることもできる。又、このアクリル系
繊維を叩解処理で極細化してなる超極細アクリル系繊維
集合体は、これを水中に分散させて抄紙することができ
る。更に、このアクリル系繊維のウエッブに高水圧を加
えて叩解と交絡を同時に行なうことによってシート化す
ることもできる。更に又、本発明の超極細アクリル系繊
維集合体は、上記のアクリル系繊維に対して、アクリル
系繊維集合体におけるアクリル系繊維の特性を損なうこ
とのない範囲で、このアクリル系繊維以外の繊維を混用
することもできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の超極細アクリル系繊維集合体
のより具体的な構成を、製造実施例に基づいて説明す
る。
【0033】(実施例1)水系懸濁重合法により、アク
リロニトリル/アクリル酸メチル=92/8(モル%)
の二元共重合ポリマーを得た後、この二元共重合ポリマ
ーと、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=90/
10(モル%)のアクリル系樹脂ポリマー(三菱レイヨ
ン(株)「アクリペットMDK」:分子量85,00
0)、及び水分散性シリカ微粒子(日産化学(株)「S
T−O」:固形分20重量%、平均粒子径15nm)
を、固形成分による重量比60/40/2で、ジメチル
アセトアミドからなる紡糸溶剤中に加熱溶解して、ポリ
マー濃度25重量%の紡糸原液を得た。
【0034】次いでこの紡糸原液を、湿式法によって紡
糸した。つまり、ジメチルアセトアミド/水=55/4
5(重量比)からなり、40℃に加温してある凝固浴中
に、丸孔ノズルから上記の紡糸原液を吐出して凝固さ
せ、続いて沸水中で5倍延伸した後、ウエット状態で2
デニールの繊維をサンプリングした。
【0035】続いてこのウエット状態のサンプルを5m
mにカットし、更に乾燥重量で1重量%の水分散液にし
た後、家庭用ミキサーを用いて10分間の叩解処理を施
した。なお、このときのミキサーの回転数は、7,50
0rpmである。
【0036】上記の叩解処理後のサンプルを乾燥した
後、走査型電子顕微鏡によって繊維の形態を観察し、画
像処理により繊維径、及び繊維長の分布を求めたとこ
ろ、直径0.3μm以下で且つ繊維長30μm以上の繊
維の占める割合は、74±3重量%であった。なお、画
像解析ソフトウエアには、Planetron,In
c.のImage−Pro Plus Ver3.0を
使用した。
【0037】
【発明の効果】本発明の超極細アクリル系繊維集合体
は、アクリル系繊維の本来の諸特性を具備しているもの
でありながら、細くて長い超極細繊維の含有割合の高い
超極細アクリル系繊維集合体からなるものであって、フ
ィラーとしての用途、又は機能紙やフィルターに二次加
工するための素材として用いたときに、高品質特性を備
えたものになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松中 光広 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 大西 宏明 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル系ポリマー(A)50
    〜80重量%と、該アクリロニトリル系ポリマー(A)
    と非相溶性をなすポリマー(B)50〜20重量%とに
    よるアクリル系繊維の集合体であって、該集合体中の7
    0重量%を超える繊維が、直径0.3μm以下で且つ繊
    維長30μm以上であることを特徴とする超極細アクリ
    ル系繊維集合体。
  2. 【請求項2】 アクリロニトリル系ポリマー(A)と非
    相溶性をなすポリマー(B)が、アクリル樹脂系ポリマ
    ーであることを特徴とする請求項1に記載の超極細アク
    リル系繊維集合体。
  3. 【請求項3】 アクリル系繊維が、アクリロニトリル系
    ポリマー(A)50〜80重量%と該アクリロニトリル
    系ポリマー(A)と非相溶性をなすポリマー(B)50
    〜20重量%との合計100重量部に対して、0.1重
    量部以上の微粒子(C)を含有していることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の超極細アクリル系繊維
    集合体。
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