JP2000080521A - 割繊性アクリル繊維及び割繊アクリル繊維並びにシート状物 - Google Patents

割繊性アクリル繊維及び割繊アクリル繊維並びにシート状物

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JP2000080521A
JP2000080521A JP10263916A JP26391698A JP2000080521A JP 2000080521 A JP2000080521 A JP 2000080521A JP 10263916 A JP10263916 A JP 10263916A JP 26391698 A JP26391698 A JP 26391698A JP 2000080521 A JP2000080521 A JP 2000080521A
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Masakazu Hoshino
正和 星野
Seizo Oishi
清三 大石
Yoshihiro Sako
佳弘 佐古
Teruyuki Yamada
輝之 山田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性にも優れたフィブリル状の
割繊繊維を得るための割繊性アクリル繊維及び割繊性ア
クリル繊維からの割繊アクリル繊維並びに割繊繊維から
なるシート状物を提供する。 【解決手段】 アクリロニトリル系ポリマー50〜95
重量%と、フッ素樹脂、ポリエーテルスルホン及びポリ
イミドからなる群から選ばれるポリマーであって、アク
リロニトリル系ポリマーの溶剤に溶解可能で、かつアク
リロニトリル系ポリマーとは非相溶性のポリマー50〜
5重量%とからなり、筋状相分離構造を有している割繊
性アクリル繊維、及びその割繊した割繊繊維、並びに割
繊繊維からなるシート状物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、割繊性アクリル繊
維、その割繊性アクリル繊維から得られる割繊アクリル
繊維並びに割繊アクリル繊維からなるシート状物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超極細繊維、フィブリル化繊維或いは割
繊繊維は、紙、不織布等のシート状物を得るための原料
として好適に利用され、例えば、低圧力損失でありなが
ら高い濾過性能を要求されるエアーフィルターや電池用
セパレータ等の機能シートの基材繊維として広く利用さ
れている。このような細繊維は、ポリマーの極細紡糸或
いは紡糸後に施される叩解処理或いは溶剤処理等の処理
により得られるが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポ
リエチレンからなる細繊維は、ポリマーの基質から吸湿
性が低いという欠点を有している。また、芳香族ポリア
ミド、セルロース重合体からなるフィブリル化繊維も提
案されているが、繊維形態がパルプ状を呈するため、高
い空隙率を必要とするエアーフィルター等の不織布の基
材繊維としては十分な性能を得るに到っていない。
【0003】アクリル繊維においても、超極細繊維、フ
ィブリル化繊維或いは割繊繊維については多数の提案が
あり、例えば特開平9−242000号公報にてカナデ
ィアン・スタンダード・フリーネスが200mlより小
さいアクリル繊維からなるフィブリル化繊維が開示され
ている。アクリル繊維の細繊維は、アクリル繊維の有す
る適度な吸湿性や耐酸性により、また様々な繊維形態を
とり得ることから、掃除機フィルターを初め様々な用途
に用いられているが、紙の形態での用途では、フィブリ
ル化繊維を用いることにより湿紙強力は得られるもの
の、アクリル繊維自体に熱接着性がないため、アクリル
繊維単独では十分な乾紙強力が得られず、アクリル繊維
の細繊維の用途には制限がある。
【0004】また、紙、不織布等のシートの基材繊維と
して有用なフィブリル化アクリル繊維の製造法は、これ
まで多数の方法が知られている。例えば、溶融賦形の難
しいアクリロニトリル系ポリマーからの超極細繊維の製
造方法として、溶液紡糸が用いられる。この溶液紡糸を
用いる方法として特開平3−130411号公報に、抽
出溶媒に対する溶解性の異なるアクリロニトリル系ポリ
マーとの混合溶液を調製し、この溶液を公知の紡糸方式
で繊維化した後、一方のポリマーを溶出させることによ
って繊維径2ミクロン以下、アスペクト比が1000以
上の超極細繊維を得る方法が提案されているが、この方
法は、ポリマーを溶出除去するため経済的でないだけで
なく、昨今の環境問題を考えると溶出したポリマー溶液
の回収或いは廃棄の問題を解決する必要があり、工業的
に優位な方法とは言い難い。
【0005】また、特開昭54−93105号公報に、
アクリロニトリルにエチレン系モノマーを共重合し、加
水分解して紡糸することで容易にフィブリル化し、かつ
熱接着性を持つ繊維が得られることが開示されている
が、この方法で得られる繊維は、使用量によっては熱収
縮が大きくなるという問題が生じるものであった。さら
に、この問題を解消する提案として、特願平9−357
720号公報にアクリロニトリル系ポリマーに低Tgの
親水性ポリマーをブレンドし、熱接着性を付与する方法
が示されている。しかしながら、耐熱性、耐薬品性にお
いて不十分なことから、バッテリーセパレータ等の用途
によっては対応できない分野があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、紙や
不織布等のシート状物の基材繊維として用いたときに、
実用上十分な物性をシート状物に与え、耐熱性、耐薬品
性にも優れたフィブリル状の割繊繊維を得るための割繊
性アクリル繊維及び割繊性アクリル繊維からの割繊アク
リル繊維並びに割繊繊維からなるシート状物を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第一の本発明の要旨は、
アクリロニトリル系ポリマー50〜95重量%と、フッ
素樹脂、ポリエーテルスルホン及びポリイミドからなる
群から選ばれるポリマーであって、アクリロニトリル系
ポリマーの溶剤に溶解可能で、かつアクリロニトリル系
ポリマーとは非相溶性のポリマー50〜5重量%とから
なり、筋状相分離構造を有していることを特徴とする割
繊性アクリル繊維にあり、第二の本発明の要旨は、前記
の割繊性アクリル繊維が、繊維径2ミクロン以下のフィ
ブリル状に割繊されていることを特徴とする割繊アクリ
ル繊維にあり、第三の本発明の要旨は、前記割繊アクリ
ル繊維が20重量%以上含まれたことを特徴とするシー
ト状物にある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の割繊性アクリル繊維を構
成するアクリロニトリル系ポリマーは、アクリロニトリ
ルを50重量%以上含有するポリマーであり、アクリロ
ニトリルのホモポリマーであってもよいしコポリマーで
あってもよい。アクリロニトリルの含有量が50重量%
未満の場合は、割繊性アクリル繊維が本来のアクリル繊
維としての特性を失ったものものとなり好ましくない。
また、アクリロニトリルのコポリマーである場合は、ア
クリロニトリルを50重量%以上含有する範囲で、アク
リロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーが共重合さ
れるが、アクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマ
ーとしては、例えば次のモノマーが挙げられる。
【0009】即ち、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エス
テル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトル
エン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化
ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン等のモノマー、さらに染色性改良等の目的の場合に
は、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルス
ルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び
これらのアルカリ金属塩等が挙げられる。
【0010】特に本発明におけるアクリロニトリル系ポ
リマーは、割繊繊維或いはそのシート状物が耐熱性、耐
薬品性を必要とする用途に用いられることを考慮すれ
ば、アクリロニトリルのホモポリマーであることが好ま
しい。本発明におけるアクリロニトリル系ポリマーの分
子量は、特に限定されないが、分子量5万〜100万で
あることが望ましい。分子量が5万未満では、紡糸性が
低下すると同時に繊維の糸質も悪化する傾向にあり、分
子量が100万を超えると、紡糸原液の最適粘度を与え
るポリマー濃度が低くなり、生産性が低下する傾向にあ
る。
【0011】また、本発明において、アクリロニトリル
系ポリマーと共に割繊性アクリル繊維を構成するポリマ
ーは、フッ素樹脂、ポリエーテルスルホン及びポリイミ
ドからなる群から選ばれる一種又は二種以上のポリマー
であって、アクリロニトリル系ポリマーの溶剤であるジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド等に溶解可能で、かつアクリロニトリル系
ポリマーとは非相溶性のポリマーである。これらポリマ
ーは、アクリロニトリル系ポリマーの溶剤に溶解し紡糸
性がありながら、アクリロニトリル系ポリマーとの非相
溶性によりアクリロニトリル系ポリマーと共に存在する
ときには、紡糸時の凝固浴での糸形成の際にミクロ相分
離を生じ繊維中に筋状相分離構造を形成する。
【0012】本発明において、フッ素樹脂は、フッ素を
含むオレフィンの重合で得られる樹脂であり、特に限定
されるものではないが、ポリフッ化ビニリデンであるこ
とが好ましい。ポリエーテルスルホンは、エーテル結合
を主鎖に持ったポリエーテルにスルホン酸基が導入され
た樹脂であれば特に限定されるものではない、また、ポ
リイミドは、酸イミド結合を主鎖に持つた樹脂であれば
特に限定されるものではない。
【0013】本発明の割繊性アクリル繊維は、アクリロ
ニトリル系ポリマー50〜95重量%と、フッ素樹脂、
ポリエーテルスルホン及びポリイミドからなる群から選
ばれるポリマー50〜5重量%とから構成され、その繊
維中に筋状相分離構造を有していることを特徴とする。
アクリロニトリル系ポリマーと共存するポリマーが5重
量%未満では、筋状相分離構造が微少で割繊性が不十分
であり、繊維が不均質となるとともに、50重量%を超
えると、紡糸時における糸切れが多発し繊維を得ること
自体が困難となるだけでなく、アクリル繊維としての繊
維物性が著しく損なわれる。
【0014】本発明の割繊性アクリル繊維は、例えば次
のようにして製造することができる。まず、アクリロニ
トリル系ポリマーと、フッ素樹脂、ポリエーテルスルホ
ン及びポリイミドからなる群から選ばれるポリマー(以
下、添加ポリマーという)からなる紡糸原液を調製す
る。アクリロニトリル系ポリマーと添加ポリマーからな
る紡糸原液を調製する方法については特に限定されない
が、例えば溶剤に各ポリマーを投入しスラリーを調製し
た後に溶解する方法、各ポリマーを別個に溶剤に溶解し
た原液をバッチ混合する方法、各ポリマーを別個に溶剤
に溶解した原液をスタティックミキサー等を用いること
によりインライン混合する方法等が挙げられる。
【0015】紡糸原液の溶剤としては、アクリロニトリ
ル系ポリマーと添加ポリマーとの共通溶剤であればどの
様なものでも用いることができる。かかる溶剤として
は、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。紡糸原液
は、アクリロニトリル系ポリマー50〜95重量%と添
加ポリマー50〜5重量%との合計ポリマー濃度で好ま
しくは12〜30重量%に調製する。
【0016】次に、調製した紡糸原液を用いて紡糸を行
う。紡糸方法としては一般的にアクリル繊維の製造に用
いられる湿式法、乾湿式法、乾式法のいずれも用いられ
るが、紡糸口金より紡糸原液を凝固浴に吐出し凝固させ
る湿式法が好ましく用いられる。紡糸口金の孔形状は特
に限定されず、丸型、楕円型、扁平型、十字型、Y字型
等のいずれであってもよい。凝固浴としては、一般に紡
糸原液溶剤と水からなる混合液を用いる。凝固糸は、引
き続き、洗浄、延伸、乾燥、熱処理等の各工程を経るこ
とにより本発明の割繊性アクリル繊維を得ることができ
る。得られた割繊性アクリル繊維は、必要により任意長
にカットすることもできる。
【0017】本発明の割繊性アクリル繊維は、割繊性を
有し、叩解処理により容易にフィブリル状に割繊するこ
とができ、本発明の割繊アクリル繊維は、割繊性アクリ
ル繊維の一部または全部が、繊維径2ミクロン以下のフ
ィブリル状に割繊されてなるものである。割繊性アクリ
ル繊維を割繊するための叩解処理には、例えば、各種ミ
キサー、ウォータージェット、ディスクリファイナー等
を用いることができる。割繊性アクリル繊維の叩解処理
は、任意長の短繊維の状態で行ってもよいし、公知の方
法により一旦シート状にした後に水洗或いは気流によっ
て行ってもよい。また、この叩解処理をシート化の工程
中で行うこともできる。
【0018】本発明の割繊アクリル繊維を得る際の叩解
の程度は、任意にコントロールできるものであり、本発
明の割繊アクリル繊維は、繊維径2ミクロン以下のフィ
ブリル状の割繊繊維を含む限りにおいて繊維径2ミクロ
ンを超える種々の太さの割繊繊維を含むものとすること
ができる。また、未割繊の割繊性アクリル繊維と分割さ
れた割繊アクリル繊維が混在していてもよく、またその
混在割合も任意であってもよい。
【0019】従って、本発明の割繊アクリル繊維は、分
岐し、繊維軸方向に一部が2ミクロン以下のフィブリル
状繊維にまで分割され、また他の一部が部分的に2ミク
ロン以上に分割され、さらに他の一部が未割繊である無
段階に種々の太さを有する割繊アクリル繊維とすること
ができる。2ミクロン以下のフィブリルから未割繊のも
のまで含まれる割繊アクリル繊維は、その一部が連続的
につながり、他の一部が不連続である繊維の集合体を形
成する。かかる繊維構造は、紙、不織布等の機能シート
に供される基材繊維として好適なるものである。
【0020】また、本発明の割繊アクリル繊維は、すべ
てが繊維径2ミクロン以下のフィブリルにまで分割され
た割繊繊維とすることができ、かかる極細状の割繊アク
リル繊維は、湿紙強力の高い紙の基材繊維として好適な
るものである。このように、割繊アクリル繊維を得る際
の叩解の程度、即ち割繊繊維の繊維径及び割合は、割繊
アクリル繊維の状態で用いられる用途に応じて、物理的
強度と機能性との兼ね合いで適宜決定される。
【0021】また、本発明の割繊アクリル繊維は、繊維
径2ミクロン以下のフィブリル状の割繊繊維が含まれ、
また繊維径2ミクロン以下のフィブリル状の割繊繊維が
含まれる限りにおいて種々の太さの割繊繊維或いは未割
繊繊維が含まれ、シートの基材繊維として用いることが
できる。本発明のシート状物は、かかる割繊アクリル繊
維が20重量%以上含まれてなるものである。本発明の
割繊アクリル繊維を用いたシート状物において、割繊ア
クリル繊維の混率が20重量%未満であると、本発明の
割繊アクリル繊維の耐熱性、耐薬品性の特性が十分に生
かされず、効果が発揮されない。
【0022】本発明の割繊性アクリル繊維を用いてのシ
ート化は、例えばミキサー、ビーター、リファイナー等
を用い割繊アクリル繊維を水に分散させ、或いは割繊性
アクリル繊維の叩解と同時に水に分散させ、粘剤や消泡
剤等を適宜添加して抄紙し、紙、不織布等に賦形するこ
とにより行うことができるが、シート化方法については
特に制限はなく、公知の方法により行うことができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例における評価は次の方法に拠った。
【0024】〔耐熱性〕シートを10cm×10cmに切
り出し、175℃の雰囲気中に10分間放置し、収縮
率、着色及びシート形態の変化を判定した。 〔耐薬品性〕シートを5cm×3cmに切り出し、秤量
した後、30%−KOH水溶液と、30%−H2SO4
溶液にそれぞれ浸漬し、70℃で25時間放置した後、
シートを取り出し水で十分洗い、余分な水を除去した
後、絶乾し、シート形態の変化を観察及び重量減少率を
測定した。
【0025】(実施例1)アクリロニトリルホモポリマ
ー400gとポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製
KYNAR−710)100gをジメチルホルムアミド
2000gに溶解し、アクリロニトリルホモポリマー/
ポリフッ化ビニリデン=80重量部/20重量部の20
重量%濃度の紡糸原液を調製した。次いで、得られた紡
糸原液を80℃に保ったまま、1.5kg/cm2の窒
素加圧下で押し出し、ギヤポンプを用いてノズル部へ定
量供給し、紡糸口金より紡糸原液をジメチルホルムアミ
ドと水からなる凝固浴に吐出し凝固させる湿式紡糸法に
より紡糸し、単繊維繊度0.33dtex(繊維径6.
0ミクロン)の繊維を得た。
【0026】得られた繊維を5mm長にカットし、水を
加えて繊維濃度1重量%とした後、ディスクリファイナ
ー(熊谷理機工業(株)製KRK高濃度ディスクレファ
イナー、プレートD:ディスククリアランス0.1m
m)で叩解処理した。得られたスラリーを用い目付20
g/m2で1辺が25cmの正方形に抄紙し、140℃
のドラム式乾燥機で接触時間5分間で乾燥し、シートを
形成した。得られたシートを走査型電子顕微鏡にて観察
したところ、割繊された部分の形態はフィブリル状であ
り、その繊維径は0.8ミクロンであった。また、シー
トの評価結果を表1に示したが耐熱性、耐薬品性共に良
好であった。
【0027】(実施例2)実施例1で用いたと同じアク
リロニトリルホモポリマー540gとポリエーテルスル
ホン(帝人アモコ(株)製RADEL A−100)6
0gをジメチルホルムアミド1800gに溶解し、アク
リロニトリルホモポリマー/ポリエーテルスルホン=9
0重量部/10重量部の25重量%濃度の紡糸原液を調
製した。次いで、得られた紡糸原液を60℃に保ったま
ま、1.5kg/cm2の窒素加圧下で押し出し、ギヤ
ポンプを用いてノズル部へ定量供給し、紡糸口金より紡
糸原液をジメチルホルムアミドと水からなる凝固浴に吐
出し凝固させる湿式紡糸法により紡糸し、単繊維繊度
1.1dtex(繊維径11.0ミクロン)の繊維を得
た。
【0028】得られた繊維を5mm長にカットし、水を
加えて繊維濃度1%とした後、1000cm3を計量
し、家庭用ミキサー(三菱電機(株)製三菱ミキサー
JM−372形)で30秒間撹拌混合した。ミキサーの
回転数は7500rpmとした。得られたスラリーを用
いて目付20g/m2で1辺が25cmの正方形に抄紙
し、140℃のドラム式乾燥機で接触時間5分間で乾燥
させ、シートを形成させた。得られたシートを走査型電
子顕微鏡にて観察したところ、割繊された部分の形態は
フィブリル状であり、その繊維径は1.6ミクロンであ
った。また、シートの評価結果を表1に示したが耐熱
性、耐薬品性共に良好であった。
【0029】(実施例3)実施例1で用いたと同じアク
リロニトリルホモポリマー315gとポリイミド(チバ
ガイギー社製MATRIMIDE 5218)135g
をジメチルホルムアミド2050gに溶解し、アクリロ
ニトリルホモポリマー/ポリエーテルスルホン=70重
量部/30重量部の18重量%濃度の紡糸原液を調製し
た。次いで、得られた紡糸原液を60℃に保ったまま、
1.5kg/cm2の窒素加圧下で押し出し、ギヤポン
プを用いてノズル部へ定量供給し、紡糸口金より紡糸原
液をジメチルホルムアミドと水からなる凝固浴に吐出し
凝固させる湿式紡糸法により紡糸し、単繊維繊度0.5
5dtex(繊維径7.8ミクロン)の繊維を得た。
【0030】得られた繊維を3mm長にカットし、水を
加えて繊維濃度1重量%とした後、ディスクリファイナ
ー(熊谷理機工業(株)製KRK高濃度ディスクレファ
イナー、プレートD:ディスククリアランス0.15m
m)で叩解処理した。得られたスラリーを用いて目付2
0g/m2で1辺が25cmの正方形に抄紙し、140
℃のドラム式乾燥機で接触時間5分間で乾燥し、シート
を形成した。得られたシートを走査型電子顕微鏡にて観
察したところ、割繊された部分の形態はフィブリル状で
あり、その繊維径は1.2ミクロンであった。また、シ
ートの評価結果を表1に示したが耐熱性、耐薬品性共に
良好であった。
【0031】(実施例4)アクリロニトリル92重量%
/酢酸ビニル8重量%の組成で分子量9万のアクリロニ
トリル系ポリマー350gとポリフッ化ビニリデン(呉
羽化学(株)製KYNAR−710)150gをジメチ
ルホルムアミド2000gに溶解し、アクリロニトリル
系ポリマー/ポリフッ化ビニリデン=70重量%/30
重量%の20重量%の紡糸原液を調製した。次いで、得
られた紡糸原液を80℃に保ったまま、1.5kg/c
2の窒素加圧下で押し出し、ギヤポンプを用いてノズ
ル部へ定量供給し、紡糸口金より紡糸原液をジメチルホ
ルムアミドと水からなる凝固浴に吐出し凝固させる湿式
紡糸法により紡糸し、単繊維繊度1.7dtex(繊維
径13.5ミクロン)の繊維を得た。
【0032】得られた繊維を5mmにカットし、水を加
えて繊維濃度1重量%とした後、1000cm3を計量
し、家庭用ミキサー(三菱電機(株)製三菱ミキサー
JM−372形)で30秒間撹拌混合した。ミキサーの
回転数は7500rpmとした。得られたスラリーを用
いて目付20g/m2で1辺が25cmの正方形に抄紙
し、130℃のドラム式乾燥機で接触時間5分間で乾燥
させ、シートを形成した。得られたシートを走査型電子
顕微鏡にて観察したところ、割繊された部分の形態はフ
ィブリル状であり、その繊維径は0.8ミクロンであっ
た。また、シートの評価結果を表1に示したが耐熱性、
耐薬品性共に良好であった。
【0033】(比較例1〜2)実施例1において、アク
リロニトリルホモポリマー/ポリフッ化ビニリデン=9
8重量部/2重量部(比較例1)、アクリロニトリルホ
モポリマー/ポリフッ化ビニリデン=40重量部/60
重量部(比較例2)とした以外は実施例1と同様にし
て、単繊維繊度0.33dtex(繊維径6.0μm)
の繊維を得て、シートを形成したが、いずれの場合も、
強力が弱すぎてシートとはならなかった。。
【0034】(実施例5)実施例1と同様にして得た繊
維を5mm長にカットし、乾燥重量比でこの繊維50重
量部と、単繊維繊度0.11dtex、繊維長3mmの
アクリル繊維(三菱レイヨン(株)製MVP)50重量
部とを混合し、水を加えて繊維濃度1重量%とした後、
1000cm3を計量し、家庭用ミキサー(三菱電機
(株)製三菱ミキサー JM−372形)で30秒間撹
拌混合した。ミキサーの回転数は7500rpmとし
た。得られたスラリーを用いて目付20g/m2で1辺
が25cmの正方形に抄紙し、130℃のドラム式乾燥
機で接触時間5分間で乾燥し、シートを形成した。得ら
れたシートを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、割
繊された部分の形態はフィブリル状であり、その繊維径
は0.8ミクロンであった。また、シートの評価結果を
表1に示したが耐熱性、耐薬品性共に良好であった。
【0035】(比較例3)実施例1と同様にして得た繊
維を5mm長にカットし、乾燥重量比でこの繊維15重
量部と、単繊維繊度0.11dtex、繊維長3mmの
アクリル繊維(三菱レイヨン(株)製MVP)85重量
部とを用いた以外は、実施例5と同様にしてシートを形
成した。得られたシートを走査型電子顕微鏡にて観察し
たところ、割繊された部分の形態はフィブリル状であ
り、その繊維径は0.8ミクロンであったが、表1に示
したようにシートは耐熱性、耐薬品性に欠けるものであ
った。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の割繊性アクリル繊維は、極細の
フィブリル状に割繊可能であり、耐熱性及び耐薬品性に
も優れているので、実用上十分に使用し得る紙や不織布
等の基材繊維として有用なるものであり、本発明の割繊
性アクリル繊維の割繊繊維を含むシート状物は、エアー
フィルター等の特に低圧力損失で高い濾過性能を要求さ
れる不織シート或いは耐薬品性能が要求されるバッテリ
ーセパレータ用の紙シート等として広い分野で有効に利
用できる。また、本発明の割繊性アクリル繊維を基材繊
維とするシート状物は、耐熱性にも優れているため、エ
ンジンオイルフィルター等の分野にも利用可能であり、
その工業的意味は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐古 佳弘 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 山田 輝之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4L035 BB03 DD13 DD19 FF05 LB07 LB08 LB09 4L055 AF22 AF25 AF29 AF30 AF34 AF46 AF47 EA04 EA16 FA19 GA01 GA31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル系ポリマー50〜95
    重量%と、フッ素樹脂、ポリエーテルスルホン及びポリ
    イミドからなる群から選ばれるポリマーであって、アク
    リロニトリル系ポリマーの溶剤に溶解可能で、かつアク
    リロニトリル系ポリマーとは非相溶性のポリマー50〜
    5重量%とからなり、筋状相分離構造を有していること
    を特徴とする割繊性アクリル繊維。
  2. 【請求項2】 アクリロニトリル系ポリマーの溶剤に溶
    解可能で、かつアクリロニトリル系ポリマーとは非相溶
    性のポリマーがポリフッ化ビニリデンである請求項1記
    載の割繊性アクリル繊維。
  3. 【請求項3】 アクリロニトリル系ポリマーがアクリロ
    ニトリルのホモポリマーである請求項1又は請求項2記
    載の割繊性アクリル繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の
    割繊性アクリル繊維が、繊維径2ミクロン以下のフィブ
    リル状に割繊されていることを特徴とする割繊アクリル
    繊維。
  5. 【請求項5】 請求項4項記載の割繊アクリル繊維が2
    0重量%以上含まれたことを特徴とするシート状物。
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