JP3192308B2 - 耐光性に優れたアクリル系合成繊維 - Google Patents

耐光性に優れたアクリル系合成繊維

Info

Publication number
JP3192308B2
JP3192308B2 JP01479094A JP1479094A JP3192308B2 JP 3192308 B2 JP3192308 B2 JP 3192308B2 JP 01479094 A JP01479094 A JP 01479094A JP 1479094 A JP1479094 A JP 1479094A JP 3192308 B2 JP3192308 B2 JP 3192308B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light resistance
weight
acrylic synthetic
titanium dioxide
synthetic fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01479094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07207524A (ja
Inventor
岳 三浦
雅人 大野
謙一 豊田
Original Assignee
カネボウ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カネボウ株式会社 filed Critical カネボウ株式会社
Priority to JP01479094A priority Critical patent/JP3192308B2/ja
Publication of JPH07207524A publication Critical patent/JPH07207524A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3192308B2 publication Critical patent/JP3192308B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐光性に優れたアクリル
系合成繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系合成繊維は、風合や染色性が
優れるため衣料用、寝装用に幅広く使われている。しか
しながら、光や熱によって繊維が黄変しやすく実用上種
々な制約をうけているのが現状である。特に塩素を共重
合成分に含むモダクリル繊維は光や熱によって黄変しや
すいという問題がある。
【0003】かかる問題点を改良するために、例えば特
公平2−15642号公報にはベンゾトリアゾール系化
合物である紫外線吸収剤を添加したモダクリル繊維や、
特開平2−33315号公報には有機錫を添加したモダ
クリル繊維が提案されているが、湿式紡糸の場合には凝
固浴への紫外線吸収剤、有機錫の溶出のため歩留りが不
良であり、さらに染色性に悪影響及ぼす問題がある。ま
た耐光性を向上せしめるためにルチル型の二酸化チタン
を用いることは塗料分野では行われているが、繊維へ適
用した場合、その硬度及び紡糸操業性に問題があり、繊
維分野ではルチル型の二酸化チタンが用いられていない
のが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにアクリ
ル系合成繊維に対して耐光性を向上せしめる手段は種々
提案されているものの染色性、操業性が良好で、耐光性
に優れたアクリル系合成繊維は得られていない。
【0005】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は染色性、操業性が良好で、耐光
性に優れたアクリル系合成繊維を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、アクリロ
ニトリル系重合体に対して、粒子径が0.45μm以下
でかつSiO2 二酸化チタン量対比で2.0重量%以
上含んだルチル型二酸化チタンを0.1〜5.0重量%
含有してなる事を特徴とする耐光性の改良されたアクリ
ル系合成繊維により達成される。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明に使用するアクリロニトリル系重合
体は少なくとも30重量%のアクリロニトリルを含有す
るもので繊維形成能を有するものならばいかなる重合体
をも用いることが可能である。すなわちアクリロニトリ
ルを30重量%以上と他のビニル系モノマー、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、或いはこれらのアルキルエス
テル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ア
リルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ、ビ
ニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソー
ダなどを適宜組合せたものを70重量%以下の割合で共
重合せしめたものが挙げられる。特にアクリロニトリル
80重量%以上と20重量%以下のビニル系モノマー及
びスルホン酸基含有モノマーの共重合体、又はアクリロ
ニトリル30〜80重量%と塩化ビニル及び/又は塩化
ビニリデン20〜70重量%及びスルホン酸基含有モノ
マーを0〜10重量%含有する共重合体が好ましい。
【0009】本発明に使用される重合体の重合方法は水
系重合、乳化重合、溶液重合など公知のいずれの方法で
もよい。
【0010】本発明に使用するルチル型二酸化チタン
は、粒子径が0.45μm以下であることが必要であ
る。粒子径が0.45μmを超えると操業性が著しく落
ち、耐光性の向上にも寄与しなくなる。また、二酸化チ
タン量に対してSiO2 2.0重量%以上含有してい
ることが必要であり、このことにより分散媒に対する分
散性が向上し、繊維中の二酸化チタンの分散が均一化し
良好な耐光性が得られ、硬度の面でも殆ど影響を及ぼさ
なくなる。SiO2 2.0重量%未満であると分散媒
に対する分散性が不良で、繊維中への分散が不均一とな
り操業上問題となる。更に、かかるルチル型二酸化チタ
ンはアクリロニトリル系重合体に対して0.1〜5.0
重量%含有されることが必要である。ルチル型二酸化チ
タンの量が0.1重量%未満では、良好な耐光性が得ら
れず、5.0重量%を超えると紡糸が困難となる。
【0011】次に本発明の耐光性に優れたアクリル系合
成繊維の製造方法の一例について説明する。本発明のア
クリル系合成繊維はルチル型二酸化チタンを有機溶剤に
均一微分散させ、次いでアクリロニトリル系共重合体の
有機溶剤溶液に添加し紡糸することによって繊維中に微
粉末を均一に含有せしめる。紡糸方法は通常の湿式,乾
式,乾・湿式いずれもが可能である。そして、例えば湿
式紡糸の場合には通常のアクリル系合成繊維と同様の条
件で行えば良く、数段の浴槽を通し、順次延伸,水洗,
乾燥,後処理を行う。
【0012】
【実施例】次に実施例を示し、本発明を具体的に説明す
る。尚、実施例中の部とあるのは重量部を、%とあるの
は重量%を示す。耐光性の測定評価は、得られたアクリ
ル系合成繊維を常法により紡績して30番単糸となした
後丸編したものを、63℃で20時間、フェードメータ
ーにおいて露光させ、変退色(グレースケール)で評価
を行った。
【0013】実施例1〜3、比較例1〜4 アクリロニトリル(AN)/メチルアクリレート(M
A)/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸ソーダ(SAM)=91.2/8.0/0.8から
なるアクリロニトリル系重合体のジメチルホルムアミド
(DMF)溶液を準備し、紡糸原液とした。次いで、粒
子径が0.20μmでかつSiO2 二酸化チタン量対
比で所定量含んだルチル型二酸化チタン15重量%をD
MFに均一分散した後、重合体に対して二酸化チタンが
所定量になるようにチタン分散液を添加し紡糸原液とし
た。その後紡糸原液を20℃、60%DMF水溶液中に
紡出し、脱溶媒させながら延伸、水洗工程を経た後、繊
維油剤を付与し、次にローラー式乾燥機を用い150℃
で乾燥緻密化を行った。次に機械クリンプを付与後湿熱
115℃でクリンプのセットを行った。得られた繊維を
カットし、次いで紡績をした後丸編布を作製した。この
繊維をさきに述べた方法により評価をした。結果を表1
に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1から明らかなように、実施例品は比較
例品に比べて優れた耐光性を有していることがわかる。
【0016】実施例4〜7、比較例5〜8 アクリロニトリル(AN)/塩化ビニリデン(VCl↓
2 ↓)/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ソーダ(SAM)=53/44/3からなるアク
リロニトリル系重合体のジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を準備し、紡糸原液とした。次いで、粒子径が
0.20μmでかつSiO2 二酸化チタン量対比所定
量含んだルチル型二酸化チタン15重量%をDMFに均
一分散した後、重合体に対して二酸化チタンが所定量に
なるようにチタン分散液を添加し紡糸原液とした。その
後紡糸原液を20℃、60%DMF水溶液中に紡出し、
脱溶媒させながら延伸、水洗工程を経た後、繊維油剤を
付与し、次にローラー式乾燥機を用い150℃で乾燥緻
密化を行った。次に機械クリンプを付与後湿熱115℃
でクリンプのセットを行った。得られた繊維をカット
し、次いで紡績をした後丸編布を作製した。この繊維を
さきに述べた方法により評価をした。結果を表2に示
す。
【0017】
【表2】
【0018】表2から明らかなように、実施例品は比較
例品に比べて優れた耐光性を有していることがわかる。
【0019】
【発明の効果】本発明の耐光性に優れたアクリル系合成
繊維は、高度な耐光性を有し、かつ通常の染色性、操業
性等を有しており頗る有用である。また、本発明によっ
て得られた繊維は通常のアクリル系合成繊維、ポリエス
テル、ナイロン、木綿、レーヨン、羊毛等他の繊維と混
用して使用することも可能であり、耐光性を必要とする
カーペット、カーテン等幅広い用途に使用することが出
来るため、産業上極めて有意義なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 1/00 - 1/10 D01F 6/18,6/38 D01F 6/40,6/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリル系重合体に対して、粒子
    径が0.45μm以下でかつSiO2 二酸化チタン量
    対比で2.0重量%以上含んだルチル型二酸化チタンを
    0.1〜5.0重量%含有してなる事を特徴とする耐光
    性に優れたアクリル系合成繊維。
JP01479094A 1994-01-12 1994-01-12 耐光性に優れたアクリル系合成繊維 Expired - Fee Related JP3192308B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01479094A JP3192308B2 (ja) 1994-01-12 1994-01-12 耐光性に優れたアクリル系合成繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01479094A JP3192308B2 (ja) 1994-01-12 1994-01-12 耐光性に優れたアクリル系合成繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07207524A JPH07207524A (ja) 1995-08-08
JP3192308B2 true JP3192308B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=11870857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01479094A Expired - Fee Related JP3192308B2 (ja) 1994-01-12 1994-01-12 耐光性に優れたアクリル系合成繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3192308B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105951194B (zh) * 2016-06-16 2018-12-14 浙江理工大学 一种二氧化钛/聚丙烯腈微/纳米纤维膜的离心纺丝制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07207524A (ja) 1995-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101098809B1 (ko) 아크릴계 수축 섬유 및 그 제조 방법
JP3192308B2 (ja) 耐光性に優れたアクリル系合成繊維
JPH06158422A (ja) 難燃アクリル系高収縮繊維
JP3452691B2 (ja) 耐候性に優れた難燃アクリル系合成繊維
JP3461966B2 (ja) 耐光性に優れた難燃アクリル系合成繊維
JPH07216641A (ja) 白色度に優れたアクリル系合成繊維
JP2908046B2 (ja) 抗ピリング性アクリル系繊維及びその製造方法
JPH06207311A (ja) 紫外線透過防止性に優れたアクリル系合成繊維及びその製造方法
JP3756886B2 (ja) 高収縮性アクリル系繊維
JPH0827620A (ja) アクリル系合成繊維の製造方法
JPH07150471A (ja) 多孔質アクリロニトリル系繊維
JPH07216640A (ja) 耐黄変性に優れたアクリル系合成繊維
JP2843519B2 (ja) 分散染料に可染性の再生セルロース繊維及びその製造方法
JPH0959820A (ja) 抗菌性アクリル繊維及びその製造方法
JP3370395B2 (ja) 高度難燃性アクリル系複合繊維
JPH03206114A (ja) 超極細アクリル繊維
JPH08325832A (ja) 吸湿・制電性アクリロニトリル系繊維
JPS5953364B2 (ja) 中空アクリル繊維の製造法
JPH07150470A (ja) 多孔質アクリロニトリル系繊維
JP2004256936A (ja) 高難燃性アクリル系繊維の製造法
JP2005009034A (ja) 光触媒含有アクリル繊維及びその製造方法
JPH0874119A (ja) 高収縮性アクリル系繊維及びその製造方法
JPH03294515A (ja) 透明性に優れた高度難燃化アクリル繊維の製造方法
JPS6234847B2 (ja)
JPH07207523A (ja) 耐光性に優れたアクリル系合成繊維の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees