JPH06158422A - 難燃アクリル系高収縮繊維 - Google Patents

難燃アクリル系高収縮繊維

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JPH06158422A
JPH06158422A JP32263492A JP32263492A JPH06158422A JP H06158422 A JPH06158422 A JP H06158422A JP 32263492 A JP32263492 A JP 32263492A JP 32263492 A JP32263492 A JP 32263492A JP H06158422 A JPH06158422 A JP H06158422A
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weight
polymer
flame
fiber
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JP32263492A
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Akifumi Ueno
彰文 植野
Yasuaki Nakayama
安明 中山
Hiroko Yoshimura
裕子 吉村
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非常に大きな収縮率を有しかつ難燃アクリル
系合成繊維の本来有する優れた特性を兼ね備えた高収縮
性の難燃アクリル系合成繊維を提供する。 【構成】 アクリロニトリル40重量%以上とハロゲン
含有モノマー20〜54重量%、およびスルホン酸含有
モノマー0.5〜6重量%よりなる重合体(I)95〜
60重量部に対し、アクリロニトリル20〜60重量%
と(メタ)アクリル酸エステル78〜35重量%および
スルホン酸含有モノマー2〜5重量%よりなる重合体
(II)5〜40重量%を混合した重合体組成物よりな
り、無荷重下、100℃以上での乾熱収縮率が20%を
超える難燃アクリル系高収縮繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた難燃性および高収
縮性を有する難燃アクリル系合成繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】難燃アクリル系合成繊維は難燃性、自己
消火性という性能上の大きな優位性のために建寝装,イ
ンテリア,衣料,産業資材とあらゆる分野に必要とさ
れ、また住居空間の安全性の確保という社会的ニーズに
もこたえうる繊維である。
【0003】従来、難燃アクリル系繊維のほとんどがモ
ダクリル系繊維であり、製品の腰感,バルキー性,ヘタ
リ等の性能において通常のポリアクリロニトリル系繊維
に及ばず、上述した大きな期待,ニーズがあるにも関わ
らず量的には未だ充分使用されている状況ではない。
【0004】そこで難燃アクリル系繊維製品において、
上記欠点の改良の一方法として他の物性的に優れた繊
維、例えばナイロンやポリエステルやポリアクリロニト
リル系繊維等を混紡して使用することが一般に行われて
いるが、混紡により加工工程の増加や染色性の低下,風
合いの変化,難燃性の低下等の不都合な点が新たに生じ
てくる。
【0005】難燃アクリル系繊維単独での製品にバルキ
ー性,腰感,およびヘタリ等の改良を行うためには同等
の難燃性を有した収縮綿が必要である。更に近年、加工
方法,加工技術の進歩や新商品開発の必要性により、レ
ギュラー繊維に高収縮タイプの繊維を混合して特殊風合
い糸,ハイバルキー糸,特殊パイル物や人工獣毛製品等
が数多く作られるようになり、高度の収縮性を有した難
燃アクリル系合成繊維の必要性は非常に高まっている。
【0006】しかし、収縮率が少なくとも20%ありか
つ充分な品質を備えた高収縮性難燃アクリル系合成繊維
は、従来のレギュラーの難燃アクリル系合成繊維の組成
では製造は難しい。これまで高収縮性の難燃アクリル系
合成繊維に関する提案は殆どなされていない。これは実
用に供している難燃アクリル系合成繊維の用途において
高収縮性が必要なかったこと、およびそれ自体ある程度
の収縮性は有していること、および繊維の耐熱性,形態
安定性が小さく、更に高度の収縮率を与えようとすれ
ば、耐熱性,形態安定性の大きな低下は言うまでもな
く、製造工程での条件の困難さ、トラブルの増大等によ
る生産性,品質の低下という製造上の問題や光沢,染色
性,強度,柔軟性という重要な商品性能の低下がある等
実用性に欠けていたためと思われる。
【0007】特開昭55−168207号公報では、互
いに非相溶のアクリロニトリル(以下ANと記す。)系
重合体40〜60重量部と難燃アクリル系重合体60〜
40重量部との混合物を紡糸することにより、20%以
上好ましくは30%以上の収縮率を有する難燃アクリル
系合成繊維を提示しているが、本発明者らの知見ではこ
ういう大きな比率の混合重合体の紡糸では両者の相分離
が極めて著しくなり、耐熱性の低下、ボイドの発生およ
びそれによる繊維の膠着の増大および操業性や染色性,
強度と言った品質の低下をもたらし、実用的に使用し得
る繊維は得られなかった。
【0008】特公昭54−33291号公報や特公昭5
4−40655号公報には、ANと塩化ビニル,塩化ビ
ニリデン(以下VDCと記す),臭化ビニルまたは臭化
ビニリデンより可塑性の高いハロゲン含有モノマーの3
元あるいは4元共重合体を提示しているが、高度の収縮
性,風合い,耐熱性を兼ね備えている繊維は得られてい
ない。
【0009】特開昭50−150111号公報では、難
燃アクリル系重合体50〜95重量部と非相溶のポリウ
レタン50〜5重量部とよりなる高収縮性の難燃アクリ
ル系合成繊維を提示しているが、ここで得られた繊維は
添加したポリウレタン重合体のため繊維コストが高くな
るばかりでなく、染色後の発色性および耐光性等が未だ
満足される物ではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、こ
れまで高度の収縮性を有し、且つ難燃アクリル系合成繊
維の特徴である染色性、柔軟な感触および暖かで豊かな
風合いを兼ね備えた高収縮性の難燃アクリル系合成繊維
は得られていない。本発明者らは鋭意検討の結果、本発
明に到達したものである。本発明の目的とするところは
乾熱条件において非常に大きな収縮率を有し、かつ難燃
アクリル系合成繊維の本来有する優れた特性を兼ね備え
た高収縮性の難燃アクリル系合成繊維を提供するにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、AN
40重量%以上と、ハロゲン含有モノマー20〜54重
量%、およびスルホン酸含有モノマー0.5〜6重量%
よりなる重合体(I)95〜60重量部に対し、AN2
0〜60重量%と(メタ)アクリル酸エステル78〜3
5重量%およびスルホン酸含有モノマー2〜5重量%よ
りなる重合体(II)5〜40重量%を混合した重合体組
成物よりなり、無荷重下、100℃以上での乾熱収縮率
が20%を超える難燃アクリル系高収縮繊維である。
【0012】本発明の重合体(I)において、ハロゲン
含有モノマーは塩化ビニル,VDC,臭化ビニル,臭化
ビニリデン等が一般的なものであるが、取扱性,難燃ア
クリル系重合体の品質等を考慮するとVDCもしくは塩
化ビニルを主体とするものが好ましい。またハロゲン含
有モノマーが20重量%未満では優れた難燃性は得られ
ず、一方、54重量%を超えれば得られた繊維の耐熱
性,強度等の品質が低下するばかりか、難燃性も飽和に
達し経済的でない。従ってハロゲン含有モノマーの量が
20〜54重量%、好ましくは25〜50重量%の範囲
が操業性の点,品質の点,コストの点で好ましい。
【0013】本発明に於て、スルホン酸含有モノマーと
しては、アリルスルホン酸ナトリウム(以下SASと記
す。),メタリルスルホン酸ナトリウム,スチレンスル
ホン酸ナトリウム,2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸ナトリウム(以下SAMと記す。)等
が挙げられる。また、本発明において、(メタ)アクリ
ル酸エステルとしては、アクリル酸メチル(以下MAと
記す。),アクリル酸ブチル(以下BAと記す。),メ
タクリル酸メチル(以下MMAと記す。)等が挙げられ
るが、これに限定されるものではない。
【0014】重合体(I)にこれらスルホン酸含有モノ
マーを0.5〜6重量%、好ましくは1〜4重量%含有
させると、染色性の改良,紡糸時の凝固性の大幅な改
良,乾燥緻密化時の大幅な改良および促進が可能であ
り、良好な光沢と染色性を有する繊維が得られるのであ
る。
【0015】本発明に於て重合体(II)の中のANおよ
び(メタ)アクリル酸エステルの含有率は、AN20〜
60重量%と(メタ)アクリル酸エステル78〜35重
量%である。AN20重量%未満および(メタ)アクリ
ル酸エステルが78重量%を超えると、得られた重合体
の耐熱性が不良で、ブレンドして紡糸した繊維の膠着が
多くなる。一方ANが60重量%を超え、且つ(メタ)
アクリル酸エステル35重量%未満では、ブレンドして
紡糸した繊維の収縮率が低くなるばかりでなく相分離の
ためボイドの発生,操業性や染色性,強度といった品質
の低下が起こる。
【0016】重合体(II)中にも、スルホン酸含有モノ
マーを含有させた方が紡糸時の凝固性および得られた繊
維の光沢,染色性においてより好ましい。重合体(II)
中のスルホン酸含有モノマーとしては前記重合体(I)
中のスルホン酸含有モノマー同様なものが挙げられ、重
合体(I)と重合体(II)のスルホン酸含有モノマーは
同一または2種以上組合せ可能である。
【0017】重合体(II)中のスルホン酸含有モノマー
は2〜5重量%である。スルホン酸含有モノマーが5重
量%を超えると、ブレンドして紡糸した際に凝固浴に溶
出するポリマーが多くなると共に、得られた繊維の染色
性に他の通常のアクリル系合成繊維,難燃アクリル系合
成繊維と大きな差が生じ、混紡使用した場合にちらつき
等の原因となる。
【0018】重合体(II)は重合体(I)にブレンドし
たときに実質的に相分離が観察されない重合組成である
ことが望ましい。本発明において重合体(I)に対する
重合体(II)の混合割合は5〜40重量部、好ましくは
7〜30重量部である。重合体(II)が5重量部未満で
は、得られた繊維の収縮率が充分でない。また40重量
部を超えると、紡糸した繊維の膠着が多くなると共に、
得られた繊維の耐熱性が悪くなる。
【0019】本発明の繊維は、100℃以上の乾熱条件
に3分以上さらすことによって容易に収縮するが、この
際の収縮率は20%以上あることが必要であり、好まし
くは30%以上である。収縮率が20%未満では前述し
た高収縮綿としての性能が充分でなく、また製品品質も
充分でない。
【0020】以上のように、重合体(I)に実質的に相
溶性である重合体(II)を所定量混合使用することによ
り、初めて高度の収縮性を有し、且つ良好な耐熱性や強
度を有する難燃アクリル系合成繊維を得ることが出来る
のである。
【0021】次に本発明繊維の製造方法の一例を挙げて
さらに詳しく説明する。重合体(I)の製造は、AN4
0重量%以上とハロゲン含有モノマー20〜54重量%
および0.5〜6重量%のスルホン酸含有モノマーを水
系乳化重合または、溶液重合という公知の方法にて重合
し、残存モノマーを除去後、紡糸溶剤へ溶解あるいはそ
のまま紡糸原液とする工程が一般的であるが、以下の実
施例に示した工程にて重合した重合体が紡糸時のボイド
の生成が少なく染色後の光沢が失われないので好まし
い。
【0022】重合体(I)は塩化ビニル,VDC,ある
いは臭化ビニルまたはそれらの混合物からなるハロゲン
含有モノマー20〜54重量%とANと少量の例えば
0.5〜6重量%のSAS,スチレンスルホン酸ナトリ
ウム、あるいはSAM等の染色性改良モノマーをジメチ
ルホルムアミド(以下DMFと記す。),ジメチルスル
ホキシド,あるいはジメチルアセトアミド等の有機溶媒
中にてアゾビスイソブチロニトリル,アゾビスジメチル
バレロニトリル等の重合開始剤を用い重合させる。
【0023】特に好ましくは、アリルスルホン酸ナトリ
ウム5〜40重量%、AN10〜85重量%、ハロゲン
含有モノマー10〜50重量%の組成を有する重合体を
DMF中にて上記重合方法で重合し、その重合体を含有
したDMF溶液中にて更にハロゲン含有モノマー20〜
60重量%およびANおよび必要ならばSASを着色防
止剤等ほかの添加剤の存在下で重合させる。ハロゲン含
有モノマーの量が少ないと難燃性が充分でなく、また多
すぎると難燃性が飽和に達し経済的でないばかりか繊維
の物性にも問題を生じる。
【0024】得られた重合ドープ中の未反応モノマーの
除去をロータリーエバポレーター、あるいは回転薄膜式
蒸発機を用いてなるべく低温にて行い、その後重合体濃
度を20〜30%に調整し、添加剤の添加等を行い重合
体(I)の紡糸原液を得る。
【0025】一方、重合体(II)はAN20〜60重量
%、(メタ)アクリル酸エステル78〜35重量%、お
よびスルホン酸含有モノマー2〜5重量%の重合体を水
系乳化重合または溶液重合という公知の方法にて重合
し、残存モノマーを除去後、紡糸溶剤へ溶解あるいはそ
のまま重合体(II)の濃度を20〜30重量%に調整し
紡糸原液とする。
【0026】ついで、重合体(I)と(II)の溶液を混
合して、紡糸原液を得る。紡糸原液は通常の紡糸口金よ
り凝固浴中へ紡出される。凝固浴は溶剤回収のコスト、
および回収プロセスの簡略化のために紡糸原液の有機溶
剤と同じ有機溶剤の水溶液とするのが好ましく、紡出方
法についてはあらゆる公知の湿式の紡糸方法が適用可能
である。
【0027】紡糸原液を凝固浴中で紡出し、凝固糸状は
通常溶剤濃度の順次低下する数値の紡糸浴を通じて紡糸
延伸を受ける。紡糸延伸倍率は通常3倍以上で行なう
が、よりよい乾熱収縮率を有する繊維を得るためには4
倍以上,5倍以下の倍率で行うことが好ましい。5倍を
超えても紡糸は可能であるが12倍を超えるような紡糸
を行うと繊維の乾熱収縮率が低下するばかりでなく糸質
にも悪影響を及ぼす。紡糸延伸後60℃以上の水洗槽に
て水洗し、前オイル付着後ホットローラー型および/ま
たは熱風乾燥機にて乾燥、焼きつぶしを受ける。
【0028】通常のレギュラーアクリル繊維では乾燥前
に一次延伸を行う方法が多く用いられているが、高収縮
繊維の製造においては、乾燥後に一次延伸を行った方が
収縮性能、繊維の光沢や染色性という点でより効果的で
ある。
【0029】一次延伸は湿熱60〜120℃、好ましく
は80〜100℃で行う。低温での延伸は望む倍率が得
られず、高温で延伸を行なうと繊維間の膠着,繊維の硬
化等、操業性に影響を及ぼす。倍率は重合体(I)中の
ハロゲン含有モノマーの量、および繊維中の重合体(I
I)の含有率によって異なってくるが、収縮性能,強
度,光沢,染色性と言った繊維性能、および操業性,生
産性等より過延伸領域にはいる直前の延伸倍率で行う方
がよい。
【0030】一次延伸倍率と繊維性能(ここでは収縮
率)との関係を見ると、延伸倍率の低いところでは延伸
倍率の増加と共に収縮率も増大して行くが、延伸倍率が
ある程度以上になると、収縮率が飽和に達したり、ある
いは逆に延伸倍率の低下が生じる。この延伸倍率以上を
過延伸領域と呼ぶ。この過延伸領域では収縮率の飽和お
よび低下はもちろんであるが、繊維の強伸度の低下,染
色性の低下,単糸切れ等の欠点が発生して来る。
【0031】その後、引続き湿熱により繊維を収縮させ
る。温度は湿熱80℃〜130℃、好ましくは90℃〜
115℃で行なう。低温での収縮では望む収縮率が得ら
れない。高温での収縮では繊維間の膠着が激しく繊維物
性,操業性に深刻な影響を及ぼす。収縮率は重合体
(I)のハロゲン含有モノマーの量および繊維中の重合
体(II)の含有率によって異なって来るが収縮性能,繊
維性能および操業性,生産性等を考慮すると0.7〜
0.95倍程度が好ましい。
【0032】この湿熱収縮後、繊維に後オイル付着を行
い、乾熱延伸を行う。延伸時の温度は80〜140℃、
好ましくは90〜110℃で行なう。延伸温度が低すぎ
ると延伸倍率が充分でなく、低倍率で繊維に白化・単糸
切れ等の不都合が生じる。逆に延伸温度が高すぎると単
繊維間の膠着,熱による黄変等が見られる他、乾熱収縮
性能に悪影響を及ぼす。乾熱延伸を行った繊維は引き続
いて機械クリンプの付与を行い、100℃好ましくは8
0℃以下の温度で収縮が生じないよう乾燥し製品とす
る。
【0033】
【実施例】次に実施例を示して本発明を具体的に説明す
る。実施例中の部,%は特に断わらない限り重量部,重
量%を示す。収縮率の測定は次のようにして行った。乾
熱延伸済みの繊維(長さL0 )を循環式の熱風乾燥機内
に5分間放置して、その後再び繊維長Lを測定して次の
式より乾熱収縮率を求めた。 (乾熱収縮率)=(L0 −L)/L0 ×100
【0034】難燃性は限界酸素指数(LOI)で表し
た。LOIの測定は繊維を51mmの繊維長にカット
し、ハンドカードで開綿後、約0.5gの綿を取り、こ
れを25cmの長さに均一に伸ばし、加撚機にて40回
の撚りを掛けて2つ折りにして撚り棒をつくる。窒素ガ
スと酸素ガスの混合気体中にて撚り棒の上端に接炎し、
試料が5cmだけ燃焼する際の混合気体中の酸素濃度で
表す。
【0035】実施例1〜6,比較例1,2 AN/VDC/SAS=50/30/20の組成を有す
る重合体をDMF中にてアゾビスジメチルバレロニトリ
ルを開始剤としてオートクレーブ中で重合した。この重
合体10部とAN28部、VDC22部とをDMF50
部に溶解後着防剤を少量添加し、アゾビスジメチルバレ
ロニトリルを開始剤に使いオートクレーブ中にて9時間
重合させ、AN/VDC/SAS=55.0/40.0
/5.0の組成を有する難燃アクリル系重合体を得た。
重合溶液はロータリーエバポレーターにより真空蒸発さ
せて未反応モノマーの除去を行い、その後水/DMF混
合溶液を添加し、重合体濃度24.0%の難燃アクリル
重合体(I)の溶液を得た。
【0036】次にAN/MA/SAM=50/48/2
に着色防止剤とアゾビスイソブチロニトリルを加えてオ
ートクレーブ中で重合を行なった。重合溶液をロータリ
ーエバポレーターにより真空蒸発させて未反応モノマー
の除去を行い重合体(II)を得た。
【0037】重合体(I)の紡糸原液に重合体(II)の
溶液を各々の重合体の重量比が表1に示す比率になるよ
う混合し、紡糸原液を得た。紡糸原液は口径0.06m
m、孔数2000個の紡糸口金よりDMF/水=57/
43、18℃の凝固浴中へ紡糸された。紡出された糸条
は通常の方法にて紡糸延伸を行い、水洗で脱溶剤を行っ
た後、130℃のホットローラーで乾燥緻密化した。一
次延伸は湿熱95〜100℃にて1.3倍行い、引続き
105〜110℃で0.8倍に収縮させた。後オイル付
着後の繊維を乾燥させて110℃にて乾熱延伸を表1の
様な倍率で行い、前述の方法により110℃での乾熱収
縮率を測定した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例7〜10,比較例3〜5 先の実施例で使用したものと同様の重合体(I)の紡糸
原液に表2に示すようなさまざまの割合でAN/MA/
SAMを重合させた重合体(II)を混合して紡糸原液と
した。この紡糸原液を先の実施例と同様の操作によって
乾熱収縮繊維を製造し、110℃での乾熱収縮率を測定
した。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明繊維は、高度の難燃性はもちろん
であるが、非常に高い収縮率を有し、かつ繊維の強度も
充分でありかつ形態安定性が優れている。また20%を
超える高い収縮率においても繊維の硬化や脆化がみられ
ず、従来の高収縮繊維と比較して優れた物性を有する。
従って本発明繊維は、高度の難燃性をバルキー性,良好
な風合い,染色性などが要求される毛布,シーツ,ベッ
ドカバー,カーペット,カーテン,ハイパイル等の寝装
インテリア用途および安全性と着心地が要求される小児
用,老人用の衣服、特にパジャマなどにおいて充分にそ
の性能を発揮できるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル40重量%以上とハロ
    ゲン含有モノマー20〜54重量%、およびスルホン酸
    含有モノマー0.5〜6重量%よりなる重合体(I)9
    5〜60重量部に対し、アクリロニトリル20〜60重
    量%と(メタ)アクリル酸エステル78〜35重量%お
    よびスルホン酸含有モノマー2〜5重量%よりなる重合
    体(II)5〜40重量%を混合した重合体組成物よりな
    り、無荷重下、100℃以上の乾熱収縮率が20%を超
    える難燃アクリル系高収縮繊維。
  2. 【請求項2】 ハロゲン含有モノマーが塩化ビニリデン
    および/または塩化ビニルである請求項1記載の繊維。
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