JPH10237721A - 高収縮性アクリル繊維及びパイル用原綿 - Google Patents

高収縮性アクリル繊維及びパイル用原綿

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JPH10237721A
JPH10237721A JP9054307A JP5430797A JPH10237721A JP H10237721 A JPH10237721 A JP H10237721A JP 9054307 A JP9054307 A JP 9054307A JP 5430797 A JP5430797 A JP 5430797A JP H10237721 A JPH10237721 A JP H10237721A
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polymer
acrylonitrile
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acrylic fiber
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JP9054307A
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Yoshihiro Nishihara
良浩 西原
Hideo Marui
秀男 丸井
Hiroaki Onishi
宏明 大西
Seizo Oishi
清三 大石
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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    • D01F8/04Conjugated, i.e. bi- or multicomponent, artificial filaments or the like; Manufacture thereof from synthetic polymers
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    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
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    • D06N3/00Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof
    • D06N3/0002Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof characterised by the substrate
    • D06N3/0015Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof characterised by the substrate using fibres of specified chemical or physical nature, e.g. natural silk
    • D06N3/0034Polyamide fibres

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理、特に乾熱処理時に高収縮性を示し、
かつ熱処理後に強いけん縮を発現し、立毛製品の原綿素
材として有用な高収縮性アクリル繊維を提供し、また、
その高収縮性アクリル繊維を含むパイル用原綿を提供す
る 【解決手段】 単繊維繊度が0.5〜10デニール、1
30℃で10分の乾熱処理での収縮率が20%以上であ
り、乾熱処理後のけん縮数が10ケ以上、けん縮率が1
0%以上で、かつ乾熱処理前のけん縮数及びけん縮率よ
り大であり、特に一方がアクリロニトリル系重合体であ
る2種の重合体からなり、一方の重合体と他方の重合体
とがサイドバイサイドに配された複合繊維である高収縮
性アクリル繊維、またこの高収縮性アクリル繊維と他の
アクリル繊維とからなるパイル用原綿。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高収縮性アクリル
繊維及びその高収縮性アクリル繊維を含むパイル用原綿
に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル繊維は、獣毛調風合い、光沢を
有し、ニット分野を始め、ボア、ハイパイルの分野に広
く用いられている。このうちハイパイルにおいては、通
常、刺毛と産毛の二層構造が形成されるが、産毛には高
収縮性アクリル繊維が用いられる。また、近年、多様な
商品開発の必要性から、レギュラーのアクリル繊維に高
収縮性アクリル繊維を混合し、特殊風合い糸、ハイバル
キー糸、特殊パイル布帛等が製造され、またさらなる多
様化、高品質化のために、高度の収縮性を有する高収縮
性アクリル繊維が要求されている。
【0003】かかる背景のもとに、高収縮性アクリル繊
維として、例えば特開昭60−110910号公報に
て、湿式紡糸して得られる凝固未延伸糸を1.5〜3倍
に延伸した後、無緊張下70℃以上の温度で水洗し、熱
水中で1.5〜2.5倍に二次延伸して得ることが開示
されている。しかしながら、この方法で得られる高収縮
性アクリル繊維は、沸水収縮率は良好でも乾熱雰囲気で
の収縮率に劣るものである。
【0004】また、特開平4−119114号公報に
は、アクリロニトリル80重量%以上、スルホン酸基含
有モノマ0.5〜5重量%及びビニルモノマ5〜15重
量%の重合体よりなり、120℃で1分での乾熱収縮率
が30%以上の速収縮性アクリル繊維が開示されてい
る。しかしながら、スルホン酸基含有モノマが1重量%
を超えて多量に含む重合体よりなるアクリル繊維は、伸
度が低下して紡績工程での通過性が悪化し、また製造時
の紡糸工程の凝固浴中での凝固性が低下し、紡糸工程で
繊維の接着が起こり易くなる。
【0005】一般に、ボア、ハイパイル、カーペット等
の立毛製品では、刺毛成分となる原綿と産毛成分となる
収縮性原綿とを混用し、立毛製品中で産毛成分の収縮性
原綿のみを収縮させる。その結果、立毛製品の表面の繊
維密度が疎となり製品表面がソフトタッチとなり、立毛
製品の底部の繊維密度が密となり、製品を押さえたとき
に肉厚感のある嵩高が得られる。このとき、産毛成分の
収縮性原綿の収縮率と収縮後の繊維形態が、得られる立
毛製品の品位を大きく左右する。従って、立毛製品、特
にハイパイルの産毛成分の収縮性原綿に要求される性能
は、高収縮性であることと同時に、立毛製品の品位を良
好なものとする点で、収縮後の繊維に強いけん縮が発現
するものであることが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、立毛製品の
仕上げ時の熱処理工程における収縮性原綿の熱収縮性、
熱処理後のけん縮発現に関し鋭意検討の結果なされたも
のであり、本発明の目的とするところは、熱処理、特に
乾熱処理時に高収縮性を示し、かつ熱処理後に強いけん
縮を発現し、立毛製品の原綿素材として有用な高収縮性
アクリル繊維を提供し、また、その高収縮性アクリル繊
維を含むパイル用原綿を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、単繊維繊度が
0.5〜10デニール、130℃で10分の乾熱処理で
の収縮率が20%以上であり、乾熱処理後のけん縮数が
10ケ以上、けん縮率が10%以上で、かつ乾熱処理前
のけん縮数及びけん縮率より大であることを特徴とする
高収縮性アクリル繊維、
【0008】及び、前記の高収縮性アクリル繊維20〜
70重量%と他のアクリル繊維80〜30重量%とから
構成されたことを特徴とするパイル用原綿、にある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の高収縮性アクリル繊維
は、単繊維繊度が0.5〜10デニールであり、単繊維
繊度が0.5デニール未満では、立毛製品の原綿として
用いたときに、熱収縮時に繊維同士が絡まり易く、収縮
が不十分となり、10デニールを超えると、率毛製品の
原綿として用いたときに立毛製品の底部にガサツキ感を
与える。また、本発明の高収縮性アクリル繊維は、13
0℃で10分の乾熱処理での収縮率が20%以上の収縮
性を有する。収縮率が20%未満では、立毛製品の原綿
として用いたときの収縮性が不十分であり、また立毛製
品に良好な風合いを与えない。本発明の高収縮性アクリ
ル繊維は、常圧水蒸気中では30%以上の収縮率を示
し、立毛製品の仕上げ時に水蒸気処理を施すならば、よ
り高品位の製品を得ることができる。
【0010】さらに、本発明の高収縮性アクリル繊維
は、130℃で10分での乾熱処理後のけん縮数が10
ケ以上、けん縮率が10%以上であり、かつ、この乾熱
処理後のけん縮数及びけん縮率が、乾熱処理前のけん縮
数及びけん縮率よりそれぞれ大である。本発明の高収縮
性アクリル繊維を立毛製品の原綿として用いたとき、そ
の立毛製品の熱処理工程において、本発明の高収縮性ア
クリル繊維は、収縮すると同時に、強いけん縮を発現す
る。かかる収縮性と強いけん縮の発現により、立毛製品
上での沈み込みが大きくなり、立毛製品の表面のソフト
感がより強調され、立毛製品の底部の嵩高が強調され
る。
【0011】本発明の高収縮性アクリル繊維は、少なく
ともアクリロニトリル系重合体から構成される。従っ
て、本発明の高収縮性アクリル繊維は、一つのアクリロ
ニトリル系重合体、或いは一方がアクリロニトリル系重
合体である2種の重合体であって、他方もアクリロニト
リル系重合体である組み合わせ、又は一方がアクリロニ
トリル系重合体である2種の重合体であって、他方がア
クリロニトリル系重合体以外の他の重合体或いは他の重
合体とアクリロニトリル系重合体の混合物の組み合わせ
で構成される。
【0012】アクリロニトリル系重合体は、アクリロニ
トリル50〜100重量%、好ましくは85〜95重量
%、スルホン酸基含有ビニルモノマ0〜1重量%及び他
のビニルモノマ50〜0重量%、好ましくは15〜4重
量%から構成される。
【0013】アクリロニトリル系重合体において、スル
ホン酸基含有ビニルモノマの存在は、繊維に良好な光
沢、染色性を与える。スルホン酸基含有ビニルモノマと
しては、例えばアリルスルホン酸ナトリウム、スチレン
スルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これら
は単独或いは混合物であってもよい。また、他のビニル
モノマとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、酢
酸ビニル、アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙
げられ、これらは単独或いは混合物であってもよい。
【0014】アクリロニトリル系重合体以外の他の重合
体としては、アクリル繊維の湿式紡糸法による製造の際
の溶剤に溶解する重合体であれば特に限定はないが、例
えばセルロースジアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタ
クリレート、アクリレート誘導体とメタクリレート誘導
体の共重合体等が挙げられる。
【0015】本発明の高収縮性アクリル繊維において
は、一つのアクリロニトリル系重合体で構成された繊維
であってもよいが、収縮性と強いけん縮の発現性の点か
ら、一方が少なくともアクリロニトリル系重合体である
2種の重合体の組み合わせで構成されたサイドバイサイ
ドの複合繊維であることが好ましい。
【0016】一方がアクリロニトリル系重合体である2
種の重合体からなり、他方もアクリロニトリル系重合体
であるサイドバイサイドの複合繊維においては、一方の
重合体Aがアクリロニトリル系重合体であり、他方の重
合体Bが前記重合体Aとはアクリロニトリル量に1重量
%以上の差のあるアクリロニトリル系重合体であること
が必要である。
【0017】また、一方がアクリロニトリル系重合体で
ある2種の重合体からなり、他方がアクリロニトリル系
重合体以外の他の重合体或いは他の重合体とアクリロニ
トリル系重合体の混合物であるサイドバイサイドの複合
繊維においては、一方の重合体Aがアクリロニトリル系
重合体であり、他方の重合体Bが前記重合体A95〜5
重量%とアクリロニトリル系重合体以外の他の重合体5
〜95重量%との混合物であることが必要である。
【0018】複合繊維においては、一方の重合体Aと他
方の重合体Bとの複合比が、重量比で重合体A/重合体
B=30〜70/70〜30であることが好ましい。
【0019】本発明の高収縮性アクリル繊維は、例えば
以下の方法により製造される。アクリロニトリル系重合
体は、アクリロニトリル50〜100重量%、スルホン
酸基含有ビニルモノマ0〜1重量%及び他のビニルモノ
マ50〜0重量%のモノマ組成で水系懸濁重合、水系乳
化重合、溶液重合等の公知の重合方法により製造され
る。繊維の紡糸においては、得られたアクリロニトリル
系重合体を溶剤に溶解し、或いは重合に引き続き残存モ
ノマを除去してそのまま紡糸原液とする。また、アクリ
ロニトリル系重合体以外の他の重合体或いは他の重合体
とアクリロニトリル系重合体との混合物は、アクリロニ
トリル系重合体の溶解に用いたと同じ溶剤に溶解し紡糸
原液とする。用いる溶剤は、有機溶剤、無機溶剤のいず
れであってもよい。
【0020】繊維とするための紡糸は、紡糸原液を紡糸
口金より凝固浴中へ紡出する湿式紡糸法により行われ
る。凝固浴は、溶剤回収コストの低減、回収プロセスの
簡略化のため、紡糸原液に用いたと同じ溶剤の水溶液と
することが好ましい。
【0021】本発明の高収縮性アクリル繊維が、一つの
アクリロニトリル系重合体からなる場合は、アクリロニ
トリル系重合体からなる紡糸原液を、湿式紡糸法により
紡糸し、凝固糸を2〜6倍に延伸し、油剤付与、乾燥緻
密化後、加圧水蒸気中で25%以上熱緩和し、さらに偏
加熱下に1.6〜2.2倍に乾熱延伸する方法により製
造できる。
【0022】また、本発明の高収縮性アクリル繊維が、
一方がアクリロニトリル系重合体である2種の重合体か
らなる場合、2種の重合体がともにアクリロニトリル系
重合体であるときは、両者間にアクリロニトリル量で1
重量%以上の差のある2種のアクリロニトリル系重合体
を用い、また、他方の重合体がアクリロニトリル系重合
体以外であるときは、他の重合体或いは他の重合体とア
クリロニトリル系重合体の混合物を用い、2種の重合体
の各々からなる紡糸原液を、湿式紡糸法によりサイドバ
イサイドに複合紡糸し、凝固糸を2〜6倍に延伸し、油
剤付与、乾燥緻密化後、加圧水蒸気中で25%以上に熱
緩和し、さらに1.6〜2.2倍に乾熱延伸する方法に
より製造できる。
【0023】製造方法を更に詳しく説明するならば、凝
固糸を、凝固浴から通常溶剤濃度が順次低下する多段の
洗浄延伸浴を通して2〜6倍、好ましくは3〜4倍に延
伸する。延伸倍率が2倍未満では、繊維の分子鎖の配向
が不十分で、満足すべき繊維強度が得られず、6倍を超
えると、糸切れ等が起こり操業性が悪化する。延伸後、
50℃以上の水洗槽にて水洗し油剤を付与し、乾燥緻密
化を行う。次いで、加圧水蒸気中で25%以上、好まし
くは35%以上の収縮緩和させる熱緩和処理する。熱緩
和処理は、温度110〜150℃、好ましくは115〜
135℃の飽和水蒸気中で行う。温度が110℃未満で
は、25%以上の収縮緩和が得られず、150℃を超え
ると、膠着等が起こり繊維の形態変化を生ずる。
【0024】熱緩和処理後、更に1.6〜2.2倍に乾
熱延伸を行うが、この乾熱延伸は、熱緩和処理とともに
高収縮性を得る上で必要な処理であり、乾熱延伸は、乾
熱温度100〜140℃、好ましくは110〜130℃
で行う。延伸倍率が1.6倍未満では、高収縮性を付与
できず、2.2倍を超えると、強度、光沢等の繊維物性
の低下、糸切れを起こす。また、乾熱温度が100℃未
満では、延伸時の張力が過大となり1.6倍以上の延伸
ができず高収縮性が得られず、また140℃を超える
と、高収縮性を得ることがでなくなる。
【0025】乾熱延伸の際、高収縮性アクリル繊維が、
一つのアクリロニトリル系重合体からなる場合は、単繊
維を不均一に加熱する偏加熱下に乾熱延伸し、また、一
方がアクリロニトリル系重合体である2種の重合体から
なる場合は、均一の加熱下に乾熱延伸する。
【0026】乾熱延伸後は、公知の方法により適宜機械
けん縮の付与等の紡績工程に必要な処理や操作が行われ
る。また、本発明の高収縮性アクリル繊維を構成する重
合体には、耐候安定剤、抗菌剤、顔料、制電剤、導電
剤、難燃剤、防汚剤等が含まれていてもよい。
【0027】本発明の高収縮性アクリル繊維は、立毛製
品の原綿素材として有用なるものであり、本発明の高収
縮性アクリル繊維と、レギュラーアクリル繊維或いは低
伸度アクリル繊維等の他のアクリル繊維とのブレンド繊
維は、パイル用原綿として用いて立毛製品としたとき
に、立毛製品の表面にソフト感を、底部に嵩高を与え、
立毛製品のパイル用原綿として優れたものである。特に
他のアクリル繊維が、その断面が長辺/短辺比5〜25
の扁平形状で、繊度が1〜40デニールの扁平繊維であ
るときは、そのブレンド繊維は、含まれる扁平繊維が絡
まみ難い刺毛となることから、パイル用原綿として優れ
た風合いの立毛製品を得ることができる。
【0028】パイル用原綿としては、立毛製品としたと
きに形成される刺毛、産毛によるソフト感と嵩高の点か
ら、本発明の高収縮性アクリル繊維20〜70重量%と
他のアクリル繊維80〜30重量%とから構成されるこ
とが好ましい。高収縮性アクリル繊維が20重量%未満
では、立毛製品における産毛が少なく嵩高性に欠け、7
0重量%を超えると、刺毛が少なくなりソフト感に欠け
たものとなる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中、部、%とあるのは重量部、重量%
をそれぞれ意味する。また、重合体の還元粘度、乾熱処
理での収縮率、けん縮の発現状態は、下記の方法で測定
した。
【0030】〈還元粘度〉キャノンフェンスケ粘度計
(キャノン(株)製)を用い、ジメチルホルムアミド
0.5重量%溶液にて25℃で測定した。 〈乾熱収縮率〉無荷重のもとで繊維を130℃で10分
の乾熱処理し、乾熱処理前の繊維長さをL0、乾熱処理
前の繊維長さをL1とし、次式で算出した。 乾熱収縮率(%)=[(L0−L1)/L0]×100 〈けん縮数、けん縮率〉JIS−L1015、7.12
に拠った。
【0031】(実施例1)水系懸濁重合法により、アク
リロニトリル(AN)93%/酢酸ビニル(AV)7
%、AN90%/AV10%のそれぞれ還元粘度1.9
5の2種の重合体A、Bを得た。次いで各重合体をジメ
チルアセトアミド(DMAc)に溶解し、重合体濃度2
5%の紡糸原液を得た。この2種の紡糸原液を、複合比
50/50で、分配装置付きの孔径0.06mm、孔数
10,000の紡糸ノズルよりDMAc50%/水50
%の40℃の凝固浴にサイドバイサイド構造に複合紡出
した。次いで熱水中で洗浄しながら3倍に延伸し、油剤
を付与した後、表面温度130℃の熱ローラで乾燥緻密
化した。
【0032】引き続き125℃の加圧水蒸気中で緩和収
縮率33%に熱緩和処理し、更に125℃の熱ローラで
1.8倍に乾熱延伸し、機械けん縮を付与して単繊維繊
度1.8デニールの繊維を得た。得られた繊維の単繊維
での繊維強伸度、けん縮発現状態及び乾熱収縮率を表1
に示した。なお、表1には130℃で10分の乾熱処理
での収縮率を示したが、常圧水蒸気中5分での蒸熱処理
では収縮率が39%であった。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例2〜5、比較例1)実施例1にお
いて、2種の重合体A、Bの組み合わせを表2に示す組
み合わせ及び緩和収縮率に代えた以外は実施例1と同様
にして、単繊維繊度1.8デニールの繊維を得た。得ら
れた繊維の繊維物性を表3に示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】(実施例6〜7、比較例2)実施例1にお
いて、2種の重合体A、Bの組み合わせを表4に示す組
み合わせ及び熱緩和処理温度105℃での緩和収縮率に
代えた以外は実施例1と同様にして、単繊維繊度1.8
デニールの繊維を得た。得られた繊維の繊維物性を表5
に示した。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】(実施例8〜14、比較例3〜14)実施
例1において、熱緩和処理条件と乾熱延伸条件を表6に
示すように変更した以外は実施例1と同様にして、単繊
維繊度1.8デニールの繊維を得た。得られた繊維の繊
維物性を表7、表8に示した。なお、比較例3、7、
9、10、11及び13については、工程安定性不良の
ため繊維が得られず、繊維物性の評価ができず、表8に
は示していない。
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】(実施例15)水系懸濁重合法により得た
AN93%/AV7%の還元粘度1.95の重合体A
と、重合体A/ポリメチルメタクリレート(重量平均分
子量80,000)=80%/20%の混合物Bを、そ
れぞれジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、重
合体濃度25%の各紡糸原液を得た。この2種の紡糸原
液を、複合比50/50で、分配装置付きの孔径0.0
6mm、孔数10,000の紡糸ノズルよりDMAc5
0%/水50%の40℃の凝固浴にサイドバイサイド構
造に複合紡出した。
【0045】次いで熱水中で洗浄しながら3.5倍に延
伸し、油剤を付与した後、表面温度130℃の熱ローラ
で乾燥緻密化した。引き続き125℃の加圧水蒸気中で
緩和収縮率35%に熱緩和処理し、更に125℃の熱ロ
ーラで1.8倍に乾熱延伸し、機械けん縮を付与して単
繊維繊度1.8デニールの繊維を得た。得られた繊維の
単繊維での繊維強伸度、けん縮発現状態及び乾熱収縮率
を表9に示した。
【0046】
【表9】
【0047】(実施例16〜18、比較例15)実施例
1、7及び13で得られた高収縮性アクリル繊維及び比
較例6で得られたアクリル繊維の各1.8デニール×3
2mmのカット品40%と三菱レイヨン(株)製アクリ
ル繊維「ファンクル」10デニール×51mmのカット
品60%をブレンドしてパイル用原綿をそれぞれ作製し
た。これらのパイル用原綿から太さ10g/mのスライ
バを作製し、スライバニッティング機によりスライバニ
ットを作り、続いてポリッシャ処理を行い目付700g
/m2、パイル長18mmのハイパイルをそれぞれ得
た。ハイパイルの風合いを感触テストで4段階評価した
結果を表10に示した。
【0048】
【表10】
【0049】(実施例19〜21、比較例16〜17)
実施例1で得られた高収縮性アクリル繊維の1.8デニ
ール×32mmのカット品と三菱レイヨン(株)製アク
リル繊維「ファンクル」10デニール×51mmのカッ
ト品を表11に示すブレンド比率でブレンドしてパイル
用原綿を作製した。このパイル用原綿から太さ10g/
mのスライバを作製し、スライバニッティング機により
スライバニットを作り、ポリッシャ処理を行って目付7
00g/m2、パイル長18mmのハイパイルを得た。
ハイパイルの風合いを感触テストで4段階評価した結果
を表11に示した。
【0050】
【表11】
【0051】
【発明の効果】本発明の高収縮性アクリル繊維は、高い
乾熱収縮性と乾熱収縮時のけん縮発現により、ボア、ハ
イパイル、カーペット等の立毛製品の素材として有用な
るものであり、その高収縮性アクリル繊維を含む他のア
クリル繊維とのブレンド品は、立毛製品のパイル用原綿
として有用なるものである。また、衣料用途の紡績糸の
混紡成分として用いることもでき、従来のバルキー成分
を用いては達成されない嵩高紡績糸を得ることができ
る。更に、本発明の高収縮性アクリル繊維は、通常のア
クリル繊維の製造における装置、方法で工業的に安定
に、かつ安価に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 清三 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維繊度が0.5〜10デニール、1
    30℃で10分の乾熱処理での収縮率が20%以上であ
    り、乾熱処理後のけん縮数が10ケ以上、けん縮率が1
    0%以上で、かつ乾熱処理前のけん縮数及びけん縮率よ
    り大であることを特徴とする高収縮性アクリル繊維。
  2. 【請求項2】 繊維が、一方がアクリロニトリル系重合
    体である2種の重合体からなるサイドバイサイドの複合
    繊維であって、一方の重合体Aがアクリロニトリル50
    〜100重量%、スルホン酸基含有ビニルモノマ0〜1
    重量%及び他のビニルモノマ50〜0重量%から構成さ
    れるアクリロニトリル系重合体であり、他方の重合体B
    が前記重合体Aとはアクリロニトリル量に1重量%以上
    の差のあるアクリロニトリル系重合体であるサイドバイ
    サイドの複合繊維である請求項1記載の高収縮性アクリ
    ル繊維。
  3. 【請求項3】 繊維が、一方がアクリロニトリル系重合
    体である2種の重合体からなるサイドバイサイドの複合
    繊維であって、一方の重合体Aがアクリロニトリル50
    〜100重量%、スルホン酸基含有ビニルモノマ0〜1
    重量%及び他のビニルモノマ50〜0重量%以下から構
    成されるアクリロニトリル系重合体であり、他方の重合
    体Bが前記重合体A95〜5重量%とアクリロニトリル
    系重合体以外の他の重合体5〜95重量%との混合物で
    ある請求項1記載の高収縮性アクリル繊維。
  4. 【請求項4】 アクリロニトリル系重合体が、アクリロ
    ニトリル85〜95重量%、スルホン酸基含有ビニルモ
    ノマ0〜1重量%及び他のビニルモノマ15〜4重量%
    から構成される重合体である実施例2、実施例3又は請
    求項4記載の高収縮性アクリル繊維。
  5. 【請求項5】 一方の重合体Aと他方の重合体Bとの複
    合比が、重量比で重合体A/重合体B=30〜70/7
    0〜30である請求項3、実施例4又は請求項5記載の
    高収縮性アクリル繊維。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の高収縮性アクリル繊維2
    0〜70重量%と他のアクリル繊維80〜30重量%と
    から構成されたことを特徴とするパイル用原綿。
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