JP3461966B2 - 耐光性に優れた難燃アクリル系合成繊維 - Google Patents

耐光性に優れた難燃アクリル系合成繊維

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JP3461966B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、耐光性に優れた難燃ア
クリル系合成繊維に関する。 【0002】 【従来の技術】アクリル系合成繊維は、風合や染色性が
優れるため衣料用、寝装用に幅広く使われている。しか
しながら、光や熱によって繊維が黄変しやすく実用上種
々な制約を受けているのが現状である。特に塩素を共重
合成分に含むモダクリル繊維は光や熱によって黄変しや
すいという問題がある。 【0003】かかる問題点を改良するために、例えばヒ
ンダートフェノール系の酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤
を用いることが検討されてきたが、これらの方法はオレ
フィン系合成繊維には有効であるが、アクリル系合成繊
維に対しては効果が少ないという問題がある。また、例
えば特公平2−15642号公報にはベンゾトリアゾー
ル系化合物である紫外線吸収剤を添加したモダクリル繊
維や、特開平2−33315号公報には有機錫を添加し
たモダクリル繊維が提案されているが、湿式紡糸の場合
には凝固浴への紫外線吸収剤、有機錫の溶出のため歩留
りが不良であり、さらに染色性、透明性に悪影響及ぼす
問題がある。また耐光性を向上せしめるためにルチル型
の二酸化チタンを用いることは塗料分野では行われてい
るが、繊維へ適用した場合、その硬度及び紡糸操業性に
問題があり、繊維分野ではルチル型の二酸化チタンが用
いられていないのが現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このように、難燃アク
リル系合成繊維の耐光性を改良する試みは種々提案され
ているものの、染色性、透明性、操業性等が良好で、し
かも耐光性が良好な難燃アクリル系合成繊維は得られて
いない。本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので
あって、その目的は染色性、透明性、操業性が良好で、
耐光性に優れた難燃アクリル系合成繊維を提供するにあ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述の目的は、塩化ビニ
ル及び/又は塩化ビニリデンを含有するアクリロニトリ
ル系重合体と、一般式 【化2】 で表されるモノマー3050重量%を含む分子量20
00〜50000の共重合体とを、該モノマーの含有量
がアクリロニトリル系重合体に対して0.1〜3重量%
となるようにポリブレンドしてなる耐光性に優れた難燃
アクリル系合成繊維により達成される。 【0006】以下、本発明を詳細に説明する。 【0007】本発明に使用する塩化ビニル及び/又は塩
化ビニリデンを含有するアクリロニトリル系重合体とし
ては、アクリロニトリル30〜80重量%、塩化ビニル
及び/又は塩化ビニリデン20〜70重量%及び不飽和
モノマー0〜10重量%より構成されるものが挙げられ
る。特に不飽和モノマーの中でもスルフォン酸基含有モ
ノマーが繊維に緻密性、染色性を付与する点で好まし
い。スルフォン酸基含有モノマーとしてはアリルスルホ
ン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ、ビニルスルフ
ォン酸ソーダ、スチレンスルフォン酸ソーダ、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸ソーダ等
が挙げられる。 【0008】かかるアクリロニトリル系重合体は、水系
懸濁重合,乳化重合,溶液重合などの公知の重合方法に
よって作られ、特に限定されるものではない。 【0009】本発明に使用する一般式(1)で表される
モノマーとしては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メ
タクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾール、または2−(2′−ヒドロキシ−5′−アクリ
ルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
が挙げられる。上記モノマーの共重合体に含まれる量
30〜50重量%の範囲を必要とする。20重量%
未満では耐光性向上の効果が不十分であり、また20重
量%未満の含有量の共重合体を大量に添加すると、得ら
れた難燃アクリル系合成繊維の難燃性の低下や耐熱性の
低下等繊維物性に悪影響がでる。一方、60重量%を越
えると共重合体の着色や耐熱性の低下が起き好ましくな
い。 【0010】上記一般式(1)で表されるモノマー以外
に用いる5070重量%のモノマーは特に限定される
ものではないが、例えばアクリロニトリル、スチレン、
メチルメタクリレート等のメタクリル酸誘導体、メチル
アクリレート等のアクリル酸誘導体等が挙げられる。ま
た、アリルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソー
ダ、ビニルスルフォン酸ソーダ、スチレンスルフォン酸
ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
フォン酸ソーダ等のスルフォン酸含有モノマー及びアク
リル酸、メタクリル酸等の酸性モノマー等を一部併用す
ることも可能である。 【0011】本発明に用いる共重合体の分子量は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフ(GPC)におけるポ
リスチレン換算分子量で2000〜50000とする必
要がある。分子量が2000未満では、湿式紡糸の際に
凝固浴中に溶出して歩留りが不良となるので好ましくな
い。一方分子量が50000を越えると、ポリマーの溶
液粘度が高くなり紡糸原液への添加混合が困難となるの
で好ましくない。 【0012】かかる共重合体は、水系懸濁重合,乳化重
合,溶液重合などの公知の重合方法によって作られ、特
に限定されるものではない。 【0013】そして、上記一般式(1)で表されるモノ
マーの含有量は、アクリロニトリル系重合体に対して
0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜2重量%となる
ように用いる。含有量が0.1重量%未満では耐光性向
上の効果が得られず、一方3重量%を超えると着色や耐
熱性の低下が発生し、また上記一般式(1)で表される
モノマーは高価であるので経済的に好ましくない。 【0014】本発明に用いる共重合体は溶剤中で直接重
合したもの、または粉体を紡糸溶剤に溶解した溶液を紡
糸溶液に添加紡糸するのが好ましい。また、重合前に添
加して重合紡糸することも、アクリロニトリル系重合体
とあらかじめブレンドして溶解紡糸することも可能であ
る。 【0015】本発明の繊維の紡糸方法は湿式、乾式、乾
・湿式紡糸のいずれでもよく特に限定されるものでな
い。一例を挙げると、ジメチルホルムアミドを紡糸原液
の溶剤として用いる場合、凝固浴条件はジメチルホルム
アミド40〜65重量%、温度30℃以下の水溶液とす
るのが好ましい。紡出された繊維は有機溶剤濃度が低下
する数個の浴槽にて通常1〜8倍程度の1次延伸を行
い、その後水洗、前オイルの付与を行う。次いで100
〜180℃の熱風もしくはホットローラーもしくは熱風
とホットローラーの併用で乾燥緻密化を行う。乾燥前も
しくは乾燥後に繊維物性の調整のために2次延伸や収縮
を行ってもよい。その後、後オイルの付与、機械クリン
プの付与、湿熱処理等を行っても良い。 【0016】本発明の繊維の加工条件は特に限定するも
のでなく、通常の難燃アクリル系合成繊維と同様に染色
加工することが可能であるが、使用する顔料、染料や助
剤等は耐光性の良いものを使用するのが望ましい。 【0017】 【実施例】次に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。実施例中の部、%は特に断わらない限り重量部、重
量%を示す。耐光性の評価は、得られた難燃アクリル系
合成繊維を常法により紡績して30番単糸となした後丸
編したものを、63℃で100時間及び200時間、フ
ェードメーターにおいて露光させ、変退色(グレースケ
ール)で評価を行った。 【0018】実施例1〜6,比較例1〜3 アクリロニトリル(AN)/塩化ビニリデン(VC
2 )/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ソーダ(SAM)=58/40/2からなる重合
体のジメチルホルムアミド(以下DMFと略称する)溶
液を準備し、紡糸原液とした。また、2−(2′−ヒド
ロキシ−5′−メタクリルオキシエチルフェニル)−2
H−ベンゾトリアゾール(以下HMBと略称する)を5
0%とメチルメタクリレート50%のポリスチレン換算
分子量10000の共重合体の30%DMF溶液を調製
した。これを上記紡糸原液に表1の添加量で添加混合し
たものを、60%DMF水溶液中に紡出し、水洗後繊維
油剤を付与してローラー式乾燥機を用いて140℃で乾
燥緻密化を行った。ついで機械クリンプを付与し湿熱1
10℃でクリンプのセットを行った。得られた繊維をカ
ットし、紡績をした後、丸編布を作製し上記耐光試験評
価を行った。結果を表1に示す。 【0019】 【表1】尚、比較例3で得られた製品は耐熱性が悪く、繊維に膠
着と着色が見られた。 【0020】表1から明らかなように、実施例品は比較
例品に比べて優れた耐光性を有していることがわかる。
また、染色試験を行った所、染色時に問題は発生せず、
得られた製品も染色性、透明性共に通常のアクリル系合
成繊維と大きな差はなかった。 【0021】 【発明の効果】本発明の難燃アクリル系合成繊維は耐光
性に優れ、また通常の染色性、操業性等を有しており頗
る有用である。また、本発明で得られた繊維は、通常の
アクリル系合成繊維、ポリエステル、ナイロン、木綿、
レーヨン、羊毛等他の繊維と混用して使用することも可
能であり、耐光性を必要とするカーペット、カーテン等
の用途に使用することが出来るため、産業上極めて有意
義なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/54,6/40,6/32

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンを
    含有するアクリロニトリル系重合体と、 一般式 【化1】 で表されるモノマー3050重量%を含む分子量20
    00〜50000の共重合体とを、該モノマーの含有量
    がアクリロニトリル系重合体に対して0.1〜3重量%
    となるようにポリブレンドしてなる耐光性に優れた難燃
    アクリル系合成繊維。
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