JP2004036058A - 炭素繊維、それから得られるカーボンフィブリル及びその炭素繊維の製造方法並びにその前駆体繊維、 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属微粒子をその表面又は内部に担持したカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)の集合体からなる炭素繊維、及び、その炭素繊維から得られるカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)を得ることにあり、この集合体を工業技術的観点から高い品質と歩留で生産する技術を提供することにある。
【解決手段】カーボンフィブリルの集合体からなる炭素繊維であって、カーボンフィブリルの表面又は内部に金属微粒子を担持した炭素繊維である。
【選択図】 なし
【解決手段】カーボンフィブリルの集合体からなる炭素繊維であって、カーボンフィブリルの表面又は内部に金属微粒子を担持した炭素繊維である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
金属微粒子を担持したカーボンフィブリルの集合体からなる炭素繊維、及び、その炭素繊維から得られる金属微粒子を担持したカーボンフィブリル、並びに、前記炭素繊維の前駆体繊維、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーボンフィブリルのうち直径が100nmのオーダー前後のものをカーボンナノファイバーと呼び、直径が10nmのオーダー前後にまで小さくなるとカーボンナノチューブと呼ばれる(遠藤守信:炭素,[200]202−205(2001))。カーボンナノファイバー(本件明細書において、カーボンナノチューブも含んで、カーボンナノファイバーという。)は、樹脂材料に導電性を付与及び/又は機械的性質を向上する目的で添加するフィラーとして有用な材料であり、最近では燃料電池の電極材料やガス吸蔵材料としても期待される材料である。
燃料電池の電極材料やガス吸蔵材料として用いる場合には、特定の金属微粒子を担持したカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)を使用する場合がある。
【0003】
従来、カーボンナノファイバー等のカーボンフィブリルは、アーク放電法、レーザー昇華法、化学的気相分解法に代表される気相法により製造されていたが、主として金属触媒の混入に起因する純度の問題や直径、長さ等の構造の不均一性が指摘されており、高純度で均一性の高い材料と製造法が望まれていた。更に、従来の気相法では生成物がサブミクロンオーダー以下の短繊維状物からなる粉体であって、製造工程及び加工工程における取扱い性と安全衛生の面から改良が望まれていた。加えて、従来の気相法では生産性が低い為により広く工業材料として使用される為には抜本的な低コスト化製造技術が望まれていた。
【0004】
このような課題を解決する技術として、炭素前駆体樹脂を熱分解消失性樹脂に被覆したコアシェルポリマーを熱分解消失性樹脂中に分散し溶融紡糸することにより前駆体繊維を得た後、該前駆体繊維を加熱炭素化することによりカーボンナノチューブを得る方法が開示されている(特開2002−29719号公報)。
更に改良技術として、上記のコアシェルポリマーにおいて炭素前駆体樹脂としてポリアクリロニトリルを用い熱分解消失性樹脂としてポリメタクリル酸メチルを用いる方法が開示されている(大谷朝男:機能材料、21[5](2001)41−46)。
【0005】
このように紡糸技術により製造されたカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)は、一般にカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)と呼ばれている。
【0006】
紡糸法カーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)は、金属触媒を用いないという点で純度が高く、更に製造物がカーボンナノファイバーの集合体からなる繊維状物であるという点において、加えて前駆体が溶融紡糸された繊維であるという点において、純度、構造の均一性、製造・加工工程通過性、安全衛生、品質、コストの問題を抜本的に解決できる糸口を与えたという意味で上述の課題を解決する方向に大きく一歩を踏み出した画期的提案と言える。
【0007】
しかしながら上記の紡糸法金属微粒子を担持したカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)は、ポリアクリロニトリルが元来加熱溶融しない熱環化反応性ポリマーであるために溶融紡糸性には向かず、本方法により得られた前駆体繊維の炭素化工程の通過性もまた良好であるとは言えない。従って、上記の紡糸法カーボンナノファイバーの技術は、工業技術的観点から改良の余地が十分に残されており、殊に直径100nm以下のフィラメント状カーボンナノファイバーを得るという点では、更に十分とは言い難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、金属微粒子をその表面又は内部に担持したカーボンナノファイバーの集合体からなる炭素繊維、及び、その炭素繊維から得られるカーボンナノファイバーを得ることにあり、この集合体を工業技術的観点から高い品質と歩留で生産する技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、カーボンナノファイバーの集合体からなる炭素繊維であって、カーボンナノファイバーの表面又は内部に金属微粒子を担持した炭素繊維。にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
(前駆体繊維のモルフォロジーについて)
本発明においては、ポリマーブレンド繊維である前駆体繊維のモルフォロジー制御が最大の技術のポイントである。すなわち、前駆体繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し、且つ、繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有することが必要である。そして、
(1)前記マトリックス相ポリマーの主成分が熱分解性ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなるか、逆に、
【0011】
(2)前記マトリックス相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分が熱分解性ポリマーからなる、
ことが必要である。
又、もう一つのポリマーブレンド繊維である前駆体繊維のモルフォロジー形態として、
【0012】
(3)繊維軸方向に沿って引き伸ばされた三次元網目の共連続相からなる相分離構造を有し、一方の連続相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、他方の連続相の主成分が熱分解性ポリマーからなる、
ことが必要である。
【0013】
このとき、繊維軸方向と繊維軸垂直方向の双方において相分離ドメインサイズが一様であり繊維軸方向に沿って筋状相分離構造が切れ目のない構造であることや炭素前駆体樹脂であるアクリロニトリル系ポリマーを主成分とする相の繊維軸垂直方向断面で見た特性距離が200nm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明の前駆体繊維のモルフォロジーは、前述の通り、マトリックス相ポリマーが熱分解性ポリマーである場合とアクリロニトリル系ポリマーである場合のどちらか、または両ポリマー相が共連続相の場合の3者が可能であるが、炭素化処理後に得られるカーボンナノファイバーの形態を左右し、製品の目的と用途によって3者のどの形態であっても良い。
【0015】
前記前駆体繊維において、炭素前駆体樹脂であるアクリロニトリル系ポリマーを主成分とする相の繊維軸垂直方向断面で見た、以下に定義する特性距離が200nmを超えると炭素化処理後に得られるカーボンナノファイバーの直径が100nmを超えてしまう。従って、カーボンナノファイバーの直径を制御する上で特性距離が重要な意味をもつ。
【0016】
<特性距離の評価法>
前駆体繊維の繊維軸垂直方向断面の相分離サイズに対応する特性距離は走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡により測定し、次式より算出できる。
(1)相分離構造が海島構造のモルフォロジーを有し、主成分がアクリロニトリル系ポリマーである相が島を構成する場合:
特性距離=2[(島部分の面積)/π]1/2
【0017】
(2)相分離構造が海島構造のモルフォロジーを有し、主成分がアクリロニトリル系ポリマーである相が海を構成する場合:
特性距離=再隣接する島部分の界面間距離
【0018】
また、前駆体繊維の相分離ドメインサイズが繊維断面方向において一様でないと炭素化処理後に得られるカーボンナノファイバーの直径が不均一となるので、直径が均一なカーボンナノファイバーを得るためには相分離ドメインサイズの制御が重要である。
【0019】
更に、前駆体繊維のモルフォロジーである筋状相分離構造が繊維軸方向沿って均一でないと炭素化処理後に得られるカーボンアノファイバーの直径が均一で切れ目の無いフィラメント状とならない場合があるので、筋状相分離構造が繊維軸方向沿って均一になるよう制御することが重要である。
【0020】
筋状相分離構造が繊維軸方向に沿って均一で切れ目のない形態を有するためには、前駆体繊維の紡糸原液の相分離状態制御が重要であり、液液相分離の液滴サイズが直径10μm以下であることが好ましい。該液滴サイズが直径10μmを超えると炭素化処理後に得られるカーボンナノファイバーの直径が100nmを超える傾向にある。以下で述べる、割繊アクリル繊維の製造技術と同様、該紡糸原液の相分離液滴サイズを制御する技術においては、2相各相の粘度、2相界面の界面張力、紡糸原液を調製、保存、移液する際のせん断速度が特に重要である。
【0021】
更に、前駆体繊維中に繊維軸方向に沿って均一な切れ目の無い筋状相分離構造を形成するには、上述した相分離液滴のサイズを制御する諸因子に加えて、相分離液滴の粘弾性すなわち緩和時間、紡糸口金の細孔から紡糸原液が吐出する際に受けるせん断速度が特に重要である。一般に相分離した高分子ブレンド系においては、これらの因子が相互に関連した結果として高いせん断速度場において相分離モルフォロジーが液滴の分散形態から連続した筋状へトポロジカルな転移が起こることが知られており(T. Hashimoto, T. Takebe and S. Suehiro : J. Chem. Phys. 88(1988)5874)、割繊アクリル繊維の製造技術と同様、該前駆体繊維の製造技術においても紡糸原液の相分離状態と溶液紡糸の条件を制御した結果、実現したと推定される。このような連続した筋状の相分離構造は、液滴分散形態の相分離構造を有する溶融体を高倍率で延伸して得られる繊維のモルフォロジーとは本質的に異なるものと言える。
【0022】
ところで、本発明の前駆体繊維を得る方法としては、割繊性アクリル繊維又は超極細アクリル繊維を得る方法(特開平7−82605号公報、特開平7−229017号公報、特開平11−131321号公報、特開平11−222718号公報)を応用することができる。これらの発明においても、均一で超極細のアクリル繊維からなる集合体を得るには割繊処理前の繊維が本発明の前駆体繊維と同様、筋状相分離構造をからなるモルフォロジーを有し、繊維軸方向に沿って筋状相分離構造が切れ目のない構造であることが肝要であり、このようなモルフォロジーの繊維を得る方法が開示されている。
【0023】
本発明のカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)において、好ましい形態である直径100nm以下で均一なものを得るには、前駆体繊維の紡糸原液の相分離液滴サイズを直径10μm以下に均一に制御することが肝要である。その目的のために、紡糸原液の粘度を100〜10000ポイズに制御することが望ましい。相分離液滴サイズを制御する目的で、ダイナミックミキサー、スタティックミキサー等を用いてせん断速度を与えても良い。
【0024】
(金属微粒子)
本発明でカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)の表面又は内部に担持する金属微粒子は特に限定しないが、鉄、ニッケル、コバルト、白金、酸化タングステン、酸化チタン、酸化モリブデン、白金−ルテニウム−オスミウムの三元合金、パラジウム−金の二元合金等が挙げられ、中でも白金および白金化合物はカーボンナノファイバーに触媒機能を付与できるので好ましい。
又、金属微粒子の粒径についてもカーボンナノファイバーの表面又は内部に担持できる粒径であればよく、特に限定しないが1〜100nmであることが、カーボンナノファイバーに高い効率の触媒機能を付与できるので好ましい。
金属微粒子を担持する場所は、カーボンフィブリルの外表面であっても、その内部でも良い。又、中空状のカーボンフィブリルにおいてはその内表面であっても良い。
【0025】
(金属化合物)
本発明では、前駆体繊維中に含有させた金属化合物、あるいは特定の構造を有する前駆体繊維を耐炎化した耐炎化繊維に付与し、金属化合物が耐炎化・炭素化処理の過程で金属微粒子を生成するものであれば特に制限はないが、K2Pt(CN)4、PtBr4、[PtCl(NH3)5]Cl3、[PtCl(NH3)5](NO3)3、[PtCl(NH3)2]Cl2、[Pt(NH3)6]Cl4、cis−[Pt(NO2)2(NH3)2]、trans−[Pt(NO2)2(NH3)2]等が挙げられる。中でも、cis−[Pt(NO2)2(NH3)2]、trans−[Pt(NO2)2(NH3)2]はアクリロニトリル系ポリマーに親和性が強く、結果として前駆体繊維の中でアクリロニトリル系ポリマーを主成分とする相に存在するので好ましい。これらの金属化合物は水溶液として前駆体繊維を形成する過程で、あるいは耐炎化繊維としてから付与しても良い。
【0026】
(熱分解性ポリマーについて)
本発明の前駆体繊維に用いる熱分解性ポリマーの重量平均分子量は3万〜300万であることが好ましい。熱分解性ポリマーとしてはメタクリレート系ポリマーが好ましく、例えばポリメタクリル酸メチルのホモポリマー及び/又は他のモノマーとの共重合体を用いることができる。
【0027】
熱分解性ポリマーの共重合成分モノマーとしては、特に制限は無いが、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどの代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマー類であり、さらに染色性改良などの目的によっては、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0028】
(アクリロニトリル系ポリマー)
本発明の前駆体繊維に用いるアクリロニトリル系ポリマーの重量平均分子量は3万〜300万であることが好ましい。アクリロニトリル系ポリマーとしてはアクリロニトリルのホモポリマー及び/又は他のモノマーとの共重合体を用いることができる。この場合、炭素化を良好に行う目的で共重合体中のアクリロニトリル組成は90%以上であることが好ましい。
【0029】
アクリロニトリル系ポリマーの共重合成分モノマーとしては、特に制限は無いが、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどの代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマー類であり、さらに染色性改良などの目的によっては、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0030】
アクリロニトリル系ポリマーの共重合成分モノマーとして、炭素化工程における環化反応を促進する目的でカルボン酸基を有するモノマーやアクリルアミド系モノマーを用いることが好ましい。このようなカルボン酸基を有するモノマーとしては、メタクリル酸やイタコン酸が好ましい。又、アクリルアミド系モノマーとしてはアクリルアミドが好ましい。
【0031】
(紡糸原液中の相分離液滴のサイズの制御のための第三成分)
紡糸原液中の相分離液滴のサイズを制御し安定化する目的で、界面活性剤、微粒子、グラフトポリマー、ブロックポリマー等を添加することにより相分離液滴界面の界面張力を低下しても良い。
【0032】
そのような場合には、アクリロニトリル系ポリマーと熱分解性ポリマーを成分とするグラフトポリマー及び/又はブロックポリマーを添加する方法が好ましい。
この方法は特に、直径10nm以下の均一なカーボンナノチューブを得る際に非常に有効である。
【0033】
前駆体繊維の紡糸原液にグラフトポリマー及び/又はブロックポリマーを添加すると、得られる前駆体繊維の構造は繊維軸と垂直方向の断面において特性距離100nm以下の相分離構造となり、炭素化処理によりフィラメント状の直径100nm以下のカーボンナノファイバーの集合体からなる炭素繊維が得られる。更に条件によっては直径10nm以下のカーボンナノチューブのフィラメント集合体からなる炭素繊維が得られる。
【0034】
このように紡糸原液中の相分離液滴サイズを制御し安定化するためにブロックポリマーを用いること自体は公知である。特開昭55−62953号公報には、アクリル繊維ポリマーとセルロースジアセテートから構成されるポリマーブレンド繊維を製造する際、両ポリマーを相溶化するために、ブロックポリマーを使用することが開示されているが、このポリマーブレンド繊維の構造は当時、均質と認識されていた。
【0035】
グラフトポリマー又はブロックポリマーの特性としては、特に制限は無いが重量平均分子量は100万以下、グラフト鎖長またはブロック鎖長は重量平均分子量で50万以下が好ましい。
【0036】
(溶液紡糸の際の溶剤について)
本発明の前駆体繊維は、上述の紡糸原液を公知の溶液紡糸法により得ることができる。溶液紡糸の方法としては、例えば乾式紡糸法、乾湿式紡糸法、湿式紡糸法が挙げられる。紡糸原液の溶剤としては熱分解性ポリマーとアクリロニトリル系ポリマーの両者を溶解する溶剤であることが要求される以外には特に制限は無いく、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが挙げられる。本発明の前駆体繊維は、このような溶液紡糸法によって通常のアクリル繊維と同様の紡糸工程で製造することができる。
【0037】
(耐炎化繊維の金属化合物による処理)
本発明では、以下の(1)〜(3)の構造を有する前駆体繊維を耐炎化処理して得られる耐炎化繊維に金属化合物を溶液あるいは分散液の形で塗布、噴霧、浸漬等の方法で処理し付与しても良い。更に、金属化合物を付与した耐炎化繊維を炭素化することにより金属化微粒子を担持したカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)の集合体から成る炭素繊維を得ても良い。
(1) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し且つ繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有し、前記マトリックス相ポリマーの主成分が熱分解性ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなる前駆体繊維
【0038】
(2) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し、且つ、繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有し、前記マトリックス相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分が熱分解性ポリマーからなる前駆体繊維
【0039】
(3) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って引き伸ばされた三次元網目の共連続相からなる相分離構造を有し、一方の連続相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、他方の連続相の主成分が熱分解性ポリマーからなる前駆体繊維
【0040】
(前駆体繊維の炭素化について)
本発明の前駆体繊維は、従来の炭素繊維の炭素化と同様に炭素化することにより、本発明のフィラメント状カーボンナノファイバー集合体からなる炭素繊維が得られる。炭素化は通常のPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維の製造工程で行うことができる。
【0041】
(炭素繊維からカーボンフィブリルを得る方法)
本発明のフィラメント状のカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)集合体からなる炭素繊維を粉砕処理することにより、フィラメント状カーボンフィブリルを得ることができる。この粉砕処理を液体中で行うことにより、外径が100nm以下であるカーボンナノファイバーの分散液を得ることもきる。このような分散液の分散液調製時又は調整後にその分散液に樹脂を分散・溶解することによりフィラメント状カーボンフィブリルを含有する樹脂コーティング液を得ることができる。
【0042】
又、同様の分散液を抄紙することによりフィラメント状カーボンフィブリルからなる抄紙物を得ることができる。
更に、粉砕処理を樹脂との混合状態で行うことによりフィラメント状カーボンナノファイバーが分散された樹脂混合物を得ることができる。このように、分散工程に本発明のフィラメント状カーボンナノファイバー集合体からなる炭素繊維を用いることで、従来の粉体処理工程で懸念された取扱い性と安全衛生上の問題を克服したという点で本発明は工業的に有用な技術を提供するものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、フィラメント状カーボンフィブリル集合体からなる高品質な炭素繊維を低コストで提供するものであり、さらにその表面又は内部に担持した金属微粒子により、その金属微粒子に応じた特性を効率よく発現することが可能である。この炭素繊維を粉砕処理することにより容易にフィラメント状カーボンフィブリルが得られる点で、工業的に有用である。
【発明の属する技術分野】
金属微粒子を担持したカーボンフィブリルの集合体からなる炭素繊維、及び、その炭素繊維から得られる金属微粒子を担持したカーボンフィブリル、並びに、前記炭素繊維の前駆体繊維、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーボンフィブリルのうち直径が100nmのオーダー前後のものをカーボンナノファイバーと呼び、直径が10nmのオーダー前後にまで小さくなるとカーボンナノチューブと呼ばれる(遠藤守信:炭素,[200]202−205(2001))。カーボンナノファイバー(本件明細書において、カーボンナノチューブも含んで、カーボンナノファイバーという。)は、樹脂材料に導電性を付与及び/又は機械的性質を向上する目的で添加するフィラーとして有用な材料であり、最近では燃料電池の電極材料やガス吸蔵材料としても期待される材料である。
燃料電池の電極材料やガス吸蔵材料として用いる場合には、特定の金属微粒子を担持したカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)を使用する場合がある。
【0003】
従来、カーボンナノファイバー等のカーボンフィブリルは、アーク放電法、レーザー昇華法、化学的気相分解法に代表される気相法により製造されていたが、主として金属触媒の混入に起因する純度の問題や直径、長さ等の構造の不均一性が指摘されており、高純度で均一性の高い材料と製造法が望まれていた。更に、従来の気相法では生成物がサブミクロンオーダー以下の短繊維状物からなる粉体であって、製造工程及び加工工程における取扱い性と安全衛生の面から改良が望まれていた。加えて、従来の気相法では生産性が低い為により広く工業材料として使用される為には抜本的な低コスト化製造技術が望まれていた。
【0004】
このような課題を解決する技術として、炭素前駆体樹脂を熱分解消失性樹脂に被覆したコアシェルポリマーを熱分解消失性樹脂中に分散し溶融紡糸することにより前駆体繊維を得た後、該前駆体繊維を加熱炭素化することによりカーボンナノチューブを得る方法が開示されている(特開2002−29719号公報)。
更に改良技術として、上記のコアシェルポリマーにおいて炭素前駆体樹脂としてポリアクリロニトリルを用い熱分解消失性樹脂としてポリメタクリル酸メチルを用いる方法が開示されている(大谷朝男:機能材料、21[5](2001)41−46)。
【0005】
このように紡糸技術により製造されたカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)は、一般にカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)と呼ばれている。
【0006】
紡糸法カーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)は、金属触媒を用いないという点で純度が高く、更に製造物がカーボンナノファイバーの集合体からなる繊維状物であるという点において、加えて前駆体が溶融紡糸された繊維であるという点において、純度、構造の均一性、製造・加工工程通過性、安全衛生、品質、コストの問題を抜本的に解決できる糸口を与えたという意味で上述の課題を解決する方向に大きく一歩を踏み出した画期的提案と言える。
【0007】
しかしながら上記の紡糸法金属微粒子を担持したカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)は、ポリアクリロニトリルが元来加熱溶融しない熱環化反応性ポリマーであるために溶融紡糸性には向かず、本方法により得られた前駆体繊維の炭素化工程の通過性もまた良好であるとは言えない。従って、上記の紡糸法カーボンナノファイバーの技術は、工業技術的観点から改良の余地が十分に残されており、殊に直径100nm以下のフィラメント状カーボンナノファイバーを得るという点では、更に十分とは言い難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、金属微粒子をその表面又は内部に担持したカーボンナノファイバーの集合体からなる炭素繊維、及び、その炭素繊維から得られるカーボンナノファイバーを得ることにあり、この集合体を工業技術的観点から高い品質と歩留で生産する技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、カーボンナノファイバーの集合体からなる炭素繊維であって、カーボンナノファイバーの表面又は内部に金属微粒子を担持した炭素繊維。にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
(前駆体繊維のモルフォロジーについて)
本発明においては、ポリマーブレンド繊維である前駆体繊維のモルフォロジー制御が最大の技術のポイントである。すなわち、前駆体繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し、且つ、繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有することが必要である。そして、
(1)前記マトリックス相ポリマーの主成分が熱分解性ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなるか、逆に、
【0011】
(2)前記マトリックス相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分が熱分解性ポリマーからなる、
ことが必要である。
又、もう一つのポリマーブレンド繊維である前駆体繊維のモルフォロジー形態として、
【0012】
(3)繊維軸方向に沿って引き伸ばされた三次元網目の共連続相からなる相分離構造を有し、一方の連続相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、他方の連続相の主成分が熱分解性ポリマーからなる、
ことが必要である。
【0013】
このとき、繊維軸方向と繊維軸垂直方向の双方において相分離ドメインサイズが一様であり繊維軸方向に沿って筋状相分離構造が切れ目のない構造であることや炭素前駆体樹脂であるアクリロニトリル系ポリマーを主成分とする相の繊維軸垂直方向断面で見た特性距離が200nm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明の前駆体繊維のモルフォロジーは、前述の通り、マトリックス相ポリマーが熱分解性ポリマーである場合とアクリロニトリル系ポリマーである場合のどちらか、または両ポリマー相が共連続相の場合の3者が可能であるが、炭素化処理後に得られるカーボンナノファイバーの形態を左右し、製品の目的と用途によって3者のどの形態であっても良い。
【0015】
前記前駆体繊維において、炭素前駆体樹脂であるアクリロニトリル系ポリマーを主成分とする相の繊維軸垂直方向断面で見た、以下に定義する特性距離が200nmを超えると炭素化処理後に得られるカーボンナノファイバーの直径が100nmを超えてしまう。従って、カーボンナノファイバーの直径を制御する上で特性距離が重要な意味をもつ。
【0016】
<特性距離の評価法>
前駆体繊維の繊維軸垂直方向断面の相分離サイズに対応する特性距離は走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡により測定し、次式より算出できる。
(1)相分離構造が海島構造のモルフォロジーを有し、主成分がアクリロニトリル系ポリマーである相が島を構成する場合:
特性距離=2[(島部分の面積)/π]1/2
【0017】
(2)相分離構造が海島構造のモルフォロジーを有し、主成分がアクリロニトリル系ポリマーである相が海を構成する場合:
特性距離=再隣接する島部分の界面間距離
【0018】
また、前駆体繊維の相分離ドメインサイズが繊維断面方向において一様でないと炭素化処理後に得られるカーボンナノファイバーの直径が不均一となるので、直径が均一なカーボンナノファイバーを得るためには相分離ドメインサイズの制御が重要である。
【0019】
更に、前駆体繊維のモルフォロジーである筋状相分離構造が繊維軸方向沿って均一でないと炭素化処理後に得られるカーボンアノファイバーの直径が均一で切れ目の無いフィラメント状とならない場合があるので、筋状相分離構造が繊維軸方向沿って均一になるよう制御することが重要である。
【0020】
筋状相分離構造が繊維軸方向に沿って均一で切れ目のない形態を有するためには、前駆体繊維の紡糸原液の相分離状態制御が重要であり、液液相分離の液滴サイズが直径10μm以下であることが好ましい。該液滴サイズが直径10μmを超えると炭素化処理後に得られるカーボンナノファイバーの直径が100nmを超える傾向にある。以下で述べる、割繊アクリル繊維の製造技術と同様、該紡糸原液の相分離液滴サイズを制御する技術においては、2相各相の粘度、2相界面の界面張力、紡糸原液を調製、保存、移液する際のせん断速度が特に重要である。
【0021】
更に、前駆体繊維中に繊維軸方向に沿って均一な切れ目の無い筋状相分離構造を形成するには、上述した相分離液滴のサイズを制御する諸因子に加えて、相分離液滴の粘弾性すなわち緩和時間、紡糸口金の細孔から紡糸原液が吐出する際に受けるせん断速度が特に重要である。一般に相分離した高分子ブレンド系においては、これらの因子が相互に関連した結果として高いせん断速度場において相分離モルフォロジーが液滴の分散形態から連続した筋状へトポロジカルな転移が起こることが知られており(T. Hashimoto, T. Takebe and S. Suehiro : J. Chem. Phys. 88(1988)5874)、割繊アクリル繊維の製造技術と同様、該前駆体繊維の製造技術においても紡糸原液の相分離状態と溶液紡糸の条件を制御した結果、実現したと推定される。このような連続した筋状の相分離構造は、液滴分散形態の相分離構造を有する溶融体を高倍率で延伸して得られる繊維のモルフォロジーとは本質的に異なるものと言える。
【0022】
ところで、本発明の前駆体繊維を得る方法としては、割繊性アクリル繊維又は超極細アクリル繊維を得る方法(特開平7−82605号公報、特開平7−229017号公報、特開平11−131321号公報、特開平11−222718号公報)を応用することができる。これらの発明においても、均一で超極細のアクリル繊維からなる集合体を得るには割繊処理前の繊維が本発明の前駆体繊維と同様、筋状相分離構造をからなるモルフォロジーを有し、繊維軸方向に沿って筋状相分離構造が切れ目のない構造であることが肝要であり、このようなモルフォロジーの繊維を得る方法が開示されている。
【0023】
本発明のカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)において、好ましい形態である直径100nm以下で均一なものを得るには、前駆体繊維の紡糸原液の相分離液滴サイズを直径10μm以下に均一に制御することが肝要である。その目的のために、紡糸原液の粘度を100〜10000ポイズに制御することが望ましい。相分離液滴サイズを制御する目的で、ダイナミックミキサー、スタティックミキサー等を用いてせん断速度を与えても良い。
【0024】
(金属微粒子)
本発明でカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)の表面又は内部に担持する金属微粒子は特に限定しないが、鉄、ニッケル、コバルト、白金、酸化タングステン、酸化チタン、酸化モリブデン、白金−ルテニウム−オスミウムの三元合金、パラジウム−金の二元合金等が挙げられ、中でも白金および白金化合物はカーボンナノファイバーに触媒機能を付与できるので好ましい。
又、金属微粒子の粒径についてもカーボンナノファイバーの表面又は内部に担持できる粒径であればよく、特に限定しないが1〜100nmであることが、カーボンナノファイバーに高い効率の触媒機能を付与できるので好ましい。
金属微粒子を担持する場所は、カーボンフィブリルの外表面であっても、その内部でも良い。又、中空状のカーボンフィブリルにおいてはその内表面であっても良い。
【0025】
(金属化合物)
本発明では、前駆体繊維中に含有させた金属化合物、あるいは特定の構造を有する前駆体繊維を耐炎化した耐炎化繊維に付与し、金属化合物が耐炎化・炭素化処理の過程で金属微粒子を生成するものであれば特に制限はないが、K2Pt(CN)4、PtBr4、[PtCl(NH3)5]Cl3、[PtCl(NH3)5](NO3)3、[PtCl(NH3)2]Cl2、[Pt(NH3)6]Cl4、cis−[Pt(NO2)2(NH3)2]、trans−[Pt(NO2)2(NH3)2]等が挙げられる。中でも、cis−[Pt(NO2)2(NH3)2]、trans−[Pt(NO2)2(NH3)2]はアクリロニトリル系ポリマーに親和性が強く、結果として前駆体繊維の中でアクリロニトリル系ポリマーを主成分とする相に存在するので好ましい。これらの金属化合物は水溶液として前駆体繊維を形成する過程で、あるいは耐炎化繊維としてから付与しても良い。
【0026】
(熱分解性ポリマーについて)
本発明の前駆体繊維に用いる熱分解性ポリマーの重量平均分子量は3万〜300万であることが好ましい。熱分解性ポリマーとしてはメタクリレート系ポリマーが好ましく、例えばポリメタクリル酸メチルのホモポリマー及び/又は他のモノマーとの共重合体を用いることができる。
【0027】
熱分解性ポリマーの共重合成分モノマーとしては、特に制限は無いが、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどの代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマー類であり、さらに染色性改良などの目的によっては、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0028】
(アクリロニトリル系ポリマー)
本発明の前駆体繊維に用いるアクリロニトリル系ポリマーの重量平均分子量は3万〜300万であることが好ましい。アクリロニトリル系ポリマーとしてはアクリロニトリルのホモポリマー及び/又は他のモノマーとの共重合体を用いることができる。この場合、炭素化を良好に行う目的で共重合体中のアクリロニトリル組成は90%以上であることが好ましい。
【0029】
アクリロニトリル系ポリマーの共重合成分モノマーとしては、特に制限は無いが、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどの代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマー類であり、さらに染色性改良などの目的によっては、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0030】
アクリロニトリル系ポリマーの共重合成分モノマーとして、炭素化工程における環化反応を促進する目的でカルボン酸基を有するモノマーやアクリルアミド系モノマーを用いることが好ましい。このようなカルボン酸基を有するモノマーとしては、メタクリル酸やイタコン酸が好ましい。又、アクリルアミド系モノマーとしてはアクリルアミドが好ましい。
【0031】
(紡糸原液中の相分離液滴のサイズの制御のための第三成分)
紡糸原液中の相分離液滴のサイズを制御し安定化する目的で、界面活性剤、微粒子、グラフトポリマー、ブロックポリマー等を添加することにより相分離液滴界面の界面張力を低下しても良い。
【0032】
そのような場合には、アクリロニトリル系ポリマーと熱分解性ポリマーを成分とするグラフトポリマー及び/又はブロックポリマーを添加する方法が好ましい。
この方法は特に、直径10nm以下の均一なカーボンナノチューブを得る際に非常に有効である。
【0033】
前駆体繊維の紡糸原液にグラフトポリマー及び/又はブロックポリマーを添加すると、得られる前駆体繊維の構造は繊維軸と垂直方向の断面において特性距離100nm以下の相分離構造となり、炭素化処理によりフィラメント状の直径100nm以下のカーボンナノファイバーの集合体からなる炭素繊維が得られる。更に条件によっては直径10nm以下のカーボンナノチューブのフィラメント集合体からなる炭素繊維が得られる。
【0034】
このように紡糸原液中の相分離液滴サイズを制御し安定化するためにブロックポリマーを用いること自体は公知である。特開昭55−62953号公報には、アクリル繊維ポリマーとセルロースジアセテートから構成されるポリマーブレンド繊維を製造する際、両ポリマーを相溶化するために、ブロックポリマーを使用することが開示されているが、このポリマーブレンド繊維の構造は当時、均質と認識されていた。
【0035】
グラフトポリマー又はブロックポリマーの特性としては、特に制限は無いが重量平均分子量は100万以下、グラフト鎖長またはブロック鎖長は重量平均分子量で50万以下が好ましい。
【0036】
(溶液紡糸の際の溶剤について)
本発明の前駆体繊維は、上述の紡糸原液を公知の溶液紡糸法により得ることができる。溶液紡糸の方法としては、例えば乾式紡糸法、乾湿式紡糸法、湿式紡糸法が挙げられる。紡糸原液の溶剤としては熱分解性ポリマーとアクリロニトリル系ポリマーの両者を溶解する溶剤であることが要求される以外には特に制限は無いく、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが挙げられる。本発明の前駆体繊維は、このような溶液紡糸法によって通常のアクリル繊維と同様の紡糸工程で製造することができる。
【0037】
(耐炎化繊維の金属化合物による処理)
本発明では、以下の(1)〜(3)の構造を有する前駆体繊維を耐炎化処理して得られる耐炎化繊維に金属化合物を溶液あるいは分散液の形で塗布、噴霧、浸漬等の方法で処理し付与しても良い。更に、金属化合物を付与した耐炎化繊維を炭素化することにより金属化微粒子を担持したカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)の集合体から成る炭素繊維を得ても良い。
(1) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し且つ繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有し、前記マトリックス相ポリマーの主成分が熱分解性ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなる前駆体繊維
【0038】
(2) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し、且つ、繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有し、前記マトリックス相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分が熱分解性ポリマーからなる前駆体繊維
【0039】
(3) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って引き伸ばされた三次元網目の共連続相からなる相分離構造を有し、一方の連続相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、他方の連続相の主成分が熱分解性ポリマーからなる前駆体繊維
【0040】
(前駆体繊維の炭素化について)
本発明の前駆体繊維は、従来の炭素繊維の炭素化と同様に炭素化することにより、本発明のフィラメント状カーボンナノファイバー集合体からなる炭素繊維が得られる。炭素化は通常のPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維の製造工程で行うことができる。
【0041】
(炭素繊維からカーボンフィブリルを得る方法)
本発明のフィラメント状のカーボンフィブリル(カーボンナノファイバー)集合体からなる炭素繊維を粉砕処理することにより、フィラメント状カーボンフィブリルを得ることができる。この粉砕処理を液体中で行うことにより、外径が100nm以下であるカーボンナノファイバーの分散液を得ることもきる。このような分散液の分散液調製時又は調整後にその分散液に樹脂を分散・溶解することによりフィラメント状カーボンフィブリルを含有する樹脂コーティング液を得ることができる。
【0042】
又、同様の分散液を抄紙することによりフィラメント状カーボンフィブリルからなる抄紙物を得ることができる。
更に、粉砕処理を樹脂との混合状態で行うことによりフィラメント状カーボンナノファイバーが分散された樹脂混合物を得ることができる。このように、分散工程に本発明のフィラメント状カーボンナノファイバー集合体からなる炭素繊維を用いることで、従来の粉体処理工程で懸念された取扱い性と安全衛生上の問題を克服したという点で本発明は工業的に有用な技術を提供するものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、フィラメント状カーボンフィブリル集合体からなる高品質な炭素繊維を低コストで提供するものであり、さらにその表面又は内部に担持した金属微粒子により、その金属微粒子に応じた特性を効率よく発現することが可能である。この炭素繊維を粉砕処理することにより容易にフィラメント状カーボンフィブリルが得られる点で、工業的に有用である。
Claims (19)
- カーボンフィブリルの集合体からなる炭素繊維であって、カーボンフィブリルの表面又は内部に金属微粒子を担持した炭素繊維。
- カーボンフィブリルの外径が100nm以下である請求項1記載の炭素繊維。
- 請求項1又は2記載の炭素繊維を粉砕して得られる金属微粒子担持カーボンフィブリル。
- 請求項1又は2記載の炭素繊維と液体を混合した後、液体中で該炭素繊維を粉砕して得られる金属微粒子担持カーボンフィブリル。
- 請求項1又は2記載の炭素繊維と樹脂を混合した後、樹脂中で該炭素繊維を粉砕して得られる金属微粒子担持カーボンフィブリル。
- ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し且つ繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有し、前記マトリックス相ポリマーの主成分が熱分解性ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなる前駆体繊維であって、金属化合物を含有する前駆体繊維。
- ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し、且つ、繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有し、前記マトリックス相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分が熱分解性ポリマーからなる前駆体繊維であって、金属化合物を含有する前駆体繊維。
- ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って引き伸ばされた三次元網目の共連続相からなる相分離構造を有し、一方の連続相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、他方の連続相の主成分が熱分解性ポリマーからなる前駆体繊維であって、金属化合物を含有する前駆体繊維。
- 主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなる相に金属化合物が存在する請求項6〜8のいずれか1項記載の前駆体繊維。
- 熱分解性ポリマーがメタクリレート系ポリマーである、請求項6〜9のいずれか1項記載の前駆体繊維。
- 主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなる相の繊維断面における特性距離が200nm以下である、請求項6〜10のいずれか1項記載の前駆体繊維。
- アクリロニトリル系ポリマーと熱分解性ポリマーを成分とするグラフトポリマー及び/又はブロックポリマーを1質量%以上含む請求項6〜11のいずれか1項記載の前駆体繊維。
- アクリロニトリル系ポリマー中のアクリロニトリル単位が90質量%以上である請求項6〜12のいずれか1項記載の前駆体繊維。
- アクリロニトリル系ポリマーがカルボン酸を含むモノマーを共重合したアクリロニトリル系ポリマーである請求項6〜13のいずれか1項記載の前駆体繊維。
- カルボン酸を含むモノマーがアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸からなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸を含むモノマーである請求項14記載の前駆体繊維。
- アクリロニトリル系ポリマーがアクリルアミドを共重合したアクリロニトリル系ポリマーである請求項6〜15記載の前駆体繊維。
- アクリロニトリル系ポリマーが金属イオンを担持したモノマーを共重合したアクリロニトリル系ポリマーである請求項6〜16記載の前駆体繊維。
- 請求項6〜17記載の前駆体繊維を耐炎化した後、炭素化処理する、請求項1記載の炭素繊維の製造方法。
- 以下のいずれかの前駆体繊維を耐炎化し、その耐炎化繊維に金属化合物を付与した後、炭素化処理する、請求項1記載の炭素繊維の製造方法。
(1) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し且つ繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有し、前記マトリックス相ポリマーの主成分が熱分解性ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなる前駆体繊維
(2) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し、且つ、繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有し、前記マトリックス相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分が熱分解性ポリマーからなる前駆体繊維
(3) ポリマーブレンド繊維であって、この繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って引き伸ばされた三次元網目の共連続相からなる相分離構造を有し、一方の連続相ポリマーの主成分がアクリロニトリル系ポリマーからなり、且つ、他方の連続相の主成分が熱分解性ポリマーからなる前駆体繊維
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