JP2006152497A - カーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱分解性ポリマーのマトリックス相と熱炭化性ポリマーの島状独立相からなる前駆体繊維を形成する工程と、前記前駆体繊維を焼成する焼成工程を有し、前記焼成工程の前または途中で割繊処理を施す。
【選択図】 なし
Description
カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブは、樹脂材料に導電性を付与する目的及び/又は機械的性質を向上する目的で添加するフィラーとして有用な材料であり、最近では燃料電池の電極材料やガス吸蔵材料としても期待される材料である。また、比表面積が大きいことから触媒担体材料などへの応用も期待されている。
更に改良技術として、上記のコアシェルポリマーにおいて炭素前駆体樹脂としてポリアクリロニトリルを用い熱分解消失性樹脂としてポリメタクリル酸メチルを用いる方法が開示されている(下記、非特許文献2)。
すなわち、本発明は、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの集合体であって、直径が100nm以下でフィブリル状に分散しているカーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブが全体の10質量%以上を占めることを特徴とするカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体を提供する。
また、熱分解性ポリマーのマトリックス相と熱炭化性ポリマーの島状独立相からなる前駆体繊維を形成する工程と、前記前駆体繊維を焼成する焼成工程を有し、前記焼成工程の前または途中で割繊処理を施すことを特徴とするカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体の製造方法を提供する。
本発明の方法は、高品質のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体を歩留まり良く製造することができる。したがって、低コスト、高生産性を実現することができ、工業的に極めて有用である。
本発明のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体には、直径が100nm以下でフィブリル状に分散しているカーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブが全体の10質量%以上の割合で含まれている。
本件特許請求の範囲および明細書において「フィブリル状」とは小繊維の状態を言う。小繊維は、通常、長さが0.5μm以上の繊維を指す。また「分散している」とは、小繊維どうしが一体化されていない状態を言う。
本発明のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体におけるカーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブの長さは、特に制限はないが、現実的には1μm以上10μm未満程度のものが得られ、好ましくは5μm以上10μm未満である。
前記収率10質量%以上という値は、従来技術による紡糸法カーボンナノファイバーで実現可能な収率に比べて非常に高い値である。本発明によれば前述の特徴的な物性が発現しやすくなるほか、歩留まりの向上や、精製工程が簡略化または省略できるなどの利点も得られる。
すなわち、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの集合体を、例えばイソプロパノール等の分散媒に入れ、超音波振とう等により分散させた分散液を、電子顕微鏡観察用のマイクログリッドに載せて乾燥した後、TEMで観察することにより、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの直径を計測することができる。さらに、画像計測を行うことにより視野中のフィブリル状に分散したカーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブの割合を定量化できる。
本発明のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体は、熱分解性ポリマーのマトリックス相と熱炭化性ポリマーの島状独立相からなる前駆体繊維を形成する工程と、前駆体繊維を焼成する焼成工程を有し、焼成工程の前または途中で割繊処理を施す工程を経て製造することができる。
前駆体繊維において、熱炭化性ポリマーは直径100nm以下の筋状構造を形成するように賦形されている。焼成の条件は、通常のPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維と同様の条件で行うことができる。具体的には、空気中で加熱して耐炎化処理したのち、不活性雰囲気中で加熱して炭素化処理を施せばよい。
炭素化処理条件は、最高温度1,000〜3,000℃、1〜60分の範囲内が好ましい。この範囲の条件で炭素化処理することにより、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブがフィブリル状に分散している焼成品が得られる。
本発明における焼成工程は上記耐炎化処理と炭素化処理を含む。本件特許請求の範囲および明細書において、前駆体繊維が耐炎化処理されたものを耐炎化繊維、さらに炭素化処理されたものを焼成品ということがある。
割繊処理および焼成工程を経て得られる焼成品が本発明におけるカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体である。
本発明においては、ポリマーブレンド繊維である前駆体繊維のモルフォロジー制御が重要である。すなわち、前駆体繊維のモルフォロジーが繊維軸方向に沿って筋状相分離構造を有し、且つ、繊維軸垂直方向断面がマトリックス相の中に島状独立相が点在している相分離構造を有することが必要である。そして、前記マトリックス相ポリマーの主成分が熱分解性ポリマーからなり、且つ、前記島状独立相の主成分が熱炭化性ポリマーからなることが必要である。ここで、島状に分散した筋状構造体(島状独立相)は部分的に結節されていてもよいが、筋状部分の繊維軸方向の長さは1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。また、前駆体繊維の段階で熱炭化性ポリマーからなる筋状構造の島状独立相の直径が100nm以下となるように制御することにより、焼成後に直径100nm以下のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブを得ることができる。
このようなモルフォロジーは、前駆体繊維の縦断面および横断面の超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより評価できる。
例えば、概略、熱分解性ポリマーの相と熱炭化性ポリマーの相の2相が相分離状態にある紡糸原液を調製し、これを紡糸することにより前駆体繊維を形成することができる。
本発明の前駆体繊維に用いる熱分解性ポリマーの質量平均分子量は3万〜300万であることが好ましい。熱分解性ポリマーとしてはメタクリレート系ポリマーが好ましく、例えばポリメタクリル酸メチルのホモポリマー及び/又は他のモノマーとの共重合体を用いることができる。
本発明の前駆体繊維に用いる熱炭化性ポリマーは、加熱により炭素化されるポリマーであれば特に制限はなくたとえばポリアクリロニトリル、セルロース類、ポリイミド類、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリジビニルベンゼンなどが挙げられるが、中でも質量平均分子量3万〜300万のアクリロニトリル系ポリマーが好ましい。直径100nm以下で長さ1μm以上の筋状構造を形成しやすくするためには、質量平均分子量は10万〜200万の範囲がさらに好ましい。アクリロニトリル系ポリマーとしてはアクリロニトリルのホモポリマー及び/又は他のモノマーとの共重合体を用いることができる。この場合、炭素化を良好に行う目的で共重合体中のアクリロニトリル組成は90%以上であることが好ましい。
前駆体繊維の紡糸に用いられる紡糸原液に、相分離のサイズを制御し安定化する目的で、界面活性剤、微粒子、グラフトポリマー、ブロックポリマー等を適宜添加してもよい。これらを添加することにより相分離界面の界面張力を低下させることができる。中でも、熱炭化性ポリマーと熱分解性ポリマーとを成分とするグラフトポリマー及び/又はブロックポリマーを添加する方法が好ましく、たとえばアクリロニトリル系ポリマーとメタクリレート系ポリマーとのグラフトポリマーを用いることができる。この方法は特に、直径10nm以下の均一なカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを得る際に非常に有効である。
本発明で用いる前駆体繊維は、溶融紡糸法または溶液紡糸法により得ることができるが、元来熱炭化性ポリマーは加熱溶融しないために溶液紡糸の方が好ましい。溶液紡糸の方法としては、例えば乾式紡糸法、乾湿式紡糸法、湿式紡糸法が挙げられる。紡糸原液の溶剤としては熱分解性ポリマーと熱炭化性ポリマーの両者を溶解する溶剤であることが要求される以外には特に制限は無く、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが挙げられる。本発明に用いる前駆体繊維は、このような溶液紡糸法によって通常のアクリル繊維と同様の紡糸工程で製造することができる。
本発明の製造方法においては、上記の前駆体繊維を焼成する工程の前または途中で割繊処理を行う。割繊処理は、マトリックス相を形成している熱分解性ポリマーを除去することによって、筋状構造の島状独立相を分散させるものである。これによって島状独立相を形成している熱炭化性ポリマー同士の間隙が広がり、従来の製造方法で問題となっていた焼成過程での炭化性ポリマー同士の融着を防止することができる。その結果、焼成品中での直径100nm以下のカーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブの収率が10質量%以上となる。
本件特許請求の範囲および明細書においては、割繊処理直後の熱炭化性ポリマー、および割繊処理後に上記のようにして乾燥状態で回収された熱炭化性ポリマーの両方を区別せずに割繊品という。特に乾燥状態で回収された割繊品を乾燥品ということもある。
割繊品中に存在するフィブリル状物の直径を100nm以下に制御することにより、焼成工程後に直径100nm以下のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブを得ることができる。
具体的には、前駆体繊維の段階で熱炭化性ポリマーからなる筋状構造の島状独立相の直径を100nm以下に制御することによって、割繊品中におけるフィブリル状物の直径を100nm以下に制御することができる。
割繊品中のフィブリル状物の直径は、SEM観察することにより測定することができる。
割繊品中に存在するフィブリル状物の直径の下限値は特に制限されないが、現実的には
10nm以上程度である。
割繊性は走査型電子顕微鏡(SEM)で評価することができる。すなわち、後記実施例で詳述するように、割繊品を電子顕微鏡用試料台に接着固定してSEMにより観察すればよい。画像中に観察される未割繊の繊維状物と割繊分散したフィブリル状物との比率を目視により判定する。割繊分散したフィブリル状物の比率が高いほど割繊性が良好である。
本発明の製造方法において、割繊処理後に得られるフィブリル状物の表面に耐熱性ポリマーを付着させることが好ましい。これにより、フィブリル状物どうしの融着抑制効果を高めることができる。耐熱性ポリマーについては特に制限は無いが、耐熱性の観点からシリコーン系ポリマーが好ましく、中でもアミノ変性シリコーンが更に好ましい。具体的にはアミノ変性シリコーン油剤等の油剤を用いることができる。
耐熱性ポリマーをフィブリル状物の表面に付着させるには、乳化剤を用いて耐熱性ポリマーをエマルジョン化して水中に分散した液に割繊品を浸す方法を用いることができる。また、フィブリル状物の表面に耐熱性ポリマーをより均一に付与するには、耐熱性ポリマーをMEKなどの溶媒に溶解し、この溶液に割繊品を浸漬する方法が好ましい。
本発明のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体の形態は特に限定されず、用途等に応じて各種の形態に適用することができる。
例えば上記焼成工程を経て得られた焼成品を液体に分散することにより、カーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブを含有する分散液が得られる。
また、このような分散液の調製時又は調製後に、その分散液に樹脂を分散・溶解することによりカーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブを含有する樹脂コーティング液を得ることができる。
また、同様の分散液を抄紙することにより、カーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブからなる抄紙物を得ることができる。
さらに、焼成品を樹脂と混合することによりカーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブが分散された樹脂混合物を得ることができる。
上記焼成品、ならびに該焼成品を用いた上記の分散液、樹脂コーティング液、抄紙物、樹脂混合物等も本発明のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体に含まれるものとする。
<合成例1>グラフトコポリマーの合成
冷却管、熱電対、窒素導入口及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、アニオン系乳化剤(花王社製、ラテムルASK、固形分濃度28%)3.0部(固形分換算)、および蒸留水290部を仕込み、窒素雰囲気下に温水浴中で60℃まで加熱した。次いで、硫酸第一鉄0.0004部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0012部、ロンガリット(スルホキシル酸ソーダ)1.0部を蒸留水5部に溶かして加え、その後メチルメタクリレート50部、t−ブチルヒドロパーオキサイド0.25部、n−オクチルメルカプタン0.5部からなる単量体混合物1を90分かけて滴下した。その後60分間攪拌し、第一段目の重合を完了した。
水とジメチルアセトアミドの混合溶媒中で2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)を開始剤とし、アクリロニトリル単位100%からなる超高分子量アクリロニトリル系ポリマーを得た。このポリマーの質量平均分子量は50万であった。
a)割繊性
割繊品を電子顕微鏡用試料台に接着固定し、日本電子(株)製、JSM−6060A走査型電子顕微鏡(SEM)により、加速電圧10kV、観察倍率2,000倍の条件で観察した。画像中に観察される未割繊の繊維状物と割繊分散したフィブリル状物との比率(割繊性)を目視で以下のように判定した。なお、フィブリル状物の直径は、観察倍率30,000倍の画像上で計測した。
◎;分散したフィブリル状物が約70%以上
○;分散したフィブリル状物が50〜70%
×;分散したフィブリル状物が50%未満
焼成品をイソプロパノールに分散して超音波振とうにより分散し、電子顕微鏡観察用のマイクログリッドに載せて乾燥した後、(株)日立製、H−7600透過型電子顕微鏡(TEM)により加速電圧120kV、観察倍率50,000倍の条件で観察した。5視野以上観察して、画像計測により視野中において、直径が100nm以下でフィブリル状に分散しているカーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブの割合(以下、焼成品におけるフィブリル状分散体の割合という、単位;%)を求めるとともに、該直径が100nm以下でフィブリル状に分散しているカーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブの長さ(以下フィブリル状分散体の長さということもある)を測定した。
以下の実施例では、下記表1に示すように製造条件を変化させてカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体を製造した。
割繊処理後の割繊品におけるフィブリル状物の直径および割繊性、ならびに焼成品におけるフィブリル状分散体の割合および長さを上記2)の評価方法で評価した。
PMMA樹脂(三菱レイヨン社製、ダイヤナールBR−85)12部、合成例2で得られたアクリロニトリル系ポリマー6部、合成例1で得られたグラフトコポリマー2部、及びジメチルアセトアミド80部を130℃で60分よく撹拌しながら加熱溶解し、続いて、ホモジナイザー(特殊機化工業社製、T.K.ホモミクサー)で30分処理した。得られた溶液は、固形分20%のジメチルアセトアミド溶液で、固形分の内訳はPMMA樹脂60%、アクリロニトリル系ポリマー30%およびグラフトコポリマー10%である。
この溶液を紡糸原液とし(温度30℃)、直径0.35mm、孔数50の口金を用いて、一旦空気中に吐出し、約5mmの空間を通して、濃度40%、温度20℃のジメチルアセトアミド水溶液中に吐出し、紡糸ドラフトが30となるように引き取り凝固糸となした。これを温水中で3倍延伸しながら洗浄・脱溶剤した後、1%アミノシリコーン系油剤溶液中に浸漬し、175℃の加熱ローラーにて乾燥緻密化した。続いて、0.2MPaの加圧水蒸気中で2倍延伸して、単糸繊度が0.8dtexの前駆体繊維を得た。
実施例1では割繊処理を耐炎化処理の前の前駆体繊維に対して行ったのに対して、本実施例では耐炎化処理後に割繊処理を行った他は、実施例1と同様にした。
すなわち、実施例1の前駆体繊維を20cmの長さに固定し、実施例1と同じ条件で耐炎化処理して耐炎化繊維を得た。得られた耐炎化繊維に対して実施例1と同様にして割繊処理、割繊品の回収、および乾燥を行った。得られた乾燥品について、フィブリル状物の直径および割繊性を評価した。その結果を表1に示す。
得られた割繊品を、実施例1と同じ条件で炭素化処理して焼成品を得た。得られた焼成品におけるフィブリル状分散体の割合を評価した。その結果を表1に示す。また、焼成品中においてフィブリル状に分散しているカーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブの長さを測定したところ、0.5〜2μm程度であった。
実施例2において、割繊処理後の割繊品の回収方法および乾燥方法を変えた他は実施例2と同様にした。
すなわち、実施例1の前駆体繊維を20cmの長さに固定し、実施例1と同じ条件で耐炎化処理して耐炎化繊維を得た。得られた耐炎化繊維をメノウ乳鉢中でMEKを滴下しながら叩解して割繊処理した、5,000rpmで10分間遠心分離してペースト状の沈殿物を取り出した。これをt−ブタノールに分散し、−30〜−20℃で凍結して3〜5Paの減圧下で凍結乾燥した。得られた乾燥品について、フィブリル状物の直径および割繊性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例2において割繊処理後に耐熱性ポリマーを付与した他は実施例2と同様にした。
すなわち、実施例1の前駆体繊維を20cmの長さに固定し、実施例1と同じ条件で耐炎化処理して耐炎化繊維を得た。得られた耐炎化繊維に対して実施例1と同様にして割繊処理および割繊品の回収を行った。回収した沈殿物(割繊品)をアミノ変性シリコーン系油剤を1%溶解したMEKに浸漬することによって耐熱性ポリマーを付与した後、自然乾燥した。得られた乾燥品について、フィブリル状物の直径および割繊性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において割繊処理を行わない他は実施例1と同様にした。
すなわち、実施例1の前駆体繊維を20cmの長さに固定して、実施例1と同じ条件で耐炎化処理して耐炎化繊維を得た。得られた耐炎化繊維に対して、割繊処理を施さずに実施例1と同じ条件で炭素化処理して焼成品を得た。得られた焼成品中におけるフィブリル状分散体の割合を評価した。その結果を表1に示す。また、焼成品中においてフィブリル状に分散しているカーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブの長さを測定したところ、0.1〜0.5μm程度であった。
Claims (5)
- カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの集合体であって、
直径が100nm以下でフィブリル状に分散しているカーボンナノファイバー及び/またはカーボンナノチューブが全体の10質量%以上を占めることを特徴とするカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体。 - 熱分解性ポリマーのマトリックス相と熱炭化性ポリマーの島状独立相からなる前駆体繊維を形成する工程と、前記前駆体繊維を焼成する焼成工程を有し、前記焼成工程の前または途中で割繊処理を施すことを特徴とするカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記割繊処理後の割繊品中に存在するフィブリル状物の直径が100nm以下であることを特徴とする請求項2に記載のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記割繊処理後に凍結乾燥する工程を有することを特徴とする請求項2または3に記載のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
- 前記割繊処理後の割繊品に耐熱性ポリマーを付着させる工程を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
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