JP2005213675A - アクリル繊維および炭素繊維 - Google Patents

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徹 間鍋
Tatsuji Shimizu
龍兒 清水
Tomoyuki Kotani
知之 小谷
Michiharu Uenishi
理玄 上西
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Abstract

【課題】 アクリル繊維からなる衣料を着用する際、静電気が蓄積し人体に不快感を与えたり、この蓄積した静電気が人体を介して精密電気製品等にトラブルを引き起こしたりする点が欠点があったが、本発明によれば、制電性と高強度を併せ持つアクリル繊維を得ることができる。また、このアクリル繊維を焼成することによって、高性能な炭素繊維を得ることができる。
【解決手段】 繊維状フィラーを含有するアクリル繊維とこのアクリル繊維を焼成して得られる炭素繊維である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、制電性と高強度を併せ持つアクリル繊維、およびこのアクリル繊維を焼成して得られる高性能炭素繊維に関するものである。
アクリル繊維は、保温性、収縮性、形態安定性、耐候性等において優れた特徴を発揮し、衣料用またはインテリア用として広く用いられている。
しかし、アクリル繊維からなる衣料を着用する際、静電気が蓄積し人体に不快感を与えたり、この蓄積した静電気が人体を介して精密電気製品等にトラブルを引き起こしたりする点が欠点として挙げられる。これに対し特許文献1ではカーボンブラックや金属酸化物微粒子を紡糸原液に混合して紡糸したアクリル繊維が提案されているが、強度低下等の問題があった。
一方、アクリル繊維を前駆体とする炭素繊維はその優れた力学的性質により、航空宇宙用途を始め、スポーツ、レジャー用途の高性能複合材の補強繊維素材として広い範囲で利用されている。さらに、産業用途への広がりが進む中で、さらに高性能な炭素繊維が求められている。
高弾性炭素繊維では、特許文献2で微粒子を含有させる技術が開示されている。しかし、微粒子が異物として働き、前駆体繊維の紡糸工程や焼成工程で単糸切れ等で製造工程の安定性を低下させたり、引張強度等の機械物性を低下させたりする場合があった。
特開昭59−223309 特開平4−272236
本発明の課題は、制電性と高強度を併せ持つアクリル繊維、およびこのアクリル繊維を焼成して得られる高性能炭素繊維を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明に至った。
本発明により、繊維状フィラーを含有することを特徴とするアクリル繊維が提供される。
本発明によれば、制電性と高強度を併せ持つアクリル繊維、およびこのアクリル繊維を焼成して得られる高性能炭素繊維が提供される。
本発明のアクリル繊維は繊維状フィラーを含有するアクリル繊維である。
繊維状フィラーとは、プラスチック等の高分子材料に添加される充てん剤の内の繊維状の物である。その組成は特に限定されないが、炭化ケイ素、ホウ素、窒化ホウ素、炭素等である。特に炭素の場合は、直径が100nmのオーダー前後のものをカーボンナノファイバーと呼び、直径が10nmのオーダー前後にまで小さくなるとカーボンナノチューブと呼ばれる(遠藤守信:炭素,[200]202−205(2001))。カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブは、高分子材料に導電性を付与および/または機械的性質を向上する目的で添加するフィラーとして有用な材料であり好ましい。
この繊維状フィラーの直径は、少量で効果を発現することから平均で1μm以下が好ましく、平均200nm以下がより好ましい。
アスペクト比は、紡糸工程での繊維状フィラーの配向および補強効果の観点から5〜1000が好ましい。
繊維状フィラーの含有率は、制電効果と補強効果をともに得るために0.1体積%以上が好ましく、アクリル繊維の特性が損なわないために50体積%以下が好ましい。
含有された繊維状フィラーの効果を十分に発揮させるには繊維状フィラーは均一に分散された状態で存在している必要がある。繊維中に均一に分散させるには、紡糸原液の段階で繊維状フィラーを均一に分散させることが肝要である。そのような紡糸原液を得るには、紡糸原液溶媒に繊維状フィラーを均一分散させてからアクリロニトリル系共重合体を溶解する方法、重合溶媒に繊維状フィラーを分散させてから重合を行う方法のいずれを選択してもよい。こうして得られた原液にさらに剪断撹拌機あるいはスタティックミキサー等を用い剪断を加えることでより分散性の向上した原液を得ることができる。
溶媒への均一分散は公知の方法(例えば、相馬勲 カーボンナノチューブの合成・評価、実用化とナノ分散・配合制御技術、技術情報協会、p161〜171(2003)記載の方法)により達成できる。例示すると、ジエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等の界面活性剤剤を用いる化学的方法、超音波処理、ホモミキサー等による剪断処理等の物理的方法等である。界面活性剤を用いる場合、その量は繊維状フィラーに対し0.5質量%以上200質量%以下が好ましい。また、紡糸工程での水による洗浄工程で界面活性剤を取り除く必要があるので、界面活性剤は水溶性である方が好ましい。
十分な分散性を実現するためには、上記の2つ以上の方法を組み合わせることが好ましい。
また、繊維状フィラーの組成が炭素である場合、粒子状炭素や不定形炭素等の不純物を含む場合が多いので、そうした不純物を除いておく必要がある。不純物除去方法は、硝酸、空気中など酸化性雰囲気で加熱する方法が採用できる。この場合、同時に繊維状フィラーの表面に官能基が導入されるので、分散性向上の観点からもこうした処理を施すのが好ましい。
分散の均一性は、得られたアクリル繊維の繊維軸方向にとった超薄切片の透過電子顕微鏡像により観察できる。
さらに、こうして繊維状フィラーを均一分散させた溶媒あるいは紡糸原液を、分散不良部や異物を除くために濾過するのが好ましい。濾過目開きは最終段で50μm以下が好ましい。
以下に本発明のアクリル繊維および炭素繊維の製造方法について詳しく説明する。本発明のアクリル繊維に用いるアクリロニトリル系重合体としてはアクリロニトリルのホモポリマーおよび/または他のモノマーとの共重合体を用いることができる。アクリロニトリル組成は50質量%以上であることが好ましい。炭素繊維の前駆体繊維として用いる場合は、炭素化を良好に行う目的で共重合体中のアクリロニトリル組成は90質量%以上であることが好ましく、炭素繊維にした時の共重合成分に起因する欠陥点を少なくし、炭素繊維の品位並びに性能を向上させる目的からアクリロニトリルが95質量%以上であることがより好ましい。
アクリロニトリル系重合体の共重合成分モノマーとしては、特に制限は無いが、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマー類;p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。
アクリロニトリル系重合体の共重合成分モノマーとして、炭素化工程における環化反応を促進する目的でカルボン酸基を有するモノマーやアクリルアミド系モノマーを用いることが好ましい。このようなカルボン酸基を有するモノマーとしては、メタクリル酸やイタコン酸が好ましい。又、アクリルアミド系モノマーとしてはアクリルアミドが好ましい。そして、溶剤に対する溶解性の向上、凝固糸の緻密性の向上の観点から、アクリルアミドは共重合体に1質量%以上含まれることが好ましい。アクリルアミドの含有量の上限は特に限定はされないが、好ましくは4質量%未満である。
原料に用いるアクリロニトリル系重合体の重合方法には、溶液重合、懸濁重合など、公知の重合方法の何れをも採用することができる。繊維状フィラーを重合溶媒に予め分散させておく場合でも、重合に大きな影響は及ぼさないので公知の重合方法をそのまま採用できる。重合された共重合体から、未反応モノマーや重合触媒残渣、その他の不純物類を極力除く処理を施すことが好ましい。また、アクリル繊維紡糸での延伸性や炭素繊維の性能発現性等の点から、共重合体の重合度は、極限粘度〔η〕が1.0以上が好ましく、特に1.4以上の範囲が好ましい。重合度が高いと溶媒への溶解や製糸が困難となる傾向があるので、極限粘度〔η〕は、4.0を超えない範囲のものが好ましく利用される。
次に、アクリロニトリル系共重合体、好ましくは不純物の除去処理を施した前記共重合体を溶剤に溶解し、紡糸原液とする。溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤や、塩化亜鉛、チオシアン酸ナトリウムなどの無機化合物の水溶液が使用できる。作製される繊維中に金属を含有せず、また、工程が簡略化される点で有機溶剤が好ましい。その中でも凝固糸および湿熱延伸糸の緻密性が高いという点で、ジメチルアセトアミドあるいはジメチルホルムアミドを溶剤に用いることがより好ましい。
この紡糸原液を公知の技術により紡糸し、アクリル繊維を得ることができる。紡糸法は、湿式紡糸法か乾湿式紡糸法が好ましいが乾式紡糸法でも良い。
このアクリル繊維を、耐炎化工程、炭素化工程など公知の技術により焼成し、炭素繊維を得ることができる。
本発明によれば、制電性と高強度を併せ持つアクリル繊維を得ることができる。また、このアクリル繊維を焼成することによって、高性能な炭素繊維を得ることができる。

Claims (2)

  1. 繊維状フィラーを含有するアクリル繊維。
  2. 請求項1記載のアクリル繊維を焼成して得られる炭素繊維。
JP2004021245A 2004-01-29 2004-01-29 アクリル繊維および炭素繊維 Pending JP2005213675A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010168723A (ja) * 2008-12-26 2010-08-05 Toyobo Co Ltd 高強度かつ高弾性率の炭素繊維を得るための前駆体繊維の製造方法
JP4582819B1 (ja) * 2009-06-30 2010-11-17 東洋紡績株式会社 高強度ポリアクリロニトリル系炭素繊維の製造方法

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JP2011026750A (ja) * 2009-06-30 2011-02-10 Toyobo Co Ltd 高強度ポリアクリロニトリル系炭素繊維の製造方法
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