JPH11216732A - セルローストリアセテートフィルムの製造方法 - Google Patents

セルローストリアセテートフィルムの製造方法

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JPH11216732A
JPH11216732A JP10002331A JP233198A JPH11216732A JP H11216732 A JPH11216732 A JP H11216732A JP 10002331 A JP10002331 A JP 10002331A JP 233198 A JP233198 A JP 233198A JP H11216732 A JPH11216732 A JP H11216732A
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和之 清水
Toshiyuki Hagiwara
俊幸 萩原
Eiji Egawa
英治 江川
Katsuto Yamanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルローストリアセテートフィルムの製膜に
おいて、ダイから流延されたドープ膜に縦スジやダイス
ジの発生、発泡性、皮膜の発生、密着性の低下、剥離性
の劣化等いろいろな欠陥あるいは作業効率の低下を来す
故障が通常の生産においてよく起こる。これらの欠陥は
生産性の向上を妨げるもので、これらを極力低減するこ
とが望まれていた。また品質が優れたセルローストリア
セテートフィルムの更なる高速製膜が要望されていた。 【解決手段】 溶液流延製膜法によりセルローストリア
セテートフィルムを作製するにあたり、ドープをダイか
ら流延部の支持体上に流延する際、流延する位置の該支
持体温度が該ドープに使用する主溶媒の沸点より0.5
〜55℃低く、かつ流延ドロー比が1.0以上3.0以
下であることを特徴とするセルローストリアセテートフ
ィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ハロゲン化銀写真感光材料ま
たは液晶画像表示装置に有用なセルローストリアセテー
トの製造方法に関し、表面性品質の優れたセルロースト
リアセテートフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶液流延製膜法によりセルローストリア
セテートフィルムを製造する通常の方法を図1で説明す
ると、通常1台のダイ2からセルローストリアセテート
ドープをエンドレスに走行する支持体3に流延し、該支
持体が約1周したところの剥離点4でウエブ1を剥離
し、ロール群6を引き回しながら乾燥装置5で乾燥し、
巻き取ることによってセルローストリアセテートを製造
する方法である。この溶液流延製膜法は製膜速度が遅
く、いろいろな特許公報などに速度を上げる方法が開示
されているが、これらの方法を使って速度を上げても、
セルローストリアセテートフィルムの品質、特に縦ス
ジ、ムラ、うねり、ダイスジ等の問題点が多々あった。
【0003】ドープ濃度の高濃度化、セルローストリア
セテートに対して貧溶媒をセルローストリアセテートの
良溶媒に加えるゲル化(米国特許第2,607,704
号及び同2,739,069号明細書)、10℃位の冷
却ドラム上に流延することによってゲル化(特公昭62
−115035号及び特開昭4−284211号公
報)、2台以上のダイからドープを分割して流延する薄
膜化(特公昭60−27562号公報)等により支持体
から早く剥離することによって製膜速度を上げる方法等
が種々提案されている。また、特公昭56−16261
7号公報には、一つのダイからの共流延によって、高粘
度のドープを低粘度のドープで包むようにして、該高・
低の両粘度のドープを同時に流延し、高粘度ドープをメ
ルトフラクチャーを生じさせることなく、流延速度も向
上させることが出来ると述べられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ドープの高濃度化で
は、ドープを高速でダイから押し出す際、、剪断速度
も、剪断応力も大きくなり、メルトフラクチャーとかシ
ャークスキンとか言われる現象が起こり易く、平面性を
悪くする原因がすでに流延の時に出来ている。これに対
して、ドープ濃度を低下させたり、ダイのスリットを広
くしたりすることによって剪断速度を低下させ、また剪
断応力を小さくすると、圧力むらが出来更に平面性が悪
化する方向になる。10℃の冷却ドラムに流延してゲル
化する方法では、流延後ドープがスムージングされる間
もなくドープ膜を剥離してしまうので、剥離後ドープ膜
の両面が急激に乾燥され、その不均一性が更に誇張さ
れ、やはり平面性に問題がある。また、支持体上の離れ
た位置にある2台のダイを使用する方法では、最初に流
延される1台目ダイから流延されたドープ膜の平面性に
大きく左右され易く、また1台だけの場合には差ほど問
題でなかった流延の際に発生する皮膜が問題になった
り、剥離がスムースでなく剥離残りが両端でおこった
り、その剥離残りが皮膜となって飛散したり、後から流
延する2台目のダイの流延の際に皮膜がもとになった泡
を生じたりして、歩留まりが低下する等生産上の問題も
あった。
【0005】このように、セルローストリアセテートフ
ィルムの製膜において、ダイから流延されたドープ膜に
縦スジやダイスジの発生、発泡性、皮膜の発生、密着性
の低下、剥離性の劣化等いろいろな欠陥あるいは作業効
率の低下を来す故障が通常の生産においてよく起こる。
これらの欠陥は生産性の向上を妨げるもので、これらを
極力低減することが望まれていた。
【0006】本発明の目的は、第1に、縦ツレ、縦ス
ジ、ダイスジやメルトフラクチャーの発生のない平面性
の優れ、第2に、ウエブを支持体からの剥離を容易にし
て、生産効率の高い、そして、第3にはドープの支持体
表面への密着性を良くして泡の発生を防止し、歩留を向
上させ、しかも品質にもすぐれ高速製膜可能なセルロー
ストリアセテートフィルムを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決し、上記目的を達成するためになされたものであ
り、従来の高速化技術にも対応したセルローストリアセ
テートフィルムの製造方法、特に、下記のような流延技
術によって問題点を解決した。
【0008】(1)溶液流延製膜法によりセルロースト
リアセテートフィルムを作製するにあたり、ドープをダ
イからの支持体上に流延する際、流延する位置の該支持
体の温度が該ドープに使用する主溶媒の沸点より0.5
〜55℃低く、かつ流延ドロー比が1.0以上3.0以
下であることを特徴とするセルローストリアセテートフ
ィルムの製造方法。
【0009】(2)支持体上の離れた位置にある2台の
ダイを用いる溶液流延製膜法によりセルローストリアセ
テートフィルムを作製するにあたり、ドープを1台目の
ダイからの支持体上に流延する際、流延する位置の該支
持体の温度が該ドープに使用する主溶媒の沸点より0.
5〜55℃低く、かつ流延ドロー比が1.0以上3.0
以下であり、かつ後から流延する2台目のダイからドー
プを、最初に流延する1台目のダイから支持体上に流延
されたドープ膜の上に流延する際、流延する位置の該ド
ープ膜の表面温度が、該2台目のダイから流延する該ド
ープに使用する主溶媒の沸点より0.5℃〜40℃低
く、かつ流延ドロー比が1.0以上3.0以下であるこ
とを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製
造方法。
【0010】(3)溶液流延製膜法によりセルロースト
リアセテートフィルムを作製するにあたり、ドープをダ
イからの支持体上に流延する際、ダイリップにおけるド
ープの温度を、該ドープに使用する主溶媒の沸点より3
℃〜20℃低くすることを特徴とするセルローストリア
セテートフィルムの製造方法。
【0011】(4)支持体上の離れた位置にある2台の
ダイを用いる溶液流延製膜法によりセルローストリアセ
テートフィルムを作製するにあたり、2台目のダイから
のドープの流延幅を、1台目のダイからの流延幅より2
mm以上35mm以下狭くすることを特徴とするセルロ
ーストリアセテートフィルムの製造方法。
【0012】(5)溶液流延製膜法によりセルロースト
リアセテートフィルムを作製するにあたり、支持体の表
面の両端に粗面化帯を設け、該粗面化帯に共にドープの
流延幅を5〜30mm重ねて流延することを特徴とする
セルローストリアセテートフィルムの製造方法。
【0013】(6)前記粗面化帯の面の平均粗さが0.
5〜2μmであることを特徴とする(5)に記載のセル
ローストリアセテートフィルムの製造方法。
【0014】(7)溶液流延製膜法によりセルロースト
リアセテートフィルムを作製するにあたり、支持体表面
とダイスリットとのなす角度が30°以上90°以下
で、かつ該支持体表面とダイリップとの間隙が200μ
m以上10mm以下であることを特徴とするセルロース
トリアセテートフィルムの製造方法。
【0015】(8)支持体上の離れた位置にある2台の
ダイを用いる溶液流延製膜法によりセルローストリアセ
テートフィルムを作製するにあたり、支持体表面と1台
目と2台目のダイスリットとのなす角度がいずれも30
°以上90°以下で、かつ該支持体表面と1台目のダイ
リップとの間隙、及び2台目のダイの流延位置での1台
目のダイから流延されたドープ膜の表面と2台目のダイ
リップとの間隙が200μm以上10mm以下であるこ
とを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製
造方法。
【0016】(9)前記溶液流延法が2種以上のドープ
を共流延する方法であることを特徴とする(1)乃至
(8)のいずれか1項に記載のセルローストリアセテー
トフィルムの製造方法。
【0017】(10)前記ダイの少なくとも1台が共流
延ダイであることを特徴とする(1)乃至(8)のいず
れか1項に記載のセルローストリアセテートフィルムの
製造方法。
【0018】ここで2,3の用語の定義及び解説をして
おく。
【0019】本発明では、ドープはセルローストリアセ
テートの有機溶媒溶液で、支持体上で流延後はゲル化し
膜としての固さを持ったものをドープ膜と称し、剥離可
能な膜をウエブということとするが、出来上がりのセル
ローストリアセテートまでの乾燥過程中のフィルムを剥
離以後ウエブと称することとする。しかしながら、ドー
プ膜、ウエブ、そしてフィルムとのそれぞれの境界は定
かでなく、あいまいさをもってこれらの用語を本発明で
は使用していくことを断っておく。
【0020】流延ドロー比とは、流延速度に対する支持
体速度の比、つまり(支持体速度/流延速度)のことで
ある。流延速度はダイのスリット(以降、ダイスリット
という)内を通過するドープの速度であり、支持体速度
はエンドレスに走行する支持体の走行速度である。
【0021】共流延は主に2種の方法があり、一つはド
ープを送液するポンプとダイの導管の適当な場所で導管
の外側から同心円状に他の種類のドープを導管内の外側
に導入し、2種のドープは同心円円筒状に層流として導
管内を送液されダイにそのままの状態で到達し、ダイス
リットから3層積層されたようにスリットから支持体上
に流延される方法(以降これを共流延A法とする)と、
もう一つは、複数個のドープ導入口、複数のマニホール
ド、複数のスリットそして一つのリップを有しているダ
イを用いて、複数のスリットから合流した一つのダイス
リットを層流の状態で一つのリップから同時に複数層の
ドープを流延する方法(以降これを共流延B法とする)
とがある。後者のダイを共流延ダイという。
【0022】本発明の溶媒含有率(重量%)は、任意の
測定点においてサンプリングしたウエブ(ドープあるい
はドープ膜)を秤量瓶に入れてウエブ(同左)重量A
(g)を秤量し、後にウエブ(同上)試料を115℃で
1時間加熱後、水分を吸着しないように室温まで冷却
し、秤量瓶の重量を計り、乾燥ウエブ(同上)の重量B
(g)と、下記の式に従って計算される。
【0023】 溶媒含有率(重量%)={(A−B)/B}×100 ドープのセルローストリアセテートの濃度は溶媒含有率
の逆数として表されるが、本発明では、一貫して溶媒含
有率で示すこととし、仕込まれたドープの溶媒含有率も
250重量%とか、600重量%というように表示す
る。
【0024】溶媒の沸点は常圧下での沸点である。
【0025】本発明を詳述する。
【0026】本発明のセルローストリアセテートフィル
ムの製造は図1〜図4に示したような溶液流延製膜装置
を用いて製膜する溶液流延製膜法によるものである。
【0027】図2はテンター8を有する溶液流延製膜装
置の概略断面図であり、図3は効率的なベルト乾燥装置
を有する溶液流延製膜装置の概略断面図である。図3は
ベルトの裏側には裏面伝熱装置11と送風乾燥装置12
があり、ベルト(支持体)3の外側には送風乾燥装置1
3が設けられており、これらによって効率的な乾燥がな
されるようになっている。図4は2台のダイ(2と
2′)を有し、効率的なベルト乾燥方式を有する溶液流
延製膜装置の概略断面図である。図5はダイと支持体と
のなす角度を示すダイと支持体の断面図である。図5
中、ダイ2のスリット(ダイスリットともいう)15と
支持体3とのなす角度をθ、また、ダイ2のリップ(ダ
イリップともいう)16と支持体面との間隙をdとし
た。図6は両端に粗面化帯を有する支持体表面3′の正
面図であり、ドープ膜1が粗面化帯17と重なりあって
いる状態を表した図である。図7は冷却ドラムを有する
溶液流延製膜装置の概略断面図である。冷却ドラム18
は10℃位に冷却されていて、流延されたドープがゲル
化され、直ぐに剥離される。図8は大型ドラムを有する
溶液流延製膜装置の概略断面図で、大型ドラム19上で
乾燥されてから剥離される。図9は下引装置を有する溶
液流延製膜装置の概略断面図である。図10は剥離点4
の拡大図で、剥離性を調べる装置図である。図11は共
流延用のドープ送液模式図であり、ドープ貯蔵釜31及
び31′の底部からポンプ32及び32′でそれぞれの
ドープを導管33及び33′の導管を通して送液し、合
流管34で導管33′からのドープを導管33の中に同
心円状に導入し、層流となってダイ38から支持体3上
に流延される。図12は図11の合流管34の拡大図
で、導管33の芯になるドープ36が合流管34でドー
プ37が同心円状に積層される様子を示している。図1
3は図12のA−A′の導管断面図である。重層後の導
管35の内面に導管33′からの第2のドープ37′が
第1(内部の)ドープ36′を包んだ状態でいる様子を
示している。図14は図13から送液された積層ドープ
がドープ導入管39を通してダイ38に入ったドープが
マニホールド40でダイの幅に広がり流延幅のまま、ダ
イスリット41を通って支持体3の上に流延される様子
を示している。なお42は3層に共流延されたドープ膜
である。図15は2層及び図16は3層共流延ダイ断面
図を示す。第1のドープ53と第2のドープ54とがダ
イの液溜まり55で重なりダイスリット56を通って支
持体3の上に共流延され2層のドープ膜57′となる。
図16では、第1のドープ63、第2のドープ64それ
に第3のドープ65が液溜まり68で重なりスリット6
6を通って支持体3の上に共流延され3層構造のドープ
膜67及び67′となる。
【0028】第1の本発明は、ドープをダイから流延部
の支持体上に流延する際、その流延する位置の支持体の
温度を、ドープに使用する主溶媒の沸点より0.5〜5
5℃低く、かつ流延ドロー比が1.0以上3.0以下で
あることを特徴としている。
【0029】本発明に用いられるドープの有機溶媒は、
通常セルローストリアセテートの溶媒が種々使用出来
る。例えばメチレンクロライド(40.2℃)、エチレ
ンクロライド(99.0℃)、酢酸メチル(56.3
℃)、アセト酢酸メチル(171.7℃)、アセトン
(56.3℃)、メチルエチルケトン(79.5℃)、
ニトロメタン(101.3℃)、ニトロメタン(10
1.3℃)、ニトロエタン(115℃)、1−ニトロプ
ロパン(131.4℃)、2−ニトロプロパン(12
0.1℃)、1,3−ジオキソラン(78℃)、1,4
−ジオキサン(101.4℃)、フルオロアルコール
類、例えば2−フルオロエタノール(103℃)、2,
2,2−トリフルオロエタノール(80℃)、2,2,
3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(109
℃)、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール(55
℃)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−
メチル−2−プロパノール(62℃)、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(59
℃)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロ
パノール(80℃)、2,2,3,4,4,4−ヘキサ
フルオロ−1−ブタノール(114℃)、2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール(9
7℃)、パーフルオロ−t−ブタノール(45℃)、
2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペ
ンタンジオール(111.5℃)、3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオ
ロ−1−オクタノール(95℃)、1−(ペンタフルオ
ロフェニル)エタノール(82℃)、2,3,4,5,
6−ペンタフルオロベンジルアルコール(115℃)等
を挙げることが出来る。これらの中で、特にセルロース
トリアセテートに対して溶解性が高く、かつ沸点が低く
乾燥負荷の少ないメチレンクロライド、1,3−ジオキ
ソラン、2,2,2−トリフルオロエタノール、アセト
ン、酢酸メチル等が好ましい。もちろんこれらの溶剤は
混合して用いてもよい。上記有機溶媒には、さらに貧溶
媒(セルローストリアセテートを単独では溶解せず、膨
潤するか溶解しない溶媒)が混合されていてもよい。あ
らかじめ貧溶媒によりセルロースエステルを湿潤状態ま
たは膨潤状態になるまで処理することで、良溶媒への溶
解性を向上させることができる場合もある。さらに良溶
媒と貧溶媒を併用したドープを支持体上に流延したドー
プ膜は、溶媒を多く含んだ状態でも膜の機械的強度が強
く、支持体のベルトやドラム上からウエブを早く剥離出
来る。貧溶媒としては、メタノール(64.7℃)、エ
タノール(78.3℃)、n−プロパノール(97.2
℃)、イソプロパノール(82.4℃)、n−ブタノー
ル(117.3℃)、s−ブタノール(98.5℃)、
シクロヘキサノール(161.1℃)などの炭素数が1
から6の低級アルコール、シクロヘキサン(80.7
℃)、などを挙げることができる。中でもメタノール、
エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン等が好ま
しい。良溶媒と貧溶媒を併用する場合、良溶媒の割合は
全溶媒に対して60重量%以上、さらに75重量%以上
95重量%以下が好ましい。主溶媒は良溶媒であり、上
記貧溶媒よりも沸点が低いことがゲル化のために有効で
ある。もちろん良溶媒を単独で使用してもかまわない。
また、2台のダイを使用する場合や共流延する場合に
は、それぞれのドープに同種の溶媒系を使用しても、異
種の溶媒系を使用してもよい。
【0030】ドープを流延する位置の支持体の温度がド
ープの主溶媒の沸点と同じ温度あるいはそれ以上の場合
には、流延されたドープ膜は直ぐに発泡してしまう。本
発明は、流延する位置の支持体の温度がドープに使用す
る主溶媒の沸点より0.5℃〜55℃低い条件下で、つ
まり発泡もせず、低温によるゲル化もしない条件下で流
延し、かつ流延ドロー比を1.0以上3.0以下にして
流延することである。流延する位置の支持体温度がドー
プの主溶媒の沸点に比べ余り低すぎると主溶媒によって
はゲル化が起こり易く、製膜出来なくなる場合もある。
【0031】本発明の流延ドロー比についてであるが、
前にも述べたように支持体速度は支持体の走行速度であ
り、流延速度は、ドープがダイスリットを通過する時の
線速度である。ドープはダイリップを離れた後は速度が
なくなり、支持体に引っ張られる格好で支持体に引き取
られ、支持体に密着した時点でドープ膜と支持体の速度
とが同一となる。支持体速度が早過ぎるとネックインが
起こりドープ膜の幅が流延幅よりも狭くなるばかりでな
く、泡の巻き込みや平面性が劣化する。その限度は流延
ドロー比3.0までであり、本発明の流延位置の支持体
温度が上記範囲内では前記流延ドロー比が2.8以下で
あることが好ましい条件である。特に優れた平面性を得
るためには、前記流延ドロー比は2.0以下であること
が好ましい。一方支持体速度が遅い方では、前記流延ド
ロー比が1.0つまり支持体速度と流延速度とが同速度
であり、これ以上支持体速度が遅いとダイリップのとこ
ろにドープが溜まり製膜出来なくなる。好ましくは前記
流延ドロー比が1.1以上である。
【0032】支持体上の離れた位置(別位置)にある2
台のダイを用いる溶液流延製膜装置は最初に流延される
1台目のダイ(以下第1のダイとする)(図4の2)と
後で流延される2台目のダイ(以下第2のダイとする)
(図4の2′)を用い、全流延量を両方のダイに振り分
けて流延し、第1のダイから流延されたドープ(第1層
のドープ膜)は1台のダイから1層だけのドープ膜より
薄いため、支持体3上で乾燥が進み、剥離点4において
ウエブ1として早く剥離が出来るという高速製膜法であ
る。
【0033】第2の発明は、この2台のダイを用いる溶
液流延製膜装置でセルローストリアセテートフィルムを
製膜するにあたり、第1のダイから流延されたドープ膜
の上に第2のダイから流延する際、流延する位置の第1
層のドープ膜の表面温度が、第2のダイから流延するド
ープに使用する主溶媒の沸点より0.5℃〜40℃低く
いことを特徴とする方法である。第2のダイから流延す
るドープが流延される位置の第1層のドープ膜の表面温
度が主溶媒沸点より高いと発泡が起こるばかりでなく、
流延された第2層のドープ膜と第1層との溶解混合が起
こり易く、折角乾いた被膜となっている第1層の支持体
との接触部分が溶解されて剥離し難くなり、剥離するま
での時間がかかり製膜速度が遅くなる。反対に第1層の
表面温度が低すぎると第1層と第2層との接着性がやや
不十分で層間剥離が起こりやすくなる傾向があり、この
現象は通常においては起こらないが、強制的にフィルム
に機械的破壊を加えると、たまに第1層と第2層との間
で剥離に近い状態が現れることがある。流延位置の第1
層のドープ膜の表面温度は主溶媒の沸点より0.5℃〜
40℃低いのがよく、かつ流延ドロー比は1.0以上
3.0以下、好ましくは1.1以上2.0以下であり、
これらの条件で皮膜や泡も発生せず、また2層の接着性
が極めて良く、縦スジない平面性の良いセルローストリ
アセテートフィルムが高速で得られる。なお、第1のダ
イからの流延の場合の支持体の温度と、ドロー比は第1
の発明と同様である。
【0034】第3の発明は、ダイリップにおけるドープ
温度が、該ドープに使用した主溶媒の沸点より3℃〜2
0℃低くすることにより、安定した流延の形を保つこと
が出来、沸点より3℃以内であるとダイスジと称するダ
イリップの所でスジが発生し、流延後も消えることなく
ダイリップの間隙プロファイルを修正しない限り流延を
続ける限りスジが続けて発生しっぱなしになり、製品ロ
ールに盛り上がった部分になりやすい。また沸点より2
0℃以上低いと、粘度が上昇し圧力がかかり過ぎ、やは
り流延の形が不安定となり、全幅に渡って製品として使
用出来なくなる程面が乱れてしまう。更に安定した形を
得るためには、沸点より6℃〜11℃低いのが好まし
い。
【0035】第4の本発明は、2台のダイを用いる溶液
流延製膜装置において、第1のダイから流延されたドー
プ膜(第1層)の流延幅よりも第2のダイから流延され
たドープ膜(第2層)の流延幅が2mm以上35mm以
下狭くすることにより、剥離が容易になり、安定した高
速化が実現出来る。好ましくは4mm以上20mm以下
である。一般に、ドープを流延するとドープ膜の両端部
は末端のため若干膜厚が厚くなり剥離がし難くなること
と、厚くなっていることから末端カールが大きくなり易
く搬送に困難を伴うことがしばしば起こる。このような
観点から第1層を広く第2層を狭く流延することによっ
てこれらの課題を解決するものである。
【0036】第5の本発明は、支持体表面3′の両端に
粗面化帯17があり、該粗面化帯が共にダイからのドー
プの流延幅と5〜30mm重なっているようにし、粗面
化帯の平均粗さRzが0.5〜2μmであることを特徴
としている。一般に全く平滑な面の支持体の場合には、
ウエブを剥離する際、両端が破れ易く、裂け易いことな
どから破断事故で生産をしばしば中断される。これに対
して粗面化帯をもうけることによって剥離性がすこぶる
よくなり、皮膜の発生もなく、泡の発生もなく、非常に
効果的である。幅は多少流延の位置が幅方向にずれても
よいようにドープ膜の内側5〜30mmから外側へ支持
体の両端までの幅となっている。その粗面化帯の平均粗
さRzは0.5μmよりRzが小さい場合には粗面化の
効果がなく、接着が強すぎ剥離がし難く、また2μmよ
りも大きいと逆に粗面化によって接着し易くなり剥離し
難くなる。好ましくはRzは0.8〜1.5μmであ
る。
【0037】第6と第7の本発明は、ダイスリットと流
延位置の支持体表面または第1ダイから流延されたドー
プ膜表面とのなす角度を30°以上90°以下にして、
かつ第1のダイリップまたは第2のダイリップと支持体
面またはすでに流延されている第1ダイからのドープ膜
表面との間隙を200μm以上10mm以下にすること
によって、ドープ膜の支持体表面への密着性をよくし、
空気等の巻き込み等による泡の発生を押さえることを目
的としている。スリットと支持体面との角度は40°以
上80°以下が、またダイリップと支持体面あるいはド
ープ膜表面との間隙は400μm以上1mm以下が好ま
しい。なお、支持体面が曲面の場合にはその位置での接
線に対しての角度あるいは間隙をいう。
【0038】第8の発明は、共流延法を用いるものであ
る。各上記第1〜第7までの本発明の流延法を共流延法
に置き換え上記条件を当てはめることにより、従来の共
流延法が持つ利点(例えばメルトフラクチャーの発生が
起こりにくい)はそのまま発揮しつつ、しかも更なる高
速製膜が可能になり、また従来の共流延法でも発生する
セルローストリアセテートフィルムの欠陥を改善するこ
ともできる。共流延の積層ドープのそれぞれの役割はそ
れぞれの目的に応じて設定出来る。例えば、メルトフラ
クチャーを防止するためには、高粘度ドープを比較的低
粘度のドープで包むようにして共流延すればよく、また
支持体との剥離性を改善するためには、ゲル化し易いド
ープを支持体側に位置するように2層共流延ダイを用い
て共流延すればよく、更に平面性をよくするためには、
空気側にレベリングし易いドープを配すればよい。この
ようにそれぞれの層に目的を持たせることによって質の
よいセルローストリアセテートフィルムを得ることが出
来る。共流延の場合には、共流延A法の外側のドープに
粘度の低いドープを用いることが多いが、ドープ粘度を
低くする手段としては、ドープ濃度を低くする他に、使
用するセルローストリアセテートの重合度を低めると
か、酢化度を変えるとか、パルプ原料を変えるとかのよ
うな方法がある。ドープ濃度を低下させる方法は、共流
延Aの方法では導管以降の重層するため、長時間層と層
が接触していて物質移動が起こる可能性があり、セルロ
ーストリアセテートの重合度、酢化度等を変化させる方
が好ましいといえる。しかし、セルローストリアセテー
トの重合度を低下させる方法では、乾燥後のセルロース
トリアセテートフィルムの機械的強さが低下する虞れも
あり、膜厚、濃度等目的によってその使い分けが必要と
なる。このような観点から、共流延A法より共流延Bの
方が、支持体側と空気側とのドープ処方を変えられる点
で好ましく、層流になっている時間も短く、濃度による
粘度違いのドープを共流延しても混合の虞れもほとんど
ないことからも共流延Bにおいて共流延ダイを使用する
方が好ましい。また、本発明では、2台のダイを用いる
溶液流延製膜方法において、2台のダイのいずれかある
いは両方共流延を用いることは、流延時に起こるトラブ
ルを解決し得る手段、あるいは特徴のあるセルロースト
リアセテートフィルムを得るための手段となり、ドープ
処方の選択肢を多く選ぶことが出来るので特に好まし
い。
【0039】本発明に使用するドープ濃度は溶媒含有率
として150重量%〜600重量%の範囲のものが好ま
しく使用出来る。通常の製膜においては、250重量%
〜600重量%のドープ濃度を用いる。共流延において
は150重量%程度からの濃度を使用出来る。
【0040】本発明で得られる最終的なセルローストリ
アセテートフィルムの膜厚は40〜200μmを対象に
している。製膜速度は剥離点における溶媒含有率により
製膜速度が決まるが、本発明においては溶媒含有率が5
0から200重量%の範囲で支持体から剥離するのが好
ましく、これにより製膜速度は10〜150m/min
が得られる。また、本発明においては、通常の製膜方法
の他に図7に示したような小型の冷却ドラムを使用した
冷却ゲル化による高速溶液流延製膜方法も使用出来る。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0042】実施例1 セルローストリアセテートを100重量部、メチレンク
ロライド350重量%、エタノール12重量%、トリフ
ェニルホスフェート12重量%からなるドープを、図3
あるいは図4に示したような効果的な溶液流延製膜装置
を用い、30m/minの速度で、単層(第1層のみ)
流延及び2層重層流延して、下記表1及び表2のように
条件で流延し、幅1.5mで、膜厚120μmのセルロ
ーストリアセテートフィルムを、単層の試料1−1〜試
料1−10と2層重層の試料2−1〜試料2−10とし
て作製した。それぞれの試料の目的に応じた評価を下記
の評価法に従って評価した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】〈評価法−1、泡の発生の評価〉仕上がっ
たセルローストリアセテートフィルムを溶液流延製膜装
置の巻き取り前に設置されたフィルム欠陥検知器で検知
した箇所を、巻き取り後試料を取り出し、ルーペで観察
し、泡の中に核があるかないかを判断し、ない場合を泡
として、全長1000m長さあたりの個数をカウントし
た。
【0046】〈評価法−2、皮膜の発生の評価〉評価法
−1と同様に、検知した箇所を、ルーペで観察し泡の中
に核があり、皮膜に原因していると判断したものを皮膜
として、評価法−1と同様に1000m当たりの個数を
カウントした。また、製膜中の図3または図4の剥離点
4後のドラム9の端を目視で皮膜の発生があるかどうか
を観察し、併せて評価した。
【0047】〈評価法−3、縦スジ(ダイスジも含む)
の評価〉仕上がったセルローストリアセテートフィルム
を下記処方で下引し、その上に下記処方の染料含有塗布
液を塗設して、スジを観察した。
【0048】各フィルムに下記の処方の下引層とバック
層を、図9に示したような下引装置21を用いて塗布乾
燥させ、下引面に下記染料入りのゼラチン溶液を塗布乾
燥させた。なお、下引層塗設済みの試料の場合は、下引
塗布を省略して行った。
【0049】 (下引塗布液) 酢酸ビニル:無水マレイン酸交互共重合体 3g アセトン 810g イソプロパノール 150g (バック層塗布液) 酸化スズ:酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 14g セルロースジアセテート 6g アセトン 800g シクロヘキサノン 200g (ゼラチン塗布液) ゼラチン 4g 水 100g メチルバイオレット(染料) 0.2g サポニン 0.1g 各試料をシャーカステンの上に乗せ、塗布ムラを下記の
ように評価した。
【0050】 A:ムラがなく非常にスムースである B:細かいムラやスジが若干ある C:ややムラやスジがあるような感じ D:はっきりとムラスジが見える 〈評価法−4、剥離性の評価〉図10に示す剥離点4の
拡大図において、支持体3から剥離するウエブ1の剥離
し易さを、ウエブ1が支持体3から離れる点と剥離ガイ
ドロール4′の頂点との剥離距離hを目で剥離性メジャ
ーで目盛りを読み、その剥離し易さを評価した。特にウ
エブの支持体の端の部分の剥離性にポイントを置いた。
なお、hが大きいほうが剥離がスムースにいっているこ
とになる。
【0051】〈評価法−5、密着性の評価〉密着性の評
価は評価法−1と同様に検知した欠陥を観察して、10
00m当たりの縦長の泡を調べその個数をカウントして
評価した。
【0052】以上の試料の評価結果を表3、表4及び表
5に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】(結果)表3は流延位置の支持体表面温度
またはドープ膜表面温度、ドロー比、ダイリップ温度を
それぞれ変化させ、泡の発生個数、皮膜の発生個数、縦
スジ及びダイスジについて評価した。その結果本発明は
比較に対して全てよい評価が得られた。
【0057】表4は因子として、支持体表面粗面化、流
延幅の差を変化させ、剥離性を評価した。その結果、本
発明は比較より良い評価が得られた。
【0058】表5は因子として、ダイスリット〜支持体
面角度、ダイリップ〜支持体面間隔またはドープ膜表面
間隔を変化させ、密着性の評価として縦長の泡の発生個
数を評価した。その結果、本発明は比較に対して良い評
価が得られた。
【0059】全因子を本発明の範囲内とした試料1−1
及び試料2−1はいずれの評価も満足ゆくものであっ
た。
【0060】実施例2 共流延用のドープ組成として、 ドープ(I) セルローストリアセテート 100重量部 メチレンクロライド 350重量部 エタノール 67重量部 トリフェニルホスフェート 12重量部 ドープ(II) セルローストリアセテート 100重量部 メチレンクロライド 400重量部 エタノール 17重量部 トリフェニルホスフェート 12重量部 を用い、図15の共流延ダイを、また図3の効率的なベ
ルト乾燥装置を有する溶液流延装置で、下記表6の如く
条件を組み合わせて、ドープ(I)を支持体側にして、
ドープ(I)とドープ(II)のドープ流量比をI:II=
20:1として流延し、幅1.5m、製膜速度30m/
minで仕上がり膜厚120μmの試料3−1と3−2
のセルローストリアセテートフィルムを作製し、下記表
面性の評価の他に実施例1と同様の評価を行った。なお
比較として、試料3−3は共流延を用いずにドープ
(I)のみを単層で流延したものである。
【0061】<評価法−5、平面性の評価>幅90c
m、長さ100cmの大きさに各試料を切り出し、50
W蛍光灯を5本並べて試料台に45°の角度から照らせ
るように高さ1.5mの高さに固定し、試料台の上に各
フィルム試料を置き、フィルム表面に反射してみえる凹
凸を目で見て、次のように判定した。
【0062】 A:蛍光灯が5本とも真っすぐに見えた B:蛍光灯が少し曲がって見えるところがある C:蛍光灯が全体的に少し曲がり、表面がチリチリのよ
うに見える D:蛍光灯が大きくうねって、表面が細かいチリチリが
かなり見える E:蛍光灯が大きい曲がりの中にも細かいうねりと細か
いチリチリが多く見える
【0063】
【表6】
【0064】上記評価結果を表7に示す。
【0065】
【表7】
【0066】(結果)表7は2層共流延及び単層流延に
関する結果である。
【0067】試料3−1は共流延で本発明の条件であ
り、欠陥は全くなく、平面性の優れたセルローストリア
セテートフィルムを得ることが出来た。これに対して試
料3−2は、条件が全て本発明の範囲外であり、泡、皮
膜、縦スジ、剥離性、密着性等は悪かったが、平面性は
良好であった(ただし、泡や縦スジの欠陥を避けての結
果である)。試料3−3は単層流延による試料である
が、条件は本発明の範囲内としたため泡等の評価は全く
問題がなかったが、平面性が非常に劣っていた。
【0068】実施例3 共流延ドープとして ドープ(I) セルローストリアセテート 100重量部 メチレンクロライド 250重量部 エタノール 9重量部 トリフェニルホスフェート 12重量部 ドープ(II) セルローストリアセテート 100重量部 メチレンクロライド 400重量部 エタノール 14重量部 トリフェニルホスフェート 12重量部 を用い、図16の共流延ダイの図4の2台のダイを有す
る効率的なベルト乾燥装置を有する溶液流延装置を用
い、下記表8のような条件を組み合わせて、ドープ
(I)を3層共流延の芯として、ドープ(I)とドープ
(II)の流量比をII:I:II=1:20:1として幅
1.5m、50m/minの製膜速度で、仕上がり膜厚
120μmの試料4−1と試料4−2のセルローストリ
アセテートフィルムを作製し、実施例1と同様な評価を
行った。この他にメルトフラクチャーを流延間際のとこ
ろで目視で観察した。なお、試料4−3は共流延ダイを
使用せず、ダイを単層ダイとした以外は同様な装置で行
った。
【0069】
【表8】
【0070】上記評価結果を表9に示した。
【0071】
【表9】
【0072】表9は2台のダイを使用した3層共流延と
単層流延に関する結果である。
【0073】試料4−1は3共流延で全条件が本発明の
範囲内にあり、欠陥は全くなく、メルトフラクチャーも
なく優れたセルローストリアセテートフィルムを得るこ
とが出来た。これに対して試料4−2は、条件が全て本
発明の範囲外であり、泡、皮膜、縦スジ、剥離性、密着
性等は悪かったが、メルトフラクチャーの発生はなかっ
た。試料4−3は2台のダイを使用した単層流延による
試料であり、条件は本発明の範囲内としたが、高濃度の
ドープを直に流延したためメルトフラクチャーが非常に
発生して凸凹のセルローストリアセテートフィルムが得
られた。このため、泡等の評価は全く不可能であった。
【0074】
【発明の効果】流延中に起こる様々な欠陥、つまり泡、
皮膜の発生、縦スジの発生、ダイスジ発生、支持体表面
からの剥離性あるいは支持体への密着性等に対して、優
れた効果を得る流延条件を設定することにより欠陥のな
いセルローストリアセテートフィルムを得ることが出来
る。更に共流延を用いることにより高速製膜が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶液流延製膜装置の概略断面図。
【図2】テンターを有する溶液流延製膜装置の概略断面
図。
【図3】効率的なベルト乾燥装置を有する溶液流延製膜
装置の概略断面図。
【図4】2台のダイを有し、効率的なベルト乾燥装置を
有する溶液流延製膜装置の概略断面図。
【図5】ダイと支持体とのなす角度を示すダイと支持体
の断面図。
【図6】両端が粗面化帯を有する支持体表面の正面図。
【図7】冷却ドラムを有する溶液流延製膜装置の概略断
面図。
【図8】大型ドラムを有する溶液流延製膜装置の概略断
面図。
【図9】下引装置を有する溶液流延製膜装置の概略断面
図。
【図10】剥離点の拡大図。
【図11】共流延用のドープ送液模式図。
【図12】合流管の拡大図。
【図13】図12のA−A′の導管断面図。
【図14】共流延法Aのダイ断面図。
【図15】共流延法Bの2層共流延ダイの断面図。
【図16】共流延法Bの3層共流延ダイの断面図。
【符号の説明】
1 ウエブ(ドープ膜) 2、2′ ダイ 3 支持体 4 剥離点 4′ 剥離ガイドロール 5 乾燥装置 6 ロール(ロール群) 7 乾燥風 8 テンター 9 ドラム 10 ドラム 11 裏面伝熱装置 12 送風乾燥装置 13 送風乾燥装置 14 マニホールド 15 スリット(ダイスリット) 16 リップ(ダイリップ) 17 粗面化帯 18 冷却ドラム 19 大型ドラム 20 送風乾燥装置 21 下引装置 22 下引塗布機 23 下引乾燥機 24 剥離性メジャー 31、31′ ドープ貯蔵釜 32、32′ ポンプ 33、33′ 導管 34 合流管 35 (重層後の)導管 36、36′ 第1の(芯側の)ドープ 37、37′ 第2の(重層の)ドープ 38 ダイ 39 ドープ導入管 40 マニホールド 41 ダイスリット 42 (3層共流延された)ドープ膜 50 2層共流延ダイ 51、51′ ドープ導入管 52 マニホールド 53 第1のドープ 54 第2のドープ 55 液溜まり 56 ダイスリット 57、57′ (2層共流延された)ドープ膜 58 ダイリップ 60 3層共流延ダイ 61、61′ ドープ導入管 62、62′ マニホールド 63 第1のドープ 64 第2のドープ 65 第3のドープ 66 ダイスリット 67、67′ (3層共流延された)ドープ膜 68 液溜まり 69 ダイリップ θ ダイスリットと支持体との角度 d ダイリップと支持体面あるいはドープ膜面との間隙 h 剥離距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 1/12 C08L 1/12 // B29K 1:00 B29L 7:00 (72)発明者 山中 克仁 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液流延製膜法によりセルローストリア
    セテートフィルムを作製するにあたり、ドープをダイか
    らの支持体上に流延する際、流延する位置の該支持体の
    温度が該ドープに使用する主溶媒の沸点より0.5〜5
    5℃低く、かつ流延ドロー比が1.0以上3.0以下で
    あることを特徴とするセルローストリアセテートフィル
    ムの製造方法。
  2. 【請求項2】 支持体上の離れた位置にある2台のダイ
    を用いる溶液流延製膜法によりセルローストリアセテー
    トフィルムを作製するにあたり、ドープを1台目のダイ
    からの支持体上に流延する際、流延する位置の該支持体
    の温度が該ドープに使用する主溶媒の沸点より0.5〜
    55℃低く、かつ流延ドロー比が1.0以上3.0以下
    であり、かつ後から流延する2台目のダイからドープ
    を、最初に流延する1台目のダイから支持体上に流延さ
    れたドープ膜の上に流延する際、流延する位置の該ドー
    プ膜の表面温度が、該2台目のダイから流延する該ドー
    プに使用する主溶媒の沸点より0.5℃〜40℃低く、
    かつ流延ドロー比が1.0以上3.0以下であることを
    特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 溶液流延製膜法によりセルローストリア
    セテートフィルムを作製するにあたり、ドープをダイか
    らの支持体上に流延する際、ダイリップにおけるドープ
    の温度を、該ドープに使用する主溶媒の沸点より3℃〜
    20℃低くすることを特徴とするセルローストリアセテ
    ートフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 支持体上の離れた位置にある2台のダイ
    を用いる溶液流延製膜法によりセルローストリアセテー
    トフィルムを作製するにあたり、2台目のダイからのド
    ープの流延幅を、1台目のダイからの流延幅より2mm
    以上35mm以下狭くすることを特徴とするセルロース
    トリアセテートフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 溶液流延製膜法によりセルローストリア
    セテートフィルムを作製するにあたり、支持体表面の両
    端に粗面化帯を設け、該粗面化帯に共にドープの流延幅
    を5〜30mm重ねて流延することを特徴とするセルロ
    ーストリアセテートフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粗面化帯の面の平均粗さが0.5〜
    2μmであることを特徴とする請求項5に記載のセルロ
    ーストリアセテートフィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 溶液流延製膜法によりセルローストリア
    セテートフィルムを作製するにあたり、支持体表面とダ
    イスリットとのなす角度が30°以上90°以下で、か
    つ該支持体表面とダイリップとの間隙が200μm以上
    10mm以下であることを特徴とするセルローストリア
    セテートフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 支持体上の離れた位置にある2台のダイ
    を用いる溶液流延製膜法によりセルローストリアセテー
    トフィルムを作製するにあたり、支持体表面と1台目と
    2台目のダイスリットとのなす角度がいずれも30°以
    上90°以下で、かつ該支持体表面と1台目のダイリッ
    プとの間隙、及び2台目のダイの流延位置での1台目の
    ダイから流延されたドープ膜の表面と2台目のダイリッ
    プとの間隙が200μm以上10mm以下であることを
    特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記溶液流延法が2種以上のドープを共
    流延する方法であることを特徴とする請求項1乃至8の
    いずれか1項に記載のセルローストリアセテートフィル
    ムの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ダイの少なくとも1台が共流延ダ
    イであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1
    項に記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方
    法。
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