JP3946526B2 - 多層膜の製造方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層膜の製造方法及び装置に関し、その製造方法及び装置から製造されたフイルムは、偏光板保護フイルム、光学補償フイルムなどの光学用途に適する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜の透明プラスチックフイルムは近年、液晶ディスプレイの偏光板の保護膜、位相差板等の光学補償フイルム、プラスチック基板、写真用支持体、あるいは動画用セルや光学フィルタ、さらにはOHPフイルムなどの光学材料として需要が増大している。
【0003】
特に最近、液晶ディスプレイは、その品質が向上したこと、および軽量で携帯性に優れていることから、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ、携帯用端末、テレビジョン、さらにはデジタルスチルカメラやムービーカメラなどに広く使用されているが、この液晶ディスプレイには画像表示のために偏光板が必須となっている。そして、液晶ディスプレイの品質の向上に合わせて、偏光板の品質向上が要求され、それと共に偏光板の保護膜である透明プラスチックフイルムも、より高品質であることが要望されている。
【0004】
偏光板の保護膜などの光学用途フイルムについては、解像力やコントラストの表示品位から高透明性、低光学異方性、平面性、易表面処理性、高耐久性(寸度安定性、耐湿熱性、耐水性)、フイルム内および表面に異物がないこと、表面に傷がなく、かつ傷が付きにくいこと(耐傷性)、適度のフイルム剛性を有すること(取扱い性)、そして適度の透水性など種々の特性を備えていることが必要であるとされている。
【0005】
これらの特性を有するフイルムの原料は、セルロースエステル、ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられるが、生産性や材料価格等の点からセルロースエステルが主に使用されている。特にセルローストリアセテートのフイルムは、極めて高い透明性を有しかつ、光学異方性が小さく、かつレターデーションが低いことから光学用途に特に有利に用いられている。
【0006】
これらのフイルムを製膜する方法としては、溶液製膜法、溶融製膜法および圧延法など各種の製膜技術が利用可能であるが、良好な平面性および低光学異方性を得るためには、溶液製膜法が特に適している。溶液製膜法は、原料フレークを溶剤に溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた高分子溶液(以下、ドープと称する)とし、このドープを水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムなどの支持体の上に、ドープ供給手段(以下、流延ダイと称する)により流延した後、支持体上である程度まで乾燥し、これにより剛性が付与された自己支持性フイルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
【0007】
フイルムを光学的用途に用いる場合には、前述の諸特性が優れていることは当然必要であるが、さらにフイルム全体の厚みの均一性が高いことが必要となる。すなわち、フイルム全体の厚みに「むら」がある場合には、そのむらの部分で光学的特性に「むら」が発生するため、光学的フイルムとしては問題となることが多い。
【0008】
このため、フイルムの広幅化に伴ない、流延膜の幅方向の流量を均一化し、製膜されるフイルムの膜厚分布の「むら」を減少させるため、マニホールドをドープの入り口方向に対して凸にしたコートハンガー形が、現在多く用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したコートハンガー形のマニホールドによっても、フイルムの生産性向上と共に、ダイ内のドープの流量がアップし、ダイ中央に位置する入り口流路から流入したドープが、マニホールドからダイ吐出口に向かう流れ方向において、流路を狭める傾斜面にぶつかる衝撃が無視できなくなり、その部分のみ膜厚みが薄くなる現象が生じていた。そこで、その部分はリップクリアランスで調整していたが、フイルムの生産性向上により、その方法でも調整が困難になりつつある。
【0010】
本発明は、流延膜の膜厚の分布差を減少させる多層膜の製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層膜の製造方法は、上部中央に設けた入り口から液を流入させて、マニホールドを介してスリット状の吐出口から前記液を吐出するダイを用いて、セルローストリアセテートを溶媒に溶解させてなるドープを前記液として、前記ダイから走行する支持体上に流延して2層以上の多層膜を製造する多層膜の製造方法において、前記ダイの吐出口に向う前記液の流れ方向に、前記液の流路が狭まる傾斜面を前記マニホールドに備え、前記入口下方の傾斜面下縁部であって、前記ダイの液拡散方向の中心を基準にして前記液拡散方向に振り分けた5〜20mmの範囲を、前記入り口に向うに従い次第に前記振り分け幅が狭くなるようにマニホールド内方向に隆起させて湾曲面を形成し、且つ前記湾曲面の曲率半径を500mm以上とすることを特徴とする。なお、前記ダイの液の入り口から前記吐出口までの圧力損失が4〜12kg/cm2の範囲であることが好ましい。また、前記多層膜は、膜厚が30〜200μmの偏光板保護フイルムまたは光学補償フイルムであることが好ましい。
【0013】
本発明の多層膜の製造装置は、上部中央に設けた入り口から液を流入させて、マニホールドを介してスリット状の吐出口から前記液を吐出するダイを用いて、セルローストリアセテートを溶媒に溶解させてなるドープを前記液として、前記ダイから走行する支持体上に流延して2層以上の多層膜を製造する多層膜の製造装置において、前記ダイの吐出口に向う前記液の流れ方向に、前記液の流路が狭まる傾斜面を前記マニホールドに備え、前記入口下方の傾斜面下縁部であって、前記ダイの液拡散方向の中心を基準にして前記液拡散方向に振り分けた5〜20mmの範囲を、前記入り口に向うに従い次第に前記振り分け幅が狭くなるようにマニホールド内方向に隆起させて湾曲面を形成し、且つ前記湾曲面の曲率半径を500mm以上とすることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
[高分子化合物]
本発明に用いられるフイルムの原料となる高分子化合物の例としては、セルロースの低級脂肪酸エステル(例えば、セルローストリアセテートなど)、ポリオレフィン類(例えば、ノルボルネン系ポリマーなど)、ポリアミド類(例えば、芳香族ポリアミドなど)、ポリスルホン類、ポリエーテル類(例えば、ポリエーテルスルホン類やポリエーテルケトン類を含む)、ポリスチレン類、ポリカーボネート類、ポリアクリル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリメタクリル酸類(例えば、ポリメチルメタクリレートなど)、ポリメタクリルアミド類、ポリビニルアルコール類、ポリウレア類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリイミド類、ポリビニルアセテート類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなど)、およびタンパク質(例えば、ゼラチンなど)を挙げることができるが、これらに限定される訳ではない。これらのうちで、光学用途フイルムの原料として好ましいのはセルロースの低級脂肪酸エステルであり、特に好ましいのはセルローストリアセテートである。
【0015】
[溶媒]
フイルムを製造するためのドープは、前述した高分子化合物を適当な溶媒に溶解することにより調製することができる。溶媒は、無機および有機溶媒のいずれをも用いることができるが、有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒の例としては、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタンなど)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなど)、エステル類(例えば、蟻酸メチル、酢酸メチルなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテルなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)を挙げることができるが、これらに限定される訳ではない。
【0016】
[ドープの調製]
ドープの調製には、公知のいずれの方法も利用できる。例えば、高分子化合物を溶媒に混合溶解する方法を利用してもよいし、あるいは冷却溶解法を利用して、高分子化合物を溶媒で膨潤させた後、この膨潤混合物を−10℃以下に冷却し、次いで0℃以上に加温して溶解する方法を利用してもよい。溶液の粘度は通常は、3〜300Pa・s(35℃での測定値)の範囲にある。多層膜の製造においては、中間層のドープの粘度が、表面および裏面層のドープの粘度より高く形成することが好ましい。また、ドープには、トリフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフタレート、ポリエステルポリウレタンエラストマー等の公知の各種の可塑剤、あるいは必要に応じてさらに、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤など公知の各種の添加剤を、ドープ調製におけるいずれかの段階で添加してもよい。
【0017】
[多層膜の製造方法]
図1は、本発明に係る多層膜製造装置を用いてフイルムを製造する概略斜視図である。図1に示した流延ダイ10には、フィードブロック型樹脂溶液合流装置(以下、フィードブロックと称する)11が上流側に取り付けられている。その流延ダイ10のダイリップの下側を連続的に移動しながら、流延ダイ10の先端のダイリップから吐出される多層流延膜13を支持する流延ベルト14とから構成されている。なお、流延ベルトは、多層フイルムの製造工程で多層流延膜の支持体として機能するものであれば、冷却ドラムなどの回転ドラムその他公知のいずれをも用いることができる。
【0018】
前述した表面層、中間層、裏面層形成用のドープ15、16、17を、それぞれのミキシングタンク内に仕込み、撹拌翼で撹拌して、均一なドープに調製する。その際に、それぞれのドープに添加剤を混合することも可能である。それぞれのドープは、それぞれのポンプにより一定の流量で、それぞれのろ過装置に送られて不純物が除去された後に、フィードブロック11に送られる。フィードブロック11に送液された表面層用ドープ15、中間層用ドープ16、裏面層用ドープ17は、フィードブロック11内で合流して平行流の合流ドープとなり、流延ダイ10に導入され、その合流ドープは、流延ベルト14の幅方向に拡げられたうえで、ダイリップから流延ベルト14の表面に吐出され、多層流延膜13を形成する。流延ベルト14は、ローラ18,19に掛け渡され、図示しない駆動装置により駆動回転している。流延ベルト14上で、徐々に多層流延膜13の溶媒が揮発して、自己支持性を有するフイルム20になる。フイルム20は、剥ぎ取りローラ21により流延ベルト14から剥ぎ取られ、乾燥装置に送られ、乾燥した後に巻き取り機により巻き取られる。なお、多層流延膜13を乾燥する手段としては公知のいずれのものを用いることができる。
【0019】
図2には、図1のII−II線の断面図を示す。また、図3には、図2の III−III 線の断面図を示す。フィードブロック11の流路30を通った合流ドープ31は、流延ダイ10に送られて流路32を通りマニホールド33で拡幅され、スリット34を通り吐出口35から、多層流延膜13として流延される。なお、マニホールド33の両側にはマニホールド栓(図示しない)が取り付けられ、合流ドープ31が流延ダイ10の側面から流出することを抑制している。
【0020】
図2に示すように、流延ダイ10に設けたマニホールド33は、吐出口35に向かう前記合流ドープ31の流れ方向に、前記合流ドープの流路を狭める傾斜面33aを備えている。そして、流延ダイ10の幅方向の中央36を基準に左右に振り分けで5〜20mmの範囲で(図2におけるW)、この傾斜面33aの一部を合流ドープ入り口方向に凸な、なだらかな湾曲面37としている。この湾曲面37は、図4に示すように、その曲率半径Rが500mm以上であり、周囲の傾斜面33aに対して円滑に接続されており、段差がないようにされている。湾曲面37の曲率半径Rは、500mm以上であることが好ましい。また、マニホールド33の拡幅幅Wdは、特に限定されないが1000〜4000mmであることが、湾曲面37が、合流ドープ10との衝撃を抑制するために好ましい。
【0021】
また、図5に示すように、湾曲面37は、流延ダイ10の合流ドープ10の入り口側から見て、ほぼ三角形状に形成されているが、湾曲面37の形状は、これに限定されることなく、その平面形状は適宜変更してよい。
【0022】
図2及び図3に示したよう流路32の入り口から吐出口35までにおいて、合流ドープ31の圧力損失を4〜12kg/cm2 の範囲にすることが、流延ダイ10から多層流延膜13の膜厚を均一にするために好ましい。圧力損失が4kg/cm2 未満であると、流路32内を通った合流ドープ31が充分にマニホールド33内で拡幅されずに流延されてしまうため、均一な多層流延膜13が得られない。また、圧力損失が12kg/cm2 を超えると、マニホールド33内で合流ドープ31に不均一な流れが生じ、多層流延膜13の各層の厚みに分布差が生じやすくなる。
【0023】
本発明の多層膜の製造方法によって製造されるフイルム20の厚さは、フイルムの原料や用途などによっても異なるが、30〜200μmであることが好ましい。得られたフイルムは、偏光板保護膜である偏光板保護フイルムとして用いることができる。この偏光板保護フイルムをポリビニルアルコールなどから形成された偏光膜の両面に貼付することで偏光板を形成することができる。さらに、このフイルム上に光学補償シートを貼付した光学補償フイルム、防眩層をフイルム上に積層させた反射防止膜などの光機能性膜として用いることもできる。これら製品からは、液晶表示装置の一部を構成することもできる。
【0024】
なお、本実施形態では、流延ダイにフィードブロックを取り付けた多層流延法によりフイルムを製膜したが、本発明は、フィードブロックを用いない単層流延における流延ダイにも適用可能である。
【0025】
【実施例】
以下に実施例1ないし4及び比較例1ないし3を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
前述した本発明に係る多層膜の製造装置を用いてフイルムを製造し、その膜厚分布を測定した。膜厚分布は、乾燥後のフイルムを赤外線膜厚計で測定し、その厚みの100mm範囲の分布幅を求め、分布幅が0.5μm未満であれば平面性が極めて良好(◎)、0.5〜1.0μm未満であれば若干平面性に問題があるがほぼ良好(○)、1.0〜2.0μmであれば若干膜厚分布に幅が生じたが製品によっては使用可能(△)、2.0μmより大きいものはフイルムの膜厚の分布幅が大きすぎ製品に使用不可能(×)の4段階評価で行なった。結果については、後に表1にまとめて示す。
【0027】
[中間層用ドープの調製]
原料にはセルローストリアセテート(酢化度60.9%)100重量部を用い、混合溶媒(メチレンクロライド300重量部とメタノール65重量部)に仕込み、さらに添加剤として、可塑剤であるトリフェニルホスフェート7.8重量部とビフェニルジフェニルホスフェート3.9重量部および紫外線吸収剤1.0重量部を加え溶解して、中間層用ドープを調製した。このドープの物性は34℃での粘度が50Pa・sであり、固形分重量が23.6%であった。
【0028】
[表面層及び裏面層用ドープの調製]
原料にはセルローストリアセテート(木材パルプ製、酢化度60.9%)87重量部を用い、混合溶媒(メチレンクロライド300重量部とメタノール65重量部)に仕込み、さらに添加剤として可塑剤であるトリフェニルホスフェート6.8重量部とビフェニルジフェニルホスフェート3.4重量部および紫外線吸収剤1.0重量部を加え溶解して、中間層用ドープを調製した。このドープの物性は34℃での粘度が36Pa・sであり、固形分重量が21.1%であった。
【0029】
[実施例1]
前述した中間層用ドープ、表面層用ドープ、裏面層用ドープを用いて、図1に示す多層の溶液製膜を行った。流延ダイ10のマニホールド33には、図2に示したWd、Rについて、それぞれ2000mm、500mmのものを用いた。また、表面層用ドープ15、中間層用ドープ16、裏面層用ドープ17は、乾燥後のフイルム膜厚が表面層及び裏面層が3μm、中間層が54μmとなるように送液し、製膜速度を70m/minでフイルムを製造した。各ドープ15、16、17を送液した際に、図2及び図3に示した流延ダイ10の流路32の入り口から吐出口35までの圧力損失は8kg/cm2 であった。また、得られたフイルムの膜厚分布を測定したところ、分布の幅は、0.4μmであり、平面性が極めて良好なフイルム(◎)が得られた。
【0030】
実施例2ないし4の各実験条件(R寸法、製膜速度、圧力損失、マニホールド幅Wd、)及び膜厚分布の評価結果については、表1にまとめて示す。また、比較例1ないし3の各実験条件(R寸法、製膜速度、圧力損失、マニホールド幅Wd、)及び膜厚分布の評価結果についても、表1にまとめて示す。なお、表1に示した実験条件以外は、実施例1と同じ方法により各実験を行なった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明の多層膜の製造方法によれば、上部中央に設けた入り口から液を流入させて、マニホールドを介してスリット状の吐出口から前記液を吐出するダイを用いて、セルローストリアセテートを溶媒に溶解させてなるドープを前記液として、前記ダイから走行する支持体上に流延して2層以上の多層膜を製造する多層膜の製造方法において、前記ダイの吐出口に向う前記液の流れ方向に、前記液の流路が狭まる傾斜面を前記マニホールドに備え、前記入口下方の傾斜面下縁部であって、前記ダイの液拡散方向の中心を基準にして前記液拡散方向に振り分けた5〜20mmの範囲を、前記入り口に向うに従い次第に前記振り分け幅が狭くなるようにマニホールド内方向に隆起させて湾曲面を形成し、且つ前記湾曲面の曲率半径を500mm以上としたから、前記液が前記マニホールドに送液された際の衝撃が抑制され、平面性に優れたフイルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層膜の製造装置を用いてフイルムを製造する方法を説明するための概略図である。
【図2】図1のII−II線の断面図である。
【図3】図2の III−III 線の断面図である。
【図4】図3のIV−IV線の断面図である。
【図5】本発明に係る多層膜の製造装置を構成する湾曲部を説明するための概略図である。
【符号の説明】
10 流延ダイ
13 多層流延膜
20 フイルム
31 合流ドープ
33 マニホールド
33a 傾斜面
34 スリット
35 吐出口
36 中心線
37 湾曲面
W 湾曲面の幅
R 湾曲面の曲率半径
Claims (4)
- 上部中央に設けた入り口から液を流入させて、マニホールドを介してスリット状の吐出口から前記液を吐出するダイを用いて、セルローストリアセテートを溶媒に溶解させてなるドープを前記液として、前記ダイから走行する支持体上に流延して2層以上の多層膜を製造する多層膜の製造方法において、
前記ダイの吐出口に向う前記液の流れ方向に、前記液の流路が狭まる傾斜面を前記マニホールドに備え、
前記入口下方の傾斜面下縁部であって、前記ダイの液拡散方向の中心を基準にして前記液拡散方向に振り分けた5〜20mmの範囲を、前記入り口に向うに従い次第に前記振り分け幅が狭くなるようにマニホールド内方向に隆起させて湾曲面を形成し、且つ前記湾曲面の曲率半径を500mm以上とすることを特徴とする多層膜の製造方法。 - 前記ダイの液の入り口から前記吐出口までの圧力損失が4〜12kg/cm2の範囲であることを特徴とする請求項1記載の多層膜の製造方法。
- 前記多層膜は、膜厚が30〜200μmの偏光板保護フイルムまたは光学補償フイルムであることを特徴とする請求項1または2記載の多層膜の製造方法。
- 上部中央に設けた入り口から液を流入させて、マニホールドを介してスリット状の吐出口から前記液を吐出するダイを用いて、セルローストリアセテートを溶媒に溶解させてなるドープを前記液として、前記ダイから走行する支持体上に流延して2層以上の多層膜を製造する多層膜の製造装置において、
前記ダイの吐出口に向う前記液の流れ方向に、前記液の流路が狭まる傾斜面を前記マニホールドに備え、
前記入口下方の傾斜面下縁部であって、前記ダイの液拡散方向の中心を基準にして前記液拡散方向に振り分けた5〜20mmの範囲を、前記入り口に向うに従い次第に前記振り分け幅が狭くなるようにマニホールド内方向に隆起させて湾曲面を形成し、且つ前記湾曲面の曲率半径を500mm以上としたことを特徴とする多層膜の製造装置。
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