JP4116192B2 - 多層樹脂フィルムの製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層流延法を利用した、特に光学用途に適した多層樹脂フィルムの製造法、そしてその製造方法により得られる多層樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜の透明プラスチックフィルム(樹脂フィルム)は近年、液晶ディスプレイの偏光板の保護膜、位相差板等の光学補償フィルム、プラスチック基板、写真用支持体、あるいは動画用セルや光学フィルタ、さらにはOHPフィルムなどの光学材料として需要が増大している。
【0003】
特に最近、液晶ディスプレイは、その品質が向上したこと、および軽量で携帯性に優れていることから、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ、携帯用端末、テレビジョン、さらにはデジタルスチルカメラやムービーカメラなどに広く使用されているが、この液晶ディスプレイには画像表示のために偏光板が必須となっている。そして、液晶ディスプレイの品質の向上に合わせて、偏光板の品質向上が要求され、それと共に偏光板の保護膜である透明樹脂フィルムも、より高品質であることが要望されている。
【0004】
偏光板の保護膜などの光学用途フィルムについては、解像力やコントラストの表示品位から高透明性、低光学異方性、平面性、易表面処理性、高耐久性(寸度安定性、耐湿熱性、耐水性)、フィルム内および表面に異物がないこと、表面に傷がなく、かつ傷が付きにくいこと(耐傷性)、適度のフィルム剛性を有すること(取扱い性)、そして適度の透水性など種々の特性を備えていることが必要であるとされている。
【0005】
これらの特性を有する樹脂フィルムとしては、セルロースエステル、ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなるフィルムがあるが、生産性や材料価格等の点からセルロースエステルが主に使用されている。特にセルローストリアセテートのフィルムは、極めて高い透明性を有しかつ、光学異方性が小さく、かつレターデーションが低いことから光学用途に特に有利に用いられている。
【0006】
これらの樹脂フィルムを製膜する方法としては、溶液製膜法、溶融製膜法および圧延法など各種の製膜技術が利用可能であるが、良好な平面性および低光学異方性を得るためには、溶液製膜法が特に適している。溶液製膜法は、原料フレークを溶剤に溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)とし、このドープを水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムなどの支持体の上に、ドープ供給手段(ダイと称する)により流延した後、支持体上である程度まで乾燥し、これにより剛性が付与された自己支持性フィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
【0007】
樹脂フィルムを光学的用途に用いる場合には、前述の諸特性が優れていることは当然必要であるが、さらにフィルム全体の厚みの均一性が高いことが必要となる。すなわち、フィルム全体の厚みに「むら」がある場合には、そのむらの部分で光学的特性に「むら」が発生するため、光学的フィルムとしては問題となることが多い。
【0008】
光学的均一性の高い樹脂フィルムを工業的に製造するための有利な方法を求めて、様々な試みがなされているが、単一樹脂膜では光学的均一性の高い樹脂フィルムを製造することが容易でないことから、現在では、溶液粘度の異なる二種類以上のドープを用い、多層流延法を利用して多層流延樹脂膜を形成し、これを乾燥して製造した多層樹脂フィルムを光学用途フィルムとして用いることが主流となっている。
【0009】
溶液製膜法を利用して多層流延樹脂膜や多層樹脂フィルムを製造する場合、フィードブロック型流延ダイを用いることが多い。このフィードブロック型流延ダイは、流延ダイの上流側に、二種以上の樹脂溶液(ドープ)を合流させる合流手段を接合した流延装置である。フィードブロック型流延ダイの代表的な構造は、中央にコア層となる樹脂の溶液を通す流路を設け、その両側に表側の表面層と裏面側の表面層となる樹脂の溶液を通し、かつ後者の二つの溶液流が前者の溶液流の両面に合流するような構造である。
【0010】
上記のフィードブロック型流延ダイを用いる多層樹脂フィルムの製造方法の例として、コア層となる樹脂層を相対的に高粘度の樹脂溶液を用い、表裏の表面層を相対的に低粘度の樹脂溶液を用いて多層流延樹脂膜を形成させた後、乾燥剥離を行なうことによる方法がある(特公昭62−43846号公報に記載されている)。この公報の記載によると、このような製造方法を利用することにより、メルトフラクチャー(溶融破壊)などの異常特性が発生しにくい樹脂フィルムを製造することができるとされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、フィードブロック型流延ダイを用いて粘度が異なる樹脂溶液から多層樹脂フィルムを製造するための諸条件を検討しているうちに、樹脂溶液のフィードブロック型流延ダイの内部での滞留時間の相違が、製造される多層樹脂フィルムの厚みむらに影響を与えることに気付いた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の知見に基づいて、本発明者は、更に検討した結果、粘度が大きく異なる二種以上の樹脂溶液をフィードブロック型流延ダイを用いて製膜する場合に、樹脂溶液が、合流した後、流延ダイから吐出される迄の時間を一定の範囲に制限することにより厚みむらの少ない多層流延樹脂フィルムが得られ、そのような厚みむらの少ない多層流延樹脂膜から、厚みむらの少ない多層樹脂フィルムが製造できることを見いだした。
【0013】
従って、本発明は、50〜700ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に低い粘度の樹脂溶液と、該樹脂溶液の粘度の2乃至10倍で500〜2500ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に高い粘度の樹脂溶液とをそれぞれの流路から送液してフィードブロック型樹脂溶液合流装置にて合流させて互い界面にて接する樹脂溶液平行流とした後、共流延ダイに導入し、その樹脂溶液平行流を流延ダイの流路を通してダイリップから支持体の上に吐出させて多層流延樹脂膜を形成させ、これを乾燥することからなる厚さが20〜500μmの多層樹脂フィルムの製造法において、合流する流量を調節するため切り欠き溝ピンを用い樹脂溶液の合流時点から計算して5〜25秒間の間に流延ダイからの吐出を行なうことを特徴とする多層樹脂フィルムの製造法にある。
【0014】
本発明はまた、50〜700ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に低い粘度の樹脂溶液A、該樹脂溶液の粘度の2乃至10倍で500〜2500ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に高い粘度の樹脂溶液B、そして該樹脂溶液Bの粘度の1/2〜1/10で50〜700ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に低い粘度の樹脂溶液Cをそれぞれの流路から送液してフィードブロック型樹脂溶液合流装置にて合流させ、樹脂溶液A/樹脂溶液B/樹脂溶液Cの順に互い界面にて接する樹脂溶液平行流としたのち、共流延ダイに導入し、その樹脂溶液平行流を流延ダイの流路を通してダイリップから支持体の上に吐出させて多層流延樹脂膜を形成させ、これを乾燥することからなる厚さが20〜500μmの多層樹脂フィルムの製造法において、合流する流量を調節するため切り欠き溝ピンを用い樹脂溶液の合流時点から計算して5〜25秒間の間に流延ダイからの吐出を行なうことを特徴とする多層樹脂フィルムの製造法にもある。
【0015】
本発明はまた、上記の製造法により得られた多層樹脂フィルムにもある。
【0016】
本発明の多層樹脂フィルムの製造に用いる樹脂はセルロースエステルであることが好ましく、なかでもセルローストリアセテートであることが特に好ましい。そして、本発明の多層樹脂フィルムの製造に用いる相対的に低い粘度の樹脂溶液の粘度は50〜700ポイズの範囲にあることが望ましく、また相対的に高い粘度の樹脂溶液の粘度は500〜2500ポイズの範囲にあることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の多層樹脂フィルムの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の多層樹脂フィルムの製造のための多層流延樹脂膜の形成に利用することのできる、フィードブロック型樹脂溶液合流装置を備えた流延ダイを含む装置の構成と作動とを概略的に説明する斜視図である。図1において、多層流延樹脂膜製造装置は、フィードブロック型樹脂溶液(ドープ)合流装置1を備えた共流延ダイ2と、その共流延ダイ2のダイリップの下側を連続的に移動しながら、共流延ダイ2の先端のダイリップから吐出される多層流延樹脂膜を支持する支持体(多層樹脂フィルム製造工程で支持体として機能する金属ベルトや回転ドラムなどを意味する)3とから構成されている。フィードブロック型樹脂溶液(ドープ)合流装置1内で合流して平行流となったドープは、共流延ダイ2に導入され、その平行ドープ流を幅方向に拡げられたうえで、ダイリップから支持体3の表面に吐出され、多層流延樹脂膜4を形成する。多層流延樹脂膜4は、支持体3と共に連続的に移動しながら、部分的に乾燥され、次いで、支持体3から、剥ぎ取りロール5により剥ぎ取られる。なお、この図1に示した多層流延樹脂膜製造装置自体は、既に公知である。
【0019】
図2には、フィードブロック型樹脂溶液合流装置1を備えた共流延ダイ2の構成を更に詳しく示す断面図が示されている。このフィードブロック型樹脂溶液合流装置1では、矢印に沿って樹脂溶液が送液される。
【0020】
図3は、共流延ダイ2から、支持体3の表面に多層状態で吐出される樹脂溶液流の状態と、その樹脂溶液流から支持体4の表面に生成する多層流延樹脂膜3の状態を示す斜視図である。
【0021】
本発明においてドープを連続的に合流させるために用いるドープ合流手段は、フィードブロック型のものであれば種類は問わない。また、共流延ダイの内部の形状はコートハンガーダイ、Tダイなど任意の形状であってよい。多層流延樹脂膜の支持体としては、表面が鏡面処理された連続の金属製バンド(図1参照)であってもよいし、あるいは冷却ドラム等の回転ドラムであってもよい。
【0022】
支持体上である程度乾燥されて自己支持性となった多層流延樹脂膜を、公知の手段により支持体から剥ぎ取り、そして同じく公知の適当な搬送手段を用いて乾燥部を通過させて更に溶媒を除去し、本発明の目的物である多層樹脂フィルムを得ることができる。流延膜を乾燥する手段としては公知の各種の任意の手段を利用することができる。
【0023】
本発明の製造対象である多層流延樹脂膜や多層樹脂フィルムの製造に用いる原料樹脂の例としては、セルロースの低級脂肪酸エステル(例、セルローストリアセテート)、ポリオレフィン類(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリアミド類(例、芳香族ポリアミド)、ポリスルホン類、ポリエーテル類(ポリエーテルスルホン類やポリエーテルケトン類を含む)、ポリスチレン類、ポリカーボネート類、ポリアクリル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリメタクリル酸類(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリメタクリルアミド類、ポリビニルアルコール類、ポリウレア類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリイミド類、ポリビニルアセテート類、ポリビニルアセタール類(例、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール)、およびタンパク質(例、ゼラチン)を挙げることができる。これらのうちで、光学用途フィルムの原料として好ましいのはセルロースの低級脂肪酸エステルであり、特に好ましいのはセルローストリアセテートである。
【0024】
多層樹脂フィルムを製造するための樹脂溶液(ドープ)は、原料樹脂を適当な有機溶媒に溶解することにより調製することができる。有機溶媒の例としては、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)を挙げることができる。原料樹脂としてセルロースエステルを用いる場合には、その溶液に、トリフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフタレート、ポリエステルポリウレタンエラストマー等の公知の各種の可塑剤、あるいは必要に応じて更に、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤など公知の各種の添加剤を添加してもよい。
【0025】
溶液(ドープ)の調製には、周知の方法により、原料樹脂等を溶媒に混合溶解する方法を利用してもよいし、あるいは冷却溶解法を利用して、原料樹脂等を溶媒で膨潤させた後、この膨潤混合物を−10℃以下に冷却し、次いで0℃以上に加温して溶解する方法を利用してもよい。溶液の粘度は通常は、30〜3000P(ポアズ、35℃での測定値)の範囲にある。
【0026】
図4は、図1及び図2のフィードブロック型樹脂溶液(ドープ)合流装置1に相当する装置の内部構造を示す図である。
【0027】
図4のフィードブロック型樹脂溶液(ドープ)合流装置は、多層流延樹脂膜の中央樹脂層を形成するドープを流通させる中間層流路、そして中央樹脂層の両側に形成される外側樹脂層を形成するドープを流通させるための二本の外層流路から構成されており、その合流部には、外層流路から合流するドープの流量を調節するための切り欠き溝ピンが備えられている。この切り欠き溝ピンの構造を示すのが図5である。この切り欠きピンの溝の深さは、目的の外層樹脂層の厚さに応じて適宜調節されるが、通常は、0.1〜5mm程度の範囲から選ばれる。
【0028】
本発明の製造方法によって製造される多層樹脂フィルムの厚さは、フィルムの原料や用途などによっても異なるが、一般には20〜500μmの範囲にあり、好ましくは40〜200μmの範囲である。
【0029】
【実施例】
[実施例1〜2]
(1)下記の中央層形成用高粘度ドープと外側層形成用低粘度ドープをそれぞれ用意した。
1)中央層形成用高粘度ドープ
樹脂:セルローストリアセテート
溶剤:メチレンクロリド、メタノール、ブタノールの混合溶剤
可塑剤:トリフェニルホスフェートとビフェニルジフェニルホスフェート
添加剤:紫外線吸収剤
粘度:700ポイズ
2)外側層形成用低粘度ドープ
樹脂:セルローストリアセテート
溶剤:メチレンクロリド、メタノール、ブタノールの混合溶剤
可塑剤:トリフェニルホスフェートとビフェニルジフェニルホスフェート
添加剤:コロイダルシリカ、劣化防止剤、紫外線吸収剤
粘度:200ポイズ
【0030】
(2)上記の高粘度ドープと低粘度ドープとから、図4と5に示した切り欠きピンを備えたフィードブロック型樹脂溶液合流装置を用い、ピン溝深さと合流後の吐出までのドープ滞留時間を変えて、総厚み60μmの三層樹脂フィルムを製造した。そして、得られた三層樹脂フィルムの厚み精度(比率)を連続厚み計を用いて測定した。その結果を第1表に示す。
【0031】
[比較例1〜2]
ドープ滞留時間を変えた以外は、実施例1と実施例2と同じ高粘度ドープと低粘度ドープ、そして同じフィードブロック型樹脂溶液合流装置を用いて、総厚み60μmの三層樹脂フィルムを製造した。そして、得られた三層樹脂フィルムの厚み精度(比率)を連続厚み計を用いて測定した。その結果を第1表に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004116192
【0033】
[実施例3〜4]
(1)下記の中央層形成用高粘度ドープと外側層形成用低粘度ドープをそれぞれ用意した。
1)中央層形成用高粘度ドープ
樹脂:セルローストリアセテート
溶剤:メチルアセテート、エタノール、シクロヘキサノールの混合溶剤
可塑剤:トリアセチン
添加剤:紫外線吸収剤
粘度:1500ポイズ
2)外側層形成用低粘度ドープ
樹脂:セルローストリアセテート
溶剤:メチルアセテート、エタノール、シクロヘキサノールの混合溶剤
可塑剤:トリアセチン
添加剤:コロイダルシリカ、劣化防止剤、紫外線吸収剤
粘度:400ポイズ
【0034】
(2)上記の高粘度ドープと低粘度ドープとから、図4と5に示した切り欠きピンを備えたフィードブロック型樹脂溶液合流装置を用い、ピン溝深さと合流後の吐出までのドープ滞留時間を変えて、総厚み200μmの三層樹脂フィルムを製造した。そして、得られた三層樹脂フィルムの厚み精度(比率)を連続厚み計を用いて測定した。その結果を第1表に示す。
【0035】
[比較例3〜4]
ドープ滞留時間を変えた以外は、実施例3と実施例4と同じ高粘度ドープと低粘度ドープ、そして同じフィードブロック型樹脂溶液合流装置を用いて、総厚み200μmの三層樹脂フィルムを製造した。そして、得られた三層樹脂フィルムの厚み精度(比率)を連続厚み計を用いて測定した。その結果を第2表に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0004116192
【0037】
すなわち、第1表と第2表の結果から明らかなように、溶液製膜法を利用して多層樹脂フィルムを製造する場合において、本発明の製造条件を利用することにより、厚み精度の高い多層樹脂フィルムを得ることができることが分る。
【0038】
なお、上記においては三層構造の場合を例にとって説明したが、本発明の多層樹脂フィルムの製造方法は、三層以外の多層構造のフィルムであっても、同様に好適に実施することができる。
【0039】
【発明の効果】
溶液製膜法を利用して多層樹脂フィルムを製造する場合において、本発明の製造条件を利用することにより、厚み精度の高い多層樹脂フィルムを得ることができる。従って、本発明の製造方法により得られる多層樹脂フィルムは、特に光学用途に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィードブロック型樹脂溶液合流装置を備えた流延ダイを含む装置の構成と作動とを概略的に説明する斜視図。
【図2】フィードブロック型樹脂溶液合流装置を備えた共流延ダイの構成を更に詳しく示す断面図である。
【図3】共流延ダイから、支持体の表面に多層状態で吐出される樹脂溶液流の状態と、その樹脂溶液流から支持体の表面に生成する多層流延樹脂膜の状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に従う多層流延樹脂膜の製造工程の実施に有利に用いることのできるフィードブロック型樹脂溶液合流装置の内部構造を説明する概略断面図である。
【図5】図4に記載されている切り欠き溝ピンの構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フィードブロック型樹脂溶液(ドープ)合流装置
2 共流延ダイ
3 支持体
4 多層流延樹脂膜
5 剥ぎ取りロール

Claims (11)

  1. 50〜700ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に低い粘度の樹脂溶液と、該樹脂溶液の粘度の2乃至10倍で500〜2500ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に高い粘度の樹脂溶液とをそれぞれの流路から送液してフィードブロック型樹脂溶液合流装置にて合流させて互い界面にて接する樹脂溶液平行流とした後、共流延ダイに導入し、その樹脂溶液平行流を流延ダイの流路を通してダイリップから支持体の上に吐出させて多層流延樹脂膜を形成させ、これを乾燥することからなる厚さが20〜500μmの多層樹脂フィルムの製造法において、合流する流量を調節するため切り欠き溝ピンを用い樹脂溶液の合流時点から計算して5〜25秒間の間に流延ダイからの吐出を行なうことを特徴とする多層樹脂フィルムの製造法。
  2. 製造される多層樹脂フィルムの厚さが40〜200μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の多層樹脂フィルムの製造法。
  3. 樹脂がいずれもセルローストリアセテートであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の多層樹脂フィルムの製造法。
  4. 切り欠き溝ピンの切り欠き溝の深さが0.1〜5mmの範囲にある請求項1に記載の多層樹脂フィルムの製造法。
  5. 樹脂溶液の合流時点から計算して9〜25秒間の間に流延ダイからの吐出を行なう請求項1に記載の多層樹脂フィルムの製造法。
  6. 50〜700ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に低い粘度の樹脂溶液A、該樹脂溶液Aの粘度の2乃至10倍で500〜2500ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に高い粘度の樹脂溶液B、そして該樹脂溶液Bの粘度の1/2〜1/10で50〜700ポイズの範囲にある粘度を有する相対的に低い粘度の樹脂溶液Cをそれぞれの流路から送液してフィードブロック型樹脂溶液合流装置にて合流させ、樹脂溶液A/樹脂溶液B/樹脂溶液Cの順に互い界面にて接する樹脂溶液平行流としたのち、共流延ダイに導入し、その樹脂溶液平行流を流延ダイの流路を通してダイリップから支持体の上に吐出させて多層流延樹脂膜を形成させ、これを乾燥することからなる厚さが20〜500μmの多層樹脂フィルムの製造法において、合流する流量を調節するため切り欠き溝ピンを用い樹脂溶液の合流時点から計算して5〜25秒間の間に流延ダイからの吐出を行なうことを特徴とする多層樹脂フィルムの製造法。
  7. 製造される多層樹脂フィルムの厚さが40〜200μmの範囲にあることを特徴とする請求項6に記載の多層樹脂フィルムの製造法。
  8. 樹脂がいずれもセルローストリアセテートであることを特徴とする請求項6あるいは7に記載の多層樹脂フィルムの製造法。
  9. 切り欠き溝ピンの切り欠き溝の深さが0.1〜5mmの範囲にある請求項6に記載の多層樹脂フィルムの製造法。
  10. 樹脂溶液の合流時点から計算して9〜25秒間の間に流延ダイからの吐出を行なう請求項6に記載の多層樹脂フィルムの製造法。
  11. 請求項1乃至10のうちのいずれかの項に記載の製造法により得られた多層樹脂フィルム。
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