JP3896393B2 - 高表面平滑性セルロースエステルフィルム及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に光学用途に適したセルロースエステルフィルム及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜の透明プラスチックフィルムは近年、偏光板の保護膜、位相差板等の光学補償フィルム、プラスチック基板、写真用支持体あるいは動画用セルや光学フィルタ、さらにはOHPフィルムなどの光学材料として需要が増大している。最近では液晶ディスプレイが、TN、STN、TFTと品質が向上したこと、および軽量で携帯性に優れていることから、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ、携帯用端末、テレビ、さらにはデジタルスチルカメラやムービーカメラなどに広く使用されているが、この液晶ディスプレイには画像表示のために偏光板が必須となっている。液晶ディスプレイの品質の向上に合わせて、偏光板の品質向上が要求され、それと共に偏光板の保護膜である透明プラスチックフィルムもより高品質であることが要望されている。
【0003】
偏光板の保護膜などの光学用途フィルムについては、解像力やコントラストの表示品位から高透明性、低光学異方性、平面性、易表面処理性、高耐久性(寸度安定性、耐湿熱性、耐水性)、フィルム内および表面に異物がないこと、表面に傷がないか、または付きにくいこと(耐傷性)、適度のフィルム剛性を有すること(取扱い性)、適度の透水性など種々の特性を備えていることが必要である。
【0004】
これらの特性を有するプラスチックフィルムとしては、セルロースエステル、ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなるフィルムがあるが、生産性や材料価格等の点からセルロースエステルが主に使用されている。特にセルローストリアセテートのフィルムは、極めて高い透明性を有しかつ、光学異方性が小さく、レターデーションが低いことから光学用途に特に有利に用いられている。
【0005】
これらのプラスチックフィルムを製造する方法としては、溶液製膜法、溶融製膜法および圧延法など各種の製膜技術が利用可能であるが、良好な平面性および低光学異方性を得るためには、溶液製膜法が特に適している。溶液製膜法は、原料フレークを溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段(ダイと称する)により流延した後、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
セルロースエステルフィルム中に異物が混入していると、フィルムの透明性や表面の平面性の低下をもたらし、フィルムとしての品質を損ないがちである。特に、表面付近に存在する異物はフィルム表面に突起となって微小の凸部を形成するために、表面の平滑度を著しく低下させる大きな原因となっている。例えば、液晶表示装置素子の偏光板の保護用に用いる光学用途フィルムにおいてはとりわけ、これら表面の突起は偏光板の偏光機能の低下などその光学特性に悪影響を与える。また、偏光板の保護膜等として用いる場合にはフィルムを偏光板上に積層した状態で使用するが、表面の平滑度が低いと、この積層特性も低下することになる。さらに、光学用途のフィルムは通常、製造後にロール状に巻き取った状態で貯蔵、出荷されるが、表面が滑らかでないとその巻取りや巻出しの操作がスムーズに行かず手間取ったり、表面に傷がつく原因となったりする。
【0007】
セルロースエステルフィルムの表面や内部への異物の混入を避けるための技術として、フィルム製造に用いるセルロースエステル溶液をフィルタを用いて濾過する方法は既に知られている。従って、セルロースエステルフィルムの表面や内部への異物の混入、特に相対的に大きなサイズの粒状物の混入を避けるための方法として、濾過精度の高い(すなわち、目の細かい)フィルタを用いてセルロースエステルフィルム溶液を濾過することは当然考えられることになる。しかしながら、濾過精度の高いフィルタを用いる濾過は、その濾過に非常に高い圧力が必要となり、また濾過時間も長くなるため、生産効率の大幅な低下をもたらす。
【0008】
従って本発明は、表面および表面近傍の異物、特にサイズの大きい異物の混入が少なく、かつ表面平滑度の高いセルロースエステルフィルムおよびそのセルロースエステルフィルムを生産性を大幅な低下を引き起こすこと無く製造するための工業的に有利な製造法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、フィルムに混入する異物の大半は製造の際にセルロースエステルの溶液中に含まれる不溶物や不純物であると考え、従来のセルロースエステルフィルムの製造方法の再検討を行った。その結果、これまででは製膜に先立ってセルロースエステル溶液を絶対濾過精度が0.01mm程度の濾材を用いて濾過することが行われているが、その程度の濾過精度の濾材の使用では、不溶物等の微小な異物の除去には充分でないことが分った。一方、従来のセルロースエステル溶液についてそのまま濾過精度の高い(すなわち、孔径の小さい)濾材を用いて濾過を行ったのでは、高い濾過圧力が必要になったり、長時間を要したりして、濾過工程に大きな負荷がかかり、生産性が落ちてしまう。
【0010】
そこで、本発明者は、異物が突起となって表面の平滑度の低下をもたらす表面付近のみを高い濾過精度のフィルタで濾過したセルロースエステル溶液を用いて形成することにより、生産性をそれほど低下させることなく、効率良く表面付近における異物を混入を抑制することができ、従って平滑度の高いセルロースエステルフィルムを製造できることを見い出した。ただし、この高い濾過精度のフィルタで濾過したセルロースエステル溶液を予め製膜したセルロースエステルフィルム(基体)の上に単に製膜被覆したり、あるいは基体フィルムと被覆フィルムとを別々に製造して、これらを単に積層したのでは、基体フィルム層と被覆フィルム層との間での剥離が起こりやすく、また特に光学用途で問題となるフィルム内部での光の異常反射や異常分散の原因となる。そこで、本発明者は更に研究を行った結果、このような積層フィルムで問題となる層間の剥離や光学特性の低下は、基体フィルムと被覆フィルム(表面側フィルム)との積層を同時重層塗布法を利用することによって回避することができることを見いだした。
【0011】
従って、本発明は、フィルタを用いて濾過したセルロースエステル溶液から形成したセルロースエステル基体フィルムの少なくとも一方の表面に、上記のフィルタよりも濾過精度の高いフィルタを用いて濾過したセルロースエステル層が、セルロースエステル基体フィルムとの間に境界面を形成することなく積層されていることを特徴とする高平滑性表面を持つセルロースエステルフィルム積層体にある。
【0012】
本発明はまた、フィルタを用いて濾過したセルロースエステル溶液と上記フィルタよりも濾過精度の高いフィルタを用いて濾過したセルロースエステル溶液とを仮支持体の表面に同時流延法により塗布し、乾燥後、その乾燥膜を仮支持体から剥ぎ取ることを特徴とする高平滑性表面を持つセルロースエステルフィルム積層体の製造法にもある。
【0013】
以下に、本発明のセルロースエステルフィルムおよびその製造法の好ましい態様を挙げる。
(1)セルロースエステル基体フィルム形成用のセルロースエステル溶液の濾過に用いたフィルタの絶対濾過精度が0.005mm以上で、0.1mm以下であり、セルロースエステル層形成用のセルロースエステル溶液の濾過に用いたフィルタの絶対濾過精度が0.005mm未満、0.0005mm以上である上記のセルロースエステルフィルム積層体。
(2)セルロースエステル基体フィルム形成用のセルロースエステル溶液の濾過に用いたフィルタの絶対濾過精度に対する、セルロースエステル層形成用のセルロースエステル溶液の濾過に用いたフィルタの絶対濾過精度の比が前者100に対して5乃至50である上記のセルロースエステルフィルム積層体。
【0014】
(3)セルロースエステル基体フィルム形成用のセルロースエステルと、セルロースエステル層形成用のセルロースエステルが共にセルローストリアセテートである上記のセルロースエステルフィルム積層体。
(4)上記セルロースエステル基体フィルムの両側の表面に上記セルロースエステル層が積層されてなる上記のセルロースエステルフィルム積層体。
【0015】
(5)液晶表示装置の偏光板の保護フィルム用である上記のセルロースエステルフィルム積層体。
(6)表面セルロースエステル層の厚さが5〜20μmの範囲にある上記のセルロースエステル積層体。
【0016】
(7)セルロースエステル基体フィルム製造用のセルロースエステル溶液の濾過に絶対濾過精度が0.005mm以上で、0.1mm以下のフィルタを用い、表面セルロースエステル層形成用のセルロースエステル溶液の濾過に絶対濾過精度が0.005mm未満、0.0005mm以上であるフィルタを用いることを特徴とする上記のセルロースエステルフィルム積層体の製造法。
(8)セルロースエステル基体フィルム製造用のセルロースエステル溶液の粘度が、表面セルロースエステル層形成用のセルロースエステル溶液の粘度よりも低いことを特徴とする上記のセルロースエステルフィルム積層体の製造法。
(9)粘度が異なる二種類以上のセルロースエステルの溶液が、300〜1000Pの範囲の高粘度のセルロースエステル溶液と50〜300Pの範囲の低粘度のセルロースエステル溶液である上記のセルロースエステルフィルム積層体の製造法。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のセルロースエステルフィルム積層体およびその製造法について、三層構造(表面フィルム層/基体フィルム層/表面フィルム層)のセルロースエステルフィルム積層体を例にとって詳細に説明する。
【0018】
原料樹脂のセルロースエステルとしては、たとえば、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースの低級脂肪酸エステルを用いることができる。特に好ましいのはセルローストリアセテートである。
【0019】
まず、原料樹脂を適当な有機溶媒に溶解して、セルロースエステルの溶液(ドープ)を調製する。有機溶媒の例としては、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)を挙げることができる。セルロースエステルの溶液には、トリフェニルフォスフェート、ジエチルフタレート、ポリエステルポリウレタンエラストマー等の公知の各種の可塑剤、あるいは必要に応じて更に紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤など公知の各種の添加剤を添加してもよい。
【0020】
本発明において、表面層形成用のセルロースエステル溶液と内層形成用のセルロースエステル溶液とは同一であってもよいし、あるいは異なっていてもよい。ただし、用いるセルロースエステル自体は同一のものを用いることが好ましい。またに、基体セルロースエステルフィルムの両側に本発明に従う表面層(表面側セルロースフィルム層)を設ける場合には、表面層形成用の溶液は両側とも同一でも、あるいは異なっていてもよい。
【0021】
濾過工程における負荷(濾過に必要な濾過圧力)をより軽減するためには、表面層形成用の溶液は低粘度であるのが好ましく、一般には50〜300P(ポアズ、35℃)の範囲である。一方、内層(基体層)形成用の溶液の粘度は従来より使用している範囲から任意に選択することができるが、好ましくは、300〜1000P(35℃)の範囲である。
【0022】
セルロースエステルフィルム溶液(ドープ)の調製は、周知の方法により、原料樹脂等を溶媒に混合溶解してもよいし、あるいは冷却溶解法により、原料樹脂等を溶媒で膨潤させた後この膨潤混合物を−10℃以下に冷却し、次いで0℃以上に加温して溶解してもよい。
【0023】
次に、表面層形成用のセルロースエステル溶液を、絶対濾過精度が0.005mm以下の濾過材を用いて濾過する。濾過圧力や濾過時間等の操作性を考慮すると、絶対濾過精度は好ましくは0.0005〜0.005mmの範囲にあり、さらに好ましくは0.001〜0.005っmの範囲にある。濾過材としては、上記の絶対濾過精度を有する限り、濾紙など公知の任意の濾過材を用いることができる。このように濾過精度の高い濾材で濾過することにより、エステル化されていないセルロースなど微小の不溶物、および混入した異物を効果的に除去することができる。
【0024】
一方、内層(基体層)形成用のセルロースエステル溶液は、不溶物や異物などを大まかに除去する目的で、従来行っているように絶対濾過精度が0.01mm程度(0.005mm以上で、0.1mm以下)の濾材を用いて濾過することが望ましい。
【0025】
次いで、これらのセルロースエステル溶液(ドープ)を流延ダイを用いて支持体(仮支持体)上に同時重層流延する。この際に、上記の高精度濾過した表面層形成用の溶液が両外側に、内層形成用の溶液が内側になるように配置する。流延方法としては、マルチマニホールドダイなどの共流延ダイを用いて溶液を支持体上に同時に流延する方法、および単層用のダイを用いて溶液をそれぞれ支持体上に逐次吐出させて、それぞれが湿潤状態にあるうちに重層流延する方法などの従来公知の方法を利用することができるが、好ましくは同時重層流延法である。支持体としては、表面が鏡面処理された連続の金属性バンドであってもよいし、あるいは冷却ドラム等の回転ドラムであってもよい。
【0026】
その後、支持体上である程度乾燥して剛性が付与された流延膜を支持体から剥ぎ取り、そして適当な搬送手段により乾燥部を通過させて溶媒を除去する。溶液を流延、乾燥する手段としては公知の各種の手段を利用することができる。
【0027】
このようにして、内層とその両側に形成された異物の顕著に減少した表面層とからなる三層構造で、かつ表面層/内層(基体層)/表面層のいずれの界面においても、隣接する層間が連続層を形成し、それぞれの間に明確な境界面が形成されていないセルロースエステルフィルムを製造することができる。そしえ、たとえば、本発明においては直径が0.01mm以上の突起が全くない表面層を形成することができる。
【0028】
本発明のセルロースエステルフィルム積層体の表面層の厚さは、フィルム全体の厚さや、その層の組成などによっても異なるが、一般には1〜50μmの範囲にあり、好ましくは5〜20μmの範囲である。また、フィルム全体の厚さは、フィルムの用途などによっても異なるが、一般には20〜500μmの範囲にあり、好ましくは50〜100μmの範囲である。
【0029】
なお、上記においては三層構造の場合を例にとって説明したが、本発明においては、基体フィルムの一方の側にのみ上記高精度濾過した溶液からなる表面層を形成して二層構造としてもよいし、あるいは多種類の溶液を用いて四層以上の構成としてもよい。
【0030】
【実施例】
[実施例1]
表1に示す組成の原料を撹拌しながら混合して溶解し、内層および表面層用のドープをそれぞれ調製した。次に、表面層用ドープを絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)にて濾過した。また、内層用ドープも絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)にて濾過した。
【0031】
【表1】
【0032】
これらのドープを三層共流延ダイを用い、内層用ドープが内側に表面層用ドープが両外側になるように配置して金属支持体上に同時に吐出させて重層流延した後、流延膜を支持体から剥ぎ取り、乾燥して、本発明の三層構造のセルロースアセテートフィルム積層体(内層の厚さ:80μm、各表面層の厚さ:10μm)を製造した。
【0033】
[比較例1]
実施例1において、内層用ドープのみを用いて単層流延したこと以外は実施例1と同様にして、比較のためのセルロースアセテートフィルム(全体の厚さ:100μm)を製造した。
【0034】
[実施例2]
表2に示す組成の原料を混合して30℃で4時間膨潤させた後、この膨潤物を−70℃まで冷却して5分間保持し、次に50℃まで加温して溶解し、内層および表面層用のドープをそれぞれ調製した。
【0035】
【表2】
【0036】
次いで、実施例1と同様にして各ドープを濾過した後同時重層流延して、本発明の三層構造のセルロースアセテートフィルム(内層の厚さ:80μm、各表面層の厚さ:10μm)を製造した。
【0037】
[比較例2]
実施例2において、内層用ドープのみを用いて単層流延したこと以外は実施例2と同様にして、比較のためのセルロースアセテートフィルム(全体の厚さ:100μm)を製造した。
【0038】
[フィルムの評価]
各セルロースアセテートフィルムについて、以下のようにして表面の平滑度を評価した。フィルム表面を光学顕微鏡(50倍)で観察して、直径が0.01mm以上の突起の数を測定した。得られた結果をまとめて表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
表3に示した結果から明らかなように、表面層用ドープを絶対濾過精度0.005mm以下の濾材で濾過して製造した本発明の三層構造のセルロースアセテートフィルム(実施例1、2)はいずれも、フィルム表面に直径0.01mm以上の突起は全く発生せず、従来の単層構造のフィルム(比較例1、2)と比較しても突起が顕著に減少しており、従って平滑度の非常に高い表面を有していた。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、セルロースエステルフィルムの表面付近のみを高精度濾過した溶液を用いて形成することにより、生産性をそれほど低下させずに、不溶物などの微小な異物の混入を防いでフィルム表面の平滑度を顕著に高めることができる。特に、低粘度の溶液を高精度濾過することにより濾過工程に大きな負荷をかけることなく、表面平滑度が極めて向上したセルロースエステルフィルムを得ることができる。これにより、光学特性、積層特性、ロールから巻き出す際の操作性などのセルロースエステルフィルムの諸特性を改善することができる。
Claims (9)
- 絶対濾過精度が0.005mm以上で、0.1mm以下であるフィルタを用いて濾過したセルロースエステル溶液から形成したセルロースエステル基体フィルムの少なくとも一方の表面に、絶対濾過精度が0.005mm未満、0.0005mm以上であるフィルタを用いて濾過したセルロースエステル溶液から形成したセルロースエステル層が、セルロースエステル基体フィルムとの間に境界面を形成することなく積層されていることを特徴とする直径が0.01mm以上の突起が全くない高表面平滑性のセルロースエステルフィルム積層体。
- セルロースエステル層が5〜20μmの範囲に厚さを有し、フィルム積層体全体が50〜100μmの範囲に厚さを有する請求項1に記載のセルロースエステルフィルム積層体。
- セルロースエステル基体フィルム形成用のセルロースエステル溶液の濾過に用いたフィルタの絶対濾過精度に対する、セルロースエステル層形成用のセルロースエステル溶液の濾過に用いたフィルタの絶対濾過精度の比が前者100に対して5乃至50である請求項1及び2のうちのいずれかの項に記載のセルロースエステルフィルム積層体。
- セルロースエステル基体フィルム形成用のセルロースエステルと、セルロースエステル層形成用のセルロースエステルが共にセルローストリアセテートである請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載のセルロースエステルフィルム積層体。
- 上記セルロースエステル基体フィルムの両側の表面に上記セルロースエステル層が積層されてなる請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載のセルロースエステルフィルム積層体。
- 液晶表示装置の偏光板の保護フィルム用である請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載のセルロースエステルフィルム積層体。
- 絶対濾過精度が0.005mm以上で、0.1mm以下であるフィルタを用いて濾過したセルロースエステル溶液と絶対濾過精度が0.005mm未満、0.0005mm以上であるフィルタを用いて濾過したセルロースエステル溶液とを仮支持体の表面に同時流延法により塗布し、乾燥後、その乾燥膜を仮支持体から剥ぎ取ることを特徴とする直径が0.01mm以上の突起が全くない高表面平滑性のセルロースエステルフィルム積層体の製造法。
- セルロースエステル層が5〜20μmの範囲に厚さを有し、フィルム積層体全体が50〜100μmの範囲に厚さを有することを特徴とする請求項7に記載のセルロースエステルフィルム積層体の製造法。
- 前者のセルロースエステル溶液の粘度が後者のセルロースエステル溶液の粘度よりも低いことを特徴とする請求項7及び8のうちのいずれかの項に記載のセルロースエステルフィルム積層体の製造法。
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