JP4517671B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学用途に利用される光学フィルムの製造方法、特に液晶画像表示装置(LCD)等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルム、あるいはまた有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等で使用される各種機能フィルムなどにも利用することができる光学フィルムの製造方法に関するものである。
近年、液晶画像表示装置が発展し、セルロースエステルフィルムが偏光板用保護フィルムや有機エレクトロルミネッセンス用フィルムなどに使用されるようになり、益々薄手のフィルムが求められるようになってきた。
従来からの溶液流延製膜方法によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、セルロースエステル溶液(以下ドープとも呼ぶ)を、鏡面処理された表面を有する無限移行する無端の支持体(ステンレス鋼製ベルトあるいはドラム)上に流延ダイから流延し、ドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を剥離ロール(剥離点)で剥離し、ついでウェブを乾燥装置に導入して乾燥風により乾燥し、さらに、巻取り機により巻き取ることにより、セルロースエステルフィルムを製造していた。
しかしながら、薄手のセルロースエステルフィルムは、流延ダイから無限移行する無端の支持体上に流延する際、また流延後、支持体から剥離する際、ウェブは非常に柔らかいために、製膜中の外力に左右され易く、ウェブに筋や横段等の欠陥が発生し易い。ウェブにこのような欠陥が生じると、出来上がりのセルロースエステルフィルムの品質は低下し、液晶画像表示装置に悪影響を及ぼすおそれがあるばかりでなく、歩留まりが低下し、コストを押し上げる原因となり易い。
ここで、従来の偏光板用保護フィルム等に用いられるセルロースエステルフィルムに関わる先行特許文献には、つぎのようなものがある。
特開2002−28943号公報 本出願人は、先に、フィルムの横段欠陥の発生がほとんどないセルロースエステルフィルム、特に偏光板用保護フィルムに有用なセルロースエステルフィルムを、溶液流延製膜方法により製造する方法において、流延ダイからドープを無限移行する無端の支持体上に流延した流延膜(ウェブ)に対して上流及び/または下流側から当たる風をその最大風速の水平方向成分が4m/sec以下となるようにして、かつウェブの幅手全体に当たる風の風速の偏差が±20%以内となるようにすることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法を提案した。そして、その中で、無限移行する無端の支持体の線速度に対する流延膜の線流速のドラフト比を0.4〜2.0とすることを提案した。
しかしながら、上記特許文献1記載の発明では、支持体の移動速度が小さい場合には有効であったが、移動速度が大きくなると、効果がないという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、溶液流延製膜法により光学フィルムを製造する方法において、ウェブに筋や横段等の欠陥が発生しにくく、長手方向及び幅手方向の膜厚ムラのほとんどない平面性の良好な光学フィルムを製造する方法を提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明は、金属製回転エンドレスベルトまたは金属製回転ドラム(支持体)上に光学フィルムの原料溶液であるドープを流延ダイによって流延し、支持体上からウェブを剥離後、ウェブを乾燥して、溶液流延製膜法により、最終膜厚50μm以下の光学フィルムを製造する方法であって、上記流延ダイから光学フィルムのドープを吐出する速度をV1(m/min)、支持体の移動速度をV2(m/min)とするとき、下記条件を満たすことを特徴としている。
30(m/min)≦V2−V1≦60(m/min)
本発明の請求項1記載の発明は、上述のように、金属製回転エンドレスベルトまたは金属製回転ドラム(支持体)上に光学フィルムの原料溶液であるドープを流延ダイによって流延し、支持体上からウェブを剥離後、ウェブを乾燥して、溶液流延製膜法により、最終膜厚50μm以下の光学フィルムを製造する方法であって、上記流延ダイから光学フィルムのドープを吐出する速度をV1(m/min)、支持体の移動速度をV2(m/min)とするとき、下記条件を満たすことを特徴とするものである。
30(m/min)≦V2−V1≦60(m/min)
本発明の光学フィルムの製造方法によれば、ウェブに筋や横段等の欠陥が発生しにくく、幅手方向のムラ(スジ状のムラ)や長手方向のムラ(横段)がほとんどない平面性の良好な光学フィルムを製造することができ、しかもいわゆる歩留まりが良いことから、フィルム製品の製造コストが非常に安くつくという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の請求項1記載の発明は、上述のように、金属製回転エンドレスベルトまたは金属製回転ドラム(支持体)上に光学フィルムの原料溶液であるドープを流延ダイによって流延し、支持体上からウェブを剥離後、ウェブを乾燥して、溶液流延製膜法により、最終膜厚50μm以下の光学フィルムを製造する方法であって、上記流延ダイから光学フィルムのドープを吐出する速度をV1(m/min)、支持体の移動速度をV2(m/min)とするとき、支持体の移動速度V2(m/min)と流延ダイからのドープ吐出速度V1(m/min)との差:V2−V1を30(m/min)以上、60(m/min)以下に保てば、横段欠陥のない光学フィルムが得られることがわかった。
ここで、ドープ吐出速度V1(m/min)は、つぎのように定義される。
すなわち、流延ダイへのドープ供給量をQ(L/min)、流延ダイの流延幅をW(m)、およびスリット間隙をD(μm)とすると、
V1=1000Q/W/D
上記において、支持体の移動速度V2と、流延ダイからのドープ吐出速度V1との差:V2−V1が30(m/min)未満であれば、ウェブに幅手方向のムラ(スジ状のムラ)が生じて、フィルムの品質が悪化するため、好ましくない。また、V2−V1が60(m/min)を超えると、ウェブに長手方向のムラ(横段)が生じて、フィルムの品質が悪化するため、好ましくない。
本発明の光学フィルムの製造方法において対象となるセルロースエステルとしては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。セルローストリアセテートの場合は、特に重合度250〜400、結合酢酸量が54〜62.5%のセルローストリアセテートが好ましく、結合酢酸量が58〜62.5%のセルローストリアセテートはベース強度が強く、より好ましい。セルローストリアセテートは綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテートのどちらかを単独あるいは混合して用いることができる。
このセルロースエステルを溶解する溶剤(溶媒)としては、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましい。
ここで、本発明の方法において用いる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。そのため、セルロースエステルの結合酢酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いるときには、セルロースエステルの結合酢酸量55%では良溶剤になり、結合酢酸量60%では貧溶剤となってしまう。
セルロースエステルの溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどの低級アルコール類、シクロヘキサン、ジオキサン類、メチレンクロライドのような低級脂肪族塩化炭化水素類などを用いることができる。
ドープを調製する時のセルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができるが、好ましい方法としては、セルロースエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶剤と混合する方法があげられる。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、撹拌しながら溶解する方法が、「ゲル」や「ママコ」と呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。
溶剤比率としては、例えばメチレンクロライド70〜95重量%、その他の溶剤は5〜30重量%が好ましい。またセルロースエステルの濃度は10〜50重量%が好ましい。溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の沸点以上で、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましく例えば60℃以上、80〜110℃の範囲に設定するのが好適である。また、圧力は設定温度において、溶剤が沸騰しないうに定められる。
溶解後、ドープは冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して熱交換器などで冷却し、これを製膜に供する。
光学フィルム中に、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化防止剤、加工安定剤、及びマット剤などを含有させることにより、光学フィルムに起因する液晶画像表示装置の性能を向上させることができる。
これらの可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドープへ投入しても良い。
本発明で用いる可塑剤としては、特に限定しないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート(TPP)、ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を単独あるいは併用するのが好ましい。上記の可塑剤は必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。これらの可塑剤を含有することにより、寸法安定性、耐水性に優れた光学フィルムが得られるため、特に好ましい。
本発明において、吸水率ならびに水分率を特定の範囲内にするために、好ましい可塑剤の添加量は、セルロースエステルに対して1〜15重量%である。液晶画像表示部材用としては、寸法安定性の観点から5〜15重量%がさらに好ましく、特に好ましくは、7〜12重量%である。また、セルロースエステルに対して凝固点が20℃以下の可塑剤の含有量は1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは、3〜7重量%である。
本発明による光学フィルムの製造方法において、好ましく用いられる紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたもので、紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶画像表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。
一般に用いられるものとしては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがあげられるが、これらに限定されない。
また本発明による光学フィルムの製造方法において、光学フィルムに滑り性の向上、巻取り後のブロッキング防止等の目的でマット剤として加える微粒子は、主ドープに添加してもよいが、添加液に加えるのが生産性の上からは好ましい。
本発明に用いられる微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上、日本アエロジル株式会社製)の商品名で市販されており、使用することができる。その中でも、微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。これらの例としては、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル株式会社製)の商品名で市販されているものがあり、使用することができる。さらに、二酸化ケイ素微粒子の1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見掛比重が70g/リットル以上の二酸化ケイ素微粒子であることが好ましい。これらを満足する二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジル200V、アエロジルR972Vがあり、フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において、上記微粒子はセルロースエステルに対して、0.04〜0.4重量%添加して使用される。好ましくは、0.05〜0.3重量%、さらに好ましくは0.05〜0.2重量%である。
本発明においては、セルロースエステルのドープを濾過した後、ドープを支持体上に流延(キャスト工程)し、加熱して溶剤の一部を除去(支持体上乾燥工程)した後、支持体から剥離し、剥離したフィルムを乾燥(フィルム乾燥工程)して、セルロースエステルフィルムを得る。
キャスト工程における支持体はベルト状もしくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした支持体が使用される。キャスト工程の支持体の温度は一般的な温度範囲0℃から溶剤の沸点未満の温度で、流延することができるが、5〜30℃の支持体上に流延する方が、ドープをゲル化させ剥離限界時間をあげられるため、好ましく、5〜15℃の支持体上に流延することがさらに好ましい。
支持体上での乾燥は残留溶媒量60〜150%で支持体から剥離することが、支持体からの剥離強度が小さくなるため好ましく、80〜120%がより好ましい。
製造時の光学フィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残留溶媒量は、10〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは、20〜80重量%であり、特に好ましくは20〜40重量%である。
ここで、残留溶媒量は、下記の式で表わせる。
残留溶媒量(重量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での重量、Nは重量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの重量である。
支持体からフィルムを剥離するときのドープの温度は0〜30℃にすることが剥離時のベース強度をあげることができ、剥離時のベース破断を防止できるため好ましく、5〜20℃がより好ましい。
支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常20〜25kg/mで剥離が行なわれるが、従来よりも薄膜化されている本発明の製造方法による光学フィルムは、剥離の際にシワが入りやすいため、剥離できる最低張力〜17kg/mで剥離することが好ましく、さらに好ましくは、最低張力〜14kg/mで剥離することである。
フィルムの乾燥工程においては支持体より剥離したフィルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を3重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下であることが、寸法安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式または、クリップテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。
フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。簡便さの点で熱風で行なうのが好ましい。乾燥温度は40℃〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好ましく、80℃〜140℃の範囲で行なうことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造に係わる巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
本発明によるセルロースエステルフィルムの厚みは、特に限定されないが、LCDに使用される液晶画像表示素子すなわち偏光板用の保護フィルムに用いられることから、通常、100μm以下であることが好ましく、中でも、厚み50μm以下のセルロースエステルフィルムが好ましい。その理由は、厚み50μm以下のセルロースエステルフィルムは、例えば偏光板用保護フィルムとして用いられる際に、より品質に対して厳しい性能が求められるためである。
なお、溶液流延製膜法による流延工程における金属支持体は、エンドレスベルト状のステンレス鋼を鏡面仕上げしたものだけでなく、ドラム状のステンレス鋼を鏡面仕上げした支持体も、好ましく用いられる。
上記の本発明の光学フィルムの製造方法によれば、ウェブに筋や横段等の欠陥が発生しにくく、長手方向及び幅手方向の膜厚ムラのほとんどない平面性の良好なかつ偏光板の保護フィルム等に適した品質の良い光学フィルムを製造することができるものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3及び比較例1と2
(ドープの調製)
セルローストリアセテートのドープを、以下のように調製した。
アセチル置換度2.88のセルローストリアセテート 100重量部
(数平均分子量150,000)
チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5重量部
チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5重量部
アエロジル200V(日本アエロジル株式会社製) 0.1重量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2重量部
トリメチルフォスフェイト 10重量部
メチレンクロライド 450重量部
エタノール 50重量部
これらを加圧密閉容器に投入し、60℃に加温して容器内圧力を2気圧とし、撹拌しながらセルロースエステルを完全に溶解させドープを得た。このドープを濾紙(商品名、安積濾紙No.244、安積濾紙株式会社製)を使用して濾過し、ついで、4種類の金属製フィルタ(商品名、ファインメットNM:絶対濾過精度100μm、および商品名、ファインポアNF:絶対濾過精度50μm、15μm、5μm、それぞれ日本精線株式会社製)を順次濾過精度を上げて使用して濾過し、製膜に供した。なお、上記濾過後に得られたドープの30℃におけるドープ粘度は、20Pa・secであった。
つぎに、図示しない溶液流延製膜装置により、上記のドープを用いて、液晶画像表示装置(LCD)の偏光板用保護フィルムに用いるセルローストリアセテートフィルムを作成した。
すなわち、上記のように濾過した温度30℃のドープを、流延ダイから、表面温度が15℃に調整されかつベルト移動速度を80(m/min)のステンレス鋼製回転エンドレスベルト(支持体)上に流延して、ドープ膜(ウェブ)を形成するが、ここで、乾燥後のフィルム膜厚が40μmとなるように、流延ダイへのドープ供給量をQ(L/min)を調整し、流延ダイのスリットギャップを調整することにより、支持体の移動速度V2と、流延ダイからのドープ吐出速度V1との差:V2−V1を調整した。
なお、下記の表1に、実施例1〜3及び比較例1と2における流延ダイへのドープ供給量Q(L/min)、流延ダイの流延幅W(m)、およびスリット間隙D(μm)と、流延ダイからセルローストリアセテートフィルムのドープを吐出する速度V1(m/min)、支持体の移動速度V2(m/min)、速度差:V2−V1とを、まとめて記載した。
そしてこの場合、実施例1〜3では、V2−V1がそれぞれ30(m/min)、50(m/min)、60(m/min)で、本発明の範囲内のものとし、比較例1と2では、V2−V1がそれぞれ10(m/min)、70(m/min)で、本発明の範囲外のものとした。
支持体上での乾燥は、ウェブの移送方向に向けて45℃の乾燥風を当てて剥離可能となるまでウェブの溶媒を蒸発させた後、剥離時の残留溶媒量を75重量%以上として支持体上からウェブを剥離した。剥離後のセルローストリアセテートフィルムをサポートロール(搬送ロール)で搬送し、さらにテンター乾燥装置に導入して、70〜100℃でフィルムの幅保持を行ないながら乾燥し、続いてロール群乾燥装置で110〜130℃で乾燥した後、25℃に冷却して、巻取ロールにて巻き取り、それぞれ膜厚40μmの実施例1〜3及び比較例1と2のセルローストリアセテートフィルムを得た。
こうして作製した5種類のセルローストリアセテートフィルムについて、以下の方法によりフィルムのムラを評価し、その結果を表1に示した。
(ムラの評価)
製膜した各セルローストリアセテートから長手方向から3m(全幅)の試料を取り出し、5種類の試料を準備した。一方、40Wの蛍光灯8本を10cm間隔に並べた照明板を準備した。各試料を、点灯した該照明板の下方1.5mのところに置き、フィルムの平面性を観察し、下記のようなランクで評価した。得られた結果を、下記の表1にまとめて示した。
A:全くムラがない
B:弱いムラが2〜3個ある
C:規則性のある強いムラが多数ある
Figure 0004517671
上記表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜3のセルローストリアセテートフィルムによれば、ムラの発生数が非常に少なく、偏光板の保護フィルムに適した光学フィルムとしての品質が改善されていることが判る。
これに対し、比較例1と2では、ムラの発生数が非常に多く、いずれも光学フィルムとしての品質が劣るものであった。

Claims (1)

  1. 金属製回転エンドレスベルトまたは金属製回転ドラム(以下、支持体という)上に光学フィルムの原料溶液であるドープを流延ダイによって流延し、支持体上からウェブを剥離後、ウェブを乾燥して、溶液流延製膜法により、最終膜厚50μm以下の光学フィルムを製造する方法であって、上記流延ダイから光学フィルムのドープを吐出する速度をV1(m/min)、支持体の移動速度をV2(m/min)とするとき、下記条件を満たすことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
    30(m/min)≦V2−V1≦60(m/min)
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