JP5245643B2 - フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はフィルムの製造方法に関するものであり、特に液晶画像表示装置に有用な光学フィルムの製造方法に関するものである。
溶液流延法は、高分子材料を含む溶液を支持体上に流延し、乾燥を行い、フィルムを剥離する方法である。その後は、剥離したフィルムを、所望により乾燥し、幅手方向の端部を把持して延伸を行った後、端部を切断し、吸い込み口より回収する。しかしながら、端部は切断後においてフィルム幅手方向に対する垂直な方向内でバタツキを起こした。そのため、フィルムの連続生産時において、最初に端部を吸い込み口に誘導しても、途中から端部が吸い込み口に入らずに飛び出す、という問題が生じていた。さらに、端部は切断後においてフィルム幅手方向で蛇行した。そのため、吸い込み口および当該吸い込み口に連結された配管内で端部が詰まる、という問題も生じていた。それらの結果、端部の切断・回収を円滑に行うことができなかった。
本発明は、切断された端部のバタツキや蛇行を抑制し、端部の切断・回収を十分に円滑に行うことができるフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本明細書中、バタツキとは、フィルム幅手方向の端部が切断されてから吸い込み口に回収されるまでの間において当該幅手方向に対する垂直な方向内で遊動する現象を指すものとする。
蛇行とは、フィルム幅手方向の端部が切断されてから吸い込み口に回収されるまでの間において当該幅手方向で迂曲して動く現象を指すものとする。
本発明は、高分子材料を含む溶液を支持体上に流延し、乾燥を行い、フィルムを剥離し、延伸した後、フィルムを搬送しながらフィルム幅手方向の端部を切断・回収するトリミング工程を実施するフィルムの製造方法であって、
トリミング工程において、切断されたフィルム端部を吸い込み口より回収するに際し、フィルム搬送方向の上流側および下流側から吸い込み口開口部に向けて、搬送風を供給し、
上流側からの搬送風供給速度Vおよび下流側からの搬送風供給速度Vがそれぞれ独立して、フィルム搬送速度に対して100〜6000%であり、それらの比率V/Vが1未満であることを特徴とするフィルムの製造方法に関する。
本発明に係るフィルムの製造方法によれば、切断された端部のバタツキや蛇行を抑制し、端部の切断・回収を十分に円滑に行うことができる。しかも、上流側および下流側からの搬送風温度を制御することにより、端部の蛇行をより一層有効に抑制できるため、吸い込み口および当該吸い込み口に連結された配管内での端部詰まりをより一層十分に抑制できる。
本発明に係るフィルムの製造方法は、溶液流延法に基づくものであり、すなわち高分子材料を含む溶液を支持体上に流延し、乾燥を行い、フィルムを剥離する。本発明において剥離されたフィルムは、幅手方向の端部を把持して延伸した後、フィルムを搬送しながら当該端部を切断・回収する特定のトリミング工程を実施する。その後は、通常、巻き取り工程を実施する。乾燥工程は、剥離工程後であって延伸工程前に行ってもよいし、延伸工程後であってトリミング工程前に行ってもよいし、トリミング工程後であって巻き取り工程前に行ってもよいし、またはそれらのタイミングから選択される2以上のタイミングで行ってもよい。以下、図1〜図6を用いて、各工程について詳しく説明する。図1は本発明のフィルムの製造方法を実施する装置の一例の概略構成図である。図2は図1のトリミング工程8における端部切断段階を示す概略模式図であって、図1のX方向からの概略見取り図である。図3は図1のトリミング工程8における端部回収段階を示す拡大模式図である。図4は、図1に示すトリミング工程とは別の実施形態のトリミング工程を示す概略構成図である。図5は、図1に示すトリミング工程とはまた別の実施形態のトリミング工程を示す概略構成図である。図6は、図5のトリミング工程8における端部回収段階を示す拡大模式図である。図1〜図6において、共通する符号は同様の部材または工程を示すものとする。
(流延工程)
流延工程で使用される高分子材料を含む溶液は、少なくとも後述する高分子材料を溶媒に溶解させてなる溶液であり、以下、ドープと呼ぶものとする。
流延工程は、ドープを支持体1上に流延する工程であり、例えば、ドープを加圧型定量ギヤポンプを通してダイ2に送液し、図1に示すように、流延位置において支持体1上にダイ2からドープを流延する。ダイ2は、口金部分のスリット形状を調整でき、かつ膜厚を均一にし易い観点から、加圧ダイを用いることが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等が挙げられるが、何れも好ましく用いられる。製膜速度を上げるため、加圧ダイを支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層製膜してもよい。膜厚を調整する方法として、例えば、流延されたドープ膜をブレードで膜厚を調節するドクターブレード法、あるいは逆回転するロールで膜厚を調節するリバースロールコーター法等を採用してもよい。膜厚の調節は、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、支持体の速度等を適宜調整することにより行うことができる。
支持体1は、無限移送する無端のものが好ましく使用され、表面が鏡面となっているものがより好ましい。支持体は金属からなっていることが好ましく使用され、具体例として、例えば、ステンレスベルト、ステンレス鋼ベルトあるいは回転する金属ドラム等が挙げられる。
(第1乾燥工程)
支持体1上での乾燥工程は第1乾燥工程であって、ウェブを支持体1上で加熱し、溶媒を蒸発させる予備乾燥工程である。ウェブとは、ドープを支持体1上に流延した以降のドープ膜を意味する。溶媒を蒸発させるには、例えば、図1に示すように、乾燥機3,4によりウェブ側及び支持体裏側から加熱風を吹かせる方法、支持体の裏面から加熱液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等を挙げることができる。それらを適宜選択して組み合わせる方法も好ましい。ウェブの膜厚が薄ければ乾燥が早い。支持体の表面温度は通常、20℃以上で、溶媒が発泡しない温度に設定するのが好ましい。加熱風の温度は10〜80℃が好ましい。
第1乾燥工程においては、フィルムの剥離、ならびに剥離後の搬送性の観点から、残留溶媒量が150重量%以下、特に80〜120重量%になるまで、ウェブを乾燥することが好ましい。
本明細書中、残留溶媒量は下記の式で表すことができる。
残留溶媒量(重量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはフィルムの所定の時点での質量、NはMのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。特に第1乾燥工程において達成された残留溶媒量を算出するときのMは剥離工程直前のフィルムの質量である。なお、残留溶媒量は、特記しない限り、フィルム幅手方向中央部のフィルムを採取して測定された値である。
(剥離工程)
剥離工程は、支持体上でウェブから有機溶媒を蒸発させてなるフィルムを、支持体が一周する前に剥離する工程である。支持体からフィルムを剥離する位置のことを剥離点といい、また剥離を助けるロール5を剥離ロールという。
フィルムを剥離した後は、第2乾燥工程を実施してもよいし、または第2乾燥工程を実施することなく、延伸工程を実施してもよい。
(第2乾燥工程)
第2乾燥工程6は、剥離されたフィルムを加熱し、溶媒をさらに蒸発させる乾燥工程である。乾燥手段は特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等を用いることができる。簡便さの観点からは、例えば図1に示すように、千鳥状に配置したロール61でフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は延伸工程に入る時のフィルムの残留溶媒により異なるが、溶媒の蒸発に伴うフィルムの表面への結露、伸縮率、溶媒の発泡等を考慮して、20〜80℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、徐々に高くしていくことが好ましい。
第2乾燥工程において達成されるべき残留溶媒量は、第1乾燥工程において達成されるべき残留溶媒量と同様の範囲内であってよい。第2乾燥工程において達成された残留溶媒量を算出するときのMは第2乾燥工程直後のフィルムの質量である。
(延伸工程)
延伸工程は、フィルムを幅手方向端部でテンターにより把持しながら、加熱下で少なくとも幅手方向に延伸して保持する工程であり、図1中、7で示される。
延伸工程では、通常、延伸・保持した後、緩和が行われ、すなわち本工程は、フィルムを幅手方向に延伸する延伸段階、フィルムを幅手方向に保持する保持段階およびフィルムを幅手方向に緩和する緩和段階をこれらの順序で実施する。
延伸段階では、加熱下でフィルムに幅手方向、または幅手方向および搬送方向の両方向に張力を付与し、フィルムの延伸を行う。延伸方法は特に制限されず、従来から光学フィルムの製造方法の分野で公知の延伸方法を採用できる。幅手方向の延伸方法としては、例えば、ピンテンター法、クリップテンター法等が挙げられる。搬送方向の延伸方法としては、例えば、上流側と下流側とで搬送用駆動ロールの周速を異ならせる方法や、搬送張力を異ならせる方法等が挙げられる。
延伸段階における幅手方向の延伸倍率は特に制限されず、通常は3%以上であり、好ましくは5〜150%である。本明細書中、延伸倍率とは延伸によって延びた長さの元の長さに対する割合である。
搬送方向の延伸倍率は特に制限されず、例えば、30%以下、特に5〜15%が好適である。
保持段階では、延伸段階で達成された延伸倍率での延伸を、延伸段階における延伸温度で保持する。
緩和段階では、延伸段階における延伸を保持段階で保持した後、延伸のための張力を解除することによって、延伸を緩和する。緩和は延伸段階における延伸温度以下で行えばよい。
フィルムを延伸した後、トリミング工程および巻き取り工程を実施するに際し、第3乾燥工程を行ってもよい。第3乾燥工程は、例えば、延伸工程後であってトリミング工程前に行ってもよいし、トリミング工程後であって巻き取り工程後に行ってもよいし、または延伸工程後であってトリミング工程前と、トリミング工程後であって巻き取り工程後とに行ってもよい。
(第3乾燥工程)
第3乾燥工程は、フィルムを加熱し、溶媒をさらに蒸発させる乾燥工程である。乾燥手段は特に制限されず、第2乾燥工程と同様の乾燥手段を用いることができる。簡便さの観点からは、例えば千鳥状に配置したロールでフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、乾燥温度を徐々に高くしていくことが好ましい。
(トリミング工程)
トリミング工程8は、フィルムを搬送しながらフィルムの幅手方向の端部を切断し、回収する工程であり、図1中、8で示される。本工程によって、延伸工程でテンターにより把持されたためにその痕跡が残った端部を除去する。端部の切断・回収は通常、フィルム幅手方向の両端部において行われる。
トリミング工程は、フィルム幅手方向の端部を切断する端部切断段階および切断された端部を回収する端部回収段階を有する。
端部切断段階では、図1および図2に示すように、フィルムを搬送方向Tに搬送しながら、固定されたカッター等の切断手段81により、フィルム端部80bを切断し、フィルム本体80aを巻き取り工程9等の次工程に提供する。
切断される端部80bの幅手方向長さ(幅)xは特に制限されず、そのようなxは具体的には、例えば、30〜300mm、特に50〜130mmである。
端部回収段階では、図1および図3に示すように、切断されたフィルム端部80bを吸い込み口84より回収する。吸い込み口84は通常、筒形状、特に円筒形状を有しており、図示しない吸引装置により吸い込み方向Dに吸引を行っている。吸引速度は本発明の目的が達成される限り特に制限されない。
本段階では、切断されたフィルム端部80bを吸い込み口84より回収するに際し、フィルム搬送方向Tの上流側と下流側とから吸い込み口84の開口部841に向けて、搬送風82,83を供給し、フィルム端部80bの搬送・回収を補助する。上流側からの搬送風82の供給速度Vおよび下流側からの搬送風83の供給速度Vは、それぞれ独立して、フィルム搬送速度に対して100〜6000%、好ましくは500〜5500%であり、それらの比率V/Vは1未満、特に0.1〜0.9、好ましくは0.3〜0.9である。これによって、切断された端部のバタツキや蛇行を抑制し、端部の切断・回収を十分に円滑に行うことができる。Vおよび/またはVが小さすぎると、搬送性向上の効果が期待できない。Vおよび/またはVが大きすぎると、切断された端部のバタツキや蛇行を十分に抑制できず、端部の切断・回収を円滑に行うことができない。V/Vが大きすぎると、切断された端部においてフィルム幅手方向に対する垂直な方向内でバタツキが起こったり、フィルム幅手方向で蛇行が起こったりする。そのため、フィルムの連続生産時において、最初に端部を吸い込み口に誘導しても、途中から端部が吸い込み口に入らずに飛び出す。また、吸い込み口および当該吸い込み口に連結された配管内で端部が詰まる。それらの結果として、端部の切断・回収を円滑に行うことができない。
搬送風供給速度VおよびVが上記のようにフィルム搬送速度Vに対する割合(%)で表される場合、VおよびV(%)は以下の方法によって求めることができる。まず、上流側搬送風82の供給流量F(m/分)および下流側搬送風83の供給流量F(m/分)をそれぞれの供給口の開口面積(m)で除して搬送風供給速度VおよびV(m/分)を求める。次いで、搬送風供給速度VおよびV(m/分)をフィルム搬送速度V(m/分)で除した値に100を乗じることによって搬送風供給速度VおよびV(%)求めることができる。
搬送風供給流量Fは好ましくは5×10−3〜3m/分である。
搬送風供給流量Fは好ましくは5×10−3〜3m/分である。
フィルム搬送速度Vは端部切断段階におけるフィルムの搬送速度である。
上流側からの搬送風82の温度Tおよび下流側からの搬送風83の温度Tは特に制限されるものではなく、通常はそれぞれ独立して、雰囲気温度より0〜50℃だけ高い温度である。温度TおよびTをそれぞれ独立して雰囲気温度より0〜50℃、特に0〜45℃だけ高く設定することにより、フィルム端部80bにおける支持体面側と反支持体面側との収縮差を低減できる。その結果、端部の蛇行をより一層有効に抑制できるため、吸い込み口および当該吸い込み口に連結された配管内での端部詰まりをより一層十分に抑制できる。支持体面とはフィルムにおける支持体1と接していた面を意味し、10で示される。反支持体面とは、フィルムにおける当該支持体面10と反対側の面を意味し、11で示される。雰囲気温度とは、本工程を行う周囲雰囲気の温度であり、前記端部切断段階におけるフィルムの支持体面10における幅手方向で中央部の温度を用いるものとし、非接触温度計によって測定できる。
搬送風82の温度Tは通常、30〜170℃であり、特に30〜150℃が好ましい。
搬送風83の温度Tは通常、30〜170℃であり、特に30〜150℃が好ましい。
雰囲気温度は通常、30〜120℃であり、特に30〜100℃が好ましい。
上流側からの搬送風82は上流側供給装置820から供給され、下流側からの搬送風83は下流側供給装置830から供給される。搬送風82,83が加熱される場合は、上流側供給装置820および下流側供給装置830に加熱手段(図示せず)が連結されて、当該加熱手段によって搬送風温度を制御すればよい。加熱手段は特に制限されず、公知の加熱手段が使用可能である。加熱手段の具体例として、例えば、温風ヒータ、温調ロール、IR(赤外線)ヒーター等が挙げられる。
上流側供給装置820の供給口821と吸い込み口84の開口部841との距離Lおよび下流側供給装置830の供給口831と吸い込み口84の開口部841との距離Lは、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、切断された端部のバタツキや蛇行をより一層十分に抑制する観点から、それぞれ独立して20〜200mm、特に30〜180mmであることが好ましい。
上流側からの搬送風82の供給方向Dと吸い込み方向D(吸い込み口84内におけるフィルム端部の搬送方向)とのなす角度θおよび下流側からの搬送風83の供給方向Dと吸い込み方向Dとのなす角度θは、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、切断された端部のバタツキや蛇行をより一層十分に抑制する観点から、それぞれ独立して10〜90°、特に30〜85°であることが好ましい。
上流側供給装置820および下流側供給装置830は通常、供給口821,831が円形状を有するものが使用される。
吸い込み口84は通常、開口部841が円形状を有するものが使用される。図1および図3中、吸い込み口84はその軸方向が鉛直方向に向くように設置されているが、これに制限されるものではない。好ましくは吸い込み口84はその軸方向が略鉛直方向に向くように設置される。開口部841の形状は円形状に制限されるものではなく長方形状等でもよい。
本工程、特に端部切断段階に供されるフィルムの残留溶媒量は、0〜50重量%、特に0〜20重量%であることが好ましい。これによって、フィルム端部の切断を容易に達成しながらも、フィルム端部80bにおける支持体面側と反支持体面側との収縮差をより有効に低減できるためである。ここで規定する残留溶媒量は、切断直後のフィルム端部のM,Nを測定することによって求めることができる。
図1および図3中、切断されたフィルム端部80bはフィルム本体80aより下方に搬送され、下方向きに回収されるが、これに限定されるものではなく、例えば、図4および図5に示すように、フィルム本体80aより上方に搬送され、回収されてもよい。
図4は、図1に示すトリミング工程とは別の実施形態のトリミング工程を示す概略構成図であり、フィルム端部80bが一旦、フィルム本体80aより上方に搬送されること以外、図1に示すトリミング工程と同様であるため、説明を省略する。図4の実施形態において、フィルム端部80bが一旦、フィルム本体80aより上方に搬送された後は、図1においてと同様に、下方向きに搬送され、下方向きに回収される。
図5は、図1に示すトリミング工程とはまた別の実施形態のトリミング工程を示す概略構成図であり、フィルム端部80bがフィルム本体80aより上方に搬送されること、およびフィルム端部80bがその後、上方向きに回収されること以外、図1に示すトリミング工程と同様であるため、説明を省略する。図5の実施形態において、端部回収段階は上下方向が図1の実施形態と逆になっており、詳しくは図5に示す端部回収段階の拡大模式図を示す図6は図1に示す端部回収段階の拡大模式図を示す図3と上下方向が逆になっている。図6は、図3と上下方向が逆になっていること以外、図3と同様であるため、説明を省略する。
(巻き取り工程)
巻き取り工程9は得られたフィルム80aを巻き取って室温まで冷却する工程である。巻き取り機91は、一般的に使用されているものでよく、例えば、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
フィルムの厚さは特に制限されないが、光学フィルムとして使用する場合においては、通常、20〜200μmが好適である。特にLCD等に使用される偏光板の薄肉化、軽量化が要望から、本発明では20〜90μmであることが好ましく、より好ましくは30〜85μmである。
上述した流延工程から巻き取り工程までの各工程は、空気雰囲気下であってもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下であってもよい。また、各工程、特に乾燥工程や延伸工程は、雰囲気における溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施する。
(ドープ)
ドープに含まれる高分子材料は特に制限されず、フィルムの分野で公知の高分子材料が使用可能である。例えば、セルロースエステル等が使用可能である。特に光学フィルムを製造する場合においては、セルロースエステルが好ましく使用される。以下、セルロースエステルを用いて光学フィルムを製造する場合について詳しく説明するが、当該説明を準用することによって、セルロースエステル以外の高分子材料を用いてフィルムを製造できる。
セルロースエステルは光学フィルムの分野で従来より使用されているセルロースエステルであれば特に制限されず、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、またはセルロースアセテートプロピオネートブチレートなどが使用可能である。セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましい。2種類以上のセルロースエステルを組み合わせて用いてもよい。
セルロースエステルは、セルロース原料をアシル化することによって得ることができる。例えば、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いて合成する。また例えば、アシル化剤が酸クロライド(CHCOCl、CCOCl、CCOCl)の場合には、触媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。具体的には特開平10−45804号公報に記載の方法で合成することが出来る。アシル基をセルロース分子の水酸基に反応させる。セルロース分子はグルコースユニットが多数連結したものからなっており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度という。例えば、セルローストリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している。アシル基の置換度はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
セルロース原料としては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、ケナフなどを挙げることが出来る。またそれらのセルロース原料はそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。
セルロースエステルの数平均分子量Mnは通常、50000〜200000であり、Mwは通常、150000〜400000である。
分子量分布の測定としては、高速液体クロマトグラフィーを用いることができ、これを用いて数平均分子量を算出することができる。
測定条件の一例を以下に示す。
溶媒:メチレンクロライドカラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した。)
カラム温度:25℃試料濃度: 0.1重量%検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に得ることが好ましい。
セルロースエステルの濃度は10〜30重量%が好ましく、15〜25重量%がより好ましい。セルロースエステル濃度はドープ全体に対する割合である。
ドープ中には、可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤、酸化防止剤などの添加剤を含有させてもよい。
可塑剤としては、特に限定しないが、例えば、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、グリコール酸化合物等が使用可能である。リン酸エステル化合物の具体例としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。フタル酸エステル化合物の具体例としては、例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等が挙げられる。グリコール酸エステル化合物の具体例としては、例えば、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等が挙げられる。可塑剤は必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。
リン酸エステル化合物の使用比率はセルロースエステルに対して50重量%以下とすることが、セルロースエステルフィルムの加水分解を引き起こしにくく、耐久性に優れるため好ましい。リン酸エステル化合物の比率は少ない方がさらに好ましく、特には、フタル酸エステル化合物やグリコール酸エステル化合物だけを使用することが好ましい。可塑剤のセルロースエステルに対する添加量としては、0.5〜30重量%が好ましく、特に2〜15重量%が好ましい。
紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の観点より、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。特に、波長370nmでの透過率が10%以下であることが必要となり、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下である。本発明において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。ベンゾトリアゾール系の市販の紫外線吸収剤として、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のチヌビン109、チヌビン171、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328等を好ましく用いることができるが、これらには限定されない。紫外線吸収剤は、2種以上用いてもよい。
紫外線吸収剤のドープへの添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してから添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。本発明において、紫外線吸収剤の使用量はセルロースエステルに対し0.5〜20重量%の範囲で添加することができ、0.6〜5.0重量%が好ましく、特に好ましくは0.6〜2.0重量%である。
マット剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を含有させることが好ましい。中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズ(失透性)を小さくできるので好ましい。微粒子の2次粒子としては、平均粒径で0.01〜1.0μmであることが好ましい。マット剤の含有量はセルロースエステルに対して0.005〜0.5重量%が好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子では、有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、例えば、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン等が挙げられる。マット剤の平均粒径としては、大きい方がマット効果は大きく、逆に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径として5〜50nmで、より好ましくは7〜20nmである。これらの微粒子は、セルロースエステルフィルム中では、通常、凝集体として存在しセルロースエステルフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を形成させることが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812,OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはAEROSIL200V、R972、R972V、R974、R202、R812である。これらのマット剤は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なるマット剤、例えば、AEROSIL 200Vと同R972Vとを質量比で0.1:99.9〜99.9〜0.1の範囲で使用できる。
(ドープの調製方法)
溶解釜中でセルロースエステルに対する良溶媒を主とする有機溶媒を攪拌しながら、フレーク状のセルロースエステルを添加、溶解してドープを形成する。溶解方法としては、例えば、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下の温度で行う方法、主溶媒の沸点以上の温度で加圧しながら行う方法、特開平9−95544号、同9−95557号または同9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を挙げることができる。溶解したセルロールエステル溶液、いわゆるドープは、次いで濾材による濾過を施した後、脱泡してポンプにより次工程に送液される。
本発明で用いることのできる良溶媒としては、セルロースエステルに対して良好な溶解性を有する有機溶媒であり、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、アセトン、シクロヘキサノン、アセト酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、塩化メチレン、ブロモプロパン等を挙げることができ、特に、酢酸メチル、アセトン、塩化メチレンを好ましく用いることができる。近年の環境問題等から非塩素系の有機溶媒を用いることがより好ましい。これらの有機溶媒に、メタノール、エタノール、ブタノール等の低級アルコールを併用することにより、セルロースエステルの有機溶媒への溶解性が向上したりドープ粘度を低減できるので好ましい。特に、沸点が低く、毒性の少ないエタノールが好ましい。本発明に係るドープに使用する有機溶媒は、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98重量%であり、貧溶剤が2〜30重量%である。本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独では溶解しないものを貧溶剤と定義している。本発明に係るドープに使用する貧溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン等を好ましく使用し得る。前述のように、添加剤を使用する場合には、通常の添加方法で行うことができ、ドープ中に添加剤を直接添加してもよいし、予め添加剤を有機溶媒に溶解/分散してからドープ中に注ぎ入れてもよい。
前記のような種々の添加剤の溶液または分散液をセルロースエステルドープに添加する際、それぞれの移送系列より移送され、移送管が合流したところで各添加要素をドープ液とし合液させ、その直後に管内混合器で十分に混合する方法も好ましい。例えば、スタチックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−Mixer 東レエンジニアリング製)のようなインラインミキサーを使用するのが好ましい。
本発明においてフィルムは光学フィルムとして使用されることが好ましい。特にセルロースエステルフィルムは、液晶表示用部材に好ましく用いることができる。本発明でいう液晶表示用部材とは、液晶画像表示装置に使用される部材のことで、例えば、偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差板、反射板、光学補償フィルム、視野角向上フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルム等があげられる。上記記載の中でも、偏光板または偏光板用保護フィルム用に好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
(ドープの調製)
セルローストリアセテート 100重量部
(アセチル置換度2.88、数平均分子量15万)
トリフェニルホスフェート 10重量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2重量部
チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 1重量部
AEROSIL 200V(日本アエロジル社製) 0.1重量部
メチレンクロライド 660重量部
エタノール 40重量部
上記の材料を、順次密閉容器中に投入し、釜内温度を20℃から80℃まで昇温した後、温度を80℃に保ったままで3時間攪拌を行なって、セルローストリアセテートを完全に溶解した。その後、攪拌を停止し、液温を40℃まで下げた後、直ちに連結した配管を経て、濾過工程に送液し、絶対濾過精度0.005mmの濾紙を用い、濾過流量300L/m・時、濾圧1.0×10Paで濾過を行なった。
(セルロースエステルフィルムの製造)
上記のように調製したドープを溶液流延法にて製膜を行ない、セルロースエステルフィルムを搬送速度40m/分で製造した。
詳しくは図1に記載の製造装置において、ドープを、温水を循環して30℃に保温した流延ダイ2を通して、ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる支持体1の上に流延した(流延工程)。流延時のドープ粘度は50ポイズであった。次いで、フィルムF側の乾燥機4からは40℃の風を10m/秒の風速で斜めにあて、支持体1側の乾燥機3からは45℃の風を10m/秒で垂直にあて、ウェブを乾燥した(第1乾燥工程)。ウェブを乾燥して得られたフィルムを剥離ロール5にて剥離した(剥離工程)。剥離工程直前におけるウェブ中の残留溶媒量は100重量%であった。
剥離されたフィルムを乾燥工程6に導入し、ロール61を千鳥状に配置した装置を用い、45℃で乾燥した(第2乾燥工程)。第2乾燥直後のフィルム中の残留溶媒量は30重量%であった。乾燥したフィルムを延伸工程7に導入した。延伸工程7ではクリップテンター方式を採用し、端部をクリップで把持して、120℃で幅手方向に5%の延伸を行い、保持した後、緩和した。
延伸したフィルムをトリミング工程8に導入した。詳しくは、端部切断段階では、図1および図2に示すように、フィルムを搬送方向Tに搬送しながら、カッター81により、フィルム端部80bを切断し、フィルム本体80aを巻き取り工程に提供した。切断された端部80bの幅手方向長さ(幅)xは40mmであり、切断直後のフィルム端部の残留溶媒量は8重量%であった。端部回収段階では、図1および図3に示すように、フィルム端部80bを吸い込み口84より回収するに際し、フィルム搬送方向Tの上流側および下流側から吸い込み口開口部に向けて、搬送風82,83を供給し、フィルム端部80bの搬送・回収を補助した。上流側供給装置820から上流側搬送風82を供給し、下流側供給装置830から下流側搬送風83を供給した。
トリミング工程における具体的条件は以下の通りであった。
上流側からの搬送風82の供給流量Fは0.8m/分であり、温度Tは40℃であった。上流側供給装置820は供給口821が円形状を有し、供給口821の開口面積は2000mmであった。上流側供給装置820について、θは70°、Lは100mmであった。
下流側からの搬送風83の供給流量Fは1.6m/分であり、温度Tは0℃であった。下流側供給装置830は供給口831が円形状を有し、供給口831の開口面積は2000mmであった。下流側供給装置830について、θは80°、Lは150mmであった。
フィルム搬送速度Vは40m/分であった。
端部切断段階におけるフィルムの支持体面10における幅手方向で中央部の温度を非接触温度計により測定したところ、40℃であった。
トリミング工程において端部を除去されたフィルム本体80aを、巻き取り工程9で巻取り機91で巻き取り、最終的に20℃に冷却して、厚さ80μmのセルロースエステルフィルムを得た。
<実施例2〜4/比較例1〜4>
トリミング工程における具体的条件を表1に示すように変更したこと以外、実施例1と同様の方法によりセルロースエステルフィルムを得た。
Figure 0005245643
<評価>
(飛び出し)
吸い込み口84の直前における端部80bについて、フィルム幅手方向に対する垂直な方向内でのバタツキを観察し、下記の基準に従って評価した。バタツキ量が大きいほど吸い込み口から端部80bが飛び出す危険が高くなる。
◎:バタツキ量≦2.0mm;
○:2.0mm<バタツキ量≦4.0mm;
△:4.0mm<バタツキ量≦6.0mm(実用上問題なし);
×:6.0mm<バタツキ量≦10mm;
××:10mm<バタツキ量。
(搬送性)
吸い込み口84の直前における端部80bについて、フィルム幅手方向の蛇行を観察し、下記の基準に従って評価した。
◎:端部の蛇行量≦2.0mm;
○:2.0mm<端部の蛇行量≦3.0mm;
△:3.0mm<端部の蛇行量≦4.0mm;
×:4.0mm<端部の蛇行量≦5.0mm;
××:5.0mm<端部の蛇行量。
本発明に係るフィルムの製造方法を実施する装置の一例の概略構成図である。 図1のトリミング工程8における端部切断段階を示す概略模式図であって、図1のX方向からの概略見取り図である。 図1のトリミング工程8における端部回収段階を示す拡大模式図である。 図1に示すトリミング工程とは別の実施形態のトリミング工程を示す概略構成図である。 図1に示すトリミング工程とはまた別の実施形態のトリミング工程を示す概略構成図である。 図5のトリミング工程8における端部回収段階を示す拡大模式図である。
符号の説明
1:支持体、2:ダイ、3:4:乾燥機、5:剥離ロール、6:乾燥工程(第2乾燥工程)、7:延伸工程、8:トリミング工程、9:巻き取り工程、10:支持体面、11:反支持体面、80a:フィルム本体、80b:フィルム端部、81:切断手段、82:上流側搬送風、83:下流側搬送風、820:上流側搬送風供給装置、830:下流側搬送風供給装置、821:831:供給口、84:吸い込み口、841:開口部。

Claims (5)

  1. 高分子材料を含む溶液を支持体上に流延し、乾燥を行い、フィルムを剥離し、延伸した後、フィルムを搬送しながらフィルム幅手方向の端部を切断・回収するトリミング工程を実施するフィルムの製造方法であって、
    トリミング工程において、切断されたフィルム端部を吸い込み口より回収するに際し、フィルム搬送方向の上流側および下流側から吸い込み口開口部に向けて、搬送風を供給し、
    上流側からの搬送風供給速度Vおよび下流側からの搬送風供給速度Vがそれぞれ独立して、フィルム搬送速度に対して100〜6000%であり、それらの比率V/Vが1未満であることを特徴とするフィルムの製造方法。
  2. 上流側からの搬送風の供給流量Fが5×10−3〜3m/分であり、下流側からの搬送風の供給流量Fが5×10−3〜3m/分である請求項1に記載のフィルムの製造方法。
  3. 上流側からの搬送風の温度Tおよび下流側からの搬送風の温度Tがそれぞれ独立して、雰囲気温度より0〜50℃だけ高い温度である請求項1または2に記載のフィルムの製造方法。
  4. 上流側からの搬送風を上流側供給装置から供給し、
    下流側からの搬送風を下流側供給装置から供給し、
    上流側供給装置の供給口と吸い込み口開口部との距離Lおよび下流側供給装置の供給口と吸い込み口開口部との距離Lがそれぞれ独立して20〜200mmであり、
    上流側からの搬送風の供給方向Dと吸い込み方向Dとのなす角度θおよび下流側からの搬送風の供給方向Dと吸い込み方向Dとのなす角度θがそれぞれ独立して10〜90°である請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
  5. 高分子材料がセルロースエステルである請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
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