JP5720672B2 - フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置 - Google Patents

フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5720672B2
JP5720672B2 JP2012506885A JP2012506885A JP5720672B2 JP 5720672 B2 JP5720672 B2 JP 5720672B2 JP 2012506885 A JP2012506885 A JP 2012506885A JP 2012506885 A JP2012506885 A JP 2012506885A JP 5720672 B2 JP5720672 B2 JP 5720672B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
film
width direction
shield
die
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012506885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011118295A1 (ja
Inventor
啓介 溝口
啓介 溝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2012506885A priority Critical patent/JP5720672B2/ja
Publication of JPWO2011118295A1 publication Critical patent/JPWO2011118295A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5720672B2 publication Critical patent/JP5720672B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C41/00Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
    • B29C41/24Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor for making articles of indefinite length
    • B29C41/28Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor for making articles of indefinite length by depositing flowable material on an endless belt
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2995/00Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds
    • B29K2995/0018Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds having particular optical properties, e.g. fluorescent or phosphorescent
    • B29K2995/0034Polarising
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3033Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/133528Polarisers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Description

本発明はフィルムの製造方法および製造装置、特に光学フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置に関する。
溶液流延製膜法では、連続的に走行する支持体の上に、高分子材料を含む溶液(ドープ)を、ダイスから吐出して、支持体上に流延膜を形成する。このとき、ダイスの吐出口と支持体との間に形成されるドープの流れを流延リボンという。その後、溶媒の蒸発を行い、流延膜をフィルムとして支持体から剥離する。
そのような溶液流延製膜法において、流延膜の支持体に対する密着性を高めるために、図10に示すように、ダイス102の支持体走行方向上流側に減圧チャンバ103を配設し、かつ該減圧チャンバ103とダイス102との間に支持体の幅手方向に連続して設けられた遮蔽物104を配設することが知られている(特許文献1)。遮蔽物104は略三角柱形状を有するものが1つで使用される。そのような技術は、減圧によって流延リボン105を支持体走行方向MD上流側に引っ張り、流延膜106を支持体に密着させるものである。
しかしながら、上記技術では、遮蔽物104と流延リボン105との間隙における支持体幅方向両端部において外気が流入することで減圧が十分に達成できないため、流延リボン105における支持体幅方向の両端部を支持体走行方向MD上流側に有効に引っ張ることができない。そのため、支持体に対する流延膜106の幅方向両端部の密着性が低下し、フィルムの両端部が湾曲してカールする、という問題が発生した。
そこで、流延リボン105の幅方向両端部の膜厚を薄く設定することによって、当該両端部の減圧による引っ張りを有効に達成しようとする試みがなされているが、得られるフィルムの両端部においてリタデーションが低下する、という問題が発生した。
一方、溶液流延製膜法においては、ダイスから吐出された流延膜の端部表面が比較的早期に固化(皮膜化)してしまうという問題もあった。端部表面が固化すると、流延するドープの流れを乱し、安定な生産を阻害する。
流延膜の端部表面の固化を防止する方法として、図11に示すように、ダイス201の外部に配設されたノズル202によって、固化防止液203を、ダイス外表面における幅方向端部の上方位置204に供給し、供給された固化防止液をダイス外表面に伝わらせて流下させ、流延リボンにおける幅方向の端部に供給する方法が開示されている(特許文献2)。図11は、ダイス近傍における、支持体幅方向に対する垂直断面概略図である。
しかしながら、当該方法を、流延膜の支持体に対する密着性を高めるために減圧チャンバおよび遮蔽物を設ける前記技術に適用した場合、ダイス外表面を流下する固化防止液が、減圧チャンバにより発生した風によって飛散し、ダイス上流の支持体に付着することでフィルムの支持体側の面に不均一に付着することとなり面状故障(打点故障ともいう)の原因となるという問題が生じた。
そこで、発生する風の経路に遮風部材を支持体幅方向に設置することで、減圧チャンバによる風を防風し、固化防止液の飛散を防止する技術が開示されているが(特許文献3)、それでも固化防止液の飛散の防止による面状故障と、支持体に対する流延膜の幅方向両端部の密着性の低下を十分に防止することができなかった。
特開2004−114328号公報 特開2005−212193号公報 特開2009−028899号公報
本発明は、支持体に対する流延膜の支持体幅方向両端部の密着性低下を十分に防止するフィルムの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、固化防止液を流延リボンの支持体幅方向両端部に供給する場合であっても、固化防止液の飛散による面状故障の発生を十分に防止し、しかも支持体に対する流延膜の支持体幅方向両端部の密着性低下を十分に防止するフィルムの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、
連続的に走行する支持体の上に、高分子材料を含む溶液を、ダイスから吐出して、ダイスと支持体との間に流延リボンを形成するとともに、支持体上に流延膜を形成するに際し、ダイスの支持体走行方向上流側に配設された減圧チャンバおよび該減圧チャンバとダイスとの間における支持体幅方向両端部に配設され、支持体横方向から減圧チャンバ内へ流入する流体を遮蔽する遮蔽物を設けるフィルムの製造方法であって、
遮蔽物の形状が、略三角柱形状であり、かつ、支持体表面に対する垂直方向から見たときに、支持体走行方向の下流側であって、支持体幅方向の外側端面より内側に、切欠き部を有する形状であり、
遮蔽物と支持体との間隙において支持体幅方向で内側から外側にかけての気圧の圧力勾配が2%/mm以下であることを特徴とするフィルムの製造方法に関する。
本発明はまた、
連続的に走行する支持体;
該支持体の上に、高分子材料を含む溶液を吐出して、支持体との間に流延リボンを形成するとともに、支持体上に流延膜を形成するダイス;
該ダイスの支持体走行方向上流側に配設された減圧チャンバ;および
該減圧チャンバとダイスとの間における支持体幅方向両端部に配設され、支持体横方向から減圧チャンバ内へ流入する流体を遮蔽する遮蔽物を備えるフィルムの製造装置であって、
遮蔽物の形状が、略三角柱形状であり、かつ、支持体表面に対する垂直方向から見たときに、支持体走行方向の下流側であって、支持体幅方向の外側端面より内側に、切欠き部を有する形状であり、
遮蔽物と支持体との間隙において支持体幅方向で内側から外側にかけての気圧の圧力勾配が2%/mm以下であることを特徴とするフィルムの製造装置に関する。
本発明によれば、遮蔽物と支持体との間隙において支持体幅方向で外側に近づくに従って起こる気圧の圧力上昇(減圧効果の低減)が抑制されるので、支持体に対する流延膜の支持体幅方向両端部の密着性低下を十分に防止できる。また減圧チャンバによりダイスの側面に発生する風速が低減されるので、固化防止液を流延リボンの支持体幅方向両端部に供給する場合であっても、固化防止液の飛散による面状故障を十分に防止し、しかも支持体に対する流延膜の支持体幅方向両端部の密着性低下を十分に防止できる。
さらに本発明の形状にすることで、ダイス上流に支持体幅手方向に連続した遮蔽物が設けられた場合に発生する遮蔽板の先端での風の乱れが抑制され、支持体幅手方向に設けられた遮蔽板内での特定位置での圧力の急激な増加も抑制される。
また、ダイス上流に支持体幅手方向に連続した遮蔽板が設けられた場合には、支持体の走行に伴い支持体に引っ張られて走行方向に発生する巻き込み風が、流延リボンと遮蔽板の先端近傍で巻き返され、支持体端部方向に流れることで端部の減圧効果がさらに低くなったり、発生した風により流延リボンが不安定になり、結果としてリタデーション等の光学物性が悪化する問題も抑制することが可能となる。
本発明に係るフィルムの製造方法の一実施形態を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る流延工程におけるダイス近傍の概略見取り図である。 図2に示すダイスの吐出口近傍を支持体の幅方向から見たときの拡大見取り図である。 図2において減圧チャンバのみを描いたときの減圧チャンバの概略見取り図である。 支持体幅方向に対する垂直断面図であって、図2に示すダイスの吐出口近傍の支持体幅方向中央部における拡大図である。 本発明において使用できる遮蔽物の形状の具体例を示し、フィルム製造に際し遮蔽物を所定の位置に配設し、該遮蔽物を支持体表面に対する垂直方向から見たときの、遮蔽物の上面見取り図である。 本発明の別の一実施形態に係る流延工程におけるダイス近傍の概略見取り図である。 図7に示すダイス近傍における、幅方向に対する垂直断面概略図である。 図8において、ダイスおよび該ダイスから吐出された流延リボンをP方向から見たときの拡大模式図である。 従来技術に係る流延工程におけるダイス近傍の概略見取り図である。 従来技術における固化防止液の供給方法の一例を説明するための模式図であり、支持体の幅方向に対する垂直断面図である。
本発明に係るフィルムの製造方法は、溶液流延製膜法に基づくものであり、すなわち連続的に走行する支持体の上に、高分子材料を含む溶液(以下、ドープということがある)を吐出して、支持体上に流延膜を形成する。このとき、ダイスの吐出口と支持体との間に形成されるドープの流れを流延リボンという。支持体上に流延膜を形成した後は、溶媒の蒸発を行い、流延膜をフィルムとして支持体から剥離する。本発明においてフィルムを剥離した後は、特に制限されるものではなく、例えば、延伸工程、乾燥工程および巻き取り工程からなる群から選択された1以上の工程を任意の順序で実施してよい。例えば、延伸工程、乾燥工程および巻き取り工程を順次、実施してもよいし、または図1に示すように第1乾燥工程7、延伸工程8、第2乾燥工程9および巻き取り工程10を順次、実施してもよい。
図1は本発明に係るフィルムの製造方法の一実施形態を示す模式図である。図1においてフィルムは左から右への方向で連続的に走行し、連続生産される。以下、図1〜図9を用いて、各工程について詳しく説明する。本明細書中、幅方向とは支持体の幅方向を意味するものとし、支持体表面上において支持体走行方向と直交する方向である。走行方向とは支持体の走行方向を意味するものとする。垂直方向とは支持体表面に対して垂直な方向を意味するものとする。図1〜図9において共通する記号は特記しない限り同じ部材を示すものである。
(流延工程)
本工程では、連続的に走行する支持体1の上に、ドープを、ダイス2の下部に配設された吐出口23から吐出して、ダイス2と支持体1との間に流延リボン21を形成するとともに、支持体1上に流延膜22を形成する。このとき、減圧チャンバ24および遮蔽物25によって流延リボン21の支持体走行方向MD上流側におけるダイス2と支持体1との間隙を減圧する(図2〜図3参照)。図2は本発明に係るフィルムの製造方法における流延工程の一実施形態を示す見取り図であり、MDは支持体1の走行方向である。図3は、図2に示すダイスの吐出口近傍を支持体の幅方向から見たときの拡大見取り図である。
支持体1は、無限移送する無端のものが好ましく使用され、表面が鏡面となっているものがより好ましい。支持体は金属からなっているものが好ましく使用され、具体例として、例えば、ステンレスベルト、ステンレス鋼ベルトあるいは回転する金属ドラム等が挙げられる。
ダイス2は、幅方向に対する垂直断面において、吐出口に向かうに従い次第に細くなる形状を有している。ダイス2は通常、具体的には、下部の走行方向下流側にテーパー面2aを有し、下部の走行方向上流側にテーパー面2bを有し、当該テーパー面2a、2bの間に吐出口23がスリット形状で形成されている。ダイス2は金属からなっているものが好ましく使用され、特にステンレスが好んで使用される。
ダイス2は加圧ダイを用いることが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等が挙げられるが、何れも好ましく用いられる。製膜速度を上げるため、加圧ダイを支持体上に2基以上設け、流延量を分割して重層製膜してもよい。膜厚を調整する方法として、例えば、ブレードで流延膜の膜厚を調節するドクターブレード法、あるいは逆回転するロールで流延膜の膜厚を調節するリバースロールコーター法等を採用してもよい。膜厚の調節は、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイスの口金のスリット間隙、ダイスの押し出し圧力、支持体の速度等を適宜調整することにより行うことができる。
減圧チャンバ24は、図4に示すように、ダイス2に対向する側面の下方部および支持体1に対向する下面が開口した箱体で形成され、当該箱体に吸引管240が連結されると共に、吸引管240は図示されない真空ポンプに連結されている。図4は、図2において減圧チャンバのみを描いたときの減圧チャンバの概略見取り図である。
図4に示す減圧チャンバ24におけるダイス2に対向する側面は、下方部に幅方向の全長にわたって開口部を有しているが、幅方向両端部に配設される後述の遮蔽物25の背面25a(走行方向上流側の面)と当接するところに壁面を有しても良い。減圧チャンバ24のダイス2に対向する側面における下方の開口部の高さは通常、後述する遮蔽物25の垂直方向における最大長さt(図3参照)に等しい。
減圧チャンバ24はダイス2の支持体走行方向上流側に配設され、ダイス2に対向する外表面がダイス2の外表面との間で間隙を形成しないようにダイス2と密着して連結されている。真空ポンプが駆動すると、図5に示すように、減圧チャンバ24の開口部から空気が吸引され、流延リボン21の支持体走行方向MD上流側におけるダイス2と支持体1との間隙(裏空間)が減圧されるので、流延リボン21は支持体走行方向上流側に引っ張られ、流延膜22の支持体1への接着性が向上する。図5は、支持体幅方向に対する垂直断面図であって、図2に示すダイスの吐出口近傍の支持体幅方向中央部における拡大図である。
減圧チャンバ24は、金属からなっているものが好ましく使用され、具体例として、例えば、ステンレスが挙げられる。
遮蔽物25は、減圧チャンバ24とダイス2との間における支持体幅方向両端部に配設されるものであり、減圧チャンバ内へ流入する流体(外気や飛散された液体等)を遮蔽するとともに、流延リボン21の支持体走行方向MD上流側の裏空間の減圧を促進する。
本発明において、遮蔽物25と支持体1との間隙は支持体幅方向WDにおいて圧力変動が比較的少ない緩やかな圧力勾配を有している(図2、図3参照)。すなわち、遮蔽物25と支持体1との間隙において幅方向外側に近づくに従って起こる気圧の圧力上昇が十分に抑制される。そのため流延リボン21の幅方向中央部だけでなく幅方向端部も有効に走行方向上流側に引っ張られ、流延膜が全体として支持体に十分に密着するようになる。以下、幅方向一端部の遮蔽物25と支持体1との間隙における圧力勾配について説明するが、そのような圧力勾配は、幅方向両端部における各遮蔽物と支持体との間隙において達成される。
遮蔽物25と支持体1との間隙において、詳しくは、支持体幅方向で内側から外側にかけて気圧の圧力勾配が2%/mm以下、特に0.05〜2%/mm、好ましくは0.1〜1.8%/mmである。内側とは支持体幅方向の中央部側という意味であり、外側とは支持体幅方向の内側に対して反対側である。圧力勾配が大きすぎると、流延リボン21の支持体幅方向両端部を支持体走行方向MD上流側に十分に引っ張ることができない。そのため、支持体1に対する流延膜22の幅方向両端部の密着性が低下し、フィルムの両端部が湾曲してカールが起こる。
遮蔽物25と支持体1との間隙における上記圧力勾配は、当該間隙における支持体幅方向について外側圧力pと内側圧力qとを測定し、以下の式に基づいて求めることができる。
圧力勾配(%/mm)=[|(p−q)/p|×100]/r
式中、rは、外側圧力pの測定点と内側圧力qの測定点との幅方向の距離(mm)であって、遮蔽物の支持体幅方向における最大長さである。
遮蔽物の支持体幅方向における最大長さとは、遮蔽物がフィルムの製造時において所定の位置に配設されたときの、遮蔽物の支持体幅方向における最大長さ(最大幅)rである(図6参照)。当該最大長さrは、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、例えば、流延膜22の幅方向長さ(全幅)に対して通常は1〜10%であり、好ましくは2.5〜9%である。遮蔽物の最大長さrは、具体的には、通常は20〜200mmであり、好ましくは50〜180mmである。
外側圧力pは測定点Pにおける圧力である。外側圧力pの測定点Pは、遮蔽物25と支持体1との間隙内において、支持体幅方向WDで最も外側であって、かつ、支持体走行方向MDで最も下流側であって、かつ、支持体表面に対する垂直方向PDで支持体1と遮蔽物25との中間である点である。
外側圧力pの測定点Pは、具体的には、配設された遮蔽物25を支持体表面に対する垂直方向から見たときの見取り図(例えば図6)において支持体幅方向WDで遮蔽物の外側端面25bから1mmだけ内側に位置し、かつ、同見取り図において支持体走行方向MDで遮蔽物の最下流側先端から1mmだけ上流側に位置し、かつ配設された遮蔽物を支持体幅方向から見たときの見取り図(例えば図3)において垂直方向PDで支持体1と遮蔽物25との中間に位置する点である。
後述する各種形状を有し得る本発明の遮蔽物25を用いたときの測定点Pを図3、図6に示す。図6は、本発明において使用できる遮蔽物の形状の具体例を示し、フィルム製造に際し遮蔽物を所定の位置に配設し、支持体表面に対する垂直方向から見たときの、遮蔽物の上面見取り図である。
外側圧力pは、遮蔽物25と支持体1との間隙における上記圧力勾配が達成される限り特に制限されるものではなく、通常は−50〜−240Paであり、好ましくは−70〜−220Paである。なお、外側圧力pは標準大気圧を基準にした差圧で示すものとする。
内側圧力qは測定点Qにおける圧力である。内側圧力qの測定点Qは、外側圧力pの測定点Pを支持体幅方向WDから見たときに重なる点であって、遮蔽物の支持体幅方向WDにおける最大長さだけ当該測定点Pから内側に位置する点である。後述する各種形状を有し得る本発明の遮蔽物25を用いたときの測定点Qを図3、図6に示す。
内側圧力qは、遮蔽物と支持体との間隙における上記圧力勾配が達成される限り特に制限されるものではなく、通常は−100〜−2000Pa、特に−300〜−1200Paである。なお、内側圧力qは標準大気圧を基準にした差圧で示すものとする。
外側圧力pおよび内側圧力qは、ピンポイントでの圧力を測定できる装置であれば、いかなる装置によっても測定が可能である。本明細書中、外側圧力pおよび内側圧力qは、フィルム製造時において圧力測定器(ハギテック社製、チューブ径約1mm)のチューブ状測定治具の先端を所定の測定点に供することによって測定された値を用いている。
遮蔽物25と支持体1との間隙における上記圧力勾配は、遮蔽物の形状を選択することによって達成できる。遮蔽物25の形状は、略三角柱形状において、支持体走行方向の下流側であって、支持体幅方向の外側端面より内側に、切欠き部を有する形状である。詳しくは遮蔽物25は、フィルム製造時に配設された状態において、略三角柱形状に、支持体走行方向の下流側であって、支持体幅方向の外側端面より内側に、切欠き部を有する形状を有する。切欠き部は垂直方向の全長にわたって形成される。
遮蔽物25が支持体走行方向の下流側であって、支持体幅方向の外側端面より内側に、切欠き部を有することによって、切り欠き部出口風量と入り口風量に差が生まれ、その風量の差に応じて、切り欠き部の減圧がコントロールできる。つまり、切り欠き部の大きさをコントロールすることによって、端部減圧値の圧力勾配をつけることができる。
遮蔽物25の形状の具体例を図6に示す。図6は、前述のように、フィルム製造に際し遮蔽物を所定の位置に配設し、支持体表面に対する垂直方向から見たときの、遮蔽物の上面見取り図である。なお、図6には、支持体走行方向MDに対向して見たとき、右側の端部に配設される遮蔽物(図2上、右側の遮蔽物)の形状が描かれているが、左側の端部に配設される遮蔽物の形状は、図6の各形状について外側端面25bについて面対称の形状である。図6において250は切欠き部である。図6に示す形状1の遮蔽物は、図2上、右側に配設された遮蔽物25に相当するものである。
遮蔽物25は、背面25a(走行方向上流側の面)、幅方向の外側端面25b、上面25cおよび下面25dを有する限り、中実形態もしくは中空形態を有してもよいし、または支持体の走行方向下流側もしくは幅方向内側に開口部(くり抜き部)を有してもよい。遮蔽物25が支持体の走行方向下流側もしくは幅方向内側に開口部を有するとは、遮蔽物25を支持体の走行方向下流側、幅方向内側またはそれらの間から見たときに、遮蔽物25が開口しており、内部が空洞状態になっているという意味である。
遮蔽物25の寸法について、遮蔽物の支持体幅方向における最大長さrは前記した通りである。遮蔽物25がフィルム製造時に配設された状態において、遮蔽物の支持体走行方向における最大長さs(図6参照)は、長さrに対して通常は50〜120%であり、好ましくは60〜90%である。遮蔽物の最大長さsは、具体的には、通常は50〜200mmであり、好ましくは80〜150mmである。遮蔽物の垂直方向における最大長さt(図3参照)は、ダイス2におけるテーパー面2bの傾斜に応じて適宜設定されればよく、通常は10〜100mmであり、好ましくは20〜50mmである。
遮蔽物25がフィルム製造時に配設された状態において、切欠き部250の支持体幅方向における最大長さm(図6参照)は、長さrに対して通常は10〜100%であり、好ましくは20〜90%である。切欠き部250の最大長さmは、具体的には、通常は10〜190mmであり、好ましくは20〜180mmである。切欠き部250が、図6に示す形状9、10のように、支持体幅方向WDで連結しないとき、個々の切欠き部250の幅方向長さの和が上記範囲内であればよい。
切欠き部250の支持体走行方向における最大長さn(図6参照)は、長さsに対して通常は10〜100%であり、好ましくは20〜90%である。切欠き部250の最大長さnは、具体的には、通常は10〜190mmであり、好ましくは20〜180mmである。
遮蔽物25は、ダイス2と一体的に設けられても、減圧チャンバ24と一体的に設けられても、またはダイス2および減圧チャンバ24とは別個に作製されて設けられてもよい。遮蔽物25がいずれの形態で設けられる場合であっても、遮蔽物25は通常、その上面25cがダイス2のテーパー面2bとの間で間隙を形成しないように当該テーパー面2bと密着して連結されている(図3参照)。
遮蔽物25の構成材料は特に制限されるものではなく、例えば、金属、樹脂、カーボン素材等が挙げられる。遮蔽物25は金属からなっているものが好ましく使用され、例えば、ステンレスが好んで用いられる。また、遮蔽物25としては、多孔質の材質のものを用いてもよい。
遮蔽物25の下面25dと支持体1との距離PD(図3参照)は、通常0.1〜10mmであり、好ましくは0.3〜5mmである。
本発明において、遮蔽物25、支持体1および流延リボン21に囲まれた部分での風速は低減されるので、表面流下法によって固化防止液を流延リボン21の幅方向端部に供給することが好ましい。そのような方法で固化防止液を供給しても、固化防止液の飛散が防止され、面状故障のないフィルムを、比較的長期にわたって連続生産できるためである。
遮蔽物25、支持体1および流延リボン21に囲まれた部分での風速は通常、20m/秒以下、特に5〜18m/秒である。本明細書中、当該風速は、外側圧力pの測定点Pと同様の測定点でハギテック社製、チューブ径約1mmによって測定された値を用いている。
本発明において、表面流下法によって固化防止液20を流延リボン21の幅方向端部に供給する好ましい実施形態について、図7〜図9を用いて説明する。図7〜図9は本発明に係るフィルムの製造方法における流延工程の別の一実施形態を示す模式図である。
図7は本発明の別の一実施形態に係る流延工程におけるダイス近傍の概略見取り図であり、MDは支持体1の走行方向である。図8は、図7に示すダイス近傍における、幅方向に対する垂直断面概略図である。図9は、図8において、ダイスおよび該ダイスから吐出された流延リボンをP方向から見たときの拡大模式図である。なお、図7に示す製造装置は、固化防止液20をノズル26bにより流延リボン21の幅方向端部に供給すること以外、図2に示す製造装置と同様である。
固化防止液20は、ダイス2の幅方向両端部において、ダイス外表面における所定の位置に供給される。固化防止液20は通常、ダイス2における走行方向下流側の外表面、すなわちテーパー面2aに供給される。固化防止液20が供給される位置は、ダイス外表面における吐出口23の幅方向端部Eの上方位置であり、図中、「A」で示される。固化防止液20の供給位置Aは、吐出口23の幅方向端部Eの略上方であればよく、図9に示す位置Aよりも、幅方向で端部側であってもよいし、または幅方向で中央部側であってもよい。固化防止液20の供給位置Aから吐出口23の幅方向端部Eまでの直線距離は特に制限されず、0.5〜20mm、好ましくは1〜15mmである。
固化防止液20の供給位置Aへの供給方法は、特に制限されるものではなく、例えば、特開平2−208650号公報、特開2009−045928号公報等に記載の方法が挙げられる。具体的には、例えば、ダイス2の内部に形成された流路(図示せず)により固化防止液20を供給してもよいし、または図7〜図9に示すように、ダイス2の外部に配設されたノズル26bにより固化防止液20を供給してもよい。ノズル26bの内径は、固化防止液の供給速度に応じて適宜設定されればよく、例えば、当該供給速度が後述の範囲内であるとき、0.5〜5mm、特に1〜4mmが好ましい。
一方の端部あたりの固化防止液20の供給速度(滴下量)は、流延膜端部の固化(乾燥)を防止できれば特に制限されず、通常は0.10〜3.0ml/分であり、好ましくは0.20〜1.00ml/分である。
供給位置Aに供給された固化防止液20は、ダイス外表面、すなわちテーパー面2aを伝って流下させ、流延リボン21における幅方向の端部の表面に固化防止液を供給される。
固化防止液20は、フィルムを構成する高分子材料を可溶な溶剤であり、具体的には、高分子材料の良溶媒、および当該良溶媒と貧溶媒との混合液が使用される。セルロースエステルの良溶媒として、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、アセトン、シクロヘキサノン、アセト酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、塩化メチレン、ブロモプロパン等を挙げることができる。固化防止液として好ましい良溶媒は、塩化メチレン、アセトンまたはそれらの混合液である。
セルロースエステルの貧溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の低級アルコール、シクロヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸プロピル、モノクロロベンゼン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。固化防止液として好ましい貧溶媒は、メタノール、エタノール、n−ブタノール等の低級アルコール、またはそれらの混合液である。
固化防止液は、セルロースエステル系樹脂の場合、高分子材料の良溶媒と貧溶媒との混合液を用いても良く、塩化メチレンと低級アルコールとの混合液が好んで用いられている。良溶剤と貧溶剤との混合比率の好ましい範囲は、それらの合計比率を100質量%として表したとき、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%である。
(溶媒蒸発工程)
溶媒蒸発工程は、支持体1上で実施され、ウェブを支持体1上で加熱し、溶媒を蒸発させる予備乾燥工程である。ウェブとは、ドープを支持体1上に流延した以降のドープ膜(フィルム)を意味する。溶媒を蒸発させるには、例えば、図1に示すように、乾燥機3、4によりウェブ側及び支持体裏側から加熱風を吹かせる方法、支持体の裏面から加熱液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等を挙げることができる。それらを適宜選択して組み合わせる方法も好ましい。ウェブの膜厚が薄ければ乾燥が早い。支持体の表面温度は全体が同じでも、位置によって異なっていてもよい。支持体の表面温度は15℃以上で、溶媒が発泡しない温度に設定するのが好ましい。加熱風の温度は10〜80℃が好ましい。
溶媒蒸発工程においては、ウェブの剥離、ならびに剥離後の搬送性の観点から、残留溶媒量が30〜150質量%になるまで、ウェブを乾燥することが好ましい。
残留溶媒量をできるだけ多くして、後の剥離工程で剥離することにより、製膜速度を上げることができる方法の1つとして、残留溶媒量が多くとも剥離できるゲル流延法(ゲルキャスティング)を挙げることができる。ゲル流延法には、ドープ中に高分子材料に対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後にゲル化する方法、あるいは支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。また、ドープ中に金属塩を加える方法もある。支持体上でゲル化させ、流延膜を強くすることによって、剥離を早め、製膜速度を上げることができる。
本明細書中、残留溶媒量は下記の式で表すことができる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブ(フィルム)の所定の時点での質量、NはMのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。特に溶媒蒸発工程において達成された残留溶媒量を算出するときのMは剥離工程直前のウェブの質量である。
(剥離工程)
剥離工程は、支持体上で有機溶媒を蒸発させたウェブ(フィルム)を、支持体が一周する前に剥離する工程である。支持体からウェブを剥離する位置のことを剥離点といい、また剥離を助けるロール5を剥離ロールという。
剥離されたフィルムは、延伸工程8等の他の工程に直接送られてもよいし、または図1に示すように所望の残留溶媒量を達成するまで第1乾燥工程7に送られた後で、延伸工程8に送られてもよい。本発明においては、延伸工程での搬送性の観点から、剥離工程後、フィルムは、第1乾燥工程7および延伸工程8に順次、送られることが好ましい。
(第1乾燥工程)
第1乾燥工程7は、フィルムを加熱し、溶媒をさらに蒸発させる乾燥工程である。乾燥手段は特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等を用いることができる。簡便さの観点からは、例えば図1に示すように、千鳥状に配置したロール71でフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は残留溶媒量、搬送における伸縮率、等を考慮して、80〜100℃の範囲が好ましい。
第1乾燥工程においては残留溶媒量が0.5〜30質量%になるまで、フィルムを乾燥することが好ましい。第1乾燥工程において達成された残留溶媒量を算出するときのMは第1乾燥工程直後のフィルムの質量である。
(延伸工程)
延伸工程は、フィルムを加熱下で少なくとも幅方向に延伸して保持する工程であり、図1中、8で示される。
延伸工程では、通常、延伸・保持した後、緩和が行われ、すなわち本工程は、フィルムを幅手方向に延伸する延伸段階、フィルムを延伸状態で保持する保持段階およびフィルムを幅手方向に緩和する緩和段階をこれらの順序で実施する。
延伸段階では、加熱下でフィルムに幅手方向または幅手方向および搬送方向の両方向に張力を付与し、フィルムの延伸を行う。延伸方法は特に制限されず、従来からフィルムの製造方法の分野で公知の延伸方法を採用できる。幅手方向の延伸方法としては、例えば、ピンテンター法、クリップテンター法等が挙げられる。搬送方向の延伸方法としては、例えば、上流側と下流側とで搬送用駆動ロールの周速を異ならせる方法や、搬送張力を異ならせる方法等が挙げられる。
保持段階では、延伸段階で達成された延伸倍率での延伸を、延伸段階における延伸温度で保持する。
緩和段階では、延伸段階における延伸を保持段階で保持した後、延伸のための張力を解除することによって、延伸を緩和する。緩和は延伸段階における延伸温度以下で行えばよい。
(第2乾燥工程)
第2乾燥工程9は、延伸されたフィルムを加熱し、溶媒をさらに蒸発させる乾燥工程である。乾燥手段は特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等を用いることができる。簡便さの観点からは、例えば図1に示すように、千鳥状に配置したロール91でフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は残留溶媒量、搬送における伸縮率、等を考慮して、40〜150℃の範囲が好ましい。
第2乾燥工程においては、残留溶媒量が0.5質量%以下になるまで、フィルムを乾燥することが好ましい。特に第2乾燥工程において達成される残留溶媒量を算出するときのMは第2乾燥工程直後のフィルムの質量である。
(巻き取り工程)
巻き取り工程10は得られたフィルムを巻き取って室温まで冷却する工程である。巻き取り機101は、一般的に使用されているものでよく、例えば、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
フィルムの厚さは特に制限されず、光学フィルムとして使用される場合においては20〜200μm、特に30〜100μmであることが好ましい。
上述した流延工程から巻き取り工程までの各工程は、空気雰囲気下であってもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下であってもよい。また、各工程、特に乾燥工程や延伸工程は、雰囲気における溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施する。
流延工程において、流延膜22の幅方向端部の膜厚を幅方向中央部の膜厚より10%以上、特に15%以上厚く設定することにより、支持体幅方向のリタデーションばらつきが3%以内、特に1%以内のフィルムを製造することができる。
流延膜の膜厚は、ダイス2のスリットギャップの調整を行うことにより制御できる。
本明細書中、端部の膜厚は、端部の端面から20mmのところに取り付けられたオンライン端部膜厚計(EGS(株)製;全赤外線方式厚み測定機)により測定された値を用いている。
中央部の膜厚は、流延膜の幅方向中央位置に取り付けられたオンライン中央部膜厚計(EGS(株)製;全赤外線方式厚み測定機)により測定された値を用いている。
本明細書中、フィルムのリタデーションは、下記式で定義される面内方向リタデーション(Ro)を意味するものであり、30〜300nmであることが好ましい。
Ro=(nx−ny)×d
式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。ここでdのフィルム厚さは、屈折率の測定点でのフィルム厚さである。
リタデーション(Ro)は、例えば、自動複屈折率計:KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社製)を用いて、温度23℃、湿度55%RHの環境下で、波長590nmで求めることができる。
幅方向のリタデーション(Ro)ばらつきは以下の方法によって求めた値である。
フィルムのRoを幅方向に10mmの間隔で測定する。測定値のうち平均値(RoAVE.)から最も離れた値(Ro)を選択し、以下の式に基づいて算出する。
Roばらつき(%)=(|RoAVE.−Ro|/RoAVE.)×100
(ドープ)
ドープに含まれる高分子材料は特に制限されず、フィルムの分野で公知の高分子材料が使用可能である。特に光学フィルムを製造する場合においては、セルロースエステル系樹脂が好ましく使用される。以下、セルロースエステル系樹脂について詳しく説明するが、当該説明を準用することによって、当該樹脂以外の高分子材料を用いてフィルムを製造できる。ノルボルネン系樹脂に代表されるシクロオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA系ポリカーボネートに代表されるポリカーボネート系樹脂を単体で使用してもよいし、前記セルロースエステル系樹脂をシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂と混合して使用しても良い。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースに酢酸またはその無水物を常法により反応させて得られるアセチル系セルロースエステルである。具体的には、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースモノアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等があげられ、透明性、コスト、接着性の観点からセルローストリアセテートが好ましい。上記反応に使用されるセルロースとしては、例えば、リンターパルプ、ウッドパルプ及びケナフパルプから選ばれるパルプに由来するセルロースが挙げられる。
アセチル系セルロースエステルは、アセチル基及びプロピオニル基の総置換度が2.30〜3.00であることが好ましい。
アセチル系セルロースエステルのアシル基及びプロピオニル基の置換度の測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することができる。
アセチル系セルロースエステルの分子量は、数平均分子量として70,000〜300,000の範囲が、フィルムに成形した場合の機械的強度が強く好ましく、更に、80,000〜200,000がより好ましい。通常、アセチル系セルロースエステルは反応後の水洗等の処理後において、フレーク状となり、その形状で使用されるが、粒子サイズとしては、平均粒径として0.05〜2.0mmの範囲とすることが、より溶解性を早める観点から好ましい。
ドープ中には、可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤、酸化防止剤などの添加剤が含有されてよい。
可塑剤としては、特に限定しないが、例えば、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、グリコール酸化合物等が使用可能である。リン酸エステル化合物の具体例としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。フタル酸エステル化合物の具体例としては、例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等が挙げられる。グリコール酸エステル化合物の具体例としては、例えば、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等が挙げられる。可塑剤は必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。
リン酸エステル化合物の使用比率は高分子材料に対して50質量%以下とすることが、耐久性に優れるため好ましい。リン酸エステル化合物の比率は少ない方がさらに好ましく、特には、フタル酸エステル化合物やグリコール酸エステル化合物だけを使用することが好ましい。可塑剤の高分子材料に対する添加量としては、0.5〜30質量%が好ましく、特に2〜15質量%が好ましい。
紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の観点より、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。特に、波長370nmでの透過率が10%以下であることが必要となり、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下である。
本発明において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。ベンゾトリアゾール系の市販の紫外線吸収剤として、例えば、BASFジャパン社製のチヌビン109、チヌビン171、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328等を好ましく用いることができるが、これらには限定されない。紫外線吸収剤は、2種以上用いてもよい。
紫外線吸収剤のドープへの添加方法は、アルコールや塩化メチレン、酢酸メチル、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してから添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。本発明において、紫外線吸収剤の使用量は高分子材料に対し0.5〜20質量%の範囲で添加することができ、0.6〜5.0質量%が好ましく、特に好ましくは0.6〜2.0質量%である。
マット剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を含有させることが好ましい。中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズ(失透性)を小さくできるので好ましい。
微粒子の2次粒子としては、平均粒径で0.01〜1.0μmであることが好ましい。マット剤の含有量は高分子材料に対して0.005〜0.5質量%が好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子では、有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるため好ましい。
表面処理で好ましい有機物としては、例えば、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン等が挙げられる。マット剤の平均粒径としては、大きい方がマット効果は大きく、逆に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径として5〜50nmで、より好ましくは7〜20nmである。これらの微粒子は、フィルム中では、通常、凝集体として存在しフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を形成させることが好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはAEROSIL200V、R972、R972V、R974、R202、R812である。これらのマット剤は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なるマット剤、例えば、AEROSIL 200Vと同R972Vとを質量比で0.1:99.9〜99.9〜0.1の範囲で使用できる。
(ドープの調製方法)
溶解釜中で高分子材料の良溶媒を主とする有機溶媒を攪拌しながら、フレーク状の高分子材料を添加、溶解してドープを形成する。溶解方法としては、例えば、大気圧で行う方法、主溶媒の沸点以下の温度で行う方法、主溶媒の沸点以上の温度で加圧しながら行う方法、特開平9−95544号、同9−95557号または同9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を挙げることができる。溶解した高分子材料溶液、いわゆるドープは、次いで濾材による濾過を施した後、脱泡してポンプにより次工程に送液される。
ドープの溶媒として用いることのできる良溶媒としては、高分子材料に対して良好な溶解性を有する有機溶媒であり、例えば、前述した固化防止液として記載の良溶媒と同様の有機溶剤が使用できる。ドープ溶媒として好ましい良溶媒は、酢酸メチル、アセトン、塩化メチレンまたはそれらの混合液である。
本発明に係るドープに使用する有機溶媒は、高分子材料の良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、それらの合計比率を100質量%として表したとき、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%である。
ドープの溶媒として用いることのできる貧溶媒としては、高分子材料に対して溶解性を有さない有機溶媒であり、例えば、前述した固化防止液として記載の貧溶媒と同様の有機溶剤が使用できる。ドープ溶媒として好ましい貧溶媒は、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、アセトン、シクロヘキサノンまたはそれらの混合液である。前述のように、添加剤を使用する場合には、通常の添加方法で行うことができ、ドープ中に添加剤を直接添加してもよいし、予め添加剤を有機溶媒に溶解/分散してからドープ中に注ぎ入れてもよい。
前記のような種々の添加剤の溶液または分散液を高分子材料ドープに添加する際、それぞれの移送系列より移送され、移送管が合流したところで各添加要素をドープ液とし合液させ、その直後に管内混合器で十分に混合する方法も好ましい。例えば、スタチックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−Mixer 東レエンジニアリング製)のようなインラインミキサーを使用するのが好ましい。インラインミキサーを用いる場合、高分子材料を高圧下で濃縮溶解したドープに適用することもできる。
本発明において製造されたフィルムは光学フィルムとして有用である。本発明でいう光学フィルムとは、液晶画像表示装置等の表示装置に使用されるフィルムのことで、例えば、偏光フィルム用保護フィルム、位相差フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、等があげられる。上記記載の中でも偏光フィルム用保護フィルム、位相差フィルムに好ましく用いられる。本発明において製造されたフィルムが偏光フィルム用保護フィルムとして使用される場合、偏光フィルムは少なくとも一方の面に当該保護フィルムを有する。本発明の表示装置は、そのような偏光フィルムを備えている。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(セルロースエステル溶液(ドープ)の調製)
下記の素材を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解、濾過し、ドープを調製した。
セルローストリアセテート 100質量部
(Mn=148000、Mw=310000、Mw/Mn=2.1)
トリフェニルホスフェート 8質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
メチレンクロライド 440質量部
エタノール 40質量部
チヌビン109(BASFジャパン社製) 0.5質量部
チヌビン171(BASFジャパン社製) 0.5質量部
アエロジル972V(日本アエロジル株式会社製) 0.2質量部
(セルロースエステルフィルムの製造)
上記ドープおよび図7〜図9に記載の製造装置を用いて、セルロースエステルフィルムを製造した。当該製造装置について詳しくは、遮蔽物25の寸法は表1に示す通りであり、遮蔽物25は、その外側端面25bが流延リボン21の端面と略同一面上になるように配設した。遮蔽物25の下面25dと支持体1との距離は2mmであった。遮蔽物25はステンレスからなる中実のものであった。ダイス2の幅方向両端部にノズル26b(内径3mm)を図7〜図9に示すように設けた。ダイス2のテーパー面2aにおいてノズル26bによる供給位置Aから吐出口23の幅方向端部Eまでの直線距離は5mmであった。
製造方法について詳しくは、まず、減圧チャンバ24による吸引を開始した。次いで、60m/分で連続的に走行するステンレスベルト製支持体1の上に、ドープ(30℃)を、ダイス2の下部に配設された吐出口23から吐出して、ダイス2と支持体1との間に流延リボン21を形成するとともに、支持体1上に流延膜22を形成した(流延工程)。
このとき、流延膜22の幅方向端部の膜厚と幅方向中央部の膜厚との膜厚比を表1に示す値に制御した。なお、膜厚は特記しない限り幅方向中央部での膜厚である。またこのとき、ダイス2の幅方向両端部におけるテーパー面2aの供給位置Aに、ダイス外部に形成されたノズル26bにより固化防止液20を0.3ml/分で供給し、供給された固化防止液をテーパー面2aを伝って流下させ、流延リボン21における幅方向の端部に固化防止液を供給した。固化防止液はメチレンクロライド90質量%およびエタノール10質量%からなる混合液であった。
次いで、ステンレスベルトの温度を25℃に制御し、フィルム側の乾燥機4からは45℃の風を10m/秒の風速で送り、ステンレスベルト側の乾燥機3からは、40℃の風を10m/秒で送り、ウェブを乾燥した(溶媒蒸発工程)。乾燥したウェブを剥離ロール5にて剥離した(剥離工程)。剥離工程直前におけるウェブ中の残留溶媒量は80質量%であった。
剥離したフィルムを乾燥工程7に導入して、80℃で1分間乾燥した(第1乾燥工程)。乾燥工程7ではロール71を千鳥状に配置した装置を用いた。乾燥したフィルムを延伸工程8(2軸延伸テンター)に導入し、残留溶媒量3質量%〜10質量%である時に100℃の雰囲気下で、幅方向に1.25倍に延伸した。延伸したフィルムを乾燥工程9に導入し、125℃で乾燥した(第2乾燥工程)。乾燥工程9ではロール91を千鳥状に配置した装置を用いた。次いで、巻き取り工程10で、フィルムを巻取り機101で巻き取り、最終的に20℃に冷却して、膜厚50μm、幅2200mmのセルロースエステルフィルムを得た。
<実施例2〜5/比較例1〜2>
表1に示す遮蔽物を用いたこと、膜厚比を所定の値に設定したこと以外、実施例1と同様の方法によりフィルムを製造した。比較例1では、三角柱形状で、支持体幅方向に連続的に設けられた遮蔽物を用いた。三角柱形状は図6の形状1において切欠き部を形成しなかった形状である。比較例2では、板形状の遮蔽物を、その厚み方向が支持体幅方向と平行になるように設けた。
<評価>
流延工程において、測定点Pでの外側圧力p、測定点Qでの内側圧力q、測定点Pでの風速をそれぞれ、前記した方法によって測定した。圧力勾配を求めた。
(フィルムの打点故障)
フィルムを目視で観察した。打点故障は、円形の凹みとして観察される。
(Roばらつき)
フィルムの幅方向のリタデーション(Ro)ばらつきを前記した方法により測定した。Roばらつきは3%以下が実用上問題のない範囲であり、1.5%以下が良好な範囲であり、1.0%以下が最良の範囲であり、3%を超える範囲が実用上問題のある範囲である。
(カール)
フィルムの幅方向端部におけるカールの発生について評価した。評価は、
○;カールは全く発生しなかった
△;カールはわずかに発生したものの、実用上問題なかった
×;カールは著しく発生し、実用上問題があった
で行った。
膜厚比は以下の式によって算出される値である。
膜厚比=(端部の膜厚−中央部の膜厚)/中央部の膜厚
本発明に係る方法によって製造されたフィルムは光学フィルムとして有用であり、例えば、偏光フィルム用保護フィルム、位相差フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、等としての使用に適している。
1 支持体
2 ダイス
2a、2b テーパー面
3 乾燥機
4 乾燥機
5 剥離ロール
7 乾燥工程
8 延伸工程
9 乾燥工程
10 巻き取り工程
20 固化防止液
21 流延リボン
22 流延膜
23 吐出口
24 減圧チャンバ
25 遮蔽物
25a 遮蔽物の背面(走行方向上流側の面)
25b 遮蔽物の幅方向の外側端面
25c 遮蔽物の上面
25d 遮蔽物の下面
26b ノズル

Claims (10)

  1. 連続的に走行する支持体の上に、高分子材料を含む溶液を、ダイスから吐出して、ダイスと支持体との間に流延リボンを形成するとともに、支持体上に流延膜を形成するに際し、ダイスの支持体走行方向上流側に配設された減圧チャンバおよび該減圧チャンバとダイスとの間における支持体幅方向両端部に配設され、支持体横方向から減圧チャンバ内へ流入する流体を遮蔽する遮蔽物を設けるフィルムの製造方法であって、
    遮蔽物の形状が、略三角柱形状であり、かつ、支持体表面に対する垂直方向から見たときに、支持体走行方向の下流側であって、支持体幅方向の外側端面より内側に、切欠き部を有する形状であり、
    遮蔽物と支持体との間隙において支持体幅方向で内側から外側にかけての気圧の圧力勾配が2%/mm以下であることを特徴とするフィルムの製造方法。
  2. 切欠き部が支持体表面に対する垂直方向の全長にわたって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムの製造方法。
  3. 切欠き部の支持体幅方向における最大長さが、遮蔽物の支持体幅方向における最大長さに対して10〜100%であり、切欠き部の支持体走行方向における最大長さが、遮蔽物の支持体走行方向における最大長さに対して10〜100%であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムの製造方法。
  4. 遮蔽物が、中実形態もしくは中空形態を有するか、または支持体の走行方向下流側もしくは幅方向内側に開口部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  5. 流延膜について幅方向端部の膜厚が幅方向中央部の膜厚より10%以上厚く設定し、支持体幅方向のリタデーションばらつきが3%以内のフィルムを製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  6. 遮蔽物、支持体および流延リボンに囲まれた部分での風速が10m/秒以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法によって製造されたことを特徴とするフィルム。
  8. 請求項7に記載のフィルムを少なくとも一方の面に有することを特徴とする偏光フィルム。
  9. 請求項8に記載の偏光フィルムを備えたことを特徴とする表示装置。
  10. 連続的に走行する支持体;
    該支持体の上に、高分子材料を含む溶液を吐出して、支持体との間に流延リボンを形成するとともに、支持体上に流延膜を形成するダイス;
    該ダイスの支持体走行方向上流側に配設された減圧チャンバ;および
    該減圧チャンバとダイスとの間における支持体幅方向両端部に配設され、支持体横方向から減圧チャンバ内へ流入する流体を遮蔽する遮蔽物を備えるフィルムの製造装置であって、
    遮蔽物の形状が、略三角柱形状であり、かつ、支持体表面に対する垂直方向から見たときに、支持体走行方向の下流側であって、支持体幅方向の外側端面より内側に、切欠き部を有する形状であり、
    遮蔽物と支持体との間隙において支持体幅方向で内側から外側にかけての気圧の圧力勾配が2%/mm以下であることを特徴とするフィルムの製造装置。
JP2012506885A 2010-03-26 2011-02-17 フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置 Active JP5720672B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012506885A JP5720672B2 (ja) 2010-03-26 2011-02-17 フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010071237 2010-03-26
JP2010071237 2010-03-26
PCT/JP2011/053350 WO2011118295A1 (ja) 2010-03-26 2011-02-17 フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置
JP2012506885A JP5720672B2 (ja) 2010-03-26 2011-02-17 フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011118295A1 JPWO2011118295A1 (ja) 2013-07-04
JP5720672B2 true JP5720672B2 (ja) 2015-05-20

Family

ID=44672868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012506885A Active JP5720672B2 (ja) 2010-03-26 2011-02-17 フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5720672B2 (ja)
WO (1) WO2011118295A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014034186A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Konica Minolta Inc 光学フィルムの製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004114328A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Fuji Photo Film Co Ltd 溶液製膜装置及び方法並びにその方法によるフィルム
JP2007290346A (ja) * 2005-09-28 2007-11-08 Fujifilm Corp ポリマーフィルムの製造方法及び装置並びにポリマーフィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP2008119866A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Konica Minolta Opto Inc セルロースエステルフィルムの製造方法
JP2008246705A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Fujifilm Corp 溶液製膜方法及び溶液製膜設備
JP2008246721A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Fujifilm Corp 溶液製膜方法及び減圧チャンバ
JP2009208296A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Fujifilm Corp 流延装置、溶液製膜方法及び溶液製膜設備

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004114328A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Fuji Photo Film Co Ltd 溶液製膜装置及び方法並びにその方法によるフィルム
JP2007290346A (ja) * 2005-09-28 2007-11-08 Fujifilm Corp ポリマーフィルムの製造方法及び装置並びにポリマーフィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP2008119866A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Konica Minolta Opto Inc セルロースエステルフィルムの製造方法
JP2008246705A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Fujifilm Corp 溶液製膜方法及び溶液製膜設備
JP2008246721A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Fujifilm Corp 溶液製膜方法及び減圧チャンバ
JP2009208296A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Fujifilm Corp 流延装置、溶液製膜方法及び溶液製膜設備

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2011118295A1 (ja) 2013-07-04
WO2011118295A1 (ja) 2011-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7399440B2 (en) Cellulose ester film and its manufacturing method
JP4607795B2 (ja) 溶液製膜方法及び減圧装置
US20050112299A1 (en) Cellulose ester film, its manufacturing method, polarizing plate, and liquid crystal display
KR20040096421A (ko) 폴리머 용액으로부터 필름을 제조하는 방법
JP2005181747A (ja) 光学フィルム及びその製造方法
JP2004009380A (ja) 溶液製膜方法、セルロースエステルフィルム、保護フィルム、および偏光板
JP5245643B2 (ja) フィルムの製造方法
KR101488754B1 (ko) 용액 캐스팅 장치 및 용액 캐스팅 방법
JP2006297914A (ja) ポリマーフィルム
WO2011030660A1 (ja) フィルムの製造方法およびこの製造方法で製造されたフィルム
JP5720672B2 (ja) フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置
JP5416909B2 (ja) 溶液製膜設備及び溶液製膜方法
JP5666867B2 (ja) セルロースアシレートフィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP2010179475A (ja) 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及び表示装置
JP2002363341A (ja) セルロースエステルフィルム、光学フィルム及びその製造方法
JP2002082225A (ja) 光学フィルム、その製造方法、液晶表示用偏光板及び液晶表示装置
JP2005181683A (ja) 光学フィルムの製造方法、光学フィルム及びそれを用いた偏光フィルム
JP5682621B2 (ja) フィルムの製造方法および製造装置、該製造方法によって製造されたフィルム、該フィルムを有する偏光フィルム、ならびに該偏光フィルムを備えた表示装置
JP2011245671A (ja) 光学フィルムの製造方法及び製造装置
JP2005007808A (ja) 光学フィルムの製造方法
WO2011148834A1 (ja) 光学フィルムの製造方法
WO2011096161A1 (ja) 樹脂フィルムの製造方法、樹脂フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP4296867B2 (ja) 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム
JP2012091397A (ja) 光学フィルムの製造方法および該製造方法によって製造された光学フィルム
JP2007249224A (ja) 偏光板保護フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130415

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130812

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20140120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140818

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20140818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5720672

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150