JPH11212244A - 写真処理装置 - Google Patents

写真処理装置

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JPH11212244A
JPH11212244A JP1695598A JP1695598A JPH11212244A JP H11212244 A JPH11212244 A JP H11212244A JP 1695598 A JP1695598 A JP 1695598A JP 1695598 A JP1695598 A JP 1695598A JP H11212244 A JPH11212244 A JP H11212244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】正常に処理されていないプリントやネガフィル
ムを積み込んだトレーをオペレータが早い機会にかつ容
易に見いだすことが可能なトレーコンベヤ付き写真処理
装置の提供。 【解決手段】ネガフィルム(2) のコマ画像を焼き付けた
プリント(3) がオーダー単位で積み込まれるプリント搬
入ステーション(73)とオーダー情報に基づいてプリント
がチェックされる照合ステーション(74)とにわたって設
けられたトレーコンベヤ(70)を備えた写真処理装置にお
いて、トレーコンベヤの各トレー(100) には視認可能な
識別記号(100a)が付与されており、かつ前記識別記号と
この識別記号を有するトレーの積み荷に関する情報とを
関連づけて表示するディスプレイ(6c)が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネガフィルムのコ
マ画像を焼き付けたプリントがオーダー単位で積み込ま
れるプリント搬入ステーションとオーダー情報に基づい
てプリントがチェックされる照合ステーションとにわた
って設けられたトレーコンベヤを備えた写真処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】写真処理の業界では、ネガフィルム現像
や印画紙への焼付作業は、顧客によって注文されたネガ
フィルム1本又は1セットのピースネガ(4駒又は6駒
毎に切断したフィルム数枚)を1単位として行われるの
が通常であり、この1単位を1オーダとも呼ぶ。同じ顧
客が同時に数本のネガフィルムや数セットのピースネガ
の焼付注文をする場合でも、それぞれ別のオーダとして
処理される。この1オーダ分の、つまり1単位のピース
ネガ(通常1本の長いネガフィルムは最終的にピースネ
ガとして所定の長さにカットされる)とプリントを照合
してDP袋に袋詰めして、顧客に渡される。
【0003】この照合作業を容易にするために、オーダ
ー単位でプリントを積み込んで、照合ステーションまで
搬送するトレーコンベヤを備えた写真処理装置が知られ
ている。さらには、同じオーダーで処理されたネガフィ
ルムとプリントを組み合わせて自動的にDP袋に袋詰め
する写真処理装置が、例えば特開平6−43622号公
報から知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような写真処理
装置では、オーダー単位でプリントや場合によってはネ
ガフィルムもトレーに積み込んで照合ステーションに搬
送することで、写真処理における最終段階での照合作業
を容易化している。しかしながら、もしトレーに積み込
まれたプリントが正常に処理されたものでなかったり、
積み込まれるべきネガフィルムが積み込まれなかったり
した場合でも、照合ステーションに到着したトレーから
積み荷を取り出してチェックするまで確認することがで
きない。正常でないプリント等を積み込んだトレーがど
こかに存在するとわかっていても、トレーの外観は全て
同じなのでオペレータ側からみて特定することは困難で
ある。本発明の目的は、正常に処理されていないプリン
トやネガフィルムを積み込んだトレーをオペレータが早
い機会にかつ容易に見いだすことが可能なトレーコンベ
ヤ付き写真処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】ネガフィルムのコマ画像
を焼き付けたプリントがオーダー単位で積み込まれるプ
リント搬入ステーションとオーダー情報に基づいてプリ
ントがチェックされる照合ステーションとにわたって設
けられたトレーコンベヤを備えた写真処理装置におい
て、上記課題を解決するため、本発明では、前記トレー
コンベヤの各トレーには視認可能な識別記号が付与され
ており、かつ前記識別記号とこの識別記号を有するトレ
ーの積み荷に関する情報とを関連づけて表示するディス
プレイが設けられている。
【0006】この構成では、正常に処理されていないプ
リントがトレーコンベヤのトレーに積み込まれた場合、
ディスプレイにそのトレー付与された識別記号に関連づ
けてそのトレーの積み荷に関する情報を表示する。従っ
て、オペレータはディスプレイの表示から、正常に処理
されていないプリントが積み込まれたトレーをすぐに確
認することや、全くプリントされなかったオーダーがど
れとどれのトレーの間に位置しているのかといった確認
が、容易にかつ早い機会に可能となる。
【0007】本発明の好適な実施形態において、トレー
にネガフィルムを積み込むためのネガフィルム搬入ステ
ーションが設けられており、同一トレーに積み込まれた
ネガフィルムとプリントの照合情報がトレーの識別記号
とともにディスプレイに表示されるものがある。この構
成では、1つのオーダーに帰属するネガフィルムとプリ
ントが同じトレーに積み込まれるとともに、そのトレー
に積み込まれたネガフィルムとプリントの照合情報、例
えばネガフィルムのコマ枚数や仕上げられたプリント枚
数、さらにはネガフィルムとプリントを収納するDP袋
のIDなどがトレーに付与されているトレーの識別記号
とともにディスプレイに表示されるので、オペレータは
各トレーの搬送物の内容をトレーから取り出す前に把握
することができる。このことは、プリント不能なコマの
存在のためプリントに欠けが生じていても、そのことは
オペレータによる手作業での照合前に予め判っているの
で、照合作業がスムーズとなる。
【0008】本発明のさらに好適な実施形態において、
写真処理工程においてネガフィルムやプリントに生じた
トラブルに関するトラブル情報がそのネガフィルムやプ
リントを積み込むべきトレーの識別記号とともにディス
プレイに表示されるものもある。この構成では、ネガフ
ィルムの状態が悪くてプリントができなかった場合やネ
ガフィルムの搬送不良によりトレーにネガフィルムが積
み込めなかった場合など各種のトラブルがネガネガフィ
ルムやプリントに生じても、該当するネガネガフィルム
やプリントを積み込む予定のトレーの識別記号とともに
トラブル情報がディスプレイに表示されるので、トラブ
ルを生じたオーダーのトレーをすぐに見つけ出すことが
でき、オペレータによるリカバリー作業が迅速となる。
【0009】このような写真処理装置では、オペレータ
がネガフィルムとプリントの照合を行うための照合ステ
ーションまでトレーコンベヤを延ばし、照合ステーショ
ンでトレーをストレージさせ、オペレータによるネガフ
ィルムとプリントの取り出しを容易にしており、オペレ
ータは照合ステーションにいる機会が多いので、ディス
プレイを照合ステーションに位置するオペレータから見
えるように配置することが好ましい。これにより、オペ
レータは照合作業をしながら、トレーによって順次搬送
されてくるネガフィルムとプリントの照合状態やトラブ
ルの有無を即座に把握することができる。
【0010】写真処理装置には、種々の操作案内表示や
コマ画像のシュミレート画像の表示のためにディスプレ
イが備えられているが、これとは別に本発明による、識
別記号とこの識別記号を有するトレーの積み荷に関する
情報を表示する専用のディスプレイを、好ましくは省ス
ペースである液晶パネルを備えることが好ましい。これ
によって、常時オペレータはトレーに積み込まれた積み
荷のチェックができる。本発明のその他の特徴及び利点
は以下図面を用いた発明の実施の形態の説明で明らかに
なるだろう。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による写真処理装置1の全
体が図1に示されており、この写真処理装置1内を各種
処理にともなって搬送されるネガフィルム2(ここで
は、ネガフィルムは、写真フィルム1本の長さをもつネ
ガフィルム、数コマ単位でカットされたピースネガ、ア
ドバンスフォトシステムに準じたカートリッジ付きネガ
フィルムの総称としても使用されている)と印画紙3の
搬送経路が、図2に模式的に示されている。この写真処
理装置1は、ネガフィルム供給部10と、ネガフィルム
2の画像をペーパーマガジン4から引き出された印画紙
3に焼き付ける露光部20と、露光部20にて露光済の
印画紙3を現像処理する現像処理部30と、現像処理部
30にて現像処理された印画紙3を乾燥する乾燥部40
と、乾燥された印画紙3を所定長さにカットしてプリン
ト(印画紙3を所定長さにカットしたものをプリント3
と称している)として排出するプリント排出部50と、
露光部20で使用されたネガフィルム2をカットし、必
要の場合ネガシートに挿入して、排出するネガフィルム
排出部60と、ネガフィルム排出部60から搬入された
1単位(理解し易くするため、ここではこの1単位を1
オーダと読み換えてもよい)のネガフィルム2とプリン
ト排出部50から搬入された1単位のプリントを仕上が
り品として照合組み合わせて、作業者による仕上がり品
取り出し位置まで搬送するトレーコンベヤ機構70とを
備えている。図3には、トレーコンベヤ機構70のトレ
ー100が拡大されて示されている。
【0012】ネガフィルム供給部10には、100本ま
でのネガフィルム2をスプライステープによってつなぎ
合わせたものを巻き取っているネガリール11が2本装
填可能であり、このネガリール11から引き出されたネ
ガフィルム2に備えられているバーコードを読み取るバ
ーコードリーダー12や引き出されたネガフィルム2を
1オーダ毎にカットするネガカッター13が設けられて
いる。
【0013】露光部20には、図4(図2と比べてネガ
フィルム2と印画紙3の配置が上下逆に配置されてい
る)に示すように、フィルム搬送方向上流側に、読取用
光源21a、ミラートンネル21b及び撮像装置21c
からなるフィルム読取装置21が設けられ、そのフィル
ム搬送方向下流側に、露光用光源22a、調光フィルタ
22b、ミラートンネル22c、ネガマスク22d、焼
付レンズ22e及びシャッタ22fからなる露光装置2
2が設けられ、ネガフィルム供給部10から露光部20
を通過してネガ排出部60へネガフィルム2を搬送する
ローラ23a及びそのローラ23aを駆動するモータ2
3bが設けられている。
【0014】ローラ23aにて搬送されるネガフィルム
2は、先ず、フィルム読取装置21にて、その各コマの
画像が読み取られ、図5に詳細にそのブロック図が示さ
れているコントローラ5に送られる。コントローラ5の
露光制御手段5aでは、フィルム読取装置21から受け
取った画像情報に基づいて、そのネガフィルム2の画像
を印画紙3に焼き付けるための露光条件を求めて、該当
するネガフィルム2のコマがネガマスク22dの位置に
搬送されて来たときに、先だって求めた露光条件に基づ
いて調光フィルタ22b及びシャッタ22fを制御し、
印画紙3を露光する。さらに、コントローラ5は、フィ
ルム読取装置21にて読み取ったネガフィルム2の画像
情報を処理して、求めた露光条件で印画紙3の焼き付け
た場合に得られる画像のシミュレート画像をモニタ6a
に表示させることができ、作業者は、そのシミュレート
画像をモニタ6aを観察して、必要に応じて操作卓6b
から露光条件を修正することができる。
【0015】又、露光部20にて露光処理の終了したネ
ガフィルム2は、露光装置22のフィルム搬送方向下流
側に配置されているネガ排出部60に設けられたネガカ
ッター25によって6駒又は4駒毎に切断され、複数枚
のネガピース2として、コンベヤ機構70へ送り出され
るが、仕様によっては、図示されていないネガシート挿
入装置によってネガピース2がネガシートに挿入され、
このネガシートは折り畳まれた後コンベヤ機構70へ送
り出される。なお、アドバンスフォトシステムに準じた
ネガフィルム2は、各種処理作業前にカートリッジから
引き出され、処理後再びカートリッジに巻き戻されるの
で、露光処理後のネガフィルム2もカートリッジに収納
された状態でコンベヤ機構70へ送り出される。なお、
ネガリール11から引き出され、最終的にコンベヤ機構
70へ送り出されるまでの一連のネガフィルム2の搬送
は、コントローラ5のネガフィルム搬送制御手段5bに
よって制御される。
【0016】現像処理部30には、その図示は省略され
ているが、複数の現像処理タンクが備えられており、露
光部20でネガフィルム2の画像が焼き付けられた後、
印画紙3はローラ24a及びローラ24aを駆動するモ
ータ24bによってコレクション印字部26を通り、現
像処理部30の現像処理タンクを順次通過することで現
像処理される。なお、現像処理部30の手前には、ルー
プ部の存在にもかかわらず露光部20と現像処理部30
の間で連続して印画紙3を送り続けることができない事
態が生じた場合に緊急避難的に印画紙3を切断するカッ
ター27が設けられている。
【0017】現像処理後の印画紙3は、乾燥部40で乾
燥された後、プリント排出部50に送られ、ペーパーカ
ッター51によってカットされることにより仕上がりプ
リント3となり、横送りコンベヤ53によってコンベヤ
機構70へ送り出される。54は、何らかのトラブルで
印画紙3をコンベヤ機構70に送り出せない事態が生じ
た場合印画紙3をノーカットで排出するための印画紙バ
イパス路である。印画紙3又はプリント3の一連の搬送
や印画紙バイパス路54への分岐は、コントローラ5の
印画紙搬送制御手段5cによって制御される。
【0018】トレーコンベヤ機構70には、図6に示す
ように、周回案内路80に案内されながら搬送力を伝達
する駆動手段90によって走行する複数のトレー100
が備えており、各トレー100の側面には、オペレータ
からよく見えるように、識別記号としてのトレー番号1
00aが付けられている。このトレー番号100aは全
トレー100に割り当てられた通し番号であり、オペレ
ータがそのトレー番号100aを読むことによりトレー
100を特定することができる。各トレー100に関す
る積み荷情報などは、トレー番号100aに対応づけら
れた形で、現像処理部30のハウジングの側壁に設けら
れた液晶ディスプレイ6cに表示される。これにより、
オペレータは搬送状態の各トレー100に関する情報を
常に把握することができる。
【0019】周回案内路80によって決定される、この
トレー100のための搬送ラインには、ネガフィルム搬
入ステーション71と待機ステーション72と、プリン
ト搬入ステーション73と、照合ステーション74とが
形成されている。周回案内路80は、図7に示すよう
に、左右一対の略円形断面のレール81とこのレール8
1を所定の間隔で連結している連結体82とで構成さ
れ、写真処理装置1の低い位置に配置されたネガフィル
ム排出部60と高い位置に配置されたプリント排出部5
0との間を現像処理部30と乾燥部40の側壁に沿って
延びている。
【0020】トレー100は、図7〜図9に示されてい
るように、レール81上を走行する走行部110と、フ
ィルム収納部150aとプリント収納部150bとを備
えた載置部150とから構成されている。走行部110
は、チャンネル形の走行台111と、この走行台111
の両側のリブ部111aと111bの内側にそれぞれ軸
112によって回転可能に支持されている各4つの走行
ローラ113と、載置部150を走行台111に対して
傾斜させて取り付けるためのアングルブラケット114
(図10)とを備えている。ひとつのトレーにつき8つ
づつ取り付けられている走行ローラ113の走行面に
は、レール81の形状に合わせた溝113aが形成され
ている。走行部110は、右側のリブ部111aに配置
された前側の上下の走行ローラ113及び後側の上下の
走行ローラ113で右側のレール81を2カ所挟み込む
とともに、左側のリブ部111bに配置された前側の上
下の走行ローラ113及び後側の上下の走行ローラ11
3で左側のレール81を2カ所挟み込むことにより、安
定したレール走行を行っている。
【0021】ネガフィルム搬入ステーション71では、
ネガフィルム排出部60から排出された1単位分のネガ
フィルム2がトレー100のフィルム収納部150aに
移載される。待機ステーション72では、ネガフィルム
2を積み込んだトレー100がこのトレー100に積み
込んだネガフィルム2の画像を焼き付けている1単位分
のプリント3がプリント排出部50から出されるタイミ
ングに合わすために待機可能である。プリント搬入ステ
ーション73では、フィルム収納部150aに収納され
たネガフィルム2の画像を焼き付けている1単位分のプ
リント3がプリント排出部50からトレー100のプリ
ント収納部150bに移載される。照合ステーション7
4では、トレー100によって運び込まれた1単位分の
ネガフィルム2とプリント3の照合が確認されると、ネ
ガフィルム2とプリント3がトレー100から取り出さ
れ、DP袋7へ入れられる。各トレー100に対するこ
のような照合・取り出しと照合ステーション74へのト
レー100の送り出しが同期しているわけではないの
で、この照合ステーション74では、待機ステーション
72と同様、トレー100はレール81上でストレージ
可能となっている。空になったトレー100は、再びネ
ガフィルム搬入ステーション71に送られる。
【0022】トレー100を搬送する駆動手段90は、
エンドレス駆動体としてチェイン91を採用したチェイ
ン駆動方式を採用しており、図6から明らかなように、
第1駆動装置90aから第6駆動装置90fに分割され
ている。第1駆動装置90aは、照合ステーション74
と待機ステーション72とにわたって配置されている。
第2駆動装置90bは、空になったトレー100をネガ
搬入ステーション71におけるトレー停止位置まで移動
させるように配置されている。第3駆動装置90cは、
ネガフィルム2を積み込んだトレー100を第1駆動装
置90aの一部によって形成される待機ステーション7
2のストレージラインまで移動させるように配置されて
いる。第4駆動装置90dは、待機ステーション72で
ストレージされているトレー100を、順次プリント搬
入ステーション73のトレー停止位置に移動させるよう
に配置されており、図6から明らかなように、第4駆動
装置90dはトレー100を急勾配で上昇させている。
第5駆動装置90eは、さらにプリント3を積み込んだ
トレー100を急勾配で下降させ、第1駆動装置90a
の照合ステーション74を形成している部分へ、送り込
むように配置されているが、照合ステーション74の手
前で周回案内路80が湾曲状になっているため、トレー
100を湾曲したラインに沿って移動させる第6駆動装
置90fを第5駆動装置90eと第1駆動装置90aと
の間に配置している。上述した各駆動装置は、チェイン
91、チェイン91に噛み合っている駆動スプロケット
92と方向転換スプロケット93、駆動スプロケット9
2を駆動する駆動モータ94から構成されている。その
際第1・第2・第3・第6駆動装置90a、90b、9
0c、90fは、共通の駆動モータ94から動力を受け
ているが、第4・第5駆動装置90d、90eはタイミ
ングをとった間欠運転の必要からそれぞれ個別の駆動モ
ータ94から動力を受けている。各チェイン91のリン
クプレートとして通常のリンクプレート91aだけでは
なく、所定のピッチでチェインローラ軸心方向に延びた
牽引部95を形成した牽引リンクプレート91bが装着
されており、各チェインはこの牽引部95を介してトレ
ー100を移動させている。
【0023】牽引部95とトレー100の走行部110
との搬送力伝達可能な係合は2つの方式で行われてい
る。つまり、第1駆動装置90aでは、ストレージライ
ンを形成するため、図8で示すように、走行台110の
リブ部111bの外側に垂直に延びた取付板115の下
面に樹脂117によって固定された磁石116とチェイ
ン91の牽引部95とに間に作用する磁力によりトレー
100の走行部110とチェイン91の牽引部95との
間の係合を作りだし、結果的にチェイン91によってト
レー100を移動させている。この目的のため、少なく
とも牽引リンクプレート91bは磁性体で作られてい
る。従って、トレー100がトレー100とチェイン9
1との間に作用する磁力より大きな力でその走行を阻止
されると磁石116と牽引部95との係合が外れて、チ
ェイン91だけが進行し、トレー100は停止したまま
となる。このことにより、走行台111の端面どうしが
接当していくことでトレー100が順次ストレージさ
れ、前のトレーが前進すると、再び磁石116がチェイ
ン91の牽引部95と磁気的に係合して、後のトレー1
00もチェイン91によって移動し始める。つまり、ト
レー100のストレージとトレー100のネガフィルム
2とプリント3の取り出し位置への供給とが遅延なくか
つ自動的に行われる。
【0024】第1駆動装置90a以外の駆動装置では、
トレー100とチェイン91とは一体的に動けばよいの
で、図7に示すように、走行台110のリブ部111a
と111bの下端からさらに突き出した爪部118がチ
ェイン91の牽引部95と接当することにより走行部1
10と牽引部95との搬送力伝達可能な係合が作り出さ
れる。各駆動モータ94は、コントローラ5のコンベヤ
制御手段5dによってそれぞれ連係をとるように制御さ
れている。
【0025】ネガフィルム搬入ステーション71におい
てネガ排出部60からネガフィルム2を搬入するため、
トレー100は第2駆動装置90bと第3駆動装置90
cとの間で第1ストッパー装置85によって停止させら
れる。さらにプリント搬入ステーション73においてプ
リント排出部50からプリント3を搬入するため、トレ
ー100は第4駆動装置90dと第5駆動装置90eと
の間で第2ストッパー装置86によって停止させられ
る。第1ストッパー装置85と第2ストッパー装置86
の構造は同じなので、ここでは図10で示された第1ス
トッパーの構造を説明する。
【0026】第1ストッパー装置85は、支点85b回
りに揺動する揺動アーム85cと、揺動アーム85cの
一端に設けられるとともに揺動アーム85cの揺動によ
りトレー100の走行台111に設けられている爪部1
18と係合可能な係合ピン85aと、揺動アーム85c
の他端に係合するとともに揺動アーム85cを支点85
b回りで図10における時計回り方向に付勢するバネ8
5dと、揺動アーム85cに係合ピン85a近くで連結
されるとともに通電時に揺動アーム85cを支点85b
回りで図10における反時計回り方向に揺動させる直線
駆動型ソレノイド85eとから構成されている。直線ソ
レノイド85eの通電解除時には係合ピン85aはトレ
ー100の爪部118の移動軌跡内に入り込むので、第
2駆動装置90bの牽引部95から離脱した後下り傾斜
となっているレール81を滑り落ちてきたトレー100
を停止保持する。直線ソレノイド85eが通電される
と、係合ピン85aはトレー100の爪部118の移動
軌跡から退避するので、トレー100の通過を許す。第
2ストッパー装置86と第4駆動装置90dとの位置関
係、及びレール81の下り傾斜姿勢も第1ストッパー装
置85の場合と同様なので、第2ストッパー装置86
も、同様にトレー100の停止と通過を制御することが
できる。
【0027】更に、照合ステーション74においても、
ストレージされるトレー100の先頭を停止させる第3
ストッパー装置87が備えられている。第3ストッパー
装置87は、図11に示すように、回動軸87c回りで
シーソー式に揺動する揺動アーム87bと、揺動アーム
87bの両端に設けられるとともに揺動アーム87bの
揺動により選択的にトレー100の爪部118と係合可
能な一対の係合ピン87aと、揺動アーム87bを揺動
させるように回動軸87cと連結している回転型ソレノ
イド87dと、図11における時計回り方向に揺動アー
ム87bを付勢するように揺動アーム87bの一端に係
合しているバネ87eとから構成されている。このよう
な構成をもつ第3ストッパー装置87では、ロータリソ
レノイド87dの非通電時にはバネ87eの付勢力によ
り、揺動アーム87bが図11において実線で示す姿勢
となり、先頭のトレー100を停止させる。先頭のトレ
ー100に続くトレー100は、前述したように先行す
るトレー100と接当するまでは磁力によってレール8
1上を移動させられるが、先行するトレー100と接当
すると磁力による移動が不可能となり、次々とトレー1
00が詰められた状態でストレージされる。そして、ロ
ータリソレノイド87dが通電されると、揺動アーム8
7bがバネ87eの付勢力に抗して図11において二点
鎖線で示す姿勢となり、次のトレー100を停止させる
が、自由となった先頭のトレー100は、第1駆動装置
90aによって磁力を介して移動し始める。この状態か
ら、更にロータリソレノイド87dの通電が解除される
と、揺動アーム87bが、図11において実線で示す姿
勢に戻り、一旦自由となり第1駆動装置90aによって
少し移動した新たに先頭となったトレー100を停止さ
せる。第1駆動装置90aから外れたトレー100はレ
ール81の下り傾斜姿勢も手伝って第2駆動装置90b
に近づいていき、第1駆動装置90aと第2駆動装置9
0bとの間に設けられた第4ストッパー装置88によっ
て停止させられる。
【0028】第4ストッパー装置88は、ネガフィルム
搬入ステーション71へトレー100を送り出すタイミ
ングをとるためのものであり、ネガフィルム搬入ステー
ション71からトレー100が出ていくと同時に、新し
いトレー100を送り出すように制御されている。つま
り、第3ストッパー装置87と第4ストッパー装置88
によって、ストレージされているトレー100を1台づ
つネガフィルム搬入ステーション71へ送り出すことが
でき、同時に照合ステーション74のストレージライン
も順次先詰めされていく。図12に示すように、第4ス
トッパー装置88は、実質的に第1ストッパー装置85
や第2ストッパー装置86と同じ構造であるので、ここ
ではその説明を省略する。
【0029】第4ストッパー装置88によるトレー10
0の停止位置には、図12に示すように、トレー100
のフィルム収納部150aとプリント収納部150bに
それぞれネガフィルム2とプリント3が収納されている
か否かを検出する光センサー76が備えられており、こ
の光センサ76は、ネガフィルム2の存否を検出するた
めのLED76a及び受光素子76bと、プリント3の
存否を検出するためのLED76c及び受光素子76d
とから構成されており、載置部150には、LED76
a及びLED76cの出射光の通過を許容する孔(図示
されていない)が形成されている。光センサー76の検
出信号はコントローラ5に入力されることにより、第4
ストッパー装置88によって停止させられているトレー
100が空の状態であるどうかチェックされる。上述し
た第1ストッパー装置85、第2ストッパー装置86、
第3ストッパー装置87、第4ストッパー装置88もコ
ントローラ5のコンベヤ制御手段5dにより制御されて
いる。
【0030】ここで、図9と図13を用いてトレー10
0の載置部150の構造を説明する。載置部150は、
主に天板151と底板152と第1側板153と第2側
板154から構成されるボックス状の形態を有してい
る。プリント収納部150bは天板151上に形成され
ており、天板151に積み重ねられたプリント3がずれ
落ちないように第1側板153と第2側板154を天板
151から突き出し、その突き出した部分でプリント3
を2つの方向から囲んでいる。他の2つの方向は開放さ
れており、プリント3の搬入・搬出を容易にしている。
ネガフィルム2、つまり裸のピースネガ或いはネガシー
トに挿入されたピースネガを収納するフィルム収納部1
50aは天板151と底板152との間にポケット状に
形成されている。さらに付加的に、アドバンスフォトシ
ステムに準じたネガフィルム2を巻き込んでいるカート
リッジ2aを収納するカートリッジ収納部150cがフ
ィルム収納部150aに対向して第2側板154の外側
に取り付けられたボックス体155によって形成されて
いる。底板152の一部を天板152の方へ直角に折り
曲げることによって形成した側壁部152aのところ
に、トレー番号100aが数字で付与されている。
【0031】図6から明らかなように、トレー100は
ネガフィルム搬入ステーション71から待機ステーショ
ン72への移動行程において逆さ吊り状態となり、フィ
ルム収納部150aやカートリッジ収納部150cから
収納物が落下する恐れがあるため、トレー100には収
納物を保持する押さえ保持機構160が備えられてい
る。押さえ保持機構160は、ここでは図示されていな
いガイドレールによる操作方式で所望の搬送経路におい
て開閉操作されるように構成されている。
【0032】図5から明らかなように、コントローラ5
は、上述した機能以外にも、種々の機能を果たすように
構成されている。コマ画像判定手段5eは、ネガリール
11から引き出されたネガフィルム2に対する画面検出
センサー14の検出結果に基づいて、ネガフィルム2
が、裏焼き、全カブリ、全素抜け、ハーフサイズなどの
トラブルをもっているかどうかを判定する。ネガフィル
ムIDコード割り当て手段5fは、この写真処理装置に
投入されたネガフィルム2に対して、この写真処理装置
内で用いられる独自のネガフィルムIDコードを付与す
る。以後、このネガフィルムIDコードをもつネガフィ
ルム2に関する情報は、リンクマネージャ5kによって
ネガフィルムIDコードとリンクされた状態で格納され
るので、必要な時に検索して特定ネガフィルム2がもつ
種々の情報を引き出すことが可能である。通常、ネガフ
ィルムIDコード割り当て手段5fによって生成される
ネガフィルムIDコードは、バーコードリーダー12に
よって1単位のネガフィルム2に貼り付けられたバーコ
ードシールから読み取られたフィルムID(以下FID
と称する)ともリンクされるが、ネガフィルムIDコー
ドはオペレータにとっても認識しやすい連続する数値で
あり、写真処理装置1での処理過程においてFIDの代
わりにこの1単位のネガフィルム2を特定するために用
いられるのである。
【0033】なお、DPE取次店等で顧客から預かった
ネガフィルム3は、独自のDP袋IDコードが付与され
たDP袋7に入れられているので、リーダ或いは手入力
用キーボードなどのDP袋IDコード入力デバイス7a
を通じてDP袋IDコードをコントローラ5に入力する
ことで、リンクマネージャ5kは各FIDにDP袋ID
コードをリンクする。結果的には、ネガフィルムIDコ
ードとDP袋IDコードとがリンクされたことになる。
これにより、特定のFIDをもったネガフィルム2が予
め定められたDP袋7に入れられる。さらに、このネガ
フィルム2から作成されたプリント3も特定のDP袋7
に入れられることを保証するために、露光部20でこの
ネガフィルム2のコマ画像を焼き付けられた印画紙3領
域に対してもプリントIDコードを割り当てるプリント
IDコード割り当て手段5gも備えられており、このプ
リントIDコードもネガフィルムIDコードとリンクさ
れる。プリントIDコードは、図示されていないノッチ
ャーによって直接印画紙3にも機械的にビットコードと
して形成することも可能である。
【0034】1つのトレー100に、リンクされたネガ
フィルムIDコードとプリントIDコードをもつネガフ
ィルム2とプリント3が積み込まれることで、自動的に
組み合わせ照合ができたことになる。このため、リンク
マネージャ5kが、ネガフィルムIDコードに、そして
結果的にプリントIDコードに、トレーIDコードをリ
ンクさせている。このことを詳しく説明すると、トレー
IDコード割り当て手段5hが、トレー100の走行台
111に設けられた各トレー100のトレーIDコード
を示すIDプレート120に形成された貫通穴121を
案内周回案内路80の所定の位置に設けられたIDセン
サー77が読み取った信号に基づいて、トレーIDコー
ドを生成して、該当トレー100に割り当て、次いで、
リンクマネージャ5kがこのトレーIDコードをこのト
レー100に積み込まれるべきネガフィルム2のネガフ
ィルムIDコードにリンクする。このトレーIDコード
は、図13から明らかなように、6箇所における貫通孔
121の有無に基づいているので、6ビットコードとし
て生成されている。このトレーIDコードは、コントロ
ーラ7内において、各トレー100に物理的に割り当て
られているトレー番号100aと1対1に対応づけられ
いる。
【0035】リンクマネージャ5kは、ネガフィルム2
やプリント3に発生した種々の写真処理過程におけるイ
ベントを、イベント情報として対応するネガフィルムI
DコードやプリントIDコードにリンクする。例えば、
トラブル検知手段5iは、上述したコマ画像判定手段5
eによって判定されたネガフィルムトラブルや、ネガフ
ィルム搬送制御手段5bによって検出された搬送詰まり
などのからネガフィルム2の強制排出などをともなう照
合不一致トラブルを検知し、トラブル情報を生成する
が、リンクマネージャ5kは、このトラブル情報もイベ
ント情報の1つとしてトラブルに関係するネガフィルム
2のネガフィルムIDコードやプリント3のプリントI
Dコード、さらにはトレーIDコードにリンクし、検索
可能な状態で格納する。上述した各種IDコードとトラ
ブル情報のリンク構造の理解を助けるために図14にそ
の模式図が示されている。なお、ここでは、ネガフィル
ムIDコードにはさらにオーダーNoもリンクしている
し、イベント情報としてトラブル情報がネガフィルムI
Dコードにリンクされている。イベント情報としては、
トラブル情報以外に、焼付データ、露光データ、プリン
トサイズ、さらには顧客データなど種々の情報を採用す
ることができる。プリント3に関係するイベント情報
は、直接プリントIDコードにリンクさせてもよいし、
ネガフィルムIDを介してリンクしてもよい。前者の場
合は、プリントIDコードは、ネガフィルムIDとトラ
ブル情報に対するポインターを持つことになる。
【0036】トレー情報表示制御手段5jは、案内周回
案内路80の所定の位置に設けられたIDセンサー77
からの信号により各トレー100の現在位置を把握して
いるリンクマネージャ5kと共同して、照合ステーショ
ン74に向かう各トレー100に関するトラブル情報や
イベント情報をトレー番号100aと関連づけた形で液
晶ディスプレイ6cに表示する。液晶ディスプレイ6c
は、照合ステーション74で照合作業を行っているオペ
レータから見やすいところに配置されており、オペレー
タは、液晶ディスプレイ6cに表示された情報から、照
合ステーション74に向かう各トレー100の積み荷、
つまりネガフィルム2とプリント3の処理状態や照合状
態を早い機会に、的確に知ることができる。
【0037】次に上述した写真処理装置1におけるネガ
フィルム2と印画紙つまりプリント3との照合に関する
制御を説明する。図5では、写真処理装置1の全体の制
御を行ってコントローラ5をブロック構成図で表してい
るが、図15ではコントローラ5の全体の機能を動作は
写真処理装置制御メインルーチンで表しており、この写
真処理装置制御メインルーチンは必要に応じて各種の処
理ルーチンに指令を与えて必要な処理を実行させていく
が、図15には、そのような各種処理ルーチンの内、特
に照合に関するルーチンが取り挙げられている。いずれ
にしても、コントローラ5は、マイコンをベースとし
て、その機能は基本的にプログラムで実現されるもので
あり、ブロック構成図と処理ルーチンフローチャートの
2つの異なった形態で説明することができる。
【0038】まず、ネガリール11がセットされると、
ネガローディング処理ルーチンが起動する。ネガローデ
ィング処理ルーチンにおいては、図16に示すように、
1本分(通常この単位が1オーダとなる)のネガフィル
ム2のネガデータを光センサーで読み取り(#11)、
正常な焼付処理が可能かどうかが判定される。つまり、
このネガフィルム2のコマ画像が、裏焼きかどうか(#
12)、全カブリや全素抜けかどうか(#13)、フル
サイズではなくハーフサイズであるか(#14)、をチ
ェックし、もしYesの場合そのような焼付処理に不適
当なネガフィルム2を強制排出してしまうか、又は一応
ネガ排出部60まで送り、トレー100に載せるかの選
択を行う(#15)。強制排出の場合は、強制排出ルー
チンによる制御に基づいて、このネガフィルム2は、図
示されていない中途排出ラインを介して排出ネガ箱に排
出される(#16)。いずれにしても、コマ画像が焼付
処理に不適当な場合は照合不一致トラブルが発生したと
して、このネガフィルム2がもつIDコードにはトラブ
ル情報がリンクされる(#17)。
【0039】ネガローディングを終えたネガフィルム2
は、ネガカット処理ルーチンにより、1本単位、つまり
1オーダ単位にカットされ、分離した状態で露光部20
へ送られる。露光部20へ送られたネガフィルム2は、
図17で示すコマ画像読み取りルーチンによって露光前
の処理が行われる。コマ画像読み取りルーチンでは、コ
マ画像の位置決めのために用いられるプリントノッチが
存在しているかどうかがチェックされ(#21)、プリ
ントノッチがある場合プリントノッチを利用してスキャ
ニング位置に位置決めされ(#22)、プリントノッチ
がない場合コマ画像を検出しながら所定のコマ画像をス
キャニング位置に合わせる(#23)。位置決めされた
コマ画像からフィルム読取装置21を介して読み込まれ
た(#24)画像情報はコントローラ5内の画像メモリ
に記憶され、適当な画像処理を施されてモニタ6aで写
し出される。必要に応じて読み込まれたコマ画像に対す
る露光補正が行われ(#25)、ネガフィルム2は露光
位置に送られる(#26)。このネガ送りにおいて、ネ
ガ詰まりが生じたかどうかがチェックされ(#27)、
ネガ詰まりが発生した場合、手でネガフィルム2が取り
出され(#28)、照合不一致トラブルが発生したとし
て、このネガフィルム2がもつIDコードにはトラブル
情報がリンクされる(#29)。この取り出されたネガ
フィルム2は、ネガリール11に巻き付けられたネガフ
ィルムが全て処理された後に、再度搬送ラインに装填さ
れる。
【0040】露光処理では、前述したように露光装置2
2を構成する各要素の動作を制御する必要であるが、図
18で示す露光処理ルーチンは、ネガフィルム2の動き
に絞って記載されている。露光処理ルーチンでは、順次
ネガフィルム2のコマ画像の印画紙3への露光が行われ
ていくが(#31)、1つのコマ画像に対する焼付枚数
が多いことなどの理由で、1オーダ当たりの露光枚数つ
まりプリント枚数が55枚を越えた場合(#32)、プ
リントIDの値をカウントアップする(#33)。この
プリントIDは、通常1オーダ分のプリント全てに対し
て付けられるものであり、この1オーダのネガフィルム
2とプリント3を同じトレー100に積み込むことによ
り、オーダ番号とネガフィルムIDとプリントIDとト
レーID(トレー番号100a)が1対1にリンクされ
る。しかしながら、この実施の形態では、トレー100
に載せられるプリント枚数の限度は、55枚であるの
で、55枚を越えるプリント3に対しては1つ繰り上が
ったプリントIDが割り当てられる。つまり、1つのオ
ーダに対し2つの(場合によってはさらに多くの)プリ
ントIDが与えられることとなる。これにより、プリン
トIDとトレーIDは1:1の関係が維持される。続い
て、オートネガマスク領域でのネガ送りにおいて、ネガ
詰まりが生じたかどうかがチェックされ(#34)、ネ
ガ詰まりが発生した場合、一旦オートネガマスクへの新
たなネガフィルム2の送り込みを停止し、手でネガフィ
ルム2を取り出すといった手動リカバリー作業が行わ
れ、照合不一致トラブルが発生したとして、このネガフ
ィルム2がもつIDコードにはトラブル情報がリンクさ
れる(#35)。この取り出されたネガフィルム2は、
ネガリール11に巻き付けられたネガフィルムが全て処
理された後に、再度搬送ラインに装填される。#34で
No分岐した場合は、さらに、ネガフィルムが写真処理
装置から取り出されるような照合不一致となるトラブル
が発生したかどうかをチェックして(#36)、照合不
一致トラブルが生じていた場合はそのネガフィルム2に
対応するIDコードにはトラブル情報がリンクされる
(#37)。上述のようにして、1オーダ分の露光処理
が行われる。
【0041】露光処理の終えたネガフィルム2はネガピ
ースとして所定の長さ(4コマ長さ、又は6コマ長さ)
にカットされ、さらにカットされたネガフィルム2(ネ
ガピース)はネガシートに挿入され、ネガシート排出部
60から排出されるが、これらの処理はネガ排出ルーチ
ンにより行われる。図19に示すネガ排出処理ルーチン
では、ネガフィルム2のカットすべき箇所をネガカッタ
ー25のカッティングラインに位置合わせし(#4
1)、ネガカッター25を作動し、所定長さのネガフィ
ルム2を作り出す(#42)。カットされたネガフィル
ム2は、それ自体は公知であるネガシート挿入装置によ
ってネガシートに挿入されていくが(#43)、ネガシ
ート挿入過程においてシート挿入が不可能となるような
トラブル、例えばネガシートが大きすぎるたり小さすぎ
るためにネガシートを折り畳めないトラブル、ネガシー
トの継ぎ目にまたがるためにネガシート挿入作業が続行
できないトラブルなど、が発生した場合(#44)、ネ
ガフィルム2を強制的に排出し(#45)、このネガピ
ース2をトレー100に載せることを断念する。従っ
て、このネガフィルム2に対応するIDコードにはトラ
ブル情報がリンクされる(#46)。
【0042】露光部20で最終コマ画像の露光完了時点
からネガフィルム排出部60からの排出までの処理時間
が異常に長いと、通常ネガシートに挿入された形でネガ
フィルム排出部60から排出されたネガフィルム2を積
み込んだトレー100が、その最終コマ画像を焼き付け
て現像され、プリント3としてプリント排出部50から
排出されるまでに、プリント搬入ステーション73に到
着しないことになる。このような事態の処理として、ネ
ガ搬送遅れ処理ルーチンがある。図20で示すネガ搬送
遅れ処理ルーチンでは、トレー100に載せる予定のネ
ガフィルム2の最終コマ画像を焼き付けた印画紙3が現
像処理部30に送り出されてからの時間:t1 が限界時
間:T1 未満かどうかチェックされ(#51)、限界時
間を越えていた場合、印画紙3の露光部20への送り出
しを中断し(#52)、プリント排出部50から排出さ
れるプリント3をとりあえず処理していくためにトレー
100をプリント排出部50に向けて送り出してから
(#53)、ネガフィルム排出部60のネガフィルム2
をトレー100に積み込む。次いで、印画紙3の送り出
しを再開する(#55)。同時に、露光部20から出て
ネガフィルム排出部60までに存在するネガフィルム2
は照合不一致としてこのネガフィルム2に対応するID
コードにトラブル情報をリンクする(#56)。露光部
20のセットされているネガフィルム2は、照合可能と
みなされる。
【0043】ここまでは、ネガフィルム2に関連する処
理過程での照合不一致トラブルを説明したが、印画紙3
(プリントカットされた後はプリント)の処理過程にお
いても照合不一致トラブルは生じる。但し、印画紙3
は、ペーパーローディングルーチンにより露光部20へ
送り出され、露光された後、現像部搬送ルーチンにより
現像処理部30の各処理タンク内を通過することにより
現像処理され、乾燥部40で乾燥されるまで、通常は連
続的に行われるので、照合不一致トラブルは生じない。
問題となるのは、印画紙3よりプリントカットされたプ
リント3を所定のトレー100に積み込むプリント積み
込み過程であり、その処理ルーチンは図21に示されて
いる。ペーパーカッター51によるプリントカットの前
に、印画紙3の側端に形成された6ビットのプリントI
D用ノッチ列を光学的に読み取り(#61)、コントロ
ーラ5が内部的にリンク構造の形で格納しているプリン
トIDと一致するかどうかチェックし(#62)、一致
しなければこのプリントIDにトラブル情報をリンクす
る(#67)。さらに、露光された枚数とペーパーカッ
ター51によって印画紙3からカットされたプリント枚
数とをチェックされる(#63)。このチェックで、こ
のオーダにおいて露光された枚数、つまり露光処理時に
コントローラが記憶しているプリント枚数と実際にこの
オーダ分としてペーパーカッター51によってプリント
カットする枚数が一致しなかった場合、一応このプリン
ト3をプリントIDにリンクしているトレー100に積
み込むといったようなリカバリーを行った後(#6
4)、このプリントIDにトラブル情報をリンクする
(#67)。ここでは、さらに、プリント長さもチェッ
クされ(#65)、所定長さを越える場合は、トレー1
00に積み込める長さにカットするといったリカバリー
処理を行った後(#66)、このプリントIDにトラブ
ル情報をリンクする(#67)。搬送系の故障などプリ
ント搬入ステーション73での搬入が不可能となるトラ
ブルが生じていると(#68)、印画紙3をノーカット
でバイパス路54から排出し(#69)、このプリント
IDにトラブル情報をリンクする(#67)が、このケ
ースでは、プリント3はトレー100に積み込まれない
ので、該当トレー100はネガフィルム2だけを積み込
んだ状態で、照合ステーション74に送られる。
【0044】照合不一致報知処理ルーチンは、プリント
搬入ステーション73に停止したトレー100が積み込
むべきネガフィルム2やプリント3のIDコードに上述
したようなトラブル情報がリンクされており、結果とし
てこのトレー100のIDコードにトラブル情報がリン
クしている場合、トレー情報表示制御手段5jは、液晶
ディスプレイ6cを介して、特定のトレー番号100a
をもつトレー100に積み込まれたネガフィルム2とプ
リント3が何らかのトラブルをもっていることを表示す
る。もちろん、この液晶ディスプレイ6cで、各トレー
100にリンクしているオーダのプリント枚数や顧客情
報などのトラブル以外の情報をトレー番号100aに並
べて表示してもよい。
【0045】次に、コンベヤ機構制御処理ルーチンに基
づいた、コンベヤ機構70のトレー100の搬送動作を
説明する。ネガフィルム搬入ステーション71における
ネガ排出部60から第1ストッパー装置85によって停
止しているトレー100のフィルム収納部150aへの
ネガフィルム2の収納は、ネガシートに挿入され折り畳
まれた状態のものや裸のままのネガフィルム2、場合に
よってはアドバンスフォトシステムのカートリッジが1
単位毎にここでは図示されていないフィーダ装置によっ
て自動的に行なわれる。ネガフィルム搬入ステーション
71での第1ストッパー装置85による停止が解除さ
れ、自重により下降したトレー100は、第3駆動装置
90cの牽引部95に係合し、登り斜面を走行し、さら
に待機ステーション72を形成している第1駆動装置9
0aによって引き継がれ、順次ストレージされていく。
【0046】待機ステーション72でストレージされて
いる先頭のトレー100は、間欠駆動している第4駆動
装置90dのチェイン91が駆動して、牽引部95と係
合することで、登りの急斜面を牽引部95の1ピッチ毎
昇っていく。第4駆動装置90dによる搬送は、プリン
ト搬入ステーション73の第2ストッパー装置86がト
レー100の停止を解除するのと連動して、牽引部95
の1ピッチ分ずつ駆動する。従って、プリント搬入ステ
ーション73に停止するトレー100が、横送りコンベ
ヤ53から1単位のプリント3を受け取って第5駆動装
置90eによって斜面を下降する毎に、次のトレー10
0がプリント搬入位置に送られ、第2ストッパー装置8
6によって停止させられる。
【0047】第2ストッパー装置86によって停止させ
られているトレー100が、横送りコンベヤ53から、
1単位のネガフィルム2に組み合わされるべきプリント
3を受け取ると、第2ストッパー装置86が解除され、
トレー100は自重により少し降下し、第5駆動装置9
0eの牽引部95に係合して、チェーン91の動きに伴
って降下して行くが、この第5駆動装置90eは、照合
ステーション74にストレージされているトレー100
の数等に応じて、第2ストッパー装置86の作動と連動
してトレー100を受け取る毎に牽引部95の1ピッチ
分搬送する間欠駆動と、第2ストッパー装置86の状態
にかかわらずにトレー100を搬送する常時駆動とに切
り換え可能となっている。第5駆動装置90eによって
斜面を下降するトレー100は、照合ステーション74
のストレージラインに入るために、一旦第6駆動装置9
0fに引き継がれる。
【0048】照合ステーション74のストレージライン
に入ったトレー100は、第3ストッパー装置87によ
って停止させられたトレー100を先頭に順番に停止さ
せられ、作業者がトレー100から仕上がり品としてネ
ガフィルム2及びプリント3を取り出すのを待つ。ここ
で、液晶ディスプレイ6cを通じて積み荷になんらかの
トラブルをもつとされたトレー100に対しては、作業
者は所定のリカバリー作業を行う。いずれにしても、収
納されているネガフィルム2及びプリント3が作業者に
よって抜き取られたトレー100は、第4ストッパー装
置88によって停止されていたトレー100が第2駆動
装置90bによってネガフィルム搬入ステーション71
に送られることに連動して第3ストッパー装置87が作
動することにより、第4ストッパー装置88まで送り込
まれる。これにともなって、ストレージラインのトレー
100は第1駆動装置90aによって1つずつ前に詰め
られる。
【0049】第4ストッパー装置88の解除にともなう
第2駆動装置90bによるトレー100のネガフィルム
搬入ステーション71への搬送制御は、第1ストッパー
装置85による停止位置においてトレー100のフィル
ム収納部150aへネガフィルム2を収納する作業が完
了する毎に行われる。つまり、ネガフィルム2の積み込
み完了にともない第1ストッパー装置85がトレー10
0の停止を解除すると、第4ストッパー装置88の領域
に備えられた光センサ76によりネガフィルム2及びプ
リント3の取り出し完了が検出されたのを条件として、
第4ストッパー装置88がトレー100の停止保持を解
除し、ネガフィルム搬入ステーション71へ空のトレー
100を供給する。これに連動して、第3ストッパー装
置87もトレー100の停止保持を解除し、第4ストッ
パー装置88へトレー100を送り出す。
【0050】上記実施の形態では、トレーコンベヤ70
のトレー100にはネガフィルム2とプリント3の両方
が積み込まれていたが、プリント3のみを搬送するよう
に構成し、液晶ディスプレイ6cにはトレー番号100
aとプリント3に関する情報を表示するようにしてもよ
い。
【0051】さらに上記実施の形態では、トレー番号1
00aとトレー100の積み荷に関する情報とを関連づ
けて表示するディスプレイとして液晶ディスプレイ6c
が用いられたが、その他のフラットパネルやCRTを採
用しても良い。また、写真処理作業の操作のために用い
られているモニター6aと兼用して、画面切り替えスイ
ッチ等で所望の画面を選択できるような構成を採用して
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による写真照合システムを採用した写真
処理装置の斜視図
【図2】図1によるネガフィルムと印画紙の流れを示す
写真処理装置の模式図
【図3】図1による写真処理装置のブロック図
【図4】トレーコンベヤ機構のトレーを示す拡大図
【図5】コントローラのブロック構成図
【図6】写真照合システムを構成するトレーコンベヤ機
構の模式図
【図7】駆動装置とトレーの走行部との関係を示す説明
【図8】駆動装置とトレーの走行部との関係を示す説明
【図9】フィルム収納部へのネガフィルムの搬入を示す
説明図
【図10】第1ストッパー装置の模式図
【図11】第3ストッパー装置の模式図
【図12】光センサーの模式図
【図13】トレーの斜視図
【図14】各種IDコードのリンク構造を説明する模式
【図15】コントローラの機能を説明する説明図
【図16】ネガローディング処理のフローチャート
【図17】コマ画像読み取り処理のフローチャート
【図18】露光処理のフローチャート
【図19】ネガ排出処理のフローチャート
【図20】ネガ搬送遅れ処理のフローチャート
【図21】プリント搬入処理のフローチャート
【符号の説明】
2 ネガフィルム 3 印画紙(プリント) 5 コントローラ 5i トラブル検知手段 5f ネガフィルムIDコード割り当て手段 5g プリントIDコード割り当て手段 5h トレーIDコード割り当て手段 5k リンクマネージャー 5j トレー情報表示制御手段 6c 液晶ディスプレイ 20 露光部 50 プリント排出部 60 ネガフィルム排出部 70 照合搬送手段 100 トレー 100aトレー番号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ネガフィルムのコマ画像を焼き付けたプリ
    ントがオーダー単位で積み込まれるプリント搬入ステー
    ションとオーダー情報に基づいてプリントがチェックさ
    れる照合ステーションとにわたって設けられたトレーコ
    ンベヤを備えた写真処理装置において、 前記トレーコンベヤの各トレーには視認可能な識別記号
    が付与されており、かつ前記識別記号とこの識別記号を
    有するトレーの積み荷に関する情報とを関連づけて表示
    するディスプレイが設けられていることを特徴とする写
    真処理装置。
  2. 【請求項2】前記トレーにネガフィルムが積み込まれる
    ネガフィルム搬入ステーションが設けられており、同一
    トレーに積み込まれたネガフィルムとプリントの照合情
    報がトレーの識別記号とともに前記ディスプレイに表示
    されることを特徴とする請求項1に記載の写真処理装
    置。
  3. 【請求項3】写真処理工程において前記ネガフィルムや
    前記プリントに生じたトラブルに関するトラブル情報が
    そのネガフィルムやプリントを積み込むべきトレーの識
    別記号とともに前記ディスプレイに表示されることを特
    徴とする請求項2に記載の写真処理装置。
  4. 【請求項4】ネガフィルムとプリントの照合を行うた
    め、トレーがストレージ可能な照合ステーションが設け
    られており、前記ディスプレイは照合ステーションに位
    置するオペレータから見えるように配置されていること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の写真処理装置。
  5. 【請求項5】前記ディスプレイが写真処理装置の操作の
    ために備えられているディスプレイから独立して設けら
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の写真処理装置。
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